中央環境審議会総合政策部会(第58回)議事録

開催日時

平成23年4月20日(水)13:30~15:57

開催場所

三田共用会議所 4階・第4特別会議室

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    1. (一)第三次環境基本計画の見直しについて
      •     ○ 環境施策の状況等
      •     ○ 委員からの意見表明
    2. (二)その他
  3. 閉会

配付資料一覧

【資料】

資料1 総合環境政策局説明資料
資料2 環境保健部説明資料
資料3 水・大気環境局説明資料
資料4 各委員からの文書によるご意見について

【参考資料】

参考資料1 中央環境審議会総合政策部会名簿
参考資料2 第三次環境基本計画の見直しスケジュール(案)
参考資料3 第三次環境基本計画の点検における提言について

議事録

午後1時30分 開会

○矢田環境計画課計画官 それでは、開会に先立ち、資料の確認をさせていただきたいと思います。
 お手元の議事次第の下に配付資料一覧という形で書いてございますけれども、まず資料といたしまして、総合環境政策局説明資料、環境保健部説明資料、水・大気局説明資料ということで、事務局側で用意した資料が3点ございます。
 それから、前回の部会におきまして、各委員から文書による意見の提出をお願いいたしたところでございますけれども、いただいた資料を資料4という形でまとめて配付させていただいております。
 それから、参考資料といたしまして、参考資料1、2、3というものが後ろについておりまして、参考資料3は、第三次環境基本計画の点検を平成19年度から22年度まで、4年前から昨年まで4回行ってまいりましたけれども、そのうちの後半2回の点検におきましていただいた提言を抜粋してお配りしているものでございます。本日の審議のご参考にしていただければと思います。
 それから、もう一つ、本日、意見発表ということで、林委員のほうからいただいた資料を事務局のほうで一緒に挟み込むことが間に合いませんでしたので、お手元に新聞の切り抜きの写しと雑誌の切り抜きのもの、ホチキスでとじたものと1枚紙のものをお配りしているかと思います。
 資料は以上でございますけれども、もし足りないものがございましたら、事務局までお申しつけいただきたいと思います。
 それから、お願いでございますけれども、マイクをお使いいただきます際には、お手元のスイッチを押してからご発言をお願いしたいと思います。同時に4本までしか使用できませんので、ご発言が終わりましたらスイッチを切っていただくようお願い申し上げます。
 本日の総合政策部会でございますけれども、現時点で全委員中過半数の委員にご出席いただいておりますので、定足数の要件を満たし、部会として成立していることをご報告申し上げます。
 それから、もう一点、本日の審議時間でございますけれども、事務局から当初ご連絡を申し上げました際には、1時半から5時半までの4時間ということで予定しておりましたけれども、ご連絡申し上げましたとおり、終了時間を繰り上げまして4時までということにさせていただきたいと思います。これは、先月の大震災を受けまして、この会議終了後に中央環境審議会総会を開催することになったためでございます。
 この総合政策部会の委員のうち総会のメンバーでいらっしゃる委員の方々におかれましては、この会議終了後、1つ下のフロアの3階で引き続き総会を開きますので、そちらのほうに移動をお願いいたします。鈴木部会長から安井委員までの9名の委員の方は、この後引き続き総会のほうにご出席をお願いいたします。
 それでは、この後の進行は鈴木部会長にお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、第58回の中央環境審議会総合政策部会ということになりますが、早速、議事に入らせていただきたいと思います。
 前回の総政部会におきまして、第三次環境基本計画の見直しの諮問を受けまして、その趣旨、それから、社会経済・環境問題の状況について等々、事務局から説明がありまして、審議に入ったところでございます。これを受けまして、本日と次回5月11日を予定しておりますが、この2回に分けまして、各委員の先生方から新たな環境基本計画を策定するにあたりましてのご意見をいただく、そういういわば基本的な会合を予定しております。
 本日のところは、先ほどご紹介のありました3つの局から環境施策の状況や課題についてお話をいただきますが、それを受けまして、また7名の委員の方からの意見を提出いただいております。申し上げましたように、今回と次回5月11日を有効に使いまして、環境基本計画についてどういうふうに進めていくべきか、このご議論をいただければと思っております。
 今回は3つの分野からの状況表明をいただきますが、次回の部会では廃棄物・リサイクル対策部、地球環境局、そして、自然環境局の3分野から進捗状況の説明をいただくことにいたします。今回のところは、まず前半60分を使いまして、3分野の環境施策の状況や課題につきまして審議をさせていただき、後半で委員の方々からの意見表明、ご希望のあった委員からご意見をいただくというふうにさせていただきたいと思います。
 先ほど事務局からご説明ありましたように、当初予定しておりました審議時間が非常に短くなってしまいましたが、次回5月11日の部会は十分な審議時間を確保したいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、3分野の環境施策の状況や課題に関しまして、それぞれご説明をいただきたいと思います。まず、総合環境政策局、よろしくお願いします。

○川上総合環境政策局総務課長 それでは、総合環境政策局から説明させていただきます。施策の現状と課題についてでございます。お手元の資料1をご覧いただきたいと存じます。おめくりいただきまして、目次にございます6点につきまして、ご説明をさせていただきます。
 まず環境基本計画、まさに今回ご審議をいただいているものでございますけれども、ご案内のとおり、環境基本法第15条に基づきまして、平成6年以来ほぼ6年ごとに計画を定めていただいているものでございます。今回、平成24年春ごろを目途にこの作業を行っていただいているところでございます。あと、マクロの環境のデータということで、私ども、『環境白書』の作成を従来行ってございます。これは同じく環境基本法第12条に基づいて毎年やっているものでございます。
 ページをおめくりいただきまして、その他、マクロの環境情報、もろもろの集積をやってございますけれども、特に前回、第三次の環境基本計画におきましては、環境情報戦略の策定というご指摘をいただいております。これは平成21年3月に策定してございまして、その後鋭意フォローアップをしているところでございます。
 それから、(5)のところでございますけれども、環境経済情報の整備ということで、最近ですと、いわゆる環境短観の取りまとめでございますとか、特にグリーンニューディール、グリーン・イノベーションというような言葉がございますけれども、環境と経済の政策研究ということでいろいろなプロジェクトを進めているところでございます。
 3ページで、今後の課題でございますけれども、これまでもご指摘をいただいております環境情報戦略につきまして、環境と経済社会活動に関する情報収集の強化等を引き続き着実に進めていくということが一つ課題になってございます。
 4ページにお進みいただきまして、2つ目が環境保全型の地域づくりということでございます。平成20年の温対法の改正によりまして、都道府県、指定都市、中核市、特例市、こういう地方公共団体にも排出抑制の施策について義務づけがなされております。ここにございますようないろいろな方策、グリーンニューディール基金でございますとか、チャレンジ25地域づくりとか、このようなもろもろのツールを使いまして私どもは支援をさせていただいているところでございます。
 それから、(5)のところをご覧いただきますと、公害防止計画ということで、伝統的に昭和40年代からやらせていただいているものでございますけれども、昨年の12月に公害防止計画制度の在り方について意見具申をいただきまして、お陰様で公害財政特例法の10年延長等の法律が先日国会で成立してございます。
 それから、地方分権の観点の下で、環境大臣による関与を限定することにつきましては、今、一括法案としてご審議をいただいている最中という状況でございます。
 今後の課題でございますが、6ページにございます、地方公共団体のいろいろな取組への支援というのは引き続き進めていく。それから、環境負荷の少ない持続可能な地域づくりを支援していく。直近の状況といたしましては、同時に災害にも強いまちづくりをどうやって進めていくかというようなことが課題になっているところでございます。
 7ページ以下は、経済と社会のグリーン化、3つ目の課題ということでございますが、私どもは大きく4つ取組をしてございます。一つは税制の関係、7ページでご覧のとおり、温暖化対策のための税をはじめといたしまして、もろもろの改正につきまして、8ページでございますけれども、現在、所得税法等の一部改正、あるいは、地方税等の一部改正法案を国会でご審議の最中というところでございます。
 (2)は金融・事業活動を通じての推進ということでございます。金融につきましては、昨年6月に専門委員会におきまして報告書をいただきまして、これまでもいろいろ施策をしてございますけれども、特に、9ページ辺りでございますが、23年度の新規といたしましては、家庭・事業者向けのエコリース、あるいは、ムーブメントとしての環境金融行動原則の策定・普及というようなことを進めているところでございます。
 10ページにまいりまして、(3)、消費行動を通じたグリーン化ということでございます。これも、従来、民主導のエコ・アクション・ポイントの推進等をやってまいりましたけれども、直近ではご案内のとおり、11ページでございますけれども、景気対策等の観点も含めまして、この3月末まで家電エコポイント事業を推進してまいりましたし、本年12月まで住宅エコポイント事業というものを引き続きやっているところでございます。
 それから、12ページ、先ほどの大きな3の中の(4)でございますけれども、製品・サービスを通じたグリーン化ということで、平成12年のグリーン購入法、それから、平成19年の環境配慮契約法に基づきまして、グリーン購入あるいはグリーン契約というような形で、製品・サービス面からのグリーン化の推進を図っているところでございます。
 まとめますと、13ページでございますが、今後の課題としてご覧のものが挙がっておりますけれども、今申し上げましたようなもろもろの経済的手法を一層活用いたしまして、環境施策を進めていくということが今後の課題となってございます。
 14ページ、15ページは、大きな4番目といたしまして、アセスメントの関係でございます。昨年、平成22年の2月にこのアセスメントの在り方について答申をいただきまして、昨年の3月に戦略的環境アセスメントをはじめとする改正法案を昨年の通常国会に提出させていただきました。その後、3国会目、今国会まで継続になってきたわけでございますけれども、お陰様で先週参議院を通過いたしまして、昨日衆議院の環境委員会でも可決され、あとは衆議院本会議を待つという状況まできているところでございます。
 同じく風力発電を政令改正により追加するというところも昨年ご議論いただきまして、昨年の10月から検討会を開催して、具体的な中身についてご検討いただいているところでございます。
 個別事業のアセスメントの実績でございますけれども、下にございますように、法の施行以降196件の手続を実施いたしまして、129件の環境大臣意見を述べているところでございます。
 15ページ、今後の課題でございます。改正法案は最後の段階にきておりますけれども、その改正法案に基づく円滑かつ適切な運用を周知、それから、将来の課題といたしましては、より上位の計画・政策段階のSEAというものも今後の引き続きの検討課題としてご指摘をいただいているところでございます。
 16ページ、17ページは、環境教育あるいは民間活動の支援ということでございますけれども、環境教育につきましては、基盤整備事業、あるいは、環境カウンセラー事業等を進めているところでございます。「こどもエコクラブ」、「我が家の環境大臣」については、事業仕分けにおきまして厳しいご指摘をいただき、国の事業としては廃止ということでございまして、今、民間、自治体に円滑に引き継ぐことを進めてきておりますが、併せまして、普及啓発を含めて現在、政務官の下で抜本的に見直していく検討チームを立ち上げてございまして、この検討結果を踏まえて今後私どもは施策を展開していきたいと思っております。
 あと、持続可能な開発のための教育、いわゆるESD、あるいは、アジア環境人材育成、それから、民間のNPO等の支援というようなことに力を入れているところでございます。
 今後の課題といたしましても、関係主体間や地域間との連携が進むような施策、あるいは、ESDの一層の促進というようなことを進めていきたいと思っております。
 最後、18ページでございますが、研究・技術開発の関係でございます。こちらも昨年の6月に私どもの推進戦略の見直しをしていただきました。従来の脱温暖化・循環・自然共生・安全の4領域、さらには全領域共通・領域横断の課題というようなことを整理していただいておりまして、今後の課題といたしましても、こういう領域横断的な研究等を重点にどう進めていくかということが課題になっているところでございます。
 総合環境政策局は以上でございます。

