中央環境審議会総合政策部会(第27回)議事録

開催日時

平成17年5月19日(木)14:30~17:30

開催場所

三田共用会議所第4特別会議室

出席委員

鈴木基之部会長、大塚直委員、崎田裕子委員、佐和隆光委員、山本良一委員、青木保之委員、浅野直人委員、天野明弘委員、江頭基子委員、河野正男委員、武田善行委員、田中充委員、筑紫みずえ委員、鳥井弘之委員、萩原なつ子委員、速水亨委員、星野進保委員、松原純子委員、森嶌昭夫委員、渡辺修委員 

議事次第

開会

議事

第二次環境基本計画の見直しについて

  1. (1)環境基本計画における目標・指標について
  2. (2)第三次環境基本計画策定に向けた論点について

その他

閉会

配付資料

資料1 環境基本計画における目標・指標に関する検討状況について
資料2 第三次環境基本計画策定に向けた論点
参考資料1 既存の目標・指標の主要な開発・活用事例集
参考資料2 総合政策部会委員からのご意見
参考資料3 中央環境審議会総合政策部会名簿

議事録

午後2時30分開会

○苦瀬計画官 それでは、定刻になりましたので、まだ若干おくれて来られる先生方もございますようですが、資料の確認の方から始めさせていただきたいと思います。
 お手元の配付資料の確認をお願いいたします。配付資料の一覧を読み上げさせていただきます。
 資料1が、環境基本計画における目標・指標に関する検討状況についてでございます。資料2が、第三次環境基本計画策定に向けた論点でございます。
 それから、参考資料といたしまして、参考資料1が、既存の目標・指標の主要な開発・活用事例集でございます。参考資料2が、総合政策部会委員からのご意見でございます。参考資料3が、中央環境審議会総合政策部会名簿でございます。
 このほかに、いつものように、会議後回収させてはいただきますが、環境基本計画等が机上に置かれてございますので、ご活用いただければと存じます。
 それから、本日の本会議場のマイクの使い方でございますが、ご発言の前に一番手前の大きなボタンを押していただきますと、赤いランプがつきます。ご発言が終わりましたら、再度同じボタンを押してくださるようにお願いいたします。本マイクは同時に4名の方しかご使用になれませんので、ご発言が終わりましたら、再度ボタンを押してランプを消していただくように、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入っていただきたいと思います。部会長、よろしくお願いいたします。

審議事項
第二次環境基本計画の見直しについて

(一)環境基本計画における目標・指標について

○鈴木部会長 それでは、ただいまから第27回中央環境審議会総合政策部会を開催させていただきたいと思います。
 議事に入ります。本日の議事といたしましては、早速、第二次環境基本計画の見直しについての審議をお願いするところでございます。
 前回の部会では、基礎的な状況の検討の継続といたしまして、諸外国における計画及び環境政策に関する理念や手法の状況につきまして、事務局からご説明いただきまして、先生方からご意見を伺いました。その後、新しい基本計画の枠組みに関する検討といたしまして、目指すべき「持続可能な社会」の考え方につきまして、委員の皆様方からご意見を伺ったわけでございます。この「持続可能な社会」の考え方につきましては、時間の制約上、委員の皆様のご意見を十分にお伺いすることができずに部会を終了させていただきました。ご発言いただけなかった点につきましてはメモとして事務局あてご提出いただくようにお願いしておりましたが、数名の方からご意見をいただいて、それは先ほどご紹介にありました参考資料2としてここにつけ加えてございます。
 さて、本日の会議といたしましては、環境基本計画における目標あるいは指標、ターゲット、インデックスといったものにつきましての検討状況を事務局の方で調べたものを委員の皆様にご報告いただくとともに、前回の議論を踏まえて、第三次の環境基本計画策定に向けた論点について、皆様のご意見をお伺いしたいと考えております。
 審議の進め方といたしましては、まず、環境基本計画における目標あるいは指標に関する検討状況につきまして、事務局から報告をいただいた後、委員の皆様方からご意見をお伺いしたいと思います。そういたしまして、大体3時20分ぐらいをめどに、次の第三次環境基本計画策定に向けた論点について、議論のたたき台、論点整理を資料2として作成してございますので、この説明を伺い、議論を進めたいと思っております。
 それでは早速ですが、環境基本計画における目標・指標につきましての検討状況の報告を事務局の方からお願いいたします。佐野さん。

○佐野環境計画課長 それでは、ご説明に入りたいと思います。資料1でございます。環境基本計画におきまして適切な目標・指標というものが要るのではないかということにつきましては、現行計画のフォローアップの際にもご指導賜ったところでございますが、そういったものを受けまして、私どもの方でコンサルタントに委託しました委託調査といった格好で、そちらの分野の専門家の方々からなります検討会を設置いたしまして、浅野委員に座長をお願いしたところでございますが、そういった形で調査・検討を行ってまいりました。本日は、その16年度分の検討結果につきまして、こちらの総合政策部会におけるご審議のご参考としていただくためにご説明させていただくものでございます。
 環境基本計画における目標・指標とございますが、ちょっとこの中での約束事として、目指すべき幾ら幾らであるという、その目指すべきというものがあるものを目標、物差しや尺度はあるけれども、とりあえず何年後に幾らを目指すというものを置かないものを指標と、この中では呼ばせていただいております。
 それでは、資料1、それから参考資料1にこの検討を行いますに当たりいろいろ参照いたしました諸外国等々の例をまとめてございますので、時折そちらもご参照いただきつつご説明をしてまいりたいと存じます。
 1ページ目からのところは、まず、これまでどういった経緯があったかということでございます。これまで、従前よりご指導いただいている先生におかれてはよくご存じのことかとも存じますが、第一次、最初につくりました環境基本計画では、「循環」「共生」「参加」「国際的取り組み」という4つの長期的な目標を掲げたわけでございます。計画策定の際には、これらについて何か定量的な目標を定めるべきという意見もあったわけでございますが、まずは何か適切な指標を開発すべきであるということになりました。これを受けた格好で、総合的環境指標検討会というところで、天野委員に座長をお願いしまして、検討してまいった経緯がございます。
 この検討結果におきましては、この概要の後ろの方の23ページの付録1に示しますようなものが考えられると。この「循環」「共生」「参加」「国際的取り組み」というそれぞれに当たりまして、こういう指標、複数でございますので、指標群が考えられるといったものを、いわばトップダウンというか、「循環」「共生」「参加」というところから求めていった格好で示したわけでございますが、ではこれに沿って指標を実際に機能させる、あるいは目標を設けるということについては、技術的な困難、あるいはこういったものが必要なのだけれども、データがとられていないといった現状、といった問題があるというご指摘をいただいております。こういったことがありまして、第二次環境基本計画では環境指標につきましては参考資料ということの扱いになったわけでございます。
 その後世の中は大分変わってまいりまして、一つには政策評価制度というもの、いわゆる政策評価法が施行されまして、その中の政策評価の基本方針では、できる限り政策評価を定量的に把握することができる指標を使用せよといった方針が示されているわけでございます。また、最初に申しましたように、第二次基本計画の実施状況の点検におきましても、総合的指標あるいは数値の具体的な目標を計画に導入して、これらについて適切な状況把握を行って点検に活用するといったご提言をいただいているところでございます。
 それでは、今度は4ページぐらいから、諸外国あるいは他の国の計画等においてその目標・指標というのがどのように扱われているかという例でございます。
 OECDでは、環境の関係の指標について、コアセット指標、これは事例集2というところに掲げておりまして、参考資料1では5ページからの説明でございます。実際にどういうものがあるかは8ページに表が並んでおりますが、ここにございますような約50の指標を並べたコアセット指標、それから公衆との対話、要は一般国民にわかりやすく示すためにこれをある程度絞った形のキー指標、約20ほどに絞ったもの、それから部門別の指標、それから経済成長と環境負荷の関係を見るために、例えばGDP当たりのCO2排出量といった効率性の指標、デカップリング指標と呼んでいるもの、こういったものを開発しております。この中で、参考資料の8ページにございます負荷、状態、対応――ドライビングフォース、ステイタス、レスポンスと分けた形の体系がここで示されているわけでございます。
 それから、欧州EUの環境庁においては、欧州の共通指標は10ほど、これはEU各国が共通的に行えるように、余りいっぱいあると大変ですので、数を絞った指標を設けているということのようでございます。
 諸外国ではどういったものがあるかというと、前回ご紹介いたしましたドイツの持続可能な開発戦略では、事例集の5番、33ページでございますが、約21部門の指標を、開発戦略の目標であります世代間の公平、生活の質、社会的一体性、国際的責任という4つの分野に分けた形で示しております。一覧が参考資料1の34ページにございますが、多くのものについて、2010年あるいは2020年を目標とする数値目標が示されております。「大部分」と書いてありますように、逆にそういったものがない定性的なものもあるということでございます。
 これも前回ご報告いたしましたオランダの第4次国家環境政策計画におきましても、安全で健康な生活環境、良好な自然に囲まれた魅力的で良質な生活環境、世界の生物多様性、天然資源といった大きく分けた目標を設けまして、それぞれの目標を設けております。これも「数値等を含む」とございますように、全部に数値があるということでは必ずしもないようでございます。参考資料1の方では23ページに一覧表が並んでおります。
 それから、米国環境保護庁EPAの環境戦略でも、こちらも前回ご報告いたしました清浄な空気、清浄な水といった5つの分野におきまして、これも「定量的な表現を含む」ということで、必ずしも全部に定量目標があるわけではないのですが、数十にわたるターゲットを定めております。
 では、こういったものについて、一つないし少数で代表させた取り組みにはどういうものがあるかということでございますが、先ほど申しましたドイツの場合には、非常に代表的なものの6つの指標、温室効果ガス、SOx、NOxの大気汚染、水質の有機汚濁、それから土地改変、要は自然を改変して人が住む土地への改変がだんだん進んでいくわけですが、そのペースを低減させよう、それからエネルギー生産性、あるいは原材料生産性という、この6つの指標を代表選手として設けまして、かつこの6つの指標をそれぞれみんな達成度というパーセンテージに置きかえる。要は、目標と現況の差があるわけですが、その何%まで達成したかという尺度をとりますと、これはみんな同じディメンジョンの数値になりますので、これを単純に足してしまうという格好で単独のDUXという一つの指標をつくっていて、環境あるいは環境政策が進んだかどうかというのを端的にあらわしているというものでございます。
 このほか、例えば環境負荷の状況を、水なり食料なりという形について、資源消費というものを土地面積という形に全部置きかえた形のエコロジカル・フットプリントというもの。あるいは、このESIという指標は例年ダボス会議でご披露されまして、先日も発表されたものでは日本は30位だったようでございますが、これも環境分野の多数の指標を重みづけなしにとにかく点数化したものを足すという方法でございます。こういったものを何とか単一指標にまとめるという努力もいろいろ試みられているところでございます。
 6ページにまいりますと、国の他の計画ではどのようなものがあるか。最近策定されました国のいろいろな各行政分野の計画では、非常に上位性の高いような基本計画におきましても、定量的な目標あるいは指標というものが設定されているものが多くございまして、かつ、例えば社会資本整備の分野、あるいは食料・農業・農村基本計画といったものでは、環境に近いような目標・指標も示されているところでございます。あるいは、環境分野では地球温暖化対策の分野、あるいは循環型社会の基本計画といったところでは、定量的な目標設定が進められているところでございます。各省ともそれぞれ政策評価というものが求められているわけでございますので、行政の施策の立案・遂行・点検評価における指標の活用というものが進められているわけでございまして、これらの目標というのは政策評価の進行状況の指標としても使われているわけでございます。例えば、社会資本整備重点計画の防災分野ですと、氾濫から守られる国土の割合をふやしていきましょう。水環境ですと、青潮が発生するような海域やその期間を減らしてまいりましょう。交通ですと、渋滞によって失われている時間を減らしてまいりましょう。こういった指標・目標を設けられておりまして、その状況についてフォローアップされるといった格好で活用されている例がございます。
 9ページの方へまいりますと、地方公共団体の基本計画等におきましても、こういった統合的な評価指標の開発・活用の例があるところでございます。
 一方、その他にございますように、近年、ライフサイクル・アセスメント――LCA分野の研究が進んでいるわけでございますが、LCAをやろうといたしますと、環境負荷を製品のライフサイクルで評価するのですが、環境負荷そのものが、温室効果ガスの排出があったり、廃棄物があったりといういろいろな局面があるわけでございまして、これを統合できないかということが求められてくるということがありまして、LCA分野で環境負荷を統一的に評価するという指標についての研究が進められています。大きく分けますと、既存の目標の達成度という形で束ねるという方法、それから事例の30番、LIMEと言われているようなものでございますが、こちらですと、環境負荷の影響の及ぶ対象、人の健康、社会資産、生物多様性あるいは植物生産量といった保護する対象に与えるダメージに環境負荷1単位当たりのダメージがどのぐらいになるかという関数を与え、かつそれについてどれが重要であるかということについて、いわば国民のサンプルをとってアンケートをやる方法で重みづけをするといった格好で束ねるといった取り組みがなされているところでございます。
 そういった格好で、いろいろな複数ある指標をどうやって統合化する、あるいはしないという体系の例があるかというものを分類してみたものがこの11ページの表でございます。折り込みになっているかと存じますが、それでもちょっと字が小さくて恐縮でございます。一番左にありますように、指標の数ということで見ましたときに、1つに束ねるもの、20ぐらいまでの例が多いようですが少数でいくもの、それから非常に多数掲げるという例があるということで分類されます。1つに束ねるに当たっては、何らかの尺度を持ち込んで束ねるというものと、科学的に証明できるような法則に基づいて集計するというものに大きく分かれるといった分析がされております。さらに、尺度を持ち込む方法の中では、この指標をつくる中で価値基準、重みづけの基準のようなものをつくるというもの、それから達成度といった既にある基準、あるいは各分野で既に与えられている目標の達成度という格好で、従前からある目標を使うといった体系に分かれるのではないかと思われます。一番上のグループですと、グリーンGDPといったもの、それから国内の多くの自治体で見られるような快適環境の指標といったものがあるわけでございます。こういったものがうまく構築されれば非常に端的にわかりやすいということがあるわけですが、うまく重みづけができればというところが難しいわけでございまして、よく、いろいろ住みよい自治体指数みたいなものを発表すると、点数が下だった県の知事さんが怒るといった例に代表されますように、この統合の仕方について合意を得るのはなかなか難しいというものでございます。
 それから、例えば限界削減費用あるいはその達成度といった時元のない数値で足してしまうという例も2番目のものとしてあります。先ほどのドイツの例などはこれに当たるわけで、一つは、達成度でやるということであれば、その分野についてみんな達成度がはじけるような数値目標が要るということと、それから温暖化も廃棄物も化学物質も何も単純に達成度で足してしまっていいのかという本質的な問題を引きずることになります。
 それから、客観的な基準でやるという例では、温暖化係数によって温室効果ガス排出量を換算するとか、オゾン層破壊係数でオゾン層破壊物質の排出量を測るという例があるわけでございますが、これはもちろんそういったものができるという分野に限られてくるわけでございます。
 少数代表的なものでまとめるというものは、先ほどのOECDのキー指標ほか幾つか例があるところでございまして、大体少ないもので3つ、多いもので20ぐらいまでと。これも、ある種メッセージ性には優れるという一方で、ではこれで全部がカバーできるのかという問題があります。
 それから、多数という形。これも例の欄を見ますと、数十から百数十というものが束になっているというグループでございますが、一つは、政策を評価するということを重点に政策の進行状況に当たるような指標をまとめたグループ、それから、モニタリングといいますか、環境の測定結果、環境の状況のようなものを多くまとめたグループといった例があるようでございます。
 それでは、12ページの方へ入ってまいりまして、では環境基本計画において目標指標というものをどう考えたらいいのかというところについて、検討を行っていただいたわけでございます。(1)のところで、では定量的な目標・指標というのはどういう役割があるのかということを考えますと、環境基本計画あるいは施策の進展状況の評価、あるいはその説明責任といった流れがあり、一方では地域のニーズ、例えば住みよい環境づくり、生活の質といったことについて地域の取り組みを促すような機能といったものが求められている。したがって、環境基本計画の目標指標の役割というのは、環境基本計画の進展状況の評価に活用するということ、それから各主体や地域にこういったことで取り組もうという自主的取り組みを促すメッセージを送り、こういった切り口、こういった方向で頑張ったらいいんだというものを与えてあげるといったことであろうかと思います。
 最初の進捗状況の評価という観点からは、まず、その環境の状況、施策の実施状況、目標の達成状況を示すという機能に加えまして、一体その目標がどういう構造をしているのかという、目標の成り立ちなり構造なりを明らかにして示すという機能があろうかと思います。
 それから、地域に活力を与える。これはちょっと変わった言い方ですが、要は、こういった切り口があるから、こういったものを上げるように頑張ろうじゃないかといったもので使うということを考えますと、これは単純な個別課題のものというよりは、13ページにまいりますと、身近な水や緑、まちのあり方、アメニティーといった形で、分野横断的な性質を強く持っているのではないか。したがいまして、こういった関係の指標というものについては、さまざまな環境問題に共通・横断的な側面からとらえていくような指標・目標が要るのではないかといったご指摘をいただいております。
 それではということで、現行環境基本計画の構造と目標・指標の関係をチャートで端的に示したものが15ページのものでございます。これは、まだ新しい基本計画の構造が決まっておりませんので、現行環境基本計画を前提とすればという意味でございます。これを前提にしますと、環境基本計画の進展の状況を評価するといった機能を持つ指標については、現行計画であれば、この温暖化以下の6分野の個別の環境分野についての戦略的プログラムに相当するようなものについて、環境の状況を示すものと、それから施策の実施状況を示すものと、これらをバランスよく定めていくということが重要なのではないか。一方、2番目の機能でありますところの、各主体にこういった方向でやればいいのだという、活動を促す切り口を与えるといった機能であれば、横断的手法・分野に関するような戦略的プログラムに関して、その環境へ負荷を与える基礎的な要因をあらわすもの。それから、その共通・横断的な施策の実施状況を示すようなもの、こういったものを設定していくということがいいのではないだろうか。こういった検討結果をいただいているところでございます。
 これをもう少し具体的にどう考えるかということで、16ページの方へ入ってまいりますと、先ほどのOECDの例にございましたように、ではどういう指標があるかというと、環境への負荷の要因ドライビングフォース、それから環境への負荷、プレッシャー、それから環境の状態ステイタス、影響・被害、社会的対応、その施策みたいなもの、レスポンスという流れで物事が進んでいくわけでございます。こういった切り口から分類してまいりますと、19ページにちょっとチャートがございますが、現行基本計画の戦略的プログラム6分野を見ましても、ある種役所の問題認識みたいなもので、負荷に着目したような概念であったり、結果によって起こるインパクトに着目したようなものであったり、そこは軸足の置き方にいろいろ、実は微妙に違いがあって、この6分野も、みんな全く独立しているわけではなくて、例えば交通といったところで見ますと、もちろん交通の如何が温暖化にも影響を与えるわけでございますし、あるいは水循環、地球温暖化といったものの如何は生物多様性に影響を与えるというように、相互に影響を与える。そういった関係があるということを踏まえまして、実は6分野は端的に単純に交通、化学物質、水循環云々と言ったときに、置いている軸足のあるところがD・S・Iと見たときに、微妙に違うということを認識した上で、各分野のバランスをとった目標の設定が望まれるのではないかといったご指摘をいただいております。
 その一方で、逆に2つ目の各主体の活力を与えて自主的取り組みを促すという指標についてはどう考えたらいいのかということで、20ページでございますが、一つは、共通・横断的な要因を示す指標につきまして、社会経済・人間活動のより根源的なというか基本的な要因を示す指標というものを設けてやる必要があるのではないかということがございます。一方で、もう一つの各分野に共通・横断的な取り組みを示すといったものについては、各主体の実感を伴う自発的取り組みを促す指標と考えますと、国民の意識・活動の促進の取り組みをあらわす指標。それから、地域環境力ということを数年前の白書で言いましたけれども、地域における環境の取り組み、あるいは持続可能な地域社会というものに向けた取り組みの状況をあらわすもの。それから、社会面での環境との調和、あるいは社会そのものの活力構造。あるいは経済面と環境との調和といったものの取り組みの状況をあらわす指標。それから、ここでは「国の環境力」と書いてございますが、この検討の中で出てきた表現でございますけれども、国民としての環境意識の向上、あるいは社会・経済・地域の環境との調和や活力向上というものに向けて、国の基盤的な取り組みがどれだけ進んでいるかといったものをあらわす指標。それから、国際的な問題への貢献に関する取り組み。こういったものが望まれるのではないかというご指摘をいただいております。
 さらに残った課題として、一つは、統合した指標、環境ないし環境施策の進捗状況を端的にあらわすような統合的指標について、より総合的な指標の検討は引き続き続けていくべきだということ。それからもう一つは、指標を設けられる、あるいは指標に沿った分析ができるというのは、指標についてのデータがとれるというものが必要でございますので、指標をつくってもデータをとらないと、はまりようがないということでありまして、統計データみたいなデータの取得法の方策、仕組みといったものをあわせて考えていく必要がある。大きく分けまして、こういったご指摘をいただいたところでございます。
 以上、駆け足でございますが、本審議会総合政策部会におきまして、新基本計画の枠組みを検討していただくに当たっての指標・目標といった分野での勉強の成果の概要でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局からの報告に基づきまして、いろいろとご意見があるかと思います。まず、この調査検討の委員会の座長を務められました浅野先生から、それでは。

