中央環境審議会総合政策部会(第25回)議事録

開催日時

平成17年3月17日(木) 10:01~12:09

開催場所

虎ノ門パストラル新館6Fアジュール

出席委員

(25名)

鈴木基之委員 崎田裕子委員 高橋滋委員 藤井絢子委員 桝本晃章委員 山本 良一委員 和気洋子委員 青木保之委員 浅野直人委員 飯田浩史委員 河野正男委員 久保田泰雄委員 猿渡辰彦委員 塩田澄夫委員 善養寺幸子委員 武田善行委員 田中充委員  永里善彦委員 中野璋代委員 中村紀子委員 福川伸次委員 松田美夜子委員 森嶌昭夫委員 横山裕道委員 渡辺修委員

議事

  1. (1)総合政策部会の運営について
  2. (2)第二次環境基本計画の見直しについて(諮問)

その他

閉会

配付資料

資料1   地球温暖化対策推進大綱の評価・見直しを踏まえた新たな地球温暖化対策の方向性について(3月11日中央環境審議会答申)
資料1-2[1]   大気環境対策の現状と課題について
資料1-2[2]   大気環境対策の現状と課題について(図表)
資料1-3[1]   水循環対策の現状と課題について
資料1-3[2]   土壌汚染対策の現状と課題について
資料1-4   廃棄物・リサイクル対策の現状について
資料1-5   化学物質対策の現状と課題について
資料1-6   生物多様性関連施策の現状と課題について
資料2-1   国民の状況について
資料2-2   企業の状況について
資料2-3 民間団体の状況について
資料2-4 地方公共団体の状況について
参考資料1 第二次環境基本計画の点検における指摘事項の概要
参考資料2 第二次環境基本計画における各戦略的プログラムの状況について
参考資料3 中央環境審議会総合政策部会名簿

議事録

午前10時01分開会

○苦瀬計画官 それでは、まだ若干おくれてこられる先生もおられますが、時間を少々過ぎておりますので、配付資料の確認からさせていただきたいと思います。
 お手元の配付資料のご確認をお願いいたします。本日、第二次環境基本計画の見直しについてのうち、環境政策の状況についてに関する資料が資料1と、その枝番のついているものでございます。資料1が地球温暖化対策推進大綱の評価・見直しを踏まえた新たな地球温暖化対策の方向性について、これが資料1の厚い冊子になっております。
 それから、資料1-2は[1]と[2]とございまして、[1]が大気環境対策の現状と課題について、大都市地域における環境基準達成状況というのが同じ資料1-2ですが[2]としてあります。それから、資料1-3がまず[1]が水循環対策の現状と課題についてでございます。それから資料1-3の[2]が土壌汚染対策の現状と課題について、資料1-4が廃棄物・リサイクル対策の現状について、資料1-5が化学物質対策の現状と課題について、資料1-6が生物多様性関連施策の現状と課題について、資料2-1が国民の状況について、資料2-2が企業の状況について、資料2-3が民間団体の状況について、資料2-4が地方公共団体の状況について、以上が資料でございまして、このあとに参考資料1として第二次環境基本計画の点検における指摘事項の概要、参考資料2といたしまして第二次環境基本計画における各戦略的プログラムの状況について、参考資料3として中央環境審議会総合政策部会名簿をつけてございます。
 このほかに「会議後回収」という紙の張ってあります環境基本計画等の資料もお手元にあるかと存じます。
 資料は以上でございますが、不足等ございましたら事務局の方にお申しつけいただければと存じます。
 それでは、議事の方をお願いしたいと思います。鈴木部会長、よろしくお願いいたします。

審議事項
第二次環境基本計画の見直しについて

○鈴木部会長 それでは、ただいまから第25回中央環境審議会総合政策部会を開催させていただきます。
 先ほどもありましたように、本日は前回に引き続きまして第二次環境基本計画の見直しについての具体的な審議をお願いしたいと思っているわけでございますが、前回の部会では環境基本計画の見直しに当たって踏まえるべき環境政策を取り巻く諸要因といたしまして、環境の状況の推移、そして社会経済の状況につきましてのご説明をいただき、委員の方々のご意見をお伺いいたしました。
 本日はそれに続きまして環境政策の状況について、各主体の状況について、この2つの議題がございます。事務局が整理をしております資料に基づきまして簡単にご説明いただき、ご意見をお伺いしたいと思っております。きょうはこの2つのトピックがございますので、それぞれ30分ほどの間にご説明をいただき、30分程度でご議論をいただくと。そういうことで、時間が大変限られていて恐縮ですが、この会議を進めたいと思っております。
 それでは、まず環境政策の状況について事務局からご説明をお願いしたいと思いますが、各分野について5分程度ということで、非常に限られた時間でございますので、この資料をごらんいただきながらご説明をお聞きいただきたいと思います。
 それでは、まず地球環境局の方から地球規模の大気環境の保全について、このご説明を清水さんでしょうか。

○清水地球温暖化対策課長 温暖化対策課長の清水です。よろしくお願いいたします。
 各ほかの分野はそれぞれ現状と課題ということでありますけれども、地球温暖化分野につきましては申しわけございませんが、要素がすべて含まれておりますので、第2次答申ということをご参考にお配りしつつ、この抜粋でご説明をしたいと思います。
 まず、ページを開けていただくと目次のところがありますが、この答申はまず背景、Iのところが地球温暖化に関する基本的認識と日本の取り組み、これが背景をあらわしております。それから、IIで大綱の評価、ここら辺で環境の状況ですとかあるいは施策の状況、取組の状況など、あるいは課題を載せております。それから、IIIというところで大綱の見直しを踏まえた京都議定書目標達成計画の策定ということで今後の方向性を出しているわけでございます。
 まず、3ページを開けていただければと思いますが、ここで地球温暖化に関する科学的知見ということで、これはIPCCのレポートになってございますので、3ページ、4ページ、5ページなどでここは整理しております。
 注目していただきたいのは、5ページ目の下の方に表がございますが、これは非常に簡単な模式図で、非常に単純化しているものでありますが、おふろが大気の状況をあらわしております。そこに水道から水が出て、おふろの横から水が出て行くということであります。これは水道が今人類が人為的排出を行っている、それに対して自然的吸収が抜けていくということですが、量を比べていただきますと人為的排出が63億t-C、それに対して自然吸収が年31億t-Cということですから、人為的排出がほぼ自然の純粋な吸収量の倍のペースでこうやっていると。このままでは大気中における二酸化炭素の濃度などがふえ続けるということでありますが、この温暖化対策の目的は、まず大気中の温室効果ガスの濃度を安定化するということになりますので、当然人為的排出を今後絞っていかなければならないということがあるわけであります。
 それから、9ページ以降は今まで国際的にどういう対応がなされてきていたか。気候変動枠組条約ができて、それに基づき京都議定書が合意される。それが11ページのところでことしの2月16日から発効したということであります。13ページ以降、それを踏まえて日本の取組ということでありますが、特に14ページ以降に環境の現状が示されております。我が国の排出量で見ますと、現在13億3,100万t-CO2というレベルでありますが、これは1990年レベルを7.6%上回っているということでありますので、この6%約束に向けた削減を進めていかなければならないという、そういうことであります。
 細かいことは省略いたしますが、特に排出量で22ページのところを見ていただければと思います。現在、それぞれ二酸化炭素の排出を見ますと、産業、運輸、業務、家庭、廃棄物など、いろいろな分野から排出されておりますが、これは主体別に見ますと企業・公共部門が約8割、家庭が2割というような、そういう状況にあり、それぞれ伸びておりますので、それぞれ削減が必要ということであります。
 対策についてこれは評価をしております。25ページ以降が現在の対策の状況の評価でございます。特にエネルギー起源CO2が非常に大きな分野でありますが、例えば供給部門における新エネルギー対策、燃料対策、原子力発電など、それぞれについて評価を行っております。進んでいる分野、進んでいない分野、それぞれあります。
 それから26ページ以降、これは事業サイドの分野別の対策を評価しております。産業部門につきましては自主行動計画などありまして、一定の成果を上げておりますが、26ページの下から運輸部門など、27ページの上の方に書いてありますように、自家用車の保有台数とか走行の伸びを背景としまして、運輸部門はなかなか厳しい。
 それから、次の28ページに行きまして業務部門、それから家庭部門でありますが、これもそれぞれ床面積の増加、あるいは世帯数の増加などを背景としながら、現在の温暖化対策の目標の達成が非常に厳しいという、そういう状況にあります。
 一方、温室効果ガスはCO2のみならず、そのほかのガスもございます。29ページ以降、非エネルギー起源CO2、メタン、一酸化二窒素など、これらはいずれも対策が進んでおります。
 それから、30ページで温暖化対策の分野で技術革新と国民各界各層による対策ということがあります。ここの分野についても目的が割り振られてあるわけでありますが、この評価がなかなか難しいということが書いてあります。
 それから、31ページ以降は代替フロンの3ガスの削減対策ということでありますが、これは削減がかなり進んでいる分野であります。
 それから32ページ以降、吸収源対策ということで、これは吸収量を確保する対策などもありますので、これは評価いたしますと3.9%目標に対して3.1%、あるいは2.6%ということで、対策が現状レベルでは目標を下回るおそれがあるということであります。
 それから、さらに京都メカニズムということで、海外と協力した対策のことが33ページ以降書いてありますが、これは単にクレジットを取得するのみならず、我が国の償却口座に入れるということをもって排出量のクレジットを日本の削減に役立てることができるわけでありますが、現状ではかなり厳しいというようなことが書いてあります。
 大変駆け足でまいりましたが、こういった対策の状況をこのままいったときどうなるかというのをまとめたのが39ページの表5という形になります。今まで申し上げた言葉の中で、特に排出量の方のところは、表5の右側に大綱の目標というふうに書いてございますが、温室効果ガス全体で大綱上はマイナス6%ではなくて、このほかに森林吸収源と京都メカニズムというもので5.5%を確保するという計画になっておりますので、大綱の目標上は右側に書いてございますように、-0.5%を確保すればいい。これに対して現状対策ケースの下を見ていただきますと、温室効果ガス排出量のところでプラス6.0ということでございますので、温室効果ガスだけで言いますと6.5%程度のギャップはある。
 それから、40ページにまいりましてそのほかの森林吸収源、それから京都メカニズムまでを含めて見ますと、これが6%目標に対して先ほどの排出量でいきますと12%のギャップということになるわけでありますけれども、吸収源対策の2.6%などを勘案しますと、2010年においてギャップが9.4%程度の不足がある。つまり日本の排出量が全体で13億t程度ある中、1億t以上の対策をとっていかなければならないという、大変厳しいということが課題であります。
 こういう課題に対しまして、現在政府といたしまして京都議定書目標達成計画を策定しております。かなり時間が押していますので内容については逐一ご説明できませんが、現在特に横断的対策ということで少し議論をしておりまして、61ページ以降を少しごらんいただければと思います。
 温暖化対策はそれぞれ各分野をやるわけですが、特に環境省の方で横断的分野について議論をしていましたので、ご説明したいと思います。61ページ以降、特にポリシーミックスということで、あらゆる政策手段を動員していく必要があるであろうと。それから温暖化対策、これは特にデータ整備をしながら、評価・見直しの仕組みをきちんとして、毎年毎年チェックをしながら対策の進行管理をしながら対策を進めていく必要があると。
 それから62ページ以降、普及啓発・情報提供・環境教育など書いてありますが、やはり国民の意識を変え行動を変えるというようなことがまず対策の基本に必要であろうと。
 それから63ページ、温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度というような形で、まずは排出量をどこからどれだけ出ているのかをみずから把握し、あるいはそれを社会に出して公表し、可視化しながら、すべての主体の対策意欲を増していくというような、そういう制度が必要であると。
 それから67ページ、産業界、自主行動計画を実施しておりますが、それを充実・強化していく必要があるであろう。
 それから、69ページ以降、国内排出量取引制度ということで、これは2通りありまして、EUなどの行っている施設指定型といいますが、全体に網をかぶせるやり方、それから、もう1つが70ページ以降あります自主参加型の国内排出量取引制度ということで、みずからコミットする目標に対して対策を行っていただく。こういうような対策を、日本におきましては自主参加型の国内排出量取引制度を17年度から実施する方向で今調整しております。
 それから、ただいまの環境税が71ページ以降あります。環境税についてもここでは有力な手段であるということで、今後早急に検討する必要があるという形ですね。
 こういうことが大きな課題として議論されてきております。あとサマータイムなども議論されました。
 以上、大変雑駁な説明で申しわけございませんが、説明にかえさせていただきます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。この答申は中環審の地球環境部会の方で大変精力的に検討を重ねられてでき上がったものでございます。
 それでは、続きまして地球環境以外の大気、地球規模を除く大気環境の保全につきまして、環境管理局の方からご説明をお願いいたします。