○鈴木部会長 では、環境保健部のほうから。

○瀬川環境保健部企画課長 続きまして、環境保健部からご説明を申し上げます。資料2でございます。
 環境保健部では、大きく分けまして、化学物質対策と公害健康被害等の補償・救済の事務を執り行っております。まず、化学物質対策からご説明を申し上げます。
 資料をおめくりいただきまして、ページ2でございます。化学物質対策の全体の概要でございますけれども、私どもの周りには極めて多数の化学物質が様々な形で使われ存在してございます。これはもとより私どもの生活にとって欠くことができないわけでございますけれども、適切な管理がなされない場合には、環境を経由いたしまして、私どもの健康や生態系に悪影響を及ぼす、環境リスクのおそれがあるというものでございます。こういった観点に立ちまして、私どもでは化学物質対策を進めております。
 大きく分けまして、環境中での化学物質の状況の調査、一番下の箱にございますが、実態調査のモニタリングなどを行いまして、そうした実態を踏まえまして、個別の物質の毒性を考慮した環境リスクの評価を行います。また、それと同時に必要に応じてその物質に対する基準の設定を行いまして、それ以降は各個別法などに基づいたリスク管理、個別法による規制などを行うということでございます。同時に、我々の身の回りによくあるものですから、適切な理解が必要という意味で化学物質に関するリスクコミュニケーションといったこともこれまで進めてきているところでございます。
 このうち、実態とか調査という意味での最近の動きを申し上げますと、右上のオレンジがかったところにございますような、例えば子どもに対する化学物質の影響を調査するための、我々は「エコチル調査」と呼んでおりますけれども、こういったものを始めたり、環境ホルモンについても改めてその評価を行うというような取組も進めてございます。
 一方で、化学物質につきましては、国際的な取組も非常に盛んでございます。中でも、私どもがこれからきちっとやっていかなければならないものといたしまして、その下の箱にございます、2020年までに化学物質による悪影響を最小化するということがヨハネスブルグサミットで合意されたわけでございますけれども、その目標を達成するための国内計画の策定をこれから進めていこうと考えております。そのほかにも、個別の条約に基づく取組を進めているということでございます。
 以下、3ページ、4ページ、5ページ、6ページ、7ページ、8ページと、個別の、今申し上げましたようなことの個票がございます。
 9ページに、最近の動きということで、水銀条約に関して一言ご報告を申し上げます。昨年、UNEPが主導いたしまして、水銀汚染による法的な枠組みをつくるという動きが進んでございます。これにつきましては、平成22年に鳩山総理が、水俣病と同様の健康被害や環境破壊が世界の他の国で繰り返されないように、我が国としてこれに積極的に貢献するということと、この条約の取りまとめのための会議を我が国で開いて、その名称も「水俣条約」にしたいということを表明してございます。これにつきましては、本年1月、政府間の事務会合の一つがございましたけれども、そこで取りまとめの外交会議を我が国で行うということの了承はされているところでございます。今後は条約の内容が意味のあるものになるように我が国としても貢献をしていきたいと考えているところでございます。
 10、11ページはその概要でございますが、以下若干飛ばさせていただきまして、16ページをご覧いただきたいと思います。16ページにございますのは、先ほどちょっと申し上げました子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)の概要でございます。昨年度から本格的に実施してございますけれども、一番上の段にございますように、胎児期から小児期にかけての化学物質曝露が子どもの健康に何らかの影響を及ぼしているのではないか、そういう仮説に立ちまして、その影響の解明を目指そうというものでございます。調査内容にございますように、3年間かけまして10万組の親子をリクルートし、リクルートして生れた子どもが13歳になるまで追跡調査を行い、その影響を解明していこうというものでございます。長い調査でございますけれども、毎年きちっとやっていけるように努力していきたいと思っているところでございます。
 25ページに飛んでいただきますと、化学物質対策の課題ということでございます。第4回の点検のときにご指摘いただきましたもののうち、主なものを掲載させていただいております。中でも、総論といたしまして、化学物質対策の全体像を国民にわかりやすく示すべきであるというご指摘をいただいております。これにつきましては、先ほどのSAICAMを国内実施計画の策定をやっていく中で、場合によっては関心のある皆様のご意見を伺う場も設けながら、全体像の取りまとめをやっていきたい。もとよりこの基本計画のご審議の中で出された方針なり考え方を踏まえてやっていきたいと考えているところでございます。
 以下、個別のものを掲げてございますけれども、それぞれ何らか対処しているということのご紹介でございます。
 26ページをおめくりいただきますと、第4回のときには指摘をされなかったことで、私どもがこれからまだほかにもあるなと思っておりますのは、リスク評価、リスク管理という意味では、ナノ材料とか、現にその有害性が懸念される臭素系の難燃剤の取扱い、あるいは、政策的に重要だという意味では、製品のライフサイクルを通じた包括的な化学物質対策を打ち立てる。製造から廃棄までの全般に及んで人あるいは生態系に悪影響がないように管理していく、そういう考え方の導入に向けた検討を進めていきたいと考えてございます。
 次が、公害による健康被害対策等でございます。28ページにございますのは、公害健康被害補償法に基づくものでございますけれども、ここでご紹介すべきは第1種地域、大気汚染によるぜん息等の被害者に関する救済でございます。これにつきましては、昭和63年に第1種指定地域というのが解除されてございますので、新たな被害者の認定は行っておりませんが、まだ4万人近くの方が認定患者としておりますので、そういった方の救済を着実に進めていくということを私どもとしてはしっかりやっていきたいと思っております。
 次に、30ページは水俣病でございます。長い歴史がある問題でございますけれども、幸いにこの3月、大規模な集団訴訟につきましては、国・県・チッソが原告団の皆様と和解をすることができまました。一方で水俣特措法に基づく救済も順調に進んでおりまして、その特措法に関連する主要3団体ともある種必要な取決めを行って紛争が終結するという状況に至ってございます。
 私どもといたしましては、引き続きその和解条項あるいは特措法に基づく医療費などの救済はきちっと進めることはもとよりでございますけれども、胎児性の患者さんの高齢化ないしはその親御さんの高齢化といった状況を踏まえまして、地域の福祉をしっかりやっていくということと、いわゆるもやい直しということで、水俣地域などの地域振興にも地域の皆さんと手を携えて取り組んでいくということを引き続きやっていきたいと思っております。
 最後に、石綿法に基づく救済でございます。本件につきましても、着実に運用されてきているところでございますが、一方で制度の在り方自身、現在中環審の小委員会でご議論いただいているところでございますので、そういうことも踏まえて救済はきっちり進める。それに含めてどういうことがやっていけるのかということも、議論を踏まえて対応していきたいと考えているところでございます。
 ありがとうございました。

○鈴木部会長 では、水・大気環境局、お願いします。

○粕谷水・大気環境局総務課長 では、引き続き資料に基づきまして、水・大気環境局の状況についてご説明いたします。
 まず初めに大気環境の現況でございますけれども、全国の都道府県・政令市で常時監視を実施してございます。おおむね一般環境局で2,000局、自動車排ガス測定局で440局ぐらいでございますけれども、総じて言えば大気環境の状況というのは全体として改善傾向でございます。これらの観測結果につきましては、愛称「そらまめ君」と言っておりますが、私どものホームページでリアルタイムで公表しているところでございます。一方、光化学オキシダントにつきましては、環境基準の達成状況は極めて低く1%以下でございますし、かつ、近年平均濃度が少し増える傾向にあるということで、対策が必要になってきているところでございます。
 そのための対策として、固定発生源と移動発生源対策というふうになるわけでございますけれども、固定発生源につきましては、大防法に基づきまして、ばい煙の排出規制等を行ってございますし、[2]にありますような揮発性の有機化合物対策も行っています。揮発性の有機化合物につきましては、[3]に書きましたように、光化学オキシダントの主な原因物質でございまして、このVOCとNOxを減らすことで光化学オキシダント対策を進めてまいりました。VOCの発生量そのものは、[2]にあります目標といたしました平成22年度までに排出量3割削減ということは、既に35%削減ができておりまして、達成してございますが、一方で、先ほど申し上げましたように、光化学オキシダントの濃度が増える傾向にあるということで、抜本的な対策の見直しが必要だろうと思っているところでございます。
 [4]でございますけれども、アスベストによる大気汚染対策も行ってございまして、アスベストの発生施設、それから、アスベスト排出作業にかかる規制を大気汚染防止法に基づいて行っているところでございます。工場につきましては、既に全廃されてございまして、実質上なくなっているわけでございますけれども、アスベスト排出作業、解体工事等につきましては、今後さらに対策を強化する必要があろうと思ってございますし、無届けの工事がされているのではないかという恐れもございますので、今年度からモデル自治体を選定いたしまして、遵守状況等を確認いたしまして、必要な対策を行っていきたいと考えているところでございます。東日本大震災における瓦礫対応におきましても、アスベストの飛散等が心配されているところでございますので、現在予備調査を行ってございます。その成果を基に本格的なアスベストの監視作業にも移ってまいりたいと考えているところでございます。
 [5]でございますけれども、ベンゼンやトリクロロエチレンのような、大気中の濃度が低濃度であっても長期間の吸入で健康影響が懸念される有害大気汚染物質につきましても、環境基準あるいは指針値を決めて、最善の技術を適用していただくということで対応を進めているところでございます。
 次にまいりまして、自動車排ガス対策であります。大きく言えば自動車単体の排出ガス規制と、地域対策としての自動車NOx・PM法になろうかと思います。単体規制につきましては、これまで何回かに及ぶ答申をいただきまして、規制を強化してまいったところでございます。現在も引き続き二輪車の排ガス規制の強化等の議論を進めているところでございます。それから、公の道路を走らないオフロードの特殊自動車、ブルドーザー等につきましても、平成18年から排出ガス規制を実施しているところでございますし、さらに強化をしていくという段取りになってございます。自動車NOx・PM法につきましては、首都圏、愛知、三重、大阪、兵庫で車種規制を実施いたしまして、基準非適合車につきましては登録を制限するということで対策を推進しているところでございます。
 自動車NOx・PM法については、基本方針をこの3月に変更して、平成32年度までに、NO2、それから、浮遊粒子状物質の環境基準確保という目標を立てたところでございます。低公害車の普及、あるいは、環境にやさしい自動車利用の促進ということにも取り組んでいるところでございます。
 それから、固定発生源、自動車排出ガス、両方に共通する問題といたしまして、微小粒子状物質(PM2.5)と言っておりますが、これの問題がございます。浮遊粒子状物質が10µm以下の粒子物質に対しまして、より細かな微小粒子状物質の環境基準を平成21年9月に策定したところでございます。これにつきましては、今後3年間を目途に全国的な監視体制を整備する、それから、成分の分析をいたしまして、インベントリーを作成いたしまして、どういう対策をしていくのか、シミュレーションモデルもつくりながら対策の検討に移っていきたいと思っております。
 騒音対策、ヒートアイランド対策についても、資料に書いてございますような対策を講じているところでございます。
 続きまして、水の分野にまいりたいと思います。水環境の状況でございます。人の健康保護に係る環境基準、重金属や有機塩素化合物でございますけれども、こちらにつきましてはほぼ全国的に達成している状況でございます。一方、生活環境保全に係る環境基準につきましては、全体的には徐々に改善の傾向でございますけれども、相変わらず湖沼、内湾、内海等の閉鎖性水域での達成率が低いという状況でございます。達成率はここに書いてあるとおりでございます。こうした問題に対しまして、環境基準の見直しとか排水基準の見直しなどを進めているところでございます。それから、先ほど申しました環境基準の達成率が悪いエリアにつきましては、湖沼の水質保全対策としての湖沼法に基づく対策、それから、閉鎖性海域、特定海域についてもそれぞれ対策を進めているところでございます。
 [3]でございますけれども、地下水の汚染対策ということで、地下水汚染の未然防止を図ろうということで、水質汚濁防止法の一部を改正する法律案を今通常国会に提出しているところでございます。非意図的な汚染物質の漏えいを防ごうということで、構造基準を決めたり、あるいは、点検義務を課すというような政策を進めようとしているところでございます。
 このほか、水環境保全に関する普及啓発なども行っているところでございますし、水環境保全に関して従来のような手法に加えて、今後どういうアプローチをしていったらいいかということで、今後の水環境保全に関する検討も検討会を開催いたしまして検討していただいたところでございます。新たな観点を踏まえて水環境保全にも取り組んでいるところでございます。
 次のページでございますけれども、土壌環境でございます。土壌環境の保全対策といたしまして、市街地の土壌汚染対策、それから、農用地の土壌汚染対策、それぞれ行っているところでございます。市街地につきましては、平成21年に土壌汚染対策法が改正されまして、規制対象が拡大されたところでございます。一方で、現在、自然由来の汚染について少し厳しすぎるのではないかというご意見もございまして、対応の検討を進めているところでございます。
 このほか、地盤環境の保全対策、地盤沈下防止対策でございますけれども、要綱に基づく対策を関係府省が連携して行っていること。それから、農薬の環境影響対策、これは農薬取締法に基づきまして登録保留基準の設定などを進めているところでございます。
 このページの下のほうでございますけれども、海洋環境の保全、越境大気汚染対策の2つにつきましては、昨年の10月に地球環境局から水・大気局のほうに業務が移管されてまいったものでございます。海洋環境の保全につきましては、条約対応としての海洋汚染防止法に基づくもろもろの規制、それから、今後行わなければならないものといたしましては、バラスト水の管理条約の早期批准、発効に向けた取組がございます。それから、漂流・漂着ごみ問題への対応として、海岸漂着物処理推進法に基づく諸対策も進めているところでございます。
 越境大気汚染対策といたしましては、酸性雨、黄砂、オゾン、それぞれございますけれども、冒頭で申し上げました光化学オキシダントがなかなか環境基準を達成できない、かつ、濃度が増えているというような問題もこの越境大気に関係してまいりますので、これらにつきましても対策を進めていく必要があろうかと思っているところでございます。
 最後になりますが、大気分野・水分野横断的な取組でございます。効果的な公害防止の取組の促進ということでございますけれども、昨年、大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律が公布されまして、今年の4月1日から施行されてございます。事業者による記録改ざん、あるいは、未記録・未測定といったような、法律違反の事態が散見されるものでございますから、それに対して罰則を適用するなどの対応をするというような、きちんとした公害防止対策に取り組んでいただくための法律改正も行っているところでございます。
 このほか、所掌という意味では、在日米軍の環境問題とか、ダイオキシン対策特別措置法も所掌してございます。ダイオキシン関係につきましては、いろんな媒体がございますけれども、98.8~100%ということでほぼ環境基準を達成できているという状態でございます。
 それから、大気・水分野での国際的な取組といたしまして、大気汚染、水質汚濁といった環境汚染対策と温室効果ガス削減を同時に実施するコベネフィット・アプローチというものを、途上国の温暖化対策として進めているところでございます。そのための国際機関やアジア各国参加の下でのパートナーシップも昨年11月に設立したところでございます。このほか、EST地域フォーラムとか、水環境パートナーシップ、日中水環境協力なども進めているところでございます。
 最後になりますけれども、環境放射線のモニタリングを実施してございます。これは離島等全国で10カ所でなりますけれども、人為的な影響がほとんどない地域におきまして、大気中の放射線の自動モニタリングを実施して公開しているところでございます。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 ただいま3つの局からの説明がございましたが、環境基本計画の見直しの方向性等に関しまして、今までのご発表に対しまして、委員の皆様方から自由にご意見を伺いたいと思います。質疑応答にあてられますのは30分ぐらいとなってしまいましたが、ご意見のある方は名札をお立ていただけますでしょうか。
 よろしいですか。今、7名の方から挙がっております。大変恐縮ですが、長くても3分というような形でお進めいただけますでしょうか。
 では、こちらからまいりましょう。崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。詳細に関して自分の意見表明は次回というお話でしたので、そうさせていただきます。
 今のお話の中で一つ、総合環境政策局の説明資料の16ページ、環境教育、環境保全活動の推進のところで、今後、社会全体が本気で環境問題に関して実践していく、特に大幅な節電対策などもありますけれども、本格的にエコライフを実践していくというときに、普及啓発のものが予算的にはどんどん絞られていってしまっている。こういうところをいかに強調していくか。そして、もちろん予算もありますが、政策の実施の仕方によって連携・協働の共創のシステムをつくっていくということが大変重要だと思っております。ですから、ここの辺をもっと強調していくということが大変重要ではないかというふうに感じております。
 それだけ申し上げたいと思っております。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 佐和委員。

