中央環境審議会総合政策部会(第20回)議事録

開催日時

平成16年9月29日(水)14:01~17:10

開催場所

経済産業省別館944会議室

出席委員

(24名)

森嶌 昭夫 委員、安原  正 委員、浅野 直人 委員、小澤紀美子 委員、崎田 裕子 委員、鈴木 継美 委員、
桝本 晃章 委員、村杉 幸子 委員、山本 良一 委員、青木 保之 委員、天野 明弘 委員、飯田 浩史 委員、
江頭 基子 委員、大塚  直 委員、塩田 澄夫 委員、武田 善行 委員、田中  充 委員、永里 善彦 委員、
中野 璋代 委員、福川 伸次 委員、松田美夜子 委員、松原 純子 委員、三橋 規宏 委員、渡辺  修 委員

議事

環境基本計画の進捗状況の点検について

  1. (1) アンケート調査結果等について
  2. 重点点検項目別審議
    1. [1]環境投資の推進
    2. [2]地域づくりにおける取組の推進
    3. [3]国際的寄与・参加の推進

その他

閉会

配付資料

資料1   環境基本計画の点検の今後の総合政策部会開催スケジュール
資料2   環境基本計画の進捗状況の点検結果報告書骨子
資料3   アンケート調査結果について
資料4   地方ヒアリング概要
資料5   環境投資の推進について
資料6   地域づくりにおける取組の推進について
資料7   国際的寄与・参加の推進について
(参考)   中央環境審議会総合政策部会名簿

議事録

午後2時01分開会

○苦瀬計画官 それでは、予定の時刻を少々過ぎましたので、おくれて来られるというご連絡が入っている先生方もありますが、お見えになる方もおりますので、資料の確認等から議事に入ります前に始めさせていただきたいと思います。
 それでは、議事に入ります前に、お手元の配付資料のご確認をお願いいたします。本日の配付資料でございますが、資料1が環境基本計画の点検の今後の総合政策部会開催スケジュールでございます。資料2が環境基本計画の進捗状況の点検結果報告書骨子、点検結果報告のイメージでございます。それから、資料3がアンケート調査結果についてでございます。資料4が地方ヒアリング概要でございます。資料の5が環境投資の推進でございます。それから、資料6が地域づくりにおける取組の推進でございます。資料7が国際的寄与・参加の推進でございます。
 それから、参考資料といたしまして名簿を添えてございます。
 なお、いつものように会議後回収させていただきますが、環境基本計画と前回の点検結果報告書も机上に置かせていただいていると思います。
 資料は以上でございますが、何か不足等ありましたら、事務局の方にお伝えいただければと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、森嶌部会長、よろしくお願いいたします。

審議事項
 環境基本計画の進捗状況の点検について
 (1)アンケート調査結果等について

○森嶌部会長 それでは、ただいまから第20回中央環境審議会総合政策部会を開催いたします。
 本日の議題は、前回に引き続きまして環境基本計画の進捗状況の点検についてであります。先日開催いたしました前回の会議では、関係府省の取り組み状況などにつきまして報告を受けましたところでございますが、本日は、最初に点検の今後の進め方に関する説明を受けまして、各種アンケート調査の結果等について報告を事務局からしてもらった後に、先般、広島、札幌、新潟の3カ所で行われました地方ヒアリングの概要について、出席されました委員の方々から簡単に紹介をしていただくことにしております。その後、重点点検分野別の審議ということで、今回の重点点検項目となっております3つのテーマに分けて審議を行います。今回の重点項目は、1つは環境投資の推進、それから、地域づくりにおける取組の推進、それから3番目に国際的寄与・参加の推進という3つになっております。それぞれ事務局から報告を受けた後に審議をしていただきます。
 それでは、個別のテーマに入ります前に、まず初めに、今後のスケジュールや点検報告書のイメージについて事務局から説明をしてもらいます。これらの点については、後の各個別テーマの議論を進めやすくするため、委員の皆様に共通認識として持っていただきたいと思いますので、そのあたりを中心に説明していただきます。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○苦瀬計画官 資料1と2でございます。1は何度かごらんいただきましたこの点検作業のスケジュールでございます。前回第19回の会議では、各省庁の取り組み状況を伺ったわけでありますけれども、本日第20回では、アンケート調査、これは要は国民の意識や行動がどうなっているかというものを伺うものであるわけでございますが、こういったものの結果、あるいは、先生方にご参加いただきました地方ヒアリングの結果のご報告をさせていただきます。それから、ことしの重点の点検項目、ただいま部会長がおっしゃられました3項目につきまして、まず私どもなりに状況を整理しましたものをご報告いたしましてご審議を賜りたいと存じます。ちなみに、次回にはきょうのご審議をもとにまとめました点検報告書を、大体どんなものかというので前回まとめていただきましたものが席の上に置いてございますが、こういったものにまとめる方向でご審議をいただきまして、次々回、11月の回までで何とかおまとめを賜れればと思っております。そのまとめたもので確認、報告をさせていただきます。
 それで、ではどういったものをまとめるかということで、これが資料の2でございますが、事務局といたしましては、その点検結果のまとめ方というのは、大体において前回と同じようなものでいかがかと思っております。まず、点検の基本的な考え方のようなものを申し上げまして、その後、各主体の取り組み状況などを踏まえた全体的な評価というもの、それから、今回重点を置きますこの3分野におきます現状、それから取り組み状況、今後の課題というようなものについて評価をいただければということでどうかと思っております。
 それで、基本的な考え方でございますが、これは5月ぐらいの回で整理をしていただきましたように、この部会で行っていただきいただきます基本的な基本計画の点検というのは、いわば大きな方向性についての議論ということで、各分野ごとの詳細な事項、進行状況、これは各省庁の実施点検であるとか、あるいは、この基本計画の下にぶら下がるという格好でございます個別分野の計画のフォローアップという中にゆだねることにいたしまして、大きな方向性を中心に行う。
 それから、点検の視点という格好といたしましては、まずはこの11の戦略的プログラムに記載されている内容でどんな取り組みが行われているか、ちゃんと進んでいるかということ、特に基本計画の第2部第2節の環境政策の展開の基本的な方向というところに挙がっておる考え方でございますが、あらゆる場面における環境配慮の織り込みが進んでいるか、あらゆる政策手段の活用と適切な組み合わせが進んでいるか、あらゆる主体の参加が進んでいるか、あらゆる段階、これは要は地域から国際的なという意味のようでございますが、こういった取り組みが進んでいるかという、むしろこういった取り組みを進めようというのが基本計画の基本的な方向でございますので、こういった観点から進んでいるかどうかを評価いたしたい。そして、結果として環境改善効果が上がっているかといったような観点から点検というか評価をいただければと思っております。こういったものがまとめられないかと思っているところでございます。

○森嶌部会長 もう少し複雑かと思ったら比較的簡単でしたけれども、今の基本的考え方という極めて基本的な考え方のご説明につきまして、何か、ちょっと異論の述べようもないような基本的な考えですけれども、何かご意見ございましょうか。

○浅野委員 いいんじゃないですか。先に文章が出てこなければどうにもならない。

○森嶌部会長 そうですね。その限りでは文句の言いようがないという感じですけれども。
 あれですか、もうちょっと……

○佐野環境計画課長 ありがとうございました。後は今後具体的な点検の結果のところでご指導賜れればと思います。

○森嶌部会長 その限りでは、では、もう少しブレイクダウンしたものが出てきたところで個別にご意見を承りながらということになるかと思いますが、それでは、その方向で事務局に少し案をつくっていただいてという……はい、どうぞ、天野委員。

○天野委員 想定される点検の視点という中に、あらゆる主体の参加は進んでいるかとか、こういう大きな問題があって、確かに答えるのは大変難しい設問だと思うんですが、最近私、外国の人たちが日本とかオランダとかカナダとか、そういった国の人々に会ったりインタビューをしたり、あるいは政策を点検したりして、その特集しているようなものをたまたま2つほど立て続けに読んだものですから、海外の目から見て日本の取り組みが、特に京都議定書等を含めてどう進んでいるのかという比較をしている点で大変気になる序列がいろいろあるわけですね。そういうふうな調査をする必要があるんじゃないかという気がちとするんですが、そういうのも、単に国内でどうなっているかということを調べるだけじゃなくて、ほかの国との比較でどう見たらいいのかという視点もあってもいいのかなというふうに思いました。
 以上です。

○森嶌部会長 やはり、今まで議論されているのは、数量的なのは難しくても、ステップ・バイ・ステップ、例えばいつごろまでにどの程度のというのがないと、進んでいるとかなお一層の進展が望まれるということだとすると、評価したんだかしなかったのかわからないじゃないかというのが今までも何回も出ていると思うんですが、第1期の環境基本計画のときは、これはもうよくわからないわけですけれども、現在第2期なわけですから、ぼつぼつそういう方向でやったらどうかというのは出ていますので、例えば、進んでいるかと言われても、進んでいますというかなお一層進むことが望ましいと書くかという、その程度でいいのかどうか、例えば、どの程度数量的に合わせるのかどうかというのもありますので、この限りでは結構だけれども、今天野委員がおっしゃったように、外国との比較とか、あるいはどういう段階にあるのか、あるいは数量的に合わせるのかどうかとか、その辺のところがもう少し具体的に出てこないことには、進んでいるかとか言われても、環境基本計画を出だしたときと今とはかなり違っているということを我々としては頭に入れておかなきゃならないというふうには思いますが。私もこの限りでは文句の言いようがないという感じはいたしますけれども。
 ほかに何かご意見ございますか。
 よろしければ、この限りでは、今の天野委員のご意見もあったという前提で、それから、従来、点検の際にいろいろなご意見をいただいておりますので、過去のご意見等も含めて進んでいるかというときにそれも反映させながらということで、事務局にそういう視点も十分に配慮していただいて素案をつくっていただきたいというふうに思います。
 それでは、よろしゅうございましょうか、この点については。何か特になければ。これについてはよろしいですね。
 それでは、続いて、事務局からアンケート調査の結果について説明をいただきます。

○佐野環境計画課長 次に、本日、環境基本計画の状況につきましての材料としまして、いろいろな主体につきましてアンケートという形で状況の調査をいたしたものが幾つかございますので、その結果につきましてご報告を申し上げたいと思います。
 資料3にアンケート調査結果をまとめておりますが、大きく分けまして、まず、一般向けのアンケート調査、これは例年やっているものでございます。それから、実は昨年から小中学生を対象に、子供はどう思っておるかというものをやってみております。その結果がございます。それから、その両者の結果を比較してみて、幾つかの質問項目を共通にしてございまして、その比較をしてみたものがございます。それから4番には、地方公共団体、これは都道府県、政令市、それから全市町村を対象にアンケートをした地方公共団体の取り組み状況がございます。それから5番目に、これは隣の環境経済課の方で実施しているものでございますが、事業者向け、全国の上場企業と500人以上の大企業を対象に行ったもの、こういったものがございます。
 それでは、それぞれの内容はかなり大部になっておりますが、それぞれの中で私どもが見て割合特徴的ではないかと思われるものをかいつまんでご説明させていただきます。
 一般向けの調査のところでは、まず、4ページのところで、今の環境問題がどうなっているか、よくなっていると思うか悪くなっているのかということを主要な事項ごとに聞いているものがございますが、これはどうも悪い方向へ進んでいるという方向での答えが多くなっております。それから、特徴的には地域レベルの問題についてどうか、国レベルの問題についてどうか、地球レベルの問題についてどうかと聞きますと、大きなくくりのものほど悪い方向の答えが多くなってきまして、これは実感の問題なのか観念の問題なのかちょっと興味があるところでございます。
 では、その環境問題に対してどういうふうな考え方をもっているかということを7ページで聞いてございます。例えば国際協力が必要だとか環境教育が重要だとか使い捨てはやめるべきだとか、そういうところのお答えというのはほとんど高い割合に張りついているという状況にございますが、幾つか、例えば環境と経済との関係というもとで新しい項目を設けてございます。ちょうど真ん中ぐらい、ことしから「環境保全を行うことにより、社会全体が豊かになると思う」かどうかというのを聞いておりますが、結構高い割合になってございます。あるいは、その2つ下の「環境保全の取組を進めることは、経済の発展につながると思う」というのは去年から聞いておりますが、何かそんなふうに考える方が増加しているようでございます。一方では、その下の方にあって、「環境保護を行うことによって産業や技術の発展が妨げられないか心配である」というふうなお答えの割合は減ってきているというような結果があります。
 それでは、9ページでは、環境基本計画にある「国民の取組」というようなものの実施状況というのを見てみますと、高くなっているのは「ごみ出しのルールを守る」とか、「車のアイドリングをやめる」とか、そういったところが割合多い。それから、「分別収集してリサイクルを進める」とか、「冷暖房をほどほどにする」というような、個人にもメリットがあるようなものというのは比較的高い。やはり「地域の活動への参加」みたいなところが少なくなっているという状況でございます。
 それから、13ページからのところは、住宅とか自動車とか、そういった大きな機器設備の環境に対する考え方であります。おもしろいのは、13ページの下の段に太陽光発電をどう考えるかというのがあるんですが、実際に採用された方はもともとそんなに高い割合ではありませんが増加しつつあるんですが、やってみようと思われる方の割合はむしろ減っているとかいう、何か二極分化が起こっているのではないかというような特徴が見られます。
 それから、17ページからは、物を買うときに、日ごろの買い物の中でどう考えるかという、例えば省エネ製品を買うかとか、ごみ処理についてどう考えるかというようなことで幾つかの切り口で聞いておりますが、これはいずれもそういったものに配慮されたものを買うことは環境のためによいことという認識が広がっている。あわせて18ページのところで、環境への取り組みを進めている、環境への配慮を進めている会社の製品をどう思いますかと、あるいは、何を重要視して買いますかというと、例えば3分の1の方がそういう環境に配慮しているような企業の製品を買ってみたいとおっしゃっている。あるいは、製品やサービスを買う際に環境によいかどうかを配慮するというのが約4分の1、価格や品質に配慮するということに及ばないのはある意味当然かとは思いますが、そのくらいの方が答えをされているという状況にあります。
 それから、次に、子供へのアンケート、こちらの結果についてもちょっと特徴のあるものを幾つかご報告させていただきたいと思います。
 子供がどういった環境問題を認識しているかというと、子供さんの場合は逆に身近な道路などにごみを捨てられるとかいうようなものについてそういう問題があるという答えがあって、それから、関心のある環境問題というと、水質汚濁、森林減少、温暖化といった話題が高くなってきて、大体6割以上の子供がいろいろな環境問題に興味があるという回答をしております。では、そのきっかけは何かというと、母親に言われた、これは当然ではありますが、父親よりはるかに母親が多いと。すみません、今は35ページでございます。左側の34ページに、例えば「水道の蛇口をちゃんと閉める」とか、「使わない明かりを消す」とかいうことが、そういう環境での行動の参加の割合が出ておりますが、では、それはだれに言われて何で知りましたかという質問をしますと、一番多いのは「母親である」と。その次が「テレビ」、あるいは「学校で勉強した」というものが多くなっております。
 同じように、飛び飛びで恐縮でございますが、39ページで、環境問題に関する情報は何で得ていますかというと、これはやはり「テレビ・ラジオ」が一番多い。それから「学校の授業や先生」というのも多くなっておりまして、こういった分野での環境教育の重要性ということが言えようかと存じます。
 次に、42ページからは、大人向けのアンケートと子供向けの調査、幾つか共通の問いを設けまして傾向を比較しております。例えば、42ページで関心のある環境問題は何かというふうなもので見ますと、大人の方が地球温暖化とか廃棄物の問題に割合集中している。それから、子供の方では、真っ黒でないあみあみの棒の方が伸びているのが大気汚染、水質汚濁、森林の減少とか酸性雨とか、そんなところが多くなっていまして、大人の方は廃棄物と地球温暖化の問題に集中していると。子供の方がいろいろなものが何か問題と知っている、思っているという、これも観念的なところだからなのか、興味があるところでございます。
 それから、46ページのところに環境保全の行動のところでございますが、大人で多いのが「ごみ出しをきちんとルールに従って出す」とか、「省エネ」、「買い物袋を持参する」、それから「エコマーク商品を買う」というようなところが比較的多いのですが、子供の方ですと、「節電」、「節水」、「物を大切に使う」というようなのが多くて、余り家庭の手伝いをしていないのかなというようなところが見られます。
 それから、大変飛び飛びで恐縮でございますが、49ページからは地方公共団体へのアンケート、全都道府県市町村にアンケートを出しまして、約3分の2のところからご回答をいただいております。
 まず、53ページで、環境政策に関する条例をつくっていますか、あるいは、環境保全に関する計画をつくっていますか、独自の目標をつくっていますかというようなことをお伺いしますと、それは上の段が2001年、平成13年に伺いましたもの、それから、下の段が2003年、平成15年に伺いましたもので、黒い部分、現在やっているというところでは条例、あるいは基本計画、あるいはいろいろな分野の計画、それぞれ進んでおります。ただ一方、棒全体の高さを見ると縮んでいるものがある。要は、現在検討中というところが縮んでおりまして、したがって、ここも何かやるところはやってしまって、やらないところはやらないというような二極分化があるのではないかというふうな気がいたします。
 それから、今回の検討項目ですが、58ページでございます。地域づくりにおける環境配慮の施策ということで聞きますと、地域づくりの中での環境配慮というものを取り入れた何か指針のようなものをつくっているか、環境情報の共有化に努めているか、あるいは、各種計画における環境配慮の織り込みを何か進めているかというようなところ、余り高い結果が出てまいりませんで、ちょっとまだ今回の部分については浸透が十分でないということがいえようかと存じます。
 それから、65ページでございます。これは、住民、あるいは民間団体等の環境保全活動における連携・協働の状況はどうかというふうに伺いますと、これも非常に特徴的で、一番率が高いのは政令指定都市で、ほぼ100%やっている。それから、都道府県が次いで多くて、市区町村が意外と進んでいない。ですから、住民等々に密着していて、かつ大きくて力量のあるところが進んでいるというようなことであろうかと思います。これは、時系列的に見ますと、取り組みの状況はゆっくりではありますが進みつつあるという状況がございます。
 それから、最後に73ページで国際的な取り組み、国際的な協力の状況というところを見てみますと、これも、政令市が一番高くなって7割程度、都道府県と政令市が同じぐらいで、一番多い「開発途上国からの研修員の受け入れ」というところで75%、4分の3ぐらいという数値が出ておりますが、逆にその他の市区町村では極めて少ないという状況にございます。
 それから、次の74ページからは、事業者としての環境への取り組みという状況で聞いております。ほとんどの項目で実施率が向上をいたしております。特に「グリーン購入、環境配慮型商品の発注」というようなところでは13ポイント増加というふうな結果が出ております。この右側にいろいろなものの実施状況がございますが、職員一人一人が気をつけてできるようなもの、「昼休みに消灯する」とか「ごみを分別する」とか「コピーは両面」というようなもの、これが比較的高くて、下の「環境マネジメントシステムの導入」とかし「自然エネルギーの利用をする」、あるいは「庁舎のESCO事業導入」というような、組織として体制、システムの整備が必要なものの取り組みはまだ余り進んでいないというようなことであろうかと思います。
 最後に、77ページから事業者、企業に対してお伺いをしたものの結果の概要でございます。
 78ページの一番上のグラフでございますが、企業にとって環境問題とは何であるかという問いでございまして、「ビジネスチャンスである」、あるいは「社会貢献の一つである」というようなお答えの企業数が増加しておる。逆に、「業績を左右する重要な要素である」とか「最も重要な戦略である」とお答えになった企業がむしろ減少しているという、これも、ここはむしろ観念的なとらえ方から非常にビジネスとの関係を冷徹というか合理的にとられている、実質的にとられているという状況かとも思いますが、そういった傾向が見られます。それから、環境マネジメントシステムへの取り組み状況、特にISO14001の認証取得というのがずっと伸びてきております。
 82ページには、環境報告書の作成・公表の状況がありますが、これも、昨年たしか佐和先生がこれはロジスティック曲線で頭打ちなのではないかとおっしゃいましたが、また増加をいたしております。全体の約4分の1、いわゆる大企業の4分の1、上場企業に限りますと約4割の企業で環境報告書が作成されているという結果でございます。また、作成されている企業のうちの約4割ぐらいで、いわゆるCSR、社会経済的側面に言及がされているということでございます。
 84ページでは、CSRへの取り組み、企業の社会的責任といった面への取り組み状況を今回初めて伺っていますが、これを意識した企業経営について、半数近くの企業が意識しているというお答え、それから、残りの3割ぐらいが今後行う予定というような結果となっております。
 短い時間に非常に飛び飛びでございましたが、特徴的な結果は以上でございます。