○鷺坂総務課長 はい。環境管理局の総務課長の鷺坂といいます。それでは、私の方から地球規模を除く大気環境の現状と課題につきまして、資料の1-2に従いましてご説明したいと思います。時間の関係がございますので、資料の1-2の[1]の方に文章が書いてありますが、[2]の方にグラフ等がつけてありますので、資料1-2の[2]の方をちょっとごらんいただきたいと思います。
 まず、1として大都市地域における環境基準の達成状況ということでございます。環境基準の達成状況でございますけれども、二酸化窒素、それから浮遊粒子状物質につきまして、一般の環境測定局につきましては、二酸化窒素につきましてはかなりの達成率ということになっておりますけれども、自動車のNOX・PM法対策地域、東京圏、中部圏、近畿圏という3つの地域についての、特に自動車排出ガス測定局の環境基準の達成率、道路沿道に局を設けているものでございますが、まだまだ厳しい状況ということでございまして、二酸化窒素につきましてはここにありますように達成率76.4%というようなことになっております。
 それから、右側の浮遊粒子状物質につきましても同様に、特に3大都市圏の自動車排出ガス測定局につきましては61.9%の達成率ということで、まだまだ厳しい状況にあるということでございます。
 ただ、ここに表はつけておりますけれども、全体的なバックグラウンド的な濃度につきましては、わずかではございますけれども、全体的には右肩下がりのような形になっておりまして、若干改善傾向が見られるのかなということではございます。
 それから、2番目でございます光化学オキシダントの関係でございますけれども、その年々の気候等の状況がございますので、ここには注意報発令延べ日数、それから被害者の被害届け出人数が掲げてあるわけでございますが、年によっていろいろばらつきはございます。しかしながら、トータルで見てみますと、若干全体的に右肩上がり的な要素があるということでございまして、この光化学オキシダントにつきましてもまだまだ厳しい状況ではないかなということでございます。
 次の2ページ目をお開きいただきたいと思います。こういった都市における環境の状況を踏まえまして、環境省の方といたしましては特に自動車の排出ガス対策ということで、3本柱で対策をとっているということでございます。自動車単体対策、それからNOX・PM法の地域におきます私用車、家庭車対策、それから低公害車の普及促進という、こういう3本柱でございます。
 まず、(1)の自動車単体対策でございますけれども、ことしの10月から特にディーゼル自動車につきましては世界一厳しい排ガス規制ということで、この2005年ごろというグラフが出ておりますけれども、アメリカ、ヨーロッパに比べて厳しい規制がかかるということでございます。
 そして、さらにその後この規制に加えまして、現在中央環境審議会でパブリックコメント中ではございますけれども、2009年、10年ごろを目指しまして、ヨーロッパ、アメリカにつきましてもさらなる規制が強化されるということを踏まえまして、また環境基準の達成をより確実なものにするという、そういう意味も加えまして、さらに厳しい規制をかけていこうということで対策をとっているところでございます。今後はそういった非常に厳しい、世界一厳しい規制をかけるとともに、低燃費技術とか、それから排ガスの低減技術との両立に最大限配慮して、さらにまた検討を進めていく必要があると考えております。
 それから、(2)でございます。自動車のNOX・PM法に基づく、主に大都市地域を中心といたしまして、特に必要な私用車、家庭車対策をしていくということでございまして、この3大都市圏につきましては各地域の総量削減計画に基づきまして、NOXでありましたら54%削減、浮遊粒子状物質では84%削減ということで、ここの1.のところにございますように、平成22年度までにその環境基準をおおむね達成という目標を目指して対策をとっているところでございまして、3.にありますように、この3大都市圏につきましてはNOX・PMの排出基準に適合しない車は使用できなくなると、こういう車種規制を入れているところでございます。
 来年度、平成17年度はこのNOX・PM法に基づく対策の中間評価年ということでございますので、その評価結果を踏まえまして追加的対策、交通流対策等々の対策を検討していく。さらには、平成22年に環境基準がおおむね達成した場合でも、恐らく残るであろうと思われる局地汚染対策、こういったものにも検討を進めていくということにしております。
 それから3ページ目でございますけれども、低公害車の普及・促進につきましては、ご案内のように税制でありますとか融資制度を踏まえて現在進めているところでございまして、低公害車開発普及アクションプランでは2010年までの早い時期に低公害車の台数を1,000万台ということでございますけれども、かなり前倒しで達成できそうであるということで、この見直しも進めているところでございます。
 それから、(4)は自動車単体対策の変形のような形でございますけれども、ブルドーザー等の特殊自動車からの排ガスにつきましては、公道を走行しないものに規制がかかっておりませんので、今国会で排ガス規制をかける法案を提案しているところでございます。
 次の4ページをお開き願いたいと思います。自動車以外の対策ということで、固定発生源からの対策も引き続き行っていくということでございます。そのうちの一つとして揮発性有機化合物対策ということで、昨年5月に大気汚染防止法の改正を行いまして、固定発生源からの揮発性有機化合物の発生、VOCと言われておりますけれども、この排出抑制を図っていこうということでございまして、基本的な仕組みとして法律による排出規制、特にVOCの発生量が多いところについては規制をかけていくと、その他のところにつきましては事業者の創意工夫に基づいた自主的取組でやっていこうと、こういうような考え方での対策をしているところでございます。
 それから、次の5ページ目でございます。有害大気汚染物質対策ということで、低濃度であっても長期間曝露されることによって健康影響が懸念されるような物質につきましては、主に事業者の自主的な取組に基づきまして削減を図っているところでございまして、その削減をどのようにしていくかということも踏まえて、今後検討していく課題であるということでございます。
 それから、5番目でございます。ヒートアイランド対策とございます。ここに日本の大都市の平均気温が書いてありますけれども、20世紀中の地球の平均気温が100年で約0.6℃上昇していることに対しまして、大都市地域、特に日本の大都市地域におきましては、100年当たりの平均気温の上昇が2度から3度ということで、かなり上がっているというようなことが挙げられております。
 ヒートアイランドになりますと、熱中症でありますとか、あるいは熱帯夜がふえるとか、あるいは冷房用の電力消費が増加するでありますとか、あるいは光化学オキシダントの発生性を助長するでありますとか、そういった熱汚染とでもいうようなことが言われておりまして、そういったこともございまして、昨年3月に関係省庁が集まりましてヒートアイランド対策大綱というものをつくっておりまして、人工排熱を低減するとか、地表面被覆を改善するとか、都市形態を改善する、ライフスタイルを改善するというような、それぞれの施策を一応定めていて、各省庁で行っていくというような状況でございますけれども、今後ともヒートアイランドの現象解明でありますとか、測定調査でありますとか、そういったことを進めながら対策をとっていく必要があるということでございます。
 それから、特に資料はつくっておりませんけれども、ダイオキシン対策につきましてもダイオキシン特措法に基づきました政府の削減計画、これは排出量で90%削減していこうというものでしたが、これは95%以上の削減ということで、一応の削減計画は満たしたわけでございますけれども、今後ともさらなる、まだわかっていないような発生源の監視でありますとか排出量の把握をしつつ、長期的なリスク管理を行っていく必要があると、このように考えております。私の方からは説明は以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。大変時間が押しておりまして、恐縮ですが。
 次に、それでは水環境、土壌環境、地盤環境の保全につきまして、水環境部からお願いいたします。

○谷企画課長 はい。水環境部企画課長の谷でございます。資料1-3の[1]、[2]のご説明をいたします。
 まず、[1]でございます。1-3の[1]、水循環対策の現状と課題でございます。ご存じのとおり、水資源の多くが産業、生活に使用されまして、環境負荷が加えられております。
 現状、2の(1)でございます。全体的には基準の達成率は向上しておりますが、水が流れないところ、湖沼、閉鎖性海域ではいろいろ問題がございます。グラフをごらんいただきますと、指定湖沼への流入負荷などもございますし、下は東京湾の青潮発生件数でございます。貧酸素水塊、酸素がなくなってしまって魚ですとか貝ですとかいろいろなものに悪影響を与える、そういった貧酸素水塊の発生が続き見られているという状況にございます。
 2の(2)でございますが、地下水の一番大きな問題は硝酸性窒素、亜硝酸性窒素でございます。乳幼児が飲みますと血中のヘモグロビンと結びつきまして酸欠を起こすという、こういった地下水が日本全体で5~7%、北関東の幾つかの県では地下水全体の2割前後に及んでおります。地下水の場合は水道の浄水過程を経ず直接お飲みになる場合が多いわけですから、対策が必要である分野でございます。
 (3)です。都市化の進展に伴いまして河川や水路が埋め立てられてまいりました。これは、すみません1900ですね、すみません間違えて。1980年当時10%でございましたのが95年には5%程度に減少をしているという状況にございまして、これがヒートアイランドの一因にもなっております。
 裏側をごらんください。上のグラフが地下水の環境基準の超過率で、右上の方、最近はかり始めました硝酸性窒素、亜硝酸性窒素が非常に高位にあるということをごらんいただけると思います。この窒素のもとが生活排水のほか、肥料あるいは家畜のし尿などでございます。
 3.施策、取組の状況でございます。従来からの対策といたしまして、工場排水の規制、下水道、浄化槽の整備が行われております。最近では高度処理、窒素、燐の除去を行うような施設の導入も促進しております。
 あと、水と人との触れ合いを促進するということで、ことし始めました大臣表彰「こどもホタレンジャー」事業というのがございます。これは子供が蛍に着目して、蛍と子供たちが楽しく暮らせる水辺をつくろうという水環境保全を表彰するものでございます。水辺の復活、水路の浄化などの事業も行われております。
 今後の課題でございます。従来の施策に加えまして、農地、市街地等からの面源、あるいはアシなどの水質浄化に役立つ植物の保全で湖沼の水質改善を図る必要がございます。
 (2)ですが、水辺の生態系の観点も含め、良好な水環境を五感で感じ取れるような人と水辺の関係を築いていく必要がございます。
 (3)では、雨水の貯留浸透施設、水面の復活などが望まれます。
 (4)ですが、三位一体改革の中で環境監視の国庫補助金が廃止されまして、地方自治体への税源移譲となりました。今後とも環境監視が適切に行われるようにする必要があると考えております。
 なお、今後の課題。例えば、(2)の良好な水環境、これは昨年に中環審から答申をいただきました環境と経済の好循環ビジョンの中の2025年の姿の中でも、島で家族と暮らす休暇が述べられております。また、川辺の復活の話がございますけれども、こちらも同じビジョンの中で大都市で夏になると川から涼しい風が吹き抜けるという2025年の姿が描かれていることを目指しております。
 資料1-3の[2]でございます。土壌汚染対策でございます。下のグラフをごらんいただきますと、農用地の土壌汚染の対策が進捗しているということをごらんいただけるかと思います。ちょっと字が小さくて恐縮ですが。
 裏を見ていただきますと、逆に市街地の土壌汚染でございますが、こちらは汚染事例の判明件数がふえております。これは汚染が進んだと申しますよりも、土壌汚染のような蓄積型の汚染につきましていろいろな形で判明をした場合がふえてきているということかと思います。土壌汚染は法律も比較的最近できたものでございますので、今後一層政策をとらなければならないところが多うございます。
 4.の取組の状況等のところ、農用地の国庫補助などが行われてきておりますが、市街地は法律ができましたのが平成14年のことでございます。ダイオキシン類も同様にいろいろ対策がまだ必要でございます。
 今後の課題でございますが、農用地につきましては食品中のカドミウム基準が下げられるということで、対策の指定地域が非常にふえるという可能性がございます。また、さまざまな技術、土壌汚染、バイオレメディエーションと申しますのは、植物などを用いました土壌汚染の除去でございますが、こういった技術を導入・促進していくということが求められております。
 また、油による汚染、あるいは生態系に与える影響などにつきましても、技術的な知見を集めていく必要がございます。また、射撃場の鉛対策など、いろいろな課題に取り組む必要がございますし、リスクコミュニケーション、国民各層との土壌汚染に関する情報の普及、相互の対話といったものも重要であろうかと思っております。以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして廃棄物リサイクル対策、資源循環、物質循環にかかわる施策について、廃棄物リサイクル対策部の方からお願いいたします。

