中央環境審議会総合政策部会(第23回)議事録

開催日時

平成16年12月22日(水) 9:35~11:20

開催場所

虎ノ門パストラル新館6Fアジュール

出席委員

(25名)

森嶌 昭夫 委員、浅野 直人 委員、黒氏 博実 委員、崎田 裕子 委員、鈴木 継美 委員、桝本 晃章 委員、村杉 幸子 委員、山本 良一 委員、青木 保之 委員、飯田 浩史 委員、井手 久登 委員、江頭 基子 委員、川上 隆朗 委員、河野 正男 委員、久保田泰雄 委員、佐和 隆光 委員、塩田 澄夫 委員、筑紫みずえ 委員、永里 善彦 委員、中野 璋代 委員、松田美夜子 委員、松原 純子 委員、三橋 規宏 委員、横山 裕道 委員、渡辺  修 委員

議事

第二次環境基本計画の総点検について

その他

閉会

配付資料

資料1   第二次環境基本計画のフォローアップの総括について
参考資料1   第二次環境基本計画の総括についての意見(案査)
  (第22回中央環境審議会総合政策部会等における意見の概要案)
参考資料2   環境と経済の好循環ビジョン(平成16年5月中央環境審議会答申)
参考資料3   中央環境審議会総合政策部会名簿

議事録

午前9時35分開会

○苦瀬計画官 先ほど森嶌部会長の方から連絡がありまして、少々おくれるということでございますが、資料の説明等から始めさせていただくということで、まずは、いつものようにお手元の配付資料の確認をさせていただきたいと思います。
 それでは、資料の確認を始めさせていただきます。お手元に「第23回中央環境審議会総合政策部会」という議事次第の紙があるかと思いますが、資料の方は、資料1が第二次環境基本計画のフォローアップの総括について(案)でございます。
 それから、参考資料1といたしまして、第二次環境基本計画の総括についての意見でございます。これは、前回の部会でいただきましたご意見の概要案でございます。参考資料2が環境と経済の好循環ビジョンとしまして、ことしの5月にいただいております答申の概要の1枚紙を参考資料としてつけてございます。参考資料3は、中央環境審議会総合政策部会名簿でございます。
 それでは、部会長、まだお見えでございませんが、事務局、佐野環境計画課長の方から資料のご説明等、申し上げます。

○佐野環境計画課長 本日はいつもより少し早目の時間においでいただきましてありがとうございます。何か幾つかの交通機関が乱れているとのことで、若干、二、三の先生からおくれられるというご連絡をいただいております。部会長も今、お見えになられました。
 ちょうど、部会長、お見えになりましたので、部会長に進行をお願いしたいと思います。

      審議事項

       第二次環境基本計画の総点検について

○森嶌部会長 おくれまして申しわけございません。
 今、お話のように、今朝、少し何かあったらしくて、いろいろ交通機関が乱れているものですから、5分前には着くはずのものが5分おくれてしまいました。大変失礼いたしました。

○佐野環境計画課長 それでは、事務局より、本日のご審議をお願いします資料のご説明から始めさせていただきたいと思います。
 本日、主にご審議をいただきます資料1の第二次環境基本計画のフォローアップの総括でございます。前回の後半で、いわばフリートーキングという格好でご議論いただいたわけでございますが、大変多岐にわたる非常に有意義なご指摘をいただいたものと存じております。それで、現計画の総括あるいは見直しの考え方といったものにわたるようなもの以外に、新計画におきます具体の中身に当たるようなものにつきましてのご意見については、これは今後のご審議の中、あるいは今後の新計画の検討の中で踏まえさせていただくというふうにさせていただきたいと存じております。
 それで、この資料につきましては、第二次環境基本計画のフォローアップという格好のものでございまして、今回、初めてお目にかけるものでございますので、これで固めるということでなしに、これをたたき台にご指導いただきたいと思っております。
 それで、この内容でございますが、最初に、まず、第二次環境基本計画、現行計画をめぐります情勢、あるいは基本認識というものでございます。(1)が第二次環境基本計画ができて、後、現状どうなっておるかということでございますが、最初のパラグラフ、2番目のパラグラフで計画ができて、それなりの進展があったということを書いてございますが、前回、そういうものはあったけれども、環境問題というのは依然としてかなり深刻化をしているというご指摘が何人かの委員からございまして、こういう趣旨の内容をつけてございます。
 それから、(2)が、それでは、そういったものを受けて、現行の環境基本計画はどういった課題があるかということでございますが、委員の皆様、ご存じのとおり、第一次、最初の環境基本計画では「循環」「共生」「参加」「国際的取組」という、これか長期的な目標であるという格好で目標を掲げ、それから、現行基本計画では、その長期的目標のもとに戦略的プログラムという、いわば重点的に取り組む課題を整理したという進展というか成果があったわけでございます。
 しかしながら、前回のご審議でいただきましたように、これまでの現行計画について見ますと、定量的な目標、指標が少ないというようなこと。それから、政策の評価等を把握するための分析手法の開発が必要であること。あるいは、そのための定量的なデータ整備が必要であること、それから、個別計画との連携が必要であること、こういったことが、これまでの年次の点検の中でもご指摘をいただいているわけでございます。
 それから、前回のご審議でのご指摘がございましたが、11の戦略的プログラムは設けたものの、その施策相互のつながりというのが明らかになっていないというようなご指摘もいただいたとろでございます。
 それから、特に、前回、多くの委員からご指摘をいただきましたのは、今日の環境問題を解決するためには、1枚めくっていただきまして2ページの頭でございますが、今日の環境問題を解決するためには、国民、事業者、民間団体、地方公共団体などの各種体の取組が非常に重要であるけれども、現行計画では、各種体がとるべき具体的な行動が明らかでない。また国民に訴えかける力が弱いというようなご指摘を、前回、多くの委員からいただいたところでございます。
 それから、内外の経済社会の変化という要素もあると存じますが、この中では、例えばアジアにおける開発途上国の経済成長、エネルギー消費の増加といったようなもの、それによりまして、資源の枯渇あるいは自然環境の破壊など、現在の社会経済システムが、さらに環境上の制約に突き当たる可能性がある、というようなご指摘、こういった点を押さえておくべきという点を、前回ご指摘をいただいたものと理解しております。
 また、我が国の社会におきましては、人口が減少するということに加えまして、一方では、環境技術の発展、あるいは社会全般の価値観の変化というようなものも踏まえるべきというご指摘がございましたし、それから、地方公共団体、三位一体改革なるものを中心とします、あるいは市町村合併というものを踏まえました地方公共団体の現状、あるいは役割といったようなものについて、これも多くの委員からご指摘をいただいたところでございます。いろいろなご指摘がありました、こういったところを踏まえる必要があるというふうに整理をしてございます。
 次に、2.に参りまして、それでは計画の見直しにおける基本的方向というのはどういうふうに考えたらよいかということ。まず、前段としまして、現行、環境基本計画にいろいろな限界が生じているということを踏まえれば、新たな環境基本計画の策定のための検討を開始すべきではないかというふうな方向づけを得ております。
 そして、目指すべき方向の1つでございますが、1つは、目指すべき社会の道筋としての環境と経済の好循環ということで、まず、現行計画、あるいは第一次計画から大きな方向というのは、「持続可能な社会」というものを置いたわけでございます。ただ、この「持続可能な社会」という表現自体わかりにくい、というようなご指摘のあるとろでございまして、これはサステイナブルという、余り今まで日本語になかった概念の英語の直訳であるためであろうかと思いますが、言葉自体もわかりにくいということもございますし、その姿がなかなかわかりにくいということがございます。
 そういったものを考えていく上では、今後の我が国の経済社会が基本的にどういう方向を目指していくのか、どういう経済社会なのかという点を踏まえるべきというご指摘も、前回いただいたところでございます。
 そして、むしろ、そもそもの大きな大づかみの社会の姿みたいなものを踏まえた上で、目指すべき環境の世界では、環境と経済の好循環といったようなもの、これを総合政策部会に設けました専門委員会でご議論いただいて、本年5月にご答申をいただいたところでございますので、これを踏まえるべきというご指摘があったところでございます。
 おさらいの意味で、参考資料2に、5月にまとめていただきました「環境と経済の好循環ビジョン」の粗々の構造を1枚のチャートにしたものを用意してございます。
 ちなみに、小池大臣も、この報告をいただきまして、大変よいものをまとめていただいたと感謝をいたしておりまして、このビジョンの目指すところは、「健やかで美しく豊かな環境先進国」であるということなわけでございますが、これの頭をとると、「Healthy」と「Rich」と「Beautiful」、かつ「Ecology」と「Economy」ではないか。この4つをうまく並べる目と「HERB」になりますね、と大臣が考えられまして、じゃあ、このいただいたビジョンは「HERB構想」と呼びましょうと、大臣の発案でございまして、ちょっとアマチュアでございますがデザイナーに頼んで、ついていますようなマークもつくってもらいまして、今後、こういったことであちらこちらで訴えてまいりたいと思っております。余談でございました。
 そういったものを中心とすべきであるというものが1つ。
 それから、右のページに参りまして(2)でございます。新計画においては、ぜひ数量的目標・指標といったようなのが必要ではないか、というご指摘をいただいたところでございます。こういったものを考えるに当たっては、例えばフローでいうよりも環境という目的はストックで考えることが重要であるというご指摘であるとか、あるいはこういった数量的目標の設定、あるいはそれに基づきます施策の効果の分析のために、統計情報の整備が必要である。あるいは、そもそもそういったデータを集めるための体制みたいなものから考えないといけないといったもの、それから、そういったものを使って、世の中に訴えかけていくということが重要だといったようなご指摘をいただいたところでございます。
 それから、現状分析のところでも書かせていただきましたように、国民など多様な主体の参加を促すような計画であるということが望まれる、ということを、これまた複数の委員からご指摘をいただいたところでございます。環境問題の対応のためには、国民、事業者、民間団体、地方公共団体など、いろいろな主体の役割が重要であるということは明らかでございますが、環境基本計画というのは、法律上は環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱でございますので、例えばこれら家庭とか、あるいは環境省はことし、来年より学校というような場に力を入れてまいろうと思っておりますが、こういったさまざまな主体がとるべき行動と、それからその間の連携、共同のあり方というような姿を明らかにする。それから、関係省庁との連携といったようなものも重要である、というようなご指摘を、前回いただいたところでございます。
 それから、現行環境基本計画の1つの構成上の特徴として戦略的プログラムというのがあるわけでございますが、ここにつきましては、前回のお時間では、そういった重点分野を政策として、優先的な施策を選択するという、戦略的プログラムの考え方は継続してよいのではないかというご意見があったところでございます。
 一方、では、どれを戦略的プログラムとするか、あるいはどういう構成にするかというようなことは、現行計画の区分にこだわることなく、その後の社会経済の変化や新たに認識された問題に対応して考え直してよいのではないか、というようなご指摘があったかと理解しております。
 以上のものが、前回の比較的フリートーキング的なご議論を踏まえまして、私どもなりに整理をさせていただいたものでございます。本日は、これもこれで固めるということでなしに、これをたたき台にして、ご指導を賜りたいと存じます。
 以上でございます。