○浅野委員 浅野でございます。一言で言えば、指標というのは大変難しいということがおわかりいただければ、それでよろしいのではないか。何か指標を決めたら、それで全部わかるからいいという単純なものでもないだろうというのが、この報告の中味です。
 今日この報告を読めば、何となく姿・形がわかるような印象を持たれるかもしれませんが、まだ第三次計画をどういう内容のものにするのかということは、これからこの審議会で議論することですから、この報告ではあくまでも現行計画をもとにして勉強すればこうなるといった考え方をしております。しかし、せっかく指標をつくり、目標をつくる以上は、それがどういう意味を持つのかということをはっきりさせて議論をしなければいけないであろう。ただ単に、今現在の状態や施策の進ちょく状況がこういうふうになっていますということを示すだけというのではしようがない。指標・目標をつくることによって、国民の各主体がこういうことをやらなければいけないんだということに気がついていただくという機能を持たせなければいけないことも事実ですが、それらをどう練り込むかということはなかなか大変なことであろうと考えています。
 それから、課長が最後に言われたことが特に大事な点で、実際にはどんなにきれいな指標をつくってみても、データの裏づけがなければそれが有効に利用できないわけですから、実際に使えるものをつくらなければどうにもなりません。それがこれからの作業の中で非常に大変なことではないかと思います。
 また、指標が仮にできたとして、それによって目標を定めていく場合に、では目標レベルはどうするんだということになりますと、これは政府の中で既にある他部門の目標などとの整合性を全く無視して議論できませんから、その辺との調整を考えながら目標を考えていかなければいけないということになりますと、トータルな全体の現在の達成度の数値目標をここまでやりますといったことについて最初からトップダウンで考えることが賢いかどうかは少し検討の余地があります。むしろもう一段下がった項目について、重点的に取り組む項目について目標を考えることはできるかもしれないが、もっと上の方の段階の目標ということになると、諸外国との比較がちゃんとできるような指標を用意し、よその国と比べると我が国はこういう状態であるということがわかるぐらいのところまでたどり着けば、それでもとりあえず第三次計画はいいのではないだろうかといったイメージを今のところ持っております。しかし、きょうは委員の先生方の忌憚のないご意見を伺いながら、さらに次年度以降の検討を進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 この検討会は、今後も継続されるわけですね。

○佐野環境計画課長 はい。一応ずっとということではありませんが、17年度については予定をして、予算化されております。

○鈴木部会長 浅野先生がおっしゃいましたように、指標というのは単なる数字ではなくて、その裏に大変物理的な、あるいは社会的な構造を持っている。そこのところをどういう形で国民にきちんと伝えていくか。これが先ほど佐野課長の方からもありましたメッセージ性ということだろうと思います。とは言っても、ともかくデータがなければしようがないと、非常に難しい問題を含んでおります。しかしながら、大変よく整理していただいたのではないかと思います。
 それでは、ここにもありました、第一次基本計画の後で指標検討会をおやりになりました天野先生、何かご発言はございますでしょうか。

○天野委員 ありがとうございます。環境基本計画の効果的な実施をするために指標を開発するという点につきましては、私は大賛成でございます。ただ、今ご指摘がございましたように、この審議会ではこれまでにも指標開発作成に関して何回かの試みをしてきておりますけれども、まだその目的を達成していないという状況にございます。私も1回目を担当させていただいた責任を大変感じておりまして、前会長からも時々嫌みを言われたりしておりますけれども、(笑)大変責任を感じておりますが、私なりにその理由を考えてみますと、先ほど来いろいろご指摘もございますけれども、基本的には、環境省の中に専ら統計を扱う部署がない。それから、内閣府のような全体を見渡しているようなところでも、環境統計に関しては、最近になってやっとほんの少し関心を払うようになった。そのあたりに基本的な問題があると思っておりまして、そういう点をどう打開していくかということを十分意識して取りかからないと、改めて委員会を何回か開いて報告書を出して終わりということにならないかということを大変危惧しております。
 指標とか指数とかというのは、たくさんの関心のある事象があって、それを何らかの形で要約的にあらわすというためですから、その前提になる、関心のある事象を示している統計的な数量ベースが必要なわけです。ほかの国でも環境部署というのができたのは比較的新しいんですけれども、それでも環境統計については随分力を入れて体制をつくってきているわけですが、私は、その点で日本のほかの統計に比べると、環境統計というのは極端に見劣りがすると申し上げていいかと思います。ですから、その整備に関して十分な力を注がないとできないのではないかという点を大変心配しております。何年か前から環境省も独自で環境統計集を編纂するということが行われておりまして、そのこと自体は大変評価できるのですけれども、残念ながら、これは日本の国としての統計をつくる体制の中に入っていないで独立してやっていただいているということがありますので、そういう点で非常に大きな問題があります。いつまでもこういうことを続けていれば、目標とするような指標群というのはできないだろうと懸念しております。
 環境省の中でそういう作業を引き受けてやるということは大変困難であるということは私も重々承知しておりますが、ほかの国を見ましても、全部環境省ないしは環境関連の省だけで環境統計をつくっているわけではなくて、ほかの省庁のつくった統計あるいはデータで環境に非常に関係の深いものを引っ張ってきて、それを環境統計集の中に入れ込んで、環境省が公表したり利用したりしているというのがたくさんあるわけです。ところが、日本ではそれができていないんです。私も1回目のときに、ほかの省庁でつくられたデータを組み込んで、環境と経済が統合されたようなデータセットをつくろうとして、途中までいったんですけれども、統計の目的外使用であるということで、使うことを禁止されたんです。恐らく同じようなことが現在もあるため、環境省の方でほかの省庁がつくった統計に手を出すのを非常に慎重になさっておられるという点があります。だからといって、環境は運輸も関係するわけですし、農業も関係するわけですし、もちろん産業、工業、サービス業すべて関連があるわけで、ほかの省庁がつくっているたぐいのデータをまた改めて環境省がつくることはできないのです。ですから、そういう点で、例えば米国のEPAが、ほかの省庁でつくった統計を全部集めてきて、環境に必要なものは環境データ集の中に含めて、ほかの環境データと一緒に公表しているという例がありますので、日本でもそういう体制をぜひつくっていただいて、そういう数量的なベースを基盤にして、それでどのように集約化して資料をつくるかという体制に一日も早く持っていっていただけたらと考えているわけです。
 これは、私はしばらくの間政策分析などを学生に教えておりまして、政策というのは何をするのかという議論をよくするんですが、どうやってそれを実行するかという話が政策論の半分以上を占めるわけです。この目標の話を聞いていますと、私はそこの部分が欠落しているのではないかと。つまり、どうやってその目標をつくるベースになる統計データをつくるか、どうやって目標をつくるかという話がどこにも出てこないのは大変残念ですので、今のような点に十分ご留意いただいてお進めいただきたいと思います。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 この環境統計の問題は、多分この基本計画にももちろん深くかかわるのですが、どこかできちんと議論しなければいけない問題かもしれませんね。これは政策局ですか。宿題として横に置かせていただきたいと思います。
 そのほか、この指標、それから目標に関しましてのご説明に対して、ご質問あるいはご意見はございますでしょうか。はい、星野委員。