○谷津企画課長 廃棄物企画課長の谷津でございます。
 資料の1-4でございます。この環境基本計画ができたのは平成12年でございまして、平成12年に私どもの所掌しております循環型社会形成推進基本法が制定をされました。それ以降、この基本計画に基づきましてさまざまな政策が展開されてきたわけであります。
 2の冒頭3つが一般廃棄物、産業廃棄物、最終処分場、これは生データの推移を示してございます。その下、資源生産性、循環利用率、最終処分量ということで、指標系のデータがございますが、資源生産性はGDPを投入資源量で割り戻した数字でございまして、経済活動と資源利用のデカップリングをねらった指標でございます。総体としていい方向には向いているんですが、必ずしも効果が十分ではないと、こんな状況であります。
 2ページ目をおあけいただきまして、施設の状況でございますが、環境基本計画ができた平成12年以降、家電、食品、建設、自動車、こういった形で個別のリサイクル法が矢継ぎ早に制定をされているような状況でございます。
 また(2)でありますが、循環基本法に基づきます循環基本計画、これが15年3月に策定をされておりまして、資源生産性、循環利用率、最終処分量などの定量的な数値目標を盛り込んだということになってございます。この環境基本計画と循環基本計画との関係ですが、環境基本計画の中に循環基本計画はこういう基本的考え方で策定すべしという方向性を打ち出していただいておりまして、その連携を図ってございます。
 (3)が個別の廃棄物処理法などの改正も順次やっているということであります。
 4.でありますが、不法投棄、基本計画の点検、三位一体改革絡みで補助金を廃止して交付金化いたしました。これも廃棄物処理施設の整備の交付金と別に、私ども浄化槽の整備を担当しておりますが、下水道、農業集落排水事業、浄化槽、類似の施設を一体的に整備するための三省交付金も内閣府を中心に取組を進めているところであります。
 3ページでございますが、(4)のところで一般廃棄物処理のあり方についての意見具申もちょうだいしておりまして、所要の取組を行います。
 今後の課題でありますが、浅野先生に部会長代理をお務めいただいておりますが、循環社会計画部会がございます。そちらで循環基本計画の第1回点検をやっていただきまして、この2月に閣議報告をさせていただきました。
 その中の課題でございますけれども、目標について発生抑制が十分には進んでいない。
 (2)意識と取組。いろいろな芽が出てきているんですが、これから連携を図ると非常に効果的に対策が進むであろう。
 今後の取組の方向については、排出者責任、拡大生産者責任、これが2つの考え方。役割分担とインセンティブ付与のシステムの整備、社会経済システムへの転換。一般廃棄物については有料化を含めた取組の推進、個別リサイクルの見直しに当たってはこういった考え方を含めてしっかりやるべしという指摘を受けております。
 国際的な動きもいろいろございますので、日本列島に閉じない循環ということも考えなければいけないということであります。以上であります。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、化学物質対策、これにつきまして環境保健部の方からお願いいたします。

○槫林化学物質審査室長 化学物質審査室長、榑林でございます。
 お手元の資料1-5に基づきまして説明させていただきます。
 まず背景ですが、世界的に見ても化学物質の生産量は増加していると。我が国で見ますと、特にアジアとの関係というのが大きくなっている。グラフで見ていただきますと、左側が輸出額、右側が輸入額でございますが、いずれも黒塗りの部分がアジア、輸出で6割、輸入で2割がアジアとの関係でございます。
 環境の状況につきましては、新たな化学物質の製造・輸入というのが年々増加しているというのが状況でございます。
 2ページをごらんいただきますと、それでは化学物質の環境中への排出はどうかということでございます。平成11年に化管法、PRTR制度が法律でできましたけれども、PRTR制度の対象となっている354物質について見ますと、14年で環境中に51万t出ているといったような状況でございます。
 それから、化学物質の長期継続的なモニタリング、こういったことを実施しているわけでございますけれども、PCBであるとか、環境中に長期に分解しないでいる残留性有機汚染物質、こういったものが製造中止となった後もかなりの期間検出されているといったような現状がございます。
 3番目に既存化学物質の環境リスクの点検といったものがございます。我が国では化学物質審査規制法に基づいて新たに製造輸入される化学物質については、事業者にデータを出してもらって、それに基づいて安全性を評価、有害性に基づいた規制が行われているわけでございますけれども、法律ができる以前からつくられていた化学物質については、順次これまで国が点検をしてきたといったような現状がございます。
 施策の現状でございます。現環境基本計画が平成12年につくられた際に、戦略的プログラム、化学物質対策の推進の中で、生態系に対する影響の適切な評価と管理を推進していくべきだということが盛り込まれました。改正化審法、平成15年に改正が行われ、16年4月から施行されていますけれども、従来は人への影響だけ見ていたものに対し、こういった環境基本計画の改定も受けまして、生態系についてもちゃんと見ていきましょうといったような制度がこの4月から動き出しております。
 2番目の化管法、PRTR制度の施行でございます。平成11年に化管法が制定され、平成13年度より届け出が開始されております。この中でも対象物質選定に当たっては人への影響のみならず、生態系への影響という観点からも選ばれております。
 続きまして、取組の状況でございます。先ほどもご説明申し上げました既存化学物質の点検ですけれども、ヨーロッパではREACH制度、こういったものの導入によりまして既存化学物質についても事業者にデータの提出を義務づけるといった方法がございます。現在、日本の国内では事業者、それから関係省庁連携して、製造量の多いものから順次点検していこうという取組を進めております。
 2番目が新規化学物質の審査です。生態系も含めた審査をやっていくということでございます。
 3番目がPRTRデータの活用。制度ができましてから13年度実績、14年度実績を報告しておりまして、今15年度実績を取りまとめ中でございますけれども、環境中にどれだけ有害物質が排出されたかといったデータに基づいて各種施策に生かしていきたいというふうに考えております。
 それから、長期継続的な環境モニタリングの実施といったこと、それから環境リスクの評価、管理及びリスクコミュニケーションの推進といったことも実施しております。
 国際的なことで申し上げますと、WSSDにおきまして2020年までに環境リスク、すべての化学物質についてやっていきましょうといった問題がございます。
 今後の課題といたしましては、化審法で設けられました生態影響についてもう少し深く切り込んでいったらどうだろうかと。それから環境リスクの各種不明な多種多様な化学物質の取り扱いのあり方をどのようにして提示していったらいいか。それから製造から廃棄、再利用に至るライフサイクルを通じた製品中の化学物質の環境リスク、そういったもの、各種ございますけれども、それらの施策を総合的に講じていくといったようなことをしていきたいというふうに考えています。以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 最後に、自然環境の保全につきまして、自然環境局の方からお願いいたします。