○森嶌部会長 どうもありがとうございました。
 前回のご指摘をいただいたところを事務局におまとめいただいたとろでございますが、もう少し、これに基づいてご議論いただきたいと思いますけれども、1と2を分けまして、それぞれ40分ないし45分ぐらいの時間をかけて、ご議論いただきたいというふうに思っております。
 まず最初に、第二次環境基本計画をめぐる諸情勢と基本認識について、ここに書かれておりますこと、あるいは、もう少しこういうことを書いたらどうかということも含めまして、ご意見がございましたら、どうぞ。時間の配分がございますので、最初にご発言の方、札を立てておいてください。――どうぞ、山本委員。

○山本委員 全体の構成、書き振りは大変結構だと思うんですが、字句でちょっと気になることがありますので、一言申し上げたいと思います。
 1ページの(1)の下の部分ですが、「近年の異常気象の増加と地球温暖化とが関係するのではないかとの連想もあって」というところが、大変私は気になりまして、この「連想」というのはちょっと弱いのではないか。「連想」のかわりに、「密接な関係があることが強く疑われることもあって」というくらいに、できれば書き直していただきたい。
 その根拠を申し上げます。根拠は、たくさんの研究が行われておりまして、まず、9月16日に発表されました東大国立環境保健地球フロンティア研究センター等の地球シミュレーターによる予測によれば、温暖化により日本の猛暑と豪雨は増加する、ということが明らかにされています。
 さらにはアメリカの国立大気研究センター(NCAR)の予測においても、21世紀の末には、より厳しい熱波が北アメリカ、ヨーロッパを襲う。同じような結論が出ております。
 さらには、これはもう非常にショッキングな研究がどんどん行われているわけでありますが、特に10月の「ネーチャー」に載った論文、ブリーフコミュニケーションでありますけれども、グリーンランドの氷床の崩壊を予言しておりまして、IPCCの第3次レポートのさまざまな温暖化効果ガスの排出シナリオで分析しているわけでありますが、最も早い場合は2040年にはグリーンランドの平均気温は 2.7℃を超えて、全面的融解に至る。そうすると海面水位は7mの上昇ということが、ブリーフコミュニケーションにした意図は、なるべく早く世界に知らせなければいけないということで、ブリーフコミュニケーションにしているわけでありますが、イギリスのユニバーシティ・オブ・リーディングのグレコリーたちの計算であります。
 こういうことを言っても、コンピュータシミュレーションは信用できないという人たちが依然として多いということも事実であります。私は40年間にわたってコンピュータシミュレーションで物性物理の研究をした経験からしても、非常に信頼性は高い。
 その信頼性の高い根拠をもう一つ申し上げますと、南極半島のラルセン棚氷Bが1カ月で大崩壊したのは、2002年2月から3月にかけてでありますが、この崩壊は既に1995年、1999年にイギリスの極地研究所で予測されていたとおりなんです。南極半島の棚氷の崩壊の後、次に懸念されたのは、棚氷が崩壊した後に、陸上の氷河の移動速度が加速化するということが研究者によって予測されたわけであります。ことしの10月になりまして、まさに研究者の予測どおり、南極半島の陸地の上に乗っている氷河の移動速度が、3年前の8倍に達しているということが、衛星観測によって明らかになっております。これはアメリカの雪氷データセンターのテッドスキャンボスたちの研究であります。
 さらに、ことし9月になりまして、北極の周りの8つの国が合同で研究した結果が報告されました。これはアークティック・クライメント・インパクト・アセスメント、 1,800ページの報告書でありまして、私はエグザクティブサマリーしか読んでいないのでありますが、それでも相当深刻な事態が起きている。つまり、全部地球平均の2番から3倍のスピードで温暖化が北極圏で進行しているということが、もう明らかにされているわけであります。
 したがって、資料1の総括の(1)の「近年の異常気象の増加と地球温暖化とが関係するのではないかとの連想」というのは全く適切ではない。まだ科学的解明は完全というわけにはいきませんので、「密接な関係があることが強く疑われること」というくらいには、ぜひしていただきたい。それが私の意見であります。

○森嶌部会長 そういうふうに、「密接な関係があることは強く疑われる」という、そのままの言葉になるかどうかはともかくといたしまして、そのように改めさせていただきます。
 それでは、川上委員、どうぞ。
 なお、札を立てていただきたいと申し上げましたのは、1つの議題について40分ないし45分と申しましたので、立てた札の数で、自分の発言が何分ぐらい許されるかということを割り算をしていただきたいということでありますので、今のところ2人ですから、そうだとすると、40分だとすると、何分、自分は発言できるかというので、多分、山本先生は今までの時間、ご発言になったのだと思いますので、もしもご発言したいと思われたら、ちゃんと札を上げておいていただきたいと思います。――どうぞ。

○川上委員 ありがとうございます。ご配慮で、少し長くしゃべってもいいといういうことのようでございますが、私、前回、自由討論と、部会長が言われたときに参加しなかったので、若干、自由討論的なコンテクストでも、次期計画なんかにも触れて、したがって、議題でいえば1と2が若干絡まってくるので、私は2の方では発言しない予定ですので、この1の方で、若干、所感を述べさせていただければと思います。
 次期の環境計画を今までのフォローアップを踏まえて考えるに当たって、日本の将来の経済社会の姿がどうあるべきかという点についての議論が重要だ、というようなご指摘がありました。私、全くその点については、同感ですが、他方、もう一つ、21世紀の国際社会、特にアジアにおける日本のあるべき姿といったような視点が、今後はもっと出てきてしかるべきではないか。この辺についての議論がもうちょっと要るのではないか。
 したがって、それは、内外の、この項目でいえば、社会経済の変化というというところの書き方なんかにも関係してくるのだと思うんですけれども、ちょっと印象で、別に文章になっているわけではありませんけれども、若干、もう少し、ダイナミックな書き方といいますか、環境面では地球温暖化の深刻化というのが基本的にあって、そこにおけるアジアであり、日本であるということで、アジアの経済発展というのは、ご承知のとおり、極めて目覚ましくて、それに伴う環境問題の深刻化ということがあるわけで、他方、日本からみれば、隣の中国、酸性雨もあれば、黄砂もある、いろいろな環境問題が日本にも影響してくるということは、当然前から議論されているし、しかし、その深刻さというのは、これからもっと経済発展に伴って強くなってくるということがあるわけで、他方、また全体で眺めれば、東アジア共同体といったような発想も出てきているので、そういう芽がある中では、その中における環境協力の重要性といったようなことも、今後踏まえてかかる必要があるのではないか。そういったものの記述がもうちょっと必要なのではないかという印象を持ちました。
 他方、アジア各国が目覚ましく発展している。少子高齢化で日本の人口減がもうすぐ始まるといったようなことがあって、21世紀を中期的に見れば、日本の国力、総体的な地位というのは、残念ながら減じていくということは不可避であると、私は思うんです。
 他方、また我が国の経済財政の現状にかんがみて、日本という国を見たら、日本の国際貢献をこれまで引っ張ってきてODAというもの、これで胸を張れる時代というのも、残念ながら予算もどんどんカットされていますし、終わりと言うとちょっとおおげさですけれども、方向としては余り冴えた状況ではないということが言えると思うんです。
 他方、そういうことを踏まえて、我々の憲法にいう国際社会で名誉ある地位を占めたいという点については、憲法改正論議が、今、盛んですけれども、国民的なコンセンサスはその点についてはあるのではないかというのが、私の印象で、そうであるとすれば、それでは一体、日本は国際場裏で何ができるかといったような、もっと大きな議論が、本来あってしかるべきだと思います。この場でやれということじゃ、必ずしもありませんけれども。
 私は、個人的な考えですけれども、環境分野で国際的に強いリーダーシップをとる、ということ、それはその1つではないかというふうに思うわけです。特に多岐にわたる環境面での日本の優れた技術を踏まえた途上国との協力、技術の移転、京都議定書の採択時に見せたような積極的な外交面でのリーダーシップといったようなことが行われれば、国際社会から尊敬を集める1つの大きな要素になるのではないかというふうに考えるわけでございます。
 温暖化防止の観点では、何も途上国への技術移転は、単にCMDで排出権を得るといったような視点だけではなくて、全地球的な観点からの先進国の義務だと、私は考えるわけで、その手段も、何もODAだけではなくて、民間企業の役割も非常にありますし、民間企業の出番でもあり、ビジョンにも通じると思うんです。環境分野の国際協力は、当部会での、今までの、私、参加しておりませんでしたけれども、点検結果にも反映されておりますように、これまで着実に進められてきたのだと思います。
 しかしながら、繰り返しになりますけれども、特にアジアのように近年の高度経済成長期において、産業の発展に環境が取り残されている、環境面での著しいひずみが、多方面で見られるというふうに私は思います。自分で最近見てきた限りでも、ベトナムだとか、インドだとかといったような国の水質汚濁だとか、大気汚染、産業廃棄物の処理等の問題は、まさに巨大なんですね。先進国の協力なしには対処し切れないということで、先ほど述べました温暖化対策、酸性雨、黄砂といった隣の中国との関係での協力の必要性は、論を待たないのではないか。日本は環境面で、もっともっと積極的に打って出る余地があるのではないかというふうに思います。また、これも繰り返しになりますが、環境協力を、今、芽を出し始めた東アジア共同体のコンテクストでも、もうちょっと日本が積極的に打って出るとか、やるということができるのではないかというふうに思うわけです。
 以上、私見でございますけれども、ご参考までに。