○森嶌部会長 それでは、資料の4は地方ヒアリングでございますが、何かこれも簡単に説明をして……

○佐野環境計画課長 これにつきましては、各先生にも各地へ足をお運びいただきまして大変ありがとうございました。先生方を交えまして活発なご議論があったと伺っておりますが、それぞれの3地域で会議を主催して会議を主宰していただきました安原先生、浅野先生、それから森嶌委員長に、それぞれ各地の状況につきまして簡単にお話をいただければと存じます。

○森嶌部会長 では、そういうことですので、まず最初に、広島においでいただきました安原委員、お願いします。

○安原部会長代理 安原でございます。私の方から広島会場の地方ヒアリングの概況につきましてご報告させていただきます。
 お手元の資料4のところで事務局がまとめてくれておりますので、この資料を適宜見ていただきたいと思います。
 意見発表をいただきましたのは、市民グループ、それから民間団体の関係者、事業者、それから地方自治体の代表、この4つのグループで2人ずつ8名の方から意見発表をいただきました。中央環境審議会の方からは7名の委員に参加していただきました。
 意見の概要でございますが、資料の3ページ以下にございますように、その四角く囲んだ部分をごらんいただければと思います。ちょっとグループ別に申し上げますので、相前後いたしますが、まず、市民代表の方のご意見、これは(4)と(8)番の方でございます。環境カウンセラーの方で、環境自治体づくりを支援する活動をやっていらっしゃる方の経験からのお話がございました。環境によい社会は自治体、あるいはもっと細かいコミュニティーレベルの取り組みから始まるのだから、そういう人たちを国はもっとサポートすべきだというようなご意見でございました。
 それから、消費生活アドバイザーの方から、環境会計簿の普及の活動をしていらっしゃる方でございますが、その経験から、小さいころから環境教育・消費者教育をするのが重要だというようなお話でございました。それから、民間団体の関係者では、もりメイト倶楽部ということで、森づくりを市民の手でやっていらっしゃるグループの代表の方から意見を伺いました。森づくりにつきまして、技術力を持ち、お金をかせげるようなシステムにする必要があるというようなご指摘でございました。
 それから、吉野川というのがあるんですが、その清流隊、河川をきれいにする活動をしていらっしゃる方でございます。この方から、地域と家庭と行政のパートナーシップをより深めていくことが重要であるというお話がございました。
 それから、次が事業者の方でございますが、1人は鉄鋼業の関係者でございます。業界の自主的取り組みを尊重してほしいと。特に税制面の規制については拙速に踏み込むことは避けてほしいというようなお話がございました。それから、広域レベルで考えるべきものとローカルレベルで管理可能な施策を色分けして、国と地方でバランスのとれた施策をいろいろ打ち出していってほしいというようなご意見でございました。
 それから、もう一人の事業者の方、(6)ですが、化学業界の関係の方でございます。法規制以前に、自主的に管理活動を進めている状況をお話しいただきまして、省エネ対策につきまして、技術開発の促進などの支援をお願いしたいということでございました。
 最後は自治体で、広島県庁の方でございます。環境基本計画の内容を簡単に説明いただきまして、温暖化対策につきましてのCO2の排出状況、企業が広島の場合集約しておりまして、むしろ排出量がふえておると。それから、民生、業務の関係は全国的にはふえているんですが、広島ではむしろビルの面積、利用面積が若干減少して減っているというような、ちょっと全国とは違った動きがあるというご紹介でございました。ご意見としまして、逃げた県では減るということがあるので、国の対応をよろしくお願いしたいというようなことでございました。
 それからあと、清音村という村の助役さんからのお話で、いろいろヨーロッパに出かけて環境のことを学んできて、その結果を生かして「快適環境推進の村」宣言を実行しておるというお話でございました。人の意識を変えていく人づくりの面で、行政単位が小さいほど取り組みやすいんだけれども、現在市町村合併が進んでいる中で、住民と行政のコミュニケーションがとりにくくなっていくことが心配だというお話がございました。
 以上が意見発表のごく概要でございます。
 その後質疑が行われたんですが、質疑の中で2つほどご紹介しておきたいと思います。子供たちに対して環境保全の取り組みを行う上で、地域と家庭と行政のパートナーシップが大事であるということだけれども、家庭とのパートナーシップでどういう工夫をしているんですかという質問を委員の方からされたところ、子供にいいことを教えても、家に持ち帰って実践する態勢になっていないというのが問題だということがわかってきたので、両親を巻き込んでの環境教育を行っていくというご回答がありました。
 それから、産業廃棄物対策の関係で、広島県では、近県もそのようですが、産業廃棄物埋立税というのを活用しておるということでございましたが、この税を活用するようになってから大きな変化が出ましたかという質問に対しまして、税収が当初の9割弱しかないということで、埋め立て量は約1割減っておるそうでございます。不法投棄がふえたということでもないようでございますので、その程度の効果が出ているという回答でございました。
 以上でございますが、私の所感を2点ほど申し上げますと、意見発表者からは地域の状況に応じまして創意工夫を凝らしてそれぞれ積極的に取り組んでおられる幾つかの環境ボランティア活動について説明を伺いましたが、これらは好事例ということで評価できるものであるという感想を持ちました。
 第2点目は、地球温暖化対策についてでございますが、広島県と産業界の2人の発表者からそれぞれの取り組みについて説明をいただいたわけでございますが、先ほども申しましたように、産業界から特に自主的取り組みの尊重の要望が出たわけでございます。これに対しまして委員の側からは、個々の企業の競争力を示すためにも、その目標、成果等については業界全部をひっくるめた単位にとどまらず、個々の企業の情報公開をもっと進めることが重要ではないかという指摘がなされまして、活発な意見交換が行われまして、有意義であったと思います。その結果、企業による一層の情報公開の促進につきまして、参加者間で理解が深まったのではないかと考えております。
 以上でございます。

○森嶌部会長 ありがとうございました。
 それでは、札幌にいらっしゃいました浅野委員、どうぞ。

○浅野委員 それでは、資料の4の12ページ以下をごらんいただきたいと思います。
 報告の時間が、2分と限られていますので、丁寧にご説明をすることができません。参加者、ご報告いただいた方のお名前は資料に記されてあるとおりです。
 意見発表の概要でございますが、これも記してありますのでお読みいただければと思いますが、市民代表としてご発言をいただきましたのは(4)番の中村さん、この方は循環型社会形成にも非常に熱心に取り組んでおられる方でありまして、環境カウンセラーの資格を持って幅広く活躍しておられます。私どもの意見発表会には何度もご参加いただいている方で、かなり顔見知りの方です。それから、(8)番の九津見さん、消費コンサルタントの方、この方が市民代表でおいでになりました。ご発言の要旨は資料の括弧書きに書いてあるとおりでございます。
 民間団体からのご発言は、1人は山本さん、(3)番の方でありますが、この方は幅広く環境教育のプログラムを開発して、それをいろいろなところに実際に利用してもらえるよう普及に努める、という、そういうお仕事をしておられる方であります。それからもうお一人は、(7)番の宮本さんでございまして、この方はエコツアーの企画を立てるということをなさりながら、それを活用しつつ、自然環境保全、自然環境教育といった分野で活躍をしておられる方でございます。
 事業者でおこしになりましたのは、(2)番の駒谷さんです。この方は、廃棄物処理リサイクル事業をやっていらっしゃる方でご経験に基づいて示唆に富むご発言がございました。それから、もうお一人は(6)番の江本さんでございますが、この方は環境コンサルタントの企業をやっておられるという方でした。北海道の場合には、ものつくりの直接の会社の方にはおいでいただけなかったんですが、ちょっと他とは違う事業者の方においでいただいてお話をいただきました。
 行政からは、北海道庁の松岡さんと、それから室蘭市の山田さんからご意見をうかがいました。室蘭市の山田さんからは、いろいろな意味でこれまでの蓄積を生かしながら、エコタウンとかさまざまな事業に取り組んでおられる。その取り組みの立場からのご発言がございました。皆さんのご発言の趣旨は資料の括弧書きの中に書いてあるとおりでございます。
 委員からのご質問やそれに対するおこし下さった方のお答えについても、大変丁寧に事務局の方で整理をしてくださいまして、資料4の16ページ以下に記してございますから、ごらんいただきたいと思いますが、とりわけNPOの役割といったようなことについてかなり多くの質問が出て、これについて有益な意見交換が行われたものと思います。NPOの側からの声としては、行政の縦割りが大変困ると。何かやろうと思っても、国の機関と道と市町村が全然連携がとれていなくてどうもまずいというようなご発言がございました。
 それから、NPOに対してどうも自治体などの場合には丸投げというような感じがあって、それが甚だまずいのではないか。もう少し行政がきちっと調整役として入ってもらった方がいいのではないかということであります。これはどういう文脈で出てきたかといいますと、NPOにもいろいろなレベルがあるので、それについてNPOにお願いするといっても信用がないんじゃないかというような割合シリアスな質問があったんですけれども、それはそうでしょうということです。ですから、何となくNPOというのはすべてがいいというような感じで自治体が動くのはどうもおかしいということでございました。
 それから、グリーン購入の推進などについて、これも税制優遇というようなインセンティブがぜひ制度としてほしいというご発言、また、補助というのはどうしても新しいものをつくったり、買ったりすることに偏ってしまうが、既存ストックの活用にもしっかり補助があることが望ましいといったご発言がございました。さらに、廃棄物処理リサイクル産業の自立のためには、どういう点がポイントなのかという質問が出ましたが、これは現場としてはきちっと法を守るということが大事なので、それについての教育がいかにしっかりできるかということがポイントだということが事業者の側からのご発言としてございました。
 全体として北海道にまいりまして感じましたのは、やはり地域に行ってお話を聞くということの意味が大きいということです。北海道では北方圏というキーワードがあるということを初めて知りました。すなわち、北海道、それからシベリア、樺太と、その辺のところまで視野に入れていろいろな取り組みをしておられるということです。
 それから、もう一つ、この地域で感じましたことは、地域の特徴を生かした環境教育にかなり熱心に取り組んでおられるということです。他方、北海道でやられていることがそのままよそで通用するとは限らないということを感じた次第でありまして、それぞれの地域でやっている工夫というものは、それぞれの地域でこそ生きるということであります。そこで、国の環境基本計画を考えるときに、全国一色同じことをやるというような発想で計画を立てていてもだめでありまして、その辺を十分に意識するということが必要である、このことをつくづくと感じた次第でございます。

○森嶌部会長 新潟は私がまいりまして、先ほど浅野先生が2分でまとめろと言われまして、浅野先生も今のが2分だとすれば随分長い2分だと思いましたけれども、安原先生と浅野先生と、だんだん短くなってはいるんだろうと思うんですけれども、私は2分でまとめなければならない、座長としてはそうなんですけれども、ほかと同じように8名の方に、市民からお二人、民間団体からお二人、事業者からお二人、地方自治体からお二人ということで、私の方はこのレポートの23ページ以下に出ております。
 市民の方で、これも多少時間を短くしようと思いますとセレクトせざるを得ないので、あとは読んでいただきたいんですけれども、比較的おもしろかったというと語弊がありますが、(4)番の方が市民の代表の方で、島田さん、女性の方ですが、この方は自然エネルギーの子供たちの教育をしようと思っていろいろやっているうちに、とうとう市会議員になってしまったと。そして今では唯一の、市議の中では少数派なんだそうですけれども、やはり政治の中で生かさなければならないということで一生懸命やっておられるようですが、やはり子供たちの教育、あるいは実践活動が大事だということで、地域の中でそうした実践活動をやっていくと。もう一人の市民の方は、やはり環境カウンセラーの、今の方も環境カウンセラーですが、(8)番の古澤さんという方も環境カウンセラー、この方は学校の先生か何かで、ずっと教育に携わってこられたようですが、この方は逆にといいましょうか、極めて観念的といいましょうか、理論的に環境教育をやっておられるんですが、そこで両方とも別な立場でありながら環境教育を子供のときからきちっとやらなければ世の中は動いていかないという意味で、地域づくりと環境教育ということを2人から我々は学んだように思います。
 それから、時間がありませんので、民間団体につきましては、NPOの方が古紙の回収ということですけれども、今ご存じのようなことで、これは(3)番の方です。NPO法人新潟エコオフィス町内会というんですが、非常に古紙の回収は苦しい状態だということです。それから、もう一人の方は、これは環日本海で韓国とか中国とか、そういう、これはちょっと新潟の特殊状況でありまして、民間団体といっても環境問題だけではない、環日本海の中で、これは経済団体なんかを中心にしてどういうふうに新潟は生きていくかという中での環境問題を中心に据えているというところでありました。
 それから、事業者は、(2)番の方と(6)番の方でありますが、リターナブル瓶、これは酒屋さんでありまして、ホタルの里なんていうのもあるんですが、リターナブル瓶の回収などですけれども、これもそういう企業に対する優遇策がないということで、大変苦しいというのはこの酒屋さんのです。もう一つの方は、これはやはりリサイクルなどを心にして企業体をつくって、官民共同でやっているということですけれども、これも始まったばかりということでありまして、このまま地域でリサイクルだとかそうした環境の実践活動をやろうと思うと、必ずしもそういう制度が整っていないということで苦しいということのようでございます。
 地方自治体につきましては、(1)番の石川県から、それから(5)番の新潟市から、それぞれ何を県市としてやっているかということについてのお話がございました。
 質疑につきましては、資料がございますので省略いたしますが、いずれにしても、今までの安原委員、浅野委員のお話を伺いましたけれども、地域づくりにステークホルダーがそれぞれ取り組んでおられるんですけれども、やはり国の制度が十分にまだできていないということで、取り組んでおられるにもかかわらず財政的、あるいは制度的に十分な手当てがなされていないということ、特に市民、NPOが取り組もうと思っても、いろいろな障害が多いということで、我々としてはもう少しその辺をきめ細かに見てサポートするような仕組みを考えていく必要があるのではないかということを感じさせられた次第でございます。
 以上でございます。
 ということで、何かこれ以上ご出席いただいた方にご発言いただきたいんですけれども、時間がないのではないかと思いますが、どうしても発言したいという方がおられましたら、どうぞ。というと発言するなと言っているのも同然ですけれども、何かどうぞありましたら、3会場にご出席になって、ご感想を。どうぞ、天野委員。