○黒田自然環境計画課長 自然環境計画課長の黒田でございます。
 資料の1-6で生物多様性関連施策の現状と課題を簡単にご説明をさせていただきます。
 生物多様性保全の問題といいますのは、結局は人間のいろいろな活動が生物、あるいは生態系に影響を与えて、場合によると絶滅の問題まで引き起こしている、こういうことでございますが、いろいろな形の人間活動が影響を及ぼしている、それを私どもは生物多様性に対する3つの危機として整理をしておるところでございます。
 第1の危機といたしましては、人間活動あるいは開発といったようなものが直接的に生物あるいは生態系に影響を及ぼして、種の減少であるとか、あるいは生態系の破壊分断、あるいは質的な劣化、こういうようなものを生じているという状況でございます。
 それから、第2の危機は、これは少しわかりにくいかもしれませんが、例えば長年にわたって農林業、あるいは農村、山村の生活などによって、人が環境に対してずっと一定の働きかけをして維持されてきた里地里山と呼ばれる地域がございますが、こういうところに対する働きかけが少なくなるということで、環境の質が変化をして、そういうところが実は特定の種の限られた生息地であったりしますので、やはり種の絶滅、あるいは減少というようなものが起きている、こういう問題があるというふうに認識しております。
 それから、第3の危機は特にここのところブラックバスで新聞紙上もにぎわせておりますが、外来種等によって在来の生態系が攪乱される、これが大きな問題だと。こういう3つの危機に直面している、こういう認識を持っております。
 環境の現状というところにございますが、我が国で絶滅のおそれのある種として環境省が摘出しておりますものは、トータルで動植物を合わせまして2,700種ぐらいございます。これは脊椎動物とか維管束植物という、割合高等な動植物の2割前後が絶滅のおそれに直面している、こういうところでございます。
 先ほど言いましたとおり、それは奥地の問題だけでなく、里地里山においてもそういう絶滅の問題が起こっておりますし、非常に分布が限られていて特定の島などにしかいないような種というものに関しては、依然として絶滅の危機が高い状態にあるところでございます。
 絶滅の問題がある一方で、増加する傾向にある種もございまして、動物でいきますと、例えばシカが近年非常に各地で農業被害、林業被害をもたらすということで話題になっているところでございます。これはそもそも生息環境の変化があるということに加えて、暖冬に伴う少雪、雪が少ないとか、天敵がいなくなってしまっている。こういうようなことも増加の原因として挙げられているところでございますし、鳥で見ますとここ10年、15年のうちにカワウが非常に個体数、それから分布を広げておりまして、内水面漁業に対する影響を大きくしていると、こういう状況にございます。
 さらに、外来種の問題もあるというところでございます。
 生態系という目で見ますと、我が国は世界に冠たる森林国でありまして、国土の3分の2が森林に覆われているところでございますが、そのうち自然の植生、人手の入っていない植生というのは国土面積の2割弱というところでございます。その他、人手の入った森林としての二次林というようなものが広がっておりますが、昭和30年代から40年代にかけましてはこういう自然林、二次林が大きく減少をしておりましたが、近年は面積的に見ますとその減少の程度というのは鈍化しておるところでございます。
 しかしながら、森林の一つ一つのまとまりというものが小さくなったり、その結果、動物にとっての生息地が分断されると。あるいは農山村の構造の変化によって手入れがされなくなってきて、質的に荒れてきているというような悪化も懸念されてきているところでございます。
 また、水辺について見ますと水辺は非常に重要なところでございますが、やはり湿地が減少をしている、あるいは水辺の林も減少傾向が見られるというようなことでございます。海につきましては、現在主要四島の本土の海岸線で工作物を設置していない、いわゆる自然海岸は5割を切っている状況でございます。また、干潟、藻場、サンゴ礁という浅い海の中でも、特に生物多様性保全上重要な地域がございますが、こういったものに関しまして昭和20年以降、特に干潟に関してですが、全体の4割ぐらい消滅をいたしましたが、最近はその消滅の度合いというのは大分鈍化しております。しかしながら、依然として干潟は減少傾向にあるというところでございます。
 こういう中でどういう施策を講じていくかということをかいつまんで申し上げますと、人間活動に伴う影響という第1の危機につきましては、1つは保全を強化するということと、2つ目に損なわれた自然の再生、あるいは修復というものを積極的に進めていくこととしておりまして、国立公園あるいは保安林、こういったような保護地域の拡大というものに取り組んでおります。平成14年度、15年度の2年間で、延べ面積ですが、大体38万haぐらいの保護地域の設定をしておりまして、単純に計算しますと国土の1%ぐらいがここ数年で新たに保護されてきている、あるいは、具体的な非常に重要な地域としての知床につきましては、人類共通の財産として世界自然遺産の登録をしようということで、現在手続を進めております。
 また、再生に関しましては、平成14年に自然再生推進法という法律が制定されまして、この法律に基づきまして現在自然再生協議会というものが各地で立ち上がっております。ここに8カ所と、これは昨年春の数字でございますが、現在12カ所ということで少しずつふえてきています。
 また、里地里山に関しましては、基本的には人手の関与が薄くなっているというところでございますので、人と自然との関係の再構築ということを考えていかないといけないだろう、そういうところに対する価値を見出すということで、1つは文化財保護法の中に文化的景観というようなものを位置づけて、そういうものを特に大事にしようということであるとか、森林あるいは国立公園の風景地など、そういうところにつきましてNPOなどと土地所有者との間で管理協定を結ぶというような制度をつくり上げてきておるところでございます。
 また、外来種につきましては昨年、いわゆる外来種法ということで外来生物法を制定いたしましたし、また第3の危機に関しましては遺伝子組み換え生物が生態系に及ぼす影響というものも懸念されるということで、遺伝子組み換え生物の規制法、いわゆるカルタヘナ法も制定したところでございます。
 これらの課題に今後どういうふうに取り組んでいくかということでございますが、第1の危機に関しましては保全地域の拡大、あるいは再生を進めていくということが、再生の方が特に緒についたばかりでございますので進めていきたいと考えておりますし、保護地域につきましてはそれぞれの地域をばらばらに進めるのではなくて、総合的に進めて地域間のネットワークというものをつくっていくということが課題だと認識しております。
 また、里地里山などにつきましては、まだNPOなどの活動とうまく仕組んでいくというのはこれからでございますので、そういうものを進めていきたいと思っておりますし、第3の危機の外来種につきましては、まずは外来種対策でどの外来種を選ぶか、ブラックバスをどうするか、こういうようなことで、ブラックバスにつきましては特定外来種ということで指定をするという方向でございますが、その他のものにつきましてもきちんと分析をして、生態系が保たれるようにしていきたい、こういうことで対応していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 一応6つの分野につきましてのご説明をいただきまして、これから30分ぐらい実はそのご審議をいただこうと思っておりましたが、予定の時間、あと5分しか残っておりません。それぞれのテーマにつきましては、それぞれ中環審の部会が対応して検討しておられることもございますので、できましたらここでは先生方の中から特にご質問、それから今後総合的にいろいろ検討を進めていく上でこういうところはどうなんだという、お互いのプロジェクト間のリンクに関してとか、特に環境基本計画を今後まとめていく上で必要となるようなものに関しましてのご意見をいただければと思います。しかしながら、時間がもうこういう状況ですので、特にご意見のある方はちょっと名札を立てていただいて。
 じゃ、この7件で大丈夫ですか。後ろの説明もまた短くしていただいて、そして後ろのご説明の後でまたこの第1の問題に戻ってご議論いただいてもよろしいかと思いますので、この段階では今立てておられる方々だけに限ってご意見、コメントをお願いしたいと思います。
 それでは、こちらから。崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 ではすみません、順番ということで、こちら先にやらせていただきます。
 すべての分野からお話を伺いました。それで大変な状況なんですけれども、かなり課題は明確に認識されている、そしてそれをどうしたらいいかという具体的な対策のメニューとか方向性は見えている、と感じました。
 今必要なのはこういうすべての個別な課題の共有と対策がきちんと有機的につながっていくような社会を本気につくっていくんだというメッセージをはっきり発信する、そしてそういうことが有機的につながっていくような仕組みに関して明確に位置づける、ということが今度の見直しで大事なのではないかというふうに感じました。
 特に今、環境産業革命という言葉をよく使われていますけれども、やはりそういうようなことをきちんと発信するということ、ただしそのときに全部が苦しい中で取り組むわけですから、それぞれがそれぞれの役割を果たしながら評価し合い、認め合い、そして好循環を生んでいくという、環境と経済の好循環をする社会を全員でつくるというきちんとした明確なメッセージをつくり、そういう全体像を示していく、そしてそれに関する道筋を発信していくということが大事なんだと思っています。
 例えばパートナーシップのこと、教育のこと、いろいろな省庁間の連携、地域間の連携、あるいはいいものへの評価の仕組み、そういうような仕掛けづくりを明確に早目に発信していく、それが今度の新しい見直しで大事なことだと思っております。

○鈴木部会長 ありがとうございました。まさに総合政策部会の役割はそこにあるんだろうと思っております。浅野先生。

○浅野委員 全く同じようなことです。前回も申し上げましたが、きょうもまだ個々の縦割りの形での報告になっているわけですが、それぞれのつながりというものについてもう少しはっきり分析をし、ビジュアルに見えるような形にしていくということが必要ですから、ぜひ事務局でそのような資料をとりまとめる作業を進めていただきたいということです。例えば、大気と温暖化、水と温暖化、森林と温暖化。多くのものはみんな温暖化のところに必ず結びついていくだろうという予想が立つわけですが、そのあたりの分析をする必要があると思います。
 それから、八百長質問で申しわけないんですけれども、温暖化対策についてのこの分厚い資料の、128ページ、129ページに排出量の見通しというのが出ているわけです。これについては先ほどご説明がなかったんですが、少し誤解をうける可能性がある箇所があります。例えば、家庭部門での削減は努力をしなくてもいいと政府が決めたなんていう不正確な新聞報道が流れたりするわけですが、どこをどう見るかによって全然見方が違ってきてしまうわけです。例えば現状対策ケースといっても、これは放っておいたら自然にこうなるというものではなくて、現状対策をそのまままじめにつづける努力をしなければ達成できないんですが、今後の対策強化のところだけに目を奪われて、所与の前提として現状対策はそのまま粛々と進むから、あとこれだけやればいいんだというようなとんでもない誤解が起こったりするおそれがあります。
 さらに、この表は非常に不親切だと思うので、できれば一言だけ清水課長に後でコメントいただいた方がいいと思うんですが、基準年の総排出量に対する比というのと部門ごとでの基準年との比というのが出ていて、その両者の区別が必ずしも一般の方にはよくわからない、あるいは審議会の委員でもよくわかっていないという感じがするわけです。下手をすると、これだけ見てこれだけ排出をふやしていいとか、こんな程度のものだというふうに見てしまうおそれがあるのですけれども、現実には2002年に既にこのぐらいふえているということを前提にして考えなければいけないわけです。ぜひそのことがよくわかるように説明をしていかなければいけない。その点では129ページの表の方が、多少よくよく読むとわかりやすいのですが、この辺のところを、この部門別の数字というのはどういう意味なのかということは、十分にコメントをしておいた方が誤解を与えなくて済むかもしれない。
 それから、さっきお話があったように、9.4%ともかくオーバーしているので、それに対して今後の対策を強化すべきということを忘れて6%を母数にして分母6分の3.9が森林吸収源だといった話が出てくるのも非常に困ります。9.4分の3.9なのに、何か全体を6分のというところだけ一人歩きをして、だから森林に6分の3.9のバジェットを投入する必要があるというような議論になってしまうことを防ぐ必要があろうとも思われます。

○鈴木部会長 今、浅野先生は第1次答申、第2次答申をおまとめになるときの中心になっておられた方ですが、八百長質問と言いながらもう答えもおっしゃっていただいたような気もするんですが、清水さん何かちょっと追加をしていただいて、ご質問に対してだけちょっとお答えして。

○清水地球温暖化対策課長 今、浅野先生がご指摘になった129ページ、ちょっと番号振っていないんですが、その表を横を縦にして、縦を横にして見ていただければと思いますが、これはエネルギー起源の二酸化炭素の排出量の見通しなんですが、特に温暖化対策の中で、やはりエネルギー起源のCO2をそれぞれ削減していかなければならないと。これは産業、民生の中で家庭と業務、それから運輸という3つの分野がありまして、右側の2010年の対策強化ケースのところで括弧書きになっているところを見ていただきたいと思うんですが、産業分野については例えばマイナス8.6%とあります。これに対して、民生分野についてはプラス10.8、家庭分野については6.0、業務分野については15.0というような、そんな数字が出ています。
 これだけを見ると、どうも90年からふやしていいというふうに見えるわけですが、実は足元の2000年がふえておりますので、次の部門ごとの2000年度比の増減率というところを見ていただくとわかるんですが、2002年度から見ると産業分野についてはマイナス7%、それから民生分野についてもマイナス16%、家庭はマイナス17.7%、業務その他部門はマイナス15.9%と、それぞれ大変な削減の努力をしなければならないということがわかるわけであります。
 90年から見て2010年がふえるというのは、今の2002年がふえているのは仕方ないことですが、2002年から見るとそれぞれの分野大変な努力をして減らさなければならないということがこの表からわかるという、そういうことであります。以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。それぞれのところのリンクを張るという、インターリンケージというんでしょうか、それは非常に重要なところで、温暖化はもちろん非常に大きなイシューですから、それはそれできちんと考える必要があると思うんですが、例えば自然局の森林と水、水源の問題であるとか、いろいろなところでかかわっているところをどういうふうにこれから総合化を図っていくか、そしてまた省を離れて林野庁とも一体どうやって話をつけていくのか、いろんなことを考えなければいけないだろうと思います。
 では、久保田委員、お願いいたします。