○森嶌部会長 ありがとうございました。
 確かにアジアは経済発展が著しいということ、そして、そのことに伴う環境問題を伴っているということについて、特にこの中で強調していないということは確かでありますが、他方で、国際協力ということにつきましては、あるいは日本が環境面での国際的な協力支援ということについてのリーダーシップにつきましては、既に国際的取組という形で、環境基本計画の中でうたわれていることでございますので、今の川上委員のご発言の中で、アジアの経済発展、アジアの問題、アジアの中における日本につきましては、何らかの形で触れるということにさせていただきたいと思います。

○浅野委員 今、川上委員がご指摘になった国際協力に関しては、既に大臣から審議会に諮問が出ておりまして、それは地球環境部会でそれを審議せよ、ということになりましたので、ただいま専門委員会を設けまして審議を開始したとろでございます。この基本計画の点検、新しい計画の策定には間に合うように、何とか急いで、今のご発言のご趣旨も十分に踏まえて検討して、答えを出したいと思います。ありがとうございました。

○森嶌部会長 もう大分昔に、国際協力の問題をやりまして、もう一度、国際協力の観点で審議が始まっておりますが、基本計画との関係で申しましても、国際的取組との関係で、これは新しい環境基本計画の中にも入っておりまして、私が驚いたのは、ところが具体的な検討につきましては、随分昔にやったまま、やっていなかったというので、これは何だというふうに、私は申したんですが、それはもう既に、国際取組については、この中に入っておりますので、今、川上委員のご指摘の中の、アジアの中の日本につきましては、何らかの形で、この文章の中に入れ込むことにさせていただきたいと思います。どういうふうに表現するか、どこに入れるかにつきましては、後ほど事務局と検討させていただきたいと思います
 それでは、筑紫委員、どうぞ。
 今見ると、突然、"雨後の筍"のごとにあらわれて、なるべく早く出さないと、もう時間を制限しますから、自分の権利は早くに公使しないと、法律家は、時期におくれた抗弁と申しまして、後から出したら、権利は時効とは言いませんが……。それでは、この辺で切りますから、よろしいですか。もうよろしいですね。皆さん、ほかの人の札を見てから発言してください。――どうぞ。

○筑紫委員 わかりましたので簡単にいたします。
 先ほど、森嶌部会長の方からご説明がありましたので、私も国際貢献のところで、もう少し具体的にということと、あと日本の環境分野の国際貢献というと、どうしても技術ということでと思っているんですが、本当の日本は世界最大ぐらいの個人金融資産のある国ですので、投資を通して、ODAという国だけでなく、民間からの投資のツールといいますか、そういったシステムというものもやれるような形というものを、もっと広げていった方がいいんじゃないか。
 それから、民間の企業さんが、各いろいろなところに直接投資をしている中で取り組んで、実はその現地の環境の技術だけではなくて、環境配慮という意味で貢献している事例というものが、どんどん出てきておりまして、例えばハンガリーで、日本の電装さんだったと思うんですけれども、環境の賞をいただいたんですけれども、それは取組を現地のエンジニアの人に、環境経営ということを非常に広めていって、現地のエンジニアが頑張った結果で賞がいただけたとか、それから、トヨタさんなんかが16カ国で、環境担当者が女性なんですけれども、その国でのトヨタの環境経営ということの評価を非常に受けている。そして、女性がそれを担い、その女性たちが、また仕事と家庭を両立させているということで、さらにその国でモデルになっているというような、細か過ぎるかもしれませんが、そういう具体的な事例もありますので、民間の分野で投資とか、環境経営の促進という意味で貢献できる部分も、具体的にわかるように、入れていただけたらいいんじゃないかんと思いました。
 以上です。

○森嶌部会長 文章として入るかどうかわかりませんけれども、今のご発言の趣旨は議事録としては残りますが、この中に突然、「民間の投資」というのが入るかどうか、ちょっと考えさせていただきますが、ご趣旨としてはわかりました。
 それでは、松田委員から回ります。

○松田委員 前回出席できませんでしたので、まず全体的な項目1に対する印象なんですが、私は廃棄物の分野が専門です。そして、私の周りにいる大勢の方たちは、施策の中で3Rの推進といいながら、発生抑制というものが全く効かなかったこの10年間だということに、少しいら立ちを覚えています。「膨大な量の廃棄物がもたらす諸問題」というふうにさらっと書いていますけれども、実を言うと、ごみを減らそうと思ったんだけれども、実際、減っていなかったということが具体的な問題なので、具体的に書いていただきたいです。
 そして、ヨーロッパの方では、きのうもEUからの新しい情報が入ってきたんですけれども、廃棄物の発生抑制に対して、命がけの取組が始まるようです。日本の場合は廃棄物の発生抑制というところの考え方が、まだ弱い。環境問題と温暖化対策の1つの具体的な解決策は、ごみを減らすということにあるわけで、セットで書いていただかないと、国民は、これを読んでも美文で終わっていて、具体的なイメージがわかないのではないかと思いました。ぜひ、「膨大な量の廃棄部がもたらす諸問題」というところを、少し具体的に書き込んで、取り組んできたのだけれども減らなかった現実を明確に記して、今後、発生抑制、拡大生産者責任、排出責任は、具体的に実行するということを後半でも書いていただきたいと思います。
 以上です。

○森嶌部会長 これは、実を申しますと、この文章の位置づけなんですけれども、新しい基本計画を、これから第二次を見直して第三次をつくるときに、どういう視点から見ていこうかということですので、第二次の環境基本計画について、ここで詳細に分析をして、あるいは反省をしてという文章ではございません。そこで、例えば廃棄物問題について、今、どこまで書けというふうにおっしゃったのかわかりませんけれども、それを始めますと、すべての問題について全部きちっと書き直さなければならないので、先ほどの山本委員のような、例えば「連想」というのでは、ちょっと足らないのではないかという限りでは書き直せますけれども、例えば廃棄物について、もしも何かのご提案だとすれば、ここであると、「廃棄物がもたらす諸問題や」ということで、これでは足らないということでしたら、何か具体的な簡単な言葉であらわすと、こういうふうに書き直せというご発言ですと結構ですけれども、これは決して第二次環境基本計画の、ここで具体的な総括をしようというのではなくて、第二次環境基本計画の――粗々と申しましょうか――の時代にどんなことがあって、ということを、ざっと書きまして、第三次に向けての視点を提供したというだけのことでございますので、ここで、ヨーロッパは死に物狂いでこれから始める、それに対して発生抑制がちゃんとできていなかったというようなことまで分析しようというつもりは、ここではございませんので、そういう趣旨の文章でございます。