○星野委員 今、浅野先生も天野先生も非常に謙虚なご発言でありましたが、私はこれをお伺いしていまして、時間というのは重要なものだなと。随分進んできたんじゃないかなと思っているんです。それは世界的にも進んでいるだろうし、我が国でも、天野先生が一番厳しいことを言われましたけれども、統計もそれぞれ彼此融通するぐらいのことはもう常識にだんだんなりつつありますし、そういう意味では、環境省の事務方の方々もこれからちょっと努力すればかなりできるだろうと思うのですが、私、一つだけ、もし私のアイデアが非常におくれていたらお許しいただきたいんですけれども、目的2のところで、特に地方をどうやって巻き込むかというか、地方がどのくらい参加してくれるかというのは、非常に重要なことだと思っています。それは、今の統計をそろえるのについても、非常に重要なことなんじゃないかと。
 また国土計画の方からの話をして恐縮なんですけれども、私などが現役のころ、国土総合開発法に基づいた計画をつくるときは、国、それから県、市町村という縦の3層構造でものを考える。あるいは、その間にブロックを入れるんですけれども、それも県の連合みたいなブロックで考えるのですが、今度の国土形成計画法は2層化いたしまして、国と各ブロックが並列でやろうではないか、要するに計画をつくろうということで、国の計画とブロックの、ある意味で極端に言えば自発的なといいますか、ブロックに所属する国の出先機関も入るんですけれども、一緒になって地域協議会をつくって、そこで計画をつくろうではないかという仕掛けに変わったのは、かなり革新的だなと私は思っているわけであります。この環境行政も、今まで大変苦難の道を歩いてきて、発想の意味でトップダウンでずっとやってきたのは、多分これは功績なんだろうと思うんです。そうじゃないと自然に発生しませんから。そういう意味では、今まで引っ張ってこられたというのは重要なんですが、これからは、各地方で自発的に、どういう仕掛けにしたらやり出すかということを考えるべきなんじゃないか。
 それには、きょう浅野先生が最後にちょっと言われたのは非常にヒントなので、国際比較ができるようになればもうちょっと日本の環境指標も生きてくるのではないかと言われたのは非常に大変なキーワードだと私は思うので、もちろん今度は国内について各ブロック――どうやってブロックをくくるかというのは非常に難しい問題ですけれども、国土開発法ですと、東北地域開発法ですとか、九州何とか開発法ですとか、そういうのがかつてありましたから、一応エリアが決まっているのですが、これもいずれ今度は変わると思いますけれども、そういうエリア単位で同じ環境指標なら環境指標をそれぞれが持つという格好にしたらどうかなと。要するに、全国平均をベースにしながら、各地域がそういう環境指標、これは統合指標にはならないと思うんです。だから、昔流の6角形指標みたいなものですか。要するにディスタンスを示す、違いを示す指標になるだろうと思いますが、要するに平均値からどのくらい離れるのかなということを示すだけでも、当初はかなりいいんじゃないか。その違うところをどのくらい埋めていくか。もし水準を決めたいということになったら、いい知恵がないんです。余り通貨でまとめられませんから。そうなると多分、どこかの国でやっているということを言われましたが、空間、だから土地面積だとか、そういうものでそれぞれの指標を割ってみる。その効率みたいなもの、あるいは負荷みたいなもの、あるいは環境容量みたいなもの、そういうもので水準まがいのことをやってみるとか、そういうのを少し始めてみたらどうかなと。要するに言いたいことは、各地域と全国平均と、それの乖離がわかるように、各地域が指標を持ち出すと、他の地域に比べて自分のところはどうもここが欠けているようだとわかるだけでも、今度はその指標を検査したり、あるいは新たにそれに対する政策努力をしようということがあるわけで、先ほど20ページに出てきました目的2、各主体に活力を与え、自発的取り組みを促す指標というのは、その上で生き生きとしてくるんじゃないかなという気がするんです。
 思いつきを言って申しわけございませんが。

○鈴木部会長 その地域をどういう形で活性化していくかということと同時に、ある意味では非常にいい示唆をいただいていると思うんですが、環境省も、地方事務所というのが今度できていくようですから、そういう意味ではこの方向として非常に今後検討すべきことを含んでいるように思います。外国との比較という意味もいろいろなおもしろい面があって、諸外国も確信を持ってこういう指標を出しているわけではなくて、ああいうもこのの中からある意味では強引に、ある意味では統計がとれる、あるいはデータがとれるものを最大限利用しようという努力をしているわけで、そういう意味では我が国も少しそこへ踏み込んでいっていいのではないかと思います。
 では、山本委員、それから森嶌先生。

○山本委員 ありがとうございます。11ページの表を見ると、ちょっと抜けているんじゃないかなと今考えたのは、例のヨーロッパ各国は気温上昇を2℃で抑えるということをかなり重要な目標にしていると思うんですが、この11の分類では気候ターゲット2℃というのがどこに分類されるか、ちょっとよくわからないんです。私は、気候ターゲット2℃というのは非常に重要な意味を持つ、ほぼすべての問題に絡んでくるターゲットではないかと考えております。
 4月28日の「サイエンス」にNASAのジェームズ・ハンセンがまた論文を出しておりますけれども、ハンセンの論文では、地球全体のエネルギーのインバランス、ですから地球に入射するエネルギーと地球から放射するエネルギーの差、要するに入射したエネルギーが全部放射し切れなくて残るエネルギー、それが1平方メートル当たり1ワットというのは、この余剰の放射強制力がまた一つのターゲットになると。現状は0.85ワットであるわけでありますが、これが1ワットになれば、彼の言い方ですと、地球温暖化時限爆弾が炸裂して大規模気候変動が起きると。これは2℃のターゲットとほぼ同じ意味を持っているわけですけれども、この2℃ターゲットということが今後人類のこの数十年を考えると極めて重要な意味を持っていると私は思うんです。
 これは先週でしたか、幾つかの新聞で、環境省も2℃ターゲットを目標に掲げるといったことが報道されておりましたが、同時に経済産業省の方は、まだ証明が不十分であるとして反対しているという報道がございました。しかしながら、今アメリカのナショナル・リサーチ・カウンシル、これは500くらいの論文を整備して政府にリコメンデーションを出しているわけですが、それも大規模気候変動はもう必至である、これをいかに抑制するかが人類にとって大問題だということを言っているわけです。あるいは、「ザ・ディスカバリー・オブ・グローバル・ウォーミング」という本が出まして、これも1,000の論文を歴史的に検証して、今や人為的な干渉における地球温暖化が進行しているということはもうほぼ確証されているわけでありますので、私は、この11ページになぜ気候ターゲット2℃が書き込まれていないのか、極めて不思議でしようがないわけであります。EUを初めアメリカのいろいろな研究者あるいは政治家も2℃ターゲットを言っているわけでありますから、私たちもそれを共有すべきであると考えますが、これを事務局はいかがお考えでございましょうか。

○鈴木部会長 では、地球環境局の清水さんの方から。

○地球環境局 地球環境局の地球温暖化対策課長清水です。新聞報道の件でございますが、現在、中央環境審議会の地球環境部会のもとに国際戦略専門委員会という専門委員会を置きまして、西岡先生を座長にしまして、長期的な目標の具体化ということで検討を進めております。今2℃のお話がございましたが、気候変動枠組み条約におきましては、温室効果ガスの濃度を安定化していくことを長期的な目標にしております。そのレベルなりあるいはどういうタイムスパンで安定化させるかという究極的な目標、目的の具体化の一環として、それでは例えば影響の範囲として何度ぐらいの温度上昇が適切なのか、あるいはそれを実現するためにppmで言うとどれぐらいの濃度レベルになるかとか、それをどのようなパスといいますかタイムフレームで実現していくべきなのか、これを現在さまざまな影響に関する科学的知見を集めまして検討しております。新聞報道にありましたのは、まだ国際戦略専門委員会の報告書は最終にはなっておりませんで、第2次報告書というのを今取りまとめ中で、ファイナライズされたものではないですが、その中で、工業化前からの温度上昇幅を2℃ということで考えるのが長期目標の検討の出発点になるという文言で、これから検討していくための出発点を示したという報告書になっております。現時点におきましてはまだ2℃というのが国際的にも議論にはなっておりますが、合意ができているわけではございませんので、さらに議論を深めた上で、どういう形で位置づけるかについてもさらに検討していきたいと思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 はい、どうぞ。

○佐野環境計画課長 今、山本委員にご指摘をいただきました2℃についての検討の状態は清水課長が申し上げたようなものでございますが、ただいまご説明しました指標の分類というのは、主にいろいろ温暖化もあり、そのほかに循環型社会やリサイクルというものもあり、化学物質がありと、いろいろな環境上の課題があるものの目標をどのように統合するか、あるいはしないのかということの考え方の観点から整理いたしたものでございまして、一つはもちろんすべて温暖化の部分に集約して組み立てるというのが一つの考え方であろうかと思いますが、今、山本委員からご指摘のありました温暖化分野でのそういう目標というのは、検討状況は清水課長よりご説明申し上げたとおりでございますが、その中の重要な考慮すべき一つのこととしてこちらの部会でご議論いただくということになるのではないかと思います。

○鈴木部会長 またこの具体的な指標としてどういうものを取り上げるかというのは今後の議論だと思いますが、山本先生のご趣旨は、この2℃というターゲットは極めてある意味ではクリティカルなものであり、よく言われているのは、例えば水循環が決定的に変わっていくとか、永久凍土が消滅していくと一体どうなるかといういろいろな問題がありますが、その指標の中の一つとして極めて重要なものとして考えていくべきであるということであろうかと思います。これはまた今後ご議論いただければと思います。
 森嶌先生、どうぞ。

○森嶌委員 この間から発言するたびにいろいろと嫌みを言うとお褒めをいただきましたけれども、(笑)この間から厳しいことばかり言っております。今日は、事務局で浅野先生のご指導のもとにコンプリヘンシブに環境指標に関することを調べていただいて、大変参考になると思いますけれども、まず何のために環境指標を調べているのかということを我々としては自覚的に考えておく必要があると思います。
 繰り返し申しますけれども、我々は第三次の環境基本計画を議論するためでありまして、環境指標を検討するためにここにいるわけではない。つまり、例えば、資料1の8ページを見ますと、全国森林計画、それからその下に食料・農業・農村基本計画があります。全国森林計画の場合ですと、森林の整備をするためにどのようにして天然林の面積をつくっていくかとか、計画量とかといったことが書いてあります。それから食料ですと、食料消費の姿、1日当たりの供給量とか、そして生産努力目標とかということで、この計画は何をターゲットにして、そしていついつまでにどういうことを目標にして立てているのかということとの関係で指標をつくっているわけです。私は嫌みのつもりではなかったのですけれども、私が嫌みを言ったとすれば、今までの我々の努力は指標そのもの、統計そのものに余りにも注意を向け過ぎていて、基本計画をつくるときに、我々の基本計画が何を目標として、いついつまでにどういうことをしなければならないか、そのために必要な指数あるいは数量は何かということについて議論するのではなくて、およそインディケーターは何かということを議論し過ぎて、インディケーターが全部そろわない間はそもそも環境基本計画の数値目標が立てられないということではなかったのか、それでは我々のマンデートは尽くせないのではないかということで、我々としては、不十分でもいいからともかく数値が出てくるものについてできるだけ数値を拾い上げる環境基本計画を作るべきだということを申し上げたつもりであります。
 その意味では、第三次計画も、これだけのものを用意していただいたわけですから、まず第1に第三次の環境基本計画のターゲットは何なのかと。これはこれから議論することですけれども、例えば温暖化が重要なのか、それから自然との共生が重要なのか、地方公共団体との協力関係が重要なのか、国際協力が重要なのか、第三次の計画で政策が優先的に取り上げるべきターゲットは何なのかということをまず我々としては議論する。つまり、戦略目標は何なのかということをまず我々としては議論する。それが第1。第2に、その戦略目標のターゲットとして例えば5年後をとりあえず考えるとしたときに、第三次の計画では、例えば温暖化で5年後に、何%ぐらいを今よりも削減するのか、あるいは地方公共団体と国とはどういう関係をつくり上げるのか、今よりもどれだけ関係をよくするのか、これはパーセンテージであらわせるかどうかわかりませんけれども、どのようにしていくのか、自然との共生ということでいったときに、今よりも自然の状態をどれだけよくするのか、あるいは今よりも悪くしないためには何かの指標をとりあげて何%ぐらいの減少に止めなければならないのかという、そこで数値を持ち出してくるわけであります。その次に必要なのは、もしも数値を出すとすればデータが必要なので、それに必要な、現在、例えば自然はあるいはCO2はどういう状況なのかというデータをつくって、そして5年後にそれを達成するためには、例えばCO2の排出は現在どうなのか、将来どうなるのか、それをやるためには、どういう政策をとったら何%減るのか、あるいはどういう政策をとれば自然を維持できるのか、あるいはプラスになるのかといったことを議論すればいいわけです。現在数値がないものについても、我々としては問題があれば対処せざるをえないわけで、数値がないままに政策としては考えていかなければならないわけです。現実的に政策を決定し、政策を進めていくためには、そうせざるを得ません。その限りで、数値目標というのは、できるものはできるし、できないものはできない。それが現実の政策を扱う中央環境審議会の仕事だと思います。我々は大学で研究しているわけでもありませんし、環境目標の完全なチャートをつくったり、ダイアグラムをつくろうとしているわけではありません。
 そういうことを私としては申し上げたいので、外国で何をしているかということではなくて、我々は第三次環境基本計画をつくるためにここに集まってそのための議論をしていて、そのために必要な数値目標を議論しようとしているのだということを改めて認識していただきたい。これをまた嫌みを言っているとおっしゃるならば、嫌みでも結構でございます。(笑)

○鈴木部会長 この指標に関しましての議論のいわばまとめをしていただいたような気がいたしますが、まさに第三次計画として何にプライオリティーを設定していくかといったところをこれから議論しようとしているところなんですが、そういうものをベースにして具体的に、最終目標は2030年に置くとしても、この基本計画は5年の命のようなものですから、5年の間に何をするかというところを議論するために、指標としてはこんなものが下敷きとしてある、そのようなところとしてお考えいただければよろしいかと思います。これをまた議論し出すと果てしなくなりますので、ちょっと予定の時間もオーバーしておりますので、この……。はい、どうぞ。それでは青木委員。

○青木委員 恐れ入ります。格調の高い議論の後で非常に瑣末なことで申しわけありませんが、質問を1点させていただきたいんです。16ページから17ページにかけて、交通環境問題に関しまして、より根源的な要因や負荷といったことが書いてございまして、それは何かということで、18ページの表の交通環境問題の一番下のところを見ますと、経済活動とか、そのようなことが書いてあるわけですが、この趣旨というのは、交通環境問題を通じて、例えば経済活動についての指標をつくろう、押さえていこうという趣旨なのか。もし経済活動というものを指標にとるということであれば、これはもともと交通環境問題などに限らず全体を通じた話であるわけでありますので、先ほど森嶌先生のおっしゃいましたようなこととも関連して、何をここで言おうとしているのか、よく理解ができないところがございますので、ここのところをちょっとご説明いただければありがたいんですが。