○久保田委員 全般的に言えることですが、具体的なそれぞれの取り組みが大変精緻に、しかもここ数年間大変な努力で進んできたということは大いに評価をしたいと思うんですが、さまざまな取組につきまして、やはり一人一人というか、国民一人一人が意識をするだけではなくて、行動に参加するというような、すそ野を広げて、しかも環境に対して関心と、何ていいますか、そういうあれが一部の一握りの人ではなくて、本当にみんながどこまで行動参加をし、きちっと結果を出していけるかというのは、あらゆる分野に対して求められていると思います。それは国民一人一人というだけではなくて、例えば事業者にしても、環境室等々、大変人材を確保してやられている大企業と比べまして、中小、あるいは流通、さまざまなそういう主体といいますか、そういうところはすそ野が広いところに対して一体どう訴えかけて何をするかということが大変大事になると思います。
 言いたいことは、さまざまな取組につきましてやっぱり主体別に引きつけて、自分はどういうことで参加ができるのか、こういうことをすればこういうことにつながっていくというふうな、そういう受手側を主体にした、あるいは毎日生活している事業者や国民を主体にした、こういうことをしようじゃないかと、こういうことをすればこうなりますよというようなことについて、ぜひそういう切り口と情報発信と呼びかけということを努力をしていくべきではないかというふうに思います。
 そういう観点から見ますと、ここに書かれている資料もわかるんですが、大変専門的な言葉が多いというふうに思います。できるだけ一般にインターネット等々でやる場合も言いかえたり、易しく言ったりということが必要ですし、そういう意味で第2次答申の温暖化のやつも、55ページのインベントリや65ページのバウンダリーということも少し解説をしておいていただきたいということは事務局の方に申し上げたんですが、あらゆる点におきまして、やっぱり普通に暮らしている国民の視点で、一遍見てわかりやすく情報発信して、どうやって運動を広げていくかという観点を特に強めていただきたいというふうに思います。以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。大変重要なところだと思いますので、これは具体的に基本計画を作成するときにも心に留めておかなくてはいけないと思います。
 それでは永里委員。

○永里委員 ありがとうございます。
 一般論として環境の基準値の作成のあり方について申し上げたいと思います。
 自然の中で人為的に環境汚染された部分を削減するというのは当然なんですが、望ましい基準値の作成については理想的な数値を求めるのではなくて、自然界に存在するレベルと同じレベルにしてほしいと思います。以上です。

○鈴木部会長 いろいろな基準等の考え方についても、いずれは一般的に議論しなければいけないことがあるかもしれませんが、これも後ほどまた機会がありましたら取り上げさせていただきたいと思います。では、中村委員。

○中村委員 先ほどのご説明を伺いまして大変よくわかりまして、長年にわたってすばらしい内容を討議されてきたということを感じました。
 1点質問なんですけれども、今までの人為的に出てきたいろんな問題の対処法として現在いろいろ考えておりますが、今後想定されることについての予防という観点での環境の基本計画、このことについて、今バイオテクノロジーという、その技術開発が世界中でされておりますけれども、このバイオテクノロジーによりまして植物とか、あるいは食べ物、動物というものが今後新たな新種、あるいは新品種というものが出てきます。そういったものが環境にどういった影響を及ぼしてくるんだろうかと。
 これはこれから将来のことで若干懸念する声も聞かれますが、環境基本計画の中で、例えば先ほどご説明いただいた生態系、生物多様性関連施策の現状と課題についてちょっとご説明いただきましたが、この中で想定される第3の危機の対応で終わっているんですが、例えばこれが第4の危機ということで、バイオテクノロジーによる将来的ないろんな生態系に及ぼす危機・影響ということでの検討は以前あったのかどうか、またそれはバイオテクノロジーは全く環境省とは関係ないんだと、ほかの部分でやってくれればいいというスタンスとしても切り分かれているか、その辺をお願いしたいと思います。

○鈴木部会長 これは今お答えになりますか、自然局なのか、あるいはいろんなところに……よろしいですか。

○黒田自然環境計画課長 先ほどもちょっと申し上げましたが、バイテクもいろいろな形で展開されていて、今いる生物をうまく組み合わせています。さらに進むと遺伝子を組み換えて、今までになかったような動物と植物の遺伝子を合わせて新しい生物をつくるというような動きがあるわけですが、今、私どもの方で対応していますのは、遺伝子を組み換える、要するに今までになかった生物をつくってしまうというようなことは非常に影響が懸念されるので、事前にきちんとどういう働きをするか、影響、悪い影響を与えないかどうかというものを、持っている知見というのは必ずしも十分ではございませんが、そういうものをもとにきちんとリスク評価をして、使っていいかどうかというような判断をするようにするカルタヘナ法という法律をごく最近つくりまして、その運用を行っておるところでございます。

○鈴木部会長 よろしいですか。それでは、松田委員。

○松田委員 私も新人の委員として大変興味深く各部門のお話を伺いました。その中で私はごみの方のことにかかわってきているわけですけれども、ふっと素人で気がついたというか、どうなっているんだと思ったのは、生物多様性関連施策の中でいろんな種が被害を受けている中でごみ問題ってあるのではないかなということを思いました。
 もっと具体的に言うと、例えば今回いろんな災害がありまして、そして災害廃棄物になってきたものは全部川に流れて海に行くわけで、膨大なごみが川に流れ、海に流れ、河川を汚していくわけですが、それは今捨てたごみではなくて、過去に捨てられたものがすべて川に来て海に行くんだということを体験的に知っておりまして、そうするとこのような多様性関連施策にかかわっている方たち、それから自然環境保護などにも興味のある方たちが、私たち現場の廃棄物の方たちと一緒になって山にごみを捨てないとか、それからプラスチックを散乱させないとか、そういうことをどうやれば実現できるかなと思いました。
 ですから、あの座長の先生がおっしゃっていた組織の中での関連性というところで、山におけるごみの投げ捨て、川における洪水のときの水のはんらんによる川のごみの問題などは、どこでどうするのかなと思ったわけですけれども、どうなんでしょうか。

○鈴木部会長 谷さん。

○谷企画課長 ごみが直接のお話もあると思いますが、川のお話が出ましたので。
 先ほど、水辺で子供たちも含めていろいろな活動をしていらっしゃる方があるというお話をさせていただきまして、私どももそういった活動をもっと認識し、みんなで感謝申し上げるような形で大臣表彰も、そのほか自治体との協力も進めていきたいと思っております。
 そういった中で、水辺でいろいろな水生生物が健やかに育つような環境を保とうという活動の一環として、地域のいろいろな方々にごみの不法投棄をやめようとか、あるいは見つけた場合に通報をしようとか、いろいろな活動をしていらっしゃる方がございます。今後ともそういった運動を一層推進してまいりたいと思います。
 あと、すみません、先ほど資料1-3で1880が間違いかと申し上げました。確認をしましたところ、1880年が正しゅうございました。ちょっとこの場をおかりして訂正させていただきます。失礼いたしました。

○鈴木部会長 谷津さんの方は何かありますか。

○谷津企画課長 特にございません。

○鈴木部会長 それでは横山委員、お願いいたします。

○横山委員 何人かの委員と部会長も指摘されましたが、私も温暖化問題というのが今最大の問題という意識でとらえて、そういう観点から各課題をもう一度見直しておく必要があるのではないかというふうに思います。
 具体的に2点をちょっと挙げたいと思いますが、例えば生物多様性関連施策では3つの危機ということが書いてあるわけですが、これも本文には少し地球温暖化の進行等の地球環境変動が大きな脅威となることが指摘されているということで、これをもう少し生物多様性、新生物多様性戦略なんかでも3つの危機を強調しているんですが、ぜひ第4の危機として地球温暖化の問題があるんだというようなことを今後とも指摘していくようにしてほしいというふうに思います。先ほどバイテク関連の第4の危機はないのかというようなお話がありましたが、私は地球温暖化による生物多様性の危機というのは今後非常に大きな問題になってくるんだというふうに思います。
 それからもう1点は、大都市地域における環境基準達成状況、資料1-2とも関係してくるんですけれども、大気汚染と温暖化の絡み、特にディーゼル車の問題なんかと温暖化の絡みなんかをきちんと議論していってほしいと思います。
 具体的に言いますと、例えばディーゼル車というのが燃費がいいから温暖化防止にはいいんだと。しかし一方でPMを出すから難しいんだというようなことが言われているわけですが、日本としてやっぱりディーゼル車を使ってPMをまき散らすというような状況ではもちろんまずいわけですけれども、一方でディーゼル車の燃費がいいという問題をどうとらえていくのか、ヨーロッパというのはその辺をどうやって克服していくのか、そういう点が重要になっているんだと思います。
 それから、廃棄物問題なんかも3Rを促進すれば当然温暖化防止にもつながっていくわけで、今後の課題を温暖化防止という観点からもう一度洗い直す必要があるのではないかと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、第1の議題につきましてはここでちょっと中締めとさせていただきまして、第2の議題、各主体の状況について、このご説明をいただきましてから、またございましたら第1の議題に戻って含めてご議論いただければと思います。
 それでは、これはどなたからですか。

