中央環境審議会総合政策部会(第45回)議事録

開催日時

平成20年2月7日(木)10:00~12:00

開催場所

虎ノ門パストラルホテル新館4階 プリムローズの間

出席委員

鈴木基之部会長、浅野直人委員、大塚直委員、岡本直美委員、倉田薫委員、佐和隆光委員、藤井絢子委員、山本良一委員、和気洋子委員、鷲谷いづみ委員、青木保之委員、石坂匡身委員、川上隆郎委員、河野正男委員、木下寛之委員、小澤紀美子委員、塩田澄夫委員、鳥井弘之委員、永里善彦委員、長辻象平委員、中野璋代委員、糠谷真平委員、萩原なつ子委員、速水亨委員、福川伸次委員

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    1. (一)第三次環境基本計画について
      • ・第三次環境基本計画の進捗状況・今後の展望について
      • ・第三次環境基本計画の進捗状況の第2回点検の進め方について
    2. (二)その他
  3. 閉会

配付資料

資料1 中央環境審議会総合政策部会名簿
資料2 第三次環境基本計画の進捗状況の第1回点検結果について
資料3-1 第三次環境基本計画の進捗状況の第2回点検の進め方について(案)
資料3-2 点検に当たっての留意事項
資料4 第三次生物多様性国家戦略について
資料5 平成20年度予算案における環境保全経費の概要について

参考資料

参考資料1 第三次環境基本計画の点検の進め方について
(平成18年12月20日、第41回総合政策部会資料)
参考資料2

第三次環境基本計画の進捗状況の第1回点検の経緯

議事録

午前10時01分 開会

○弥元環境計画課長 お時間でございますので、ただいまから第45回中央環境審議会総合政策部会を開会したいと思います。
 議事に入ります前に、お手元の配付資料のご確認をお願いしたいと思います。
 資料1、この部会の名簿でございます。資料2は、委員限りの配付とさせていただいておりますけれども、昨年末、閣議報告させていただきました「第三次環境基本計画の進捗状況の第1回点検結果について」の冊子でございます。資料3-1は「第三次環境基本計画の進捗状況の第2回点検の進め方について(案)」というもの、資料3-2は1枚紙でございますが、「点検に当たっての留意事項」、資料4「第三次生物多様性国家戦略について」、資料5「平成20年度予算案における環境保全経費の概要について」。
 それから、参考資料が2つございます。参考資料1「第三次環境基本計画の点検の進め方について」、参考資料2「第三次環境基本計画の進捗状況の第1回点検の経緯」でございます。
 足りない資料はございませんでしょうか。
 前回の総合政策部会の開催以降、2名の委員の交代がございましたので、ここで新しい委員の方をご紹介させていただきたいと思います。
 岡本直美委員でございます。

○岡本委員 岡本です。よろしくお願いします。

○弥元環境計画課長 もうお一方、本日はご欠席でございますけれども、藤井秀人臨時委員でございます。
 新しい委員を含めた名簿として資料1をご配付申し上げておりますので、ご確認いただければと思います。
 41名中21名ということで、定足数に達していることを報告させていただきたいと思います。
 それでは鈴木部会長、今後の進行をよろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
 本日の主要な議題は、第三次環境基本計画の点検にかかわることでございます。それから、その他として幾つかの報告事項に類するものがございます。
 まず議題1、第三次環境基本計画でございますが、これにつきましては2つの項目がございます。
 最初の項目といたしまして、第三次環境基本計画の進捗状況・今後の展望について。
 これにつきましては、昨年11月9日、第44回の総合政策部会でお諮りしまして、当日ご欠席の委員につきましては書面をもってご了承いただくことにいたしたところでございます。まずこの件につきまして、事務局から説明をお願いします。

○菊池計画官 配付してあります資料のうち、白い表紙の冊子になっております資料2を用いながら、第1回点検結果の扱われ方につきまして、経緯をご説明いたしたいと思います。
 この資料にはピンクの中仕切りが何枚か入っておりますが、最初の仕切り紙の次のページを開けていただけますでしょうか。そうしますと、昨年11月22日付で鈴木会長から鴨下環境大臣宛に報告された文書の写しがございます。
 これをまた1枚開けていただきますと、昨年11月9日の総合政策部会においておまとめいただいた資料が添付されております。
 ただ、今、鈴木部会長からお話がありましたとおり、11月9日の総合政策部会におきましてはご出席の委員が20名ということで、定足数の21名に達しませんでした。このため総合政策部会としての決定ができませんでしたので、部会長からのご指示を受けて、事務局から欠席の委員に対してこの資料をお送りするとともに、文書でのご了承をお願いいたしました。その結果、昨年11月20日までに13名の委員から文書でご了承をいただきました。ちなみに、了承しないというご意見の方はいらっしゃいませんでした。
 このため、所要の決裁の手続を経まして、11月22日付で先ほどの文書のとおり、鈴木会長から鴨下大臣宛へのご報告をいただいたという経緯でございます。
 なお、この報告を受けまして、11月27日、鴨下環境大臣から閣議に報告をするとともに「関係府省においても一層の取組の推進を求める」旨の閣議発言を行っておりますので、ご紹介いたします。
 以上が本件に関する経緯でございます。

○鈴木部会長 本日は、先ほどご報告のように定足数を満たしましたので、事後的となりますが、この部会で改めてご了承いただくことにさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(異議なし)

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、議題1の2つ目、本日のメインの議題になりますが、第三次環境基本計画の進捗状況の第2回点検の進め方についてお諮りしたいと思います。
 もうご承知のように、平成18年4月に第三次環境基本計画が閣議決定されておりますが、これ以降、平成19年度にはその中で指定されております10の重点分野のうち5つを点検いたしました。残りの5つを平成20年度に点検する、こういう仕組みになっております。この点検の進め方につきましては、前回の総合政策部会におきましてもご審議いただいたわけでございますが、本日は、このそれぞれの分野における重点調査事項も含めてお諮りいたしたいと思います。
 事務局から説明をお願いいたします。

