中央環境審議会総合政策部会(第52回)議事録

開催日

平成21年11月27日

議事録

午前10時02分 開会

○小森計画官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第52回中央環境審議会総合政策部会を開会いたします。
 議事に入ります前に、お手元の配付資料のご確認をお願いいたします。
 資料1、第三次環境基本計画の進捗状況・今後の政策に向けた提言について、資料2、第三次環境基本計画の進捗状況・今後の政策に向けた提言についてに対する意見、資料3、環境影響評価制度専門委員会中間報告、資料4、平成22年度税制改正要望、地球温暖化対策税の具体案、それから参考資料1といたしまして中央環境審議会総合政策部会の名簿、参考資料2、気候変動枠組み条約第15回締約国会議及び京都議定書第5回締約国会合閣僚準備会合概要、参考資料3、25%削減達成に向けて。足りない資料などがございましたら、事務局までお申しつけいただければと存じます。
 また、気候変動枠組み条約第15回締約国会議及び京都議定書第5回締約国会議閣僚準備会合に関するこの資料、それから温室効果ガス25%削減達成に関する資料でございますけれども、こちらの資料は本日の議題に直接かかわる資料ではございませんので、後ほどご参考までにご覧いただければと思います。
 なお、マイクをお使いいただきます際には、スタンドにありますスイッチを押してからご発言ください。同時に4本までしか使用できませんので、ご発言が終わりましたら、随時スイッチをお切りください。ご協力をお願いいたします。
 本日の部会には、現時点で全委員46名中30名の委員の方々にご出席いただいておりまして、定足数の要件である過半数を満たしております。
 それでは、今後の進行は鈴木部会長にお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
 先ほどもございましたように、本日の主要な議事はこれまで数回にわたりましていろいろご検討いただいてまいりました第三次環境基本計画の進捗状況・今後の政策に向けた提言、これをまとめるということにございます。それから、中間報告を環境影響評価制度専門委員会、こちらのほうからいただきます。そして、温暖化対策税に関するものに関しましても、報告をいただく、そういうことになっておりますので、本日のまず主要な議題から入らせていただきたいと思います。第三次環境基本計画の進捗状況・今後の政策に向けた提言について、これを議題といたします。
 資料1につきましては、前回9月25日に開催いたしました前回の総合政策部会におきまして、委員の皆様方にいろいろご意見をいただきました。そして、それを修正の上、パブリックコメントを実施いたしまして、そしてその主要なところを取り込んだ最終案として今日報告書案を作成していただいております。この案につきまして、皆様方のご意見、特段のご意見がございましたらいただきたいと思いますが、皆様のご了承をいただければ総合政策部会としてこれを決定して、後日、環境大臣に報告をさせていただく、そういうようなことにいたしたいと存じます。
 それでは、この最終案につきまして事務局のほうから説明をお願いいたします。特に前回の総合政策部会からの修正点、これを中心にご説明をお願いします。

○小森計画官 それでは、資料1につきましてまずご説明を申し上げます。
 この資料1が今回の点検報告の案でございます。これにつきましては、部会長からご紹介がございましたとおり、前回の9月25日の総合政策部会でご議論いただきましたそのときの委員の皆様からのご指摘を反映させてございます。また、10月9日に修正したバージョンを委員の皆様にお送りいたしておりまして、幾つかご指摘がございましたので、それも盛り込んでございます。その上で多少体裁などを整えまして、今月2日から16日までパブリックコメントを行いました。これを踏まえまして、本日の資料を取りまとめたものでございます。
 この資料、先生方にお送りしていますものと変わっておりませんけれども、改めて前回の部会からの主な修正点につきましてご説明をさせていただきたいと思います。
 まず、1ページ目をお開きください。
 「はじめに」のところでございますが、点検のやり方について第1回目の点検の際に重点5分野のそれぞれについて2つの重点事項について点検を行い、今回はそのフォローアップと分野ごとに新規の重点調査事項を1つ設けて点検を行ったことを記載しておいたほうが一般の方にわかりやすいのではないかというご指摘がございましたので、最後の段落のところでございますけれども、その趣旨を盛り込んでございます。
 次に、8ページをご覧いただきたいと思います。
 3つ目の丸のところでございますが、都市における良好な大気環境の確保に関する取組の概況につきまして、VOCや光化学オキシダントの発生のメカニズムなどに関しましてご指摘がございましたので、VOCからOX、SPMへの生成機構について今後解明していくことが必要な旨をつけ加えております。
 次に、22ページをご覧ください。
 重点調査事項の環境的に持続可能な交通システム実現のための取組のところでございますが、ESTを推進するための仕組みとその具体的方策についても検討していくべきとのご指摘がございましたので、このページの1つ目の丸でその旨をつけ加えております。また、同じページ、そのすぐ下の丸でございますけれども、自動車関係諸税の税率水準や高速道路料金の設定と地球温暖化との関係につきましてご指摘があったことを踏まえ、良好な大気環境の実現というところの文言の後ろに地球温暖化という文言も加えて、その観点からもいかなる影響を及ぼすかについて定量的に知見を深めていくべきとしたところでございます。
 次に、25ページをご覧ください。
 ヒートアイランド対策に関しての今後の政策に向けた提言のところでございますが、2つ目の丸の表現ぶりについてわかりにくいとのご指摘がございましたので、修正をしております。
 次に、32ページをご覧ください。
 ノンポイントソースによる水質汚濁に関しての今後の政策に向けた提言のところでございますが、とるべき対策についての記載が抽象的であるとのご指摘がございましたので、具体的な例示を盛り込むなどの修正を行っております。
 次に、42ページをご覧ください。
 流域における水循環改善のための取組についての今後の政策に向けた提言のところでございます。
 まず、水循環の問題については地方公共団体が連携し、国とも協力しながら地域として主体性を持って取り組むべきとご指摘がございましたので、このページの一番上の丸の2行目から3行目にその旨を書き込んでおります。また、そのすぐ下の丸でございますが、ご指摘を受けまして水源地域は水源の保全に重要な役割を果たしているため、世界的な水資源の需給状況等も勘案しながら、引き続き関係府省が連携して適切に保全する取組を推進するべき旨、盛り込んでおります。
 次に、50ページをご覧ください。
 適切な環境表示の推進についての今後の政策に向けた提言のところでございます。3つ目の丸でございますが、環境表示が消費者の製品選択に結びつくような施策のあり方が重要であるとのご指摘を受けまして、修正を行っております。
 次に、56ページの一番下の丸をご覧ください。
 SRI等の環境投資の拡大についての主な取組状況等のところでございます。環境投資に関する情報の開示に関し、より具体的に記述するようにとのご指摘を受けまして、修正を行っております。
 次に、64ページをご覧ください。
 環境分野の研究・技術開発の戦略的重点化についての今後の政策に向けた提言のところでございます。ここでは、環境保全なくして経済成長なしといった観点を盛り込むべしとのご指摘、経済的手法をもって民間企業の研究技術開発を促進する重要性、他方で政府の支援等の重要性についてのご指摘あるいは次世代の再生可能エネルギーの開発の重要性についてのご指摘、また科学技術を経済活動や国民生活に反映するためのコミュニケーションやそのための人材育成の重要性などについてご指摘を受けましたので、それぞれ1つ目の丸、3つ目の丸から5つ目の丸においてその趣旨を盛り込んでいるところでございます。
 次に、74ページをご覧ください。
 戦略的環境アセスメントの取組状況についての今後の政策に向けた提言のところでございます。1つ目の丸の4行目、「また」以下のところでございますが、ご指摘を踏まえましてSEAガイドラインの枠組みにとらわれず、事業の特性に応じて早期の段階で環境配慮を図っていくことも重要である旨、盛り込んでおります。
 次に、83ページをご覧ください。
 東アジアにおける地球環境及び地域環境の改善に係るネットワーク構築の進捗状況についての主な取組状況等のところでございますが、ネットワークの一つとして北西太平洋地域海行動計画を加えるべきとのご指摘がございましたので、(9)のところでございますが、つけ加えてございます。
 次に、87ページをご覧ください。
 東アジアにおける地球環境及び地域環境の改善に係るネットワーク構築の進捗状況についての今後の政策に向けた提言のところでございます。ネットワーク等相互の連携が重要であるとのご指摘がございましたので、2つ目の丸でその旨をつけ加えております。
 次に、91ページをご覧ください。
 国際的な経済連携・地域統合と環境の融合についての今後の政策に向けた提言のところでございます。まず、1つ目の丸について経済連携・地域統合の形態と対象とする環境問題の特性との組み合わせを念頭に置き、よりきめ細かい具体的な環境アセスメントを盛り込んだ国際的な経済連携・地域統合のあり方を検討していくべきとのご指摘がございましたので、その旨を盛り込んでございます。また、同じページの4つ目の丸でございますが、温室効果ガス削減量の推定が非常に困難な交通などにつきましても、CDMの方法論の開発を支援するとともに、その効果の評価手法を充実させていく必要があるとのご指摘をいただきましたので、その旨を盛り込んでおります。
 次に、97ページをご覧ください。
 NGO/NPOが東アジア地域等の環境管理能力の向上に果たしている役割の強化、向上についてでございます。今後の政策に向けた提言の部分でございますが、メッセージ性が十分でないとのご指摘を踏まえ、全般的には表現を簡潔にしつつ、NGOの活動の実態の把握、NGOとの協力の重要性、NGOの支援、育成といった流れに沿って書き直しております。また、その一番上の丸のところでNGO/NPOの支援機関相互の連携、最後の丸のところでNGO/NPOと企業、行政との連携についてのご指摘を踏まえて、つけ加えております。
 次に、110ページをご覧ください。
 予防的な取組方法の考え方に基づく施策のフォローアップの結果についてでございます。これにつきましては、重点点検分野の点検との関係についてのご指摘を受けましたが、重点点検分野の点検とは別に独立した形で残してほしいとのご意見もございましたので、独立した形で残してございます。また、重点点検分野の点検のほうに部分的に再掲の形ででも取り組めるものは取り組めないか検討もいたしましたが、重点点検分野の点検のほうが重点調査事項に絞って点検を行っております関係上、取り組めるものは結果としてございませんでした。それとは別に予防的取組方法の考え方に基づく施策のフォローアップ内の整理の仕方がよくないとのご指摘がございましたので、それを踏まえまして環境基本計画第2部第2章の環境保全施策の体系に沿って項目の並びを整理する変更を行っております。これによりまして、同じ分野につきまして別々のところに記載されるということはないようにしてございます。その他予防的な取組方法の考え方の注を冒頭のほうに持ってくるといった若干の修正を行っているところでございます。
 次に、資料2、横長の表でございますけれども、ご覧いただきたいと思います。
 冒頭申し上げましたとおり、点検報告の案につきましては、今月2日から16日までパブリックコメントを行ったところでございます。数名の方から意見を提出いただいております。
 1枚めくっていただきまして、それぞれの意見の概要をまとめまして、それから意見に対しての事務局の考え方を右のほうの欄に整理してございます。
 2ページ目の一番上、流域における水循環改善のための取組についての意見で、地下水は一旦汚染されると改善が難しい。地下水汚染を未然に防止する施策を強化すべきとのご意見があり、流域における水循環改善のための取組についての今後の政策に向けた提言の中に先ほどの資料1ですと42ページの末尾になりますけれども、地下水については一旦汚染されると回復は困難であることから、汚染を未然に防止する取り組みを一層推進していくべきですとの記述をつけ加えさせていただいております。
 それ以外の意見については、一つ一つについて個々にご説明はいたしませんけれども、個別具体の対策の進め方についてのご指摘が中心でございました。こういった点につきましては、既にこの点検の今後の政策に向けた提言の中にその趣旨が盛り込まれているなどの理由から、新たに点検の中に取り込むということはしておりません。執務などにおきまして参考にさせていきたいと考えております。
 以上で私からの説明を終わらせていただきます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。前回の総政部会以降、委員の方々からいただきましたご意見を反映させ、その変更されたもの、そしてパブリックコメントにかけられたもの、それぞれ委員の方々にはご確認いただいていると思います。今ご説明がありましたところですが、これにつきまして先生方から特段のご意見、ご質問等がございましたらここでお受けしたいと思います。いかがでしょうか。
 それでは、お二方から上がっております。では、佐和委員。