○佐野環境計画課長 私の方からご説明させていただきます。環境計画課長でございます。
 お手元の資料2-1から2-4までの4つで、これから環境基本計画、あるいは環境への取組ということを考えます上での、主要なプレーヤーでありますところの国民の方々、それから事業者、企業、それから民間団体の事業、それから地方自治体と、それぞれの置かれております状態、あるいは意識の状況みたいなもの、前回もいろんな切り口、要因から分析をしてみるべきであるというご指摘もいただきまして、整理をいたしました。私どものスタッフがいろんな切り口からやってみたんですが、本日はこの中でも特にいろいろインプリケーションのあるところをかいつまんでご説明をさせていただきたいと思います。
 第1は、資料の2-1の国民の方々でございます。いろいろございますが、3ページぐらいからいきたいと思います。3ページの下の段に社会について日ごろ不安に感じていることは何かということを、項目と、それから経年変化で見てみますと、ふえているのがやっぱり犯罪の増加とか、風俗が乱れている、倫理観が乱れている、正しいことが通らない、個人のプライバシーが守られていないという、社会の崩壊と言うと大げさですが、不安定感みたいなものの心配が高い。自然環境を破壊しているというのは大体横ばいぐらいで、企業の利益が優先されているというのが減っているという状況にあります。これと環境問題への不安感、危機感みたいなものがどういう関係にあるかというのは、ちょっとまだ資料が見つかりませんで、場合によっては自分たちでやってみることも含めてさらに分析が必要ではないかと思っております。
 4ページへまいりますと、個人の幸福と社会との関係みたいなものを聞いた結果でございます。比較的日本がよくなることと個人が幸福になるということは同じであるとか、あるいは国が繁栄すれば国民1人の生活もよくなるというような答えが近年増加していまして、一つはやはり近年の不景気のせいということもありまして、社会の安定というか、繁栄というか、そういったものが自分の幸せにつながるんだという意識は高まっているように見えます。
 それから、続いて7ページぐらいから環境の状況についていろいろ私どもの調査で聞いたものでございますが、7ページの上の表を見ますと、経年的に見ましても、右側から伸びております色の網のかけてあります棒が悪くなっていると感じている人、左側から伸びている人がよくなっていると感じているような人でありますが、この5年ぐらいの変化は実は余りなくて、地域レベルから国へ、国から地球レベルへ行くほど悪いと感じる人がふえてくるというのは、余り実感が伴っていないということなのか、マスコミ報道の影響なのかというふうに思います。
 それから、環境問題についてどういうふうに考えるかということですが、これも3回の経年で変化があるのは経済との関係にあるところでして、上から4番目の棒の環境保全の取組を進めることは経済の発展につながると思うというのがふえている。それから、環境問題の多くは科学技術で解決できる、あるいは環境保護のために産業や技術の発展が妨げられないかというのが減っているという、この辺だけちょっと顕著な傾向が見られるということがあります。
 続きまして、10ページ、11ページぐらいのところで、これは省エネルギーとごみへの取組を聞いているんですが、上の色がこういう考え方についてどう思いますかと聞いています。基本的には肯定的にとらえる。例えば、左側の省エネルギーだともちろん環境のためにいいことだとか、もう習慣であって特に意識していないよと。右側のごみですとやっぱり環境のためにいいことだという肯定的な答えがふえております。
 これを年代で見ますと、省エネルギーの下の表で20代だけ特に何をしていいかわからないというのが顕著に高いというデータが出ていまして、やっぱりここが問題なのかなと。
 それから、右側が分別についてわかりやすいと思いますか、ちゃんとわかりやすくて取組やすいと思いますかというもの。これはゼロ%からの棒になっていませんで、一番低いところでも半分ぐらいの方がそう思うと言ってくださっているのはありがたいんですが、低いのが農林漁業、自由業、会社役員・会社経営というか、要するにおらが大将という方は余りごみに協力してくれないという結果が出ております。
 それから、飛ばしていきまして、では世代の問題はどうなのかということを考えると、16ページ、これは環境情報への関心を性別や年代で聞いたんですが、身近な暮らしに関係するような情報の要求はやっぱり女性の方が高いということがあります。それから、年代で見ますと案外若年層の方が環境情報について関心は高いと。やはりお年をとってくると下がるんですけれども、どんな消費者問題であれ何であれ、一般に余りお年を召した方が世の中の情報はそんなに熱心に集めるものではないということなのかなとも思います。一方でお年を召した方だと、昔の比較的伝統的な生活習慣というのが環境によいライフスタイルになっていると、そういうことなのかとも思います。
 それから、環境と経済との関係についてどういう意識を持っていらっしゃるかということを18ページぐらいから聞いておりますが、先ほどの環境保護のために産業や技術の発展が妨げられないか心配であるという問いを住んでいるところで聞きます。18ページの真ん中の段に2つ並んでいる右側の方ですが、棒のところにマイナスと書いてあるのは否定的なこと、そう思わないという人が多いという意味で、みんなそう思わない人の方が多いのですが、大都市の方がそう思わないという人が多く、申しわけありませんが田舎へ行くと心配だという人が多くなるということになります。
 それから、これを職業で見ますと、やっぱり学生というのは余り実感がない。それから、会社役員、自由業という方は比較的ネガティブに見ておると。専業主婦という方は余り経済活動に関係ないからかもしれませんが、例えば会社員、団体職員、あるいは農林漁業というような方は比較的高いと。恐らく会社役員・会社経営であると答えられるという方は、多分圧倒的に中小企業の方が多いと思われますから、地方の中小企業というのは確かに今一番不景気で苦しんでいるところなので、そうなのかなというような気もいたします。
 それから、ちょっと1ページ飛ばしまして20ページ、21ページで環境に配慮していることを表明している企業をどう考えるかというと、これを年代別に見ますと、ポジティブにとらえる方が年代の真ん中で多くて両肩が低いという傾向を見せていまして、これはやはりビジネスにかかわっている方の方がそういう意識をするということなのかもしれません。
 それから、では同じ種類の製品なら高くても環境に優しい商品を買うかという21ページ側の問いでございますが、真ん中の段の左側のページを見ますと、お年を召した方の方がご協力をいただけるという結果が出ています。右側のグラフでは収入の少ない方が高いというふうな結果も出るんですが、どうもこれは年代とのクロスで下の表でとってみますと余り顕著な傾向がありませんで、むしろお年をとった方の方が比較的収入がそれほど高くないので、もうリタイアされた年の方の方が収入が高くないので、そっちに引っ張られて結果が出るということのようでございます。
 最後に、同じような調査を国際的にやったデータがありまして、22ページでございますが、環境保全のためにさらに金銭的負担をしてもいいかというような問いをしますと、案外ヨーロッパ、英、仏、独というところが低く出まして、これはもう十分ということなのかもとも思っております。
 次に、資料の2-2で今度は事業者さん、企業を取り巻く状況について見てみたいと思います。1ページの全体の企業の環境に対する考え方、これも毎年やっておりますもので、経年的にとったものを見ますと、一番左の色の濃い黒のビジネスチャンスであるとか社会貢献であるというものの棒の高さで見ると、カーブが真ん中がへこんでまた伸びるというような格好でございます。それから、真ん中辺の斜線の網になっていますのが業績を左右する重要な要素であるという答えですが、これが一たん膨らんでまた縮むというような傾向が見えていまして、大企業さんの中にはやや環境疲れというか、ちょっと揺り戻しみたいなものがあるのかなという気がいたしております。
 それから、会社の規模別に見ますと、やはり小さいところは社会貢献だとおっしゃっておって、大きいところへ行くと重要な戦略だというお答えが返ってくるということのようでございます。
 それから、環境マネジメントシステムだとか、環境会計だとか環境報告書だとか、いろんなものの取組状況を聞いておるんですが、3ページのISO14001の認証取得状況。これも業種ごとに見ますとかなり取組が分かれまして、やはり製造業が一番大きいと。やっぱり業種の性格と大企業が多い業種かどうかというのがあるんだと思います。
 これを6ページの環境報告書の状況と比べますと、同じような状況でもありちょっと違いが見られるという感じでもあり、ややISOよりも環境報告書の方がプロ向けの要素が強い。だから、一般消費者向けみたいなよりはプロ向けの色の強い業種について重視されているというような傾向ではないかと思います。
 それから、9ページの下の段、(11)というところで環境行政に何を期待するかというところで、これも経年で見ておりますが、一般的な情報提供みたいなものは減り傾向で、むしろ人材育成とかちゃんとグリーン購入で環境にいい製品を買ってくれとか、あるいは環境規制の見直しをしてくれというような要求がふえるという結果があって、一般的な情報提供はもういいから、直接そのビジネスに結びつくようなことをちゃんとやってほしいという要求になっているものではないかと思われます。
 それから、11ページに企業というものを取り巻く非常に重要な要素として、金融ということで、1つは我が国の社会的責任投資ファンドの状況というのを挙げてございます。1990年から2001年の前半ぐらいまである種ブームになりまして、幾つかのファンドができたんですが、その後の不景気で中へ入っている株が大分縮んでしまったというようなことがございます。ところが最近、今度2003年、ほぼ丸2年ぐらい間があきまして、2003年の末からまた幾つかあらわれてきたということで、新しい動きができてきているというふうに感じられます。
 それから、最後の13ページに金融機関で環境に配慮した融資、ここでも例えば日本政策投資銀行が非常にそういった取組を進めているというようなものをご紹介をしたことがあるんですが、ほか地銀レベルにおいてもいろいろなもの、例えば低公害車を買うのに優遇ローンを出しますとか、ISO14001を取るのに特別の融資を出しますとか、あるいはちゃんと環境保全投資についての融資がありますという、かなり多くの地銀レベルで地域密着という意識も恐らくあるんだと思いますが、こういった支援が出てきているというのが目立ったところであろうかと考えます。
 飛ばして申しわけございませんが、今度は2-3でNGO、民間団体の状況についても特徴的なところを申し上げさせていただきたいと思います。
 まず、これはどういう調査かというところを最初にご説明した方がいいかと思うんですが、環境事業団、今度、環境再生保全機構に再編されましたが、ここの地球環境基金の事業の一環として環境NGOの状況把握をしていまして、4,000ほどの団体が今あるとされております。ここのうち、ちょっとお金がなくて全部聞けなかったので、半分ほどに聞きまして、1,000ほどから回答をいただいたという結果でございます。
 活動の取組の分野としては、1ページにございますように、やはり地域での取組が多くなっている。3段に分かれて棒があります一番下のグラフをごらんいただきたいと存じますが、法人格を持っているところはむしろ全国レベルの活動が多くて、任意団体のところは地域レベルの活動が多いという結果、ある種当然でございますが、ございます。
 それから、2ページ、3ページでございますが、これは活動の状況についていろいろ聞いておるんですけれども、これから幾つか出てくるグラフについて、組織対応について見ますと、NPO法人のところだけ折れ線がぴんととんがっているという、ちょっと幾つもそういう共通的な特徴が出てまいります。
 例えば、活動形態というところですと、幾つかのグラフではNPO法人というところだけぴょこんととんがっています。例えば政策提言であるとか教育・学習というところがとんがっている。
 それから、右側の3ページの左下のグラフを見て、例えば今後どういう連帯を考えていきたいかという問いをしますと、大体NPO法人のところだけとんがっていて、みんな連帯が強いと。特にNGOの相互間、学校、あるいはマスメディア、海外、国、政治というようなところとも連帯を考えるという特性があります。
 それから、2ページ飛ばして5ページへまいりまして、主な課題は何ですかということをお伺いしましても、やはりNPO法人というところがとんがるというグラフになりまして、スタッフの育成や確保、あるいは会員というような、あるいは活動拠点の充実というようなところに特徴が出てきまして、やはりこの環境の分野でもNPO法人という新たな組織形態ができたことによって、新たな、今までとは考え方の違った人たち、切り口の違った人たちの活動というのが広がってきているということが伺われるのではないかと存じます。
 最後に、地方公共団体の状況でございます。1ページ目に環境基本条例の策定状況、それから地域環境計画の策定状況というのを聞いてみて、だんだんふえてきているんですけれども、右側を見ますとここ3年間でやりましたというのがふえているんですが、実は現在検討中というところを食ってふえたということで、予定はないというところの率がほとんど変わっていない。したがって、だんだんやるところはやってしまってやらないところはやらないことにしているというような傾向が見られます。
 2ページへまいりますと、この地域環境計画、環境基本計画の地域版を規模別に見ますと、大体10万人以上の市で8割、これは政令指定都市を除いていますが、政令指定都市は全部と考えていただいていいと思います。5万人ぐらい、この辺から市になるわけですが、それの半分ぐらいで、逆に1万人未満という町村になるとほとんどないということで。ただ、これは人口で見ますともちろん大きな市にいっぱい人が住んでいますから、大体6割ぐらいのカバレッジ。人口でいくとそのくらいになります。
 それから、地方自治体で環境行政をやってくださっている方の状況なんですが、まず都道府県ですと大体増、実はこの調査の総務省、旧自治省が地方自治体の公務員の管理をする関係上、各自治体にどういう担当の定員がどれだけいるかということを非常に悉皆的に聞いていまして、その結果なんですが、かつどれか1つで決めろと。この定員は何要員なのか1つに選べという聞き方で聞いています。そのときに公害であるとか環境保全であるというふうな答えが返ってきた人でありますが、都道府県を突いてみますと、公害分野の方がほぼ横ばい、微減、それからここ10年間ですね。環境保全はそれ以外の、したがって地球温暖化だとかリサイクルだとか、そういう問題に取り組んでいらっしゃる方は4割ぐらいふえて、結果1割弱ほどふえているという状況にあります。これはオール公務員が、実はこの10年間に地方公務員が6%減っていますから、環境関係の要員は重視はされているというふうには言えると思います。
 これを政令市、市町村に行ってみますと、実はこちらはトータルが微減、6%ほどの減で、環境保全に当たる人は5割ぐらいふえているんですが、その分、公害の方が2割ぐらい減っていて、要するに公害の方を食ってその他の環境、新しい課題に対応する人をふやしているという状況にあります。
 それで、4ページで人口規模別にその要員を見ますと、実は人口1万人未満の町村の9割以上、98%、それから3万人までのところでも約9割が専任の担当者ゼロないし1人、2人ということになっていまして、これだと環境基本計画をつくるのも無理だろうという状況にあります。人口5万ぐらいの、要するに小さな市でやっとこ5人~9人が多数派、10万人以上になると10人以上になる、大体平均的になるというのが実は実態でございます。
 直近ここ2年間、14年度から16年度の傾向を聞きますと、小さいところは余り変わっていない、ふえも減りもしていないんですが、ゼロか1だとふやしも減らしもしようがないということであろうと思いますけれども、大きな、したがって10人ぐらい以上人がいるようなところでは、実はふえたところよりも減っているところがふえてきているというのが今の状況でございます。
 これに対応しまして、大気汚染防止法、水質汚濁防止法に基づく立ち入り検査の件数というのを6ページで見たんですが、実はここ10年ほどで特定施設、対象の事業所の数はほとんど変わっていないんですが、立ち入り検査の件数が大気、水質とも実は3割ぐらい減っているという状況にあります。今どき大気・水質の違反をするやつもいないだろうから、こういうところは合理化しているんだという考え方なのか、もう手が回らんということなのか、前者であろうと期待していたんですが、どうも最近はそうでもないということも見えてきたようでありまして、ちょっとどうしたものかなと思われるわけであります。
 それから、では8ページ以降のところで自治体の方々に今何が課題かというふうに伺ってみますと、経年的に見ますと不法投棄とか水質汚濁とかごみの最終処分場がないとかいうのは大体下がっておって、リサイクルと地球温暖化が上がっているという状況にあります。下の方の市町村の規模で見ますと、やっぱり小さいところは不法投棄と水というのが圧倒的に多くて、それで手いっぱいと。大都市になると温暖化とか化学物質とか、ただ処分場は今度は都会になりますから大変苦しいという答えが出てまいります。
 あと、民間団体等々との協働の状況というところを見ますと、10ページでございます。これもこういったところとの連携を考えていますかということを聞きますと、やっていますというのがふえている。やっていますというのは経年でふえるんですが、これも実は検討中というところを食ってふえておって、予定はないというところの率がほとんど変わらないという、掘り尽くし、両極端化ということがこういうところにも見られます。
 それから、どういうところと連携しているかというと、小さい自治体の方が住民さんと密着しているし、それから大きい方は専門職員もいるからと思うと、やっぱり逆で、小さいところは何かこういう余技のごときことをやっている余裕がないというお答えになるようであります。
 それから、環境情報の提供というところでも、これもいろいろありまして、例えば住民さんの、先ほどの国民は何から情報を得ているかというところとどうもミスマッチがあるようであるという傾向も見られます。それから、12ページに細かいグラフがいっぱい載っておって恐縮なんですが、これはいろんな媒体をどれだけやっていますかというのを聞いた結果なんですが、すべて経年的にふえるんですが、みんな検討中を食ってふえておって、特にイベントの類なんていうのはやっているところはふえているんですが、検討中がぎゅっと縮んで、今まで検討中だったところももうええという答えが出てきているという、これも掘り尽くし、両極化みたいな現象が見られるという傾向が見られたところでございます。
 大変急ぎまして恐縮でございますが、顕著な傾向が見られたところはこんなところでございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの佐野課長の方からのご説明、この国民の状況、それから企業、NPO、そして地方公共団体、主体ごとの現在のいわば状況、これにつきましてのご質問、あるいはコメント、ございますでしょうか。札を立てていただければと思います。これは読み出すと果てしなくおもしろいものになるかもしれませんので、これも時間を15分ぐらいと限らせていただくつもりでお願いしたいと思います。
 それでは、あちらの方から今度はいきましょうか。森嶌先生、お願いいたします。