○松田委員 私も、そこまで書けとは言っておりませんが、形容詞で終わってしまっているところが残念なので……。

○森嶌部会長 もしも何かありましたら、具体的に、こういうふうに文章を入れろ、とご提案いただければ、私の方で考慮いたします。お考えいただければと思います。

○松田委員 わかりました。

○森嶌部会長 どうぞ、三橋委員。

○三橋委員 私も1ページの最後のところ、膨大な量の廃棄物の後の問題、最近、温暖化によって日本列島の生態系に相当変化が出てきているような話を聞きます。例えば、冬眠を忘れてヘビやカエルが動き出して車にひかれちゃったとか、四国の方でソメイヨシノが狂い咲きしているとか、割と身近な問題で、そういうものの指摘が一般の国民にもよくわかる話ですよね。だから、ここは野生生物に見られる絶滅だけじゃなくて、その前に、冬眠を忘れた生物とか、あるいは狂い咲きの花とか、生態系に異常な変化が起こっているというような趣旨を入れて、それと野生生物の絶滅という大きな問題もあるんだけれども、絶滅に至る前に、相当の赤信号というか、そういう問題が今年あたり、いろいろ新聞等々で報道されていますよね。そういうようなことをちょっと入れておかないと、絶滅だけというような書き方だと、危機感がわからないような感じがするんです。だから、その文言を何かつくって……。

○佐野環境計画課長 部会長、恐れ入ります。
 今までいただきましたご指摘については、事務局の方でも検討させていただきまして、文章をまとめるのは役所の人間もできますので、それで部会長とご発言いただいた委員の方にご相談をしてまとめさせていただきたいと思います。

○森嶌部会長 できれば、発言していただく方に提案していただいて、処理し切れないものはこちらで処理して、ここで出していただけないものについては、こちらで考えますけれども、出していただければ……。

○三橋委員 今すぐ言えというと……。

○森嶌部会長 いや、今考えられないということでしたら、こちらでいたしますが、何かあれば、ということでございます。

○三橋委員 生物のライフスタイルに急激に変化を与えるとかいう意味の言葉ですね。もうちょっと本当は具体的な言葉、簡単にすぐ思いつくと思うんだけれども、今、ちょっと無理ですけれども。

○森嶌部会長 ジャーナリストだから、ぱっと思いつくのではないかと、さっきのHERBだとか、ジャーナリストというのは、そういうのをぱっと思いつくのではないかと思ったんですけれども。――それでは、横山委員、どうぞ。

○横山委員 第三次の環境基本計画に向けての視点ということでお話ししたいと思います。
 この文章を読んでいると、第三次の5年間にどんなことが起こりそうだということが書いてないんですね。来年2月に京都議定書が発効して、それから2008年から2012年にかけての第1約束期間が始まるということで、いろいろな国際的努力がなされると思うんです。
 しかし、一方で、アメリカの離脱、あるいは中国、インドとかも排出削減義務を負わないということで、またいろいろな努力はされても困難も待ち受けている。しかも、一方で温暖化のことを考えると、先ほど山本委員がお話ししてくれたように、大変ひどい状況があらわれるかわからない。そういう中での第三次基本計画ということを、我々はこういうふうに考えるんだという視点を、ぜひ入れていただきたいなというふうに思います。日本も6%の削減に向かうけれども、これも非常に困難が待ち受けているというようなところがあってほしいし、それから、いろいろなところで出ましたし、私も前回発言しましたが、日本がリーダーシップをとって、そういう困難な中で環境問題の解決とか、地球の環境保全に努力していくんだという方向性でダイナミックな……ダイナミックというと、また考えろと言われると困るんですが、そういう表現にして、最初の基本計画、第二次基本計画と全く違う状況に置かれて、それは相当深刻なんだ、というような感じがあらわれるものにしていただきたいと思います。
 以上です。

○森嶌部会長 それは、なかなか急には出てまいりませんで、これは事務局と考えさせていただいて、つまり、ここは第二次のときにはこうであったということを書いておりますけれども、そこで、では第三次が始まるときにはこういう状況である、第三次に向けてはこういう状況であるということを、ここへ書けというご注文だと思います。これは確かにおっしゃるとおりですので、これにつきましては、今、ここで急にと言われてもあれですけれども、それこそ佐野課長とご相談をいたしまして、なるべく短く書き込むようにしたいと思います。
 時宜におくれたのが出てきましたけれども、まだ時間がありますから、それでは、崎田委員、佐和委員、どうぞ。

○崎田委員 ありがとうございます。
 それでは、1の基本認識のところだけ、簡単に発言させていただきます。非常にコンパクトにまとめていただいていてありがたいんですが、私ももう少し具体的に書き込んでいただければ思うことがあって、手を挙げさせていただきました。
 特に(1)の最後のところのお話がある点なんですけれども、例えば、化学物質による影響の進展とか、そういうことも入れておいていただいた方が、いろいろ今後の展開のときに広がるのではないかと思います。化学物質だけではなくて、もう1点、都市部のヒートアイランド現象の深刻化とか、このぐらいまでは入れておいていただいてもよろしいのではないか。
 なぜかというと、大都市部は既にここ 100年で3度上昇しているというふうに言われておりますが、影響はかなり深刻化しているというふうに感じております。
 その次の(2)なんですけれども、最後のところに、今後、各主体の取組をきちんと書いていくことが必要だというような内容があるんですが、それとともに、例えば各省庁の連携による総合的な取組がより必要になっているとか、そういうことも今後に大変つながってくると思いますので、そういう課題整理も一言あってもよろしいのではないかと思いました。
 (3)の内外の社会経済の変化なんですけれども、ここのところが、実はすごく重要な話なので、「内外の」とまとめてしまっていいのかなといういうのが、ちょっとありまして、もしかしたら、先ほどのアジアとの連携の話と、あと日本の国内をとらえるということと、もしかしたら2つに分けて、国内のところも、もう少ししっかりとしたビジョンを持って、日本自身が環境に取り組んでいくということが必要なんだという、そういう方向性のことや、地域社会でNPOの増加だけでなく、地域社会での取り組みも進んでいることとか、もう少しここがきちんと書き込んでいただけた方が、次につながるのではないかという感じがいたしました。
 よろしくお願いいたします。

○森嶌部会長 わかりました。今のご趣旨については、そのようにさせていただきます。
 それでは、佐和さんどうぞ。

○佐和委員 まず、ほとんど国語的な問題なんですけれども、2ページの上の方の(3)のところで、「環境技術の発展」と書いていますが、「技術の発展」という言葉は、普通は使わないんですね。普通は「進歩」とか「革新」とか、それが1点。
 それから、その次に、これも国語的に、てにをは的におかしいのは、2.のところの第1行目から2行目、ないし3行目にかけて、「現行の第二次基本計画は」として、「これこれ技術条件の変化等に対応するには限界が生じている」というのは、国語的に明らかにおかしいですね。「基本計画は何々に対応するには限界が生じている」というのは明らかに国語的におかしいのであって、その文章がいいかどうかはとにかくとして、例えば「技術条件の変化等に対応する上で、限界をはらんでいる」とか、何かそういうふうにしないと、とにかく、てにをは的におかしい。
 それから、その次に、2ページの最後のパラグラフで、「また、云々」のところですけれども、「これこれで我が国経済にさらなる悪影響を及ぼす」という、「さらなる」というのは、既に悪影響が及んでいるということで、何が悪影響が及んでいるかというと、この点、非常にあいまいといいますか、よくわからないといいますか、言い出せばきりがないという面もありますので、「さらなる」というのは取った方がいいんじゃないか。要するに、入れない方が、という意味です。
 それから、その次の文章は非常に長い文章が、ほとんど1つのパラグラフで、1つの文章なんですが、2行目から3行目にかけて、「持続可能な社会を実現するための視点として云々」とあり、最後が「持続可能な社会への道筋をより具体的に示すことが必要である」となっていますね。だから、最初の「持続可能な社会を実現するための視点といて、」というのは要らないんじゃないですかね。あってもなくてもいいなら、ない方がいいというふうに思います。つまり、最後はこれこれへの強く打ち出して、そして盛り込むことによって、「持続可能な社会へりの道筋をより具体的に示すことで必要である」というだけでいいんじゃないでしょうか。
 以上です。

○森嶌部会長 ありがとうございました。
 なお、今、議題は大きな1を議題としておりまして、2は、まだ議題としておりませんでしたけれども、どうもありがとうございました。
 それでは、ちょうど佐和先生が議題の2まで先取りをされましたので、先に行きたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
 それでは、1につきまして、私の方で申し上げましたように、ご提案いただいたもので、このように直させていただきますと具体的に申し上げたのもありますし、その趣旨で直させていただきますというふうに申し上げたものもあります。
 なお、現時点では、ちょっと、どのように直していいのかわからないけれども、そのような方向で考えたいという、事務局と相談をして検討させていただきたいと申し上げたこともありますけれども、いずれにしても、この文章は答申とか、そういうことではございませんで、第三次の環境基本計画を検討するに当たっての、いわば部会での共通認識ということのメモということになるわけですので、さほど、と申しましょうか、ぎりぎりと文章を詰めておくという必要性のあるものとは思いませんので、そのような了解にさせていただきたいと思います。一任させていただきたいと思います。
 それでは、2に移らせていただきます。2の計画見直しの基本的方向につきまして、ご発言をいただきたいと思います。
 それでは、また札を立てていただきます。いずれにしましても、最初にルールをこしらえても、後からまたゾロゾロと立つかもしれませんけれども、なるべく後のは、ゾロゾローッではなくて、ゾロぐらいにしていただいて、最初にご発言になりたい方は、札を立てていただきたいと思います。どうぞ。今のところ3人ですが、4人ですね。――では、浅野委員からどうぞ。