○佐和委員 64ページをご覧ください。ここに、たしか私が申し上げた意見を文章化していただいたと思うんですが、今後の政策に向けた提言の3つ目ですね。ここの表現ですが、経済学的な用語の使い方がいかにもおかしいんですよね。まず、読みますと、「今後の経済成長のためにも環境保全に資する製品・サービスの需給が増大しと、需給が増大し」という言い方はおかしい。需給が均衡するとか不均衡だとか、需給ギャップが生じるとかという場合に「需給」という言葉は使われるのであって、ここでは「開発・普及」に言い換えたほうがいい。「開発・普及が進み」としたらどうですか。それから、「経済全体を牽引することが必要と考えられます」というのも、ニュアンス的に私が申し上げたのとは違う。要するに、ほとんどの在来型耐久消費財が普及し尽くした今となっては、エコ製品の普及が経済全体を牽引するということであって、「必要と考えられます」という表現はおかしい。
 それから、「このためこれらの製品・サービスの需給を促進する」とありますが、ここも変えてもらわないといけないですね。開発・普及がいいと思います。「経済的手法を用いた施策」というよりは、一言で「経済的措置」と言えばいい。経済的措置を積極的に講じていくべきであり、これらの施策を通じて民間企業によるこれらの製品・サービスに関する研究開発が促進されるべきです。ここでは、生産者側のことだけ書かれていますが、需要の側については何も書かれていない。「開発・普及」と言いましたが、開発については書かれていますが、普及についても一言必要ではないでしょうか

○鈴木部会長 ぜひちょっと文章をおつくりいただいて。

○佐和委員 はい。

○鈴木部会長 それでは、あとは岩村委員ですね。

○岩村委員 事務局というか環境省に対する質問ですけれど、72ページ以下のSEAの話なんですが、政権がかわってから法律の改正とかいろんな議論が出ていますね。民主党のマニフェストにも載っているんだろうと思うんですが、そういう中でこのSEAの扱いですね。これを法制化するのか、今までどおりガイドラインを重視していくのか、そこら辺はどういう動きになっているのかをちょっと教えていただきたい。もし法制化の動きが次期の通常国会なりに関わるということであれば、やっぱりここでそういうことに対するコメントというか意見を言っておくべきじゃないかと思うので、その状況をまず教えてほしいと思うんですが。

○鈴木部会長 今の点については事務局のほうで。

○花岡環境影響評価課長 SEAの扱いの件につきましては、この後の専門委員会の中間報告のほうで専門委員会委員長であられる浅野委員のほうからご報告があることになっておりますので、そちらのほうでと思います。

○岩村委員 そうすると、ここの提言はそれを踏まえて書いてあるということでいいんですか。法制化の議論はどうなっているか伺いたいのですが。

○鈴木部会長 あくまでもこれは第三次環境基本計画の点検ということになっておりますので、次の議題とはある意味では切り分ける。あるいはもし先行してもっとSEAを格段に進めるべきであるというようなご意見があれば、またそれをここへ書き込むことも可能かもしれませんが、ここはあくまでも第三次環境基本計画の進捗状況というような形でのまとめとなっておりますので、その辺は切り分けてお考えいただければと思います。
 何か特段に。

○中村委員 これはちょっと質問です。これ資料2のほうで第三次のこのパブリックコメントを求められましたですね。そのときに意見の提出の数が個人が1名、団体職員4名、あと団体が1と、要するに6つしかコメントが出てこない。日本では大変環境ということが叫ばれている中で、国の第三次環境基本計画に対してこれだけの意見しかパブリックコメントで出てこないということをどのようにとらえていらっしゃるかをお聞かせいただきたいんですが。

○小森計画官 この数につきまして、例年並みではあるんですけれども、確かに1億人と国民の数がおるわけで、十分な数かというとそうではないということがございますので、私ども第三次環境基本計画との普及、いろいろパンフレットをつくったりしておるところですけれども、まだまだ十分だと思っておりませんので、今後大いにやっていくと。それから、パブリックコメントのあり方につきましても、もう少しちょっと工夫できないか検討してみたいと思っております。

○中村委員 国民が自ら動かなければ環境計画というのは絵にかいたもちになってしまうので、もう少し国民にわかりやすい問いかけ方とか広報の仕方をぜひご検討いただければと思います。

○鈴木部会長 なかなか基本計画を作成する段階と、またこの点検の段階との関心の持たれ方が違うこともあると思いますし、これは意見の提出者数ということで意見そのものはかなり1団体当たりからたくさんのものが出たりするということはあるわけですね。
 では、林先生。

○林委員 すみません、最初に出さなくてすみません。これは先ほどご説明のあった部分だけ今発言するんでしょうか。それともこれ全体も含めてですか。

○鈴木部会長 いや、もう既にいろいろご意見を伺って最終段階ですので、一般的なご意見でしたら、また別の機会にお受けできるかと思いますが。

○林委員 一般的かどうかは微妙なんですが、章と節のこの目次のところの字面を見て改めて感じたことを述べます。「気候変動」と「生物多様性」というのは92年のサミットで提唱されて、世界中の環境政策の重要な二本柱になっているというふうに認識しているわけなんですが、目次の字面を見たときに全く両者の文字は出てこないんですが、この辺りはよろしいんでしょうか?
 2点目として、このどこかに書いてあって私が見落としている可能性がありますが、環境基本計画から見たときに全省庁の各種の政策とか補助金とか、それらが環境基本計画から見て一貫していることがどこかに書いてあったかどうかですね。これはこの環境基本計画に限らず、国土形成計画など各省庁が出している計画から見ても互いに共通することと思いますが、そういう配慮というものが当たり前のことが書かれているかどうか。
 3つ目は、86ページ、87ページ辺りの国際協力の最後のほうに生物多様性のことが12番とか13番に書かれています。この12、13のところで、非常に多くの途上国をアジアが抱えていて、日本がその一員あるいは別のところではリーダーとなると、こういう文言があります。これは日本の環境基本計画ですので、途上国の立場に立って生物多様性あるいは生物資源を保護したり、そのための協力体制を構築、維持すると、こういう姿勢のようなことはどこかに書いておく必要性が今日的には非常に強いと思ったわけです。生物多様性と気候変動が連動していて、生物多様性の非常に政治的な取り組みが決着しないと、気候変動のほうにも途上国が乗らないと、こういう図式になっていくと私は認識しています。文言の書き方は非常に微妙で難しいと思うんですが、先進国である日本がアジアを非常に重視した国際的なネットワークへの取組みに関連して、何らかのニュアンスがどこかに書かれていることが必要であると思っております。
 以上です。

