中央環境審議会総合政策部会(第17回)議事録

開催日時

平成16年2月5日(木)10:00~12:00

開催場所

東京會舘 11階 シルバールーム

議事

審議事項 (1) 環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会検討結果について
 
報告事項 (2) 「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」に基づく基本方針等の作成に向けた取組について

その他

配付資料

資料1   環境に配慮した事業活動の促進方策の在り方ついて(検討結果のまとめ)
資料2-1   環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律の概要と背景
資料2-2   環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律概要
資料2-3   環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律
資料2-4   環境保全活動・環境教育の推進に関する意見交換会について
参考資料1.   中央環境審議会総合政策部会環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会委員名簿
参考資料2.   中央環境審議会総合政策部会環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会の検討経緯
参考資料3.   平成16年度総合環境政策局重点事項
参考資料4.   平成16年度予算案における環境保全経費の概要
参考資料5.   中央環境審議会総合政策部会名簿
参考資料6.   「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」パンフレット

議事録

午前10時00分開会

○佐野環境経済課長 若干まだお見えになられておられない先生がおいでになられますが、定刻となりましたので第17回中央環境審議会総合政策部会を開会させていただきたいと存じます。
まず、議事に入ります前に、部会の委員の異動等がございましたので、ご報告をさせていただきます。前回、平成15年12月以降に新たに任命されました、黒氏博実委員。

○黒氏委員 どうぞよろしくお願いいたします。

○佐野環境経済課長 それから松田美代子臨時委員。

○松田委員 どうぞよろしくお願いいたします。

○佐野環境経済課長 また、本日、ご欠席ではございますが、速水亨臨時委員が新たに任命をされております。
 では、お手元の配布資料のご確認をお願いいたします。議事次第のページの裏に配布資料の一覧がございます。
 資料1「環境に配慮した事業活動の促進方策の在り方について」、これは小委員会の検討結果のまとめ等でございます。それから議題2の関係の資料の2-1、2-2、2-3、2-4とございまして、資料2-1「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」、いわゆる環境教育法の概要と背景という1枚紙です。同じくその概要というまた1枚紙、それから法律の全文を綴じましたもの。そして「環境保全活動・環境教育の推進に関する意見交換会について」という格好で綴じてあるものがございます。
 参考資料が1から6までございまして、「環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会」の名簿及び同小委員会の検討経緯。それから「平成16年度総合環境政策局重点事項」となっております横長に綴じてありますもの。「平成16年度予算案における環境保全経費の概要」という1枚紙、それから本総合政策部会の委員名簿の1枚紙。それから環境教育法のパンフレットでございます。
 以上、足りないものございますでしょうか。もし抜けているものがございましたら、ご指摘をいただきますようにお願いします。
 それでは、議事に入らせていただきたいと存じます。森嶌部会長よろしくお願いいたします。

審議事項
(1)環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会報告について

○森嶌部会長 それでは、ただいまから第17回中央環境審議会の総合政策部会を開催いたします。
 中環審といたしましては異例に立派な会議室で会議を開いておりますが、平常心を失わずにご審議をいただきたいと思います。
 本日の議題は2つでございまして、1つは、「環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会報告」につきましてご審議をいただきまして、ご審議の結果につきましては、これを総合政策部会の意見として、意見具申という形で取り上げていただければと思っております。
 もう1つの議題は、「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」に基づく基本方針等の作成に向けた取組について報告を受け、これについてはご意見をうけたまわりたいと思っております。
 それでは、最初の議題でございますが、まず「環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会の報告」ついてご審議をいただくわけでございますが、この小委員会につきましては昨年9月にこの総合部会におきまして設置の決定をいたしまして、「環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会」を設置いたしまして、その小委員会において審議をいたしました結果を本年1月にとりまとめたものであります。
 本日はこの検討結果につきまして、部会といたしまして審議をいただきたいと思っております。小委員会において検討していただきました結果につきまして、本来ですと委員長にご報告をいただくわけでありますが、山本委員長は本日ご欠席でございますので、河野委員長代理からご説明をいただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