○佐和委員 3点申し上げたいんです。一つは、2009年ですか、オバマがアメリカの大統領になって、9月に鳩山さんが日本の首相になられて、一挙にグリーンニューディールということが相互の国で言われるようになったわけですね。ところが、アメリカでは中間選挙で民主党が大敗を喫したということもあって、オバマ大統領の温暖化政策、つまり環境政策、あるいは、エネルギー政策の中にも大きな変化が生じているわけですね。そういう変化について総合政策局ではどのように認識されていらっしゃるのか。
 それから、温暖化対策税の導入が、閣議決定はされているわけですけれども、これは国会で円滑に認められるかどうかということについての見通しをお伺いしたい。
 それから、エコチルというのが出てまいりましたけれども、これは化学物質への曝露ということなんですが、今の放射性物質への曝露というのはこの範疇に入るのか。あるいは、ついでと言ったらあれですけれども、この際そこまで広げるというような考え方をお持ちなのか。
 以上です。

○鈴木部会長 安井委員。

○安井委員 本日、環境保健部と水・大気環境局のご説明をいただきましたけれども、両方ともどちらかと言いますと、人もしくは他の生物へのリスクというものが根本的な原理になるんだと思うんですけれども、特に保健部のほうの化学物質管理に関しましては、改正化審法でリスクベースの規制に方針が変わってきたと。それに対して、水・大気局のほうは、特に先ほど光化学オキシダント等をおっしゃいましたけれども、そういうリスクベースという考え方に変わっていないような気がしないでもない。その辺りの考え方を今後どうされるのかということについて伺いたい。
 以上です。

○鈴木部会長 木下委員。

○木下臨時委員 前回の第三次環境基本計画の見直しについて議論してもよろしいのでしょうか。それは後になりますか。

○鈴木部会長 今のご説明に関連があるようなことでしたら、今お受けいたしますが。

○木下臨時委員 では、後ほどやります。

○鈴木部会長 あと7名の方に意見表明をお願いしておりますので、木下委員もその中で。

○木下臨時委員 では、後で。

○鈴木部会長 それでは、末吉委員。

○末吉委員 ありがとうございます。2点申し上げたいと思います。環境基本計画のスタート地点ということであえて申し上げたいんですけれども、例えば環境と経済と社会の3つのバランスをよくとっていくことが必要だということがよく言われますけれども、それに立つと、経済で見た場合に国際的な経済の競争がどうなっていくのかというのをそもそもどう見ているのだろうかと。国際的な競争原理が環境を軸に大きく変わり始めたのではないかと私は思っております。とすれば、これからの国際的な経済の競争は、レギュレーションの競争とかルールの競争になっていくと思うんですね。そういったことを今回のこの基本計画のときに、どう世界の流れを読んでいるのか。それとの関係をどうしようとするのかということが第1点です。
 それから、第2点は、言わずもがなかもしれませんけれども、今回の大震災でほとんどの日本人の価値観が大きくゆらいだと思っております。今までのやり方がよかったかの反省の機運が出ているんだろうと思うんですね。こういったような社会との関係でいくと、その社会を構成している人々の基本的な価値観が変わろうとしている時にどういう方向に導いていくのか、あるいは、価値観の変化をどう読むからこそこういう政策を基本計画の中にいれてやっていくんだろうかと、そういった視点ももっとビジブルに明確に出してこないと、果たしてこのタイミングでのこういう議論というのは意味があるのだろうかということであります。
 どうもありがとうございました。

○鈴木部会長 善養寺委員。

○善養寺臨時委員 前回発言しなかったので、今回発言したいと早めに申し込んだのですが、書類を出していないので、次に発言させていただく機会がないと思いますので、今含めて発言させていただきます。関連の質問というか内容は後にしまして、第三次見直しと、第四次を考えるにあたって……。

○鈴木部会長 後で意見表明のときに……。

○善養寺臨時委員 いや、両方重なっているので、そのときに少ししゃべらせて……。

○鈴木部会長 では、質問の部分を今お願いしまして。ご意見をいただく時間をとってありますので、後で。

○善養寺臨時委員 とっていただけているんですね。

○鈴木部会長 はい。なるべく簡潔にお願いいたします。

○善養寺臨時委員 では。(環境基本計画の目標達成として)チャレンジ25とか、廃止になりました子どもエコクラブとか、こういういろんなものをバラバラに、予算をつけていますと報告されていますが、目的が本来は重なってもいいようなことをそれぞれの課でやるがために事業仕分けのターゲットにされてしまうのではないかと思います。子どもエコクラブなどは大変いい事業であったにも関わらず、何だかわけのわからないみんなエコクラブみたいな、そういう(ふざけた)プレゼンの仕方が問題で、本質の話ではない、単なるゾンビっぽいというイメージだけで切られたんだとすれば、これは大変大事なものを失ったと思います。
 民間を支援しなければいけないと言いながら、単年度ごと価格競争入札でさせて、大事な公益の環境活動をやっていたような団体を倒産させてしまっているようなところがあって、単年度ごとの価格競争ですので、急に出てきたようなわけのわからない事業者が単年だけとってしまって、その後継続的な活動は何もしないというようなことになっている。それでは、この基本計画の中で、市民活動を応援するとか、新たな公共だとか口先では言っていても、仕組み的にそれができないようになっているではないか。
 民間支援室では、本来民間支援しながら活動しなければいけないものが(事業も支援すべき団体も)消えている。一方で、チャレンジ25みたいに地域づくりやいろんな個人に対して働きかけていかなければならないような事業など、民間支援室と共同で民間の環境団体に委託してやれば、もっとコストパフォーマンス良く、目的が両方達成できるのかもしれないのに、この金額は電通や博報堂など(支援の必要ない)広告代理店にただただ支払われているだけの巨額な浪費になっていて、こういうことやっているから事業仕分けで指摘されるのではないかと思います。

○鈴木部会長 筑紫委員、どうぞ。

○筑紫委員 どうもありがとうございます。私のほうは水・大気環境局の資料について質問があります。5ページです。在日米軍に関わる環境問題ということなんですが、「環境分科委員会の仕組みを通じて協議し対処する」とあるんですけれども、軍隊のグリーン化ということについては、兵器のグリーン化とか、基地の土壌汚染とか、戦闘機の燃料にバイオ燃料を使えるかとか、そんなことが海外では話されていると思うんですけれども、ここでの基地問題の中で在日米軍に関わる環境問題というのは具体的にはどういうことなのか教えてください。

○鈴木部会長 長辻委員。

○長辻委員 水・大気で質問というか感想なんですけれども、ヒートアイランドの対策というのが2ページの一番下にありますけれども、この扱いが非常に小さいのではないかと私はちょっと憂慮しております。というのは、ヒートアイランドというのは確実に進んでおりまして、なおかつ、これは温暖化対策の原点になる分野だと思うんです。非常に大きな課題なんだけれども余りにも小さいですね。
 ヒートアイランドに取り組めば目に見える形で対策が進んでいくのが実感できて、なおかつ、その効果というのは例えば気温の低下ということで肌で感じる形で実感できるわけですね。非常にやりがいのある対策だと思うんです。ですから、もっと力を入れて取り組む姿勢を示していただきたいと思うのと同時に、首都圏の今年の夏で心配されております電力の消費、こちらともこれは非常に密接に結びついてくる問題ですので、これをもう少し力を入れていただけないかという感想を抱きました。
 以上です。

○鈴木部会長 三浦委員。

○三浦委員 どうもありがとうございます。2つ質問がございます。一つは、これから大きく問題になってくるであろう放射性物質による土壌汚染や水源の汚染を省内関連部署で追跡していかれるのかどうかということが1点。
 もう1点は、今後、エネルギーの転換期を迎えるであろうというときに、現在のエネルギー政策をどう受け止めていくのか、CO2をはじめ短期的にはかなりの増加が予想されるのではないかと思われる中で、この基本計画の中に何らか盛り込んでいくのかどうかという2点伺いたい。
 以上です。

○鈴木部会長 はい。森嶌委員。

○森嶌委員 今日の会議は第三次環境基本計画の見直しということですので、各担当からご報告をされたことで、第四次の環境基本計画を策定する際にもきちっと見ておかなければならない点について申し上げます。
 最初に、総合のほうもあるのですけれども、私がやっている法律の部門に関わってくることだけで申し上げます。3分を超えるといけませんので。まず、健康被害の点ですが、先ほど健康被害のところで水俣の和解が無事におさまりましたと言われましたけれども、平成7年の特措法の時にも、これで全部終わった、あとは訴訟のところだけだということだったのです。今回もまだ必ずしも終わっていないわけで、これから和解金を支給するときに、支給から漏れた人がどういう行動を起こすかというのはわかりません。これは、一番最初に水俣病の水銀の調査をきちっとしておかなかったというところに紛争が長引いた原因があり、後で、このような当初の事情を知らない最高裁が平成16年になって認定基準が厳しすぎるということを言ったものですから、また紛争がぶり返したということがあります。
 それとの関係で石綿、アスベストの被害者救済制度の問題があります。アスベストのご説明がありませんでしたけれども、アスベストの時も、政治的に救済法ができましたけれども、これには指定地域もありませんし、いろいろな点で問題があります。特に対象疾病に肺がんが入っております。そうすると、これも水・大気局とも関わるんですが、今度の地震でアスベスト建材を使った建物が大量に流れ出して、このアスベストが飛散するという場合に、これの被害がいずれ出てくる可能性があります。そのときにこの救済法をめぐって紛争が起きる可能性があります。
 それまでにきちっとした規制と震災時の汚染調査ができていないと、後になって肺がんなどが起きた時に紛争の種になります。アスベスト救済法はバタバタと当時の政治家が「つくれ、つくれ」と言った。私はこういうものをつくると公健法の二の舞を起こすといって慎重に検討することを環境省に申し入れたのですが、結局無視されました。この問題は必ず出てまいりますので、そういうことを正面から書くのはいかがかと思いますが、大震災直後に少なくともサイエンティフィックな調査をきちっとやっておく必要がある。それから、患者が出てきたときにこの救済法が適用できるかどうかを予めはっきりさせておくために、環境省としてはそういう疾病が出てきている状態についてきちっとした調査を別にしておかないと、後で紛争が起きたときに問題が起きることになる。そうでないと、状況を知らない裁判所が、何年もたってから、その当時に役所がちゃんとしたことをやっておかないからこうなったと言って、役所が責任を負わされることになってしまう。
 今度の場合、特にアスベストの場合には、関係のない事業者が事業負担をさせられるというような、法律論から言ってもおかしなことになってしまい、もともと持っている制度上の構造的欠陥がもろに出てくるということになるので、少なくとも第四次の計画では、環境省としてきちっとした状況の把握をサイエンティフィックに押さえていく。疾病の増加についてもそうですし、アスベストにしろ、その他の化学物質にしろ、放射性物質などがどういう状況にあるのかということをきちっと押さえておく必要がある。そして、それに対する対応を的確に打っていくというようなことをきっちり基本計画の中でやっておくべきです。
 今までの日本の行政は、起きてほしくないことは「ないこと」という前提でやってきました。今度の原子力事故などはまさにそのとおりで、あらまほしくないことは「ないこと」ということで施策をとっていないのですが、万一あった時にどういうことをするのかというのがリスク管理ですので、ぜひ第四次の環境基本計画はそういう前提で計画をお立ていただきたいと思います。