○浅野委員 まず、林委員のご発言の前半部分ですけれども、第三次環境基本計画の点検については全体的なスケジュールをそもそも最初の段階で部会で合意して決めており、そのことはこの点検報告書の中にも明記してあるわけです。ですから、地球温暖化と生物多様性については、今回は点検の対象というか、重点的分野としての点検の年次ではないということは書いてあるわけです。しかし、日本の環境の全体の状況を指標によって示すという最初の部分では、それらも当然にきちっと入れるというスタイルがとられていますから、ご指摘の基本的な政策課題を軽視しているというようなことにはならないと思います。しかし、確かにおっしゃるように第三次環境基本計画の点検というものがやや事務的に行われているのではないかという印象を与えることは別に本意ではない。中村委員もおっしゃったように、どうもみんなあまり関心を持ってくれていないなというようなことは大変気になるということでもありますから、過去の例を申し上げますと、この報告そのものは淡々と閣議に対し、政府に対して基本計画の進捗はこういう状況であるということをご報告する目的で作られる文書ですから、これはこれでこういう形でスケジュールに従ってやっていくことになるわけですが、これを公表する際に「国民の皆様へ」といって部会長、中環審会長の名前でアピールの文章をつけて出したということは、過去にもあるわけです。ですから、そういう意味では今、林委員が言われたことを織り込んだ文章を鈴木先生には大変ご迷惑でございましょうけれども、お書きいただいて、これを発表するときに同時にそれを出すというようなことは、今までもやっていますから、考える余地はあるだろうと思います。
 それから、委員が最後に言われたことについても何らかの形で触れる。ちょうど名古屋の会議を控えていますから、我々は関心を持っているのだということを示すことは悪くないとは思います。

○鈴木部会長 なかなかこの進捗状況の点検と提言ですが、これはやはりここでまた一般的な今後の環境政策がいかにあるべきかを議論し出すと、これは点検にならないんですね。その辺の仕組みが一体適切なのかどうかというそういう問題もあろうかと思いますが、いろいろと今これが2006年につくられた環境基本計画ですが、次にまたこの第四次の環境基本計画を来年度辺りからは議論し出さなくてはいけない。そういう段階でその辺も含めてスタートの段階で検討いただくことが適切なのかなと思います。
 そして、これだけ見ますと、本当に今年度の点検事項しかここに挙がっていませんので、主要なトピックが抜けているのではないか、それはおっしゃるとおりなんですが、それは全体としてやはりこういう進め方をしてしまっているために起こってくる問題なので、これが適切かどうかということはまた次の段階で検討することが必要なのかもしれません。
 いずれにしましても、ご趣旨をどこかに生かすというようなことは不可能ではないと思いますので、なるべくミニマムな形になるかと思いますが、少し適切なご提案があれば文章でお出しいただければと思っております。

○林委員 ありがとうございます。生物多様性についても私はそんなに最初からわかっているわけではございませんが、急速に勉強しなくてはいけなくなっていて、その前にこれが出るものですから、少しそういうニュアンスがあったほうがいいのではないかと思った次第であります。ありがとうございます。

○鈴木部会長 また、来年の点検では今年度の点検に含まれていない温暖化の問題、それから資源循環の問題、生物多様性、化学物質、人づくり、地域づくり、こういうテーマが取り上げられることになります。それを済ませましてから第四次の基本計画への構想が具体化されていく、そういう形になろうかと思います。
 それでは、まだ。はい、どうぞ、藤井委員。

○藤井(絢)委員 直近に開催されましたアジア3Rフォーラムについて81ページに触れられて、これは委員に回った後、今年の11月ですが、開催されたところに崎田委員と参加しましたので、ちょっとそこについて伺いたいことがあります。NGO/NPOとの連携ということを大変きっちりと押さえていただくような表現がそちこちに出ておりますが、実はこの政府間会合に先立って市民フォーラムを開催しました。その市民フォーラムのステートメントを政府間の会議に崎田議長に発表していただくというような具体的な連携もしましたので、その明らかになった課題もそこの中に市民フォーラムとのそこが1行もないものですから、もし具体的な事例としてせっかくここに取り上げていただいておりますので、もし盛り込めるのならばというふうに思って意見を申し上げた次第です。
 以上です。

○鈴木部会長 これは81ページの具体的な成果のところにということですね。
 よろしいでしょうか。
 佐和先生、そして林先生、いろいろご意見をいただきましたが、文章をいただくことにいたしまして、その辺は……

○佐和委員 書きましたので、どなたかメールアドレスを。

○鈴木部会長 それはこの後で結構です。それをいただきまして、私のほうに全体の修文等も含めてご一任いただくということでよろしければ、そうさせていただきたいと思いますが、その上で委員の先生方に目を通していただく時間的な余裕があればそうさせていただきたいと思います。そして、最終的には環境大臣にご報告をさせていただく、そういうことでよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、第三次環境基本計画の進捗状況・今後の政策に向けた提言につきましての取り扱いはそのようにさせていただきたいと思います。
 次に、議題の2になりますが、環境影響評価制度専門委員会、これができております。この委員長には隣にいらっしゃいます浅野委員に就任していただいておりますが、この度中間報告をまとめていただいておりますので、それにつきまして浅野委員よりご報告をお願いいたしまして、その後若干委員の先生方からご意見をいただければと、そのふうに思っております。
 それでは、浅野委員、お願いします。