○菊池計画官 まず、資料3-1についてご説明いたします。
 今、鈴木部会長からご紹介いただきましたとおり、前回の部会でも平成20年度の進捗状況の第2回点検の進め方についてご議論いただいたところでございますが、今年の点検につきましては、環境基本計画重点分野政策プログラムの10分野のうち、最初のパラグラフに書いてあります5分野について点検する予定としております。
 第2パラグラフには、平成18年の総合政策部会決定によって、地球温暖化対策、循環型社会の構築、生物多様性保全の3分野については作業の重複を避ける形にしたいということを書いておりまして、具体的には、第3パラグラフでございますが、3分野の個別の計画については中環審の関係部会が行った点検結果の成果を報告していただいて、点検を行うということを記載しております。
 ただ、第4パラグラフに記載しておりますけれども、留意点といたしまして、環境基本計画の点検を進める上では、京都議定書目標達成計画、これは京都議定書の6%削減約束を達成するための取組を定めておりますけれども、これに偏ることなく、例えば中・長期的な課題についても点検する必要がありますので、前回のご議論を受けまして、それを入念的に記載しております。
 第5パラグラフにつきましては、昨年第1回の点検をした際の反省に立ちまして、十分に日程を確保するということと、並行して指標の充実の検討を行うことを記載しております。
 大まかなスケジュールのイメージでございますけれども、既に昨年11月9日にご議論いただいておりますが、本日、重点調査事項の決定をしていただきまして、この後は、国民に対するアンケート調査、地方公共団体に対するアンケート調査などを行ったり、関係府省の点検をしていただいたり、それから、一応ブロック別地方ヒアリングとしておりますけれども、こういったことをやり、夏ごろから秋にかけて総合政策部会におきます点検、それから点検報告書を取りまとめていただきまして、先ほど議題1のところでお話ししましたように閣議に報告することとしたいということでございます。
 次のページに参ります。
 個別計画のあります3分野と先ほど申しましたが、その3分野について2ページに記載しております。
 この3分野につきましても、環境基本計画に記述されている内容に留意して偏りのない点検が実施できるようにということで、地球温暖化問題、最初の箱でございますけれども、マイナス6%の達成のみではなくて、長期的な取組ですとか避けられない影響に対する適応、こういった3点について点検を行っていただいてはどうか。
 2つ目の箱でございます循環型社会の構築につきましては、自然の物質循環と社会経済システムの物質循環の両方を視野に入れた、いわば広い意味での物質循環について、2つ目に、関係主体の連携と国際的取組、3つ目に、データの迅速、的確な把握、分析と公表といった点について点検を行ってはいかがかということ。
 3つ目の箱でございます生物多様性保全につきましては、生物多様性の保全・再生、持続的な利用、広域的・横断的な取組について点検を行ってはどうかということでございます。
 次のページに参りまして、「そのほかの重点点検分野の点検」と書いておりますが、5分野のうち、今、申し上げました3分野を除いた「化学物質の環境リスクの提言に向けた取組」「環境保全の人づくり・地域づくりの推進」の点検の仕方についてでございます。
 基本的には、昨年の点検と同様の進め方でどうかということで記載しております。特に四角で囲んだ部分がございますけれども、留意点といたしまして、重点調査事項は分野ごとに2項目程度として、論点を絞った内容になるよう注意する。また、重点調査事項の選定方法につきましては、第三次環境基本計画策定の際に重点点検分野の主担当をしていただいた委員に項目案を作成していただいて、関係省庁の意見も踏まえて、総合政策部会が決定するということを書いております。
 具体的な重点調査事項でございますが、次のページに参りまして、化学物質対策でございます。
 化学物質対策につきましては、主担当は浅野委員にお願いしております。
 重点調査事項といたしましては「化学物質の環境リスク管理とリスクコミュニケーション」「国際的な観点に立った化学物質関連の取組」の2つの項目としてはいかがかということでございます。
 資料の上半分の箱が、1番目の「化学物質の環境リスク管理とリスクコミュニケーション」について記載しているパートでございますが、調査項目としては、PRTR制度の運用状況と課題、それからリスクコミュニケーション、この2つにしてはいかがか。なお、関係府省につきましては、主にPRTR法の関係省庁連絡会議のメンバー府省から、このような府省を選んではどうかということでございます。
 2つ目の箱でございますが、「国際的な観点に立った化学物質管理の取組」につきましては、SAICM─化学物質管理に関する戦略的アプローチが採択されておりますので、こういった国際的な動きを踏まえた関係施策について調査してはいかがかということでございます。関係省庁につきましては、これも主にSAICMの関係省庁連絡会議ができておりますので、そこからこういった役所を選んではどうかということでございます。
 次のページでございますけれども、環境保全の人づくり・地域づくりでございます。
 このパートは主担当を田中委員にお願いしております。
 重点調査事項としましては2つありますが、「人づくりと組織・ネットワークづくり」というところに力点を置いてはいかがか。2つ目は「地域の資源や特徴をいかした地域づくり」この2項目を重点調査事項としてはいかがかということでございます。
 資料の上半分が「環境保全の人づくりと組織・ネットワークづくり」でございます。a)環境リーダーの育成、b)は各主体によります環境教育、環境学習の取組、c)は環境保全の組織やネットワークづくりの状況と課題、こういったところを調査してはいかがか。
 資料の下半分は「環境保全の地域づくり」でございますけれども、a)では、例えば地域ぐるみでのエコツーリズムの展開ですとか、木材やバイオマス資源といった地域資源を生かした地域づくり施策について、現状と今後の方向性、補助制度などを通じた経済的インセンティブなどの手法、こういったものを調査してはいかがか。b)は、地域づくり施策に関連する各主体の参加を通じた環境資源の保全と活用を総合的に推進する、そういった施策のあり方について調査してはいかがかということでございます。
 以上が資料3-1でございます。
 もう一つご説明申し上げたいのが、資料3-2でございます。
 資料3-2につきましては、昨年、第1回の点検を行った際の経験と反省を踏まえまして、今年の点検をする際に、審議の充実を図るための工夫としてご提案するものでございます。各分野横断的に、共通的に点検する項目をあらかじめ設定して、それに留意しつつ点検してはいかがかということで、つくってみたものでございます。
 1つ目は、各主体の連携ということでございまして、昨年の第1回の点検でも、連携の重要性について特にご指摘いただいておりますので、行政主体などの相互間の連携、それは地方の組織も含めてですが、それから国民、NPO等との連携、国際的な連携、いろいろな連携のフェーズがございますが、連携について留意しつつ点検することとしてはいかがでしょうか。
 2つ目は、各分野めりはりをつけて点検したいという趣旨で入れたものでございますけれども、各分野で特に重要な施策について、具体的な事例とともに調査をしてはどうかということでございます。
 それぞれの政策分野で関係府省の取組を横断的、重点的に調査できるように、事務局としても働きかけてまいりたいと思っております。
 それから、枠外に書いてありますけれども、点検小委員会でご審議いただく際に、専門家や地方公共団体の方に来ていただいてご意見を伺ってはどうかと、アイデアとしては考えているところでございます。

○鈴木部会長 今年の点検は昨年のいろいろな反省を踏まえて、資料3-2にありますように、例えば、それぞれの省庁からのご報告はもう少し中身のあるものにしていただきたいというようなことも言外にあるわけでございます。
 それから、3つの分野につきましては、それぞれのところで基本計画あるいは京都議定書の目標達成計画のフォローアップであるとか、いろいろなことがなされているわけで、それとの重複を避けるということもありますが、そちらのそれぞれの活動と環境基本計画の目指すところとは必ずしもすべてオーバーラップしているわけではない。したがって、こちら側としては基本計画が目指すところを重複を避けながら、それぞれの分野で検討されていることを組み込んで、まとめていただいて、お話を伺う、そのようなことだろうと思います。具体的にどういう形でやるかといったことも少し考えなければいけないかもしれません。
 また、3つの分野それぞれの連携も、またどこかで考えなければいけないところもありますね。
 そういうことで、ただいまご説明があったことにつきまして、いろいろとご意見あるいはご質問がおありの方は名札を立てていただけますでしょうか。

○浅野委員 化学物質に関しては、私はむしろご意見を承って帰るという立場でございますので、その点についてはあえて発言いたしません。
 まず、2ページの個別計画が存在する分野の点検についてでございます。
 事務局でよく整理しておられて、総合政策部会の立場からの要望という意味でいえば、よくまとめられていると思います。
 ただ、地球環境部会の部会長代理、循環部会の部会長代理という立場で少し申し上げておかなければいけないことがございます。現在、地球環境部会でかなり大きなウエートを占めている役割は、京都議定書の目標達成計画をきちっと動かしていって、何が何でも6%の削減を達成しなければいけないということであると理解されておりまして、この目標達成計画の進捗状況点検に部会の主力が置かれている傾向がございます。
 それとは別にもう一つ、超長期の地球環境政策をどうするかについても新しくアジェンダに加えて取り上げておりますから、2ページの[1]の2番目の

○については、地球環境部会でも、枠組みづくりの議論はしているんですけれども、どういう施策が実際に行われるのかという形での点検的な議論は余り行われていない状況にあります。ですから、これは今後、地球環境部会長である鈴木先生とご相談しながら、そういう方向の議論も地球環境部会ですすめる必要があると思います。
 さて、一番問題があるのは適応についてです。これは実はほとんど議論が進んでおりませんし、政府の動きを見ても、農水省が関心を持って予算化しておられるぐらいの状況でしかないようです。そこで、このテーマはなかなか動きがにぶい面があるのではないか、と思われます。しかし、これも地球環境部会として関心を持って取り上げなければいけない議題であろうと思われますので、今後、部会で、どういう形でこれをとりあげるのかという点を含めて議論しなければならないと思っています。
 しかし、いずれにせよ、地球環境局との調整はかなり必要になってくるのではないかと思われるところでして、単純に委託するというだけでは総合政策部会の期待するような点検結果にはつながらないおそれがございます。
 次は、[2]の物質循環に関してです。
 これは廃棄物・リサイクル対策部が所管しているわけでありますけれども、状況を申し上げますと、循環型社会形成推進基本計画を、今年度中に見直すことになっておりまして、現在、大詰めの作業に入っております。来週にもドラフトが出てまいりまして、パブコメをはじめるという状況であります。
 いずれにせよ、平成20年度に関して言いますと、循環計画そのものはでき上がった1年目になりますから、循環計画の点検という形では大した資料は出すことがむずかしい面があります。ただ、計画そのものは継続性を持っていますので、第一次計画、第二次計画と連続してどう動いているのかを追いかけていくことはできると思われます。
 そういう意味で言いますと、[2]の2番目の○と3番目の○は何とか部会でこなせるだろうと思います。
 しかし、残念ながら、循環基本法の持っている枠組みそのものが、社会経済システムにおける物質循環ということになっていまして、自然の物質循環と社会経済システムにおける物質循環全体という点は環境基本法の領域ということになっております。ですから、縄張りをふりまわしては悪いのですけれども、循環部会での議論としては、どうしてもここまでは踏み込みにくい状況があります。
 例えて言うと、指標をつくるときに、新エネルギーのようなものもぜひ入れるべきだという声が強く出てくることもあるのですが、あまり踏む込みすぎると地球環境部会の検討事項とぶつかってしまうとか、いろいろな形が出てきて、どうしてもある種、与えられた領域内での論議を中心に動かざるを得ないというこれまでの運営の実情があります。今日は武内部会長がおられませんので私の独断で申し上げますと、[2]の最初の○については、正直申し上げて循環部会で完全にこなし切れる自信はございません。
 ですから、報告が上がった段階で総合政策部会なりの目で手を加えるということをしないといけないかもしれません。
 地球環境部会の方は部会長がたまたま当部会と兼任いらっしゃいますので、何とかこなすことになるのだろうと思いますが、しかし、やはり総合政策部会は総合政策部会の役割がありますから、[3]はうまくいくんだと思いますけれども、鈴木部会長がさっきおっしゃったように、この[1][2][3]全体がどういう形で結びつくのかということも、やはり総合政策部会でやらなければいけないのではないかと私は前から思っているわけです。
 ですから、この二つのテーマの点検を他の部会に丸投げにはしないことをここで確認し、もらった報告書について、総合政策部会の観点からもう一遍きちっとコメントをつけるということはあり得る。そのことを、それぞれの部会にもあらかじめお伝えして了承を得るという作業をしておいていただかないといけないのではないか、あとになって「自分たちが出したものにまた文句つけやがって」なんていうことでも困りますから、役割と立場と、それから言ってみれば所管事項の範囲の制約があることを認識しておかないといけないと思います。
 次の、当部会でオリジナルに点検を進める項目のうちの化学物質は、先ほど私、申し上げましたように、本日の委員の先生方のお話を承って帰りまして、検討させていただきます。
 人づくり、地域づくりの推進については、今日は直接担当の田中委員はご欠席でありますが、田中委員はよくわかっていらっしゃると思うのですが、大きな括りとして、中・長期目標という計画本体の方に、人の問題と地域資源の問題を統合する意味での地域間協力という大事なキーワードが書いてあるわけです。それを大事にしながら全体を統合的に考えましょうということを考えています。ですから、下手をしてこの重点調査事項がそれぞれをブツブツと分断してしまうとまずいし、それから、後の方の項目はフィジカルな資源のようなものに─環境資源と言ってもいろいろなものがあって、もっとメタフィジカルなものも含まれるはずなんですが、何となく物質的な、物的なものだけを資源ととらえて、そういう狭い形で点検してしまうとまずいので、関係各省にお願いするときに、そのあたりを十分コメントしておかなければいけないと思います。
 既に地方公共団体でつくられている環境計画の中では、しばしば地域環境力であるとか市民力であるとか、地域力であるとかいう言葉が出かかっていて、この言葉は徐々に定着しつつあるわけです。ですから、せっかく製品として今、出回りつつあるものを中央環境審議会がつぶすようなことはしたくないと思います。これは両方をバラバラにやるのではなくて、統合的な概念としては地域環境力を高めるということがある、中・長期目標の中に出ている大事なキーワードを忘れないようにしてほしいというのが私の意見でございます。