○河野委員長代理 ただいまご紹介頂きました委員長代理の河野でございます。山本委員長がご欠席ということでありますので、代理である私の方からご報告、説明をさせていただきたいと思います。委員長代理の仕事は今日が初めてでございまして、はじめにして終りということでございますが、よろしくお願いしたいと思います。
 お手元の「環境に配慮した事業活動の促進方策の在り方について(検討結果のまとめ案)」に沿ってご説明させていただきたいと思います。
 1は、「検討の背景」でありますが、1ページから2ページにありますとおり「環境に配慮した事業活動」、これは環境報告書の作成とか環境マネジメントシステムの導入とか、環境パフォーマンス評価等の取組とかいうものでございますが、こういう活動についてはこれまでもガイドラインの策定などによりその推進が図られてきたところであります。しかし、なお一層環境への取組を促進するための方策について検討するために、平成15年9月29日、ただいま部会長の方からご説明がありましたが、この総合政策部会に「環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会」が設置され、本報告書はこの当小委員会における検討結果をとりまとめたものでございます。
 小委員会では、昨年11月から4回の会議を開催し、事業活動への環境配慮の組込みに関する各種の仕組みの現状や企業の環境配慮に関する市場や社会の動きの把握、先進的な取組をされている方々からのヒアリング等を行い、検討を重ねてきました。
 本報告書の構成でございますが、3ページ以降に「環境に配慮した事業活動の現状」、その現状を踏まえての「今後の課題」、課題の検討・分析の上での「今後の対応の方向」、それから結びにあたる「おわりに」というような構成になっております。最初に本報告書の結論といいますか全体像みたいなことを申し上げておきたいと思います。
 近年、環境に配慮した事業活動が広がっており、社会や市場の側においても環境情報に対するニーズがあるという認識をしました上で、環境に配慮した取組を加速し、事業者の努力が報われるように条件整備をすることで、環境と経済の好循環を図ろうとするもので、そのための方策として環境報告書に関する枠組み整備及び市場のグリーン化などについて提言をするものであります。
 そこで、次に2の「環境に配慮した事業活動の現状」でございますが、3ページに事業者の自主的な取組状況が紹介されております。第2段落でありますが、環境マネジメントシステムの導入、環境会計の取組、環境報告書の作成・公表、環境パフォーマンスの把握・評価の取組、環境ラベルによる製品情報の提供等々というわけですが、こういう取組を事業者が自主的、積極的に取り組んでおり、この取組がどんどん増えているという状況がございます。
 次の段落ですが、例えば日本のISO14001の認証取得件数は、昨年の11月でありますが13,416件で世界全体の2割位、第2位がスペインで4,000位かと思います。
 4ページに入らせていただきます。このページの下から2段落目の「金融・資本市場におけるエコファンド」、一番下の段落の「消費者市場のグリーン購入」、それから次のページありますが、事業者が他の事業者から原材料、部品等を調達する企業間市場、本報告書では、これを「サプライチェーン市場」というふうにいっておりますが、このサプライチェーン市場でのグリーン調達など、事業者の環境情報への要請が社会や市場の側においても高まっていることなどについて整理いたしました。さらに近年、環境面だけでなく社会面も含めた企業の社会的責任、Corporate Social Responsibilityというふうにいっておりますが、そこでよくCSRというふうに略称されております、このCSRについての考えが広まっているということにもふれているわけであります。
 それから5ページの一番下の段落から6ページにかけてでありますが、「環境に配慮した事業活動は、国際的な潮流となりつつある」ということが指摘されておりまして、その例として一昨年、2002年のヨハネスブルグサミットの論点の1つでありました「持続可能でない生産消費形態の変更」とか、EUなどで環境マネジメントシステムの構築とか環境報告書の作成・公表を通じた環境の配慮の取組ということが進展しているという現状の指摘がされております。