○浅野委員 それでは、環境影響評価制度専門委員会の委員長をしております浅野でございます。
 資料3をご覧いただきたいと思います。
 本日はじめてこの報告をお配りしておりますので、本来なら読み上げるのが筋かもしれませんが、時間の節約ということもございますので、逐一読み上げることは省略をさせていただきます。
 まず、この中間報告の目的でございますけれども、まだ専門委員会としては文字どおり議論をしている最中でありまして、このような結論を出したというものではございません。しかし、この専門委員会を発足させるに当たりまして、部会に専門委員会の最終報告がいきなり出てきて、それを認めるというようなそういう形はとらないでほしいということは前々からご注意をうけておりますので、審議の中間の段階でご報告申し上げ、その段階で部会としてのご意見をお聞きし、それらをまたさらに織り込みながら最終の報告をまとめていくと、そういうつもりで中間報告をしております。ただし、今回の中間報告の特徴の一つは、前に部会で既にお配りをいたしました環境影響評価制度総合研究会報告が完全に両論併記というんでしょうか、出た複数の意見を全部そのまま載せるというスタイルをとっておりますので、これでは幾ら何でも先々の議論がやりづらいので、少し整理をする必要があるだろうということでございました。したがって、この中間報告では委員の中にはご不満もおありではあるわけですが、できるかぎり両論併記というスタイルを避けまして、ある種この方向であろうと、あるいはこういう方向が多数の意見であったということは明らかになるような報告をということを心がけた次第でございます。
 まず、「はじめに」でございますけれども、これはここに記してあるとおりでございまして、環境影響評価制度というもののこれまでの流れを記しまして、それから専門委員会が置かれているということの意味を記している部分でございます。
 この専門委員会の検討は、概ね総合研究会報告で出されました論点に沿いまして、これまでのところその論点ごとに委員の意見交換を進めてきておりますので、論議いたしました論点に沿いましてゴシックで出ております数字の1から11という形で報告をいたしております。そのうちのまず1は、アセスメント制度が対象としている事業でございまして、これについて、条例アセスが、すべての都道府県及びかなり多くの市では実施されており、この条例アセスの仕組みが国のアセス法の仕組みと平行して動いているということに留意をする必要がある。これはどちらかを動かせばどちらかが影響を受けるという関係にありますので、この辺の役割分担の尊重が必要であろう。その上で現行制度は国が関与し、許認可などでかかわりを持つような場合に、その許認可を通じて事業の実施に際してアセスの結果の実効性を担保させる仕組みになっておりますので、専門委員会の多数の意見はこれが現行制度の根幹であろうという認識をもっております。その上で、過去には環境影響評価法の対象となっていた事業であっても、昨今の行政の仕組みの大きな変革の中でさまざまな変化が起こっておりますので、そういう技術的な理由でアセスの対象から落ちていくというような対象事業が出てくることは、必ずしも好ましくないのではないか。そこで、これまで法対象としていた事業は今後とも法対象にすることができるような制度的な工夫は必要であろうということが(3)で述べられております。
 それから、(4)でございますが、これは今後新たに出てくるであろう事業種についての法アセス制度の中での対応についてでございます。
 次の2ページに行きますが、いろいろと取り上げるべきものもあるだろうということで議論はしておりますけれども、直ちにこれこれを取り上げるということには当面なっておりませんということを率直に記しております。
 その上で(5)でございますが、現在は条例で環境影響評価が実施されている事業種であるけれども、必ずしも条例がすべての都道府県に制定されているわけではないといったような状況を考えますと、風力発電施設については発電所新設という事業の中で法アセスの対象から落ちておりますので、これを入れるということが必要ではないかということでございます。
 次の2でございます。これは現在の制度では、環境影響評価報告書の原案(準備書)を作る前にどういう環境影響の調査・予測・評価をどの項目について、どのように調べて行うかということを方法書の形であらかじめ示すことになっておりまして、これを外国ではスコーピング手続と呼んでおりますので、この報告書でもスコーピングという言葉を使っておりますが、内容的には方法書のことでございます。この方法書の手続に関しては、それが何のために行われるのかということが十分に理解されていない面もある。それから、結構分厚い方法書が出てくるというようなことがあるので、方法書について適切なご意見を多くの方々からいただくためにはやはり説明会というような方法を入れることが必要ではないか。これが専門委員会の多数意見でございます。
 それから、次の3でございます。国からの意見提出でございます。これは先ほども申しましたように、さまざまな行政の仕組みの変革の中で、これまでは環境大臣が意見を提出できていた事業について、現行制度の枠組みだけでは意見が出せなくなってしまった事業があるわけでございまして、これらについてこれまでどおり意見を出せるようにしておくことが望ましいという声が多いものですから、これをうまく実現できる仕掛けを用意する必要があるだろう。あるいは先ほど言いました方法書の段階では、現在では環境大臣が意見を述べるということになっておりませんので、これについても意見を述べることができるようにする必要ではないかということでございます。必ず述べるのか、必要と考えた場合に述べるのか。これはなお検討の余地がございますけれども、全く述べるという機会がないという現在の仕組みはよくないというのがここでの検討方向でございます。
 次は4でございます。地方公共団体は現在、都道府県知事を通じてそれぞれのアセスの準備書等に対して意見をまとめて出すことになっております。これは都道府県知事が広域的な観点から意見を取りまとめるというメリットはございますけれども、しかしながら、政令指定都市のように、既に独自のアセス条例もあり、独自のアセス審査会もあるというような場合がございまして、そういうような政令指定都市が意見を出す場合でも都道府県知事を通じて意見を出さなければならないということになりますと、どうしても意見をまとめるためにかなりの時間的な制約を受けてしまう。十分な議論がしづらいというようなことが問題になっておりまして、これもかねてから意見を出せるような仕組みを望むという声がございましたので、私どもはこれはもっともなご意見であろうと考えております。
 ただし、それではそういう場合には都道府県の意見がどうなるかということになるのですが、都道府県もやはり広域的な観点からの意見をお出しいただくということが必要であろうから、多少事業者にはご負担ということになるかもしれないけれども、両方が意見を出せるという仕組みでいいのではないかと考えております。
 それから、今度は事業者のご負担ということへの考慮もあるわけですが、複数の都道府県にまたがる事業について現在はそれぞれの知事にそれぞれ手続をとってもらうということになりますので、場合によってはこれが重複感がある、あるいは負担が重いということがございますので、これについて合同審査のようなことができるということをはっきり制度的に位置づけてはどうか。これはしなければならないわけではなくて、できるということでございますが、そのようなことが議論されているというわけでございます。
 次は、5でございます。環境影響評価の結果を事業に反映させるという点に関してでございますが、現在は許認可という形でこれを反映させる仕組みになっておりますけれども、それにあわせてさらにこういうような環境配慮を行いますというような記述がその後本当に効果を上げているかどうかについての事後調査が求められるということがございます。このことに関しては、何らかの制度的な担保ということが必要ではないだろうか。しかしながら、その場合でも何のためにでは事後調査を制度化するのか、目的が何なのかということはなお議論をし、整理をする必要があるということでございます。それから、技術的にも実は事後調査というものを取り入れる場合には、アセスメントを行った事業者とその後実際にそのプロジェクトを運用している主体とが違うというような場合には、誰が事後調査の責任を負うのかというような問題がございますので、なお技術的には検討をしなければならない問題があると記しております。許認可への反映につきましては、ここに記してあるとおりでございます。
 それから、未着手案件について現在の制度でも環境影響評価を再度行うことの可能性はございますけれども、これをもっと強く義務化すべきだというご意見がございます。この件に関しては、しかしながら、一律に一定期間を過ぎた場合には再度アセスメント手続を行えというような制度を設けることは、ちょっとでも着手すれば着手になってしまうということとのバランスを考えますと、若干問題があるだろうということでございます。
 次は、環境影響評価の図書を縦覧することについて、現在は紙媒体のものを縦覧で使っております。しかしながら、これは今の電子政府という時代にふさわしくないというご意見がございまして、これについては電子媒体による縦覧ができるような仕組みに踏み込むべきであろうということでございます。ただ、そのためにいろいろと技術的には検討の余地がございますけれども、方向としては電子媒体を用いるということが望ましいということになりました。
 その後、7でございますが、この7につきましては、アセスの手続の中での多くの方々からのご意見の聴取に関して、公聴会を義務づけるということについてでございます。これについては既に条例で公聴会を行うという団体がかなり多くなっておりますので、必ずしも法での新たな義務づけということは必要ないのではないかという議論が今のところは中心でございます。それから、方法書については現在その後すぐ実際のアセスの調査が行われるということもございまして、方法書に出されたご意見のお答えはその後に出てくるアセスの準備書の中で答えを書けばいいということになっておりますが、しかし、せっかく意見を出したのにその答えがなかなか返ってこないということについてのご不満が多いものですから、これについては方法書段階でも意見が出た場合にはそれに対する回答をするということが必要ではないかというご意見がございます。
 しかしながら、これを一律に義務付けますと、やはり準備書を準備し、さらにその後の手続を進めていくということに対しては、若干時間をかけ過ぎるというような問題になる可能性もあるだろうというようなことで、必ずしも一律に義務化ということが適当かどうかということが議論されております。しかしながら、あまりにも準備書までの間の時間が長くかかるというようなケースがないわけではございませんので、そういう場合にも今と同じようなやり方がいいかどうかということについてはなお議論を続けているところでございます。
 次は、8でございます。8は、これは若干技術的なことにまたがるというような面でもございますが、まず、既存の工場などの設備を更新する場合、これをリプレースと言っておりますけれども、要するに今までのものを壊して新しい設備に変えるというような場合に、とにかく全くフルスペックで同じようなアセスの手続を課す必要があるかどうかというご議論でございまして、これに関しては何らかの形で手続の簡素化ということが必要であろうという点で専門委員会の意見が一致しておりますけれども、しかし、それをどういう形で簡素化するかということについては、なお議論を続けております。
 それから、複数案の検討に関して、これを義務化という声がございますけれども、これについてはどういう段階で複数案の検討をどういう手続で扱うのかということをきちっと議論しないとなかなか答えが出せない問題でございます。実際にはほとんどの場合、幾つかの案を検討した上で最終案に絞り込んでいくということは行われているのでありましょうから、それはそれとしてあるのだろうという前提は認識できるわけでございますけれども、では手続制度の中で現在のアセス制度という枠の中で、どういう形でこれを扱うかでございますが、一律に何かあるやり方で義務化するということになりますと、実際には採用される可能性のない計画案についても全く同じぐらいの費用をかけてアセスの調査、予測せよというようなことになりかねませんが、これはなかなか難しいだろう。ですから、これはなお検討の余地があるということでございます。
 それから、評価項目の拡大でございますが、最初に申し上げましたように、評価項目の拡大に関しては、これをやりますと条例アセスとのバッティングというようなことが出てまいりまして、地域の状況に即して地域が条例で措置されているものについて法が吸い上げてしまうということがいいかどうかということについては、どうも難しい面もあろうという議論をしているところでございます。
 4は生物多様性について、特に昨今非常に重視されておりますので、生物多様性オフセットといったような手法はどうかということを議論いたしましたけれども、これについてはどうも技術的な問題としてもう少し別のレベルで議論をするということが望ましいということになっております。
 ちょっと長くなって申し訳ございませんが、もうあと一ページでございます。
 評価結果の審査についてでございますが、これについて国にも常設の委員会を置いてはどうかというご提案が各方面から出ておりますけれども、私どもはそれについてはどうも積極的ではないということでございます。ただ、環境大臣の審査、意見の作成に当たって、その透明性・公平性を十分に国民の皆様方にご納得いただけるための工夫は必要であろう。それで、やはり専門家がしかるべくきちっとそれについてのコメントをするという仕組みがあることが望ましいだろうということになっております。
 それから、次が戦略環境アセスメントでございますが、これにつきましては、ここに記しましたように、少なくとも国等が行う公共事業については現在既に行われつつあるということもありまして、これは導入をすべきであろうということでございます。その上で、民間事業についてどうするかということについては議論の余地があるととりあえずここではまとめております。これは結論を出しているということではなくて、どうするか。それから、ここに記しましたけれども、この環境影響評価の中で戦略環境アセスメントと言われているものをどういう意味でこの言葉を使って議論をするのかということについてもなお専門委員会としては整理をして、後々の議論がしやすいようにする必要があるだろうと考えております。ここには明示しておりませんけれども、あわせて申し上げておきたいと思います。
 それから、もし何らかの形で早期段階の環境配慮を現行制度にくっつけて行うというような場合には、そうしますと現在のEIA、環境影響評価と2度同じことをやらなきゃいけないのかということも出てまいりますから、この辺の調整は必要であるというのが4番目の丸ポツの記述の意味でございます。
 それから、最後の丸ポツについては生物多様性保全の観点から1つの事業の影響のみならず、複数事業の複合影響のようなものを考えるためにも現在の事業アセスという個々の事業アセスの中で、その事業についてだけ影響評価するという仕組みでは十分ではないのではないかということがここに出されている記述でございまして、こういうご意見がございました。ですから、そうなりますと、これをどう扱うかということについては少し議論をさらにする必要がある。つまり現行制度は事業者に自らの事業についての影響を予測評価してもらうという仕組みでありますから、その仕組みの中にどこまでこのような観点を入れることができるかということについては検討が必要であるということがございます。ですから、「現行法の中で対応することについては」と書きましたのは、現在の環境影響評価制度の持っている大前提の中でどのようにこの考え方を生かしていくかを考えなくてはいけないということでございまして、これはだめ、できないと言っているわけではございませんので、誤解のないようにお願いをしたいと思います。
 それから、その他でございますが、これについてはここに記しましたように、抗告訴訟などにおける原告適格のあり方というようなことが一つの論点になっておりますし、それから、さらに環境影響評価という、言ってみれば手続を定めた仕組みの中で、確かに国民の皆様方や環境保護団体の方々などから意見の提出を求めるということになっているわけでありますけれども、その取り扱いについての不服申し立てが全くできないということに対するご異議がいろいろと出ているわけでございますので、この点については何か工夫が必要であろうということは議論しておりますけれども、時間をかけなければならないので、場合によっては直近の改正に間に合わせるということには若干無理があるかなというようなニュアンスでこの中間報告では取りまとめている次第でございます。
 以上、長くなりましたが、資料3に記しました内容についての趣旨をご説明申し上げました。