○石坂委員 点検の進め方なりコンセプト、これは事務局の説明も座長の説明も、去年からの経緯を踏まえて大変改善されておりますし、難点をつけるようなところはないので、これに従ってやっていただければいいと思います。
 それから、浅野委員がいろいろ注意点を説明されましたけれども、それもそのとおりだと思います。申し上げようと思ったことを言われてしまったところもあるんですけれども、1つだけ申し上げておきたいのは、地方ブロックというんでしょうか、去年と同じように地方でヒアリングをやると書かれております。この中身についての説明は今、なかったんですけれども、これは昨年を振り返っても、集まる人数が極めて少ない。そういうことをやっていることをその地方の人も知らない。そういうことですと、地方ブロックの会議をやっている意味がないわけです。やる以上少なくとも、100名以上の人が集まるように、また、それを集められるような内容でやっていく必要があると思いますので、時間帯、あるいはどういう人にやってもらうか、あるいは論議の進め方等、昨年の反省を踏まえて十分にご検討いただきたいと思います。
 それから、これは見直しの話ではないかもしれませんが、最初に基本計画ができましたときには、今の3つの計画は何もなかったんですね。生物多様性もなければ地球温暖化もなければ循環型社会計画もなかったわけです。環境基本計画があらゆるものをカバーするということで発足しましたし、それでよかったわけですね。二次のときにも、まだ他の計画が必ずしも万全のものではありませんでしたから、第一次を踏襲したような形でよかったと思うんです。
 三次になりまして、いよいよ他の計画も二次とか三次になりかかってきまして、かなり立派で網羅的なものになってきているんですね。そうなりますと、環境基本計画とこうした3つの計画ですね、低炭素社会、循環型社会、自然との共生という、その関係をどうするんだということは、これはもう第三次計画ができておりますから、見直しは今、おっしゃったようなラインで進めていけばいいと思うんですけれども、次の計画のときにこれをどう考えていくんだということは、早目に考えておく必要があると思います。また、それを他の計画との間で連絡・調整を図る必要もあると思うんですね。
 それぞれ立派な内容のものが今、できてきておりますから、基本計画でカバーする分野は一体どうなんだろうかという問題があるんですね。それは恐らく低炭素社会にしても循環型社会にしても、あるいは生物多様性にしても、そういうものを通ずる、まさに基本計画としての物の考え方とか、やや長い目の議論であるとか、そういったものでこの3つの計画を統合していくような方向をとっていく必要があるのではないだろうか。
 したがいまして、見直しのときからそうした観点を踏まえながらやっていただく必要があるのではないか。
 この場の議論としては余りふさわしくないかもしれませんけれども、ちょっと申し上げておきます。

○鳥井委員 今までのご意見とダブる面もあると思いますが、例えば、地方自治体が炭素税みたいなものを導入するような動きが出てきていますよね。森林税などというのもあると思いますが。こういうことをどう評価するのかというと、評価の視点が相当難しい感じがするんですが、そこをしっかり検討する必要があるかなという感じがいたします。
 もう一つ、ちゃんと計画にも書いてあるんですが、適応の話です。言ってみれば防災対策との結びつきをどう評価していくのか。これはやはりお話では済まなくて、具体先として防災対策とどうつながっていくかはすごく大事なことだと思います。ここもはっきりお書きいただきたい。
 3番目は、最近の内閣府の世論調査でおもしろい話が出ておりました。
 それは、2004年の調査ですと、地球温暖化問題など新たな社会的課題について、科学技術で解決できると思う人は非常に少なかったんですね。ところが、今回の調査ではそれが倍ぐらいに膨らんでいる。これは人づくりが成功したのか、そうではないのかというところを少しフォローしておく必要が……。やはり科学技術がかなりの役割を果たすことは間違いないと思うので、その辺も少し幅広に議論するような方向が必要かなという感じがします。

○萩原委員 点検に当たっての留意事項のところで、各主体の連携による環境保全の取組を全体に点検していくということなんですが、その中に、あえて外されているのか、あるいは書き忘れているのかわかりませんが、企業の役割ですね。NPOと企業との協働による環境保全活動というのはかなり進んでおりますし、環境コミュニティビジネスもかなり推進されておりますので、そういった意味で、大手企業のみならず地元の企業との連携といったものも必要というか、もう既に行われていますし、それが社会的資源のネットワークの中でも重要な役割を果たしつつありますので、点検の項目の中にぜひ入れていただきたいと思います。

○鈴木部会長 大変重要なことをいろいろご指摘いただきました。実は、この基本計画を超えるような問題もいろいろあったと思います。
 何といっても国全体として、特に環境面というのはいろいろなところにつながっているわけで、その連携あるいは統合を一体どう図るのか、それを他に図ってくれるところがないので環境省がそこへ出張っていかざるを得ないということになるんだろうと思うんですが、1つは、基本計画の点検という、ある意味では非常に地道なことを通じながら、各省間の連携をどうやって図っていただくかといったことも、この主要なテーマであろうと思いますし、ご指摘ありましたように、環境省の中の局間の連携もどう図っていくのか。総合環境政策局というのはそのためにあるんですかね。そのようなこともあるでしょうし、地方における各省の事務所もありますし、その間の連携もあるでしょうし、いろいろな意味での整合性を図りながら、ものをつくり上げていく。
 何より大事なのは、石坂委員からご指摘がありましたが、環境基本法があり循環型社会形成推進基本法があり、その基本法の間の関係はどうなのかといったこともあるでしょうし、今、環境立国戦略というのがあって、そこで低炭素社会と循環型社会と自然共生社会と、この3つをある意味では持続可能な社会の3つの側面としてとらえているわけですが、そのようなものと一体どこが上位で、どういうふうになって、どうつくっていくのかというあたりもそろそろ検討を始めた方がいいかもしれませんね。
 それは総政局なんですかね、官房あたりでやるんですかね。本当は内閣府あたりでちゃんと考えなければいけないんでしょうが、ないものねだりをしてもしようがないので、この点検を進めながら少しそういうことを意識しつつ、これはこれでまた別に、ぜひ検討しなければいけないのかな、そんなふうに感じました。
 あと企業の問題も、これは具体的に取り込めると思いますので、ぜひ何らかの形で。
 適応策と防災対策の問題も非常に重要なんですが、これは適応策に名をかりた公共工事が山ほど降ってくるようなことになっても困るし、いろいろな問題があるわけですね。