○浅野委員 それでは、これはご説明します。この表はあくまでも勉強の成果を並べているというだけのことでありますから、これでやりましょうと言っているわけではありません。ただ、問題の整理をしてみると、このようなことになるかもしれないし、こういう可能性もあると言っているだけで、そもそもその6分野は、現行計画に6分野があるので、それをケーススタディーとして使ってみたという性格のものでありますし、この中のものはかなり重要ですから、今後の議論にもつながりますが、ぜひ継続しなければいけないし、達成できていないものが多いという認識を持っております。それにいたしましても、先ほど佐野課長も言いましたように、よくよく考えてみると、これらについてはやはりある種の階層構造があるということははっきりわかってきましたので、それを一応便宜的に並べてみて、無理やりにそれを戦略プログラムの6つに当てはめてみたものですから、このようになりました。ですから、今、青木委員のご指摘のようなことを意図して書いたということではございませんので、ご理解いただきたい。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは……。

○佐和委員 ほんの一言です。

○鈴木部会長 一言で、それでは。

○佐和委員 普通こういう経済統計などの場合は、よくフローとストックと言いますね。これを見ると、フローとストックという概念が全然ないんです。例えば、温暖化問題に関連して言えば、大気中の濃度がストックですね。それを目標にすべきだという立場と、年々の排出量を問題とすべきだという、つまりフローを問題とすべきだという立場の両極に分かれて、そして京都議定書を支持する人たちは、あるいは京都議定書は後者、フローの方について義務を課しているということで、その辺で目標とか指標とかというときに、フローとストックという考え方をもう少しきちんと取り入れていただきたいと思います。

○鈴木部会長 実際に政策・施策の指標・目標を考えるときは、フローの方しかコントロールできないという面もありますね。それによってストックがどうなるかを読むということになるのかもしれません。
 それでは、また今後ご議論いただけるチャンスがあろうかと思いますので、次の議題へ進ませていただきたいと思います。

審議事項
第二次環境基本計画の見直しについて
(二)第三次環境基本計画策定に向けた論点について

○鈴木部会長 第三次環境基本計画策定に向けた論点について、これはお手元の資料は資料2でしょうか。

○佐野環境計画課長 はい、資料2でございます。

○鈴木部会長 それでは、事務局の方からご説明をお願いいたします。

○佐野環境計画課長 それでは、本日2つ目の議題でございます。前回、新しい基本計画の枠組みを考えるに当たりまして、まず持続可能な社会ということでご審議いただいたわけでございますけれども、それではこれから新しい基本計画をまとめていただいてまいるに当たりまして、大体現行の環境基本計画の構成等も横目で見ながら、どういったところが主なそれぞれのポイントになるだろうかというところを事務局でまとめてみまして、ご審議に供したいと思っているものでございます。
 順次まいりますと、まず第1に、第三次の計画に向けて踏まえるべき社会・経済の現状にはどういったものがあるかと。実は現行計画もこういったところから論じ始めているわけでございますが、世界の人口増加、特にアジアあるいはBRICs、と呼ばれているような諸国の伸長。それから経済の一層のグローバル化、特に我が国ですと東アジア域内での相互関係。それから世界のエネルギー需要の増大。それから食料や安全な飲料水の需要の増加。そういったことからの地球規模での環境負荷の一層の増大。これに対して我が国では、人口減少あるいは人口構成の高齢化。それからアジア経済との相互依存関係。あるいは世帯の細分化みたいなもの。それから我が国のエネルギー需要も今回の新しい計画のスパンとしているうちには減少に転じるのではないか。また市町村合併の進展と、それによる自治体の行政能力の格差みたいなもの。それから農用地の減少と土地利用。こういったものがこれまで見てまいった中で着目すべきものとしてあるのではないだろうか。
 次に2ページにまいりますと、解決すべき環境保全上の課題。これは、要は現在の環境上の課題というのをどういったものととらえたらよいのかということをこれまでいただきましたご議論をもとに列記してみたものでございます。上の方の幾つかの

○には直截に環境負荷の状況、それから廃棄物の状況といったものが書いてございますが、自然に対する人間の働きかけが減っていくという問題もあるのではないか。あるいは移入種の問題。それから国民の価値観の多様化。それから環境と経済の好循環への取り組み。それから地域における環境保全への取り組みの推進。それから国、地方公共団体、企業やNPO等々のそれぞれの主体の取り組みの役割分担。あるいは近年リアリティーを持って自然と触れ合う機会の減少がいろいろな問題を起こしているのではないか。それから今日の問題というのは科学的な因果関係が不確実であるといった問題、それがまた情報の収集や提供をどうするか、国民とのコミュニケーションをどうするかという問題になっているのではないか。また「負の遺産」というのが依然としてある一方で、良好な自然環境あるいは歴史・文化遺産等々の「正の遺産」というものをどう扱うか。これまで我々が築いてきたものをどう活用するか。さらに国際的視点の取り組みが一層重要ではないか。こういった切り口からとらえてみてはどうかと考えております。
 続いて、ではこれらを踏まえてということで、3ページにまいりまして、持続可能な社会というものをどう考えるかということです。まず持続可能な開発というものが出てまいりましたのは、ご存じのとおり、ブルントラント委員会報告で定義が置かれたわけでございますが、ここでは、「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の要求を満足させるような開発」。それは何かというと、「一つは、何にもまして優先されるべき世界の貧しい人々にとって不可欠な「必要物」の概念であり、もう一つは、技術・社会組織のあり方によって規定される、現在及び将来の世代の欲求を満たせるだけの環境の能力の限界についての概念である」と書かれているわけでございまして、この点につきましては、参考資料2にございますが、大塚委員より大変ご丁寧なご指導をいただいたところでございます。
 参考資料2にちょっと目を移していただきますと、3分の1ぐらいのところに3つの概念。持続可能な発展というのは、1つは、生態系などの観点からの環境容量を踏まえる必要がある。それから、世代間の衡平。要は現世代がすべて環境を利用し尽くして後世代の幸せを奪ってしまうことのないように。それから、先ほど「必要物」と出てきましたが、世界的に見ると、やはり貧困。とにかく来年まで食べる物があるかどうかわからないという意味の持続可能性というのも最貧諸国においてはあるわけでございますから、もちろんこれを踏まえる必要がある。こういった3点からなる議論であろうというご指導をいただいております。当然ながら、基本法あるいは現行の基本計画における持続可能な発展というときも、こういったものを前提としたものでありまして、前回の持続可能な社会の姿というのは、正確に申し上げれば、こういった持続可能な発展というものを実現するような社会の姿はどういうものであるのかということであったのかと存じます。
 こういったものについて、例えば諸外国ではどういう枠組みを与えているかということで、前回ご報告いたしましたように、ドイツの持続可能な開発モデルというのはこういった分け方をしております。それからオランダは、2つ計画を持っておりまして、リオサミットの持続可能な発展というものを引いた形であるところの持続可能な開発戦略というものの枠組み、それからそれを直に引いていない国家環境政策の目標の枠組みというものはまた違うということも示されているのではないかと思います。
 そういったものを踏まえて考えてまいりますと、さらに環境というものの直接の影響みたいなものだけでなくて、人々の心のありようへの影響、あるいは将来世代を考えた影響といったものも考える必要があるのではないかという問題意識がございます。こういったことを踏まえて考えてまいりますと、まずこれまでの環境基本計画では、「循環」「共生」「参加」「国際的取り組み」の4つを長期的な目標として掲げてまいったわけでございますけれども、この枠組みを変更して考える必要はあるのであろうか、どうであろうかということ。あるいは、先ほどまで見てまいりましたような今日の環境問題をめぐる変化あるいはこれまでの議論といったものを踏まえますと、これらの意味するところの内容についてもうちょっと敷衍いたしますと、ここにありますように、環境の容量を超えないということであり、あるいは地域の風土や文化的遺産のようなものを生かしつつ、環境の面から安全・安心で質の高い生活といったもの、世代間、地域間、主体間での公平な負担、循環、あるいは自然との共生、あるいはあらゆる場面においての環境面からの持続可能性への配慮を盛り込むということ、あるいは個人の自発的行動の支援、あるいは地球規模の協力連携体制といったものを含んでいるのではないかと考えたわけでございます。この辺につきましてもご指導を賜りたいと存じます。
 それでは、こういった持続可能な社会をつくり出すためのポイント、切り口といったものにはどういったものがあるかということで整理を試みましたものが、大きな2番でございます。
 一つは、環境的側面と経済的側面と社会的側面の同時統合的な向上を目指すということであろうかと思います。環境と経済という関係で見ますと、例えば資源消費あるいは環境負荷単位当たりの付加価値の高い産業を重視する産業を社会や消費者が評価するという経済の姿を目指すべきではないか。あるいはそういったものを目指すことが将来的な我が国の経済の持続性にもつながるのではないか。あるいはそういった努力が正当に評価され、報いられるための仕組みづくりや消費者の意識改革のようなものが重要なのではないか。「デファクト・ワールド・スタンダード」と書いてありますが、そういったものへ取り組んでまいることが必要なのではないかという意識がございます。それから社会と環境ということを見ますと、環境問題といわゆる狭義の社会的な問題というのは、コミュニティーの再生、コミュニティーというものを通じて相互に関係があるのではないか。あるいは環境という面は社会的責任の一環としてその中に含まれるということで、同一の仕組みの中で向上させようという場面があるのではないか。それからそういった面で持続可能なコミュニティー、持続可能な地域づくりという面での取り組むべき課題は何であろうか。あるいはそういったことが雇用につながるような、あるいは具体的な環境保全に資する国民の活動といったものを提供していくべきではないか。それから持続可能なライフスタイルとはどのようなものか。あるいはそういった社会をつくっていくためにはあらゆる場面に環境面から持続性への配慮を盛り込むことが必要なのではないかといった意識を持っております。
 2番目に考えるのが、国土、地域あるいは自然環境といったものを環境的な観点から見たときの向上を図っていくべきではないか。一つは、自然再生であるとか、負の遺産の処理といったものもあります。それから生物多様性という観点からは生態的ネットワークというものがあるのではないだろうか。一方、これまで我が国の国民が築いてきたものを有効に活用する、あるいはその情報を活用するということを踏まえました、持続性に着目した環境保全の観点からの国土づくりや地域づくりが重要な課題なのではないだろうか。一方、農林業といった活動が地域の国土環境を保全する機能を発揮しているという面があるのではないか。これらの機能が十分に発揮されなくなってきているということに対してどうするかという問題もあるのではないかと考えております。
 3番目に、科学的知見と不確実性といったものをどう考えるか。科学的知見を踏まえるというのは当然なわけでございますが、おのずから限界を伴うわけでございまして、そういった中での施策決定というものはどうしていったらいいのか。そういった面を考えますと、説明責任というもの、あるいは逆に新たな知見に基づく柔軟な施策の変更といったことを考える必要があるのではないか。そのためにまた適切なコミュニケーション、特に生態系の分野においては、謙虚に行動するという考え方もありつつ、その管理と利用はモニタリングの結果などに応じて柔軟に行う必要があるのではないかといった問題意識を持っております。
 さらにそれを考えますと、参加、協働、あるいは各主体の役割分担といった課題があるのではないか。一つは、民間でできることは民間でということがあるわけでございますが、その中で行政がやらなくてはならないことはどういうことなのか。特に環境というものを考えますと、全く市場に任せるということでは適切な状態に保たれないということもあるのではないだろうか。一方では、民間の活動を促進するためにどうしたらよいか。それからもう一つは、地方でできることは地方でというのがございますが、一方では地方に最適な選択と国全体の選択とはまた違うという場合があり得ますので、持続可能な社会づくりに向けた国と地方公共団体の役割分担をどう考えるべきか。それから、広範な主体、持続可能な社会づくりの観点から国民が十分な参画をできるようにしていくための仕組みが要るのではないか。あるいはその観点から民間の有する情報の活用、あるいは双方向でのコミュニケーションというものを考えていく必要があるのではないかという問題意識を持っております。
 5番といたしまして、国際的取り組みという観点から見ますと、1つ目はまず現行の計画でもかなり重点を割いております戦略的な国際協力の必要性につきまして、特に我が国で言いますと、東アジア圏の相互依存というものが非常に高まっているわけでございますので、例えば廃棄物の不法な輸出入の防止というアジア域内の枠組みといったものを考えまして、中国を初めとする近隣諸国と一体的に解決を図るべき課題への取り組みというのが重要なのではないかという意識がございます。2点目、3点目としまして、国際的なルールづくりへの積極的な参画をより進めていくべきではないか。それから、国際社会の中で、特に今の国際関係を見ますと、我が国が資源エネルギーを今後確保していく上での不安定要因といったものも視野に入れた取り組みが必要なのではないかといった意識がございます。
 大きな三番といたしまして、それではこういうものを踏まえまして、新しい計画の重点的な取り組みというものをどう考えていったらいいかということでございます。ご存じのとおり、現行計画におきましては、11の課題につきまして戦略的プログラムという枠組みを設けたわけでございます。この11が[1]、[2]、[3]にある合計11の「・」でございまして、個別分野のものといたしまして温暖化以下の6課題、それから政策の切り口といった面からは環境教育といった3つ、それから地域づくり、国際的寄与・参加といった11の枠組みを設けたわけでございますが、現行計画のフォローアップに当たりましても、こういった重点課題を立てていくという枠組みは維持してよいのではないかというご指摘をいただいたところでございます。したがって、こういった枠組みをまたとっていくということであれば、どういった構成にしていくのがよろしいかという問題がございます。それを考えていくに当たりまして、ではこれらの戦略的プログラムはどれだけ進展したのであろうか。それから横断的分野、後ろの5つが私どもは横割りと呼んでおります課題でございますが、その枠組みをどう整理し直したらいいか。組みかえる必要はあるのだろうか。例えば、環境教育というものは、もうちょっと人づくりという観点が要るのではないか。あるいは地域づくりと一体的に考えた方がいいのではないか。あるいは投資というところに環境分野の公共投資と民間分野の環境保全のための投資を一緒にしていますが、それでいいかどうかといった意識を持っております。一方、個別分野について、例えばヒートアイランドといった新たな課題も起こっているのではないかということもございます。それから、これはむしろ現行計画でいきますと第4部に当たることでございますが、フォローアップでもご指摘をいただきましたように、計画の実効性を高めるための措置、仕組みといったものはどう考えていったらよいか。
 こういったところが今度の新しい基本計画の枠組みを考えてまいります上でのポイントになるような点ではなかろうかと事務局では考えた次第でございますので、ご指導を賜りたいと存じます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 きょうは大体5時半をめどにご議論いただくことになっておりますが、ちょっと長丁場になりますので、ここで5分ほど休憩をとらせていただいて、その間に先生方もご意見を整理していただいて、なるべく能率よく進めさせていただければと思います。4時5分ぐらいでよろしいでしょうか。