○鈴木部会長 大変いろいろと複雑、また難しい問題を含んでいることは皆さんもよくご承知のことと思いますが、やはりいろいろな大きな事業が動いていくときにそれに関連する情報がいかに開示されて国民の手に届くところに置かれるのかということが重要でしょう。それによって、事業をなさる側もすっきりとした気持ちで進められるでしょう。こういうようなこともあって、「戦略アセス」という言葉がいいのかどうかということもあるでしょうが、事業を計画する段階からきっちりとした形で進めていただく、この為に、どういう方法が適切であるかを議論いただいているものと承知しております。
 それでは、ただいまの中間報告につきまして、ご質問等ございましたら名札を立てていただきたいと思います。8名の方でよろしいですね。
 それでは、こちらからまいりましょうか。三浦委員のほうから。

○三浦委員 以前も各省でヒアリングをされてこのアセスをどういうふうにとらえていくかということがありましたけれども、この中で各省の連携ということも含まれて今後議論されるんでしょうか。

○鈴木部会長 後でまとめてお答えいただきます。
 福川委員。

○福川委員 環境影響評価制度は10年という蓄積があって、これもいろいろ行政的に前進していることは私も大変多としたいと思います。
 二、三感想、質問を申し上げたいと思いますが、1つは10年経過して、これもかなり定着してきたとすれば、この環境影響評価制度がどのような効果を上げたのか、あるいは事業者にどういう反省が起こることになったか。あるいは住民の周辺の人たちにどうだったか。ひとつうまくいっている例ですね。こういうメリットがあるんだというこの制度を国民によく知ってもらうためにいろいろよかった実例、別にここの報告書とは別かもしれませんが、ひとつぜひまとめていただいて、国民の理解を深めるという工夫をひとつしていただければという気がいたします。
 2点目は、この制度改正に当たって影響評価制度はきちんとしなければいけないけれども、やっぱりこの関係事業者に過大な負担になるということは避けていただく必要があろうかと思います。先ほどご説明の中でも随分その辺が随所に出ておりましたが、ひとつその辺の両方の側面を引き続きご検討を願いたいということでございます。
 3点目は戦略的影響評価ですが、これも外国でもやっておりますし、名前も戦略的影響評価と大変魅力的な名前なので、何となくいいような気もしますが、先ほど先生もお話になられましたように、戦略的という意味が何なんだというのがいまひとつよくわからない。国等がということなんですが、国等が戦略的なのかどうか。ひとつその辺もぜひ詰めていただきたい。多分戦略的な影響評価になると複数案の検討が多分平行して行われると思いますが、そうしたときにそれが仮に民間にまで行くとなると、例えば企業秘密の問題もあるかと思いますので、戦略的という意味を引き続きよくご検討いただくとともに、国以外にする場合にはひとつ慎重にどういう場合かご検討を願いたいと思います。
 最後に一つ、この風力でありますが、地方のほうでやっているというご紹介がございました。この風力もこれから新エネをやる上で非常に重要なプロジェクトなので、これもぜひ定着させる仕組みを考えていかなければいけないと思いますが、事業者のほうから言うと、いろいろ基準が不明確で、この風力をやりにくいという声が多くございます。ここでも例えばこのいわゆる騒音だとか鳥の扱いだとかというので、まだ基準が明確になっていないところもありますが、ひとつこの風力の問題を定着させるためにいろいろ解決しなければならない基準等があると思いますので、その点も引き続きぜひご検討をいただきたいと思います。
 ありがとうございました。

○鈴木部会長 では、速水委員。

○速水委員 ありがとうございます。最後のページのところの戦略的環境アセスメントに関してと今の風力の話と2つあるんですけれども、今、福川先生が民間の部分の扱いを慎重にしろというふうにおっしゃられまして、私自身、国交省のある委員会でこの戦略的アセスだとかそういうことでしばらく何回か議論をしていました。国の公共事業は当然ですが、例えば国からさまざまな形で補助金が入っている大きな開発、あるいは民間と公共の関係があいまいになっている事業団、独立行政法人、国が大半の株式を持っている組織のような国の関係が強いようなものが結構多くなって、高速道路なんかでも民間化しているというふうな状態もございます。あるいはたとえば民間の鉄道業者や電力というのもあります。そういうふうな比較的規模の大きな開発計画に関しては何らかの積極的な働きかけを行いながらこれができるようにしておかないと、後になってさまざまな問題が出てくるという状況は、地域住民としては防ぎたいと感じます。それをやっておかないと、後でもめるというふうな感じが強くあります。
 風力発電にかんしては、実は私は世界遺産の熊野古道関係の保護の有識者会議の委員なのですが、そこで世界遺産の熊野古道からまともに見えるところに風力発電ができてしまう。規制としてはあまり問題ないんだけれども、どうしたらいいだろうかという相談をある県から相談を受けました。私自身はその景観に関しては、あまり気にしていないほうなんですけれども、ただ、住民としては大変気にされることもあり、その辺の議論の場がきちんとないと事業者、住民、行政関係者はお互いに不幸だなという感じがしております。その辺もやはりそのまま外しておくのではなくて、積極的に和解をするためにも、あるいは指針をつくるためにも扱ってみるという努力をしていただいたほうがいいのではないかなという意見を持っております。
 ありがとうございました。

○鈴木部会長 では、永里委員。

○永里委員 ありがとうございます。最後の6ページの戦略的環境アセスメントについてちょっとお話ししたいと思います。かつてイギリスはナショナルパワー即ち、国営の電力会社が赤字垂れ流し、技術革新も一切しなくて大変問題がありました。それでサッチャーが民営化を図り、非常に活力が出てきたわけです。私がおそれているのは、民間事業者と国とは違うわけでして、今の公共事業に関しましても、民間事業者がやっている場合には活力を失わせないような考え方に立たなきゃいけないと思うんです。民間事業者が法令を忠実に遵守して、それを守るということは当然のことなんですけれども、例えば事業構想段階で事業者として意思決定する前に計画を公表するとかというようなことなんかをやりますと、土地の買い占めその他さまざまな点でコスト上昇を招く弊害などもありますし、特に企業秘密保護という観点から、民間事業者にとって大いなる問題を提起します。ここは非常に慎重な取り扱いが必要だと私は思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 では、冨田委員。

○冨田委員 ありがとうございます。私も民間事業者の立場として、この戦略アセスに関してぜひ慎重に検討いただきたいと思っております。
 先ほどの環境基本計画のパブリックコメントの中にもSEAガイドラインに関してさまざまな意見が出ているということもありますし、諸外国の状況を含めて民間事業者の活力を損なわないようなことが必要だと考えます。環境に配慮することはもちろんですが、その事業をとめるためのアセスではないと思いますので、ぜひ慎重にご議論いただければと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 では、岩村委員。

○岩村委員 さっきの繰り返しになりますけれども、SEAについて政権がかわって政治なり政府の側がどういう考えになってきているのかをちょっと教えてほしいなと思います。

○鈴木部会長 石坂委員、立てておられますね。石坂委員。

○石坂委員 SEAについては、皆さん考えていらっしゃることは一緒だと思うんですけれども、表現の仕方に差があるんじゃないかという気がします。要はこういう事業をやって民間事業であれ、公共事業であれ、後々もめないでスムーズに事業が進行することが肝心なことですから、そこに焦点を合わせて民間事業だからどうだこうだということではない議論をするべきだろうと思います。

○鈴木部会長 鷲谷委員。

○鷲谷委員 すみません、私もこの委員ではありましたけれども、なかなか出席できず十分に議論に参加できませんでした。まず、この点を委員長の浅野先生にお詫びさせていただきます。私は生物多様性の保全と持続可能な利用、自然との共生を目指すという観点から、SEAに関しては皆さん大変ご関心が高いので、そういう立場から少しこの場でも発言させていただきたいと思います。
 環境影響の回避という点から考えて、事業地が固定してからの事業アセスメントではなかなか目的を達成することが難しいということをこれまでのいろいろな事例を見て感じております。それは、ある意味では当然でして、生物多様性や生態系にかかわる評価対象、それからミティゲーションなどの対象になるべきものが空間的なパターンを持っていて、特定の場所とか特定の空間的連結性などが比類なき価値を持っていることが少なくないからです。ですから、計画段階になるべく柔軟に事業場所とか形態を考えられる、あるいは選択できる段階でのアセスメントがもし環境影響評価の制度によって生物多様性の保全や持続可能な利用に資するようにしようとするのであれば、必須なのではないかと思います。それゆえ生物多様性国家戦略とか生物多様性基本法では戦略的アセスメントの実施を求めるような記述があるんですね。
 それで、そういう意味で自然と共生する社会を目指す立場からは、戦略的アセスメントは悲願のようなものですので、その方向性が打ち出されたということは歓迎したいんですけれども、今の何人かの皆様と若干逆の意見になりますが、まだ中間報告ですけれども、民間事業は対象から除くような、それは「当面」ということかもしれませんけれども、方向性があることについては、むしろ懸念をしております。と申しますのは、公共事業に関してはより上位の計画で評価するような仕組みが次第に整備されつつあると思うんですね。例えば河川法のもとにあるダム事業であれば、河川整備計画の段階でのアセスメントがあって、地域や有識者などがフォーマルな形で参加できるその仕組みがあります。それが今、どのぐらい機能していて、どういう成果を上げているかはともかくとして、そういう制度が保障され、すべての公共事業がそうかどうかは私もよく存じ上げていませんけれども、公共事業についてはそういう仕組みが整いつつあると思うんですが、民間事業に関しては、そのようなチェック、公共的な視点からのチェックというのがかかりにくい面があって、今どんな事業が生物多様性の観点から問題になっているかというと、むしろ民間の事業だと思うんですね。一番今生物多様性の観点から懸念が大きいのは瀬戸内海の生物多様性ホットスポットを失わせる可能性のある上関原発建設の問題だろうと思うんです。それで、アセスメントもうまくいっていなくて、専門家が異議を唱えているということも含めて大きな係争事項になっているのではないかと思います。
 日本の自然環境、生物多様性、恐らくここにいらっしゃる皆様が思っていらっしゃるよりもずっと危機的な現状にありますので、より強力な仕組みで保全し、持続可能な形で利用していかなければならないと思うのですが、公共事業だけ戦略的アセスメントということだと、民間事業がその厳しい現状にとどめを刺していくという事態となり、その時点においていろいろな争いが起きることで効率性という観点からも事業アセスメントだけでは不十分であると思います。この分野すなわち生物多様性・生態系に関してはこれまでも調査とかミティゲーションに多大なコストをかけているんですけれども、あまり十分な効果をもたらしていないことが多いと思われます。コストとパフォーマンスとの観点からも、やはり戦略的アセスメントはどのような事業に関しても、特に規模やその事業の性質において自然環境に対してのインパクトが大きいものはすべて対象にすべきではないかと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 では、山本委員。