○天野委員 感想というより、ヒアリングで国に求めていることでちょっと気になることがありまして、広島県の環境政策課の方がおっしゃったんですが、県によって生産構造が変わったり、産業が移ったりして、それでふえたり減ったりしている。大体都道府県というのは国の目標と並行してやろうとするんですけれども、そういうことがあればどんどん産業が移ってくる県というのはふえてしまうんですね。これは、ある種生産活動の社会になってこういうのがふえていくといういい面もあるんですけれども、そういう国、都道府県の間の違いですね、これをどういうふうに政策として考えればいいのかということは、もちろん個々の自治体が考えることも大事ですけれども、国としてある種の枠をつくるなり、つまり、要因分析のようなことを国の方でフレームをつくってやってみて、ちゃんとした正当な理由があってふえているのか、あるいはそれ以外に削減努力を放棄してふえているのかというふうなことが判定できるような枠組みをつくらないと、やはり自治体の方は大変困った状況に置かれているのではないかという気がちょっとしましたので、そのあたりは検討していただきたいと。

○森嶌部会長 ほかに何か。
 よろしいでしょうか。
 それでは、多分ご発言なさりたいと思いますけれども、私の言い方もありまして、それでも何か言いたいことがあるかみたいなことですのでご発言しにくいと思いますけれども、また今後の議論の中でございましたら。
 次の審議に入らせていただきます。

(2)重点点検項目別審議
 [1]環境投資の推進

〇森嶌部会長 重点点検項目別の審議に入りたいと思います。
 3つのテーマごとに事務局からご説明を20分とありますので、事務局に関しては厳密に20分ということにさせていただきます。委員は2分といっても6分とか8分とか勝手に延ばしておりますけれども、質疑時間はこれは20分ということでございますが、これは委員は皆さん勝手に延ばすかもしれませんけれども、20分程度ということでよろしくお願いいたします。
 最初のテーマは、環境投資の推進です。
 では、ご報告をお願いします。

○鎌形環境経済課長 それでは、ご説明させていただきます。資料5とあります環境投資の推進でございます。  環境基本計画には、環境投資の推進につきまして大きく5つの柱で記述がございます。1つは、公共部門における環境投資の促進、それから2つ目、民間部門における環境投資の促進、それから、3番目が公共部門、民間部門を通じた環境投資のための環境整備、それから、4番目が環境分野におけるITの活用、それから、5番目が森林の維持、保全及び整備、こういった5つの柱で環境投資の推進について記述がございます。それぞれの項目につきまして現在の取り組み状況と課題をまとめたものが資料5でございます。
 まず、公共部門における環境投資の促進でございますけれども、環境基本計画では、政府全体の環境保全経費を活用していくという点と、公共投資へ環境配慮を織り込んでいくと、こういうようなことがございます。それで、まずは環境保全経費につきましては、ここにございますように、平成16年度で政府全体の環境関係の経費は2兆5,772億円と、こういう形になってございます。そして、この効果的な運用を図るということで、平成16年度予算につきまして特に効果が高いと期待できる施策を他省のものも含めて推奨事項として選定するということを行ってまいりました。
 それから、公共投資の環境配慮の織り込みという観点から、環境アセスメントに関してでございますけれども、まず、技術手法について最新の科学的知見に基づいて整理・検討していくと。それから、実際に事業が行われた後の事後調査につきましても情報提供していくということを踏まえまして、現在アセスの手法などについての考え方を定めた基本的事項の点検に着手しているという状況でございます。
 今後の課題につきましてでございますけれども、制度全体の環境保全経費については、より一層の効果的な運用を図るということ、それから、アセスメントにつきましては、技術手法のレビューとか開発、情報提供などを進めていくということと、現在進めております基本的事項の点検ということが課題でございます。それから、さらに活発に適切な意見が出てくるということになるために、普及啓発や各主体間のコミュニケーションを進めるための手法というものが課題になってまいります。
 次に、民間部門における環境投資の促進という(2)番でございますけれども、ここは、基本計画では環境投資の将来の方向性を提示していくという方向と、それから、民間における環境投資を促進するための環境整備をしていくと、こういった柱がございます。まず、環境投資を進めていくための将来の方向性を示すということに関してでございますけれども、平成15年3月には循環型社会形成推進基本計画をつくりまして、将来どういった世の中になっていくかという循環型社会のイメージを示したというほか、数値目標を各種提示しておりますが、その中で、例えば循環型社会ビジネスの市場規模や雇用規模などを平成22年までに平成9年比で2倍にするというような目標を提示したということでございます。
 それから、次の○でございますけれども、この循環型社会形成推進基本計画に基づきまして、次ページになりますけれども、各種の対策を進めているということでございます。その中では、例えば2つ目の・にありますが、政策投資銀行などによります政策融資の実施という意味で投資を直接推進していくというものも含まれてございます。
 それから、環境投資を促進していくためのさまざまな環境整備というところでございますが、今おめくりいただきましたページの○というところで、環境に配慮した事業活動を促進するための取り組みというのが掲げてございます。まず、企業の自主的な取り組みを進めるために、環境報告書のガイドラインを定めますとか、それから、中小企業向けの環境配慮ツール、エコアクション21を推進いたしますとかいうことを進めてございます。また、これは国土交通省になりますけれども、運輸関係事業につきましても、グリーン経営の推進マニュアルというものの普及が図れているということでございます。
 そして、この環境報告書の関連でございますけれども、環境情報の開示を進めていくということで、企業の環境の取り組みの情報が社会に適切に評価されるようにしていくという意味で、環境配慮促進法が本年5月に成立しているということでございます。この中には、事業者等は投資に際して環境情報を勘案していくというような旨も盛り込まれておりまして、環境投資の促進という意味では、1つの大きな武器かというふうに思います。
 それから、次に、環境情報を提示していくという中で、例えば製品の部分のLCAを進めていくと。あるいは、環境ラベルについてデータベースなどの整備を行うとかということがございます。それからもう一つは、グリーン購入を進めていくということがございます。グリーン購入法で対象品目につきましても逐次拡大して、現在199品目まで拡大しております。それから、グリーン購入法に基づきまして、国等の機関の実績も非常に高い調達率を達成するということになっております。そして、この国等が率先していくという中で、環境物品等の市場形成の状況も進んでいるということでございまして、この項目の下から2つ目の・になりますけれども、例えば文具のうち、ボールペンにおける特定調達品目、基準を満たしたものの占有率が、平成12年が13.0%、平成14年が27.8%ということで、2倍以上に増加するなど、環境物品の市場の拡大は着実に進展しております。ちなみに、こういった文具などにつきましての国の調達割合というのは数%、2、3%ということでございますけれども、こういった少ないものにつきまして環境に優しい製品を率先して買うということがこういった市場の拡大につながっているということがうかがわれます。
 それから、具体的な環境投資を進めてくという意味で、日本政策投資銀行におきまして、事業者の環境経営度を評点化して、これにつきまして融資していくという制度が平成16年度から始まっているということでございます。
 今後の課題でございますけれども、将来の形を示しました循環型社会推進基本計画、これに基づきまして引き続き施策を推進するということ、特にこの循環計画につきましては、進捗状況の点検というものを今年度より実施しておりますので、この結果を政策に適切に反映していくということが掲げられます。それから、企業などの環境配慮の促進という意味では、環境報告書、環境会計などの着実な進展というものを図っていくということが必要でございます。具体的には、先ほど申しました環境配慮促進法などの確実な実施ということが中心になってこようかと思います。そのほか、社会的責任投資など、環境に配慮した投融資というものを促進するということも課題になってこようかと思います。
 それから、グリーン購入につきましてでございますけれども、先ほど申しましたように、着実に推進はされておりますが、国の取り組み分野をさらに拡大していくということと、今後は地方公共団体による取り組みを拡大するということが大きな課題でございます。次に、その地方公共団体の調査をしますと、組織的な取り組みをしているというところにつきましては、都道府県や政令市は100%組織的な取り組みをしていますが、町村になりますと25%程度、4分の1程度ということで、小さい自治体の取り組みがこれからの課題だというふう考えております。それから、さらに環境物品の情報を適切かつ効率的に提供するということで、表示などについてもしっかりと検討を進めていくと、こういうことが課題になろうかと思います。
 それから、(3)番です。公共部門、民間部門を通じた環境投資のための環境整備ということでございますけれども、現行の環境基本計画には、この分野につきまして環境研究、環境技術開発を進めるということと、環境情報基盤を整備する、そして、地方における連携を進めると、こういった課題が掲げられてございます。
 まず、科学技術研究に関しましては、現在、環境分野は第2期科学技術計画の中で重点分野の一つということで位置づけられております。その中で、地域環境研究、ゴミゼロ型・資源循環型技術研究、自然共生型流域圏・都市再生技術研究など、5つの項目が重点課題とされて研究開発を行われているということでございます。
 それから、環境に関する情報ということでございますけれども、1つには、今後どういうふうに世の中が環境について変わっていくかということを示すものといたしまして、環境ビジネスにつきまして市場規模将来予測というものを提示しているということがございます。具体的な数字はここに掲げてあるようなものでございます。
 それから、地域との連携ということに関しましては、パートナーシップを進めていくということが課題でございまして、例えば環境パートナーシッププラザとか、その他地方の新拠点の設置というようなものも進めてきているということでございます。
 今後の課題でございますけれども、科学技術の分野につきましては、やはり総合科学技術会議で重点分野の一つとして環境分野が位置づけられておりますので、次のページにまいりますけれども、一層の推進を進めていくということが課題でございます。
 それから、将来の環境ビジネスの動向などを示していくという意味で、引き続き市場規模調査などを実施していくということが課題でございます。
 それから、パートナーシップ、地域での取り組みの推進につきましては、環境保全活動・環境教育推進法というのが施行されてございます。こうしたものを受けまして、各主体が協働で事業を実施していく。さらには、政策立案に多様な主体がかかわっていくといったことを一層進めていくことが課題でございます。
 それから、(4)番が環境分野におけるITの活用ということでございます。IT技術の環境分野への活用という観点からは、人工衛星を利用した地球環境のモニタリングというものがございます。こういったもので国土環境のモニタリングをするとか、あるいはオゾン層の観測などの地球規模での観測・監視が進められているということでございます。
 そのほか、IT技術というところでは、これは総務省さんの関係になろうかと思いますけれども、テレワークの推進ということも進められてございます。
 今後の課題でございますが、さらにITの活用の有効な方策として、衛星などを活用したモニタリングを充実させていく。例えば温室効果ガスのモニタリングなども大きな課題ということになろうかと思います。
 それから、(5)番、森林の維持、保全、整備ということでございます。これにつきましては、適切な森林の整備保全の推進ということと、森林整備を通じて供給される国産材の利用ということの推進がございます。これにつきましては、森林林業基本計画におきまして、1つの整備目標なりございます。今後の課題というところに掲げてございますけれども、平成22年度の目標としていただく整理年度の適切な整備保全が1,160万ヘクタール、天然林の保全が590万ヘクタール、そして国産材の供給・利用量2,500万立米というものに向けての取り組みが進められるということでございます。こういったような課題があるということでございます。
 以上5点につきまして、基本計画の柱に従って今の取り組み状況と今後の課題をまとめさせていただきました。
 以上でございます。

○森嶌部会長 どうもありがとうございました。  それでは、この点につきまして、環境投資に関してご質問、あるいはご意見等がございましたらどうぞ。
 浅野委員、まず。それから、崎田委員、それから天野委員。

○浅野委員 まず、環境影響評価についてでございますけれども、この資料に書かれている今後の課題という部分に書かれている点は重要な点でありますから、ぜひとも積極的に進めていかなければならないと思います。
 それと同時に、これまでの環境アセスメントは、新しくものをつくるときの環境影響を考えての環境アセスメントですけれども、これから先問題になるのは、施設の供用廃止とか撤去ということに伴って出てくる環境負荷の問題も無視できなくなるだろう。そこら辺まで視野に入れたアセスメントの役割を考えることが必要ですし、しいていえば、今後、環境投資というときには、つくる段階や供用段階の環境負荷だけではなく、投資の効果も一定期間過ぎれば必ずなくなっていくわけですから、その段階の環境負荷まで考えたものに、つまり、言ってみればこういう公共事業というか公共投資におけるLCA的発想というんでしょうかね、そういうようなことを環境アセスメントの枠組みの中に入れていかなければいけないのではないかと思います。このあたりのところをぜひ今後の課題ということで検討していく必要があるのではないかと考えます。
 もう一点は、きょう出していただいた資料で参考になると思いましたのは、参考資料の4でございます。これまでにもさまざまな仕組みや仕掛けが提案されていて、現行の環境基本計画の中に列挙してあるのですが、その体系的な整理がなかなかわかりにくい。断片的に一つ一つのことが言われているのですが、この資料を見るとようやく全体がこういう仕掛けなんだということがある程度わかってきます。もう少しこの整理を精緻なものにしていって相互の関係がわかるようにすることが推進のために必要ではないかと思いますと同時に、この全体のしくみはどっちかというと大規模な企業、上場企業には有用ですけれども、中小の事業者にとっては余りにも複雑で大規模過ぎるんですね。ですから、中小事業者向けの簡易な仕掛けが必要であり、このような対象への働きかけのためにも、全体の推進がはっきりすることの意義は大きいと思われます。

○森嶌部会長 はい、それでは崎田委員。

○崎田委員 これを拝見していて、とりあえず環境投資という、こういう環境と経済をきちんと好循環させていくということが明確に視点になって、こういう課題の整理をされているのは大変すばらしいと思います。ただし、ぜひこれを点検として書くときには、やはりもう少し強調していただくこともよろしいのではないかと思ったのは、例えば、今回財源が6%減っていますけれども、もっとふやしたいというようなアピールはないというか、例えば、点検ですからどういうふうなレベルでやったらいいのかというのはあれなんですけれども、何か少し現状肯定型で今後は効率よくというような形で書いてあるのが少し気になって、今後のことを考えれば、社会の予算と政府の予算、あるいはどういう項目に入れたらいいかはあれなんですけれども、年金をもっと環境系のことに投資していくようなことへの誘導とか、いろいろな選択肢が交換、言われていると思うんですけれども、そういう将来に向けた経済的なものをどういうふうにもっていくかという展望がもう少し強く入っていてもよろしいのではないかという感じがいたしました。
 あと、中をじっくり拝見していくと、地域社会、あるいはNPOなどでもそういうような活動をどういうふうに事業として成り立たせるのかということも重要なこととして入ってきているんだと思いますけれども、ちょっとそういうことへの書き込みなどが、分析などもう少ししていただくと、今後の展開にいいんじゃないかなという感じがいたしました。どうしてかと申しますと、この後の地域づくりのことにも関係してくるんですが、いろいろなヒアリングなどで伺わせていただいても、協働による事業とか環境に関したいろいろな事業というのは、地域社会でのコミュニティービジネスなど、大変ふえてきているような感じがいたしますが、どこもそれを継続・発展させるためにもっと経済と密着した視点をつなげるにはどうしたらいいかとか、その辺に非常に課題があるんじゃないかというふうに感じました。そういう意味で、地域社会の中でもこういう環境投資、あるいは金融などが支える、こういうことにもっていくためにどうしたらいいかというあたりの示唆になるような形での点検が進むといいなというふうに感じました。
 どうもありがとうございます。