○鈴木部会長 いろいろとご質問、それから、基本計画の在り方に関する問題、今後議論していかなければいけない問題もお出しいただいたと思います。まずは各局からそれぞれへのご質問に対してお答えをいただきましょうか。

○川上総合環境政策局総務課長 それでは総政局関係、私のほうから包括的に申し上げまして、必要があれば担当の課室長から補足をさせていただきます。
 崎田委員、善養寺委員から、教育関係あるいは広報・啓発の関係も含めまして、ご指摘あるいは厳しいおしかりもいただいたのでございますけれども、まさにそのご指摘のような問題意識を踏まえまして、教育、さらに普及啓発を含めてどういう施策をこれから展開していくのか。一つは、事業仕分けでご指摘いただいたのは、費用対効果というものが必ずしも明確に世の中にアピールできていないというようなこともございましたので、そういうことも含めて政務官の下で全省的に取り組んでいるところでございまして、その検討結果を待って、また私ども来年度以降に向けて全力で取り組んでいきたいと思っております。
 佐和先生から2つぐらいご質問いただきました。中間選挙後のアメリカのスタンス、あるいは、世界の潮流ということでございます。私どもがお答えするというよりも、末吉先生から先ほど世界の潮流というようなご指摘もいただき、まさにそのお答えなのかとも思いますけれども、確かにアメリカは中間選挙後、排出量取引とか、一部、方法論において若干後退している部分もあろうかと思いますけれども、世界の潮流として、環境が経済を引っ張っていくという大きな流れは変わっていないのではないか、むしろ加速しているのではないかという認識を私どもは持ってございます。
 併せて、末吉委員からもご指摘いただきました、この震災を踏まえていろいろ価値観が変わっている、これも私ども環境省として受け止めていかなければいけないことでございまして目先の節電、省資源もございますし、あるいは、再生エネルギーの一層の推進ということもございましょうし、あるいは、分散型・自立型のまちづくり的なものもあろうかと思います。そういう問題意識を私どもは的確にとらえまして、施策を推進していきたいと思っております。
 佐和先生からのご質問の2点目では、温暖化対策税の審議の見通しというご質問があったかと思います。ご案内のとおりでございますが、23年度予算は成立いたしましたけれども、予算の関連法案ということで、特例公債法などとともに今はペンディングの状態にあるということでございます。私どもとしては一日も早い成立をお願いしてございますけれども、まだ予断を許さない状況でございます。従来の措置の延長のいわゆるつなぎ法案というものが3月末に通りまして、3カ月、6月末まで延長されてございます。
 それから、例の震災がございまして、震災関係のいろいろな特例税制というのも今、法案の作業もいわばそれを追い越して進んでいるところがございます。その辺りが進んでいく中で、いずれにしても6月にはつなぎ法案の期限もまいりますし、私どもとしては一日も早く予算関連法案の成立ということでお願いしてございますので、今後またそのような動きが国会において出てくる、そこを私どもは注視しているところでございます。
 総政局関係、とりあえず以上でございます。あとございましたら、補足させていただきます。

○鈴木部会長 では、環境保健部のほうから。

○瀬川環境保健部企画課長 環境保健部でございます。まず、佐和先生言われましたエコチル調査の中で放射線の曝露の影響を見られないのかという点でございます。震災がありましたときに、私も同じことを思いまして、担当の室にそういうことを考えたらどうかということで検討させました。そして、ご専門のお医者さんの先生方とも相談してくれたんですが、現場で対応するのは、産院に来られた妊婦のお母さん方に、「どこでどんなふうに放射線にばく露しましたか。心配ありませんか」ということを、リクルーターの方が聞くのは恐らく難しいというのが現実だろうということでございます。あと、細かな話では、各産院に放射線の測定機があるのかどうかとかありまして、そこは何か備忘録的なデータを押さえることができるかどうかということはございますけれども、御指摘のような本格的な調査は難しかろうということであります。
 それから、森嶌先生からいただきました、今回のもので終わったと思うなということについては、平成7年の時の経過も胸に刻みながら、引き続きしっかり地域に入っていって手を差し伸べ、あるいは、お話をし、あるいは、御指摘も受け賜って、対応していくということを続けたいと思ってございます。
 それから、石綿につきましては、まず状況ということでございますと、モニタリングということが重要ですので、それについては水・大気局のほうできちっとやっていきますし、あと、震災対応ということで、私ども保健部としてどういうことができるかということは、これからの予算のことも含めて検討させていただきたいと思っております。

○鈴木部会長 では、水・大気局。

○粕谷水・大気環境局総務課長 安井先生のほうから、大気汚染対策でリスクに基づく考えが少し薄いのではないかというご指摘でございます。従来からの考え方に基づいて行っている対策もございますけれども、有害大気汚染物質ということに関しましては、リスクの考え方を入れまして、例えば二百数十の物質を選定いたしまして、その中から優先的に取り組むべき物質を決めて、それに対して指針値などを決める。そういうもののモニタリングを行うとともに、事業者に対しては自主的に取り組みうる対策を進めていただくというような、従来とは少し違うアプローチも進めているところでございます。
 それから、筑紫先生のほうから、在日米軍の環境対策としてどういうことを行っているかということでございますけれども、具体的な問題といたしましては、米軍基地における油の流出の汚染とか、あるいは、米軍が保有しているPCBの処理の進め方、あるいは、米軍基地内における希少動物の調査を行うために基地内の立入りをどうするかと、そういったようなことにつきまして、米軍と協議をしているという仕組みでございます。
 長辻先生の、ヒートアイランド対策が小さい、これからもっと大事になるのではないかとご指摘でございますけれども、そのように認識しているところでございます。ヒートアイランド対策につきましては、平成16年の3月にヒートアイランド対策の大綱というものを関係省庁連携して決めてございまして、人工排熱を低減するとか、地表面を被覆するとか、都市形態を改善するとか、そのようなことを進めているところでございますけれども、それをさらに見直さなければいけないのではないかということで、現在、大綱の見直し作業に着手しているところでございます。これにつきましては、その大綱の事務局を私どもと国土交通省で行ってございますので、精力的に取り組んでまいりたいと考えております。
 三浦先生のほうから、放射性物質の対策について水・大気のほうで行っていくのかというご質問でございましたけれども、現在のところは、先ほどの説明資料にございますように、環境省で放射性物質に関して行ってございますのは、離島の10カ所でのモニタリングに限られているところでございます。大気汚染防止法あるいは水質汚濁防止法、土壌汚染対策法につきましては、放射性物質による汚染は除くという規定がされておりまして、現在のところ対策にまでは及んでおりませんけれども、今後、放射性物質、原子力対策に関する様々な議論が行われる中で政府全体として必要な議論がされていくものだと思っているところでございます。

○鈴木部会長 はい。

○鎌形地球環境局総務課長 地球環境局でございます。ご質問の中で、三浦委員のほうから、震災による原発事故の文脈の中でエネルギー政策が変わっていくだろうと、その中でCO2対策は今の政策のままでいいのか、基本計画にどういうふうに盛り込んでいくのか、こういうご趣旨のご質問があったかと思います。原発事故はまだ収束をしていなくて、まず収束させるということが政府全体としての大きな課題かと思いますけれども、温暖化対策が考慮していた様々な条件に大きな影響を与えていくということは、当然に想定されるわけでございますけれども、正直なところ、今どの程度大きな影響になっていくのか、あるいは、今後の原子力発電をめぐる政策がどういうふうになっていくのかというのは、これから検討されるということになるのだと思います。
 ということで、それを受けて今直ちに私どもで温暖対策をどうするんだということを申し上げるということは、そういう材料を持ち合わせていないところではございますけれども、いずれにしましても、そういった状況でございますので、よく議論していかなければならない、こういうことだとは当然に考えているということでございます。ただ、今回の基本計画の見直し作業のスケジュールの中で、どの程度マッチしていくのかというのも、これをちょっと見極めなければいけないと思います。というのは、先ほど申しましたように、事故の収束に取り組むというのが今の最大の課題ですが、その後、全体の原因の徹底検証をした上で、原子力をどう扱っていくのかということも議論していく、それだけ時間のかかる作業を横目に見ながら我々のほうも考えていかなければならないというところでございます。
 あまりお答えになっていないんですけれども、今の状況としてはこういうことでございます。

○鈴木部会長
 環境基本計画というのは環境基本法の下で粛々とつくられていくということになっているわけですが、総合的に環境施策をどう組み立てていくか。これが基本なんですが、末吉委員等からもございましたように、今、世界全体が非常に大きく動いている、社会も動いており、なおかつ、この大震災の影響がこれから長期的に現れてくる、こういう時にどういう形で環境基本計画を組み立てていくのかというのは非常に大きな問題です。これまでどおりにいろんなものをつなぎ合わせて、重点プログラムを選んでというようなこと以前に、環境基本計画のあるべき姿というようなことを、次回も含めまして委員の方々にご議論いただかなくてはいけないであろうと思います。
 放射性物質の管理は環境省のテリトリーからすべて切り離されているような面があるんですが、実際に放射性物質が環境中に飛散してしまった時に、ある意味では放射能汚染が広がっていった時に、その環境をどうするのか、あるいは、海域に放流されたものはどういうふうに環境省、環境側として考えていくべきか。「今まで想定されていなかった」という言葉がよく使われるわけですが、まさに想像力が乏しかった現状を反映して新たな問題があり、また、国としてもそれに対するいろいろな説明、コミュニケーションの面でも非常に大きな課題を示したことになったと思います。
 順調に動いているときはなかなかわかりにくい、行政の体制であり国の仕組みというようなものが、何か大きなこういう非日常的なことが起こりますと見えてくる面もあります。したがって、本来はもう少し上に遡っていろんなことを考えていく。基本法もできてから20年になろうとしておりますし、この辺をどういうふうに考えていくのかというようなことも含めて、今後、国全体の仕組みがどう建て直されるかということに大きく依存するわけですが、環境基本計画の面においてもいかにあるべきかということを考えていく必要があろうと思います。
 そういうことで、第三次環境基本計画の見直しの方向性につきまして、これまで10名の委員からご意見表明の事前登録がございますが、時間の関係もございまして、本日の部会ではそのうち7名の委員からご意見をいただくことにいたしております。名前を紹介させていただきますと、大塚委員、木下委員、櫻井委員、善養寺委員、冨田委員、林委員、福井委員。お1人当たり10分を決して超えないという範囲で、大変恐縮ですが、ご意見の表明をお願いいたしたいと思います。
 それでは、大塚委員のほうからお願いできますでしょうか。