○浅野委員 後でいいです。

○森嶌部会長 それでは、崎田委員からどうぞ。

○崎田委員 まだ頭がまとまっていないんですが、この基本的方向に関しては、前回のときにかなり発言させていただいて、かなりしっかり書き込んでいただいているのでありがたいと思いますが、環境と経済の好循環、こういうようなことを明確に社会が目指していくんだということをきちんと強く訴えかけ、そしてそれをパートナーシップで国民などの多様な主体がきちんとつくっていくんだという、こういうことがきちんと明示され、多くの市民や企業に伝わっていくという、ここがすごく大事なことだというふうに考えております。
 そういうことから行きまして、もう少し書き込んでおいていただければありがたいなと思ったのが、例えば(1)の「環境と経済の好循環」の提示ということなんですけれども、これって、割に、もう少しきちんと、例えば「負担増が悪影響を及ぼすとの主張もある中で」とか、こういうふうな形で、少しやさしく書いてありますけれども、現実には、実際に実施するとコスト削減にしっかりつながるからこそ、実際に経営的にもうまくなるというような意識も、かなり出てきておりますし、そういう意味で、ちょっとここのところを、もう少し積極的に書き込んだ上で、きちんと環境問題の積極的な取組が、国の強さや発展性につながるんだという、そういうようなことを、もう少しきちんと書き込んでいただいた方がありがたいのではないかなというふうに感じます。
 なお、環境と経済の好循環ビジョンの中には、こういうのだけではなくて、地域社会が非常に環境を配慮して、環境負荷を減らした地域社会が周辺からも評価されて、例えばエコツーリズムで活性化するとか、もう少し地域社会とか、ソフト的な視点も入っておりますので、もうちょっと書き込んでおいていただくと、ここに幅があるんだということが社会の方にもわかっていただけるのではないかと思いました。
 (2)の部分なんですけれども、わかりやすくということで、数量的な目標をきちんと入れるということが、ここにきちんと出ておりますけれども、このわかりやすくということに関しては、例えば大臣が「HERB構想」という名前をつけられたというような、ああいうアイキャッチのうまさとか、情報発進のわかりやすさとか、そういうことも、わかりやすさにはあると思いますので、できるだけ、わかりやすい明確な情報発進ということも意識に入れておいていただければと思います。
 次に(3)なんですが、国民など多様な主体の参加を促す計画、ここも内容的には大賛成なんですけれども、ここも少し地域社会をきちんとつくっていくとか、地域力・人間力というのも大変言われておりますので、そういうことも少しキーワードとして入れておいていただくと、もう少し幅が見えるのではないかなという感じがいたしました。
 あと、戦略的プログラムで終わっておりますが、先ほど来ご提案があったように、ここの方にも国際的な連携をきちんと視野に入れるということを、ちゃんと方向として、テーマとして入れて書き込んでいただければありがたいなというふうに思っております。
 よろしくお願いいたします。

○森嶌部会長 後の方のご発言にも関連するのかもしれませんが、特に最初の方の「環境と経済の好循環」と申しましょうか、両立と申しましょうか、ここではサブスタンスを議論しているのではなくて、こういうことをめぐって、きっちりとした議論をすべきだということを議論していますので、ここにサブスタンスに突っ込みますと、いろいろとまた、そこで議論しなくてはなりませんので、今のご趣旨はわかりますけれども、ここでやりますと、いや、そこは自分はこう考える、ああ考えるというご議論がありますので、最初のご指摘につきましては、この辺のところでとどめておきたいというふうに思いますので、ご了承をいただきたいと思います。――それでは、桝本委員、どうぞ。

○桝本委員 ありがとうございます。
 これまで、いろいろお願い申し上げたことを大分的確に取り入れていただいておりまして、ありがたいと存じます。この2の基本的方向で、これは新しい発言なんですけれども、例えば、IPCCの4次報告が、恐らくこの2の期間に出てくる。そういうようなものが出たときに、今、崎田委員もおっしゃられたように、的確に情報を出していくとか、そういうこともどこかにあっていいのかなという気がちょっとすることが1つです。それから、細かいことで申せば、1の環境と経済の好循環、これは、ぜひ、参考資料2で、HERBと名づけられた計画に書かれているとおり、イメージがわくような表現を工夫していただくと、もうちょっと中身が充実するんじゃないかというふうに感じました。
 それから、3ページの(3)ですが、「国民など多様な主体の参加を促す計画」。これは、私は、実は基本中の基本で、非常に重要だと思っておりますけれども、例えば、この段落の2行目、「各主体の役割も」、「も」と書いてあるんですけれど、これは「も」ではないので、私は、「が」ではないかと。細かいことですが、それで、それぞれの主体が、それぞれの立場でやるということが重要だということは言うまでもないわけですから、ここも表現として、これでいいかもわかりません、もうちょっと強くしていただいてもいいかなというふうに存じます。
 それから、各関係府省の連携。これこそ表現はもうちょっと強くしていただいたらいかがでしょう。今までのお話の中でも、先生・委員の皆さんのご指摘もありました一層の連携を図る必要があるというのを、欠かせないという意味で、ぜひお願いを申し上たいというふうに思います。
 それから、(4)の戦略的プログラムですが、これは異論ではありません。かつてシナリオ小委員会で、技術の非常に詳細な評価があって、大変私は感心して勉強した記憶があります。そういう意味で、ああいう技術評価と、その評価に基づく一応の見通しみたいなものが、この基本計画ができていたら、もう確か三、四年たっていると思いましたので、この間、非常に大きい技術進歩のようなものもあります。システムの変更も大変大きいものがあると思います。そういう意味で、改めて同じようなレビューを、この段階でしていただくという必要も、あるいはあるかもわからないという意味で、ちょっとお考えいただければと存じます。
 それにしても、この参考資料2の、HERBの構想というのは、私は改めて見せていただくと、非常によくまとまって、大事な要素がみんな拾われている。表現はちょっとソフトですけれども、そういう感想を持ちます。中でも右上の方に相当する、「実現に向けた課題」、ここのところは、私は実は非常に重要だというふうに思っていまして、「市場が環境配慮に向うための云々」と、ここは、いわば国民が消費者として、市場でお金の価値以外の環境評価基準を持つというように考えますと、私としては大賛成でありまして、このことも基本的方向のどこかに、再度強調していただいてもいいのかなというふうに存じます。
 具体的な指摘にならずに、感想のようなコメントで申しわけないと思いますが、ぜひよろしくお願い申し上げます。

○森嶌部会長 久保田委員、どうぞ。

○久保田委員 ありがとうございます。
 まず2ページの、2.の上から2行目のところですが、「第二次環境基本計画は」という後ですが、「今日の環境問題の態様の変化」、これが1つ目、2つ目には「内外の社会経済の変化」、これは上の方にきちっと書かれてるんですが、「技術条件の変化等に対応するには限界が生じている」、こういう文脈の中での「技術条件の変化」というのは一体何なのかという記述は、必ずしも上の方で明らかになっていないのではないかという感じかいたします。例えば「技術」に関連することは、「ハイブリット車や省エネ家電に見られるような」という記述しかございませんが、この関連性の中で、こういう表現でいいのかなというのは、上を直すか、下の表現を直すかにするべきではないか。中期的に見れば、環境技術の革新的な変化といいますか、そういうことは非常に大きいし、日本が国家総がかりで、そこに力を入れるべきであるのではないかというふうに思っておりますが、この書き振りでは、余りに技術のところについての内容が浅過ぎるのではないかというふうに感じます。
 2つ目ですが、(1)で、「目指すべき社会」を、もっと明確に前に出すべきという意見はずうっと一貫して主張してきたつもりです。そういう意味で、環境と経済の好循環の提示につきましては、ここに書かれておりますことについても大いに賛成をいたしますが、ただ、どうしても、「環境と経済の好循環」と出した考え方や中身の問題について、しっかりメッセージを送るには、もう少し踏み込んだ内容が必要なのかなという感じがいたします。
 とりわけ、この文脈では、上で「環境と経済の両立」ではなくて「好循環」と言っていながら、下の文脈の中では、環境と経済が、ある意味ではどっち立たずという関係のような記述のされ方もされています。最終的には、国民一人一人がどういう社会を望むのかということに尽きてくるのではないかと思いますけれども、実は「好循環」と一言でいってしまうと、何となくいつの間にかビルドインスタビライザーで、それほど痛みや意識変化といいますか、自分自身でしっかりと自覚をするということがなくても、いつの間にかいってしまうような印象も、誤解を受けてしまうことにもなってしまうではないか。余りフワフワッとしたきれい事だけではなくて、豊かさとは何かとか、自分の生き方とか、働き方ということを本当に、この世紀の変わり目を境に、もう一度しっかり考えてみようという、実は相当しんどい作業とか、あるいはお金がかかったり、負荷がかかることも引き受けようという覚悟を持って、そういうところにみんなが関心を向けていくのか、あるいはそのことを自分とか、自分の家族を含めて、しっかり考えようということで、右の道を選択しましようという、相当しんどい作業も含めた、国民的議論というのが大前提になければならないんじゃないかと思うだけに、そういう重みを持った、あるいは負担を乗り越えていこうということも含めたビジョンといいますか、方向性というようなニュアンスが、少し難しいんですが、勝手なことを言って申しわけないんですが、何か出るような、一歩踏み込んだメッセージを踏まえるべきではないかという意見でございます。
 あと、(3)の関係府省との一層の連携については、桝本委員と全く同じ意見でございます。一層の連携どころではない、もう少し、何といいますか、踏み込んだ、一体的なといいますか、戦略的なといいますか、そういうことが、今、非常に求められていると思います。
 それから、(4)の中に書くべきかどうか、先ほど川上委員の言われた国際的取組の中での日本の果たすべき役割、ソフトパワーといいますか、そういうことをしっかり誇らしく前に打ち出して、そういう方向に向けてやっていこうというメッセージは、強く入れるべきではないかというように思いますので、それを1つの塊として抜き出してもいいのではないかと思いますが、あえてこの中でいえば、(4)の戦略的プログラムの中で強調するというような書き方でもいいのではないかと思いますが、そのご意見だけ申し上げたいと思います。
 以上です。