○森嶌部会長 札を上げられた順で、次は天野委員、それから桝本委員、それから田中委員、それから山本委員という順番でお願いいたします。

○天野委員 ありがとうございます。
 今の資料ですね、資料の5で3つの関連するトピックがあると思います。1つは、環境報告書ガイドライン、それから、2つ目が環境配慮促進法、それから、3つ目が日本政策投資銀行の環境スクリーニング、これは私は究極的には普通の資本市場、金融市場でこの日本政策投資銀行のスクリーニングのようなことが一般的に行われるようになると。それは特に環境というふうに区別しないで、普通の年次報告書の審査をするというふうな形になるのが私は究極の姿だろうと思いますが、今回初めてこの3つがセットになって、その方向に非常に大きく一歩踏み出したというのが私の印象です。そういう意味では、昨年に比べると今年度の成果というのは非常に大きなものがあって、ぜひこの方向を今後どんどん拡充していっていただきたいというふうに思います。
 環境報告書のガイドラインもまだまだ十分でないようなところもありますけれども、しかし、着実にガイドラインの体裁が整ってきておりますし、それから、環境配慮促進法も、必ずしも当初意図したような形ではできませんでしたけれども、しかし、非常に重要な形が整ったということ、それから、日本政策投資銀行のスクリーニングですけれども、これもできればもっとほかの一般の金融機関に対してこういうふうなスクリーニングができるような仕組みを少し考えれば、例えば英国の制度のようなものをつくれる可能性もありますので、そういう意味で、どんどんこの方向でお進みいただければというふうに思います。
 以上です。

○森嶌部会長 桝本委員。

○桝本委員 ありがとうございます。
 環境投資については、先ほど浅野先生おっしゃったとおり、私も全体として初めから一番最後までのLCA的な配慮でのいわば効果といいますか、全体をつかむ努力をぜひしていただきたいというのが1点です。
 それから、この環境投資は経済的に考えると、生産能力を増大しないというような要素というか、性質が強くあると思いますが、環境投資に関する調査とか環境投資そのものの定義とか、そういうことをもうちょっとより現実的に見直していただいて、環境投資がどのぐらい行われているというよりも、どういうインセンティブとどういう社会的インパクトを期待しながら行われているんだとか、投資の結果どういう効果、成果、あるいは抽象的な言葉でいいわけですが、評価が見られるとか、そんなことまでわかるようになるといいなというふうに願ってお願いをする次第です。
 それから、アンケート調査もよろしゅうございますか、意見を申し上げて。

○森嶌部会長 どうぞ。

○桝本委員 アンケート調査は、実は前にも私はお願いをしたんですが、一般的にアンケート調査はまず言うまでもありませんけれども、一番最初のクエスチョンの構成から始まります。私はこれは非常におもしろいと思いますが、もうちょっと具体的施策につながるような意味でのアンケートのいわばクエスチョンの構成をおやりになる方がいいんではないかと。何となく傾向はわかります。しかし、どういうことを具体的にやったらいいかということを懸命に探すためのちりばめるような質問というのは、私にはちょっと見当たらない。ぜひこれから環境省、あるいは関係の府省がどういうことをおやりいただくことがより環境にいい社会をつくっていくか、あるいは関心を高める、あるいは具体的な行動を称揚するか、そういうような関係と関係とがやはりそろそろ必要なんではないかというふうに思います。
 そういう意味で、トレンドを見るという意味では、ここにあるとおり非常に興味あるトレンドがあるわけですけれども、アンケートの5ページの図の2にあるように、温暖化とオゾン層の破壊が相変わらず非常に高いわけですね。これだけ高い関心があるものに対して、これはいつも同じ質問をするんではなくて、それではどうするんですかと。どういうことを政府はやるべきかというような施策につながる次の質問をやはりお考えいただいて、それこそ第2ステップに続けていくという一種の意図があってもいいんではないかと。私は税については賛成していないわけですから、税が出てくるのではちょっと困るわけですけれども、それは冗談として、少なくとも次の手につながるアンケートの構成というのをぜひお考えいただいたらと思います。

○森嶌部会長 それでは、順番をもう一度確認しますが、田中委員、山本委員、永里委員、福川委員という順番でやっていきます。
 それでは、田中委員。

○田中委員 ありがとうございます。
 私は、意見を4点ほど申し上げたいと思いますが、1点目は、今の桝本委員と同じになるんですが、環境投資の定義をもう少しわかりやすく書いた方がいいんじゃないかなと。その意味では、環境投資の環境の枠組みとかいうことも多少記述をしておかないと、何が環境投資かというと少しわかりにくいかなという感じがいたします。これが1点目になります。
 それから、2点目は、それに関連しまして、まず公共部門における環境投資の促進という(1)のところですが、ここには参考資料を見ますと、各府庁の実績が分野別に出ております。もう一つは、私が思いますのは、1つは自治体ですね、都道府県、政令市、場合によっては市町村まで、これはなかなか難しいかもしれませんが、そこのところも一応公共部門に入りますので、そういう点では、できたらばそういう総計といいますかね、これでいえば経費の総額がどのぐらいでこれがどのようなトレンドになっているかと、こういう分析もあってもいいのかなと。これが公共部門に関する関係でございます。
 あわせまして、例えばアセスメントのことも先ほど浅野委員がアセスメントは非常に重要な指摘だというような話をされておりましたが、関連で、多少、少しでもいいんですけれども、自治体の取り組みについても言及していただければ、これは地域づくりに、次のテーマにも関連しますが、いいのかなという感じがします。これが3点目です。
 それから、4点目が、これは民間の方でございますが、民間の方にはどちらかというとまとめ方が行政側の行っております施策であるとか、あるいは将来の方向といったことが中心に書いてありまして、その結果、民間の方の投資が少なくなったと。環境に対してどういう取り組みが促されてきたのかという、本当はできれば民間のベースの実績が何らかの手法、あるいは指標をもとに把握ができればいいかなという感じがいたします。ただ、そこにどういう指標がセットできるのかは難しいんですけれども、投資という意味をどのように、先ほども申しました定義ということにさかのぼりますものですから、難しいんですが、先ほど使っていただいたアンケート調査のようなものの中で、例えばこれから一部上場企業がどれだけ環境配慮をしているか、例えばそれは環境会計でも同じで、経費総額が出ておりますけれども、それを集計するとか、いろいろなやり方をこれから考えなければいけませんが、民間部門の環境に関する投資額のようなものもこれからひとつ指標として把握、あるいは設定していく工夫も必要ではないかなと
 あと1点、これは質問でございます。これはちょっとわかりませんのでお伺いしたいんですが、このペーパーの3枚目に、(3)のところの○の3つ目に「地球環境パートナーシッププラザでは」という書き出しのパラグラフがございまして、その中に市民参画型政策立案過程の導入という表現がありますけれども、これについて少し後で補足をしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 以上です。

○森嶌部会長 では、それは後にさせていただきますが、それから、一応三橋委員でおしまいにしたいと思いますけれども、よろしいですか。どうしてもつけ加えてほしいという方がおられれば……では安原委員。では、これでおしまいにしてよろしいですか。それでは、山本、永里、福川、三橋、安原ということで、これでも20分を超えるかもしれませんが、ではおしまいにしますので、それぞれの方譲り合って、なるべく要領よくお願いいたします。
 それでは、山本委員、どうぞ。

○山本委員 では、私の方は簡単に1点だけ申し上げます。
 アンケートの結果を見ますと、大変私心配なのは、国民は状況を厳しく認識して、地域環境が劣化しているというふうに認識はしているわけですけれども、具体的にそれではグリーン購入とかグリーン投資の方向へいっているかというと、太陽光発電も太陽熱温水器も余り導入しようとしていない。これが非常に大きな問題で、今や私も最大の政策的な問題になりつつあるんではないかと考えるわけであります。というのは、ISOでCSRの国際標準化作業が開始されておりまして、民間企業が環境経営、CSR経営をさらに進めて、あるいは、環境技術革新を進めて新しい製品、サービスを開発しても、そういう企業が市場競争の中で強く支持されるかというと、これは非常に大きな問題になるかと思います。
 したがって、今我々が最大限の努力を払わなければならないのは、私の意見でございますけれども、社会的責任を強く自覚して行動する大量の市民、国民を養成しなければ、非常に環境ビジネス、あるいは環境立国という観点からも大きな問題になるというふうに思うわけでございます。
 したがって、このグリーン購入等の問題につきましても、例えば日本の4,000万世帯をグリーン化するための一大国民運動なり環境教育プロジェクトをやるとか、そういうことが私は必要だと思っております。来週は、仙台におきましてグリーン購入の国際会議を開く予定でございまして、私はインターナショナルボード、アドバイザリーボードの委員長でありますが、我々は全世界で2010年に300兆円の環境ビジネスをつくり出すと、あるいは、全世界で少なくとも2010年までに5億人のグリーンコンシューマーを養成すべきであるということを提唱しようと考えているわけでありますけれども、この点検のところにその巨大なマッシブなことをやらなければ、到底現在破局へ直行しつつある世界経済の方向を持続可能な方向へ反転させることは不可能であるという厳しい認識を私は点検に書き込むべきであるというふうに考えております。
 以上です。

○森嶌部会長 それでは、永里委員。

○永里委員 ありがとうございます。
 環境投資とか環境ビジネスとか、それから企業の社会的責任とかということについては厳密な定義をしておかないと、誤った情報を与えるような気がします。特に、参考資料の8につきましては、投資というような言葉が使われておりますが、この投資と今まで出てきた投資とどう違うのかというようなことも含めて、わかっていらっしゃる人はみんなわかっていらっしゃるんですが、そういうことが重要だろうと思います。
 それから、アンケートにつきましては、非常に高い回収率なんですね。もし図書券とかビール券を挟まないでこういう回答が出てきたとすると、これは大変喜ばしいことで、それほど関心があるし、こういうことについてちゃんと答える、まじめに考えているということだろうと思います。ただ、アンケートの場合には意図が重要でして、何のためのアンケートかということをよく踏まえた上で、それが隠されていてもある種の意図があればいいんですが、例えば教育するとか啓蒙する意図とかいろいろあるんですけれども、そういうことについて配慮された結果のアンケートなのか、最初のころとだんだん意図が変わってきているのかどうか、その辺についてよくわからないのです。
 以上です。

○森嶌部会長 それでは、福川委員、お願いします。

○福川委員 ありがとうございます。
 3点ほど申し上げたいと思います。
 1つは、先ほどからご議論が出ている環境投資の定義に絡むわけですが、省エネルギー投資というものを位置づけるべきかどうかという問題です。民間における環境投資の促進というところでございますけれども、ここで、例えばプリウスの投資が進むとか、あるいは家電製品でもプラズマディスプレイとかやれば、エネルギーの消費は格段に減るわけです。そういう省エネ投資というものをこの中で環境投資の中に含めるかどうかということは、私はむしろそこを進めた方がいいと思うんです。もちろんここでグリーン購入などでボールペンの中で特定調達物品の比率が13から27.8上がったというのは、それは悪いことじゃないんですけれども、やはりそれよりもっと大きな環境投資が行われて、それが非常に全体としては環境の改善に役立ってくる、そこら辺をこの中に私は位置づけて見る必要があるのではないかという気がいたしております。
 2つ目の問題は、(3)の公共部門と民間部門の環境投資の環境整備のところですが、ここでこれから非常に環境投資として関係してくるのは、基礎研究の部分、第2期科学技術基本計画でやっている基礎的な研究をいかに起業化するか、実用化するかというところのつなぎが非常に大事になってくるだろうと思います。今、ТLOとかいうような形で国などの研究機関の民間への移転をどうするかというような仕組みがありますけれども、これをもう少しマーケットに結びつけていく、そういう努力をしていく必要がある。そこの仕組みをどうつくるかと。まさにパブリック・プライベート・パートナーシップというような感じの仕組みをここにつくって見ていくという、そういう必要も今後の課題としては提起できるのではないかと思います。
 この点についてもう一つは、先ほどのアンケートでお話も出ていました中小企業ですけれども、中小企業はなかなか進まないと。これをどうやって環境投資に結びつけていくかということを考えてみる、そこの仕組みもやはり必要で、例えば今でも中小企業の経営指導の仕組みというのは、商工会議所等を通じていろいろ大きくありますけれども、例えばそういう技術の情報を提供すると同時に、その技術をいかに中小企業の投資、経営に結びつけていくかということで、例えば経営指導とかというような問題をここの定義の中にこれから結びつけていくという、それも今後の課題として考えていいのではないかというふうに思います。
 以上です。

○森嶌部会長 では、三橋委員、どうぞ。

○三橋委員 ちょっと統計の見方について幾つか伺いたい点があるんだけれども、1つは、参考資料2、循環型社会ビジネスについての2010年の数字が載っていますね。例えば、市場規模が24兆円とか。それと、参考資料9でも環境ビジネスの市場規模調査について載っていますね。これ、数字が相当違うわけです。例えば、2010年について市場規模は参考資料2では24兆円だし、参考資料9では47兆円ですか、だから、この2つの数字がどういうような意味、あるいは関連になっているのかというようなことで、とりあえずどちらを信用したらいいのかというようなことですね、ここら辺はちょっとはっきりさせてその意味を説明してもらいたいなということです、1つは。
 それから、もう一つは、福川委員がおっしゃったこととも関係あるんだけれども、例えば、自動車、低公害車に投資をするとか、実はそういう民間が省エネ・省資源型の投資というものをかなりやっています。そういうものをやはりこの中に含めていくと、規模はこんなものじゃないんじゃないかなというような感じが私はしているんですけれども、そういうところはちょっと資料が集めにくいからとりあえずちょっとやらないということならそれはそれでいいんだけれども、そういうことを私はやるべきじゃないかなと。そうすると、日本全体としては相当、廃棄物の処理だけじゃなくて、前向きの省エネ・省資源投資というものは今非常に企業の中で活発になっています。そのあたりをどう位置づけるのかということですね。
 それと、参考資料1の数字の見方を教えてほしいんだけれども、例えば、ここを見ると会計監査検査院が地球環境の保全でこれは3,200万円ですか、あるいは、財務省が待機環境の保全で2億3,300万ですか、これは一体どういうものなのかなと。皇室費が自然環境の保全、自然との触れ合いの推進6,000、これは何となくわかるんですけれども、ちょっとこの辺の会計検査院のここでいう3,200万ですか、財務省の2億3,300万とかというようなのは、つまりどういう経費なんでしょうかということなんですけれどもね。
 以上の3点です。

○森嶌部会長 では、ご質問の点について、先ほどの田中委員とのご質問と一緒にまた後で答えていただくことにいたしまして、安原委員。

○安原部会長代理 ありがとうございます。
 先ほどの天野委員がおっしゃったことと同じようなことなんですが、やはり環境投資を促進していこうとすれば、重要なのはやはりそのための資金調達が円滑にできるという、そういう仕組みができているということが大変重要じゃないかと。そういう意味で、金融機関の経営、あるいは融資の態度というのが非常に重要な意味を持ってくると思うんですね。その場合、日本政策投資銀行はかなりの進んだ対応をしてもらっているということがここに書いてありますので、非常に心強い限りでございますが、政策投資銀行だけではなくて、民間の金融機関がいっぱいあるわけですから、民間金融機関が同じような対応をやってもらうということが非常に重要だと思うんですね。それは一部の金融機関ではやっているところもありますし、それから、例えば環境関係のプロジェクトについて通常より有利な条件で融資を出したり、あるいは、環境投資ファンドみたいなものを設定しまして、関心のある投資家からお金を集めて、それを環境プロジェクトに回していくとかいうような商品も一部には出ているんですが、非常に少ないわけです。ですから。その種の対応を広くもっととってもらうというための工夫がやはりいるんではないかと思います。
 その関係で1つ、もうご承知のとおりですが、UNEPが間に入りまして、欧米の金融機関と一緒になってそういう環境配慮に徹した融資を展開していこうというような趣旨の金融イニシアティブ宣言というんですが、そういうのをつくって、それを体して欧米の多くの金融機関ではやっているわけでございますが、日本ではまだこれは余り知られていなくて、金融機関でも入っているのは非常に限られたごく幾つかの金融機関しかそれに入っていないというのがございますので、もっとこの種の仕組みを広げるべく金融機関に働きかけし、そして、それに応じた対応を金融機関がしてくれるように働きかけを強めていってはどうかと思います。ですから、ここの今後の課題のところで政策投資銀行は1つのモデル的なケースですけれども、もっと広げるための仕組みをつくるのが重要な課題だというようなことがもっと書き込めないかなという気がいたします。
 以上です。