○大塚委員 では、できるだけ短くお話をさせていただきたいと思います。
 4ページのところですけれども、最初のほうのお話は地震の前、震災の前に書きましたので、一般的なお話でございますけれども、さらに震災とか原発の事故との関係でも考えなければいけないことはかなり多いのではないかと思っています。一般的なこととしては4点書かせていただいています。
 まず第1に、環境の理念・原則については、第三次環境基本計画でも入れていただいていますし、あるいは、第二次にも入っているんですけれども、引き続き維持する必要があるのではないかと思っています。原因者負担原則も重要ですし、拡大生産者責任原則も重要ですが、今回の原発の事故などを見ると予防原則の重要性は非常に高まってきたのではないかと思います。最も深刻な被害を起こす可能性がある、しかしリスクが極めて不確実だというものについて、実際にこういうことが起きてしまったということは、私ももっと強調すべきだったのではないかと個人的にも思ったりもしますけれども、憂うべきことであると思っております。あと、環境権についても明記できたらよろしいのではないかと思います。
 第2に、環境権とも関係するところですけれども、オーフス条約という、環境情報へのアクセスとか、環境関連の意思決定に対する公衆の参加とか、あるいは、公衆の環境関係の問題についての司法へのアクセスなどについての条約がございまして、主にヨーロッパの国が加盟していく条約でございますけれども、日本でもこういう環境情報へのアクセスとか、公衆の参加、あるいは、司法に対して環境保護団体が訴訟を起こすことを認めていくべきではないかという議論は、かなりに有力に行われているところでございます。これは市民が環境政策を提起できるようにすべきではないかという一般的なお話でございますけれども、これも第三次環境基本計画に既に書かれてはいるんですけれども、非常に簡単に挨拶だけされているようなところがございまして、より強力に進めていく必要があるのではないかと思います。
 第3に、これは割と最近の話との関係で、先ほどもちょっと議論が出ていたところでございますけれども、大競争時代と言われる国際経済状況が一方であり、他方で日本においては人口減少時代とか少子高齢化社会というのが出てきているということがございます。その中で、「持続可能な発展」という概念をさらに深化させて、環境基本計画の中でも深化させて位置づけていく必要があるのではないかと思います。
 既にグリーンGDPのようなことは随分前から言われていることですけれども、なお十分な指標もないということもございますし、環境基本計画全体が「持続可能な発展」という、さっきの環境と社会とか経済の統合という話ももちろんこれと関連するわけでございますけれども、この方向性は強く打ち出していく必要が出てきているのではないかと思います。レアアース等々についてもここで入ってくるということがございますし、名古屋議定書の遺伝資源の保護が経済的メリットがあることを途上国に示したということにもなりますので、そういう意味でも資源問題も関連してきているということでございますが、それも含めて持続可能な発展ということを深化させていく必要があるのではないかと思います。
 それから、4番目に挙げさせていただいているのは、むしろ経済学の先生のほうがご関心があるかと思いますけれども、環境政策の費用対効果の重視というのは強く言っていく必要があるかと思います。特に財政難の中で環境政策を推進するということがございますし、今回ますます財政難になりそうですので、社会的費用はあまりかけずに環境政策をいかに効果的に進めていくかと。それは環境政策に金がかかるからならないというような消極的なことではなくて、政策を選択する際に社会的費用の低減についても十分に配慮することが必要であると思っております。こういうことも環境基本計画の中に入れていく必要があるのではないかということを申し上げたいと思います。
 次に、後半の部分の震災との関係、あるいは、原発事故との関係でございます。震災に対する復興は今後行われていくわけですけれども、震災復興一般の話と原発事故の話は分けて考える必要があると思います。原発事故との関係については、先ほど来ご議論が出てきておりましたように、まず温暖化対策にどういう影響があるかということを考えざるを得ないと思います。
 ただ、これも先ほどお答えがございましたように、すぐにどのぐらい答えが出るかという心配はございますけれども、長期的には原発を変えていくということが方向性としては出てくると思いますけれども、再生可能エネルギーについても2020年までの目標に関しては既に最大限の努力をして中長期ロードマップをつくっていますので、その穴をどうするかというようなことも考えざるを得ないところがあるかと思います。ただ、2050年のことを考えれば、原子力はどうなるにせよ、再生可能エネルギーを増やしていくという方向性が必要になってくると思いまして、ここは非常に議論の多いところではないかと思いますが、個人的にはそのように考えております。
 それから、2つ目の問題は、これも先ほど議論が出ていましたけれども、まさに放射性物質による大気汚染、水質汚濁、土壌汚染というのが大問題になっていて、環境行政としてこれを扱わないと環境行政と言えるのかぐらいの感じに残念ながらなってきてしまったのではないかと思います。一つは、先ほど鈴木先生もおっしゃっていただいたように、これが我が国の環境基本法の体系からは除かれているということ自体がどうなのかという問題がございます。
 例えばドイツなどでは原子力の問題と環境の問題は両方とも連邦の環境省が扱っているということがあり、それはやや極端かもしれませんが、そういうところもありますので、放射性物質に関してはまさに環境問題ということを、環境省さんとしても訴えていっていただいていいのではないかと思います。これは環境基本計画の話自体かどうかわかりませんけれども、放射性物質についても何らかの形で触れるような計画を立てていけたらいいのではないかということがございます。
 それから、土壌汚染に関しても、既に農用地土壌汚染法とか土壌汚染対策法があるわけですけれども、現在のところ放射性物質は入りません。ただ、これと同じようなことを考えていかないといけないかと思いますけれども、そういう方向性についても環境基本計画の中で何らかの形で触れられたらよいのではないかと思います。
 それから、ここには書いておりませんけれども、あと二つほど申します。原発の関係では、先ほどもちょっと申しましたように、予防原則の重要性というのは今まで以上に認識されることになったのではないかと思います。特に非常に深刻な被害を起こす可能性があるというものに関しては、ほかのものとは違うようにリスクに対する対策を考えておくべきだったわけですけれども、残念ながらそれをほとんど考えていなかったということが明らかになってしまったということです。第三次環境基本計画の点検の時にも予防原則の話は結構やっていただいていますけれども、引き続きこれを第四次に入れていく必要があるのではないかと思っております。
 それから、震災一般の復興との関係の問題につきましては、コンパクトシティの問題というのが前から温暖化対策の中で位置づけられていましたし、人口減少社会の中でもこの問題があるわけですけれども、現在、東北での復興の中で、今まで言われていたコンパクトシティというのを、既に内閣のほうでもご検討なさっていると思いますが、入れていくということが重要であり、環境政策としてもそういう方向で後押ししていくことが重要であると思います。
 以上でございます。

○鈴木部会長 それでは、木下委員ですね。

○木下臨時委員 ありがとうございます。前回の審議会で提示のあった第三次環境基本計画の見直しについては、その基本的枠組みを維持しながら、今次、大震災の復興方針に即し必要な手直しをすべきではないかと考えております。これについては、先ほど来何人かの委員から既におっしゃられた点でございます。今後とも引き続き、中長期的には温室効果ガスの排出量のさらなる削減、また、生物多様性の保全、安心・安全な社会の実現などに取り組んでいく必要があろうかと考えております。
 温室効果ガスのさらなる削減につきましては、森林による温室効果ガスの吸収、バイオマス資源の活用による再生可能エネルギーの供給など、農山漁村には非常に大きなポテンシャルがあるというふうに考えております。今回の震災の中で従来の一極集中型原子力、あるいは、沿岸火力発電所等の被災等を見ますと、従来の一極集中型のエネルギー生産については、今後起こりうる大規模災害を想定いたしますと、再検証すべきではないか考えております。
 こういう観点から、早急に分散型の再生可能エネルギーの開発を一層促進すべきと考えております。農林水産分野においては、バイオマスを利用した燃料、あるいは、電力生産、潅漑施設における小規模推力発電等の導入、さらには農山漁村地域における太陽光エネルギー、あるいは、風力発電の一層の推進の必要があると考えている次第でございます。
 生物多様性の問題については、昨年10月に開催されました名古屋の会合におきまして、名古屋・クアラルンプール補足議定書、そして、ABS名古屋議定書という、2つの新たな議定書が採択されました。既に植物遺伝資源につきましては、植物及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約がございます。今後、生物多様性の保全を一層推進する観点から、以上3つの条約についてできるだけ速く批准し、所要の対策を進めるべきと考えている次第でございます。
 今後の環境政策については、環境によい影響を与える活動を積極的に評価し、点的に行われている活動を面に広げていく努力が必要だと考えております。ラムサール条約においてコメの生産を行う場である水田そのものについても、人工の湿地として位置づけられております。このような水田の重要性は、昨年行われた名古屋においても参加国で同じような認識が共有されたと考えております。
 また、我が国の面積の中で大きな比率を占める森林、そしてまた、我が国の排他的水域におきましては非常に豊かな生物多様性があるというふうに報告をされております。これらの生態系から得られるサービスについては、木材、あるいは、魚介類などに限らず、遺伝資源、あるいはレクリエーション、あるいは水質などの浄化に役立っています。
 第三次環境基本計画においても、市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みづくりの重要性が既に指摘されております。これらの農林水産業の持っているプラスの環境の評価についても、積極的な評価を実施するとともに、その経済的価値を何らかの方法で算定し、価値を認識し、還元していくべきだと考えている次第でございます。
 最後になりますが、農林水産業は自然界の多様な生物と関わる循環機能を利用する活動でございます。その持続的な営みを通じて、里地里山あるいは里海といった、二次的資源環境を形成することで多様な動植物に生息・生育を提供し、生物多様性保全に貢献いたしております。今後とも持続的な農林水産業の展開を通じて自然と人間が共生できる豊かな農山漁村を維持・発展させることが、我が国にとっても極めて重要だと認識をいたしております。
 大震災の被災地の復興にあたっては、その計画段階から、環境あるいは生物多様性に貢献するような対策として、全体のモデルとなるような地域として再生していく必要があると考えている次第でございます。
 以上でございます。ありがとうございました。

○鈴木部会長 では、櫻井委員。

○櫻井臨時委員 ありがとうございます。お手元の資料の9ページに私が発言しようと思っている部分が載っておりますので、ご覧いただきながらお聞きいただければと思います。3点申し上げたいと思います。1点は震災の関係、2点目が環境と経済、3点目が環境と社会ということで意見を述べさせていただきます。
 まず震災の関係です。これは既に議論が出ておりますけれども、従来の原発のリスク、安全性あるいは経済性というのは見直さざるを得ないということだろうと思います。コストよりもリスク回避ということを重視せざるを得ないのではないか。そのページの下に「原発の経済性?」と「原発のリスク?」という資料を引用してありますが、元の資料がどの程度正しいか私はチェックしておりませんけれども、いずれにしても原発はコストが安い、あるいは、安全だというようなことが今まで主張されていたわけですが、このことは見直しをせざるを得ないと思います。
 右上にあります、昨年6月、経済産業省が定めた「原子力発電推進行動計画」というものの中には、2020年、ちょうど中期目標の期間中に9基の原子力発電所の新増設、設備利用率85%の実現を目指すとなっていますが、多分これは実現不可能ということだろうと思います。となれば、温暖化対策の前提となりますエネルギー供給の見直しをせざるを得ない。
 一方で、この基本計画の見直しは7月に中間まとめというようなスケジュールになっておりましたが、政府全体で、エネルギーあるいは原子力の検証というのは、どういうスケジュールで動くかわかりませんが、いずれにしても中環審としては、7月の中間まとめには、温暖化対策の観点から、中長期のあるべきエネルギー供給の方向性みたいなものを示すべきではないかと思います。例えば、地域分散エネルギーの重視とか、定量的に示すのは難しいにしても、方向性みたいなものは中環審のスタンスとして出してもいいのではないかと思います。
 また、2020年の中期目標、90年比25%削減につきましても、この電源構成のうち原子力発電の比率が落ち、その部分の代替は直ちに自然再生エネルギーですべてが代替できるとは思えませんので、化石燃料が増大せざるを得ないということになると、ここでは「25%の見直しにも踏み込むべき」と書いてしまいましたが、書きすぎなのかもしれません。結果的に見直さなくてもいいということであれば別ですけれども、いずれにしても温暖化対策基本法案を出しているとは言え震災後の事情の変更ということでそこのところは議論が要るのではないかと思います。
 それから、もう一点は、震災の関連では地震による環境変化がいろいろ起きています。地盤が70~80センチも沈下したとか、そういうところは農地としての営農が難しいのではないかという議論もあります。あるいは、塩水が遡上しているとか、あるいは、復旧するにしてもそういう条件の変化に対応した復旧をするのか、あるいは、高台に復興するとしたら、そこの自然をどういうふうに扱うのかというような、震災後の地域づくりに環境の視点というのは十分取り入れる必要があるかと思います。
 ただ、被災者の方は一刻も早い居住の安定とか、営農をはじめいろんな産業活動の復活を望んでおられるわけで、それにブレーキをさすという意味ではありません。そういった復興の議論の中には環境の視点というのを一緒に取り入れながらやっていく、そういう意味で環境省も積極的に参画していただく必要があるのではないかということであります。
 それから、資料の10ページですが、環境と経済ということで、2点目を申し上げたいと思います。今さら言うまでもありませんけれども、環境と経済というのは、昭和42年の公害対策基本法に経済に配慮するというような調和条項があったものを、45年の公害国会で削除するという歴史を経てきているわけですが、最近では、特に第三次環境基本計画策定のころ、経産省のほうは経済と環境の両立、これはまだ何となく対立を残した上で両方立てしましょうというような雰囲気でしたし、環境省は、第三次環境基本計画にも書いてありますけれども、経済と環境は好循環だという認識でいたのだろうと思います。
 昨年、一昨年あたりから環境が成長のエンジンになるんだというような考え方が強くなってきて、ある意味、環境省の中でも環境が主役に躍り出たという意識の高揚みたいなものがあったのではないかと思います。しかしながら、例えば昨年の政府の「新成長戦略」なるものを見ますと、具体的な環境に関するプロジェクトは、「固定価格買取」と「環境未来都市」と「森林・林業再生」というふうに書いてあるというのは、これが成長を引っ張るんだというにはほど遠いのではないかと思います。
 次の環境基本計画では、環境が成長のエンジンになるという姿を、主要産業について書けるかどうかわかりませんけれども、もう少し具体的に描いてその推進方策を提示すべきではないか。また、その際に我が国の優れた環境技術、鉄道事業、水事業による国際貢献というような視点も示すべきではないかと思います。 3点目ですが、環境と社会ということで述べたいと思います。今回の震災によりまして、コミュニティあるいは国全体のつながり、連帯とか共助・共感というような強さは再認識をされたところでありますが、個人・家庭のレベルを超えたコミュニティ、あるいは、中間的な法人の活動がより重要になってくるのではないかということです。従来、環境教育の重要性が謳われてきました。環境教育の重要性を否定するものではありませんけれども、むしろ今後は環境教育よりも環境行動というふうに視点を移してもいいのではないかという気がいたします。
 国の施策としては、中間的な法人の強化策を打ち出すということ。その下に公益法人とNPO法人、収入と規模の比較というのを書いてみましたけれども、こういう議論をすると、とかくNPOが期待されるのですけれども、実際には公益法人のほうが、これはちょっとデータが古いですけれども、法人数においても事業規模においても、あるいは、職員数においても、大きい活動の基盤を持っているわけです。公益法人は最近とかく批判の対象になっておりますが、公益法人本来の趣旨に沿ってそういった活動をしてもらう役割があるのではないかという気がいたしております。
 それから、環境と社会に関する2点目は環境と都市ということです。人口減少、それから、温暖化対策、循環、生物多様性、それぞれ温暖化対策によるローカーボンシティとか、都市の廃棄物対策から始まっていろんな資源の循環、さらには都市と生物多様性というのも昨年のCOP10でテーマになったところであります。そういった人口減少下における環境重視=エコ・コンパクトシティの推進とここでは書きました。そういったコンパクトシティの推進というのは、循環とか生物多様性とか分野別ではなく、総合的な環境基本計画でこそ取り上げるべきテーマかと思います。三次の環境基本計画を見ましたところ、そう言えばあまりこの点は強調していなかったなということに気づきまして、次の環境基本計画ではその辺も強調してはいかがかと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 善養寺委員。