○佐野環境計画課長 では、こちらの時計で16時5分とさせていただければと存じます。

午後4時00分休憩

午後4時10分再開

○鈴木部会長 それでは、第三次環境基本計画策定に向けた論点、資料2、先ほど事務局からご説明をいただきましたが、これにつきましてご議論をいただければと思います。先ほどお願いしましたように、5時半までとはいいながら、十分な時間があるわけではございませんので、なるべくポイントを絞ってご発言いただければと思います。きょうは立てていただく名札がありませんので、適度に手を挙げていただいて、順番にいこうかと思います。
 その前にちょっと申し上げますと、今1枚、天野先生からの資料が配られましたが、これは先ほど天野先生が環境指標に関してご発言いただいたことのベースになる資料ということで、後でごらんいただければと思います。
 いかがでしょうか。それでは、崎田さんから。後の方がいいですか。後の方がいいという方は時間がなくなるかもしれませんので、では最初に手を挙げられた浅野先生、天野先生から。

○浅野委員 環境基本計画を環境基本法の中に位置づけたそもそもの理由というところからもう一回繰り返して確認しなければいけないと思うのですが、環境基本法はもちろん法律の形式をとったものなのですが、その中に実は環境基本計画の骨格になる部分が入っているわけです。しかし、法律の形式でのメッセージはやはり国民には非常に距離が遠いので、そこをもうちょっと国民の皆様方にわかっていただけるように、また役所もちゃんと体系的に理解できるようにということで、環境基本法では環境基本計画というものを策定するようにと定めた。こういう理解をする必要があるわけです。ですから、総論部分でどういうことを書くかというその大きな枠組みは、環境基本法の基本理念とされている3つの条文に書かれているものが本当は基礎になるはずです。ところが、第一次計画をつくった当時は、たびたび申し上げていますように、そのようなところをもう一回思い出すという必要がないぐらい環境基本法が非常に強烈な印象を与えてくれる時代でありましたから、余りそんなことを能書きの中にぐちゃぐちゃ書かなかったわけです。第二次計画のときには、環境基本法が少し記憶から遠くなりましたから、もう一回意識に近づけようというので、「持続可能な社会」という言葉を使いながら、主に環境基本法の第4条に書かれている、その部分を強調したというわけです。しかし、当然その第3条の究極の目標があって、それが大前提であるということだったのですが、今やその大前提も大分忘れ去られつつありそうです。だから、そこをもっとちゃんと考えなければいけないということになってきたということだと思います。ですから、第四次がどうなるか知りませんけれども、第三次計画までは、環境基本法の基本的理念を一つずつおさらいしていけば何とかもつという感じもあるのですが、そういう意味で確かに最終的にはこういうことを目指さなければいけないということをもう一回基本計画の中でアピールしておかなければいけないという時期に来ていることは事実です。
 きょうの事務局の資料2は、そのような目で見ると、「持続可能な社会にむけて」と書かれている3ページから先の流れは、大体そのようなことを意識しているとこのような整理になるのかなということが書かれていると思います。あとは、「持続可能な社会」という言葉についてどうするかということは、前回ちょっと私が申し上げましたが、もう一回原点に戻って考えればこうだということですし、それから大塚委員からも適切なコメントをいただいたわけですが、果たして我が国で環境計画と別にもう一つ「持続可能な社会計画」ができるかどうかは若干疑問ですから、我が国の場合には少々無理しても両方をとりこまなければいけないということになるのかもしれません。しかし、そこでは、例えば3ページの「参考」というところにドイツの社会的団結力などというのがあるわけですけれども、要するにこの資料2で言うと5ページの「コミュニティの再生」といったことが出てくるのは、まさにこういったことを意識しながらやりましょうという考え方のあらわれではないかと理解します。
 総論については、これからの先生方のご発言をお聞きしながら私も頭を整理していきたいと思っていますけれども、今回もう一回第3条の精神を確認するというところが出発点であろう。そして、その後の状況の変化を踏まえた総論ができていく。しかし、総論の中で特にしっかり書き込まなければいけないのは、第二次計画のフォローアップ以来継続して言われていることですけれども、各主体がしっかり責任を持って役割を果たしていって連携するということです。
 その意味では、8ページに飛びますと、重点的な取り組みの項目として、以前11項目挙げたもののうち、[1]については大体、そうこれが完璧に実現できたとも思えない部分が多いものですから、幾つかのものについては少し手直しをすることがあるとしても、あるいは達成したものについては少し緩くして、もっと未達成のものを入れるという形で、部分的に模様がえをすることはありうる。例えば3番目については、もし今の予定どおりに自動車の排ガス規制が行われれば、いずれ何年後かにはすばらしい世の中になることになっているようでありますので、そういうものについてはこれ以上厳しくということはそう言わなくてもいいのかもしれないとすれば、ヒートアイランドのような新しい問題とか、あるいは自動車の排ガス問題というよりもむしろ渋滞問題の方が現実に都市では大きな問題になっているということを意識したことを重点的とりくみの中に入れるということはあるかもしれないと思います。問題は、[2]で書かれているものについては、事務局も指摘しておられるように、既に幾つか法律ができて動き始めているということを考えますと、再編すべきであろうということが言えると思いますし、重ね重ね申し上げますが、次に書く総論の部分でかなり強調しなければいけない部分というのは、多分これまでの戦略プログラムの[2]のところに書かれていたものと相当ダブるのではないかと思われますから、この辺を両方で同じように並べるということも芸のないことですから、総論でしっかり要点を書き込めるのであれば、戦略プログラムではもっとそれを実現するための道筋をしっかり示すような形で統合する方がいいのではないか。こういう形で項目を3つ並べるのは決して賢明ではないので、これは事務局の言われるように、確かに考える必要があるという印象を持ちます。

○鈴木部会長 いろいろと具体的なサジェスチョンをありがとうございました。
 では、天野先生、山本先生、お願いします。

○天野委員 4ページに長期的な目標で考えるべきポイントがずっと列挙してありまして、このそれぞれには私は賛成でございますが、個々の目標についての意見の相違が起こってくる場合とか、あるいはそれぞれの目標の優先順位に関して、「私はこっちの方を優先すべきだと思う」とか、こういう議論が起こる可能性は十分あるわけで、その際にどのようにして優先順位を決めていくか、あるいは議論を集約していくか、これはどんな場合においても大変重要な問題ではないかと思うんです。特に「個人の自発的な行動が支援され、意思決定に参加できる」という事柄が、ここにはこう書いてありますけれども、こういう意見対立についてどの程度まで実現できるのかといったあたりが、私はこれから非常に重要なことになろうかと思います。前回は、私は欠席いたしましたが、オーフス条約に関するご議論があったかと。これは前回でないかもしれませんが、ヨーロッパでそういった非常に複雑な国の間で環境に関する議論を進めていく際に、そういったできるだけ民主主義的な手続に従って議論が進むようにという趣旨でつくられた条約だと理解しておりますが、そこでこういう意思決定に参加できるというのはもちろん一つの重要な要素になっております。それから、司法に対するアクセスをできるだけ自由にするとか、あるいは情報に対するアクセスをできるだけ広げる。こういった具体的な手段が与えられているわけですが、私は今後このような形で意思決定への参加であるとか、負担を公平に分かち合うということが無理なく社会で実現していくためには、そういう手続についても相当踏み込んだ議論をすべきではないかと思います。もちろんこれまでの計画になかったとは申しませんけれども、もう少し具体性を持って、国民に対してどれだけのアクセスを認めるのかといったあたりの議論を少し具体的にしていただくのがいいのではないかと思います。これが1点です。
 それからもう一つは、関連しているのですけれども、8ページの11の課題のうちの後半部分の中に「政策手段に係る戦略的プログラム」と書いてありまして、そこに3つ挙がっております。「環境教育・環境学習」というのは大変重要で、これはこの中央環境審議会でもいろいろとご議論があったわけですが、3番目の「環境投資の推進」、これは公共的な意味での直接事業のような形での政策手法と位置づけられるかと思いますが、真ん中の「社会経済の環境配慮のための仕組みの構築に向けた取り組み」、これは実は計画の中では非常に詳しくいろいろな政策手法を列挙してあります。そのそれぞれの手法、直接規制的手法とか情報的手法とか、6つほど挙がっているのですが、それらについて適切にそういうものを実施していきますということをうたっているのですが、どうも私は残念ながらここの部分はこれまでの計画ではほかの目標に比べるとウエートの置き方がかなり少なかったのではないかという気がしております。特に経済的手法、情報的手法、それから最後に何かありましたが、そういったあたりの手法の使い方が必ずしも十分ではありませんでしたが、先ほどのように、それぞれの主体が自発的に行動する、参加するということを環境政策の重点に置くというのであれば、これまでのような直接規制的な手法、法的な手法というものに頼り切り、あるいは予算を取ってきて直接国が事業をするということではそういった余地が全くありませんので、そのあたりをどうやって実現していくかということについて、私は次回の計画ではもっともっと踏み込んだ具体的な議論に取り込むべきではないかと考えております。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 環境関連の問題だけではなくて、国民の参画というのは我が国で全体でいろいろな分野で問題になってくることかと思いますが、「循環」「共生」「参加」「国際的取り組み」の4つのいわば旗頭というのは、これは極めて抽象的なので否定のしようがないんですが、いつまでもこれを背負って走るのかといったところも少し、いつまでも参加、参加と言い続けなければいけないのかというあたりを、そういう意味では先生のように具体的にもうちょっとエラボレートしていくということが大事かもしれませんね。

○天野委員 「参加」という言葉ではなくて、具体的に何にどのように参加するのかということが書き込まれないとだめだと。

○鈴木部会長 そうですね。結構です。
 山本先生。

○山本委員 大塚先生の方が先じゃないかな。

○鈴木部会長 では、こういうふうにいきましょう。まず先生の方から。

○山本委員 ありがとうございます。3点ちょっと、感想というか、私の意見を申し上げたいんです。
 第1点は、これは第三次基本計画で、何か2025年くらいまでを視野に入れているというお話でございます。それで、これは世界のいろいろな報告書を見ても、2025年までに大変なことが起きると、地球大異変のみならず、世界経済が崩壊の危機に瀕するくらいの厳しい認識のレポートが続出しているわけです。それでぜひ、この資料2の書きぶりではそういうことが全然伝わってこなくて、厳しい将来が予想されていると。資源・エネルギーの争奪戦から、食料の安定供給が危機に陥る。気候変動についても、EUのバックグラウンドペーパーは気候変動との戦闘だと言っているわけです、向こうは。我が方は戦闘という感じが全く資料2からは読み取れない、感じ取れないわけでありまして、ここをぜひ、差し迫った問題であると。一つの理由は、どうもDangerous Climate Change厳しい気候変動に関する専門家が日本にはほとんどいなくて、唯一京都大学の安田先生がひとり警告を発せられて、特に今までの気候変動を見ると、どうもアジア・太平洋から気候変動の引き金が引かれているのではないかと、これはまだ世界的に支持されているとは言いがたいのですが、ヨーロッパで気候変動が起きる500年くらい前に日本で起きているという実験的な証拠があるということを書かれておりますけれども、大規模気候変動は10万年間で25回起きているわけです。ですから、この危機が迫っているということで、我々は科学的知見に基づいて情勢認識をきちんとすべきだと思います。
 第2点は、ブルントラント委員会の「持続可能な開発」の定義の問題に絡む話で、これは大塚先生が書かれておりますけれども、ポイントは2つあると私は思うんです。1つはロングレンジ・サステイナビリティーをどのタイムスパンで考えるかという問題で、どうも国内の議論を聞いていますと、大体100年くらい先しか考えていない。ところが、海外の文献を見ますと、我々が温暖化効果ガスの排出を削減してもその効果があらわれるのは200年で、さらに海面上昇については1000年単位でその影響があらわれてくるわけでありまして、ヨーロッパでは、特に2℃ターゲットを決めた理由は、500年後の将来の世代を見越して2℃ターゲットにしなくてはいけないということを彼らは言っているわけです。ですから、ここは100年後なのか、500年後なのか、やはり日本も考えをまとめる時期ではないか。
 もう一つは生物生産力の問題でありまして、ブルントラント委員会は、私の記憶では、太陽光で光合成をして植物ができるわけですが、そういうプライマリープロダクションを人類が8割使って、残り20%を他の生物に回すという考えだったように私は覚えているのですが、これでは余りにも人類だけが繁栄して他の生物を絶滅に追いやる。既にこの30年間で40%、1,000種類の他の生物種の個体数が減少している。そういうことがあって、ウィルソンたちはこれを50・50にしてはどうかと、すなわち人類が50%で他の生物種が50%にすべきではないかということを提案しているわけで、これは生物多様性をどのように保存していくかという問題と絡んでいる問題であります。これについての言及がないということが私は非常に不思議だと思います。
 3番目は、ぜひエコスタイルというか、環境省の定義では「環のくらし」ということでありますが、新しい環境文化を創造していくということなくして今我々が直面しているような地球環境・資源エネルギー問題を解決することは到底不可能だと私は思うんです。日本には伝統的なエコライフスタイルもあることでもありますし、積極的に環境文化を創造し、普及させていくということを盛り込んでもいいのではないかと思います。
 以上でございます。

○鈴木部会長 環境基本計画が500年後、100年後という、そのころになりますと基本法そのものがどうなっているのかはあるのですが、当面は2030年ぐらいのあるビジョンをきちんと明確に持って、そして、どうもこのライフスケールは5年ぐらいのようなんです。ですから、当面、具体的にそちらへ向かって何をするかということを書き込んでいくという話になるのではないかと思います。それはそれといたしましても、大変重要なご指摘をいただいたと思います。先ほどの意思決定等も含めて、環境文化、新しい価値観をどう広めていくかということは、環境省のこれからの大きな役割だろうと私も思っております。
 それでは、崎田委員、そして大塚委員。