○森嶌部会長 それでは、事務局。

○鎌形環境経済課長 幾つかのご質問をいただいているので、お答え申し上げます。
 まず、1点目でございますけれども、パートナーシップの関係のところの記述、ちょっとページが合っていなくて恐縮でございますけれども、1枚おめくりいただいたところの3ページ目の下で、市民参画型の政策立案過程の導入、このあたりのご質問だったかと思いますけれども、これにつきましては、環境省におきまして平成13年からNGO、NPO政策提言フォーラムというものを実施していまして、さまざまな環境分野に関しての政策提言を自由にしていただいて、それについて発表会などを行うということで、その中で優秀というふうに評価されたものについては、こちらの方での政策に反映するように努力する、あるいは調査をするとか、そういうようなことを今まで少しずつやってきているというのもございます。そういったものを今後も取り組んでいくというようなことをイメージしているというものでございます。
 それから、あと幾つかデータの面でございましたけれども、まずは、資料番号でいきますと参考資料の1のところで、例えば会計検査院とか財務省とかの部分はどういうものかというようなご質問だったかと思いますけれども、例えば、会計検査院の地球環境の保全というところを見ますと、施設の太陽光発電設備を導入するとか、会計検査院の施設、これは研修場と書いてございますが、そういったようなものですね。それから、例えば財務省の地球環境でいきますと、ここにございますのが世銀とか、あるいはGF、地球環境ファシリティーなどへの出席とか、資金提供とか、そういうものが財務省に計上されている部分がございます。それから、法務省の大気汚染というご指摘だったかと思いますが、このあたりは低公害車の導入とか、そういうものが入っているというふうに考えられます。
 それから、あと、いわゆる循環型社会ビジネスや環境ビジネスについての数字の不突合と申しますか、ということについてのご指摘で、資料2と資料9ということでございますが、ちょっとこれ、混乱を招くような出し方をして非常に申しわけございませんが、いわゆる環境ビジネスというものの中に廃棄物循環関係のものが入ってございます。それを抜き出してきたのが循環型社会ビジネスということになりまして、例えば資料9でいきますと、資料9の中のAというところで、1からずっと番号を打っていますが、例えば、10番の廃棄物処理ですとか、20番の廃棄物処理施設とかございます。こういったもの、あるいは一番下の方の資源有効利用とか再生素材とか、このあたりを立ち上げたものが循環ビジネスということなります。
 それで、先ほどから環境投資の定義とか、あるいはビジネスの関係の定義とか非常にあいまいだというご指摘がございまして、この資料の出し方にもちょっとそれが反映してしまって大変恐縮なんですけれども、確かにいろいろな考えがございまして、環境ビジネスもここの資料9で出したものだけかというようなご指摘も先ほどあったかと思います。そういうことで、ことし出しました白書では、もう少し資料等含めて環境誘発型ビジネスというようなくくりでやってみたものがございます。そういった部類になりますと、省エネ型の家電とか、あるいは低排出低燃費車でありますとか、あるいはリース、レンタルとか、こういった非常に幅広く環境にきいてくるビジネスというものを拾い上げた、そういったものを市場規模などについて追求したということでございます。
 そうしますと、例えば市場規模の推計ですと2000年に環境誘発型ビジネスが41兆円だったものが2025年に103兆円になると、こういった数字でございます。ということで、大変申しわけございませんが、こういった環境関係のビジネス1つとってみましても、どういったふうな範囲でとらえていくかということは試行錯誤の段階でございますので、今後ともいろいろな知見を集めながら適切なものが示せるような、そういったものを構築していければというふうに考えております。
 以上でございます。

○森嶌部会長 それでは、時間もございますので、次へ進ませていただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。

[2]地域づくりにおける取組の推進

〇森嶌部会長 それでは、次に、地域づくりにおける取り組みの推進について、事務局から報告をしていただきます。

○佐野環境計画課長 資料6におきまして、地域づくりにおける取り組みの推進という課題につきましての状況を報告させていただきます。
 もともとこの地域づくりにおける取り組みとは何だということで、今、お手元にあります現行計画ですと84ページでございます。どんなものが並んでいるかということで、84ページから85ページにかけましての施策の基本的な方向というところで、地域づくりの際の環境配慮、生態系であるとか地域内資源の活用だとか情報だとかということが並んでおりまして、それのためのいわば政策の方向づけとしてどんな取り組みをしたらいいかといいますと、めくっていただきまして86、87ページのところに地域づくりにおける環境配慮のガイドラインをつくってはどうかとか、環境情報の方はどうかとか、推進メカニズムを構築せよといったようなものが現行の計画で挙がっておりまして、基本的にはこれに沿いましてどんな取り組みがなされておるかということをご報告申し上げたいと思います。
 アンケートのところでもご報告申しましたように、資料ですと5ページに再度グラフがついてございますが、環境基本条例、あるいは環境基本計画の策定、地方公共団体というのは、この計画期間中にかなり着実に増加いたしておるという状況にございます。やはり市区町村が比較的おくれてはおるわけでございますが、例えば環境基本条例でおおむね700数十でございますけれども、その後少しふえておりまして、平成15年度末で基本条例で805ということになっておりますので、4分の1弱ぐらいのところ、3分の1と4分の1の中間ぐらいのところまで進んでおるということであろうかと思います。
 それから、環境情報の提供というのも、広報紙等は当然でございますが、ほかのイベント、あるいはセミナー、ホームページというようなものも大分進んでまいっております。ただ、これを裏面、6ページのように規模別に見ますと、ここもおもしろいことに政令市が非常に高くて、都道府県がむしろそれに次ぐと。市町村は、一般の市町村になるとかなり少ない数字が出てくるという状況でございます。それから、住民との連携・協働ということについても同じような状況が見られます。
 それに対しまして取り組みの例でございますが、最初の計画にございました地域づくりにおける環境配慮のガイドラインというような面につきましては、この資料の後ろの方へ出てまいります6-1というところでこのチラシをとじ込んでございますが、こういったガイドブックという、事例集に近いような形でございますが、こういったものを刊行しております。それから、こういった取り組みを勧奨する手段といった形でございまして、資料の参考の6-2というところに要領がつけてございますが、循環・共生・参加まちづくり表彰という格好で、こういった面で積極的な取り組みをされておられる市町村を毎年数市町村選びまして、私どもの大臣より表彰申し上げるというようなことを実施しております。
 それから、資料の1ページ目の最後の方にございます、一番下の段にございます環境コミュニティ・ビジネスモデル事業という、これは経産省さんの方の事業でございまして、事業者あるいはNPO等々と協力をされまして、その連携による環境に配慮したまちづくりを行っていただく。そのための支援、割合これを地元の団体、NPOのようなものも含めた地元の団体に委託費を差し上げるという格好で、ソフトに限らずちょっとした機材のたぐいを含むような費用を支援するというような事業をされておられます。それから、私ども環境省では、資料の2ページ目にまいりまして、環境と経済の好循環のまちモデル事業、通称平成のまほろば事業といいます。石油特会の財源を使いまして、地域の環境、特に地球温暖化対策に資するようなビジネス、例えば地域の資源を生かしてバイオマスの施設をつくるというようなプロジェクトにつきまして、かなり集中的に補助を差し上げるという事業を今年度より開始をして、今年度、11市町村を対象にしているところでございます。これも来年度17年度ではさらに地域層を拡張すべく要求をしております。また、これの学校版という格好で、特に地方へまいりますと、地元の小中学校というのは地域社会のある種中心的な役割を果たしておりますので、そこにいろいろな環境施設を設置して、環境教育、あるいは地元の人たちに触れていただくという場にしようという事業を来年度は計画しております。
 それから、次に環境基本計画の現行計画で指摘をされております環境情報の共有化をなるべく図るべきだというところにつきましては、通称知恵の環と呼んでおります、要は、これらの情報につきましてのインターネットのホームページでございますが、こういったものを運営しておりまして、1日平均1,300件という、ホームページの中ではかなり多いアクセスをいただいておるところでございます。
 それから、推進メカニズムを構築すべしという点におきましては、地方におきます環境基本計画の策定について補助金を差し上げておったんですが、平成15年まで、さすがにもうそろそろ現行計画ができて5年にもなるし、もういいだろうということで打ち切りになってしまったんですが、こういった補助をいたしておりました。それから、このメカニズムの中で現行計画では戦略的環境アセスメントに当たるものが指摘をされております。これにつきましては、平成15年6月に海外における事例の公表、それから、まず隗よりということで11月に環境省の事業であります一般廃棄物処理計画の策定における戦略的環境アセスメントをやってみようというガイドラインの策定であるとか、それからまた、関係省庁においては、それぞれご所管の事業につきまして計画プロセスにおきます情報公開、住民参加のガイドラインというようなものに取り組んでいただいているところでございます。あるいは、一部の自治体では上位計画についての環境影響評価を試みられております。
 それから、地域の社会資本整備における環境配慮ということで、ここでちょっと先ほどの環境投資とやや重複する面がございますが、先ほどもご指摘ございました、では公共投資の中でどれだけ環境投資というべきものがあるかということでございまして、先ほどの環境保全経費の取りまとめの結果によりますと、おおむね公共投資全体の約2割が環境保全経費に分類されるもの、つまり、環境保全のために資する公共投資といえるようなものが大体公共投資全体の約2割と現在なっておるようでございます。それで、こういったものはどんどん進めるべきであるというご意見もちょうだいしたところでございますが、公共投資額自体は財政需要であるとか財政政策に大変引っ張られるところがありまして、皆様ご承知のとおり、現在大変苦しい財政状況ということで、非常に厳しい抑制がかかっておるところでございます。そうであれば、全体の中の環境関係の公共投資の割合をふやすということによるべきではないかということもあろうかと思います。ちょっと今、取り急ぎ大体その傾向がどうなっているか調べていただいたんですが、実はこの全公共投資におきます環境保全経費に分類されるべき公共投資の割合というのは、実はここ数年2割程度でほとんど変わっておらない、むしろちょっと下がりぎみという格好がありまして、どうも公共投資抑制の影響を受けているようでございます。
 それから、個別の事業といたしまして、環境省では他省庁と協力もいたしましてエコタウンという格好で、いわゆるリサイクル設備、あるいはそれを取り巻くソフト事業等々について補助金を差し上げる事業を実施いたしております。
 これが現行計画で指摘されました施策の方向の実施状況でございますが、そのほか、各省庁におかれましては、この現行計画の前の施策の基本的方向、いろいろな留意事項に沿いました事業をいろいろ工夫していただいております。前回にもご報告があったところでございますが、例えば河川整備関係では、釧路湿原、歩く関係の自然再生事業、あるいは干潟藻場の再生事業、あるいは、国立公園の整備の一環としまして、湿原の再生事業等々がやられているところでございます。それから、農業関係の分野におきましては、環境的農業を行う農業者、エコファーマーというんだそうでございますが、こういった一定の要件に当たるものについて税制金融上の支援をされる、あるいは、農協等に農業分野では非常にいろいろな補助がされておりますが、そこの補助事業の1つの要件として環境農業をやられるというものを対象に加えるというようなものもやっておられるようでございます。
 それから、地域内資源の活用という側面から見ますと、特にバイオマス、例えば間伐材の利用というようなものが今叫ばれておるわけでございますが、木質資源、要するに木っ端のたぐいをたきますボイラーの整備であるとか、水産系の副産物のリサイクル、例えば、恐らく貝殻というようなものであろうと思いますが、そういったものの取り組みが進められておられます。それから、そういったものを進めるバイオマスタウン構想事業というようなものの例がございます。
 それから、基本計画でもございます森林、農地の多面的機能の低下への対応ということで、ここでは前回もありました中山間地に対する農地の維持に対しまして、直接支払い制度が導入をされた。それから、森林所有者による森林施業が適切に行われるように、そのための調査等々に対する支援措置が行われていると。こういった取り組みが見られるところでございます。
 これに対しまして今後の課題でございますが、まず、地方公共団体の取り組み状況を見ますと、いろいろな切り口から見て進展は見られるわけでございますが、特に都道府県、政令市に比べまして市区町村の割合が少なくなっていると。こういったところ、今後規模の小さいところにどうやって取り組んでいただくかというところがまた課題であろうかと存じます。
 それから、国の取り組みについては、今申しましたようないろいろな切り口、いろいろな施策が進められるところではございますが、それぞれの事業について地域づくりの際の環境配慮の推進という視点が十分組み込まれているかという点ではまだまだ議論の余地があろうかと思います。それから、こういった取り組みを推進するためには、地方公共団体のみならず、住民、民間団体等、各種の主体の連携というのが非常に重要になってくるわけでございまして、これを引き続き強化してまいるという必要があろうかと存じます。  それから、環境情報の提供。いろいろなところで言われるわけでございますが、こちらのブロックにおきましてもやはり環境情報のアクセスというのが重要なわけでございますが、とくにこちらの面では地域における環境情報の共有化の仕組みと取り組みというものが重要なのではないかと考えております。
 以上でございます。

○森嶌部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、松田委員。

○松田委員 地域づくりの方で言おうかな、環境投資の方で言おうかなと迷っていたんですけれども、市民活動をしている立場から、今の市民活動の悩みを聞いていただきたいと思います。
 私もエコタウン事業などのプロジェクトの評価委員などをしておりまして、プロジェクトというのは、これは地域の中で行政も一緒になっていく割と立ち会いやすいものなので、予算さえついていけば動いていくものだし、継続性もあります。けれども、個人として、国民として一人一人が参加していくときに、やってよかったと思えるような国の支援というのがだんだん少なくなっている気がします。具体的に言いますと、風力発電に対しての売り上げ、風力発電をみんなでお金を持ち寄って立ち上げていきますけれども、その売り上げが自由競争の中で価格が下がって買い取り手がなくなってしまうという悩み。それから、太陽光発電がやっとここにきてもう手の届く値段になったのでみんなやってみようかなと思ったところで、もうこの施策は十分に広がったと思うので支援金はゼロですというふうになっていく。環境保全のことをもっともっと戦略的に進めようとしている政策の中にあって、個人的な努力で立ち上げたNPOの活動が途中で茎を折られるような政策になっていくというのは、これはだれがどこでどういう決定をしているのか国民に見えてこないんです。
 このあたりの分析をしていただきながら、単にお金がほしいというわけではないんですけれども、ヨーロッパだとか、それから環境先進国を見ておりますと、その辺のインセンティブのかけ方、国家戦略的なかけ方が非常にうまいということをつくづく毎年ドイツなど環境政策を継続的に見ていて思います。日本の場合はそれが欠けていると思います。ですから、環境投資の推進というところを見ましても、言葉はとてもきれいにできているんですけれども、国民から見て難し過ぎてイメージがわいてこないんです。ですから、私がお願いしたいことは、この審議会に入ってみて、例えば温暖化対策の委員会の環境部の委員に入ってみても、本当に環境のために使われていると思っていたら、そうじゃないお金までも組み込まれてしまって、環境のために使われているというふうに国民の前では提示されてしまうということであれば、誤解を招きます。この環境投資の推進だとか地域づくりに対する取り組みの中の予算の使われ方は、個人に対して出ている支援、プロジェクトに対して出ている支援、新幹線をつくるため、原子力をつくるために出ているお金も環境投資として入れてあるのであれば、明確にその中身を情報公開として出していく必要があると思います。ぜひそういうことも含めて、今私たちが育てないといけないのは、個人一人一人の意識の問題、それを支援するインセンティブのある政策づくりだと思いますが、各省庁はそれぞれに努力されているのですけれども、連携プレーができていないので、お金のむだ遣いもかなりあるのではないかと思います。これが私がこの審議会に入ってからずっと持っている意見です。

○森嶌部会長 それでは、中野委員、浅野委員、小澤委員、崎田委員、鈴木委員、桝本委員、天野委員、今のところそういう順番であります。
 それでは、はい。

○中野委員 私も市民活動をする中の一人として、買い物袋とかごみとか節電とかリサイクルなどは、全体的に浸透してきているのが現状です。アンケートでも見られますように、今市町村の差が大変大きいということをしみじみ感じます。私も全国大会などの換気用の分科会などにいきますと、むだなことをというようなところとすごく進んでいるところと案外差が激しいので、できるだけそれを情報の共有化というんですか、情報をいろいろ流し合って、今後は全体的なレベルアップを図っていきたいなと、そのように思っております。そしてまた、今後もこういうことは繰り返し、繰り返し、気の長い運動、門戸を広げていっていきたいなと、そのように思っておりますし、行政と、そして民間と、そしてまた企業が1つになっていろいろな面で努力もしていきたいなと、そのように思っております。
 そしてまた、もう一つは、中山間地域のことにもちょっとかかわっております。今まで日の目を見ないところが大変活性化しているという現状を目の当たりに見まして、大変よい制度だと喜んでおりました。ありがとうございます。