○浅野委員 石坂委員からご指摘があったブロックのヒアリングについて、前にもちょっと申し上げましたが、確かにご指摘のとおり、これまでのやり方は、ある意味では制度疲労を起こしているというか、もう陳腐化して余り関心を引かれないといったことがあるのは事実だと思います。
 それで循環部会では工夫しまして、従来型のブロックヒアリングはやめまして、例えば廃棄物学会に乗り込んでいって、その中でワンセッション分をいただいて廃棄物学会のメンバーの方から委員が直接お話を承って、壇上で意見交換するということをしてみたり、あるいは地域のシンポジウムのような機会に出かけていって、ジョイントでシンポジウムをやってみるとか、そういう工夫を既に始めております。
 もっと工夫すれば、どこかの大学に出かけていって、大学で環境を専攻している学生さんたちと実際に話をするとか意見を述べてもらうとか、そんなこともできるのではないかと考えています。現実的には、既に環境省から幾つかの有力な大学に期限付で人を派遣したりしているわけですから、そういう人たちにちょっと頑張ってもらえばできないことはないだろうというようなことが、いろいろあるわけですね。
 ですから、これまでやっていたように地方環境事務所にお願いして場所を設定していただいて、特にどなたか、何人か来ていただいてお話を聞いて帰ってくるといったことだけにこだわらないで、いろいろな形のことが自由にできるようにしたらいいのではないか。
 あるいは、速水委員がいらっしゃいますから、林業をやっておられる方々の何かの会に我々が出かけていって直接お話を聞くとか、そういったいろいろなことができるのではないかと思いますので、予算を使わないで幅広く、多くの方から意見を聞くよう工夫することをこの部会としては認めると一言言っていただければ、事務局としても縛りがとれて自由に動けると思います。従来の形でヒアリングをやらなければいけないという縛りの中で考えろと言われても、なかなか考えにくいと思います。循環部会は既にその縛りを外してしまいましたから、極めておおらかにやっているのですが、できたら総合政策部会も「おおらかにやっていい」と皆さんに言っていただけるとありがたいと思います。

○鈴木部会長 確かに学会あるいは業界団体の集まり、そのような場所を利用させていただくのは非常に有効だと思うんですが、一方においてまた、声なき声をどうやって吸い上げるか、そこのところで何かうまい仕組みを考えなければいけないでしょうね。
 確かに、昨年みたいにちょっと形式的─と言ってはいけないかな。どこかの事務所が一生懸命人を集めてと、これだけではとても全体をカバーできないと思いますので、やはりこの段階ではいろいろな可能性を検討させていただいて、その中でできそうなことからともかく始めていく、そういうことなんでしょうね。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 トライアル・アンド・エラーで、失敗したら失敗したでいいと思いますから、また委員の先生方からもいろいろとアイデアを寄せていただければと思います。

○佐和委員 先ほどから適応ということが話題になっているわけですが、これは、この国だけに限って言えばせいぜい都市型洪水ぐらいのもので、別に海面上昇の直接的な被害が既に顕在化しているわけでもなくて、もちろん長期的には数多の問題がありますけれども、短期的にはさほどの問題はないわけです。むしろ水の問題とか食糧の問題とか、あるいは健康の問題とか、そういう適応策が今すぐ必要とされているのは、特に発展途上国、中でも非常に貧しい発展途上諸国なわけですね。
 環境基本計画というのは本来的に、今これを拝見すると、第10節、81ページから「国際的枠組みやルールの形成等の国際的取組の推進」とございますね。この中に本来ならば盛り込まれるべき筋合いのものかなという感じなんですけれども、この環境基本計画というのは、あくまでも日本は何をできるかという日本の計画であって、国際的なことについてはそれほど、これは物事の道理としてといいますか、基本計画の性格上、あまり国際的な問題については重きを置かないのか。しかし、適応ということを前面に打ち出すんだったら、どうしても国際的な協力なり支援なりというところに重きを置かざるを得ないので、その辺の兼ね合いについて事務局にお伺いしたいんですが。

○菊池計画官 ご指摘ありがとうございます。
 環境基本計画のつくり方の中で、これは日本国内の施策であるから国際的な問題は考えないとか、そういうことはございませんで、環境に関する国際協力の分野についても、環境政策に占める重要な課題だと考えております。
 特に今回の点検を行うに当たっても、国際的な連携ということを1つ共通のキーワードとして点検を行うことを、資料3-2でご提案いたしておりまして、まだ各論的にどういったものが出てくるかというところは、こちらでも定かではございませんけれども、今、委員からご指摘をいただいた国際的な連携についても留意した上で点検していきたい、このように考えております。

○川上委員 今の適応の問題、非常に重要な問題だと思いますので、私の感じを申し上げさせていただきます。
 もちろん日本国内での適応問題というのはあるわけですけれども、地球問題というコンテキストで議論する場合の適応問題というのは、今、佐和委員が言われましたけれども、途上国との国際協力が中心になってくるのは言うまでもないわけで、今度の福田総理の資金メカニズムなども、もう資金配分云々の議論が行われていますし、その中で一番大きな柱になるのは適応の問題、それも途上国との協力の問題になるわけで、この問題を本格的に取り上げますと相当実質のある議論になっていかざるを得ないんですが、先ほど浅野委員も言われましたけれども、これは本当に地球環境部会でやった方がいいのか。
 今まで地球環境部会では、私も参加していますけれども余りこういう議論はしてこなかった。これから極めて重要になる、今年を皮切りに重要になるマターだと思いますが、それをこちらの方でも主題にして大いに議論することにするのか、あるいは地球環境部会に任せて、それでカバーされないところだけこちらでやるのかといったことはきちっと決めておかないと、まさに重複の問題が起こってくるのではないかという感じがいたします。今の時点での感想ですけれども。

○鈴木部会長 一番大きな問題は、国際的ないろいろな環境支援であったり連携であったり、そういうものに、例えば資金メカニズムで大変大きなお金が動いていく。そのときに外務省がその窓口になって、環境ODAなどと言いながら環境省は一体何をできているのか、そのあたりを国内の問題としては大きな問題として考えていかなくてはいけないんですが、この辺のお話は局長にお伺いするのもいいかなと思うんですけれども。

○西尾総合環境政策局長 多分、今、佐和委員からご指摘をいただいたところから始まっているんだと思いますけれども、アダプテーションも、世界全体で解かなければいけない。では、そういうことに対して日本はどういう戦略─援助に行く前に日本は一体どういう貢献をしますかという大きな戦略が立っていて、それに従って今度は幾ら援助をしなければいけない、そして個々の援助がそれにうまく沿っているか、そして後評価をする、そこまでいけば非常に立派な政策になるんだと思いますが、多分、環境省の目から見たときは、従来のODAとか何とかに全然突っ込めるチャンスがなかったものですから、途中がブラックボックスになっていて、最後のところで「援助額がこれだけあります」それについてエキスパートとして見て環境の役に立っているかどうか、そういうことについては少し言わせていただく、こういうことで、途中が切れていたんだと思います。
 申しわけありませんが、環境基本法をつくったときも、そういう外交一元とか内外二元論みたいな事柄で環境基本法も書き切れなかったところもあるものですから、それに基づいて基本計画をつくっていく仕掛けというのは、そういう面では非常にドメスティックになってしまっているということなんだと思います。
 しかし、それは第三次環境基本計画をつくった以降、本当にいろいろなことが急速に変わってきていまして、多分、今この時点で─洞爺湖サミットに向けてまたいろいろなことが動いてくると思うんですが、温暖化対策を新興国、途上国にやっていただくためにどういうことをやっていくか、これは洞爺湖サミットまでによほど日本がくっきりした道のりを示さなければ、そういうことによって、すべての国が参加していくという形での温暖化の次の枠組みの議論に進んでいくわけでありますから、それは今までよりは大分くっきりしてくるんだと思っています。
 具体的なことは今、この場で申し上げかねる点もありますが、だんだんそこはくっきりしてくるはずだということでございますので、当然全うに議論していくと、今のような議論をしていかなければいけないんだと思います。
 ただ、最後には仕分けの問題が出てきます。そういうことは、地球局でも専門委員会で国際戦略を描いていただくとか、そういうこともありますし、またそういうことが非常に大きなイシューになって、地球環境局でも扱っていくと思います。そうすると、最後に点検をお願いしているこの側面では、従来の三次のところの点検をしていけばいいのか、もうちょっと前に向けて投機をして、他の部会に関連することでも突っ込んでいく、多分それは第三次計画をしっかりやるということだけではなくて、むしろ次の基本計画とか、そういうものをつくるよすがにもなるようなところなら、他の部会でやっていることでも大いに議論をして突っ込んでみたらいいのではないかといったことはあるのではないかと思います。
 実はその辺のところは、この基本計画をつくって点検に掛け出してからこの一年二年で大分姿が変わってしまっておるものですから、私自身、今、絵柄を持っておりません。担当課長にも、何かそれを書かなければいかんのではないか、こういうことであるんでありますが、これはまた大いに今日も先生方のご意見をいただいて、そこは従来のように、とにかく苦心して計画をつくったんだから、それをしっかりしっかりやっていくということをこつこつやっていくだけの点検で、地方ヒアリングや何かでもできるだけ形式化していく方がいいんだといったことではないと私は思っています。ここから少し変わっていかないといけないと思っていますが、今日は答えを持っていませんけれども、どんどん言っていただいて、それをまた整理したいと思っております。