○森嶌部会長 ありがとうございました。
 後半部分については、そのように直させていただきます。環境と経済の好循環について、先ほど崎田委員にも申し上げたように、法律家というか現実的な私の目からすると、いわゆるウィン・ウィンというのは、みんなきれい事だと思うんですが、これをきっちりと書こうとしますと、私が、今、久保田委員がおっしゃったように、並大抵のことではないし、簡単には書けないと思うんです。しかも、先ほど申しましたように、ここは、サブスタンスを書いているのではなくて、第三次をやるときには、この問題をしっかりと書いて、それを提示することだということをここでは言っているわけで、今、久保田委員がおっしゃったようなことは、第三次の基本計画をやるときに議論してくださいよ、ということを言っていることですので、私としてはおっしゃるとおりだと思うんですけれども、ここに書け、というのはちょっと、なかなか難しいんじゃないかというふうに思いますので、そのようにご了解いただければというふうに思います。

○久保田委員 甘くならないように、というニュアンスでございます。

○森嶌部会長 ええ、議事録にはきちっと記録させていただきます。――それでは、塩田委員、どうぞ。

○塩田委員 4点申し上げたいと思います。
 第1点は、山本委員の先ほどのご発言に、私、非常に興味を持ったんですが、せっかくのご発言ですから、この問題をもう少し活用をしたらいいんじゃないかと思うんです。どういうふうに活用するかということですが、まず、いろいろ、先ほど、下の問題に関して国民にいろいろな行動を求めるという話がありますが、その行動を求めるきっかけに、一番この問題が有効ではないかということです。そのためにやることがいろいろあるのかもしれないということです。
 2番目に、特に地球温暖化対策で、京都議定書に加入していない国に、こういう現象をどう評価しているのかということを、国際会議等で、こういう研究成果を引用して意見を聞いてみるというのは、非常にいいんではないか。例えばアメリカがどういうふうにこれを考えているのかということを、公の会議で発言を求めたらどうだろうか。これが2つのポイントです。私はこうすべきだということより、こういう問題を考えていただく価値があるではないかと思います。
 あと、今の計画の見直しに関連して、2つ、今の問題が関連すると思うんですが、1つはこういう研究をもう少し、国際的に、総合的な研究というか、個々の学者の意見というのは、いろいろ、地球がもう 100年たったら住めなくなるという意見もあるようですが、全体として、そういう気象の変化に対する評価というものを、世界の学者が集まって検討をしてもらう時期が来たのではないか。そういうような、もっと研究とか、そういう会議をやってみる価値があるのではないかというのが1つ。
 それから、もう一つは、これは非常に乱暴な意見ですが、先ほど川上委員が言われたことに関連して、もう日本の国はODAは環境対策以外には原則として使わない、というぐらい言ったらどうだろうか。これは周辺諸国との関係で特に大事ではないかというふうに思いますが、そういうことをしたら、どんな問題があるのかなというようなことも議論してみる必要があるのではないか。こんなことでございます。これは第1点目、山本委員のご発言に関連した問題です。
 それから、2番目は3ページ目の(2)の数量的目標等の導入ということに関連して、これは全体を読ませていただいて、地球温暖化対策には京都議定書との関係で、この数量化は絶対に必要だということをたくさんの方がおしゃっているわけですが、これが環境基本計画全体に本当に及ぶのかなという問題はあるのではないか。全部に必要だというふうなニュアンスで書いておられるから、私はむしろこの問題は、こういうテーマ、具体的に言えば地球温暖化対策は絶対ですが、そのほかにもこういう数量化が必要な項目というのはあるのではないかと思いますが、これはすべてではないと思うので、すべてに必要だというと、逆にぼやけてしまうのではないかということで、どういう項目について数量化が必要だということをはっきりした方がいいんじゃないか。逆に限定列挙をして数量化が必要だということを言ったらいいのではないかということでございます。
 それから、3番目に、3ページの(3)の国民の多用な参加に関して、これも地球温暖化対策で、国民一人一人にいろいろな行動を求めるようにすべきだというご指摘がありますが、私はこの問題に関して指摘したい問題は、国民に具体的にどういう行動をすべきだというのが、非常に単純な問題でも簡単ではないということ、これが余り指摘されていないのではないか。認識されていないか、指摘されていないか、よくわかりません。
 2つ、例を申し上げたいと思うんですが、1つは、まずよく桝本委員がおっしゃる、家庭における電気の使用ですが、例えば夜間電力を使うと、エネルギーの消費が減るのではないかと思うんですが、夜間電力をどういうふうに使ったらいいのか、どんな契約をしたらいいのかというのは、私も一遍、電力会社に聞いてみましたけれども、それほどわかりやすい説明はしていただけなかった。こういうような問題を丁寧に、どうやったらそういうことが一般の国民にわかるのかというようなことを考えてみる、ということも有効なではないかと思います。
 それから、同じような問題ですが、先ほど、ごみを減らすことが大事だと松田委員がおっしゃいましたが、私はこのところに関して、大量の落葉があるときに、これを広い土地があれば、落葉に限って燃やしたらいいんじゃないかと、いつも思うんですが、それはどうもいけないことになっているらしいんですけれども、燃せないから大量なごみが出るわけです。そういうような問題というものを具体的にもう少し、こういうことをすればいいんだということが、一般の人にどうやってわからせればいいのか、というようなことをよく考えてみたらいいではないか。こんなふうに思います。
 最後に、4番目に、関係省庁の一層の連携が必要だと、これはおっしゃるとおりですが、逆にいかにも一層の連携がないようなニュアンスがありますが、最近は一部の分野では非常にいい連携が行われている面もありますので、そういう面も指摘してもいいのではないか。これが最後の意見です。

○森嶌部会長 どうもありがとうございました。
 具体的にでは、これは入れます、入れませんということは、時間の関係がありますので省略をさせていただきます。
 それでは、次に横山委員に参りまして、浅野委員は最後に時間調整に使うことにいたしまして、後から手を挙げられた方がおられますので、その後、河野委員、中野委員、永里委員ということにさせていただきます。それでは、横山委員、それから河野委員にお願いします。

○横山委員 3ページの(3)の、国民など多様な主体の参加を促す計画の一番最後、3人の委員の方も触れましたが、「計画の策定過程等において、関係府省との一層の連携を図る必要がある」。これは何でもないように見えますが、私はちょっと異論があるんです。というのは、私がつむり曲がりのせいかわかりませんが、関係府省との一層の連携を図るというと、「ああ、結局何にもやらないんだな」というふうにとられかねないんじゃないか。例えば、具体的にいうと、今度の環境税の問題だって、導入するか、しないかということでは、省庁、具体的にいえば環境省と経産省の意見が全く合わないわけです。それを一層の連携を図るということになれば、やはり導入をしない、うやむやにする、ということになるのではないかと思います。
 私は、確かに、塩田委員もおっしゃっていましたが、一部では連携というものが重要で、連携もされているのだけれども、肝心なところでは対立なんですよね。ですから、対立を国民の前にさらけ出して、それで判断してもらう。環境税導入で環境省と経産省の主張のどっちが正しいんだというのは、国民に判断してもらおうという方がいいような気がするんです。
 ですから、ここで、関係府省とは連携を図らない、と書いてくださいとは私も言うつもりはもちろんないんですけれども、少なくとも計画の策定過程についての情報公開を徹底するとか、密室の中でいつも最後の段階を置かれて、それで、なあなあでおさまって、一般の人から見ると、やっぱり何もできないんだな、というふうにとられると思うんです。
 ですから、少なくともこれを生かすなら、「情報公開を徹底させる」という文言を入れて、ああそうか、こういうことになったのについては、いろいろな省がこういう発言をして、結局こういう結論になったんだな、というようなことことがわかるようにしていくべきだし、ここにもそういう関連の表現があってもいいのではないかと思います。
 以上です。

○森嶌部会長 ちょっと問題は、情報は公開されるということと、今、おっしゃったのは、一層の調整を図るというのと連携というのは、ちょっと違うと思うんですが、ご趣旨はわかりましたので、情報は公開されるということについては、どこかにきちっと入るように考えます。――それでは、どうぞ、河野委員。