○森嶌委員 我々が今審議していることは何かということをまず確認しておきたいと思います。議題は、第二次環境基本計画の見直しについてということであります。私は現在部会長ではありませんから、部会長が言いにくいことを申し上げますけれども、委員の皆様がご発言される際に何が議題であるのかということをまず十分認識しておいていただきたいと思います。
 それを前提にしまして、今のご報告ですけれども、2-4の地方公共団体の環境条例や計画についてですが、そもそも国の環境基本計画は何のために作るかというと、環境行政をどうしていくかということでありますから、国の環境行政、地方行政に対する計画をつくっていくということが第1であります。それとの関係で民間といいましょうか、国民や、企業を巻き込んで行政の施策に参加してもらうということでありまして、ターゲットの中心はあくまで国です。国というのは環境省だけではなくて国全体と、それから地方行政ということでありますから、その意味では2-4で地方行政がどうなっているのかというのは、非常に重要な資料だと思います。その意味で、これをお調べになったのは大変評価できるし、重要な資料だとも思います。
 これに対して、民間団体や企業についての2-3、2-2というのはそれぞれ意味があると思いますけれども、国民の意識についての2-1については、これをどういうふうに環境基本計画の中でお使いになるのかということについて、事務当局はどうお考えになっているのか、参考のために集められているというのでは、これは非常に参考になっておもしろい、読み返したらおもしろいんですけれども、基本計画の中でどういう趣旨でお使いになるかという点をお伺いしたい、というのが第1の質問であります。
 それから、時間がたつといけませんのではしょりますが、議事の進め方というか、冒頭に申しましたけれども、皆さん、我々が何を議論しているのかということを忘れて、もう少し易しく書けとか国民がわかるようにしろとおっしゃいますけれども、環境基本計画は国民に働きかけるものでもありますけれども、これは事務局が、環境基本計画ができた後、国民に向けたアピール版を別に易しく漫画でも何でもつくればいいわけで、それは環境行政の基本計画とは別に作ればいいわけで、我々は環境行政をどういうふうにしてやっていくかということをここで議論しているわけですから、議題の1の環境政策の状況についても、先ほど説明された今の状況をもとにして、それでは計画の見直しをどういう方向でやっていけばいいのかということを議論するのであって、一つ一つの状況について我々が言うべきではなくて、それを前提にして、ではどういうふうに計画を見直していけばいいのかを我々が提言すべきです。その意味では、例えば有機的に環境基本計画をつくれということですけれども、事務局に有機的にやれというのではなく、我々がどのようにすれば有機的に進められるかを考えるべきで、事務局に注文するのは我々の怠慢です。
 どういう有機的にやるか。一つの例としてはどなたかが言われたように、温暖化を中心にして政策を組み合わせるとすれば、どういう視点で温暖化で生態系も含めてやるのかということを我々が提言すべきだと思います。そのために我々は委員でいるわけですから、これは前部会長として申し上げますと、我々は国民それぞれの代表として来ているので、業界代表やNPOで来て勝手なことを言っていいというわけではありません。国民の期待を担って来ているわけですから、もっと積極的に、事務局がなるほどそれならそれでいかなくてはならないというぐらいのことを言わないといけないのではないでしょうか。有機的にやってくれと言って、あと事務局にぽんと投げたのでは、何のために我々来ているのかわからないということを、前部会長として、申し上げたいと思います。
 

○鈴木部会長 大変真摯に受けとめさせていただきたいと思いますが、この見直し、あるいは第三次の基本計画の策定に関しましては、これからかなり数回にわたってご議論をいただく。そういうところで、今、森嶌先生のおっしゃっていただいた基本線で進むことになると思いますが、まず第1回、第2回はいわばちょっと勉強会みたいな感じで、そういうところになじんでいただくという、そういうこともあろうかと思います。
 それから、私としては国民の状況というのは大変重要だと思っておりますのは、やはり環境省として行政を進めていく上で、一体どうやって国民を巻き込んで、本当にそれぞれを動員するにはどうしていったらいいのか、その辺のところが極めて重要だろうと思っておりますので、またそれは後に次回、次々回以降でご議論いただかなくてはいけないと思いますが。
 森嶌先生の叱咤激励もございましたが、余りこれにとらわれずにきょうはご発言いただいて、あと残り時間大変少ないものですから、なるべく簡潔にご質問、コメント等をお願いしたいと思います。武田委員。

○武田委員 ありがとうございます。今お話があった国民の状況、意識の関係と、先ほどの第2次答申に若干絡んで意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 先ほどもご説明ございましたように、国民の環境に対する意識はかなり高まっていると思うんですが、身近なごみ問題等と違って、地球環境というのはなかなか身近に感じられない。マスコミ等でいろいろ言うので大変だなとは思っているけれども、実際の行動には結びつかないというのが現実のところだろうと思います。
 それで、いろいろ教育啓蒙云々と言うんですが、それももちろん大事なんですが、同時にやはり国民の行動に結びつけるインセンティブというものをどう考えていくのかということを考える必要があろうかと思うんですね。特に京都議定書達成計画、今必死になって策定中だと思いますが、特に民生、運輸、自家用車、こういうところの対策をどうするのかという問題が非常に、なかなか有効な決め手が見つかっていないということだと思いますね。
 それで申し上げたいんですが、この答申の83ページにある自動車対策のところのグリーン税制というところで検討されると書いていただいていて、大変心強く感じるわけでございますけれども、税というのは、環境税というのは非常に大きなウエートでいろいろ議論されておりますが、これにつきましてはいろんな意見があるのは皆さんご存じのとおりでございます。推進すべしと言う人と反対と言う人もいるわけですね。現実には、これはいろいろ意見がありますが、今出ているような案ではなかなか効果が薄いのではないかとか、既存エネルギー税制との関連はどうするんだとか、こういう問題は当然考えなければいけないわけで、なかなかこれを進めるのは困難なところ。
 それに比べて、ここにあるグリーン税制というのはかなり定着しているし、これをここにあるようにかなり、2倍、3倍といいますか、めり張りをつけて実施するというふうにすれば、国民それぞれがこれのインセンティブを非常に感じるのではないだろうか。それによって1台当たりの排出量の少ない方にシフトしていくということはかなり期待できるのではないかと思うんですね。ぜひこれを強く推進してもらいたい。
 その次に書いてあるハイブリッドについても、大分進んできております。ここに書いてある燃料電池自動車云々は、これは将来の問題でありまして、現実にはなかなか難しい。やはり次のステップはハイブリッドだと思います。乗用については相当進んでおりますが、ここにもありますように、貨物についても、これはトラックは乗用に比べてメーカーさんの開発が非常におくれたんですが、今は実施段階に入っています。現実に導入しますと、1台当たりのCO2は少なくとも30%は削減できるという状況にございます。こういうところの推進のインセンティブとか、この辺を具体的にやって確実に効果の見える施策に結びつけていただければというふうに思います。以上でございます。

○鈴木部会長 浅野委員。

○浅野委員 2点あります。
 まず、マスコミ関係も同じようなアンケート、世論調査をやっておられるので、ぜひそういう資料も並べてみるといいと思います。最近ある通信社の世論調査、コメントを求められたんですが、今、武田委員もおっしゃったように、かなり皆さん知識は十分にあるという印象が強いんですね。ですから、その先をどうするかということが環境基本計画の主要な課題であるということは皆さんおっしゃるとおりだと思います。
 もう一つは、地方自治体でありますけれども、さっき佐野課長が言われたように、二極分化が非常にはっきりしてきているということですから、やはりトップランナー方式にこだわっていては半分の自治体は完全に何もしてくれないということになりかねない。これから先の環境政策は、やはりしっかり地域に密着したところで展開しなければいけないということを考えますと、半分が脱落するような状況をつくらないためにどうしたらいいかということをこれから我々は計画の中でしっかり考えていかなければいけないのではないか。そういう印象を持ちました。