○鈴木部会長 ちょっと無理なお答えをお願いしたかもしれませんが、ともかくここはそういう声を大いに上げていって、それがどういう形で具体的に反映されるか、その辺のところはやはり政府全体としてお考えいただかなければいけないと思いますが、何らかの形、今、当面洞爺湖サミットがあり、京都議定書の問題があり、大変な火の車的なところがありますが、やはり長期的に見たときに、環境と国際的な、あるいは外交戦略というのは非常に密接につながっていると思いますので、それについてどこかで大いに激論を交わすことも必要なのかな、そんなふうに思います。

○浅野委員 佐和委員は後の方を引かれたのですが、実は28ページにこの問題について、第三次計画の考え方は明瞭に示している。
 28ページの真ん中あたりに「重要である」ということが延々と書いてあって、その後、全部で6行書いてあるわけです。国際的な連携のもとに検討や技術的な研究を進める、それから、研究の成果を活用しながらモニタリングをする、さらに我が国において必要な適応策、脆弱な国における適応策への支援をする、一応こういうシナリオになっているわけです。
 ところが、これをつくったときは「こういったシナリオで、まあいいかな」ぐらいのつもりでいたのですが、適応の問題は思った以上に深刻になっていますか。ですから、ただ「技術的な研究を進めます」といって、それは既に地球環境局の研究予算の中で適応という項目があって、来年度もかなり大きな予算を配分することになっているわけですけれども、それでは間に合わないといったことがあるのかもしれませんし、少なくともこの計画の中に書かれていることの、ではどういう研究がどんなふうに行われているのかという点検はできるだろうと思うわけです。しかし、それを超える戦略をどうするのかが問題になるというのが今日のところのお話だろうと思いますので、ここは、多分このわずか書いてあることを手がかりに議論することは十分できるはずでしょうし、ここからさらにどこまで出ていくのかという話が可能だと思います。
 ですから、これはとりあえず部会をまたがる問題ですから、事務局できちっと地球環境局と話をしていただいて、地球環境部会でやるという腹を決めれば地球環境部会でやればいいことだと思います。
 とりあえず、計画の中ではこのような書き方になっている。ただ、ちょっとテンポがのろくて「まずは研究をしましょうね」ということしか我々が書かなかったということは、正直にここで認めておかなければいけないと思います。

○鈴木部会長 適応に関しては多分、研究段階のものと、具体的に問題が起こって、それにどうアダプテーション─既存の技術等々でもう十分にカバーできるところもあるわけでしょうから、むしろポリシーですよね、外交戦略の問題で。

○佐和委員 これは情報として提供したいんですけれども、この適応の、単に海岸に堤防を張りめぐらせるといったエンジニアリングのことだけではなくて、社会的な適応策も含めて、今、世界で最も権威ある専門家であるリチャード・クラインという人、数年前までポツダム・インスティテュート・フォー・クライメート・インパクトにいて、現在は、スウェーデンに国立科学研究所みたいなものがあるんですかね、そこに所属している人が3月25日に京都に来るんですよ。そして26から28日か27から29日か忘れましたけれども、東京にも来るそうです。私に連絡していただければいつでもコンタクトがとれますので、例えば環境省の方でも話を聞く機会を持たれたらいかがでしょうか。
 ついでに申し上げれば、10月末、ちょっと正確な日取りは忘れましたけれども、ポツダム・インスティテュート・フォー・クライメート・インパクトの場所で、ヨーロッパのそういう専門家が集まって、日本からも茨城大学の三村先生を初めとしたアダプテーションの専門家たちが出かけていってシンポジウムをやる予定ですので、環境省からも、ぜひどなたかいらしていただければと思います。

○西尾総合環境政策局長 どうもありがとうございます。

○速水委員 適応の問題で、海外との関係のことがたくさん出てきたんですけれども、実は循環の部分で、社会経済システムの物質循環から自然物質循環の方まで広げて考えていくと、自然物質を社会システムの中に乗せていく際に、農林水産業は入口としてはかなり比重が高い産業なんですが、それを視点にしていきますと、日本の全体的な食糧の自給率だとか木材の自給率等を見ていきますと、魚もそうなんですけれども、どうしても海外との絡みというのは抜けきれないだろうと思うんですね。
 そういう点では、自然物質循環を考えるときに、日本国内、ドメスティックな中での循環だけでは、もうおさまりがつかないだろう。そうなってくると、生物多様性の戦略にも関係して、日本の消費が例えば海外の生物多様性とどういう絡みがあるのかという話があそこでも出てきたんですけれども、そういう意味では、そういう視点をどこかできっちりと持ちながらやっていかないと、特に自然物質循環の話は、国内だけの議論にしてしまいますと片手落ちになってしまう、あるいは日本の責任として何が問題が出てくるだろうと感じております。

○鈴木部会長 国際の問題は本当に非常に大きな問題で、一体日本がどういう形で将来のグローバルな問題に責任を持つといいますか、プレゼンスを示していくのか、これをきちっと考えていかなくてはいけない。
 これはもちろん外務省だけで考えられる問題ではないわけで、環境分野に関して少し環境省も国際的な、国際対策室というのはあるようですけれども、もうちょっとどこか、総合環境政策局がいいのか、あるいは官房がいいのか少し考えていただくようなことをお願いして、これはもちろんここで結論を出していただくわけではないんですが、「国際」というとみんな地球局というものでもないでしょうし、非常に大きな分野をカバーしなければいけないでしょうから、ぜひお願いしたいと思います。
 アダプテーションに関しても、国内だけでもアダプテーション、結構大変なのではないですか。農水省では、お米や果物の問題もあるし、森林も多分いろいろあるでしょうし。そういう問題もあり、ともかくどんどん拡散するといいますか、拡大する一方の環境問題ですので、その辺を、過去の仕組みにとらわれないで、どういうふうにそこに、まさにこちら側の活動そのものがどうやってアダプテーションしていくかということが、あるいは求められているのかもしれないと思います。ぜひよろしくお願いします。

○永里委員 西尾局長もおっしゃっていましたが、実は、発言する環境省になってほしいと思いますので、いわゆる適応を含めていろいろな問題について海外で発表する場合に、発言力ある環境省になってほしいと思います。
 ただ、私が懸念しているのは、従来、外務省とか経済産業省とか環境省の意見がまとまらずに、国際舞台で日本としてのパンチ力ある発言が一本化して出ていない。これを非常に恐れます。だから、ぜひ国内においては環境省は柔軟な姿勢で発言力をお持ちになって、外交の場ではワンボイスで、すなわち日本として1本にまとまって、パンチ力ある発言をしてほしいと思います。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 第2回点検の進め方につきましては、これまでいただきましたご意見をいろいろと組み込んで、なるべくいい形で進めさせていただくということで、この後は、私の方にご一任いただければと思います。
 では、議題2、その他に移りますが、事務局から2件の資料が提出されておりますので、これをご説明願いたいと思います。
 まず、資料4「第三次生物多様性国家戦略について」これは昨年11月27日に閣議決定されております今年の重点点検分野としての生物多様性の保全のための取組、これにかかわっていることでございます。