○崎田委員 ありがとうございます。私も、今回課題の整理をしていただいて、最後に8ページあたりにまとめていただいているのを拝見しながら、方向性として非常に的確にまとめていただいているのですけれども、私として幾つか強調したいと思って今手を挙げました。
 この環境基本計画の役割としては、国のビジョンをしっかり示していくということと、それを実現するためにどのように地域社会とか1人1人あるいは企業や行政が実現していくのかという道筋をきちんと示していくという両面があると思うんです。まずビジョンを示すということに関して申し上げますと、既に今までの基本計画にも「持続可能性」という言葉はちゃんとあるのですけれども、地域でいろいろ活動していると、環境というのが割に狭い意味でとらえられていることがまだとても多くて、特に活動しているときに、地方行政の部署が環境部署と例えば生活経済みたいな方と全く階が違うとか、地域づくりが全然違ったりとか、いろいろなところが連携して社会をつくっていくんだということにぴったりするような行政組織になっていないんです。そういう意味で、これからのビジョンとして「持続可能な社会」、いわゆる環境と経済と社会をきちんとミックスさせて、本当に私たちの暮らしや地域の現実の中でつくっていくんだという、そのために第三次計画をきちんともう一回皆さん見直しましょうよというメッセージを強く出していただくということがとても大切で、ありがたいことなんじゃないかと感じています。
 ではその道筋の中でどのようにしていくのかというのを考えていると、大きなポイントとして、道筋の中では、もちろん環境そのものの負荷を減らすという地球温暖化対策とか循環型社会づくり、共生、化学物質と、こちらにまとまっているいろいろな項目があります。それ以外に、ここにもありますけれども、環境と経済がきちんと好循環するような社会経済システムを定着させるという部分と、もう一つ、社会という部分では、それを人と人できちんとつくるとか、パートナーシップでつくる、各主体が連携するとか、環境教育、人づくり、それを地域で実現するとか、そういうことのメッセージをちゃんと出していくということがとても大事だと感じています。そういう意味で、これから出していただくときに、経済の部分と社会の部分、そこをきちんと、そういうことがあって初めていろいろな施策全体がつながって地域社会の現実が変わるんだという方向性がきちんとつかめるようになっていくということが大事だと思っています。
 こういうことを基本に考えたときに、私がふだん考えているのは、これから基本計画でどのようにしていくかというときに、実は先日総務省の行政評価局の方がいらっしゃって、循環型社会づくりについて意見を言ってくださいと言われまして、政府全体の循環型政策をきちんと評価するような仕組みがあるのだというその担当者の方にお会いしてみて、これからの日本の環境政策全体を政府全体がきちんとつながって、それぞれの省庁が連携しながらきちんとやっていく場をつくっていくということが本当に大事だと思っています。ですから、この環境基本計画が日本のサステイナビリティーの基本計画なんだということを政府がきちんととらえる、そういう状況をつくるための全省庁の連携体制をとるみたいなこともすごく大事なことなんじゃないかと思います。
 そういう中で何を変えるかというと、もちろん国土環境の中でこれを実現していくんだ、それをそれぞれの地域社会がきちんと実現するところから広がって国土環境が本当に快い社会になるんだ、そのような流れを明確につくっていくというのが、これから本当に次の世代の子供たちにも伝えていくときに大事なんだと思っています。実はもう一つの要素、地域とか国土環境の現実で変えていくんだということと、もう一つ、住む私たちの心の問題というのがものすごく大事だと思っています。いろいろお話もありましたけれども、心というものに対して、そこがすごく大切なんだ、みんなで快適に暮らすというのは、もちろん今までの大事な技術も活用しながら快適に暮らす、そういうところが大切なんだということをきちんと発信するためにも、先ほど来の文化のこと、伝統のこと、そして人づくり、つなぎ手づくり、環境教育、この辺をきちんと明確にしていくことと、そういうときの評価指標をどのようにしていくかというあたり、心って判断できないんですけれども、何か一つ提案することが必要なのであれば、そういうことを評価するために、あるいは進めるためにどういう行動をするかというライフスタイルの行動指標みたいなものを出していくことが必要なのではないかと思います。以前、循環基本計画をつくるときに、意識とか行動を入れなければいけないというので、そのときに慌ててというか、ごめんなさい、グリーン購入のことと、環境活動に参加しているかどうかとか、そういうことを入れていったのですが、もっと経年的にデータがとれるような形で少し明確にしていくとか、この辺の分野がとても大事だと思っています。そういう意味で、ライフスタイルをきちんと変えるような私たちの心根と、それを地域で実現して、きちんと国土で実現するという、その辺のビジョンを明確にしていくという、それが今回とても大事だと思っています。よろしくお願いします。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 環境省が内閣府に取ってかわらなければいけないようなことになっていくのかもしれませんが、少なくともこの基本計画で、どういう形であるかは別にして、今お話があったようなメッセージをうたっていくことも重要だろうと思います。
 大塚先生。

○大塚委員 恐れ入ります。全体的な話をした後、ちょっと細かい話をちょっとずつしていきたいと思いますが……。

○鈴木部会長 なるべく簡潔にお願いします。

○大塚委員 浅野委員が先ほど言われたように、第一次、第二次というのは、それぞれ特色のあることをしていって、第二次の環境基本計画は、この考え方というのを出しているところと、それから手法に非常に重点を置いているところと、戦略を11例挙げたというところなどに特色があると思いますが、今回第三次として何を目玉にするかというのは、よく考えていった方がいいのかなと思っています。資料2は、私自身は全く異議がございませんが、ただちょっとパンチになるようなことが出てきていないという山本委員のご議論は私もそう思ってしまわざるを得ないところがありまして、先ほどお話があった指標のところなどは、私はきょうちょっとおくれて来て申しわけなかったのですけれども、もしわかりやすい指標を今回出せるのであれば、そういうものを目玉にするということは一つ考えられるのではないかと思いますけれども、何を目玉にするかというのはぜひ検討していっていただきたいと思います。
 あとは細かい話に移りますが、参加については、先ほど天野委員がおっしゃったような問題があって、オーフス条約の問題も出てきていますが、環境基本計画で従来使ってきた参加の概念はどちらかというと取り組みという意味で、そういう意味では通常の用語からすると少し特殊ではあったわけです。しかし、それが定着してきてしまっておりますので、別な意味での参加の話を先ほど天野委員がされたわけで、それは日常用語とするとむしろそっちの参加の方が普通なんです。ですから、2つの参加が関係してくるんだということを認識した上で、その4つの長期目標というのは維持できるのではないかと私は考えております。
 あと、考え方についてですけれども、予防とか、あるいは負担について、汚染者負担原則の考え方というのは、環境基本法にあらわれてはいるのですけれども、余り明確に出ていないところもあって、私はぜひ二次計画に続いて三次計画でも維持していっていただきたいと思っております。
 それから不確実性についてですけれども、5ページ、6ページに書いてあることに私も賛成で、不確実であっても対応していかなければいけないと同時に、場合によっては後で過剰に規制していることがわかった場合には施策を変更するということも必要であると考えております。
 もう一つだけですけれども、先ほど浅野先生がおっしゃったところとの関係で言うと、ドイツの持続可能性の戦略というのはまさにヨハネスブルグ・サミットとの関係でつくっていて、恐らく環境省というよりは全政府、さっき座長の鈴木先生がおっしゃったように、内閣府で考えるようなものになっているのではないかということで、環境報告書と持続可能性のための報告書との違いと同じような問題が実はこの計画のところにもあります。しかし、それを踏まえながら、環境の面から経済を取り込むというスタンスが基本的には必要ではないかと思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました、非常に簡潔にまとめて。
 それでは、青木委員、次に河野委員。

○青木委員 ありがとうございます。私は、今までの環境基本計画はそれなりの成果を十分上げてきておりますので、その継続性などから申し上げまして、大筋は踏襲していくべきだということだと思います。もちろん、重点の置き方とか、達成の状況が悪いものを重点にするというのはあると思いますけれども。一番難しいのは、今までの計画の中で、崎田委員もご指摘になっておられるようですが、ライフスタイルと環境教育が一番難しい。ほかのものは、いろいろな手法などができておりますので、いろいろ充実させていくところはもっと議論していけば何とかなっていくと思うんですけれども、非常に難しいのはライフスタイルと環境教育だろう。この辺のところをもう少ししっかり議論していくべきだろうと思います。これは京都議定書の達成計画も同じでございますけれども、計画の性格上、人がどうも隠れてしまって、いろいろな物を主体とした計画になってきてしまうわけですけれども、人の意識が変わってくれば、利用方法、エネルギーの使い方等も変わってくるわけでございますので、一番大事なのは人間。その意識を変えていくためには、ライフスタイルと環境教育をセットにして大きく取り上げて考えていくべきだろうと思います。非常に難しいというのはよくわかりますけれども、逃げてはいけないだろうと思います。
 また、私どもの人生を考えていきますと、子供というのは非常に自然だとか環境というのを好きなんですけれども、それが大学受験を経て20代ぐらいになってくるとすっかりそういったものを忘れてしまう。それから、私は緑と花のテストの方も関係しているのですけれども、これを見ていますと、50代、60代の女性の方というのは非常に関心が高いんです。だから、今私どもはそういったところを中心にして、家庭の中で子とか孫に教えていく方向に持っていくべきじゃないかということでいろいろ考えているわけでございますけれども、そういった人の一生を区切った段階でどういうところにどういう教育をしていけばいいのか。これは学校教育も地域教育、家庭教育も同じだと思うんですけれども、学校教育を軸としたそういった戦略。それから、現在で考えれば、教える教師も足りないでしょうから、そういった教師をどのようにしていくかとか、もちろんそれぞれの部署があるわけですけれども、総合的な戦略を立てていくべきだろうと思っておりますので、その辺をよろしくお願いいたしたいと思います。
 それから、先ほどの山本委員のご発言でちょっと、本当は地球環境部会で発言しておけばよかったんですけれども、私は、気候温暖化というのは、日本の「温暖化」というのはネーミングがやわらか過ぎと思います。「温暖な土地」というと非常にいい土地なんです。例えば、伊豆半島は温暖だからそこに住みたいとなるので、「温暖化」というのはもう定着した言葉ですから変えるわけにはいかないと思うんですが、例えば「気候条件の破壊」とか、そういった副題をつけていくとか、これは恐ろしいことなんだということをイメージするようなものをつけ加えていくべきだろうと思います。
 ちょっとつけ加えて、申しわけございません。以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 河野委員、次に鳥井委員、お願いします。

○河野委員 ありがとうございます。第三次環境基本計画の枠組みとして8ページにある第二次を踏襲するということについては、賛成でございます。2点だけ要望ということでお話しさせてもらいたいと思います。
 地方といいますか、自治体が環境問題に非常に熱心に取り組んでおりますが、自治体も環境基本計画ということで、数え方にもよるかもしれませんが、600ぐらい、もっと多いかもしれませんが、取り組んでいます。中身を見ますと、環境省の環境基本計画を踏襲したようなものが非常に多うございます。8ページの[1]の戦略的プログラムの実施ということについて、もう少し自治体とのタイアップということについて書き込んだ形のものにしてもらえればと思います。
 それからもう1点は、先ほど佐和先生の方からストック、フローの話が出ましたが、資料2の5ページの[2]に「国土、地域、自然環境の環境面からの質の向上」となっておりますが、あらかじめいただいていたものでは「ストックの視点から」と書いてありました。私はこの表現に個人的には賛成であります。環境問題については、先ほど座長の方から、ストックをいじることはできなくて、フローを通じて間接的にストックに影響させるというご発言がございましたが、フローの対策が結果的にはストックに影響するということであります。環境基本計画で随所に大気とか水とか土壌とか緑あるいは森林等のストック面について記述はあるのですが、正面からストック面を取り上げて議論しているという箇所はないように思います。今回ぜひ、2030年という将来はストックがどうなるかということを、つまりストックは環境の質ということになるんだろうと思いますが、その将来の2030年の環境の質を考えるということであるならば、やはりストックということを正面から取り上げていただきたい。もし「ストック」という言葉が国民になじみにくいということであれば、「国民の資産としての自然環境」という表現でも良いと思います。「負の遺産」という言葉を使っているぐらいですから、「資産」という言葉ぐらいは国民にも理解していただけるのではないかと思うのです。環境の状況といいますか、ストックについてきちんと議論して書き込むということをしていただければと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 では、鳥井委員。

○鳥井委員 手短に申し上げたいと思います。
 けさテレビを見ていましたら、リサイクル法ができたがために日本の中古車がどんどん外国へ売られているという話が出ていました。それだけ排出のいい車が日本に普及するわけでありますが、日本を持続可能な社会にするということが世界の持続可能には必ずしもつながらない。それから、もっと言いますと、身近な環境を守るということが日本社会の持続可能性に必ずしもつながらない。つまり、身近なことから始めればすべてが解決するかというと、そんなことは全くないということだろうと思うんです。今回はここの構造を少し明らかにすべきではないかなという感じがします。環境基本計画が日本の持続可能な社会を実現するというところに重点を置くのか、世界の持続可能性というところにも相当踏み込むのかというところは、少し考えどころかなという感じがするんです。
 それと絡んでなんですけれども、先ほどの山本先生のお話とも絡むんですが、環境教育、環境学習は大切だと皆さんおっしゃったわけですが、ただ、例えば宇宙関係の議論をやっているところだと、せめて宇宙の話は子供たちにと、教育が大事だとおっしゃるんです。それから、お金の詐欺だとかそういう事件が出てくると、せめてお金の基本的な知識は人々にちゃんと教育するべきだというんです。それで、最近の暴力の話が出ますと、命の大切さというのはと出てくるのです。もちろんエネルギーの分野でもそれは出てくるんです。だけど、考えてみたら、そんなにたくさん、知識はもう幾何級数的にふえているわけです。その知識を人々に与えようなどと考えたって、そんなもの、うまくいくわけがないです。環境の話だってそうです。そうすると、多分そういったことの基本にあるのは、少し合理的な議論ができる知的基盤を国民の中につくっていくということなんだろうと思うのであります。
 合理的に物事を考えられるという習慣が国民の間につけば、これは環境の問題でも、お金の問題でも、命の問題でも、共通してものを判断できる原点になるわけです。そのように考えてみますと、例えば文科省あたりは科学技術を理解してと、これもまた個別の知識を与えようとしていて、私はナンセンスだと言っているわけですけれども、いろいろなところで協力し合って、合理的な議論とはどういうことなのかとか、そういうことを国民に訴えていく。それで、それがまた環境文化にもつながり、命を大切にする文化にもつながりというところをねらってやらないと、環境がこうなっていますから、ああなっていますから、どうでしょう、こうしましょうだけではどうもだめかなという感じがしています。その辺を少し今回は踏み込んだらいいんじゃないかなと思います。
 以上、2点であります。

○鈴木部会長 なかなか難しい問題になってきましたけれども、またご議論いただきたいと思います。
 それでは、大分たくさん手が挙がるようになりましたので、江頭委員、武田委員、速水委員、渡辺委員の順番でお願いいたします。