○河野委員 3ページの(2)でございますが、数量的目標・指標の導入ということは、計画の実行性を高めるということで、非常に結構なことだというふうに思っております。
 これから言うことは先ほど来から、会長の方からサブスタンスに係わるということになるのかと思う懸念もあるんですが、この計画に目標値、数量目標を導入して点検するということでありますが、長期の計画の実施を有効にするということであれば、その実施を絶えずモニタリングし、絶えず修正もするというようなニュアンスのことが入っている方が、長期計画を終わって点検する段階ですと、見直しはその次の計画に入っていくということになりかねませんので、例えば計画実施の状況を的確にモニタリングするシステムをつくり、その結果をまた見直しにも反映するというような計画実施中の点検というようなことが入るのが、より実効性を高めるという点ではいいのではないかという意見を持っています。
 以上です。

○森嶌部会長 ありがとうございました。――それでは、中野委員どうぞ。

○中野委員 ありがとうございます。
 ページ3の(3)の、私たちの思いを入れていただいて大変うれしく思っております。
 それと同時に、参考資料2というのは、本当にわかりやすく、だれでも好感が持てて、国民が親しく感じて、大変よくまとめていただいてうれしく思っております。
 それと、全体的に文章の「。」から「。」までが少し長いように思うんです。できたら行を変えてしていただけたら、もっと読みやすいのではないかと思いました。よろしくお願いします。

○森嶌部会長 文章が長いというのは役所の特徴でありまして、文章の一層の連携を図ってきたのが、今までの役所の特色でございました。なるべく短くわかりやすくするということに務めたいと思います。――それでは、永里委員、どうぞ。

○永里委員 ありがとうございます。
 2ページの(1)目指すべき社会への道筋としての「環境と経済の好循環」の提示という、このフレーズは、非常に各委員にとって心地よい響きを持つものですが、次の次のページ、参考資料1に、前回、私、申し上げました意見が簡単に書いてあります。ちょっと読みます。参考資料1の1ページ、永里委員と書いてあるのですが、「社会経済、人口など、どのような社会を目指すのかについて、ある程度のコンセンサスが必要。具体的には、欧州のような少子化が進んだ成熟社会とアメリカのような移民を受け入れる若々しい競争社会のどちらを目指すのか。」こういうことを考えないことにはいけないんだろうと思うんです。どちらも目指すということはあり得ないわけでして、どっちもできるということはありません。そうなると、このフレーズは心地よいんですが、どちら側のスタンスに立つかによって、重点施策が変わってくるということを指摘したいと思います。
 以上です。

○森嶌部会長 その意味でも、やはりサブスタンスに入りますので、これは私はウィン・ウィンといっても、どういうウィン・ウィンかもあるし、私はそう簡単ではないというのは前々から考えておりますので、ここでは、さっきから繰り返しておりますけれども、これはサブスタンスに入らないで、ここでは心地よく、皆さんにやっておいていただいて、後で凄惨な戦いをどうぞやってくださいということなんですが。
 それでは、ほかによろしゅうございましょうか。あとの時間はみんな浅野さんが使ってもいいというわけではありませんけれど……。――それでは、どうぞ、江頭委員。

○江頭委員 1つだけ言います。3ページの「国民など多様な主体の参加を促す計画」とあるんですが、その中の1行目に「政府だけでなく、国民、事業者、民間団体、地方公共団体などの各主体」と「各主体」が出ていて、また、次は4行目になると、「家庭、地域社会、学校なども含めたさまざまな主体が」となって、その次がまた「……するなど各主体」と「各主体」がいっぱい出てくるので、どれも同じ「各主体」ならば、4行目の「家庭、地域社会、学校なども含めたさまざまな」は要らなくて、「各主体がとるべき」ということで、次の5行目のところは、「連携・協働のあり方を明らかにして、各主体の参加による」というふうに変えた方がわかりやすいかな、なんて思いました。

○森嶌部会長 ありがとうございます。これも苦心の作でございまして、いろいろご発言を入れましたら、こういうことに、各主体がいろいろと、さまざまな各主体があちこちにあらわれてきたということになっておりますので、これも考させていただきますが、皆様の、参加型文章をつくると、一層の連携をとった結果、こういうことになったということをご理解いただければと思いますが、どうしてもおかしければ、また考させていただきます。これは全く、「学校」だの何だのというのは……"なんだの"なんて言っては怒られますけれども、いろいろとご注文をいただいた結果、こうなったということ、そういうプロセスについてはご理解いただきたいと思います。――それでは、浅野委員。

○浅野委員 最初に、2ページの2の(1)で、「さらなる悪影響を」という記述についてご指摘がありましたが、これはそういう主張があるという記述をしているのであって、さらにまた、ここのところで経済と環境の対立か両立かと、そういうようなニュアンスの文章がありながら、一方で「好循環」て何だというようなご指摘がありましたけれども、まさにその点が核心を突いた点であり、「好循環」という言葉を使おうという提案をしているのは、従来の環境と経済は対立的なものあるいは対立はだめだから両立を図れというよりも、もっと発展させようとしているわけです。にもかかわらず、それに対しては、まだこういうような考え方が残っているようです。某所で出た某文書などをみると、環境と経済の両立を図らなければ……みたいなのが堂々と一週間ぐらい前にも出回っておりましたから、全然「好循環」ということがわかっていないという人が多いことはよくわかりました。だから、ここは文章を少し直した方がいい部分があると思いますから、直したらいいと思いますが、主張があるということについて書かれているという点は、よくご理解をいただいた方がいいのではないかと思います。
 それから、桝本委員のご発言に関連して、事務局に、ぜひこれは考えていただきたいと思うんですが、先ほど、私は誤解をしているかもしれませんが、第二次の計画をつくるときには、確かに戦略プログラムを立てるときに、1つ1つを項目ごとにワーキンググループをつくって、かなり丹念に勉強をして、そのデータに基づいて戦略プログラムをつくったということがございます。そのときと、かなり状況が変わってきている。だから、この戦略プログラムのコアになる6つの項目に関して、恐らく私は継続して取り上げるべきだと、前回申し上げましたが、それをただ単に事務局がいじくり回すというのではなくて、前回と同じような手法がとれるのであれば、ぜひそういう手法を活用しながら新しい状況の分析も加えるということが必要だろうと思います。この点、もし桝本委員がそういうような趣旨でご発言になったとするなら、私は大いに賛成でございまして、ぜひにそのようにすべきではないかと思いました。
 それから、塩田委員がおしゃいました、国民の多様な主体の取組について、本当に何をやっていいか、具体的によくわからないというご指摘を、私もあちらこちらで言われていて、全く同感でございます。実は現在の環境基本計画は、主体の役割について全く触れていないわけじゃなくて、ちょっとお手元にある黄色の分厚い本の 124ページから後をごらんいただきますと、ここに各主体の役割というのが総括的には書かれています。そこを、見ると相当細かいことも書かれているんですが、何しろこの環境基本計画は、本体が 139ページで終わるにも係わらず、本そのものは最終ページが 242ページということで、ものすごく分厚く見える。ほとんどは付属資料です。本体部分はそんなに長くないんですが、この長くないものですら読まれていないということは、残念ながら事実であります。そして、戦略プログラムというのを前に強調をして出したばかりに、後半部分は完全に付録的に思われてしまっていて、ここに実はもう1回、横断的に各主体の役割をいろいろな切り口で書いてみたんですけれども、これが読まれていないというよりも、むしろ行政の施策やさまざまな啓発のプログラムをつくるときに、全然参照されていなくて、ここに書いていることが全然伝わるようになっていないという問題があることに、今、改めて塩田委員のご発言を聞きながら気づいたわけです。
 次回、こういうことを繰り返さないように、できればこの種のものをもう1回、次回は前の総論の方にしっかり入れ込むということもしながら、具体的にどうするかということまで計画の中に書き込むというのは難しいかもしれませんが、それをうまく応用編のところで活かしていくということを実現しないと意味がない、という意味での塩田委員のご発言には賛成でございます。
 私が申し上げたいことは、3ページの(2)の数量的目標・指標というところについてでございます。これについて私が言おうと思っていたことを、実は塩田委員がおっしゃっていただきまして大変ありがたかったと思うんですが、少しここには願望的な表現と、それから具体的な表現がぐちゃぐちゃになって入っていると思います。もともと第一次の環境基本計画の最初から、数値で示すことができるような、ちゃんとした目標を決めるべきであるという意見がありました。このことについて何度もご説明申し上げていますように、いい目標、いい指標を探すことができないと、かえって政策が曲がってしまうということで、どっちかというと、避けてきた面があるわけです。
 しかし、一方では、全体として計画がどう達成されているのかということについて見るための目標もなければ、それをあらわすための指標もないから、だから点検ができないということもずっと言われ続けてきたわけです。そのことがここに書かれていまして、ここに書かれていることは、塩田委員ご懸念の、全体をあらわす包括的な指標のようなものに対する憧れが若干残っております。その点を、今、見事に塩田委員がご指摘くださったんだと、私は理解したわけですが、もちろんわかりやすく言うためにはいろいろございます。
 例えば、国際的にも使われているさまざまな指標がありますから、そういうもので、今の日本の環境はこんな状態であるということはできると思いますし、ある程度、お遊び半分で申しわけないんですけれども、お天気マークか何かで、この部分はこうなんだ、みたいなことを、多少の数字を加工をして表現することができると思いますから、そういうものがぜひに必要であるというのならば、それを入れたらいいんですけれども、しかし、往々にして全部を1つにまとめるような統合的な指標というものは、ブラックボックスになってしまって、はっきりいって技術屋集団がなんとでも加工をしてくれるわけです。ですから、ご注文に応じてプラスの方向の答えを出すという指標をつくれと言われれば、それもやりますし、悲観的な結論が出るような指標をつくれと言われたら、そういうものはいくらでもできるわけです。ですから、結局は定性的に言っていることと余り変わらない、ということになってしまう可能性がある。だから、余り総合的な指標をということにこだわることは、必ずしもよくないのではないかというのが、私の個人としての意見です。
 むしろ、ここには「指標群」と書いてありますけれども、このことの方が大事で、指標群によって、いろいろな物差しがあって、しかも物差しの意味がはっきり、手の内も全部公表されていて、こういうことなんですよ、という指標が幾つかあって、 100も 200も並んだらわけがわからなくなりますけれども、重要な項目については、2つないし3つぐらいきっちり並べて、それでどうだったということを示していく、これは必要なことです。そのときに、できればちゃんと政策と結びついたものであって、政策を誘導できるような指標であることが望ましいと思います。
 その点では、例えば別の部会で、今、循環基本計画の指標をもとにして成果の見当を始めたんですが、私は、ちょっと、しまったと思っているのが、資源循環性という指標をつくって、あのときに、それでちゃんと全部答えが出せると思い込んでいました。しかし、ここ一、二年、急に数値が悪くなってしまった。その理由は、と聞いてみたら、中部新空港と関空の2期工事で土砂を大量に海に埋めたために、それだけ天然資源が投入されたことになりますと、こういうお話なんです。そうすると、関空と新中部の工事が終わってしまうと、とたんにその部分は消えますから、またがさっと数字がよくなる。こういうようなことで左右されるようなものを物差しとして使うということは実は夢にも思っていなかったものですから、そこまで物質フローというのはとらえているという知識がなかったことを反省しながら、そんなちょっとしたことで数字が、例えばポイントが狂うようなことでは、全体の動きを適切には把握できないということになってしまいますから、やはりこれはまずかったかなと、正直、思っています。
 つまり、指標というものには、そういう恐ろしさが常にありますので、気をつけなければいけない。その点は慎重にこれから検討をしていく必要があるのではないかと思っています。しかし、一方では状態がどうなるかということを、何らかの形で目に見えるように示していかなければいけないことも事実です。このことは前から言われていますが、特に自然系に関しては本当にデータがなくて、どう変わったかということが把握できない。だから、とりあえず指標の議論というか、目標議論の前に、どう変わったかを把握するためのデータ集めを徹底的にやって、これで10年ぐらい頑張ってデータをある程度そろえた上で物を言わなければいけないということも言われてまいりました。この点は井手委員も本日はここに、いらっしゃるんですけれども、この分野の方々が大変ご協力、ご尽力なさって、大分データの整理の仕方が整ってきました。ですから、これから先は、それに見合うだけの、実際の実態を把握して、そこの表を埋めていかなければいけない作業があります。
 ですから、こういうようなことをいうときには、実際にちゃんとそういうデータがあるかどうかということを考えなければいけない。同時に、またこの議論をやることによって、こういうデータが必要だから、データを集めてシステムをつくらなければいけないということにもなる。このような双方向の関係を持たせながら、数量とか指標という話をしていかなければいけない、ということを私は強く思っておりますので、この点については、ぜひ申し上げたいし、ここで何かちょっと総合指標をつくるということを強調しているととらえられると困るものですから、あえて申し上げたということでございます。
 もちろん、前回出たように、ストックを認識する必要があるというご発言は、全くそのとおりでありまして、先ほど言いました資源循環性の話は、フローだけ押さえているものですから、あんな問題が出てきてしまっているということがありますので、この点はこの指標の議論の中で十分留意しなければいけないと考えてます。
 今後の部会でのご議論に役に立つような目標、指標の技術的な側面での検討は、事務局にしっかり準備をしていただいて、今後の必要なときに的確な情報が提供できるような努力は、ぜひお願いをしたいと思っております。