○山本委員 ありがとうございます。ただいまの石坂委員、鷲谷委員のお考えと近いんですが、私はやはりこの「のんびりアセス」をやっているようなことではもう間に合わなくなるという見地から、公共事業、民間事業に限らず、アセスを早急にやる必要があると考えます。世界の平均気温の上昇を2℃以下に抑えようということで国際社会が今動いていると思うのですが、その2℃突破を避けられなくなるポイント・オブ・ノーリターンは、私は20年くらいだと思っています。最近のイギリスのハドレーセンターの研究ではあと10年後だとか、社会科学的に考えると5年後だ、あるいはもう過ぎてしまったという説もあって、事態は予断を許さない状況になっていると思います。解決策はあるわけでありまして、例えば20年以内に水力発電を2倍にするとか風力を10倍にするとか、原子力発電所は全世界で235基建設するとか地熱発電は4倍とか、そういう巨大なことをやらなければいけないというところに来ている。この新エネルギーをどんどん導入する、そのためにはやはり構想段階から早急にアセスを戦略的にやる必要があると考える訳です。
 この政治的合意が間に合わずに時間切れでclimate emergencyという気候の非常事態に陥るという考えがこの1年間非常に強くなってまいりました。9月にイギリスのロイヤルソサエティが非常事態に地球を冷却する技術としてジオ・エンジニアリングについての82ページの報告書を公表して、先月ですか、アメリカも議会で公聴会を開き、さらにCOP15ではサイドイベントとしてシンポジウムが行われるというふうに聞いているわけですね。このジオ・エンジニアリングは極めてコストが安くて開発途上国でも実施が可能だし、あるいは民間企業でも実行可能だというところが大変今、恐れられているわけでありまして、このジオ・エンジニアリングはもうCOP15の交渉のテーブルの上に乗っている。民間事業としてジオ・エンジニアリングをやられるようなことになると大変な話になりますので、公共事業とか民間事業ということを区別せずにどんどんアセスを進めるという見地から、事業を積極推進するという立場から、この戦略アセスについてはしっかり議論をもう一度していただきたいとお願いをしたいと思います。
 ありがとうございました。

○鈴木部会長 大塚委員。

○大塚委員 専門委員会のほうに属させていただいているので議論に参加していますが、ここの戦略アセスのところについては議論が激しく行われたところでして、既存のものとしては公共事業がメーンであることは間違いないんですけれども、今のお話にも幾つか出ていたように、例えばリニア新幹線とか、あるいはPPSの石炭火力とかということを考えると、やはり構想段階から対応したほうがいいということはそのとおりで、民間も外すわけにはいかないのかなという感じもいたしております。既存のものは公共事業がメーンですので、ちょっとその点は一方であるんですけれども、他方で民間についても早い段階から考えつつ、ティアリングをしてあまり負担のないようにするというようなことは、方向性としてはあるのかなと思って伺っております。どうも恐れ入ります。

○鈴木部会長 では、猪野委員。

○猪野委員 私も専門委員会へ委員として参加させていただいております。本日、多くの委員の方から戦略アセスについてのご意見がございました。先ほど福川委員もおっしゃいましたけれども、戦略的アセスの戦略という意味に何を求めるか、まずはその意味を明確にする必要があると考えます。もう一点、現実に今やっているEIAという環境影響評価手続きでの中で何か大きなトラブルやうまくいかなかったというケースがあったかどうかというと現時点ではそれほどないと考えております。
 それからもう一つ、よく海外の話も出ますけれども、海外の場合でも実際に民間事業のプロジェクトが戦略的アセスの対象となった事例はないと認識しております。それは先ほど永里委員もおっしゃいましたが、戦略アセスについては民間事業がプロジェクトを決定するタイミングについて、例えば民間事業者が意志決定をする前に地点を複数案公表する場合等、難しい問題が出てくるからだと思います。そういった観点からも今、専門委員会で検討しているところでございます。

○鈴木部会長 大変多くの方からご意見をいただきましたが、論点はかなり絞られているような感じもいたします。専門委員会委員長の浅野先生のほうから、まずお答え、コメントを頂きたいと思います。

○浅野委員 それではまず、三浦委員からのご質問についてでございまして、各府省の連携はちゃんと考えるんだろうなということでございます。アセスメントの現在の仕組みは、具体的な技術的な細かいポイントは主務大臣がガイドラインをつくりますので、当然そのガイドラインをつくられるということを想定しながら制度設計をしなくてはいけません。ですから、最大限各省との連携をとりながら進めるということになると思いますが、ただ、率直に言ってすべての省がみんな同じことを同じように考えてくださるという自信はございません。
 それから、福川委員から今までのアセスの効用というものをもっと国民にわかるようにというご意見は誠にごもっともでございます。実は日本アセスメント協会という公益法人がございまして、アセスメント業者の団体がございますが、そこが数年前のことでございますけれども、優良アセスメントの事例集というのを出していまして、「環境アセスメント百選」という興味深い資料がございます。こんなものは大変よくできておりますので、専門委員会でもう一遍それを取り寄せて検討しながら、委員がおっしゃるように、今後の国民へのご理解を深めていただくための材料として使えるかどうかということを考えてみたいと思います。
 それから、岩村委員からのご質問については私が答える立場にはございませんので、それこそ役所のほうからお答えいただきたいと思います。私の知る限りでは専門委員会で検討するということについて、淡々と見ておられるのだろうと思っておりまして、特にああだこうだということは伺っておりませんので、私どもは私どもの立場で、審議会の立場で議論を進めるというつもりでおります。
 それから、それ以外はほとんどご注意、ご指摘だったと思いますので、今後の議論の進める中で十分に検討させていただいて、今日いたしました中間報告のうち手直しをすべき点については、その方向を含めて考えさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

○鈴木部会長 現在、政府のほうにもいろいろと政治判断をして頂かなければいけないことも多いと思いますし、政権がかわったところでもありますので、その辺の状況をそれでは花岡さんのほうから。

○花岡環境影響評価課長 政権の考え方ということになってきますと、民主党政策のインデックスが出てございまして、その中に幾つかの視点がございます。環境アセスメントの部分については法律を改正して、対象事業の範囲の拡大であるとか評価項目の追加、情報公開と市民参加の機会の拡充などを実現します、また、自治体による市民参加の機会の拡充を支援します、全事業に対する国レベルでの戦略的環境アセスメント制度の導入を目指しますとされていて、今ご争点になっているSEAはこの部分では導入を目指すと書いてあるまでなのですが、ちょっと本日、今手元に実物をちょっと持っていないので私の記憶によることになってしまうのですけれども、生物多様性に書かれている項目のほうでは、導入を目指すではなくて実現するというような、今取り寄せしておりますので後ほどご説明させていただきますが、もう一段進んだ発言を別の項目のところでは書かれているというのが今の政権側の考え方です。

○鈴木部会長 そのほか風力に関するご議論が幾つかございましたが、この風力に関しては、戦略アセスの中で議論するのか、あるいは、風力発電のポテンシャルには期待が大きいわけですが、実際、この技術がどういう位置づけになっていて、どういう問題を生むかというのをどこかできちんと整理をしておかないといけない。

○浅野委員 ちょっとそれは話が錯綜していると思いますが、現在の事業アセスの中で発電事業というのがあって、風力だけが入っていませんので、これはおかしいなということでございます。ですから、その段階の話でございます。ですから、SEAはそれとはまた別枠の話ですから、SEA全体の中でそういう諸々を含め、どうするかという議論は別の議論になります。

○鈴木部会長 いや、私もそうだと思います。ただ、風力というのは非常にこれから重要になるので、どこかできちんと整理をしておかなければいけない。
 いろいろと民間の活力をそぐような言葉というようなお話がございました。日本の民間はそれくらいのことで活力をそがれるとは思わないんですが、やはり狭い国土でどうやって大量の経済活動あるいは人間活動をおさめていくかということですので、必ずそこには色々なコンフリクトが起こってくると、これはもう当然ですね。ですから、そのときに国民全体としての合意をどうつくっていくのかということ。そのためにこのSEAという制度がどういうふうに機能していくのか、あるいはキチンと機能していくような制度をどうつくっていただくのか。そういうことで、今後専門委員会で大変厳しいご議論をいただくことになるかとは思いますが、両論併記などと足して2で割ったり、3で割ったりするようなことのないように、ぜひ明確な結論をお出し頂くようにお願いしたいと思います。