○鈴木部会長 和気委員。

○和気委員 前回の各部会というか、課題のご説明と、この実態アンケートを含めた調査報告をあわせながら、これから政策をどう考えていくかというときに、各課題の中から出てきた一つのキーワードとしてリスクコミュニケーションというのがよく出てきております。
 リスクコミュニケーションというのは実態は何なのかというときに、なかなかわかりにくいところがある。こういう調査も実はリスクコミュニケーションの1つの手法であると私は認識しております。つまり、人々はどんな環境問題をどう感じているかというのは、どんな環境リスクを主観的に感じているか、あるいは団体としてどう認識しているかというところですので、実はこういうものこそ1つのリスクコミュニケーションとしてどう生かすかということが重要だというところで、多分皆さんおわかりだと思うんですけれども、私はそのように理解しております。そこで、この調査の結果をどう活用するかというときに、2つの方向の活用の仕方があるだろうというふうに思います。
 1つは、いわば主観的な環境リスクをどう世の中、国民がどう描いているかというところの中で、かなりの程度のリスクを認識しているとすれば、それをどう具体的なアクションとして結びつけるかというところの問題が浮上します。先ほど浅野先生もおっしゃられたように、わかっているけれどもできないというところが、やれないというところが重要なわけです。そこで多分政策手法のインセンティブというようなところがすごく重要になってくるんだろうと。どんなインセンティブを与えたら人々がわかっているところを、認識しているところをアクションに結びつけるかということが非常に重要な政策、手法の課題になってくる。これは1つ、かなり見えてきているのではないかというふうに思います。
 2つ目の方向は、この経年の調査結果をどう活用するかです。つまり傾向として、つまり日本の社会は今数年間の間こういう傾向があると。したがって、今後この数年間、これからの数年間において、中長期において、この傾向がおよそ続くだろうかどうか。その傾向の中でこれからの政策を考えていくと。つまり、この数年間の経年の調査を1つのトレンドとして前提条件として考えられるかどうか。この辺を少し精査していった上で政策課題をもう少し煮詰めていくというところが重要かなというふうに思います。以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。山本先生。

○山本委員 前回も私提案させていただきましたけれども、環境基本計画の見直しで特に私が大事だと思うものは、気候変動問題に対する我が国の長期政策のあり方だと思います。
 それで、私の提案は、やはりEU、あるいはアメリカの一部の学者及び政治家が提唱している、産業革命以前に比べて2℃で温度上昇を抑えると。この気候ターゲット2℃の設定を我が国もやはりこれを環境基本計画に明確に書き込んで、これをもとに政策を立案すると。
 ただ、2℃に抑えるのも非常に大変なわけですね。この第2次答申が出ておりますけれども、残念ながら一部しかこの報告書には触れられていなくて、世界の多くの研究者の主要な議論、懸念というのは、デンジャラス・クライメット・チェンジ、ラピッド・クライメット・チェンジにもう完全に移ったわけですね。ですから、明確に国民に説明する必要があると私は思います。
 つまり間氷期と氷河期のサイクルで大気中の炭酸ガスの濃度というのは180ppmと300ppmの間で今まで振動してきたわけですね。ところが現在380ppmぐらいになって、既に氷河期・間氷期の間の炭酸ガスの振動の上限値を80ppmも超えてしまっていると。この人為的な地球の気候システムに関する干渉が何を生み出すかというところが最大の懸念で、これがたくさんの研究の結果、2℃を超えると取り返しのつかない危険な気候変動を引き起こすということがほぼ科学的にも解明されている。
 それで、これは2月のロンドン会議で出された論文ですが、では世界の平均気温が2℃上昇をいつ迎えるかというと、2026年と2060年の間に迎えるということがもう言われているわけですね。ですから、11月にカナダで始まるポスト京都議定書の交渉においては、まさに海外の研究者はここを基準にして攻めてくるということはもう間違いないわけで、日本としてもこの問題を明確に考えて長期的政策、短期的政策を打ち出す必要があると、そういうふうに考えております。

○鈴木部会長 ありがとうございました。ちょっと時間の関係もございまして、佐野さんに、先ほど浅野先生も触れられましたが、二極分化の問題というのは一体アンケートから読み取る限りどうしようもないものなのか、何を、これはスペキュレーションになりますが、どういうふうに実施しておられるのか。

○佐野環境計画課長 すみません、途中で失礼します。森嶌前部会長からも浅野先生からもいろいろご指摘をいただきました。
 まずやはり特徴的だったのは地方公共団体のところでありまして、やはり町村のレベルであると余り難しいことを要求するのは非常に難しい状況にあるというようなことが出てまいりました。今、合併が非常に進んでおりますので、ある種そういうところに期待できる部分もないわけではないんですが、これはむしろ基本計画の課題、これからの課題ということになろうかと思います。例えば、個別施策においては最低限やってほしいことはきちんと制度化するということもあるのか、1つの答えかもしれませんし、今までのように何とはなしにやりたいところはどうぞ、些少ですが補助金を差し上げますというような仕組みではどうも限界が来ているというのが言えるのではないかというふうに存じます。
 それから、部会長、森嶌先生にもご指摘をいただきまして、例えばこの国民の意識の動向というようなところにつきましても、前回までの現行計画のフォローアップの過程で国民の行動が重要であると。あるいはそのための教育なのか情報なのか何であるかというようなご指摘もいただいたところでありまして、何とかそういったところの方向を出す一助にならないかと思っていろいろ分析をやったわけでございまして、何でこんなことをやっているかわからないと先生方がお感じになられたとしたら、これは事務局の責めに帰すべきところでございます。
 そういったところ、まだ引き続きご指摘をいただければ、またいろんな切り口、例えばほかの主体の調査もあるのではないかというようなご指摘もありましたので、そういったものを踏まえまして、そういったことに方向を見出していく助けになればと思っております。

○鈴木部会長 はい、ありがとうございました。それでは、桝本さん、どうぞ。

○桝本委員 ありがとうございます。和気先生と森嶌先生がおっしゃられました、私の言葉で言えば、このアンケート、世論調査の中から何を読んで、どういう政策にどういう形で反映していくか、ぜひご意見を賜りたいし、ご説明があるのであればお伺いしたいと思います。それだけです。

○鈴木部会長 特にお答えになりますか。これはまた多分、次回以降いろいろ議論する中でまたリファーされていくのではないかと思いますので。では、次に高橋委員。

○高橋委員 総合政策部会では初めてでございますので、黙っていようかなと思いましたが、森嶌先生から強いご叱責をいただきましたので、少し何らかの提案という形で説明申し上げたいと思います。
 それはやはり地方公共団体への働きかけという話でございまして、私は実は地方分権の制度設計にもかかわった経験がございまして、今の地方公共団体の仕組みというのは、都道府県、市町村、昔は一律で取り扱っていたんですが、行財政能力の差というものを明確に意識して、今は要するに政令市でありますとか、中核市でありますとか、特別市であるとか、一般市であるとか、非常に行財政能力の違いを意識した形での地方自治制度の制度設計というのが行われているわけですね。そういった意味ではやはり環境などについてもそうなんですが、いわゆる行財政能力が必ずしも十分でないところにどういうふうに働きかけをするのかという戦略的な働きかけの目標というのをきちんと立てるということが極めて重要だろうというふうに思っております。
 かつ、いわゆる1万人以下の町村であれば、要するに大体農山村部、中山間部でございますので、それぞれやっぱり課題というのは都市部とはかなり違うところがあると思いますので、そういう違いを踏まえた働きかけの目標をぜひ環境省の方でつくっていただいて働きかけをしていただきたいというふうに思います。
 そういう点で、等し並に市町村、都道府県というふうに扱うのではなくて、いわゆるきちんとした目標を持った形での働きかけ、要するに上からやれと言うのではなくて、今は連携ございますので、そういう働きかけの戦略目標をぜひつくっていただきたいというふうに思っております。以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。では、崎田委員。

○崎田委員 今回の4つの資料を拝見いたしまして、私は大変おもしろく拝見しました。かなりこれからきちんと読み込むと、現実のよかれと思っているけれどもそうは受け取られていない、いろいろなことが読めてくると思っています。
 私が今4つのこの資料を伺って一番感じたのは、93年の最初の基本計画から約10年、かなり環境の取組をする人や企業、自治体が増えていますが、先進事例の中には市民も団体も企業も疲れているという面もあるということです。そしてまた急激にやらなければいけないこともふえているので、その辺の疲れというものに対して明確に政策のインセンティブを見せていく、そのインセンティブの中にはやはり経済的なインセンティブを見せていくということも大事だというふうに、私は読みました。
 特に経済的なインセンティブの中で、支援しますよ、応援しますよといっても、単にお金を出しますよという意味の経済ではなくて、例えば地域の民間団体であれば、みずから回っていくような地域ビジネス、地域のシステムづくりに向けた、市民参画型社会に向けた立ち上げに対する支援とか、活動に対する税制をきちんとしていくとか、そういうかなりきめの細かい政策づくりをしてほしいと思っています。また、例えば企業に対して環境税の議論をきちんと提案をするのであれば、どういうような仕組みをみんなが社会に定着させれば、環境税として入ってきたお金の使い道になり得るのかという、要点などもできるだけ早目に見せていくとか、具体的な議論に持っていくということが私は必要だというふうに思っております。
 それだけ提案させていただきます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。

その他

○鈴木部会長 予定の時間をちょっとオーバーいたしてしまいましたが、何かここで特にご発言なさりたい方いらっしゃいますか。よろしいですか。
 いろいろと大変有益な、有意義なご議論をいただいたと思います。 では、善養寺委員。

○善養寺委員 初めてこの中央環境審議会に参加させていただいたので、ちょっと発言がどのタイミングでしていいのかよくわからないというところがあるんですが、崎田さんの言われたように、私もこの資料に関してはとても重要なことが書かれていると思います。特に、自治体に対して何を申すかということを決めるのではなくて、やはりこれは、マーケティングをどう知るかということで、政策を考えることは企業の商品開発と変わらないのではないかと思います。政策自身がやはり国民のニーズというか、今の現状の国民の心理に合わせたものをつくっていくということをしないと。いわゆるバリアフリーな政策が求められるのではないかというのがここで読めます。
 というのは、国民の意識と多少地方の行政にずれがあるということをきちんと踏まえた上で、その間を取り持つような政策というものを具体的に出していかなければいけないとなれば、この資料というのはすごく読み込むことが重要なのかなと思いまして、今後ちょっと読み込んで具体的な策を出していきたいなと思いました。ちょっと一言です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。ぜひ各委員の方々もきょうお出しいただいた資料、森嶌先生のお言葉をおかりすると、勉強を十分にするようにという、こういうことかと思いますが、最終的には何回かの議論を進めさせていただいて、そこの中で環境基本計画とは本当にどういうものなのか、どういうものであるべきなのか、そしてその中のコンテンツは一体どういうものを盛り込んでいくのか、そういうところをきちんと議論しつつ、それを達成するために主体別にどういう目標を具体的に立て、そこに環境省として、あるいは国としてどういう働きかけをしていくのか、その認識は十分にあるけれども行動に結びつかないと、そういう一種のそのバリアだと思いますが、それをどういうふうに越えていくのか、その辺を考えていくことが必要だと思います。
 ただ、また現状のいろいろご説明が前回、今回とございましたが、現状はこうであるということも非常に重要なんですが、やはり長期的な、基本計画は数年のオーダーのお話になりますが、やはり30年後、あるいは50年後の我々のビジョンをきちんとそこに持っていないと、例えば地球温暖化、あるいは気候変動に対応して、一体全体をどうくみ上げるのか、全体のリンケージをどうとるのか、そういうところが見えてこないと思いますので、これからは大変な議論を何回かに分けてお進めいただくことになると思います。ぜひどうぞよろしくお願いいたします。では、事務局の方から。

○苦瀬計画官 それでは、本日はどうもありがとうございます。
 それで次回ですけれども、4月25日月曜日の午後にまたこの部会の開催を予定しております。会場等詳細につきましてはまたご連絡を事務局からいたします。

○鈴木部会長 それではどうもありがとうございました。

午後 0時09分 閉会

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