○善養寺臨時委員 ありがとうございます。震災前に、早めに手を挙げて言いたかったことは、見直しをする際に一項目ごと、取り組んでいるところだけをクローズアップして、ヒアリングを受けることでの点検見直しすることが多かったのですが、先ほども言ったようにプラス面とマイナス面の、いろんな政策上の表裏があって、多分震災の影響でなおなると思うんですが、予算が厳しいからと事業仕分けのような形をとり、費用対効果、費用対効果と厳格に言うことは大事かもしれないけれども、先ほど発言しましたが、本当に費用対効果だけで切り捨てていいのかどうかとわからないところがあります。
 今、うちの絡んでいる事業でも、事業仕分けの流れで、自治体に対し費用対効果の数字を出せと言われるんですけども、ペアガラスで何パーセント削減したのか、断熱材で何パーセント削減したのか、屋上緑化で何パーセント削減したのか、教育効果で何パーセント削減したのか、すべて数字を羅列して提出しろと言われても、ミックスになって出ているもので、ちゃんと総合的にはコストもCO2-20%とか数字を出しているにも関わらず、-20%の内訳のどの部位が幾らかかったかで費用対効果があるのかないのかを出せというのは、事業が終わった自治体に大変困難なことを強いています。
 結果的に自治体は何を言うかというと、こんな面倒くさいこと言われるのだったらマニュアルで、これとこれをつければお金を払いますといってくれればいいじゃないと言い出します。事業として、省エネ効果を教育して、学んだ成果として自分たちが仕様を選択してその工事を行ったというプロセスの間で、近隣住民の間にも知識が伝わり、様々な取組が広がっていることを無視して、そういう重箱の角を突くようなことを求めると、自治体職員のそこにかかる労力、その相手側に掛かる見えないコストがあるということを意識してない。その見えないコストがある種の対立を生み出し、恨みごとだったり、憎しみだったり、そういうものに変わることによって、協力してもらえない人間関係がそこにでき上がっていくということ、そこを少し考えなければいけないのではないかと思います。
 このパートナーシップのプラザの件もそうですけれども、指定管理者としてNPOをそこにいれておりますとか言いますが、それはプラスのように見えるんですけれども、彼らに安い金額で管理をさせるだけで、自由に自分たちがそこを使いながら、自分たちの活動事業で利益を得ることを許さないというようなやり方をしている。飼い殺しのような状態で、低賃金で労働させられているマイナス部分もあるんですね。点検見直しをするときに、環境省やりました、国交省やりましたという、やっている部分を見るよりは、今の政策の中でマイナスになってしまう部分をちゃんと引っ張り出して、点検していく必要があります。NPOや環境団体が、ただ天下りが何名いたからといって切られてしまう。中で何をやっていたかではなくて、公務員が入っていたかだけで切られてしまう。そういう仕分けの矛盾の中でどんどん志のあった人たちが排斥されていく結果、その活動が続かなくなると、そこにあった人材、データベースがすべて失われます。そのマイナスがどこにあるのかをちゃんと点検しなければいけないのではないかと思っています。
 先ほど環境関係の財団や団体が倒産している話もしましたけれども、これは環境省に限らず全省庁で起ってることです。せっかく関わって長年積み上げてきたことをすべて失うような結果になっているんです。それが事業仕分けの本質であるということをちゃんと表に出して言わないと。いかにも費用対効果を厳格に測りいいことのように見えても、それに大変な労働を強いられて受けた側は全く費用対効果が合わない。行政の仕事をすると合わないということが続けば、まともな、本当の仲間がいなくなってしまうと思います。
 特に、今回震災の件ですが、国交省が価格入札で全ての下請け業者を決めていた。いざとなったときに車両部隊の業者が逃げていってしまって、車が出せない状況になったなんていう話だってあるくらいです。常々共に政策実現を志し、一つの目的の中で行動する団体だからこそ、あえて外郭団体として存在価値があったのではないか。そういうことを今一度表に出していかないと、このままでは本当に政府に協力する大事な志のある組織がすべて壊れていってしまいます。そこをここでも見直すべきではないか。プラスのやっている部分ではなくて、マイナスになっている部分を明確にみて、このマイナスを起こさせないためにはどういう政策をすべきなのか、どういう手だてをするのか。目標を掲げるだけではなく、今の中でおかしい状況がある、制度設計を直していく必要があるのではないかと思います。
 それをやっていくと何が出てくるか。会計法の見直しも出てくるかもしれないし、いろんな法律の見直しも出てくるかもしれない。パブコメで求めるのは、こういう方針を決めましたけれど、いいですか、悪いですか、何かほかにご意見がございませんかというふうになっていますが、今度は事前に、もっと具体的にどの法律が抵触して何ができないのか、どういう法律を改正したらいいのかというようなことを、現場で携わって大変つらい思いをしている人たちや、やりたいけれどもやれないという人たちに、その具体策を提言してもらって、解決の答えを出していく必要があるのではないか。
 今、震災復興はコンパクトシティがいいとか、自然エネルギーがいいとか、地域分散型のエネルギーシステムをつくるべきだと言いますけれども、太陽光発電一つ家庭に載せようとしても、今の復興に対する補助金で全部載せるのか?そんなことできない。みんながそれを載せるような形にしたいのであれば、それは、ある種の規制として、そういうことを基準法や何かで定めていく必要もある。ところが一方で、基準法の中では総合設計というような勝手に塔のような建物を乱立することができて、地域で太陽エネルギーを使いたいなと思っても、1カ所超高層を建てられてしまえば、日影のエリアができ、そうなると、その地域の自然エネルギー利用は効果的ではなくなってしまう。
 であれば、これは法律上、環境のための法律をつくるというわけではないけれども、こういうことを推進していくためには、こういう法律の改正が必要ではないかと引っ張り出さないと、環境基本計画で掲げているスローガンで各省庁が自分たちの法律の問題を探し出せといっても、意識がないので、まさかそれが抵触しているとは思っていないわけですから、できれば広くいろんなところから意見を求めて、今の法律上の問題で、こうすればよくなるというようなものがあるんだったら、具体的に提案をしていってもらうことが重要ではないかなと思います。
 先ほどもチャレンジ25のキャンペーンをあげましたが、何十億円もの事業費を費やしても、毎年毎年競争をやるので積み上げがないんですね。多分役所の方もホームページをまともに見ていないと思いますけど、同じ話、例えば、電気をこまめに消しましょうという一つのコンテンツが、何枚も何枚もある。毎年つくられて、そのための費用を払って展開がないんです。それはなぜかといったら、価格競争は避けよう、では企画競争にしようとなるのですが、なぜか毎年企画を出さされなければいけないからです。
 企画を毎年出すがために、去年のものをそのまま踏襲し、バージョンアップするということが許されないわけです。新たな企画で新たなものをやる、そういうことをするために毎回リニューアル。ホームページの残骸が幾つも幾つもインターネット上に漂う状況になっていくわけです。そういうものをちゃんと企業と連携してやっていくためには、掲げているスローガンだけではなく、どういうパートナーシップの組み方を法律上つくっていくかということの必要性もあるのではないかと思います。
 近年、他省庁との連携は志してやっているようですけれども、寧ろ省内の連携がとれていないように思います。国民運動と市民支援というものが連携していなかったりする。そういうものも自主的に取り組めないのだとすれば、システムとしてこういうことをこういうふうに、例えば、課長会議を開かなければいけない、連携しなければいけないなどと決めなければならない。そういう行政サイドの運営の方法まで事細かに次の四次では書かなければいけないのかなと思っています。今回言いたかったことは、プラスのところを見せるだけではなく、マイナス部分を掬いあげ、それに対する対策を見直しのときに考えるべきではないかなと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 冨田委員。

○冨田臨時委員 ありがとうございます。政府が策定する施策については、環境保全を目的とするものではなくても、環境に何らかの影響を与える施策というのが非常に多いと考えます。したがって、環境基本計画の中では環境に大きな影響を与える施策を検討する際に、指標となるような基本的な考え方が整理されるべきだろうと考えます。その観点から4点申し上げたいと思います。
 前回の部会で事務局から配付された見直しの考え方の中に、我が国が目指す持続可能な社会は低炭素社会、循環型社会、自然共生社会、安心・安全社会を統合的にとらえたものとすべきという考え方が示されております。それぞれの観点から見て、全て現状から改善するというような施策はもちろん問題ないわけですけれども、施策によっては一方でよいことが一方で悪影響を与えるということもありうると思います。例えば、古い冷蔵庫を新しい高効率のものに買い替えるということをすれば、省エネ、省CO2にもちろんなるわけですけれども、まだ使える機器を捨てるということについては、資源循環、すなわち3Rの観点からは問題とも言えるわけです。
 環境基本計画では、こうした施策を検討する際には、よりどころとなるような環境保全に関する総合的な観点での考え方ということが示されてしかるべきではないだろうかと思います。同じことは環境と経済の間でも、環境とエネルギー安定供給の間でも言えます。それぞれの側面における効果が相反するような可能性のある施策は少なくないので、環境基本計画では評価する優先順位とか、あるいは、考慮すべき条件、こういったものを基本的な考え方として整理する必要があるのではないかと思います。
 2点目は環境教育意識啓発についてです。東京商工会議所では、幅広い知識を持って社会で率先して環境問題に取り組む人づくりを目的に、5年ほど前にエコ検定というのを始めております。これを全国で広めた結果、現在13万人の合格者が出ております。前回の部会で事務局からの提案で、「自ら進んで環境問題に取り組む人材を育てるための環境教育や意識啓発が重要」と書かれておりますけれども、全くそのとおりだと思います。ただ、知識や情報というのは不可欠ですけれども、それだけでは足りないのではないかとも思うわけです。
 例えば地球温暖化の問題について考えてみれば、地球規模の問題であること、それから、取組の効果が表れるのには長い年月がかかるということからして、努力した効果を自ら享受できないということを承知した上で取組を進めなくてはいけないと、こういったことを意味していると思います。それでも取り組んでくれるような人材をどう育てたらいいのだろうか、どう教育すればいいのだろうかということです。
 人を行動させるやり方については、例えば法律で規制する、あるいは、経済的な損得を課す、といった方法もあるわけですけれども、自主的かつ継続的に取り組んでもらうには、倫理的な側面が必要ではないだろうかと思います。先ほど古い冷蔵庫の話をしましたが、使える物を捨てるということについては、多分皆さん持っていると思う、「もったいない」という観点、美徳ですね、これを超えるような倫理が必要なのではないだろうかと思います。自ら進んで取り組む多くの人材を育てるには、知識や情報に加えて、環境倫理というものについて、もっと国民的な議論をして国民に納得してもらうことが不可欠ではないでしょうか。
 3点目は今回の東日本大震災を受けて出てきた課題です。今回の大震災はエネルギー供給、ものづくり、農業、水産業等、経済や生活の幅広い分野に長期間に大きな影響を与えております。環境保全に関してもこれまでの施策では想定していなかったことが起きているのではないかと思います。今回の厳しい経験を将来に生かすためにも、環境基本計画の見直しでは大震災からの一日も早い復旧と復興、それと環境への配慮、こういった課題についても基本的な考え方を整理しておく必要があるのではないかと思います。
 最後に、少し細かな点ですが、1年ほど前この部会で、隣に座っていらっしゃいます永里委員のほうから指摘されて、最近マスコミでも時々紹介されることが増えてきた、外国資本による水源地とか森林の購入の問題についてです。現時点において問題が発生しているというふうには思っておりませんし、なおかつ、外国資本であるからということで問題とするという見方も少しおかしいのではないかとは思いますが、国内の水源地とか森林の環境を守るという観点から問題が生じる可能性はないのでしょうか。問題になってからでは遅いので、環境保全の観点からの施策の要否、必要かどうかということについても検討することを、環境基本計画の中に織り込むということも考えていただく必要があるのではないかと思います。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 林委員。