○花岡環境影響評価課長 すみません、先ほどちょっと途中になりましたインデックスが手元にありますので、生物多様性の保全(野生生物保護)という項目がございまして、そこを全文全文読み上げさせていただきます。
 民主党主導で、超党派の議員立法により成立した生物多様性基本法の目的を達成するために、まだ生物多様性の確保に関わる改正が行われていない。種の保存法の改正、外来生物種規正法の改正、野生生物の生息地の保全と農林水産業被害対策のための人材育成や技術開発に必要な措置等を講じます。
 その次でございます。また、戦略的環境アセスSEAの義務化になってございます。義務化、教育等の充実、普及啓発や広報、省庁間の連携強化に取り組みますというような書きぶりになってございます。そこの項目の前段がそういう書き方になってございます。
 以上です。

○鈴木部会長 それでは、浅野先生よろしく、また委員の方々がここに何人かいらっしゃいますが、鷲谷先生もぜひご出席いただくように。

○崎田委員 すみません、一言よろしいですか。
 今のお話の中で委員の皆さんのご意見が戦略的環境アセスに集中したので一言。私も委員として参加させていただいているのでコメントは控えましたが、戦略アセスはもちろん大問題ですので、重要だと思っております。もう一点、市民参加を拡充するという事が先ほどの現政権の方針にもありましたけれども、今回の見直しも今の法律をかなり市民にきちんと情報公開するとか説明をきちんとするとか、その辺をかなり拡充するような方向で今、浅野先生を中心に話していただいている状況だと思っております。
 ですから、そういう現在の法律の中でもっと参加を広め、透明性を高めるということと、この戦略アセスとの連携、この2つを皆さんでこれからしっかり話していこうというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、次の議題に入らせていただきます。議題3に「その他」がございます。ここは地球温暖化対策税に関しての報告をいただくということです。
 それでは、これは石飛さん。

○石飛環境経済課長 環境経済課長の石飛でございます。
 それでは、資料4をご覧いただきたいと思います。いわゆる環境税に関しましては、これまでも環境省として税制改正要望の中で要望してまいったわけでございます。今年は8月末に環境税の創設を時効要望したわけでございますが、その後の政権交代に伴いまして10月末に要望を出し直しということになりました。それに先立ちまして、10月5日に本部会と地球環境部会の合同部会のもとにございますグリーン税制とその経済分析等に関する専門委員会の今年度の第1回を開催いたしまして、最近の状況報告と昨年までに取りまとめていただきました論点の整理を踏まえて、さらにそれについて具体化に当たっての議論すべき事項についてご審議をいただきました。そして、10月末に環境省としての地球温暖化対策税の骨子を発表いたしました。さらに11月2日に第2回の専門委員会を開催いたしまして、この地球温暖化対策税の骨子についてご報告申し上げまして、それについてご審議をいただきました。さらにこの骨子に基づいて具体案をつくるに当たって、また具体案を審議するに当たっての作業として価格弾性値がどうであるとか、財源効果がどうかというような試算の作業、これも昨年度行ったものでございますけれども、それと同様の作業を今年度も行うということについてご了承をいただきました。これは現在も作業を進めているところでございます。
 一方で政府の税制調査会の審議が非常に急ピッチに進んでおりまして、それにあわせることも必要でございますので、去る11月11日に環境省としての地球温暖化対策税の具体案を発表したわけでございます。発表に際しましては、専門委員会の委員長、神野委員長にもご覧いただきまして基本的にご了承いただき、また短時間でございましたけれども、事前に各委員にもご覧をいただいたということでございます。その具体案の内容がこの資料4でございます。要点をかいつまんで申し上げたいと思います。
 まず、課税の仕組みというところでございますが、[1]と[2]に分かれてございます。[1]は原油、石油製品、ガス状炭化水素、石炭を対象に輸入車、採取者の段階で課税、いわゆる上流段階ですべての化石燃料に課税をするという税、これを[1]ということでございます。それから、それに加えましてガソリンについては、[1]に加えてガソリン製造者の段階で課税、これいわゆる蔵出し段階の課税と言っております。この[1]というのは従来私どもが要望しておりましたいわゆるCO2の排出に応じた課税というものでございます。それから、[2]に関しましては、現政権のもとでは暫定税率を廃止するということが前提になっております。一方で、このガソリン、経由に課されておりました暫定税率というのは結果としてCO2の排出抑制には大変効果のあるものでございますので、その点を我々は大変重要視いたしまして、一旦暫定税率が廃止した後であってもガソリンについては一定の課税が必要であるということで、[2]というのを要望したわけでございます。
 あわせて税率のところでございますが、[1]のところにつきましては、基本的には括弧書きでありますように二酸化炭素トンで言いますと、トン当たり1,064円というのが原油、石油、それから単価水素にかけられております。石炭につきましては若干それに多めの課税をしているというものでございます。
 それから、[2]のガソリンに関しましては、二酸化炭素トン当たり7,467円、かなり大きな額でございますが、基本的にはガソリンにつきましては、現行の課税に比べまして若干課税の割合は少ない割合になっております。
 次の税収額でございますが、総額として今後の25%削減ということを目指しまして、必要な財源を確保するという観点からも総額2兆円ということを想定しております。[1]の全化石燃料への課税が約1兆円、[2]のガソリンへの上乗せ課税が1兆円ということを想定しております。
 飛びますが、3ページをご覧いただきたいと思います。
 ここに横長の図がございますけれども、左が現行制度のガソリン、経由等の課税の状況でございます。現在はガソリン税、それから経由引き取り税、さらに下のほうに石油石炭税というものがあるわけでございます。今回私どもが提案しております地球温暖化対策税というのは、この右側の緑色の部分でございます。この緑色の部分の真ん中のほうにありますCという部分、これがCO2の排出量に応じた課税ということで、すべての化石燃料にかけている上流課税でございます。それからBというのは、これ石油石炭税で天然ガスと石炭、これの課税の税率が異なっておりますので、これにつきましてはできるだけ一定熱量を得るためのCO2の排出量の多い石炭には若干の課税をするということで、なるべくCO2比例に近づけるという意図でBというものをつけ加えたものでございます。
 それから、右上のAというのがガソリンへの上乗せ課税でございまして、これが左の現行制度にございます暫定税率が廃止されたわけでございますが、それにかわりましてCO2の抑制というこの観点からかけたものでございます。
 ガソリンの課税がどのぐらいになるかということでございますけれども、それぞれのグラフの右側に数字が書いておりますけれども、現行制度ではリットル当たりガソリンの課税が55.84円になっております。これを今回緑の課税をかけるよりどころとして、現在EUの最低課税基準というのがございまして、ガソリンにつきましては、これ最近の2年間程度の為替レートで計算いたしますと、これが50.84円になるということで、これを1つのよりどころ、根拠として50.84円全体としてかかる税金ということで、このAという税率を決めさせていただいたわけでございます。
 1ページに戻らせていただきます。
 以上のような基本的な税の枠組みでございまして、軽減措置といたしましては、ナフサであるとか鉄鋼製造用の石炭・コークス、セメント製造に使用する石炭、農林漁業用のA重油、これいずれも現在の石油石炭税で免税となっているものでございまして、国際競争力、それから特定の産業への配慮といった面から、こういうものは同等に免税とするということを考えております。その他必要なものにつきましては、さらに検討を加えて使途となる歳出・減税で対応しようと考えております。
 実施時期につきましては、来年の4月、22年4月より実施したいというふうに考えております。25%達成にはできるだけ早い時期からこういう対策に踏み込むということが重要であろうと考えております。
 なお、民主党の政権下におきましては、国内排出量取引制度も導入をするということがうたわれております。これにつきましては、まだ制度設計に若干時間がかかるわけでございますので、次年度以降、排出量取引制度が導入される際には各国の例も参考にいたしまして、排出量取引の代償となる事業者の負担の軽減措置を検討するということで、二重の負担ということにならないような配慮をその段階で考えたいと思っております。使途につきましてはチャレンジ25、これは今日はちょっと説明をいたしませんが、本日の参考資料3にもございますけれども、ありとあらゆる温暖化対策をこれから導入するという中でさまざまな対策のためには政府としても一定の歳出が必要になってまいります。また、減税も必要になってまいりますので、一般財源ではありますけれども、そういうものに重点的に充てるということを目指していきたいということが我々の要望内容でございます。
 今後また専門委員会の先生のご意見を伺いながら、具体的な試算の作業、産業等への影響も含めた作業を今進めているところでございまして、そういうものもまた示しながら政府税制調査会でご議論をいただくことになろうと思います。今のところ、予算を年内で編成をするという予定でございますので、12月の中旬には税制改正大綱という形で示されると非常に急ピッチな議論が進められると思いますけれども、この案をもとにして私どももこの温暖化対策税の実現に向けて議論に参加して、実現に向けて努力していきたいというところでございます。
 以上、まだ途中経過ではございますが、報告とさせていただきます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。中間段階ということですが、ただいま事務局からご説明いただきました報告につきまして特にご質問等ございますでしょうか。
 では4件、今度はこちらからまいりましょう。中村委員。