○森嶌部会長 はい、浅野委員、どうぞ。

○浅野委員 戦略プログラムの第10節の位置づけは何かというと、第1節から第6節までに縦割りというか、一つ一つの分野別のプログラムがあって、さらに、それを実現するための手法として第7節から第9節までが掲げられている。それが一段落したところでこれを地域で全部横断的にもう一回つかんでみましょうということで第10節を設けているわけです。ですから、固有の地域の問題ということばかりに目を向けるのではなくて、第1節から第9節までのテーマが地域でどう取り組まれていくか、これにどう取り組んでいくのかということを取り上げるのがこの第10節です。しかし、その辺のところは確かに第2次計画をつくるときに必ずしも明瞭にイメージされない書き方になってしまったかもしれないけれども、かろうじて第10節の頭のところにあらゆる場面のという言い方をして、そのニュアンスを出しているわけです。そこのところが点検のこのペーパーをつくられた人には意識されていない。だから、今後の課題の記述も物すごく平板で、書くことがないから無理やり書いたんじゃないかという気がいたします。
 私は余り言葉狩りはしたくないんですけれども、例えば、資料6の4ページの2行目にさまざまな分野での取り組みが進められておられ、それぞれの進捗が見られるが、それぞれの個別の事業については必ずしも視点が十分に組み込まれているとは言えず、とあります。好意的に見れば、前の「それぞれの」というのと後の「それぞれ」は違うはずですね。もし同じだったら全く矛盾することを書いていることになるわけで、いかにもこれが通り一遍にしか書かれていないという印象を受けるのは、要するにデータがないからそうならざるを得ない、というのではなく、この説の位置づけが良くわかっていないからではないのかという気がしてしようがないわけです。私も、一つ一つのことについてかなりかかわりを持っていますので、こんなにばらっと書かれるほど甘くないよというような気がするんですが、例えば、さっき中野委員がおっしゃった市町村による差が大きい、これは資料6にもちょっと書いてあるわけですが、本当に非常に大きな問題ですね。
 ところが、これまでの国の施策はこういう場面でもトップランナー方式でやってきているという印象が強いわけです。モデル都市とかよくやっているところをわーっと持ち上げて、全然ついてこられないところは置き去りにしてきたのではないか。それはよくないという考え方に基づいて資料に入れてある持続可能な地域づくりのためのガイドブックがつくられたわけです。これは、財政力が十分でない、力もない小規模な自治体でもできることは何かということを考えたガイドブックですが、このガイドブックも本体はお金を出さないと買えないわけです。全国の自治体にこのガイドブックを普及させる必要があるといいたいわけですけれども、なかなか進まないわけです。ここに資料として入れてあるチラシを配ったからといっても県でとまって市町村に流れていかないことは残念です。要するに地域づくりでトップランナー方式はやめるべきです。地域での取り組みについては、底上げ方式をねらわないと、この3ページの最後の行から4ページの上の行のところについての記述がいつまでたっても消えないので、ぜひ今後の課題というところには、このような考え方があるということを何らかの形で入れていただきたいと思います。

○森嶌部会長 それでは、どうぞ。

○小澤委員 多分問題意識は今の浅野委員と同じようなことだと思うんですが、先ほどのアンケートを見ていきますと、一般の方も子供も非常に節約行動が多いんですね。そして、子供たちが非常に森林の問題、水質、大気汚染、大人より非常にグローバルな問題を認識しているんですが、この調査の結果、多分学校教育の弊害がここに出てきたと思うんですね。知識は教えるんです。ところが、自分たちの地域でどう問題解決をしていくかというところの問いかけ、あるいはそういう教育がなされていないわけです。そのために、先ほどの地域でヒアリングをしたときに、北海道の当別のNPOの方がそういう意見をおっしゃっていたと思います。そういう意味で、地域づくりという問題は、これは非常に私は究極的には環境教育に行き着くところだと思っておりますので、この環境基本計画に答申を出したときに、小委員長としてまとめたときにもそこが入っていたはずなんですね。
 それから、最近CD-ROMで今まで環境省が5カ年かけてやってきた廃棄物、それから自然、それから大気、水、そして新しくまちとか緑、地域づくり、そういったものを含めたCD-ROMをどういう取り組み、あるいは取り組み実践例というのの事例を出しましたけれども、まだ多分皆さんのお手元には届いていないと思うんですけれども、そういったことを込めてつくった、ここにはそういうのがなかなか投影されていないんですよね。そうすると、今浅野委員がおっしゃったような結果になってきて、何も響いていかないと。それが先ほど松田委員がおっしゃったように、ヨーロッパの地域がやはりなぜああいう非常に日本人から見ると迫力のある取り組みをしているかというのは、やはりここのところにきちんと投影されていかないといけない、そのために地域のヒアリングをしているのではないかというふうに思っております。
 そういう意味でもう一つ申し上げておきたいのは、10月1日から昨年7月に環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律が公布されました。その基本方針の閣議決定がこの9月24日にされたんですね。そして、10月1日から実際に完全施行されるんですけれども、その座長として5つの関連省庁から委員が出てきてまとめ上げて、1つの環境教育、環境学習のガイドラインだというふうに私は思っておりますけれども、ぜひそれも皆さん目にとめていただいて、地域の中で、それこそ5つの省庁が連携してやるということが本方針としてそういう形なっておりますので、やはりこういったところに投影されるような書き方もお願いしたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

○森嶌部会長 それでは、崎田委員。それから、先ほど読み上げた天野委員のところまでお名前は申しましたけれども、田中委員、松原委員、ほかにいらっしゃいますか。なければ、一応仮にそこで打ち切りということにさせていただきます。
 それでは、どうぞ。

○崎田委員 私もNPOの活動の中で、全国の地域づくりをしている団体を応援するような全国ネットワークを運営しているものとして、この部分を拝見していて、今、各地域の中ではかなりそれぞれの地域の個性、地域性を生かした取り組みがかなり生まれてきていると感じています。地域の個性と、あと、やはり地域の人間力、人のすばらしさを生かしたそういう誇れるまちづくりということで、進んできているなという感じがしております。そういうことからいうと、先ほど浅野先生からトップランナー方式の時代から底上げの時代へというお話がありまして、そういう視点からいくと、今までいろいろな省庁でトップランナーを応援するための仕掛けというのをここ数年やっていらしたと思うので、そういう情報をきちんと事例を環境省だけではなく、経済産業省、あるいは農林水産省、国土交通省とかいろいろな省庁で環境に配慮した地域づくりという視点でやっている事例をできるだけたくさん日本地図の中に落とし込んでいくような形で事例を収集していくような、そういうような取り組みを1回してみると、日本のいわゆる市民、あるいは地域がどう動いているのかという、割に活力を持った形で出てくるのではないかという気もします。なおかつ、いい面だけではなく、では本当に定着するためにどうしたらいいか、どういうふうに悩みを抱えているのかというやはり課題も明確になってくると思うんです。そういう意味で、一度トップランナーから底上げの時代というあたりの転換期をどうコーディネートするかというところで、そういう全体的な事例を把握した上で課題をきちんと出す、分析するという、そういう作業が今必要なんじゃないかと私は感じています。
 そのときに、最初のときに発言した環境と経済の好循環の視点というのを地域社会の中にも入れていくということも1つ大きなポイントだと考えていますので、そういう視点での分析というのも必要だと思います。あと、いろいろ先生方もおっしゃっていたんですが、こういうのをやってくると、結局は地域の人間力というのが非常に影響してきます。環境教育、あるいは地域社会での活動をどう広げていくかという、そういう作戦も大変重要になってくると思います。そういうときに、今、課題などのところにいろいろな連携が広がってきているというふうにさらっと書いてあるんですけれども、今、割に地域の中でここには地方公共団体や住民、民間団体の連携が重要と書いてありますが、それだけではなくて、企業、事業者ですね、あるいは教育機関、学校、こういうような各主体が幅広く連携するような動きがかなり起こっておりますので、そういうような重要性などもきちんと書き込んでいただければと思っています。
 ありがとうございます。

○森嶌部会長 それでは、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 最近になって地方自治体の環境関係の予算が絞られてきて、縮んできているわけですね。そうなると、自治体で働いている環境関係の人たちは、定められたごく、それこそさっき浅野さんがトップランナー何とかと言いましたけれども、国が決めたような定めに従ったごく限られた仕事しかしない、あるいはできないというような状況が生まれてくるわけですね。それはまずいので、実際には自発的な研究、諸調査、あるいは地域住民からの情報を手にしてそれを調べる、そういう仕事が入用なわけですけれども、そういう建設的な新しい方向に予算がなくて動きがとれません、人もいませんというようなことが起こってきて、何のことはない、国が決めた基準の仕事しかやらないという、そういう逆行的な構造が起こってくるわけですね。
 それに対応するためにはどうしたらいいかというと、結局、地域を単位にした、要するに環境情報を双方向的な、あるいは多方向的な、お上から下へ流すのではなくて、そういうものをつかまえて、それに対する対策を立てられるような継続的なモニタリング、そこから出てくる情報に対する対策というのを地域の中に組まなければいけない。それがここではさっきのこの前の話にも出たことなんだろうと思いますけれども、どうも状況はここのところ余りかえってよくない部分が生まれてきているなと、また振り出しに戻るかなというふうに心配しています。

○森嶌部会長 それでは、桝本委員、どうぞ。

○桝本委員 ありがとうございます。
 私は、何人かの先生方のご意見に共通して、崎田先生がおっしゃった部分に基本的に全く賛成でございます。ここの部会の名簿の中にもいらっしゃる何人かの方々は、私らはぶつぶつ言っても全くかなわないような頭の下がることを実際におやりになっていらっしゃる方が何人かいらっしゃるわけです。そういう意味で、ぜひ、浅野先生流に言うトップランナーから底上げというのはそのとおりですが、しかし、やはり人が引っ張っていくということ、そして地域は、やはり地域の人たちが自分たちでつくっていかれるという1つの大きなドライバーをそこに求めていくということが地域づくりにおける取り組みの基本中の基本だと思うんです。場合によると、それは市長さんかもわからない、町長さんかもわからない。場合によると、ここにいらっしゃる何人かの方々のような大変活発かつ積極的なリーダーでいらっしゃる方かもわからない。そういう意味で、この運動は、やはり地域の、崎田先生のいい言葉です、人間力というものを大事にするということがぜひ基本にあっていただきたいというふうに思います。
 それから、政策というふうに言うと、かつて均衡ある国土の開発とか発展という言葉がありました。私はもうここ10年、15年、これが恐らく地域の特徴ある、地域の風土、地理、自然条件、そうしたものの特徴あるものを伸ばしていくという、むしろ違いを求め合うような発展というのが試行されてきているだろうというふうに思っておりまして、ぜひ政策当局はそうした意味でのキャッチフレーズも十分考えてこたえていただきたい。
 具体的に1つお願いがありますが、ここに青いパンフレットが挟まれています。このパンフレット、私拝見して、持続可能な地域づくり、これがよくわからない。どういう意味でこういう言葉をお使いになり、どういう意味で何をしようとしているのか、私に言わせれば、非常にただ教科書よりのことを書いたに過ぎないように、つくった方に申しわけありませんが、私には思えます。こうしたものをつくるときも、いろいろな地域で頑張って活動されており、かつ、この名簿にいらっしゃるような先生方の、フィールドをやっている皆さんの意見もよくぜひ聞いていただきたい。持続可能な地域づくりというのは何回も言葉が出てくるわけですが、私としてはこういうパンフレットのつくり方自体もぜひ再度見直して、本当に地に着いた活動の支援をするということを身をもってお示しいただきたいというふうに存じます。

○森嶌部会長 天野委員、どうぞ。

○天野委員 資料の4ページの一番最後に2行だけちょっと書いてあるんですけれども、これはアンケートの方にも出ておりますが、環境情報への国民の関心は総じて高いけれども、満足度は高いとは言えない、これは国についても地域についても全く同じことが言えまして、しかも、これが何年も同じことが続いているわけです。他方、人々が何から情報を得ているかというところには必ずテレビ、新聞、雑誌というものが出てきて、それ以外のメディアはほとんど貢献していない。ですから、環境省の方はいろいろなパンフレットをつくったり白書をつくったりされるんですけれども、こういう明らかなミスマッチがあるということを全く認識されないで、どうやってその情報に対する満足度を満たすことができるのか、私は大変疑問に思います。地方でも、NHKで時々地域の状況をテレビで流していただくと、これは確実に反響があるわけですね。そういう使い方をなぜされないか。公共広告ですか、そういうのは全国版でも出せるわけですので、そういうミスマッチを防ぐ手段を一切使わないのは、私は大変遺憾だと思います。その点はぜひお使いいただきたいというふうに思います。
 それから、これも私は何度も申し上げておりますけれども、環境統計というのの都道府県版が必要だということが書いてあるんですけれども、全国ベースですら環境統計というのはシステムができていない中で、どうやって都道府県版をつくるのか。私は、おっしゃるのはいいんですけれども、体制づくりをぜひ本気で考えていただきたいというふうに思います。

○森嶌部会長 だんだんみんな恐ろしい、事務局がだんだん小さくなってきていないですか。
 田中委員、どうぞ。

○田中委員 ありがとうございます。
 私は、大きく分けて2点であります。1つは、現状認識のところで、先ほどのお言葉を借りればもっと厳しい認識の上に立って記述をもう1回書き込むべきではないかと。例えばアンケート調査なんかを見ますと、例えば、これは私の一例ですが、アンケート調査の資料の4ページの方には、例えば地域レベルでの環境の状況が少しずつよくなっておるという人が減っておりまして、悪くなっているという人はほぼ横ばいなんですが、こういう例にもありますように、
例えば、幾つかのデータで、確かに指標として例えば水質や大気のデータはよくなっておりますが、しかし、認識としてはやはりなかなか厳しい。それは、それ以外の例えば身近な自然であるとか、あるいは、自然との触れ合いといったなかなか指標化できないところで環境に対する危機感が国民の間では広まっているという。したがって、そういうことも踏まえて、もう少し現状認識のところに厳しめの認識のもとで記述を加えるべきではないか、これが1点です。
 それから、2点目は、この取り組み状況のところで、ここでは先ほどもご説明のように、環境基本計画の中の枠組みに沿って書かれておりますね。これは、環境基本計画の整理の仕方が、主に政府の環境施策のいわば枠組みを示していまして、それに沿って、そういう施策がどういうふうに進展したかと。例えば、情報のところでいけば、知恵の環ですか、地域環境行政支援システムのことについてちょっと書いて、そして、公共団体のことも少し書いてあるとか、あるいは、ガイドラインということで言えば、何かまちづくりの表彰であったり、あるいは幾つかの補助事業のことが書いてある。これはこれでいいかと思うんですが、そうした施策をやることによってどういう効果が上がったのかと。このことによって、例えば実際にその地域で、あるいはその現場で市民活動が活性化している、あるいは環境に取り組む人がふえている、あるいは地域の協議会が結成されている、あるいはどうでしょうか、廃棄物等の減量リサイクル員みたいなものがふえているとか、幾つかのデータがあると思いますが、そういうものを含めて分析しておく必要があるのではないかと。だから、施策は施策でやっていると。同時に、そのことによって効果というものがどうなのかということをやはり書くと、そのことによっての課題が、施策もこういうより効果的な施策のやり方が必要であるとか、施策の上で足りない点もあるし、それから施策のやり方、それから質の問題もあるかと思いますが、そのように分析の形が出てくるんではないかというふうに思います。ちょっとその点の工夫も必要かなと。
 以上2点です。

○森嶌部会長 それでは、松原委員、どうぞ。

○松原委員 私は、生活者の視点から質問と意見を述べたいと思います。
 本日の資料で、官公庁の予算が環境保全経費の中の2,500億の中の約半分以上が廃棄物リサイクル対策に使われているということがわかったんですが、実は、私は東京都と横浜、両方に生活しているんですが、ごみの出し方が全く違うんですね。最近は非常に不燃物がふえているわけです。そして、マンションの置き場でも場所を変えなければならないような、なぜかというと、非常に軽いプラスチックのかさばるごみがすごく肥大しているわけです。そのために、燃えないごみの中でほとんどかさばるプラスチックの非常に軽いものが大きな袋で捨てられているわけです。ところが、横浜の方は一切まとめて燃えるごみ、燃えないごみ、一緒に捨ててしまっているわけです。恐らく自治体でそれぞれの廃棄物処理の処理方法が違うからこういうことになっているんだろうと初めは了解していたんですが、これが数年間も全く方法に対する検討とかそういうことがなされず、そのまま放置されて、毎日膨大なごみが出ているわけです。
 そういう中で、やはり環境省が地方自治体のさまざまなやり方に対してどれぐらい情報を持っていて指導力があるのかということです。きょうのお話で、例えばエコタウンなどでも、国は地方公共団体を支援しているとか、そういう部分もあるわけですから、やはりもう少し具体的な視点で環境を保持するための問題意識に立った課題とか、今後の課題として表現するということが必要かと思います。
 先ほど浅野委員の方からも4ページの上の記述についてたしかご意見があったと思うんですが、読んでみて非常にこういう空疎な表現では説得力がないわけです。やはり時代とともにこれだけ住民は非常にごみの回収、あるいは環境保全、緑の保全に対して非常に協力的になっている。そういう昔とは違う時代背景の中で、やはりもうちょっと行政庁も前向きに、具体的に評価し、また提言していかなければいけないということを思いました。
 アンケートでも、先ほど他の委員からもありましたように、一般的質問ばかりで、具体的に、例えば今あなたが捨てているごみの捨て方はこれでいいと思っているのか、不便なのかというふうな、そういうような、やはり住民が協力しやすいような方策を考えるということも施策の実効性ということから大事だと思いますので、そういうことです。
 ちなみに、先ほど申しました、もしお答えになれたら聞きたいんですけれども、地方行政単位によって全く廃棄物の処理法が違うんですけれども、その理由についてご説明いただけたらと思いました。
 以上です。