○亀澤生物多様性地球戦略企画室長 自然環境局、生物多様性地球戦略企画室長の亀澤でございます。
 私から、資料4に従いまして、昨年11月27日に閣議決定いたしました第三次生物多様性国家戦略について簡単にご説明申し上げます。
 生物多様性国家戦略は、おおむね5年ごとに見直すことにしておりますけれども、1ページの真ん中にありますのが前の戦略でございまして、平成14年3月に策定しております。それ以降、矢印の左側にありますように、自然再生推進法ですとか外来生物法といった新たな法律の制定がありました。
 国際的には、右側の濃い色の四角ですけれども、条約の2010年目標、これは2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させるという目標でありまして、温暖化と違って定性的な目標にすぎないのですが、それが採択されております。
 それから下の方では、IPCCの第4次報告書で温暖化による生物多様性への影響ですとか予測が報告されたり、そういった国内外のいろいろな動きを踏まえて、見直しを行いました。
 2ページは、審議の経過でございます。
 昨年4月23日に審議会への諮問を行いました。自然環境、野生生物の合同部会のもとに設けられた生物多様性国家戦略小委員会、ここでヒアリングを含めまして6回の審議、その後のパブコメ、さらにはその後の2回の合同部会を経て、11月14日に答申をいただいたところです。それを受けまして11月27日に閣議決定いたしました。
 内容的には、3ページ以降をごらんいただきたいと思います。
 3ページでは、ちょっと見にくいんですけれども、網かけをしたところが第三次の戦略の特徴と言うべきものであります。
 1つ目は、生物多様性とは何か、なぜ重要かということがまだまだ社会に浸透していないことから、「いのちと暮らしを支える生物多様性」として、人間だけでなく、すべての生命の存立基盤であること、食べ物や医薬品など人間にとって有用な価値の源泉であること、食文化をはじめ豊かな文化の根源であること、スマトラ沖地震のときのように、サンゴ礁など自然の地形を保全することが暮らしの安全にもつながること、そういったことをわかりやすく書いております。
 2つ目の特徴としては、生物多様性をめぐる状況として、前の戦略で3つの危機を整理いたしましたけれども、それに加えて、温暖化による危機を逃れられない深刻な問題であって、むしろ3つの危機を超えるものとして位置づけております。
 その左下、3つ目の特徴としては、特に自然の場合、目先のことだけでなくて100年ぐらいは先を見通す必要があるということで、生物多様性から見た100年先の国土のグランドデザインを一つのイメージとして書き込んでおります。
 さらにその右、4つ目の特徴としては、国家戦略そのものは国がつくりますけれども、地域での地に足の着いた活動が何より大事ということで、地方とか企業による取組の必要性を強調しております。
 以上を踏まえた上で、4つの基本戦略を4ページに書いております。
 4つの基本戦略というのは、今後5年程度の間に取り組むべき施策の大きな方向性ですが、1つ目は、生物多様性を社会に浸透させるということ。これは広報の充実だけでなく、地域での活動につなげるための地方自治体版戦略の指針づくりをすることですとか、企業活動のガイドラインづくり、さらには市民レベルの消費行動とも関連することから、ライフスタイルの提案なども含めた取組全体を「いきものにぎわいプロジェクト」と少し柔らかい名前をつけて展開することですとか、教育が大事ということで、学校教育の充実はもちろんですけれども、そのほかに放課後の自然体験学習とか農山漁村での長期滞在など、五感で感じる体験などを文科省とも連携して進めることを盛り込んでおります。
 2つ目の柱は、今後、人口減少に向かう中で、地域における人と自然の関係を再構築するということ。国土の4割を占めると言っております里地里山ですけれども、そのすべてをかつてのように人手をかけて維持するのは現実的ではないということもありまして、特に未来に引き継ぎたい重要な里地里山を選んで、エコツーリズムですとかバイオマスなど、そういう新たな資源利用も含めた管理モデルを構築することとか、あるいは鳥獣被害の問題が深刻になっておりますが、農地の周りに見通しのよい緩衝帯を設けることで効果を上げている例もありますので、そういうことを他の地域にも広げることなど、鳥獣とすみ分けられる地域づくりを進めることなどを盛り込んでおります。
 3つ目の柱は、1つの地域だけでなくて、森から海までとか、あるいは上流から下流までといったつながりの確保が必要なこと。その中では国土全体の生態系のネットワークを国土形成計画とも連携して具体化していくことですとか、その核となる国立国定公園の総点検、そういったことを入れております。
 4つ目の柱は、日本だけでなくて地球規模の視点を持って行動することが多様性分野でも重要だということで、1つは、2010年に開かれる生物多様性条約のCOP10、この日本開催を視野に入れまして、そういう場で国際的リーダーシップを発揮するためにも、そもそも我が国の生物多様性はどういう状況にあるのか、そういうことを総合的に評価すること、その際に、生物多様性の状況を把握するためのわかりやすい指標の開発ですとか危機の状況を地図化してビジュアルに示すこと、あるいはそれらを通じて多様性の保全上、大事だけれども危ないところ、いわゆるホットスポットを抽出することなどを進めていきたいと思っております。
 [3]は、かつて里山で自然と共生してきた我が国の知恵や技術を現代に取り戻すことも大事だと思いますけれども、そういうことも含めまして、自然と共生するモデルを「SATOYAMAイニシアティブ」として世界に発信することなどを盛り込んでおります。
 一番下は、先ほども話題になっておりましたけれども、温暖化との関係で、生物多様性の観点から、温暖化の緩和策と適応策にも少し触れております。
 緩和という点では、炭素を樹木や土壌あるいは泥炭として貯蔵している森林、湿原、そういうものを保全することが温室効果ガスの排出抑制にもつながることですとか、適応の方は、人間の側の適応というよりは生態系の側の適応でありますけれども、温暖化によって植生等が徐々に変化していく、そういうときに変化していく先の自然がなくなっていると変化のしようもないので、そういうことのないように、生態系ネットワークの形成のあり方、そういうものを、温暖化という視点も含めて検討していくことも盛り込んでいるところでございます。
 最後に5ページでございますけれども、第2部について簡単に書いております。
 今回の第三次国家戦略では、第2部を行動計画として書き分けておりまして、660の各省の具体的な施策のそれぞれについて、何省がやる、あるいは何省と何省が連携するというように実施省庁を明記しております。それに加えて、数はまだまだ少ないですけれども、下の四角にありますように、ラムサール条約の登録湿地を10カ所増やすとか、あるいは下から2つ目、種の保存法に基づいて指定されている国内希少種を現在の73種から5年間で15種程度増やす、そういったこの5年程度の施策の目標を具体的な数値目標として盛り込んだのも、今回が初めてのことでございます。
 説明は、以上でございます。
 今後、各省あるいは省内の各局とも連携して、第三次戦略の着実な実施に取り組んでいきたいと思います。

○鈴木部会長 ご質問あるいはコメントございますでしょうか。

○長辻委員 生物多様性というのは非常に大事なことなので、しっかり取り組んでいただきたいと思っているんですけれども、いろいろなところで話を聞いておりますと、結構なスピードで生物の分布の状況等が変わっているわけです。これは単に温暖化だけではなくて、いろいろな要素が働いているわけですけれども、しかし、今までの基礎データが余りにも少ない。これを今、私は痛感しております。生物の多様性が回復に向かっているのか、あるいは崩壊に向かっているのか、あるいは一時的な変化なのか、この辺をしっかり見きわめるためには従来のデータの蓄積が必要なんですけれども、これがほとんどないわけですね。
 例えばチョウですと、ナガサキアゲハというのは温暖化との関係で非常によく研究されているわけですけれども、日本国内のチョウのデータは、恐らくこれただ1種なんですね。これをイギリス等で見てみますと、イギリスはナチュラルヒストリーが非常に充実した国ですので、チョウの北上現象に関しては非常に詳しい研究がなされている。この1つをとっても、基礎データの蓄積、過去のデータの蓄積が非常に大事である。
 これを今から大急ぎで整備していただきたい、そういうお願いを持っております。よろしくお願いします。

○永里委員 里地里山というのが3ページに課題として書いてありますけれども、これに里海をつけ加えて欲しい。海について、今、盛んに研究されていまして、水の循環、海ということをぜひ考慮してほしいと思います。
 例えば、4ページのIIIには「森・里・川・海のつながり」となっていて、ここではこういう観点は出てきています。そしてIVの[4]生物多様性のところに「森林・湿原の保全」とありますけれども、水の循環に関連して、海の保全ということをぜひ考慮してほしい。
 まだ研究途上で、これから海の問題が益々研究されてくると思いますけれども、非常に重要な要素だと思います。日本は恵まれている方なんですが、国際的に考えますと、マングローブの海とか川とか、その辺のことも含めて、ぜひ海の視点をもう少し強化してほしいと思います。

○福川委員 私もこの問題は非常に重要な国家戦略、あるいは地球戦略だろうと思っておりまして、10年先を見据えたグランドデザインと位置づけておられるのは非常に大事だと思います。
 今、中国にしても台湾にしても欧州にしても、この分野の研究あるいは挑戦は大変広範囲に展開されておりますが、日本がどう対応するかということの中で、世界全体がどう動いているか余りに我々は知らされていない。10年先のグランドデザインということを考えるときに、日本の中の問題が焦点ではありましょうが、これこそ地球規模でどう動いていくのかをぜひご検討いただきたいと思います。
 この分野、今、海、水のお話もございましたが、非常に広範囲にわたる環境が絡んできているわけでありますので、生物多様性といった問題も、できるだけ広い視野で取り上げていただきたいと思います。
 今度、サラゴサで水をテーマにした万博があります。その後、都市の問題で中国でもあります。COP10というお話もありましたが、いろいろなイベントを見つけて、ぜひこの問題を広めていただくようお願いしたいと思います。

○亀澤生物多様性地球戦略企画室長 長辻委員から、基礎データが余りに少ないというお話をいただきました。
 確かにそういう点がございまして、環境省で自然環境保全基礎調査というのを30年以上やってきておりますけれども、そのデータの更新が5年単位とか、実際問題、非常に長くなっていて速報性が乏しいということで、それを毎年更新できるような形で、ぜひ速報性を向上したいということも国家戦略の中に盛り込んでおりますので、その充実に取り組んでいきたいと思います。
 それから、温暖化との関係ですと、モニタリングサイト1000というのを前の戦略の中で盛り込んで、定点観測を始めておりますけれども、そこに温暖化の視点も加えまして、温暖化による影響も早目に察知するということで、国土の生態系全体の総合モニタリング、そういうものも充実していきたいと思っております。
 それから、永里委員からご指摘をいただきました海の関係です。
 これは先ほど説明しなかったんでありますけれども、今回の戦略では海のことを取り上げたというのも一つの特徴でありまして、沿岸海洋についてのことも大分記述を充実しております。その中で、人との関係という意味では「里海」という考え方も入れておりますので、里地里山と比べますとまだまだこれからというところでありますけれども、そういう考え方も広めていきたいと思っております。
 福川委員からは、地球規模の視点を充実するようにというご指摘をいただきました。
 生物多様性というのは、温暖化に比べると世界的にもまだまだ関心が高まっていないわけでありますけれども、昨年のドイツのサミットで初めて温暖化と並んで多様性の問題についても首脳宣言に盛り込まれましたので、そういう動きも踏まえて、今年の日本でのサミットですとか2010年に名古屋で開かれるであろう多様性条約のCOP10に向けて、地球規模の視点を強化していきたいと思っております。