○中村委員 今のご説明の中でちょっと軽減措置という部分で、今まで軽減をされていたところはそのまま免税として残すということと、もう一つ、特定産業分野への配慮等々も今後考えられるというご説明がありましたが今日本の中で介護とか保育という話が新しい政権の中でも相当取り上げられているんですが、特定産業分野というところに保育とか介護の施設というものも今後検討をぜひしていただきたいと思います。
 その理由は、次の2ページなんですが、もしこの地球温暖化対策税というのが創設されたときに、まず年間の世帯当たりの直接税負担額というのが都市ガスで3倍になってしまうんですね。それから電力で2倍になると。具体的な数字が出ていますが、現状介護とか保育とか非常に賃金の安い人たちの境遇を変えなければいけないという中で、さらにこうした光熱費等の値上げが施設に非常に負担がかかってくるのがちょっと問題ではないかと思いますので、ぜひその辺も検討していただければというふうに思います。
 以上です。

○鈴木部会長 岩村委員。

○岩村委員 今の説明の中で、次のチャレンジ25で出るのかもしれないんですけれども、特にガソリンの税が下がってしまうわけですね。そうすると、素人的に見ればCO2が増えてしまうんじゃないかと。一方では25%減らすというときに、では今回のこの環境税を入れて自動車の暫定税率をやめたことで、トータルはどうなるのかなですね、CO2の排出量は。やっぱり減ると言わないとこれ、税をかける意味がないですよね。もし増えていったりしたら変なことになるし、減っているんだろうと思うんですが、そこら辺をちょっと説明してもらえればと思います。

○鈴木部会長 林委員、どうぞ。

○林委員 今日のご説明の中では、使途についての説明というのはほとんどなくて、最初のページ、資料4の下に1行ちょっとしか書いていないんですが、やはり使途の議論は非常に私は重要だと思っています。どういうことかといいますと、ガソリン税は道路をつくることに関しては、この受益者負担に応じて極めて巧みな仕組みをつくったと。つまり車を使えば使うほど財源が入ってくるという自立する仕組みをつくったわけですね。田中角栄がやられた最もよかったことの一つじゃないかと思いますが、今度は逆のことをやろうとしているわけですね。つまり負荷をかければかけるほど受益者負担でなくて原因者負担としてきちっととるということなんですが、そこまではいいんですけれども、ガソリン税のときのように特定財源じゃないということを今度はやっているので、それが自立する仕組みにならない可能性があるわけですね。例えば環境対応車を買ったら補助金を出すみたいなことをしても、実はあまり効果がないと思うんです。それはどういうことかといいますと、自動車税のグリーン化、保有税をグリーン化したときは、税制中立であったため、政府は余分なお金を出す必要がなかった。ただ、消費者が長期のコストを考えて、政府側が計算していたよりも倍ぐらいのスピードでマーケットが動いたので、初年度のみ税収が半減しましたが。それによって、間接的に自動車産業が非常に優れたエンジンを開発しないと売れなくなったということで、非常にプラスのスパイラルが働きました。しかし、今回も補助金を出しておりますけれども、同じ自動車の低炭素化対策に使っているんですが、補助金では一方的に金を使うだけであって、どこかで財源が切れちゃうわけですね。これはアメリカの採った補助金制度で、数カ月でもう財源がなくなったというのと同じです。
 そういう意味から、どのように大きなうねりをつくるような仕掛けをできるかということが非常に大事です。このあえて一般財源化するというのなら、その仕掛けを担保するということも含めて言わないといけない。この仕掛けをきちっとつくるんだということを宣言しながら使途が非常に効率がいいことをうまく表現しておく必要があると思いました。
 以上です。

○鈴木部会長 福川委員。

○福川委員 この税制、税率ですが、二酸化炭素トン当たり1,064円とか1,174円という計算、これはどういう根拠でこういう税額にされたのか。これが需要抑制効果を考えられたのか、あるいは財源対策ということで考えられたのか。この根拠の考え方を教えていただきたいというのが1つです。
 もう一つは、この特定財源としないというふうに書いてありますが、これはどういうわけで特定財源になさらなかったのか。これは非常に財政当局に対するご理解の深い広い国家的なお立場かという気もしますが、ここでは大体3兆円ぐらいの税収があるわけですが、今のところ大体事実上このくらいを環境対策として使うと、こういう心づもりでいらっしゃるか。特定財源にはしないが、ほとんどこれは環境対策に使うというお考えか。その辺を教えていただきたいです。

○鈴木部会長 どなたがお答えになりますか。石飛さん。

○石飛環境経済課長 まずは私、よろしいですか。
 中村委員からのご指摘でございます特定産業分野への軽減措置ということにつきましては、現在今までの税制の経験からいって、ここに挙げたようなものにつきましては当然必要であろうということで明示しておりますけれども、それ以外のものにつきまして、今具体的にどの分野ということを明示はしていないわけでございますけれども、今後税制調査会の中でどういうところに軽減措置をとるか、また低所得者に対しての軽減措置というのはどういう方法があるのか。これはもともと上流課税が主流なので、一番末端のところで還付をするというような特別なまた別の仕組みが必要になってまいりますので、そこは税制に限らず、ちょっとほかのことも組み合わせた仕組みが必要になってくるだろうと思いますので、今後調査会の中でのご審議にぜひそこを審議していただきたいなというふうに思っているところでございます。
 それから、岩村委員からCO2の排出の削減がどのぐらいできるのかということでございます。これ実は現在、まさしくその作業を進めているところでございますけれども、参考までに昨年炭素トン当たり2,400円、今年は炭素トン当たり3,900円が標準でございますけれども、それより約半分強で計算したところによりますと、価格効果が約1%、それぞれ財源効果が約4%という数字が出ております。今回それよりも税率を高めておりますので、単純に倍ということにはもちろんならないんですけれども、それ以上の効果が出るだろうということで、粗々の見積もりは持っておりますけれども、今現在研究所で詳細な削減効果の作業をしておりますので、また次回でもご報告をしたいと思っております。
 それから、福川委員からのご質問でございます税率の算定の根拠でございますけれども、今申し上げましたように、当然今回の温暖化対策税では価格による抑制効果と、それから財源による効果と両方があるということは考えているところでございます。その上でガソリンにつきましては、特別に暫定税率の廃止という事情がございましたので、先ほど申し上げましたようなEUの最低基準をよりどころにしてというような配慮をいたしました。また、石油石炭税等の中での石炭と天然ガスの差分を加えるというようなことをいたしましたけれども、トータルとして今後どのぐらいの追加的費用が温暖化対策として必要なのかということ、これも国立環境研究所で試算したもののうち、政府としての試算が少なくとも2ないし3兆円という試算結果が出ましたので、最低限その中で2兆円はこの温暖化対策税で確保して、これを集中的に温暖化対策に投入するということを想定して、全体の税率を決めたということでございます。
 おっしゃるとおり、これは特定財源ではございませんので、すべて今から温暖化対策に投入することを約束することはできないわけでございます。特定財源となりますと、特別会計を設けてということで、また一方の批判を受けるところもございますけれども、我々としては一般財源ではあるんですけれども、先ほどの試算のように2兆円は今後必要になってくると。そのための財源として国民の理解を得ながら、これはぜひ温暖化対策税という名目で温暖化対策に優先的に取り組んでいくための予算として使わせてくださいということを国会も通じてご理解をいただいて使わせていただきたいという予算の使い方を目指しているところでございます。

○白石局長 若干補足をさせていただきます。各先生方に共通して、特に林委員のほうからご指摘がありましたように、非常に使途の議論というのは大切でございます。ある意味、その使途というものがありとあらゆる対策と今、課長のほうから申し上げましたけれども、非常に濃い効果のある施策と、それから薄いけれども関連のある施策いろいろございますので、そういった意味でも特に特定財源として、ではその施策がそうなんだということをなかなか特定しづろうございますということもあって一般財源。しかしながら、林委員おっしゃられるように、非常に効果のあるものから優先的に順位をつけていただいた税金を投入するという意味では、ちょっと今日は時間の関係もありまして、参考資料の説明は省略させていただきましたけれども、9ページ、参考資料3をご覧いただければと思いますけれども、その25%削減のためにはいろんな部門でいろんなことをしなければならないということがございます。自動車だけではなくてモーダルシフトも含めて、都市交通のあり方をどうするかということあるいは産業の中でのいろんな新規の事業の開発等々いろいろなことをして、この25%削減をやる。そのための原資として有効な使途に使っていかなければならないということはおっしゃるとおりでございまして、今まさにどういうふうに仕組んでいくかということを税制全体の中でのご議論もございます。もちろん特定の業種に偏りがちではないかという指摘も既に政府税調の中では出ておるところでございますし、今日皆様方からおっしゃられたような議論も踏まえまして、さらに税調で議論をしていくということをさせていただければと思っております。
 ありがとうございます。

○鈴木部会長 よろしいでしょうか。
 大体予定いたしました議事は以上でございますが、いろんなことが動いている時期で限られた時間での議論となり、なかなか先生方もある種フラストレーションをお感じになっておられる面もあろうかと思いますが、ぜひこういう総政部会だけではなく、いろいろな機会をとらえて現在の動きについて、環境省のほうと連携をとりながらお考えいただくような機会を持てればと思っております。
 それでは、本日の審議は以上で終了したいと思いますが、事務局のほうから連絡事項がありましたらお願いします。

○小森計画官 次回の総合政策部会でございますけれども、本年度中に開催することを予定しておりますが、具体的な日時等につきましては各委員のご都合をお聞きした上で決定したいと考えてございます。

○鈴木部会長 それでは、以上をもちまして本日の総合政策部会を終了させていただきます。
 ありがとうございました。

午前11時55分 閉会