○森嶌部会長 それでは、事務局。

○佐野環境計画課長 いろいろご指摘を賜りまして、伺いまして、いろいろ心しなければならないところも多々あると思います。それから、やはり前の項目も同じなんですけれども、ここの現行計画自体が平成12年の頭で考えていますので、それ自体がついていけてないなというところも多々ございます。これも今の目で見ると、問題の設定の仕方といったものも随分違ってきていると思いますので、考えてまいる必要があると思います。
 あと、非常に細かいところですが、確かにごみのところというのは、私どもの担当ではないんですが、基本的には自治体の体制が違う、例えば焼却施設の足らないところと、それから、あるいは焼却施設はあるけれども最終処分場足りないところで、例えばなるべく燃してくれという方向のところとなるべく燃さないようにしようという方向のところ、あるいは、清掃工場の性能が違いますので、最新鋭の施設だからプラスチッチクを燃しても大丈夫というところと、残念ながら余り性能がよくないのでプラスチックを燃したくないというところと、そういったところが出てまいっている。それから、特に最近一部の自治体で物すごく細かい、一番多いところで30何分別とかというのがあるそうですけれども、そういうところになるとどのくらいその地域で、地域のそれは関係の方々がどれぐらいの意識を持って取り組まれていて、地域の方々の協力が得られるかというところが、そういうふうにやるとなるときいてきていると思います。

○松原委員 そういう前例でなく、本当に問題がないのか、そういう現行のやり方でよろしいのかどうかということを国は聞いてほしいわけです。つまり、こういう理由でもって今のような廃棄の仕方をしておりますという地方自治体の説明を回答するんじゃなくて、本当の今のこのやり方で効率的によろしいかどうかを国がチェックしてみたらどうかというふうに私は思ったんです。

○田村総政局長 おっしゃることはよくわかりますし、私どもも地域、地域によってごみの基準が違うということは非常に不便であると思います。ただ、事情は今課長から申し上げたように、さまざまな廃棄物の処理施設自体の水準の問題、あるいは、火事の問題いろいろあるんでございますけれども、結果として市民から見てこちらの方ではプラスチックは不燃ごみの方に入れる、こちらの方では燃えるごみに入れる、非常に不便でございますから、そういう意見は私どもたびたびといいますか、よく聞かれる意見でございますので、考えなければいけないし、早く対応しなければいけないということで、今中で検討しております。ただ、一本どちらかに絞るのが本当だと思います。本当だと思いますけれども、そういう背景が多々ございますので、いろいろ実際に意見を聞きながら、特にプラスチックごみの話ですが、まさに今検討しているところでございます。

○森嶌部会長 それでは、何となく国会みたいな感じがしてきましたけれども、時間もございますので、先へ進ませていただきます。3番目にまいります。
 先ほど私が打ち切りましたけれども、質問というかご意見、よろしいですか。
 それでは、先へ進ませていただきます。

[3]国際的寄与・参加の推進

○森嶌部会長 国際的寄与・参加の推進について、事務局から、はい。どうぞ。

○盛山地球環境局総務課長 それでは、地球局の方からご説明させていただきます。
 一番最後の資料、資料7、2ページの裏表の資料であります。
 現状の認識のところにありますけれども、地球温暖化、酸性雨、黄砂、こういう問題につきましては、1カ国だけの取り組みではうまくいかないということで、いろいろな形での国際的な協力というんでしょうか、対策をやってきているところであります。もうおととしになりますけれども、ヨハネスブルク・サミットが2002年に開催されまして、その中での各国の指針となります計画ですとか、ヨハネスブルク宣言ということでの、特に先進国を中心としました何をどうしようという目的をあらわしたような宣言が採択されたりしております。それからまた、そのフォローアップとしまして、国連に持続可能な開発委員会というところがございまして、ここでいろいろな具体的な実施についての支援、その他取り組んでおります。
 それから、科学的な研究ということにつきましても、衛星を使っての地球全体の観測・監視、あるいは、総合的な温室効果ガス、CO2を中心としますが、これらのモニタリング、その他をやっているところであります。ことし4月には東京で第2回地球観測サミットということでの地球観測の国際的な取り組みの重要性が認識されました。また、総合科学技術会議でもことしの3月に統合された地球観測システムの確立が重要であると、こういうような報告をいただいているところであります。
 それから、開発途上国につきましては、先進国からの協力、それなりに進展してはおりますけれども、まだまだなかなか進んでおらないというところであります。
 具体的な取り組み状況は2以下のところであります。(1)が知的貢献その他であります。そのうちの、まず世界的政策課題の設定その他であります。総論のところでは、国連ですとかエコアジア、その他での協力ということです。
 具体的なところでまず地球温暖化でございますが、京都議定書の発効に向けまして、関係国、アメリカ、ロシアでございますが、これらに働きかけを行っております。また、日米の政府機関ですとか地方公共団体、その他によりますワークショップをことしワシントンで開催いたしました。それから、地球温暖化のアジア太平洋地域セミナー、これは昨年の暮れでございますが、宮崎で開催しております。その他、アジア太平洋地域における地球温暖化問題に取り組んでいるというところです。
 それから、その京都議定書の中で京都メカニズムというものがございまして、そのうちの代表選手、3つのうちの1つでありますグリーン開発メカニズムということで、アジアを中心としまして、キャパシティ・ビルディングというようなことでの協力をやっております、それから、運輸部門、インフラについての実施のための検討、その他、国際ルールの策定その他に協力をしているというところでございます。
 次の裏側のページにいきます。3点目が森林の保全、砂漠化ということであります。森林の保全につきましては、国連のフォーラム、あるいはアジアのパートナーシップ、これらに参加しております。砂漠化につきましては、東北アジアでの砂漠化ということで、海外から専門家を招へいしまして、ことしでございますが、東京でアジア地域の専門家会合を開催したところであります。
 4番目が、酸性雨・黄砂、海洋環境ということです。酸性雨につきましては、アジアでは中国等、問題が深刻化しているということで、東アジア酸性雨モニタリングネットワークということで参加12カ国でいろいろモニタリングの実施、データの収集・解析、その他をやっております。また、昨年開催された会合では、資金分担のルールについても合意をしたところであります。黄砂につきましては、我が国を含む北東アジア地域、モンゴル、中国、韓国、日本と、こういうことになるわけでございますが、モニタリングネットワークの整備、その他をやっているところでございます。海洋環境の保全につきましては、北西太平洋地域海行動計画、NOWPAPと申します、ここでの活動に積極的に参加しております。また、IMOでことしバラスト水条約が採択されましたが、これらの作成にも協力しているところであります。
 5番目がオゾン層の保護でございます。モントリオール議定書に基づきまして、オゾン層破壊物質の削減、フロン等破壊物質の削減のためにいろいろな支援をしております。昨年では、モンゴル、あるいはイランにおきまして国家協議会合というようなことで協力しているところであります。
 その次が、経済のグローバル化を踏まえた持続可能な開発支援の強化ということで、まずその1番目がODAでございます。2002年、おととしになりますが、日本政府が持続可能な開発のための環境保全イニシアティブ、これを決めておりまして、これに基づきまして具体的な協力をしております。2002年度の環境分野でのODAは、4,054億円ということで、ODA全体に占める比率で35%ほどということになっております。また、中環審で国際環境協力のあり方の見直しに向けた検討を進めております。さらに、国際協力銀行におきましても、昨年の秋でございますが、新環境ガイドラインということで、新しい環境ガイドラインに基づいてODA、その他の事業を実施するといったようなことでやっていただいております。
 2番目が、各国との関係でございます。まずは、TEMMと申しますが、日中韓の3カ国の環境大臣会合を毎年開催しております。そのほかにも、エコアジア、あるいはアジア協力対話、その他いろいろな会議でアジアを中心としましての政策対話その他をしております。
 その次のページ、3ページ目にまいりまして、3番目が多元的パートナーシップの形成による協力ということで、北九州イニシアティブへの支援ですとか、独法の環境再生保全機構の地球環境基金、これらへの助成その他を行っているところであります。
 4番目は、環境にやさしい自動車の関係でございます。2年前の1月になりますが、交通大臣会合で海洋汚染の防止、都市における交通と環境、環境にやさしい自動車、それぞれについての共同声明を採択しまして、そのフォローアップの会議、15、16、その他やっております。
 5番目がグリーン・エイド・プランの推進ということで、開発途上国に対しまして技術、その他の移転ということでの協力を行っております。
 その次、大きな3番目が知的貢献の基盤づくりということで、4つほどございます。地球環境研究総合推進費、これを拡充したということ、それから、衛星による観測・監視体制、こういうものでオゾン層、オゾン層破壊物質、その他についての観測をやっております。
 3番目が、そのほかの関係での温室効果ガスのモニタリングということで、衛星ではない形で小型の航空機、あるいは大型の普通の旅客機ですね、民間の航空機に搭載するような形での観測システムの開発ですとか、あるいは、海の方では観測用のブイの開発、その他をやっております。
 それから、地球環境保全のための地球地図の整備ということで、持続可能な天然資源管理に向けて、環境問題の解明をするための整備をやっております。
 (2)番目が、アジア太平洋地域の協力でございます。
 そのうちの1番目が、平成8年に神戸でできましたアジア太平洋地域変動研究ネットワーク、これへの支援でございます。神戸に事務局がありますけれども、ここでの研究活動の支援、その他開発途上国への支援を推進しております。
 2番目が、アジア太平洋環境イノベーション戦略プロジェクト、APEISといいますが、次のページにいきますけれども、科学的な研究ということでの環境のモニタリング、それから、環境経済統合モデルの開発、そして、政策に関しての優良事例のインベントリーの作成、こういう3本柱の事業を行っております。
 その次、3番目の柱が国内体制の整備ということで、環境政策についての英語情報の提供の推進ということで、情報の収集、それから広報パンフレット、ホームページということでの英語の情報提供を進めるようにしております。
 それから、国際機関への邦人の職員、お金は出してもなかなか職員の人的貢献で今まで余り進んでいないということで、これらの国への邦人職員採用に向けた働きかけ、その他をやっております。
 3番目が今後の課題ということであります。今までの裏返しということになろうかと思いますが、地球環境の保全ということで各局と対話をまずこれまで以上に密接にすることでのパートナーシップ、ネットワークの確立といったようなところ、それから、ODAの実施についてのガイドラインに基づきまして、着実な実施、こういったこと。あるいは、本当にちゃんといいODAができているのかという評価方法の改善、こういったことが求められております。
 3番目が、開発途上国の自助努力を基本としながら、どういうふうにしていけばその他いろいろなプロジェクトがうまく進むのかということをより効果的、戦略的にやっていきたいということ。
 4番目が、地方公共団体、NGO、民間事業者等の国際環境協力をこれまで以上に促進するというところ。それから、5番目でございますが、地球環境保全のために科学的にいろいろ検討して支援する必要があるということでございますので、総合的な研究の推進、それから、特にアジアについての温室効果ガスのモニタリング、これらの支援ということが必要であると、こういうふうに考えております。
 とりあえず以上でございます。

○森嶌部会長 ありがとうございました。
 それでは、ご意見……はい、武田委員、永里委員、天野委員、村杉委員、桝本委員、崎田委員、小澤委員と、それから、おくれて大塚委員ということで、では、今のところ……失礼しました、渡辺委員と。それでは、とりあえずそういうことで始めさせていただきます。
 それでは、武田委員、どうぞ。

○武田委員 ありがとうございます。
 今ご説明いただきましたが、この資料7の冒頭にありますように、地球温暖化とか酸性雨、こういう地球規模の環境問題、非常に大事だと、これはこのとおりでございますし、その現状認識の最後の方にある開発途上地域の云々と、非常に深刻な状況にあるというのはこのとおりだと思います。思いますが、ではそれを具体的にどうするのかというところが一番問題、特に日本がアジア地域に対してどのようにやるのかということが問題でございまして、我々がやる場合は、普通だれが何をいつまでにどうやってやるのかというのが具体的にならないと、物事は進まないというわけでございまして、この1ページ目の最後の方に書いているCDM云々のところ以降いろいろ書いているんですが、主語がないんですね。だれがやるのかと、だれが責任を持ってやるのかというのがよくわからないのと、どんな目標があってどこまで進んでいるのか、何が積み残されているのかというのがわからない。この辺がわかったら教えてもらいたい。
 それから、一番最後の今後の課題のところでございますが、これも一番最後の・のところで、地球環境保全のための政策云々と書いてありますが、これも政府一体となった云々と書いてあるんですが、政府一体ってよくわからないので、だれが責任を持ってやっているのか、ないしは、その後段の「また」以降についてもずっと書いてあります。最後に「モニタリングの能力開発を促進することが必要である」と書いてあるんですが、だれにやれといっているのか、いつどこまで何をやろうとしているのか、この辺、スペースのご都合もあったのかと思いますが、もうちょっと具体的に、実践的にご説明いただけるものならお願い申し上げたいと思います。

○森嶌部会長 では、質問につきましては最後にお答えいただくことにして、では、永里委員、どうぞ。

○永里委員 ありがとうございます。
 今のお話と似ているんですが、それをより具体的に私の方で言いますと、まず、ページが打っていないんですけれども、2ページ目のオゾン層保護の問題ですね。それから、4ページ目の例えば国内体制の整備とかいうようなことについてちょっと触れたいと思います。
 ここに書いてあることは、今武田委員のおっしゃったように主語が省かれているんですが、はっきり言いますと官庁の方々、全部意味がわかるんですよね、多分。民間の人がわからないだけであって、わかっていても質問なさっているんだろうと思うんですけれども。具体的にちょっと言いますと、例えばオゾン層保護に関しましては、日本のすぐれた技術というのはあるんですが、これを採用されるように努力してほしいということなんです。ここに、例えば2ページ目のオゾン層保護については、モンゴルとかイランにおいて国家協議会合を開催し、オゾン層破壊物質削減計画策定に向けた取り組みを促進した、これで済むんですよ、要するに官公庁の場合には。そういうことを策定して、そういう枠組みをつくってあげてプランニングして、そういう方向へ日本がまた国連を通じてお金を出すんですけれども、実際、この後どうなるかと聞きますと、この4ページある国際機関への邦人職員の派遣と勤務の支援の推進について余り日本が力を入れていないために、英語がべらべらしゃべれる国際機関の人たちが自分たちに都合のいいような、すなわち、自分たちの国益を考えたような代表者によりまして、日本の技術は採用されない、なぜならば、すぐれてすばらしいんですが、高いから。結局、途上国向けに安い技術ということになりまして、地球環境全体を考えた場合には、果たしていいことかどうか怪しいような技術が採用されていく。そしてそのお金は日本から出ていると。
 私が言いたいのは、実はその国際機関に優れた人たちを派遣して、最後まで優れた日本の技術が採用されるようなそういうことをやってほしいということです。これは、非常に我田引水的に聞こえるかもしれませんが、フランスの大統領が新幹線を売りに中国に行くとか、アメリカの大統領が一生懸命何かを中国に売りに行くということと一緒でして、すぐれたものを採用させることについては、意味があるんだろうと思います。
 そういう点では、地球温暖化問題に関してもCDMを柔軟に考えて、手続の簡素化等を図るようなことをやってもらって、民間の日本の支援がうまくいくようにしてほしいと思います。特に、これは所管官庁をまたがると思うんですが、地域温暖化問題に関しては、アメリカとか中国への働きかけをしまして、新しい枠組みで、もう京都議定書に彼らは入ってこない可能性がありますので、もちろん中国なんかは入らなくて、そういう遵守義務はないんですけれども、アメリカは入ってこないと思いますので、新しい枠組みづくりを提唱してほしいと思います。そういう大きな仕掛け、戦略でもって、日本に有利な方向にもってきてほしい、そういうことです。
 以上です。