○森嶌部会長 思いの丈をおっしゃいました? どうもありがとうございました。
 最初に、環境基本法ができまして、その後、環境基本計画の第一次のをつくったときには、そもそも、このときも浅野先生も参加をされたわけですけれども、環境基本計画といったものの、一体何をつくるのかよくわからない状態でスタートをいたしました。ですから、あのときの環境基本計画というのは、うたい文句だけでして、計画とは言い条よくわからない状態でした。
 第二次のときには、これはもういうなれば、別に浅野先生の独壇場とは申しませんけれども、浅野先生を中心に、第一次の環境基本計画の、いわば経験の上というと調子がいいんですが、失敗の上に立って、どうやったら計画らしいものができるだろうかということで、つくられたものですけれども、これもつくってみますと、今、浅野先生が言われたように、思いもかけぬ、いろいろんな問題がありました。
 その意味では、第三次の計画をつくるときには、いろいろ今回のように、ご意見も伺いましたけれども、第二次の実際にやってみて、当初つくったときに、思いもしない、あるいは想定していなかったような経験というものが積み重なっておりまして、事務局も実を申しますと、過去の何年かの間に、事務局は2年ぐらいでみんな変わってきますけれども、その間にどんどんと蓄積をされておりますので、そうした過去の経験、多くはベストプラクティスよりもバッドプラクティスないしはワーストプラクティスの方が、新しいものをつくるときには私は役に立つと思っているんですけれども、それに皆さんのいろいろなアイデアを積み重ねてまいりますと、私は役に立ついいものができていくと思うんですけれども、こうした経験の上に立って、より計画らしいものが私は第三次の計画にはできるのではないかというふうに期待をしているところでありますが、本日ご議論いただたところを、先ほども申しましたように、これは別に答申という類のものではございませんので、いうならば、第三次の計画を検討するに当たって、どういう心積もりで第三次の計画を検討していくか、というための文章でございますので、きょう、ご指摘の点につきましては、先ほど私の方で申し上げたことを入れる。あるいはまた具体的には申し上げることはできませんでしたけれども、事務局とも相談をいたしまして、そのような趣旨のものを盛り込むというようなことで、私の方で、浅野先生とも検討いたしまして取まとめまして、一任させていただいて皆様の方にお送りをするということでご了承をいただけますでしょうか。
 それでは、一応そういうふうな取り扱いということで、ご承認いただけますでしようか。
 それでは、そのようにさせていただきます。それでは、きょうのこの文書を、そのように修正をさせてお送りさせていただくということにさせていただきます。
 言論統制をしたつもりはございませんけれども、やや厳しく申し上げたということもありまして、本日の議論は終わったわけでございますけれども、実は中環審の委員の任期は2年ということでございまして、来年の1月の初めに委員の交代がございます。私の場合には閣議決定なんでしょうか、いずれにしましても、規定に従いまして中環審の委員は終了いたしまして退任いたします。かなり失礼なことも申し上げたと思いますけれども、中環審の長い部会長として、部会長としては何年やったのでしょうか、会長といたしましても、会長としては4年でしたか、やってまいりましたけれども、いろいろ失礼の段を申し上げましたけれども、なるべく余りかた苦しくなく……私だけかた苦しくなくて、ほかの方はかえってかた苦しくなったのかもしれませんけれども、なるべく対立をせずに、言いたいことは……これも言いたいことを言ったのは私だけかもしれませんけれども、委員の皆さんに自由に発言をしていただくように議事進行をしてきたつもりですけれども、いろいろと失礼の談を申し上げたかもしれませんけれども、今回でこの部会は最後でございますので、おわびを申し上げるとともに、長い期間にわたってご協力いただけたことを、おわびとともにお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。(拍手)

       その他

○森嶌部会長 それでは、この後、きょうご議論をいただいたことに基づきまして、新しい体制で第三期の計画をご審議いただくということになります。また、私だけではなくて、この委員の中には交代をされる方もおられますし、新しい委員が就任されるという場合もあるかと思いますので、どうぞ今後ともよろしくお願いをいたします。どうもありがとうございました。
 何か事務局から……。

○佐野環境計画課長 部会長にまとめていただきましたが、これまで大変充実したご審議をいただきましてありがとうございました。
 中央環境審議会の任期も終了ということで、官房の方で引き続き手続きをいたしておりますが、引き続きご指導をいただきます先生にはよろしくお願いいたします。
 また、本日、ご指摘をいただきました件につきましては、場合によっては委員を退かれた先生にも、なおご指導をお願いしますといって追っかけてまいることになるかもしれませんが、その節はよろしくお願いを申し上げます。
 また、そういったことで、本年の総合政策部会は一応これまでということになります。午後、施策総合企画小委員会をお願いしておりますし、どうも部会によっては27日に入れているというすごいところがあるらしいですが、委員の皆様方、大変ありがとうございました。よいお年をお迎えくださいますようにお願いを申し上げます。
 以上でございます。

○森嶌部会長 それでは、以上をもちまして、本日の部会を終了させていただきます。
 どうもありがとうございました。

午前11時20分 閉会

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