○林委員 私は、先ほどからも話題に出ています、コンパクトシティとかコンパクトビレッジをどうするかと、それに関連した提案をさせていただきたいと思っています。後で配りました資料は補足ですので、読んでいただければと思いますが、14ページからパワーポイントがありまして、これを簡単に説明いたします。
 ここに「スマートシュリンク」という言葉と「クオリティストック」という言葉が書いてありますが、これはコンパクトシティとかコンパクトビレッジとか言っているだけでどうしようもないので、どうやってつくれるかというための言葉として、私が勝手につくっている言葉でありまして、どういう意味なのかということを説明いたします。
 右側の「1」というスライドですが、私のとらえ方としては、一方で少子高齢化して社会が脆弱化している、そこに対して、気候変動による自然の変動というのは非常に大きくなって、動物とか人間が弱っているところへ非常に強い動物が上から襲いかかるような、そういうイメージとして私はとらえておりまして、これが現世代ではなくて、未来世代、近未来世代に非常に厳しい状況をつくり出すのでないかということであります。
 そのための回答というのはこの環境基本法なんですけれども、土地利用という根源的な経済や環境を動かすところのメカニズムに触れる必要があるのではないかなということでありまして、そのメカニズムに触れるということと、その場合にどうやって評価するかということなんですが、帰着ベースの指標を使うということです。つまり、先ほど費用便益というのが非常に欠点があるという話も出ましたが、例えば道路をつくったりしますと、費用便益というのはどれだけ時間が短縮するかという時間短縮の数値が与えられて、それに対してコストが幾らだったかと。1時間短縮されるとどれだけ生産が上がるかということになりますね。
 それはまだ入り口でありまして、その結果人々がどれだけ幸せになるかというのがないわけです。それをきちっと図りながら環境も経済も評価する必要がある。さらに、先ほども申しましたが、コストにしても長期のものを図る。これは将来世代にとってどうかというコストであって、現世代ではないということです。左下がそれの図式でありまして、自然が弱っている社会においかぶさって、社会が弱ると経済も成長力がなくなるということで、そこからは緩和策だけで対応しようと思っても無理になってきていると。今回の津波が極めて典型的なもので、あれに対応する堤防をつくろうと考える人はもういないと思います。したがって、緩和策ではなくて適応策、これは極めて土地利用的なものでありますが、そういうふうなことをしないとこの回転が逆にならないということであります。
 さて、そういうことをやる状況はどうなっているかというと、一つは少子高齢化、先ほどの上の図でいうと右側ですが、これは皆さんご承知ですけれども、日本は現在2人が働いて残りの1人を支えているわけですね。あと50年すると1人で1人を支えると。今でも介護の親を抱えたりして大変なんですけれども、これが一体どうなるかと、この状況で環境負荷をどう下げるか、経済をどうやって維持するかということです。
 次のページにいっていただきまして、4番です。日本は20世紀後半で9%成長をしました。1950年に1人の人の年収を月割りしますと、4,000円だった所得が、現在大学卒業の人は30万円ぐらいになっているわけで、これが75倍の世界であります。1.09の50乘すると74.何とかになります。このままいって2050年になりますと、一月当たり2,250万円いただけることになるんですが、恐らくそういうことはあり得ないということでありまして、成長しても1%ぐらいと。
 建物のつくり方がこの9%成長を前提に今でも動いているということです。よく「男は所帯を持ったら家をつくる」みたいなことが私どもの年代くらいまでは言われたんですが、それは極めて特殊な時代に可能になったわけですね。戦前は多分可能ではなくて願望だったんですね。高度成長のときに可能になったので、それがずっと可能だと思い違いしていて、結果として31年に一回、住宅を建て替えているわけです、コンクリートのマンションになりました。これがイギリス辺りですと、3倍ぐらい寿命がありまして、環境負荷からして、CO2にしても瓦礫の処理にしても、どっちがいいかということは明らかであります。
 アメリカの産業が衰退してきて、つぶれていくところもあれば、日本は、6ページの左上のマンションと何とかと書いてあるのは豊田市なんですか、産業は極めて快調なんだけれども、つぶれていっているように見えるわけですね。長期にはつぶれていく徴候を示しているわけです。もちろん水害があるようなところに進出もしている。
 そんなことでして、次をめくっていただきますと、16ページの左上の8ですが、従ってコンパクトにしましょうと。コンパクトにすると何がいいかと言いますと、一つは環境負荷が下がると、通勤時間、距離とかが下がりますし、いろんなものが下がるわけです。ただ、それだけでは環境負荷は下げ切らないわけで、クオリティストックという言葉を使っていますが、非常に質の高い、1軒1軒ではなくて集団と言いますか、地区とか街区として耐えるものを、覚悟を決めて将来景観を決めなければいけない時期に入っているのではないかということですね。
 そういうことをすることによって長期のコストが下がり、負荷が下がるわけですね。バラバラ散らばっていますと、インフラを維持し続けなくてはいけないから、これはとても大変なことになるわけです。今でも公共投資をするのは嫌だと皆さんおっしゃっているのに、人口が半分になって今の市街地を維持し続けるということは、1人のポケットから倍払うことになります。いかにめちゃくちゃなことが、5メートル前にマンションができちゃったとか。右上の図で名古屋とパリを比べていますが、パリは寿命が200年近いところですね。右が30年と、どっちをとりますかと。
 その次のページにいきますと、この辺は大ざっぱにしかやりませんが、要するに必需財としてどんどんつくる時代ではなくて、価値財と言いますか、そういうものを志向する必要があると思われるわけですが、先ほどから私がQOLと言っているのは何を考えているかと言いますと、左下の図にありますように、いわゆる経済機会という、費用分析で出てくる一番左の所得がどれだけ上がるのかというのではなくて、生活・文化機会とか、快適性とか、安心・安全とか環境の負荷が低いとか。
 こういうことを調べていきますと、次の8ページにいきまして、18ページですが、いろんな世代にいろんな所得階層を含めてアンケートするわけですけれども、QOLの要因の重みが違ってくるわけですね。そういうものを使って、18ページのスライド17のような、環境負荷と市街地を維持するのにどのくらいお金がかかるというのとQOLを計算することができるわけです。単に環境負荷を見るのではなくて、ファクターという格好で、1単位のQOLを上げるためにどれだけのCO2を出すのかとか、コストがかかるかということです。ここで生物多様性というのは快適性のほうに入れさせていただいていますが、どっちに入れるかというのは計算上の問題です。
 あとは省きますけれども、交通の利便性というのは、経済機会にアクセスするためとか、生活・文化機会にアクセスするためというのがあります。
 それから、20ページにいきますと、居住の快適性ですね、どのぐらいの広さの家があるとか緑があるとか。これはとれる指標を持ってくるんですね。それから、最近注目されている右下の洪水とか地震の安全性というものも、例えば名古屋ですと、名古屋地盤図などというのがあるわけで、大体こういうのが整っているわけですね。
 最後、22ページにいきますと、例えばCO2の効率から見たときに、500メートルメッシュごとにこれは全部計算できるようになっていまして、2050年までに5%下げたいとか20%下げたいとすると、どこのメッシュを撤退して、どこにだけ残すかと、こういうこともできるわけですね。こういう大きな目安を持って土地利用のことも考えていただいて、基本計画にこういうことをやろうと。これをメカナイズするために例えば税制を導入しなくてはいけないこともありまして、税制をいじるというのは、財務省の話で無理ですなどという話がよく出たりするわけですが、そうではないということであります。
 最後に30秒だけ。このチラシと言いますか、日経の記事が、白黒で、「郊外撤退と市街地再生」というのがありますが、これは今言ったようなことをもうちょっと、どういうふうにインセンティブを与えるかというようなことも含めて、規制市街地を永続的な市街地にするにはどうしたらいいかということを書いております。その裏側は5年くらい前に書いたものですが、去年書いたのはコンパクトシティというものです。これは私が好きで使った言葉ではなくて、「コンパクトシティ」というシリーズに頼まれたからこう書いたんです。ここでは凝集して、凝集だけではなくて、「凝集-連携-共助」と申していますが、将来の社会も考えて協力できる関係をつくらないと危ないのではないかということです。あとは、震災のことで、これは避難をする、非常に短期のところから、長期の復興の住み方に至るまで、クオリティ・オブ・ライフというものを機軸に考えていけば、それぞれの時点で何をすべきかがわかると思います。
 以上でございます。

○鈴木部会長 では、福井委員。

○福井臨時委員 私のほうから3点申し上げます。24ページでございます。
 一点は、環境関連技術ということを計画の柱の一つとして位置づけるべきであると考えております。環境関連技術は、これまでも、また今後も、日本が直面する様々な課題を解決する重要な手段であります。企業が技術開発に取り組み続けることは重要でありますけれども、その中で国の果たす役割というのは非常に大きなものがあります。自ら開発することも含めて、国の関与が重要であるということに加えまして、企業における研究開発、技術開発を促す国の政策が重要と考えております。
 環境関連技術の重要性は、現在の環境基本計画の多くの箇所に記述されております。これを計画の柱として体系的に扱って、その後の政策の行動計画になるようなものとして充実することが適切であると考えております。また、日本は環境技術が進んでいるという認識が一般的で、多分現在それは正しいんだと思いますけれども、これは所与のものではなくて、国、企業の不断の努力、資源配分があって維持できるという認識が重要であるというふうに考えております。
 25ページでありますが、2点目であります。環境基本計画において、「IT技術活用」の方向づけを行うべきであると考えます。広く認識されていますけれども、ITの活用が各施策の実施面、管理面で大変重要な役割を果たしております。身近なところでは化学物質管理というようなものがありますし、スマートシティなどの構想においてもITによる管理がその基盤となるものであります。また、様々な環境問題を「見える化」することができる、そういった面での活用が有意義であると思います。見ましたところ、現在の環境基本計画においては、情報公開に関連して触れておられますが、この点について相応の位置づけをしていくことが適切であると考えております。
 3点目でありますが、「様々な主体の参加と協働」について、NPOと企業の接点を増やす工夫を望みます。政府では、既に市民・NPOなど各主体間のパートナーシップ形成促進の努力がなされてきました。今後は、現在もありますけれども、NPOと企業の連携というものもますます重要な分野となってくるのではないかと考えております。大企業と比較的大きなNPOとの間では既に連携した環境活動が見られます。[参考2]に書いてありますように、具体的な事例も多々あるわけですが、とりわけ小規模なNPO、中堅・中小企業については、この余地は大きいものではないかと思います。特にそのパートナーシップを深める工夫、それから、企業の従業員も気軽にNPOの活動に参加できるようなこととか、主体間の接点を増やす工夫をしていくことが有意義であると考えております。この点も具体的に盛り込んでいただきたいと考えています。
 以上3点であります。

○鈴木部会長 よろしいでしょうか。
 いろいろと多様な面でのご指摘をいただき、次回も5名の委員の方々からご意見をいただけると思いますが、環境基本計画に関しまして、環境省に対する国民の期待というのは、生活の基盤となる生活環境、あるいは、生命維持も含めて、そして、自然環境、こういうものをきっちりと守ってくれる、それを改善していってもらえるものという期待があろうかと思います。したがって、基本法で基本計画を策定することということになっているわけですが、総合的な視点でその立ち位置をはっきりさせてつくっていくと。そういうことになると、先ほども申し上げましたが、今までのやり方でおかしいところが幸いなことにこの非日常的な状況で見えてきているところもありますし、大いに考え直していくいい機会ではないか、というかむしろそれが責務ではないかと思います。
 こういうものを基本として日本全体、各省の環境に関わる施策を見直す、そこをちゃんと管理をしていくいい機会にしなくてはいけないと思いますし、省内においても、先ほど川上さんのほうから総政局の中でのいろいろな活動の紹介がありましたが、環境基本計画を毎年見直しをして、点検・評価報告書が出ます。それと毎年『環境白書』が出る、そして「環境統計集」というものも出る、環境情報をこれからどうするか、こういうものが全体として総合化されているようにはあまり見えない面もあったりします。
 そういうようなところも含めて、環境基本計画、6年間としますと、その間に施策の中心となるべき哲学をそこに織り込んでいくわけですから、それをきっちりとモニタリングして、それが国民にフィードバックされていくというところも、どういう体制であるべきかというようなこともあろうかと思います。そしてまた、それによって世界的に、今、震災であるからということもありますが、我が国が注目されている、こういうところでどういう基本計画をつくっているのか、つくったのかと。こういう意味では世界に対するある種のメッセージをここできっちり打ち出していくことも求められるだろうと思います。
 いろいろなご意見があり、根本的なご提案もございましたが、残り時間が若干ございますので、15分ぐらいありますでしょうか、今、プレゼンテーションいただいた7名の方に関しまして、委員の方々から、あるいは環境省の側からでも結構ですが、何かご質問なりあるいはご意見なりございましたら。
 では、どうぞ。