○鈴木部会長 生物多様性という面からしますと、日本はこれまで非常に恵まれてきたために、かえって関心が薄れている面もあるのかもしれませんね。

○青木委員 生物多様性と絶滅危惧の問題で、連携でいろいろやっていかれるのは非常に結構だと思いますが、私もちょっと多様性の戦略、非常に大部でとても見ていられないんですけれども、絶滅危惧対策というのは今、絶滅危惧種になっている特殊な植物だけではなくて、既にある植物自体が絶滅する可能性があるわけですね。ですから、やはり日本全体の植物をいかに保全していくか、野生植物を含めて考えていかなければならないと思うんですね。
 多分、今の戦略では、農水省なら農水省の担当している植物、国交省なら国交省の担当している植物といった格好で挙がってきていると思うんですけれども、恐らく野生植物の保全というのは欠落していると思うんですね。これを各省がそれぞれの連携でやるというよりは、むしろ国家戦略として国全体でどういうふうに保護していくか。
 例えば、今、国立公園もありますし国営公園も全国に展開されておりますし、各種の公共団体の公園もございますし、大学の植物園等もいろいろあるわけですから、やはり各方面別ぐらい、これは環境省が音頭をとられればいいと思うんですけれども、各地方ごとにすべての植物を保全する、それから多様性をいかにその地方で保全していくか、環境省主導で結構ですから各地方ごとに戦略を立てて、例えば国立公園ではどうやっていくか、国営公園ではどうやっていくか、各県の公園ではどうする、大学の植物園ではどういう役割を果たしていくかといったことを国家としてやっていくのが本当の国家戦略だろうと思うんですね。各省の言ってきたものをまとめただけでは国家戦略とは言えないと思います。
 そういう方向で進んでいるのは結構でございますけれども、実施に当たっては、そういう方向をぜひ進めていただきたいと思います。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 いろいろいただきましたご意見、大変貴重なアドバイスもあったと思いますので、その辺を含めて、第三次生物多様性国家戦略をこれから動かしていく段階で、また頑張っていただければと思います。
 それでは次の議題、報告事項になるかと思いますが、資料5「平成20年度予算案における環境保全経費の概要について」のご説明をお願いします。

○細野企画調査室長 総合環境政策局、企画調査室長をしております細野でございます。
 資料5に沿ってご説明申し上げますが、まず、1にございますように、環境保全経費というのは、政府における地球環境の保全、公害の防止、自然環境の保護などについての経費を総称したものでございまして、複数の省庁でやっております環境保全についての施策が全体として効率的、効果的に進むように、環境省の設置法に基づきまして、環境省の方でまず全体の見積り方針の調整を行いまして、取りまとめるものでございます。
 特に、平成20年度におきます見積り方針の調整につきましては、昨年6月に環境立国戦略ができたこともございまして、そうした関係するものを踏まえて調整するところに特徴のある方針を出しております。
 それに基づきまして、まず概算要求の段階で取りまとめをいたしまして、局長から財務省の方に、特に意義の高いものなどを中心に予算の面で配慮していただくようお願いいたしまして、その結果、12月になりまして予算の概算結果が出されました。その結果につきまして、これからご報告するものでございます。
 2番にございますように、平成20年度の環境保全経費の総額、政府予算案として閣議決定されました額は2兆2,141億円でございます。前年度と比較いたしますと251億円、1.1%の減となっております。
 なお、平成19年度の予算につきまして、同じ時期に公表させていただきました環境保全経費の額は、今、申し上げました2兆2,391億円ではございませんで、2兆949億円になっております。これは今年度に入りまして、環境立国戦略やその他、京都議定書の目達計画などの予算との整合をより図っていこうという観点から、原子力の関係につきまして、今まで環境保全経費の対象としておりませんでしたが、原子力発電所の立地促進などの経費も新たに含めるという考え方に変更したことに伴うものでございます。
 従来のように原子力発電所の立地経費を除いた額につきましては、2兆629億円でございまして、同じベースで比較いたしますと1.5%の減となっております。
 次に、各分野ごとの内訳でございますけれども、恐縮でございますが、次のページにグラフをつけさせていただいております。
 ごらんいただきますと、おわかりいただけるかと思いますけれども、一番下の地球環境の保全の経費が伸びております。大気環境の保全の経費は大体横ばいでございますが、その他の経費につきましては、特に公共事業の予算の見直しなどがございまして、そういった関係の経費につきましては減となっております。
 恐縮でございますが、1ページに戻っていただきまして、結論としては1.1%の減になったということでございます。
 分野ごとに見てまいりますと、3の(1)地球環境の保全につきましては、先ほどのグラフでもごらんいただきましたように増えておりますが、昨年度との比較では3.8%の増でございます。
 特に、最後のページに「平成20年度環境保全経費における環境保全上意義の高い新規事項の例」という表がございます。関係省庁とも相談いたしまして、特に財務省を通じて要求するに当たりまして、新規事業の中でも特に意義の高いものを並べさせていただいておりますが、この中に全部で7つの項目がございまして、101億円が認められたわけでございますが、そのうち上から6つまでが、地球環境関係の新規事業で意義の高いものということでございます。
 中身的には、住宅・建築物『省CO2推進モデル事業』や、例えば稲わらのように、バイオでも今まで利用されていなかったものについての利用技術確立の事業ですとか、あるいは10年ぐらいたちました森林について、特に力を入れて間伐をするための経費ですとか、低炭素社会関係の研究経費、あるいは地球温暖化対策のための大気環境観測機能を強化するといったこと、また、国民生活運動についての支援の経費、こういったものが新規でも認められております。
 (2)大気環境の保全につきましては、微増でございますが、約0.9%の増でございます。
 (3)水環境、土壌環境、地盤環境の保全につきましては、4%の減。特に下水道関係の公共事業経費が公共事業費全体の見直しの中で削られてきているのが大きいことでございます。
 (4)廃棄物・リサイクル対策につきましては、一番最後についております表の中でもバイオマス関係で新規に認められているものがございますが、全体としては、約9%の減でございます。
 (5)化学物質関係は6.1%、(6)自然環境関係も1.9%、(7)各種施策の基盤となる施策等についても約1.9%の減という形になっております。
 その結果を集計いたしましたのが、先ほどごらんいただいたグラフでございます。
 先ほども申し上げましたけれども、環境保全上意義の高い新規事項の例といたしましては、特に効果が期待できるものを概算要求時にまとめて要求しておりますが、7事業について局長から向こうの主計局長に申し入れさせていただいた結果といたしまして、101億5,400万円が認められております。
 今回の保全経費全体の概算要求段階と今回の決定段階では、大体84%が認められた形になっておりますが、今、申し上げました新規事業、一番最後の表にございます7項目につきましては90%の要求額が認められておりまして、より重点的に配慮していただけたと考えているところでございます。
 以上、簡単でございますけれども、平成20年度におきます環境保全経費の概要としてご説明させていただきました。

○鈴木部会長 ただいまの環境保全経費の概要につきまして、特にご発言ございますでしょうか。

○河野委員 これは予算ですから、予算が各省庁でダブらないように効率的、効果的に組まれるのは結構だと思います。減額しているのがいいのかどうか、どう評価するのか難しいところであります。各省庁にまたがるので難しいんですが、環境保全効果の支出側の効果といいますかね、こういうことはチェックできないんでしょうか。予算の話ですから、ここで決算側の話をするのはそぐわないかもしれませんが、7項目について予算総額が決まっていますが、それにかかわる、アウトカムとまでは言いませんけれども、何か効果を測定するようなことを今まで決算の側でやられているんでしょうか。やられていなければ、やってみたらいかがでしょうかという提案です。

○鳥井委員 科学技術関連予算でもそうなんですが、こういうものを見せられると何となく騙された感じがするのでありまして、別に環境が主ではなくてやっている事業も環境予算として入っている。原子力の立地の話なんていうのは、新規立地ならともかくとして、そうでなければそういう感じになってくるだろうと思うんですが、そこが「あ、2兆円も環境に出しているんだ」と国民が満足して終わってしまうといったことだと、何となく余りよくないという感じもあって、例えば「公共事業の全体像がこうあって、環境にこうシフトしてきていますよ」というような、その中身を出せと環境省に言ってもなかなか出てくるものではないような気もするんですが、そういう数字を出さないと国民には余り説得力を持たないというのは、これ、しようがないと思うんですね。
 科学技術予算といってもかなりが人件費だったりするわけでありますから、各分野でそういうことがあると思うんですけれども、特に環境の場合、国民の関心が非常に高いので、国側でどのくらい真剣に取り組んでいるのかが真水でわかるような表現はないものか、ご検討いただければと思います。