○森嶌部会長 それでは、次は天野委員。もう一度順番を言いますが、村杉委員、桝本委員、崎田委員、それから小澤委員、渡辺委員、大塚委員という順番で。
 では、よろしく。

○天野委員 2005年から2007年までの間に気候変動枠組条約の締約会議をしなければいけないことがあって、それは、2012年より先にどういう体制にもっていくかという議論を2005年から始めて2007年に決めなければいけないということがありまして、私はこの取り組み状況のところでは、世界的政策課題への設定と国際的な世論形成というのがあるんですが、今後の課題のところになかなかそれが出てきていないように思いまして、この点は特に長期の目標をどうするかという大変重要な問題で、ある程度答えを出して既に公言している国もたくさんあるわけですね。それから、3カ国をどういうふうに拡大していくのかと。これはもちろんご承知のとおり米国を含めて発展途上国がどういうふうに参加するような体制をつくるか、こういう点について、国としての意見というのをやはり持つ必要があると思うんですが、その前に、ここは中央環境審議会ですから、中央環境審議会としては国にどういう方向性を持ってほしいかということを議論しなければいけないと思うんですね。ただ、いきなり事務局に原案をつくってもらって議論しましょうではなかなか難しいと思いますので、私1つ提案ですけれども、学識者、産業界、それから自治体、NGO、市民、こういった人たちに今のような基本的な問題についていろいろなご意見を伺って、それから事務局に何か案をつくっていただいてここで審議をすると。2005年ですから、急がないとなかなかまとめるのは大変だと思いますので、それをぜひこの課題として取り上げていただければというふうに思います。

○森嶌部会長 私も全く賛成いたします。
 それでは、村杉委員、どうぞ。

○村杉委員 ありがとうございます。
 今ではいろいろな民間団体が森林の保全ですとか砂漠化対策などで活動されています。この辺のところで、地球環境基金などの助成措置はあるんですけれども、協働という視点はここを拝見するとないんじゃないかと思うわけです。今後協働という視点をもう少し積極的に入れていくべきではないか。今後の課題には、各国との対話等によりパートナーシップ及びネットワークの構築は書かれていますが、日本国内のことはここでは意識されていない。外国との対話、これももちろん大事ですが、国内及び国際間の協働についてもうちょっと強い書き込みがほしいと思いました。それに関しては、4ページ目の下から2つ目の・のところの、各主体の連携を進めという、多分この文章が私が言う協働に当たる文章ではないかと思うわけですが、何となくとってつけたような感じです。もうちょっと積極的な書きぶりがほしいと感じた次第です。

○森嶌部会長 桝本委員、どうぞ。

○桝本委員 ありがとうございます。
 私も実は第1に申し上げたかったことは、今村杉委員のおっしゃられたことです。中国は貢献されたり手助けをされたりするのをどうも私は余り待っていない、むしろ、一緒に取り組むという極めて積極的な勧誘というか、同じ土俵で相談しながらやるという姿勢を必要とすると思うだけに、やはりともに取り組むという姿勢が圧倒的に私は重要だと思います。ぜひ今後の課題の一番最後、3つ目の・のところに持続可能な開発のための協力を、自助努力を基本と云々、ここはやはりぜひ協働して取り組むというような強い積極的なメッセージを出していただきたいと私は思います。
 それから、エコアジアですが、偶然私、ことしのエコアジアの前のプレイベント、これは民間の人たちがおやりになったんですが、それに出させていただくことができました。大変芽があります。せっかくいいアジア太平洋環境会議をおやりになっていらっしゃるわけですから、これをもっと活性化させたり、あるいはPRをしたり、そういうような余地が非常にあるというふうに思います。結局、このところでの日本の役割をしっかり果たしていくことが私は地球温暖化でいえば日本の国内でやっていることをほか以上に効果を上げることにつながると思うだけに、この会議は大いに活用、かつ重視、かつ充実していただきたいと非常に強くお願いを申し上げます。
 エネルギーの面から見ますと、言うまでもなく今世界のエネルギー問題の半分ぐらいは中国の問題です。お願いとしては、これはエネルギーは経済産業省になるんだろうと思いますが、やはりエネルギー起源の二酸化炭素、あるいは温暖化ガスが今の地球温暖化問題の基本だとしたら、やはりエネルギーと環境というものをくっつけながらやっていただくということもぜひ、すぐには難しいと思いますが、経産省等とよく調整なさって、このアジア太平洋環境会議をアジア太平洋環境エネルギー会議というようなふうに拡大をぜひしていただきたい。必ずや私は実効の上がる策が見つかるのではないかと期待をしつつ、お願いを申し上げます。

○森嶌部会長 崎田委員。

○崎田委員 実は、私最近までとりあえず私の役目は日本の中を元気にするのが役目かなと思って一生懸命やっていたんですが、そういう状況の中で見てくると、例えば市民もとりあえず世界とのつながり、あるいは環境を考えて中国とか急激に発達してくる国がどうなっていくか、本当に大事なんだけれども、政府がやってくれるのかな、だれかがやってくれるのかなという気持ちになっている方も多いと思うんです。そういうときに、やはり自分たちが体験したこの何十年かの気持ちをやはり自分できちんと一人一人がおさえながらアジア、あるいは世界で仕事をするとき、あるいは活動をするときに、それを伝えていかなければいけないということを国民一人一人が思わなければいけない時期に来たんじゃないかという感じがしております。
 そういう意味で、ちょっと抽象的な意見になってしまいますけれども、こういうのを拝見していて、先ほど、やはり余り国際的な動きに参加したことのない人たちは、実際にどう動いてどうしようとしているのかという具体像が余り見えてこないと思うので、少しそういうことをわかりやすく書いていただくと、多くの国内で活動しているような人たちが、やはり自分たちの経験をアジアに生かすということがとても大事なんだということを感じて、市民参画型の社会づくりをしてきたことをアジアに伝えることの重要性とか、そういうことにみずから気づくようになれば、こういう世界とのつながりの底上げというと変なんですけれども、きちんとした方針や政策ができれば、企業だけではなくて、市民がきちんと交流していく役割を果たしていくという、国際的な寄与に関しても各主体がきちんと役割を担うような時代になれると思うんです。
 そういう意味で、こういう情報提供がもう少し具体的な面を入れて書いていただければ大変ありがたいなというふうに感じています。

○森嶌部会長 ありがとうございました。
 それでは、小澤委員。

○小澤委員 やはり先ほどからありましたように、一体主語がだれかというところがよく見えないのと、それから、では、例えば砂漠化、あるいは黄砂の問題、モニタリングを強化するとあるんですけれども、根本的なところがどうなっているのか、そこに日本からも相当のJICA、あるいは地を這うようなそういう活動をしていらっしゃるという方たちがいるわけですけれども、そういったところはどうもこういう項目分けに書いていくと見えてこないところがあるのかなと思います。それは、ですから、OECDが2002年のレポートでしょうか、パリ会議のときの、ああいうところでも日本のNGO、NPOの広がりというんでしょうか、活動の広がりがないという指摘があるんですが、でも、実際はやっているわけですね。例えば、地球環境基金による、そういったものに相当のNGO、あるいはこの助成金を得なくてもそれぞれやっていらっしゃるんですけれども、そういったあたりがどうも書き方がこの霞ヶ関の所管庁がやっているものを書いているので、横につなぐようなところがちょっと見えてこないという懸念があります。そして、実際にアジアの中で学者たちのネットワークでやっていますと、そこにはNGO、NPOの人たちとの連携が広がっているわけですけれども、そういったところをもう少し、それこそわかりやすく書いていただくと、国際的にももっとアピールできるのではないかというふうに思います。もちろん戦略をつくるということは、この環境基本計画にもあるわけですけれども、そういったところの中でどういうふうに各主体が行動しているのか、そして、それがどう連携されているのかというところがあると、項目のところが少し生かされていくのではないかというふうに思います。

○森嶌部会長 それでは、渡辺委員、どうぞ。

○渡辺委員 我が身の不勉強さを恥じなければいけないんですけれども、戦略的プログラムの最後の三つについて、大きく「現状認識」と「取り組み状況」と「今後の課題」、これは全部共通で、今までもそうやってきていることは分かるんですが、それぞれの中味の項目立てがどうしてこうなっているのかなと思って、改めて環境基本計画の内容を読んで見ますと、この点検結果の中身は、私どもが審議をして策定をした環境基本計画にかなり忠実に沿って書かれている、ということがわかりました。それで、具体的に、余り基本的方向について建設的な意見というのはありませんが、そういう目でもう一回この基本計画を見ながら、きょうの3つの具体的な項目についていろいろ考えていたんですが、2つだけ申し上げます。
 第1は、「環境投資の推進」のところに、基本計画の79ページですけれども、2の施策の基本的方向のところに、「あらゆる投資に環境配慮を織り込んでいくとともに、それを先導する役割をになうものとして、特に次の分野における環境投資を社会資本投資の重点分野の1つとして推進を図る」とあって、4つ丸がついていますが、その3番目に「資源、エネルギーの使用の削減、効率化、再生可能なものへの転換などのための投資」とあります。そこで何人かの委員が指摘されましたように、省エネ投資というのはまさにその中核に当たるものですから、「民間部門における環境投資の促進」の「取組状況」というところに省エネ投資を含め、もう一回この4つの○を見直してもらって、大いに取り込んで書いていただいた方がいいのではないか、それが1点です。
 それからもう一つは、むしろ小さなことではありますけれども、かなり基本的なことかなというのは、桝本委員のおっしゃった持続可能な地域づくり、これは何だと、全然わからないとおっしゃいましたが、私はそんなに悪い表現ではないし、持続可能な社会とか持続可能な開発とか、持続可能な経済ということをいいます。ここでいう社会、例えば国は、やはり地域の積み重ねとしてでき上がっておるわけですから、持続可能な地域がそんなにおかしいとは思いません。しかし、振り返ってこの地域づくりにおける取り組みの推進という基本計画を見ますと、何度か出てくるのは循環と共生を基調とした地域づくり、こう書いてある。これは、ちょっと長いから、この方が理解しやすいとは思いますが、「持続可能な地域づくり」でもおかしくはないんじゃないかなと。なぜそれを申し上げるかといえば、パンフレットについて言えば、もう作られ配布されてしまっているので、変えられないわけですが、「地域づくりにおける取り組みの推進」の文章の中にも、「持続可能な地域づくり」という言葉が出てきます。これ、本当に皆さんがそれがおかしいとおっしゃるなら別ですが、私としては、変える必要はないのではないかと、思っております。
 その2点でございます。ありがとうございました。

○森嶌部会長 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 2点申し上げたいと思います。
 1点は、やや細かいのですが、今の資料7の2ページ、真ん中辺にありましたバラスト水条約の件でございます。これは、外来種の侵入を防ぐという点では、やや地味ですけれども、非常に重要な条約だと思いますので、採択されたことは非常に望ましいことですが、我が国が批准に向けて今検討されているかということを、できるだけ早く批准をして世界の国々の参画を促した方がいいと思いますけれども、お伺いしたいところでございます。これが第1点でございます。
 それから、第2点ですけれども、第2次環境基本計画を見ると、国際的取り組みに関する施策のところに貿易と環境の問題がかなり出ているんですけれども、今回のところは、100%は自信がないですけれども、なかったと思います。貿易と環境の問題もいろいろな問題がございますが、中でも1つ最近の問題としてあるのは、EUが新しい取り組みをどんどんやっていって、それが貿易と環境の問題を引き起こす可能性もあるわけですけれども、例えばロースのようなものについて、普通言っている国際的取り組みという話とちょっとずれるかもしれませんが、我が国でも同じようなことを、例えば家電製品とかについての有害物質の含有量の問題ですけれども、基準をつくっていくというようなことも、ある意味で国際的な企業とか取り組みということになると思いますので、EUの新しい取り組みに対して我が国がどう対処するかということもこの中に入れて考えていっていただけると大変ありがたいと思っております。
 以上です。

○桝本委員 よろしいですか。

○森嶌部会長 はい、どうぞ。余り用語の上での争いは……

○桝本委員 決してそうではございません。私の言葉が足りなかったかなと反省をいたしますが、私はこの場ではこの言葉は1つも違和感なく、かつ十分皆さんが理解をできる言葉だと思います。ただ、この地域づくりのガイドブック自体が、やはり地方自治体と、いわば裾野の広いところへ配られるということを考えるといたしますと、適切な表現ではないかとやはり思います。ぜひ皆さんが具体的なイメージを持ち得るような言葉に書き直すという必要があるんではないかということを私はわかりにくいという表現で申し上げたので、ぜひよろしくお願い申し上げます。

○森嶌部会長 それでは、先ほどの主語がないというのは、これは単にセンテンスの問題ではなくて、実は国際関係の基本にかかわっている部分でして、環境省あり経済産業省あり外務省あり、そして、表に出るときは外務省が出てくると。そして、これを見ますと、環境省所管のところが書いてあったり、それから、あるところでは全部が出てくるという、そこで主語が出てこないということなのかもしれませんが、恐らく武田委員は全部知っておられて、どういう意図で言われたかわかりませんけれども、質問しておられるので、答えにくいとは思うんですけれども、答えていただきましょうか。事務局。

○盛山地球環境局総務課長 部会長からのご指示ではございますが、なかなか答えづらいというのが正直なところです。ただ、内容の中で我々環境省がと言えるところもあろうかと思います。これは今部会長おっしゃったとおり、外務省が書いているところ、国交省が書いているところそれぞれあるものですから、ちょっとその辺のところは、いかんせん確かにわかりにくいというのはおっしゃるとおり、ご指摘のとおり事実だと思いますので、次のときにもう一回書き直す形で、どこまで書けるかもう少し努力したいとは思います。

○森嶌部会長 これ、その意味では主語が違うのと、それから、先ほど天野委員がおっしゃったことともかかわるんですけれども、例えば温暖化政策、国内政策を定める場合でも、やはり各省とも、学者も産業界もみんな入って、NGOも入って議論をすると。そして、国内政策について、例えばビヨンド2012年ですね、そういうことをやって、では国際的にどうするかと。外では1本のような顔をしていて、中では3本も5本もあるという、その点で私は主語を書けといっても書けないところがたくさん出てくるし、それから、それとは別に、テクニカルにここでは環境省、ここでは何とか省と何とか省というのがあるので、非常に書きにくかったんだろうと。そこで、どういうご意図かはともかくとして、事務局としてはなかなかここでは書きにくかったんだろうということを申し上げたので、書けるものについては今度明らかにするし、書けないものについては、そういうもともとのディッションメイキング、あるいは代表性の問題などがあるということは申し上げて、やはり私は基本的に環境といういろいろなところにわたるときに、国として行動するときに、よその国は割合そこが、多分聞いてみますと中が割れているところはあるんですけれども、ともかく、日本みたいに中ではけ飛ばし合いをしながら、表ではそれらしい顔をしているのとは違って、ともかく一本化しているという感じは私はしていますので、もしも点検をするとすれば、まず冒頭にもう少しけんかをするのも結構だけれども、表に行くときぐらいは一本化して、そして国として一本の行動をとらないと国益を損する、国益という言葉を嫌う人もいますけれども、先ほど永里委員おっしゃったように、せっかく国として金を出しながら、結局日本の考え方は通らないという、それこそ総理大臣でも何でも出かけていって決めてきて、そしてそれを嫌でも国内では調整してやるというのでないと、私は環境だけではないと思うんですけれども、それはできないんじゃないかなというふうに常々考えておりますので、もしも環境基本計画で今後国際的なことをやるとしたら、まずそこの仕組みをもうちょっときちっと調整していかないと、日本は損をするだけだろうと、中国にも、余り公的なところで言ってはいけないのかもしれませんけれども、中国にもなめられるだけだというふうに私は思います。最後は、なめられるというのはこれはやめておきます。中国にもきちっとした交渉はできないだろうというふうに言いかえておきますけれども、ほかに何かご意見ございますか。

3.その他

〇森嶌部会長  時間は過ぎておりますので、よろしければ、事務局、何かありますか、事務連絡。

○苦瀬計画官 それでは、事務局の方から、スケジュールの問題と次回のこと、あと、本日また意見などをお寄せいただける点につきまして、事務局の方にありましたら10月6日までにお願いいたします。

○森嶌部会長 10月6日までというと、水曜日ですけれども、めどに、何かお気づきの点がありましたら事務局にご連絡いただきたいと思います。
 次回は、10月27日を予定してございますので、その際には、きょういただきましたご意見をもとにしまして、素案を事務局の方でつくってまいりますので、またぶったたかれるんだろうと思いますけれども、素案を用意してまいりますので、それをもとにまたご議論をいただく予定でございますので、よろしくお願いをいたします。

4.閉会

〇森嶌部会長 それでは、これをもちまして本日の部会を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。

午後5時10分閉会