○江頭委員 気が小さいものですから、余り十分に言えるかどうかわかりませんが、ちょっと話させてください。
 環境教育について、8ページにいろいろな面から書いてくださって、大変ありがたいことだなと思います。私は、人間はどなたも、自分の身の回りの環境、それから世界の環境、いろいろな環境の影響を受けながら育つ、そして周りの環境に影響を与えながら育っていくということをいつも考えております。ということは、人づくりのための環境教育であると、私はそう思って実践してまいりました。なぜかといいますと、例えば今、命の大切さとか金銭教育、どれをとってもすべて人間づくりにつながるということです。でも、あれもこれも総花的に教育はできないので、私は環境教育というものを一つの窓口にして、または手段として育てました。それで、それは崎田委員が先ほど心の教育とおっしゃったような気がするのですが、私もそうなんです。心なんです。人間の心、そして、よい行動ができる人間を育てる。例えば、環境の活動をする中で人とかかわり、そしてその中で協力することがこんなに楽しいことかという喜びを感じる。または人とかかわり、けんかをする。意見が合わない。その中の葛藤。その葛藤を何回も経験しながら、自分はどう生きていかなければいけないかとか、または、みんなでやってみたものの失敗した。失敗したときの悲しみ、それをどうやって乗り越えるか。そういう人間が育ってこそ、環境をよくする人間がいっぱい広がっていくんじゃないかと。私の実践は本当に小さなことだったと思うんですが、それをみんながやっていく。地域の力をいただきながら、学校の力をいただきながら、みんなで子供を育てていくという、また大人も同時に育っていくという環境教育を進めていきたいなとずっと思っていました。そこで、そういう意味で環境教育をここに例えばということで取り上げていただいたんですが、この考えはありがたいことかなと思いました。
 それから、この三次環境基本計画を立てるに当たりまして、そういう意味で人間が環境に影響を与えているということを考えれば、人間1人1人が心をもって、活動をもって、行動をもって変えていかなければならないんだという意識を1人1人の国民が持たなければいけない。それを持てるような、そういう大きな立場から、そして非常に身近なところの行動ができるような、そういう筋道の立った基本計画にしていきたいなと思います。
 それで、二次を踏襲するということについては私も反対はいたしませんが、踏襲しながらも、変えていくべきところは変えなければならないのではないかと。また、後ろの方に新しく加えていかなければならないものもいっぱい出てきたと思います。100年先なのか、500年先なのか、それはどこまでを視点に入れた方がいいか、私はわかりませんが、その先を見ながら、はっきりどこへ進んでいくのかという目標を日本の国として設定しなければいけない時代がそろそろ来ているのではないかな、環境省だけで目標を設定してもしようがないのではないかななどと日ごろ思っております。どうも。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、武田委員。

○武田委員 ありがとうございます。先ほどの鳥井委員のお話とも若干関係するわけでございますけれども、1点、アジアとの関係について申し上げたいと思います。
 この資料を拝見していますと、「持続可能な社会を作り出すための考え方」というところには国際的な取り組み、アジアとの関係というのをたくさん書いているのですが、最後の「持続可能な社会に向けた重点的な取り組み」というところにきますと、1の[3]のところに「国際的寄与・参加の推進」という1行があるだけで、あとは出てこないように私には感じられます。むしろ、これからの重点的な取り組みのところにアジアとの関係というのをもっと強く打ち出していくべきではなかろうかと私は思います。
 その理由は、もちろん幾つかあるのですけれども、1つは、現在の京都議定書を批准している国の排出量は全世界排出量の3分の1しかないということでございまして、3分の2が言ってみればコントロール外にあるわけです。しかも、その部分の排出量がますますふえるという状況がある。特にアジア、中国ないしはインドがこれからの排出大国になるというのはもうみんな言われていることでございまして、地球全体をよくするためには、日本だけやってもなかなかよくはならないし、現実に中国で対策がおくれれば、日本に現実的な影響が及んでくるということになっているわけです。例えば中国においても、エネルギーの効率化ないしは環境対策というのは彼ら自身にとって非常に切実な問題になっていると思っておりますので、日本としては、国内だけではなくて、そういう国々との共同の政策展開というものを大きな部分として持ってくるべきではないかと思います。それが、現在の京都議定書に関して言えば、近未来的ないわゆる京都メカニズムのCDMというところで我々の6%削減の達成の一助にもちろんなるわけでございまして、そのための基盤整備ということを政府としてやらないといけないわけでございまして、そういうアジアとの関係の取り組みをもっと大きく重点的な取り組みのところにぜひ挙げていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、速水委員。

○速水委員 先ほど河野先生が社会資本のことに触れられたのですが、私も、先にいただいていた資料には「ストックの観点に着目した自然・社会資本の質の向上」という、今ある資料の5ページ[2]のところがそういう名前になっていまして、その最初の

○のところに、既存の社会資本をどう扱っていくかという視点が書かれておりました。これは、今いただいている資料の2ページ目の下から2つ目の

○のところに、「現存するさまざまな人の手によって作られたものを有効に活用することによって持続可能性を高める必要がある」という項目が1つ書かれている。それに対応した文章だと理解していたのですけれども、今日いただいた部分がどこかに入っているのかなと思ってちょっと読んでいたのですが、なかなか出てこない。私は、ストックという部分も大事ですし、今ある社会資本をどのように見ていくか、どういう観点で見ていくかということが、今後財政も厳しい中で、人口が減っていく中で、非常に問題なんだろうと思うんです。
 私自身が、それこそ温暖な紀伊半島の先っぽの方に住んでおりまして、人口が1万人にも満たないような町でずっと暮らしておりますと、そういう社会資本整備を求める気持ちと、そしてその地域にあるいろいろな今までの既存の社会資本のものとをどう扱っていくかというのは、目の前でどんどん変化しながら見えていくものがあるわけです。その中で、今ある社会資本をどうリニューアルしながら使っていくかということが多分今後非常に重視しなければいけないポイントになってくるんだろうと。スクラップアンドビルドでやる部分は当然あるんでしょうけれども、それはひょっとしたら建物とか道路とか、そういうものだけではなくて、組織自体もそういうリニューアルをしながら維持していくといった発想を社会全体に持たせるいい機会になるんだと私は思っています。地方では、一般の方々が一生懸命リサイクルをやったりとか、環境活動をやりながら、目の前に突然今まであった古い小学校がボーンとつぶされて、それより小さな鉄筋の小学校が建っていくといったおかしな現象があって、だったら今まであった建物に少し維持すればいいものができるんだろう、そのほかの部屋をもっと使えばいいという議論がいろいろあるのですけれども、基本的にはそれを可能にする意識と、それからリニューアルを可能にする社会制度といったものをひとつ目指していかないと、それをやるぞと決めればできるはずでございますので、その辺はぜひここに書き込まれないと、他省庁との関係が非常に強い話なんだろうという理解はしておりますけれども、ぜひもう一度再考していただきたいなと思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 渡辺委員、それではその次に森嶌先生。

○渡辺委員 幾つか申し上げたいと思うんですけれども、先ほど浅野委員から、環境基本計画は何のためにつくるのかと。環境基本法の第3条、第4条、第5条に基本理念が定められております。確かに持続可能な社会に関しては第4条ですけれども、国が環境保全のためにとるべき施策というのは3条、4条、5条の3カ条の基本理念を実現するためのものだ、その原点に戻るべきだというお話を伺って、まことにそのとおりだと。であれば、別に持続可能な発展、大塚先生が心配されたような誤解もなくなるはずだと私は思います。
 それから、山本委員が何度かご発言されていますように、このままでは世界が大変だという危機感をみんなで共有しなければいけない。ただ、山本委員はかなり科学的に確立された見解であるといったお話でしたけれども、清水課長の話によれば、専門家がまたいろいろ検討されているそうですから、そこをさらに検討を深めて、確かにこのままほうっておいてはいけないという危機感を強調した文、部分といいますか、それをぜひ第三次の計画では取り込んでいただきたい。
 それから、前回も申しましたけれども、またどなたかきょうもおっしゃっていました、ライフスタイルといいますか、心といいますか、物の豊かさだけを追い求めることではどうにもならないということです。だから、この資料2に心理的といったことがありましたが、ちょっと違うのかなと。物の豊かさだけを追い求める考え方、価値観を転換するということが大事で、その点を強調した内容にすべきだと。それをもう少し具体的に言えば、環境と経済、環境と社会といった分け方がありますが、経済というのは、主として企業を中心にした経済活動だと思います。1人1人も経済活動をやっていますけれども、社会というと、どちらかといえば個人の日常の生活、あるいはその基礎にある地域での生活ということだろうと。だから、環境教育とか環境学習というのは手段のまた手段のようなものですから、この資料2の終わりの方にありますけれども、人づくり、地域づくりが大事だと。それが価値観の転換を含めて、どうしても望ましい環境を実現していく上で必要なことだと思います。
 したがって、全体としてこの資料を私は了といたしますけれども、了とするというか、問題点を摘出しただけなんですが、今申し上げたようなことをさらに深めて、具体化を図っていきたいと考えております。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 森嶌先生。

○森嶌委員 基本的には渡辺委員が今おっしゃったことと同じなんですが、実は、この環境基本法は12年前にできておりまして、その後に、先ほどどなたかがおっしゃいましたけれども、2002年にヨハネスブルグ・サミットがありました。そして、ドイツなどの持続可能性の目標ができています。では12年前にできた環境基本法は我々が新しい概念を入れるのに邪魔になるのかというと、そうではありませんで、これは先ほど浅野さんがおっしゃいましたけれども、4条を見ますと、ちゃんと持続可能性まで入っております。長い文章ですから――これは法律家の悪いくせでして、条文の規定を参照したがりますので関係のところだけ読みますと、4条で、「環境の保全は」、途中を抜かしますと、「健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会が構築されることを旨とし」、「行われなければならない」と、途中いろいろなものが入っていますけれども、「持続的な発展」がちゃんと入っているのです。それでは、「環境への負荷」とか「環境の保全」と書いてあるので、環境基本計画は環境省ができることしかやってはいけないのではないかというので基本法を見ますと、基本法では環境というのを非常に広くとらえておりまして、実は環境というのは定義されていないのです。公害というのは定義されていますけれども。ということは、ちょうどヨハネスブルグでそうであったように、環境という概念は社会も含めてどんどん広がっているわけですから、その意味では、今我々が議論する環境基本計画では、今の世の中、これは外国や国際的な関連も含めて、あるいは山本さんなどが言われた、Climate Change気候変動という問題の内容も含めて、環境基本法ができた平成5年とは時代が大分違っているわけですから、広い意味での持続可能性を含めて環境基本計画を我々は議論できるわけです。これは法律家のように保守的な存在であってもちゃんとできるということは、多分浅野さんも賛成されるでしょうけれども、保証できます。
 そうだとすると、第三次計画にはきちんとそれを入れてくるべきでありまして、第二次の各分野に関する戦略的プログラムのセクションに入れるのか、どこに入れるのかはともかくとして、私は、まず社会のパラダイムシフトというのが現在大きな議論になっているわけですから、第三次計画の冒頭に社会のパラダイム転換という項目を入れてくるのがよいのではないかと思います。そこでは、先ほど崎田さんなどもおっしゃった心の変化というのも大事ですけれども、むしろサステイナブル・コンサンプション、我々の社会における生産・消費の変革を求めていく。それは100年とは言いませんけれども、5年、10年先には社会構造を変革していかなければいけないわけですから、少なくともこの第三次の環境基本計画においてそれをスタートしなければいけません。私はこういう言葉は余り好きではありませんけれども、ファクター4とか、ファクター10とか、要するに省エネ・省資源ということをやっていかなければならないわけです。そうでなければ、広い意味での環境、資源とか、エネルギーとか、そういうものに対して負荷を与えていくわけです。具体的な数値目標は設定できないかもしれませんけれども、それに向けてのいろいろな政策手段はあるわけですから、大塚さんは目玉、目玉と言われたけれども、私は第三次の目玉はパラダイムシフトにすればいいんじゃないかと思います。そこでそれをスタートさせるということを私としては提案したいし、どこのカテゴリー、各分野か、どこに入れるかはともかくとして、社会のパラダイム変化、私は英語は余り使いたくありませんけれども、それをここから始めるべきです。
 これは座長に申し上げますけれども、内閣府でやらなくたってちゃんとここでできますから、どうぞ余り心配なさらずにここでやれば、閣議で決定した後各省はそれに向かってやらなければなりません。現に、例えば交通などのことは、各省にわたることでも、ここで決定したら、各省でやってくれるかどうかはわかりませんけれども、現に今までもここで決めたのは各省は嫌々でも出てきてちゃんと点検までやっているわけですから、ここで決めれば各省はいやでも応でもやることが法律上は期待され、あるいは義務づけられているわけです。
 また、第二次計画の中に「循環」とあって、「循環型社会の形成に向けて」と格好よく書いてあるけれども、中身を見ると要するにごみのリサイクルしか書いていないんですけれども、こういうところを本当に循環型の社会をきちんともう一度再構成すれば、私はもっといいものになると思いますので、その辺から議論していったらどうでしょうか。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 法律上からもちゃんとある意味では保証していただいたわけですから、安心して幅広な議論をしていただいて、格調の高いものをぜひつくっていきたいと思います。
 それでは、佐和先生。

○佐和委員 どなたも触れなかった5ページの一番下にある2の[3]の点について、ちょっと意見を申し上げたいと思います。
 まず、これは国語の問題としてちょっとおかしいのは、最初に「最大限の科学的知見」と書いてあります。これは後のコンテクストからすると「最新の」でしょう。「最大限の科学的知見」という言い方を普通はしません。ですから、「最新の」に改めていただきたい。これは最終的な文書でもないわけですが。
 その次に「科学的知見は常に進歩するものであり」とありますが、大体科学哲学者とか科学史家に言わせれば、「科学は進歩する」などと言ってはいけないのです。ですから、ここは「深化」、「深まる」と直していただいた方がいいと思います。
 それから、つまりかくかくしかじかで、こういう前提のもとで施策決定はどうあるべきかと、このことは、ほとんどオートマティックにインプライしていることは、やはり予防原則に立つということだと思うんです。つまり、科学的知見というのは、恐らくといいますか、これはもし誤っていたら山本先生にご指摘いただきたいのですけれども、要するに温室効果ガスの大気中の濃度の上昇というのが、今現に起きつつあるような、どういうClimate Changeを引き起こすのかといった因果関係を科学的に証明することは、目下のところはできていないし、恐らく100年たってもできないと思うのです。しかも、大気中の濃度が一体どの程度が危険水域かと言ったら、かつては、つい最近までは550ppmと言われていたのが、最近は突然450ppmと言われ始めたりもしているということで、550ppmという数値ですら科学的に根拠のあるものでは必ずしもない。聞くところによると、産業革命以前の大気中の濃度は280ppmだから、それを約2倍して10ほど、四捨五入でもないですけれども、切り捨てて550にしたといった話もございますが、いずれにしてもそういったことで、この温暖化問題あるいは気候変動問題に関する科学的知見が今後飛躍的に深化するとはなかなか考えがたい。
 そして、ここにもその先に書かれていますように、要するに将来世代に及ぶとか、あるいは後戻りがきかないとか、そういうことからすると、やはり予防原則に立つという立場を、これは気候変動枠組み条約の中にそう書かれてもいるわけですから、もっと明確に打ち出された方がいいと思うんです。例えば、遺伝子組み換え作物に対して、ヨーロッパはそういうものは輸入しないと。逆に、アメリカのアグリビジネスは、あれは人体に有害であるとか、あるいは家畜にそれを食べさせると何か問題が起きるなどということは科学的に証明されていないではないかというわけですが、ヨーロッパの人に言わせれば、今食料は足りているのではないかと。だから、あんなものを食べなくても、あえてひょっとすると危険かもしれないものは今入れるべきではないと。温暖化問題についても、科学的知見が不十分であると言う人がいますが、私は、いつまでたってもその科学的知見が十分にはならないと思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 はい。