○佐和委員 何カ月前か忘れましたけれども、朝日新聞の1面トップに、ハンガリーから1,000万トンのCO2排出権を200億円で買うことを契約したという話が出ていましたね。
 これは要するに、京都メカニズムで1.6%と言った場合に、おおむね2,000万トンになるんですかね、それを5年間にわたって毎年買わなければいけないことになるわけですよね。この200億円というお金は、この予算の中ではどこに計上されているんでしょうか。

○藤井(絢)委員 バイオマスのエネルギー関係で伺いたいと思います。
 私自身、バイオマス・ニッポン総合戦略のアドバイザリー委員もしているんですが、この5年余りで1府6省の中から相当バイオマス関係の予算が出てきていて、今回もここにバイオマス次世代利活用推進事業とありますが、この間の伊江島などを含めてのエタノールの戦略、石油特会も使って随分とやってきていると思うんですが、それが経産省との関係でどうも有効に動いていないということを含めて、バイオマス関係の一連、どういうことをやってきたかがわかる表があるとありがたいということが1つ。
 それから、ここではソフトの収集運搬システムの実証を行うとありますが、実際は、全国各地域でバイオマスに取り組む中で何が問題かというと、バイオマスをどう評価するか、その評価の制度設計ができていないことで動かない。京都議定書から10年以上たって、この国ではまだ自然エネルギーの買い取り表ができていませんが、どこかの一角から何とか再生可能エネルギーをきっちり評価して、買い取りの価格までどのぐらい踏み込めるかわかりませんが、そこまでいかないと幾らソフトの検証をしても前に進まないなというのが、この5年余りバイオマス・ニッポンで各省庁、これは農水省でもバイオマスタウンが100以上挙がっていますが、実際に見ていく中で、どうしてもそこに詰まってしまう。そこまで配慮して、ぜひそこを突き抜けるような形の予算であってほしいなという、あらまほしの話です。

○後藤総務課長 河野先生からご指摘のあった、環境保全経費それぞれの各省庁での施策がどのような効果を上げているかにつきましては、現在の段階におきまして、個別の省庁からその効果測定をきちっと出させるようなシステマティックなことまではできていないのが実情でございます。担当者同士では、前回の政策がどのような形で実施されてきたのか、そして次の予算要求のときにどのようなところを重点化すべきかという意見交換は行っております。確かに大変重要なご指摘でございますので、各省庁がやっている政策評価、その他の情報をある程度、環境省の方で把握してフォローアップできるような体制ができないかどうか、何ができるのかということにつきましては、今後、検討させていただきたいと思います。

○鈴木部会長 決算の話もあるかと思いますが、予算として、やはり環境保全経費としてある意味ではまとめて環境省から応援演説をされるというか、環境省から出していかれるんでしたら、この中身をやはり環境省がもっときちんと、まさに去年と同じような予算が、枕詞がちょっと変わっただけでこっちへ入っているというのは、原子力も入ってきたようでありますし、何が何だかわからないというようなことで2兆円という話が出ても本当に困るんだろうと思いますので、例えば「立国戦略ができたために新規予算としてこういうものがついたんだ」とか、そういうわかりやすいものが本当は必要なんでしょうね。
 まさに無い物ねだり的なことをいろいろと言わなくてはいけないのかもしれませんが。

○西尾総合環境政策局長 まとめるからには、そういう効果をもっとやればいいではないか、こういうことでございます。
 私どももそうしたいのは山々でありますが、どんなものをここに入れて、その効果をどう見るのかということなんですけれども、逆にそれは予算制度の中で、どこでどう役に立つかによって本当は違ってきて、実際「主たる目的は別なところにあるんだけれども、環境の役に立つ」というものから「環境」ということで計上しているものまでごった煮になっています。いつも悩みます、どうやって仕分けたらいいんだろうと。
 ただし、仕分けをするだけが目的でもありませんので、仕分けた結果、どこにいくんだろう。本当を言うと、予算要求のとき等に役に立ったらいいではないか、こういうことがありました。若干匍匐前進はできているつもりでありまして、去年の要求のときは5項目……、6項目の重点事項でしたか、シーリングの中で、重点事項の中に初めて「環境」というのをワン・オブで入れていただきました。なかなかこの環境保全経費にドンとつながるところまではいきませんけれども、やはり機会を見つけては、そこは努力していきたいと思っています。
 現実に財務省に要請するときは結局どうなるかというと、「全体をよろしく」と言っているだけでは本当は効き目がないので、今、やれていることは、その中から比較的いい試みではないかという幾つかのものについて、イヤーマークをつけて「ぜひよろしく」ということをお願いしている、そのレベルでありますが、いろいろな工夫はしていく必要があると思っています。
 それからハンガリーの件ですが、全体として、まず1.6%はCDMに頼ろうということで、それはNEDOを通じて買うということで、これは特会から経産と環境を仕分けをして毎年入れていますから、その分は入っているはずなんです。
 それから、ODAでそういう下地をつくりますというのが幾つかあるわけでありますけれども、すみません、そのODAの中でも外務省で登録していただいているものは、この環境保全経費に入れていますが、ハンガリーの話とか、そこはまだ具体の予算として計上して入ってくるという段階には来ていないようでありますので、将来の扱いがどうなるかは、また地球環境局によく聞いておきます。
 それからバイオマス、特に私、今のところ移動体のバイオエタノールに一生懸命力を入れています。そこの話は申しわけありませんが、これは環境保全経費の中でハンドリングするのは荷が重いと思っています。バイオマス全体を進める政策がしっかりやれているかというのは、ちょっとあれでありますが、私自身は、バイオエタノールのところは随分ゴリゴリ押してきたつもりでありまして、経産省にも「本当にバイオエタノールのところをやっておかないと、石油依存率を80%下げるといったってどうやってやるんだ」という話もある程度トップでやって、実は一昨年の新経済成長戦略の中にバイオエタノールをどうしてもやるということを書いて、その後、実は申しわけありません、私どもの宮古島でやっている案件等、具体のもので業界の説得がうまくいっていないとか、いろいろなことで出たり入ったりはしていますけれども、全体として必ず進めなければいかんということでありますので、今、現実に温暖化目達計画の中に50万キロリットルと書いてあるのにできていないのではないかということを軸にして、関係方面を一生懸命攻めています。
 すっきりいっていないところがたくさんあるのはそうですけれども、でも、とにかく手は打っていくということで、今年からの税制でとにかく3%、ETBEであれE3であれ、混ぜるならその分は税制で手当てしますということにして税制の中に盛り込んでいますし、それをちゃんと品確法の中にきちんと位置づけるというところまで進みました。とにかくこれは絶対やっていかなければいかんことでありますので、しかもE3だけで終わりではなくて、エネルギー安全保障という議論をしてみたってE10とか、もう少しやっていかなければどうにもならない話でありますので、これはどんなことがあっても、あらゆる手を使って進めていこうと思っていますが、保全経費の中で何か計画がまとまるというよりは、もっと生々しい押し合いへし合いをやっていますので、それは一生懸命やっていこうと思っています。

○鈴木部会長 バイオマスに関しては、農水省がバイオマス・ニッポンの事務局を抱えてしまったものですから、ある意味では国全体としてというよりは、何かバイオマスタウンを300つくればいいみたいな話になってしまっているところもあったり、まさに今、局長がおっしゃいましたように、それではエタノールをE10で使っていくということになると、国内の生産ではとても間に合わなくなる。では、東南アジアからどうやって手当てするのか、ブラジルからどうするのかという話になると、やはり世界戦略がかかわってくるでしょうし、非常に大きな問題で、そういう意味では、これは本当は環境省がコントロールできれば随分楽なんでしょうね。

○西尾総合環境政策局長 おっしゃるとおり、絵がかけているのかとか物の調達があるのかという人はたくさんいるんです。そういう人は、そういうことができていないから進めないと言うんですが、私は、そんなことできていなくてもやることが先だと言って、ここだけは、もう熱病に浮かされたように、できるところから突撃しておりますので、そのような状態だということでご理解いただきたいと思います。

○鈴木部会長 エタノールだけではなくて、BDF等もぜひ。
 さて、他にご発言よろしいでしょうか。
 環境関係の予算の執行上の問題等については、初めに戻りますが、基本計画で各省のヒアリングをされるときにも、こういうものがどう動いているのかといったことを少しお聞きいただくのもいいのかなと思います。
 それでは、本日予定しておりましたのは議題は以上でございますが、事務局の方から連絡事項がございましたらお願いします。

○弥元環境計画課長 平成20年度の点検を進めていくための次のアクションといたしまして、先ほどもご議論いただきましたけれども、ブロック別地方ヒアリングを開催する予定がございます。本日いただきましたご議論も踏まえまして、方法、内容について検討した上で実施してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 それから、次回の総合政策部会につきましては、今のところ明確な日取り等、予定はございません。後日、日程を調整させていただきます

○鈴木部会長 以上をもちまして、本日の総合政策部会を閉会とさせていただきます。
 お忙しいところどうもありがとうございました。

午前11時46分 閉会

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