○浅野委員 櫻井委員のご発表、いちいち納得できる点が多かったのですが、一点だけ。公益法人をというふうにおっしゃったのですが、その真意をお伺いしたいんです。法人法改正で公益法人がどんどん一般社団法人、財団法人に変わっていて、しかも制度的には営利を目的としないというと、ほとんど従来と変わらないやり方ができるようになってしまっているので、公益法人という概念がだんだん変わってきてしまっているような気がするんですね。その辺を、先ほどのお話の中では、在来型の、従来言われていた公益法人であって、それが今後どういう方向をとっていくのかということについてはどうお考えなのかということですね。
 それから、大塚委員に対しては、あるいは何人かの委員から総合的な指標ということを言われました。これは前から言われていることで、それはもっともとだと思っていますけれども、総合的指標を追いかけすぎるとどこかが落ちてしまうということがあって、現在は総合的な指標を目指しながらも、いろいろな指標を指標群として扱うという方針をとっているんですが、私はもっと違った観点からの指標を入れることについては構いませんけれども、単一指標というようなことですと、ちょっと問題が多すぎるんですが、大塚委員のご発言は単一指標をつくれというご趣旨なのかどうかを確認したい。

○鈴木部会長 一通りご質問という形で。あと何人かおられますか。大塚委員もご質問に答えながら(笑)、大塚委員の質問も……。

○大塚委員 浅野先生におっしゃっていただいた件に関しては、グリーンGDPみたいなものをつくったほうがいいと思っていますが、ご指摘のように部分的な指標ももちろん重要だと思っておりますので、持続可能な発展という概念を深化させるにはどうしたらいいかということが基本的な発想でして、指標がどのくらいつくれるかというのはもうちょっと検討する必要かあると思っているところでございます。
 それから、もう一つの点ですけれども、さっき費用対効果の話をしたら結構反発を受けましたが、私はこれから財政難はますますすごくなると思っているので流れとしてはやらざるを得ないと思っていますけれども、他方で、私自身は別の検討会などで数字に定量化できないような費用便益に関してはかなり反対していることもあったりして、そういう意味ではご指摘のところはよくわかります。ですから、簡単に言ってしまいすぎたかもしれませんけれども、効果に関しては長期的な観点も、もちろん時々落ちるので、環境は特に長期的な観点が多いですから、当然入れなくてはいけないと思っていますし、定量化できないものについても考慮するということは当然必要だと思った上での話ですので、そこは申し上げなかったので誤解を招いたかもしれませんが、そのような趣旨です。
 さらに、環境政策について申し上げているので、入札の話をしているわけではないので、それはまた別の件では私もよくわかるところで、費用対効果を数字で出されて、形式的なところだけを見て、入札をどんどん変えていくというようなことをやっておられるところ、最近やらざるを得なくてやっておられるところがあると思いますけれども、そこにはかなり問題があると私も思っています。特に環境政策の中でも私が申し上げたかったのは、リサイクル政策に関しては、例えば容リ法の改正などでも社会的費用の低減というのは大きな柱の一つとして挙がっているんですけれども、特にリサイクル政策などを念頭に置いての発言というふうにお考えください。
 以上です。

○鈴木部会長 永里委員、それから、森嶌委員。

○永里委員 ありがとうございます。今の7名の方々の中に言外にあるのかもしれませんが、東日本大震災が発生して、国として先送りしたり、目をつぶっていた構造問題に真剣に取り組むことが必要になっているんだと思うんですね。今、国の数多ある政策の中で環境政策やエネルギー政策を見直して、プライオリティをつけて、今回の環境基本計画の見直しに反映させなければいけないということだと思います。
 東日本大震災からの教訓としては、国の役割の再定義が必要になるのではなかろうと思います。危機管理体制とか、安全保障とか、防災とか、エネルギー確保、食料需給のありかたなど。それから、日本の産業力、技術の国際競争力維持というようなことも重要です。実現可能性のある新成長戦略がなければ復興財源もままなりませんし、イノベーションを生む仕組み、大学の国際競争力、産学官連携が問われていると思うんですね。こういうことで、日本は復興していかなければいけないし、環境政策、エネルギー政策も、その観点で見なければいけないと思っています。
 環境に関することだけ言いますと、省エネ型社会への産業構造の転換は当然のことでありますし、震災後の経済社会の変化としては、仕事の仕方とかライフスタイルを変えなければいけませんが、こういうことについて、ほかの委員もおっしゃっていますけれども、とにかく規制緩和とか規制強化とか、それから、エネルギーと環境というのは裏腹ですから、エネルギーは今みたいな供給体制でいいのかという問題を検討すべきですね。
 さらに、今回に限ってですが、東西の50ヘルツ、60ヘルツの問題が非常にネックになっていますから、緊急時に関しまして東西の電力融通システムを、すなわちこれはインフラになりますけれども、これを構築しなければならない、そうでないと大変なことになります。地震学者が言っていましたが、今回の津波に対応するためには大変な防波堤をつくらなければならないので、上に逃げるのが重要であると。即ち高いところへいくのが一番安く上がる対策であるということを考えると、緊急時のための東西の電力の融通システムを考えなければいけないと思います。そういう視点で、環境基本計画を見たほうがいいと思います。

○鈴木部会長 申し訳ありませんが、ご意見は5月11日にまた伺いますので、ご質問という範囲に限っていただきたいと思います。

○永里委員 わかりました。どうもありがとうございました。

○鈴木部会長 では、森嶌委員。

○森嶌委員 私自身の意見は5月に間に合えば出すつもりです。大塚さんにですが、例えば原因者負担とか拡大生産者責任と予防原則とか、これを書くこと自体はいいのですけれども、今さら同じ言葉を書いて並べても中身がないんですね、持続可能性も同じです。第四次ではこれらが具体的に何を意味しているのかということをきっちり打ち出さないといけませんし、先ほどから林さんも言っておられましたけれども、コンパクトシティというのもいろんなところでいろんなことを言っているわけで、コンパクトシティと言っただけでは、どんな中身なのか中身ははっきりとしないのですね。
 それと同じように、予防原則と言いますが、原子力政策というのはまさに予防原則だったのですね。ただ、予防のやり方が、今回の場合マグニチュード9まで考えていなかったというだけの話です。大塚さんは予防原則をやってなかったというけれども、やっていたのです。やっていたのが足らなかったというだけの話です。その意味では予防原則という言葉を並べただけでは何もならないということです。
 それから、団体訴訟立法の導入ということを法律の下位にある計画で書くということですが、経済学者が言うならまだいいんですけれども、法律学者がそんなことを言っていていいのでしょうか。審議会は審議会としてきちっと、外部から文句を付けられないような書き方をしなければならないということを、先輩の法律学者としてご注意申し上げます。
 それから、コストパフォーマンスの問題も、先ほどから出ていますけれども、何をコストというか。例えば環境教育の場合に、何をコストと言って、何をベネフィットと言うかということですが、計算の仕方によって全然違います。私はコストベネフィットが好きだなんて、それだけ言っていたのではだめなんですね。どういう場合に使えて、どのような要素をコストあるいはベネフィットとして算入するのか、そして環境政策の場合にはどういうところでコストベネフィット分析が使えないか、そういうことを言わないと、この議論もちゃんと通用しません。
 むしろ第四次のときには、コストベネフィット分析が何に使えて何が使えないか、今までの政策手法の中には規制が使える場合が4つあります、なんていうのではなくて、こういう場合は使えて、こういう場合は使えない、そのときにはこの手法を使いますという、まさにポリシーミックスについての分析をきちっとやっていくべきです。これこそ部会長と部会長代理がきちっとやっていただきたい。

○鈴木部会長 個人的ご指導はまた別にお持ちいただくことにして。
 あとお二方のご質問……、あ、3人になりましたか。末吉委員から。

○末吉委員 ありがとうございます。これはご質問というよりお願い的なことになるんですけれども、大震災以降の日本のレスポンスを見ていて一つ非常に気になることがあります。それは世界との関係で見た場合に、大震災の重さと気候変動の重さ、どっちを大切にしているんだろうかと、私は価値序列をひっくり返したような議論が非常に多いような気がしてならないんですね。確かに応急的な復旧とか復興は被災の被害に遭った方々への非常に大きな問題ではあるんですけれども、グローバルに、しかも長期的に見た場合のこの問題のイシューの大きさというのを我々日本が取り違えると、世界の中で非常に困った状況に日本が追い込まれると思うんですね。
 ですから、先ほど部会長もおっしゃっていましたけれども、この基本計画で世界に出すメッセージについては、世界と世界の問題についてはあくまで共有してやっていくんだと、そういった姿勢も出さないと、今、非常に支援的、同情的に見てくれている海外から見ると、日本はあれを機に我が家の問題で全部内に引っ込んでしまったと、どうぞ日本だけでやってくれ、私たちは海外でやりますからというような状況になってしまえば、日本の復興すらあり得ないと思うんですよね。そういう価値観と言いますか、価値の序列の、グローバルをみた場合の序列をひっくり返すようなことはぜひ避けた議論をしていただきたいと思います。

○鈴木部会長 では、崎田委員、佐和委員。どちらでも結構です。

○佐和委員 マイクの向きがこっちを向いているから、私から。
 まず櫻井さんのパワーポイントの大きなページの10ページの上段左側に環境と経済というのがありますね。これを見ると、環境が成長のエンジンになるような姿を主要産業について具体的に描くというのは、観点としてあまり正鵠を射てないような気がするんですね。私はむしろもっとポジティブに気候変動対策なくして経済成長なしと。つまり、過去、寄与率が非常に低い消費財がどんどん普及していくことによって成長してきたわけですね。最初は三種の神器と言われているようなものであり、それの後を継いだのが自動車、そして、1991年以降2009年に至るまでの約20年間の経済成長率というのは実質は0.6%。これは物価が下がっていた。名目は0.2%で全く成長していないわけです、名目で見ると。そういうことからすると、これからもう一遍成長しよう、二、三%の成長をしようと思うならば、エコ製品を普及させるしかないと思うんですね。あるいは、住宅やビルの省エネ化というようなことをどんどん推し進める。それが一点です。
 それから、もう一つ、同じことなんですが、これは簡単なことです。林先生の15ページの左上ですけれども、1991年までは9%成長できたかのように見えるわけですけれども、正確に言いますと、高度成長期というのが始まったのは58年なんですね。そして、73年のオイルショックの年に高度成長は終わりましたよね。その間の実質経済の成長率というのは9.4%なんですよ。それ以降ガクッと下がって……。

○鈴木部会長 佐和先生、時間が限られていますので、次回にぜひご意見の表明をいただけませんでしょうか。

○佐和委員 はい。

○鈴木部会長 では、崎田委員。

○崎田委員 わかりました。それでは、詳しくは次回にということで、私もそうしますが、2点ほどと思いました。
 一点は、今後のエネルギー政策とか放射線影響の環境をどういうふうに改善していくかということに関して、環境省もきちんと参画していくというスタンスでいくことは大変重要だと思っています。
 もう一点、一番最初にお話をしていた環境教育や普及啓発、広報という部分なんですが、意見表明をしてくださった多くの方の中に、環境は教育とか学びから実践行動に移る時だというようなメッセージを大変強くいただきました。
 それに関して一言、質問です。実は第三次環境基本計画をつくったときに、それは重要課題ということで、実践に移すために、「環境教育」とかいう言葉ではなく、環境保全の人づくり、地域づくりの推進という項目で、かなり明確に実現に向けた動きを入れました。それが実現できていないのが問題なのか、この方向性自体が甘いのかとか、そういうことをぜひ、皆さんこれをもう一回見て、今後議論の中に入れていただければありがたいと思いました。よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 まだご発言なさりたい方は多いはずですが、皆さんが我慢しておられるところで、大塚先生に時間をそれだけ差し上げるわけにいきませんので、これで打ち切りたいと思います。櫻井さんのご回答、もしあれでしたら、次回5月11日のときにでもお願いできればと思います。いつかエンドレスの機会を整えなければいけないのかなという感じがいたしますが、今日のところはここで終了させていただきたいと思います。
 繰り返し申し上げますが、5月11日、次回の部会におきまして、できる限り十分な審議時間を確保したい。そういうようなことで、また追加の意見表明をお申し出になる方は事務局のほうにご連絡いただきたいと思います。
 それでは、矢田さんのほうから。

○矢田環境計画課計画官 次回の予定でございますけれども、5月11日でございます。すでに2時から5時までという形でご案内をさせていただいておりますけれども、今、部会長からお話がございましたように、追加でご意見の表明を希望される場合には、大変恐縮でございますけれども、今週中を目処に事務局までご連絡をいただければと思います。今日の時点ですでに3名の方が11日に意見表明ということで予定しておりますけれども、十分な審議時間を確保した上で、追加の意見表明の時間をとることも十分可能かと思いますので、希望される場合には事務局までご連絡をお願いしたいと思います。
 次回は5月11日の2時からでございます。三田共用会議所、ここでございますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○鈴木部会長 それでは、以上をもちまして、本日の総合政策部会を終了させていただきます。どうもお忙しいところをありがとうございました。

午後3時57分 閉会

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