○山本委員 誤解が幾つかあると思いますので、ちょっと申し上げたいのですが、まず不確実性の問題です。これは私がいつも申し上げているのは、不確実性をでたらめと考える人がかなり日本人にはいる。これは不確実性とでたらめは全く違うわけで、不確実性の大半は未解明の問題か、あるいはシナリオによって結果が異なるということかです。ですから、ぜひ気をつけていただきたいのは、不確実性と書くときに、その中身をきちんと書いていただければ、誤解が防げるのではないか。
 それから、今の先生のご発言で若干誤解があるかと思うのは大気中の炭酸ガスの濃度のレベルなんですが、550というのは炭酸ガス換算での温暖化効果ガスの水準なんです。ですから、メタンガスとか、ほかのガスを100ppm引き算すると、炭酸ガスだけで言えば450ppmなんです。ですから、別に550ppmを450ppmにしたというわけではなくて、他の温暖化効果ガスを加えて550ppmなんです。ただ、その450ppmも、現在では2℃突破されてしまいかねないと。ですから、炭酸ガスにして400ppmに抑えなくてはいけないという議論が今主流なんです。既に空気中の炭酸ガス濃度も380ppmに近づいていますので、もうほぼ2℃突破は時間の問題だというところまで来ているわけです。ですから、その2℃に抑えるというのが本当に人類の生死存亡をかけた戦いになると、多くの学者が思っているわけです。
 それから、先生の予防原則の話は私は全く大賛成でして、ただ予防原則のときに問題は先生のご専門のコストの問題で、ですからリーストコストプリンシプルというか、どのくらいの投資、どのくらいの将来のダメージコスト、総合的なコストをミニマムにする戦略を我々は選ばなくてはいけないわけです。それをこの15年間ぐらいで人類は、だから今ならミニマムコストメジャーを導入できるんだけれども、15年たつと、もうその機会を失ってしまう。4月28日のジェームズ・ハンセンの論文も、結局タイムラグがあるというわけです。だから、地球に蓄えられた熱はほとんど海が持っているから、それが空気に転移していくときに、気温の上昇に時間がかかるわけです。ですから、今、大気中の温暖化効果ガスの濃度を一定に保ったとしても、温度が0.6度上がってしまうというわけです。ですから、このまま放置を続けると、0.85w/m2の温暖化が今進行しているわけです。これをうっちゃっておくと、あと15年もすれば、もう引き返すことができないところへ追い込まれてしまう。ですから、ギャンプルをすべきでないということが、ヨーロッパの科学者の共通の見解なんです。そういうことです。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、松原委員、筑紫委員、田中委員。あと残り10分しかありませんので。

○松原委員 短時間ですので、要望だけ述べさせていただきたいと思います。
 今、山本委員の方からも述べられましたように、地球温暖化の問題を初め、この不確実性の問題は非常に複雑な因子を擁しているわけで、環境問題は一時代前よりも非常に総合的で、専門的にも難しい問題になってきていると思うんです。そういう背景の中で、森嶌先生などからもパラダイム変化のことが述べられましたけれども、私は社会の中で環境教育あるいは環境管理を進めていくブレーンというものが必ずしもきちんと育成されていないということに非常に危機意識を持っております。
 それで、可能ならば、国家資格のような、一つの環境管理士なり、何か資格をぜひつくるようなことを提言してはどうかと私は思うんです。というのは、この古い環境基本計画によりますと、環境コーディネーターとかファシリテーターとかプランナーとか、いろいろな言葉が出ていて、それが結局参加と協働ということで環境政策の推進の主体になるような雰囲気で書かれているわけですけれども、そういう人たちがどういう基礎知識を持ってどのような判断で環境について一般の人たちとともに学習を進めていくかということを考えてみますと、やはり専門的な学習のベースというものをつくる場所が非常に不足していると思われます。ただ、世の中には環境学部といった大学や高等教育機関もたくさんあるわけですけれども、一本にまとまっていないというところが非常にレベルを低くしているのではないかと思うんです。そういう意味から、例えば原子力の分野ですと原子力主任技術者ということで、一つの国家試験のような枠というものがあるために、ある種の分野ではかなり勉強する人が継続的に確保されているわけですけれども、環境問題については、私の見聞きしたところでは、必ずしもそういうものはなくて、割と漠然としているわけです。日本でもISO14000が出てからバーッと企業体で環境のことを勉強する人はふえてはいると思うのですが、これは別だと思うんです。そういう意味でぜひ、人材育成ということは非常に時間がかかりますので、それを目指した環境の専門家、資格付与を環境省を中心に今後議論していただいてはどうかなということを一言申し上げたいと思います。

○鈴木部会長 一つのご提案ということで。
 それでは、筑紫さん。

○筑紫委員 私は環境投資ということを。9ページの方で、ちょっとわかりにくい表現になっているのですけれども、こちらでぜひ国として環境産業を育てていくと。そして、例えば戦後の日本が傾斜生産方式ということで、重点的に育てたいある産業に重点的に予算を配分して、ある産業を育ててきたということがあるのですから、環境立国ということを国が掲げるのであれば、徹底的に環境産業に投資をする。その際、特に年金の運用の中で環境産業に対して投資をしていくということをもっと掲げていくべきだと思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 田中委員。

○田中委員 簡単に2点ございます。これはいただいた資料の6ページから7ページにかけてのことなんですが、ここで参加と協働と役割分担という指摘がありまして、例えば民間でできることは民間で、あるいは地方でできることは地方でという政府の方針のもとで、それぞれ車体の活動を活性化していく、あるいは広げていくという趣旨のお話がありますが、この前提は、やはり国でできることは国でやらなければいけないということだと思うんです。ですから、国、民間あるいは地方行政といういろいろな3者関係、4者関係があるわけですが、そうすると、専ら政府もしくは行政が行うこと、それから行政とあるいは民間あるいは市民と連携して、あるいは協働して行うこと、むしろ市民や民間が主体的、自主的に行うこと、そういう整理のもとでこの役割分担、それから参加と協働というところは考えたらいいのではないか。この考えですと、やや国と地方が2項関係でとらえられているような感じがします。そこをちょっと注意してほしい。これが1点目でございます。
 2点目は、次の7ページのところに、例えば同じ行政と民間との適切なコミュニケーション等々の話がありまして、書いてある趣旨はよくわかるのですけれども、例えばその情報の収集とかということは、行政の立場から情報収集あるいは情報発信をしていくと。例えば、行政が施策を効果的に実施するために、民間に対して情報発信をしていく。これはこれで、考え方がよくわかります。もう一つは、さっきも言いました民間とか市民が自主的に、あるいはみずからのこととして行っていくためにも情報発信が必要、あるいは情報の提供が必要であるわけでありまして、そういう観点もここに考えておく必要があるのではないかということです。
 以上2点でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 萩原委員、それでは最後に。

○萩原委員 今の田中委員ともつながるところなんですけれども、1点だけ。
 環境教育のところで、情報教育というのは非常に重要であろうと思います。というのは、山本委員とか鳥井委員がおっしゃっていたように、今どのような危機が身近に迫っているのかということを正しく把握することとか、何をすべきであるかということを総合的に判断する力というところで、自分で、単なる受信者ではなくて、情報を積極的にキャッチしていく、そういう人材を育成していくということも非常に重要だと思いますので、そのあたりを上手に書いていただければいいなと思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 まだありますか。

○大塚委員 10秒だけでよろしいんですが、すみません。

○鈴木部会長 それでは短く。

○大塚委員 先ほどの森嶌委員のお話は私も全く同感でありまして、私がちょっとオブラートに包んで言ったので、それがご認識いただけなかったのかもしれませんが、持続可能な発展自体の概念は私も前から変わっていないと思っていて、もちろん環境基本法にありますので、そのとおりだと思っておりますし、Climate Changeの問題についてとか、環境の面から経済のところに入っていくということは、もうどんどんやっていくべきだと思っていますので、賛成です。ただ、このオランダとかドイツの計画のように、雇用は入るかもしれないけれども、高齢者とか、社会の団結とか、そういう本当に上から経済を見るような話はちょっと入ってこないのではないかという趣旨です。
 あと、田中委員のお話は私も同感でした。
 失礼しました。

○鈴木部会長 大変、きょうはいろいろと建設的なご意見も含め――含めと言うと変ですが、(笑)いろいろとご意見をいただきました。重要なのはいろいろあると思いますが、どういうきちんとした国民に対するインパクトのあるメッセージを送るか、パンチのあるもの、目玉でしたか、それをどうするかといった、これはぜひ今後詰めていきたいと思います。今は単に目の前の問題点をクリアすればいいという時代ではないということで、将来のビジョンに向かって、そのビジョンを極めて明確に立てて、ファクター4とかという話もありましたが、私などは個人的には、もうゼロエミッションぐらいのことをきちんと打ち出して、そちらの側からバックキャストをしてみるといったことも、今は必要なんじゃないかと思っております。
 例えばエネルギー消費であれば、ヨーロッパなどはもう既に、例えば化石燃料を2050年には50%以下にする、国によっては80%減などということを言っているところもあるわけです。そういう社会はどういう社会なのかといったことを想定して、それに向けて一体5年間でどうするのかといったことも考えていくぐらいの、そういう基本計画であると本当はよろしいんじゃないかと思います。
 そういうことになりますと、森嶌先生がおっしゃった、まさにパラダイムを、高度成長パラダイムからサステイナビリティーに向けたパラダイムにどのように変えていくのか。その2つのパラダイムはどこが違うのか、どのように違うのかなどということも、あるいは議論しておく必要があるかと思います。そういうパラダイムシフトが示されたとして、そこに向けて、それでは我々はどう変わっていくのか。人づくりをどうするのか。ライフスタイルとしてはどのように変えていくのか。これをまた環境教育などという言葉を使ってしまうと、ある意味では非常に手垢のついたと言っては失礼ですが、そういう言葉になってしまっていて、非常に難しいところだと思うんです。ヨハネスブルグでも、サステイナブル・ディベロップメントに向けた教育の10年という、これは日本政府が提案して認められて、今年から動き出すわけです。サステイナブル・ディベロップメントに向けた教育などというのができるのか、何を教えるのかというのは私は非常に不審に思っているんですが、ともかくそういう形で動き出して、それは環境省も非常に重要なコンポーネントを担っているわけです。
 環境省で教育の話をすると、文科省とどのようにぶつかり合うかとか、いろいろな問題があるかもしれませんが、環境省の中でも、教育をどう受けとめてどう考えていくのか、その辺のところに、心の問題、それから国家資格の問題といった話もありましたが、いろいろなところをどう組み込んでいくのかというのも、非常に大きな問題だろうと思います。しかしながら、根本になるのは、国の基本である人をつくっていく、心をつくっていく。こういうところにそれがつながっていけばすばらしいと思うんですが、パラダイムシフトという面では、社会資本をどう管理し、どうメンテナンスしていくかということも含めて、社会システム、脱物質化といった、経済と幸福といったものをどうリカップルするか。いろいろな難しい問題があろうかと思いますが、せめてそういうところまで踏み込めればと個人的には思います。
 それから、個と全体の問題といいますか、周辺。かつて「自分以外は皆環境」とおっしゃった大先生がおられて、私はまだ若いころでしたから、大変ショックを受けて感銘を受けたことがあるのですが、日本だけがどう、あるいは地方だけがどうという問題ではなくて、鳥井委員がおっしゃったように、そこをサステイナブルにしようとすると、それはアジアにつながってくる。個と全体の問題というのもぜひこの辺で少し整理しておかなければいけないと思います。地方と国の問題というのは、今、地方が三位一体によっていろいろな意味での変革を遂げているところで、タイミングとしては、ここである意味での地方に対するメッセージ、地方自治体に対するメッセージも送らなくてはいけないという面もあるかもしれません。
 事ほどさように、ともかく大変な問題がいろいろと周りを取り囲んでいるわけで、自治体の問題、住民の問題、そして民間の問題としては、先ほど環境投資というお話がありましたが、幸い、もし環境税が動き出したら、その環境税をどうそういう方向に向けていって、サステイナブルな国づくり、あるいは二酸化炭素発生抑制につないでいくのかといったことも、ここでは取り上げにくいのですかね。(笑)そういったことも視野に入れておかなくてはいけないのかななどと思います。
 まだまだいろいろご議論いただきました、不確実性に対して予防原則をと、そういうところで国民が一体どういう形で決定に参画していくのか。非常に難しい問題ですが、こういう問題をきちんと取り上げていかないと、意味のある環境基本計画にはならないのではないかと感じておりますので、ぜひぜひ今後の議論を通じて、またいろいろな作業にこれからも加わっていただくことになっていくかと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
 幸いなことに、皆様のご協力を得て、目標とする5時半に終了することができました。大変ありがとうございました。

その他

○鈴木部会長 それでは、事務局の方から連絡事項がありましたら、お願いいたします。

○佐野環境計画課長 本日は大変ありがとうございました。なお、さらにご指導、ご指摘等ございましたら、またメモでちょうだいできれば幸いでございます。
 それから、次回でございますが、6月13日14時から17時まで、次回の会場は経済産業省別館でございます。それから、5月27日、来週金曜日までということで出欠のご確認をお願いしているところでございます。
 なお、温暖化対策の一環としまして、政府では6月から9月までの間は総理官邸といえども上着・ネクタイ着用に及ばずということになりましたので、次回からはどうぞ軽装でお越しいただければと思います。

○森嶌委員 及ばずではなくて、つけてはいけないということですね。

○佐野環境計画課長 私どもの大臣は、もう大臣室にはと申しておりますので。

○森嶌委員 総理は。

○佐野環境計画課長 総理も、はい。

○森嶌委員 わかりました。

○鈴木部会長 よろしいですか。
 それでは、次回はそういうことでございますが、本日のご議論を受けまして、論点整理、また基本的な基本計画の構成といったものをもう少しこちらの方でまとめさせていただいて、次回の議論に進みたいと思います。
 今日はどうもありがとうございました。


午後5時30分閉会

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