 ただいまのような現状の把握をしました上で7ページでありますが、3の「今後の課題」ということを提示しております。政府としてはこれまでもガイドラインや表彰制度などによって環境配慮の取組の普及を図ってきたところでありますが、いまだ一部の意識の高い事業者にとどまっている状況であるということを指摘しております。そして7ページから8ページにかけてでありますが、環境に配慮した取組をする事業者の裾野を広げていくための課題について、
いくつか指摘をしております。
 まず、事業者の取組が社会や市場の中で積極的に考慮され、利害関係者の具体的な行動に反映されていくことが重要であること。しかし現状では利害関係者の意識は高まりつつあるものの、実際の行動には反映されていないこと。一方、利害関係者の側においては、その行動が重要であるが事業者の取組に対する情報が不足しているため、十分に考慮することが困難な状況になっていること。こういうことが7ページで指摘されております。そこで8ページですが、こうした悪循環を断ち切るためには環境コミュニケーションツールである環境報告書が重要であるとして、その普及促進と信頼性の向上が課題であるという指摘になっております。
 次に、8ページの後半から9ページにかけてでございますが、具体的に金融・資本市場での環境情報が不足していること、消費者への環境情報の提供の充実を図ること、さらに、中小企業の取組に関する課題、こういうことについて言及しております。
 続いて10ページに入りますが、ここでは諸外国の状況への対応をとりまとめております。特にEUで各種の方針策定や勧告を通じて環境に配慮した事業活動への取組が進展していることを指摘しますとともに、他方、我が国では先進的なグローバル企業のみがこうした諸外国の規制に対応してきてきたが、今後は国際社会に対する日本の対応の在り方を検討する必要があるということを課題として挙げております。さらに一番下の段落ですが、我が国の対応を検討するにはグローバル企業にとって屋上屋を架すものとならないように配慮しつつ、我が国の取組が世界で評価されるように働きかけることの必要性を指摘しております。
 以上、いくつか課題を指摘したあとで11ページ、4の「今後の対応の方向」ということに移ります。
 まず、今後の対応の方向としては、事業者自身が自主的、積極的に環境負荷の削減を進めていくことにより、一層高い成果を挙げていくことが基本的な考え方であるとしています。事業者が主役といいますか重要であるということが本報告書で強調されている点であります。そして行政の役割ですが、これは第3段落です。事業者の創意工夫による取組を最大限促進するような枠組みを整備することであるという位置づけにしております。
 引き続きまして12ページに移らせてもらいます。これまでいくつか自主的な取組を述べてきましたが、この自主的な取組を一部の意識の高い事業者以外に広げていくために、環境報告書の信頼性・比較容易性の向上を図ると同時に、環境報告書の取組の裾野を拡大するための制度的枠組みの必要性をここで指摘しております。
 そして環境報告書に関する制度的な枠組みのポイントが5つ指摘されております。第2段落の最初ですが、まず、1番目として「民間事業者に義務づけるのではなく、任意の取組として事業者の自主性を最大限活かすこと。」それから2番目は第3段落ですが、「様々な利害関係者の意見を聞いて、環境報告書が最低限満たすべき基本的枠組みについて一般に公正妥当と認められる基準を位置づけること。」3番目は「環境報告書の信頼性を確保するための自己審査や第三者審査の仕組みを整理すること。」引き続き同じ段落で4番目は「環境報告書が認知されるように、環境報告書の収集・整理・公表の仕組みを整備すること。」こういう4つに加えまして、一番下の段落にいきますが、「独立行政法人などについては、その公的性格や透明性確保の観点から環境報告書を公表すべきことも検討すること。」換言すると義務化ということになりますが、こういったことが指摘してあります。
 さらに13ページでございますが、近年、「持続可能性報告書」あるいは「CSR報告書」(社会的責任報告書)などを作成する事業者が増加していることを踏まえて、制度的枠組みの構築に当たっては、こうした先進的な取組と両立する仕組みとすることが必要であるという指摘をしております。
 13ページ一番下の段落にとびますが、一方、社会や市場の側において、事業所の取組を高く評価して具体的な行動へ結びつけていくことが重要であり、国としても市場のグリーン化を推し進め、市場メカニズムの活用を図るべき施策の必要性を説いております。
 14ページで具体的な市場のグリーン化方策を提案しております。一番上の段落ですが、金融・資本市場に関しては、環境に配慮した金融の考え方が多くの金融機関に浸透するように働きかけること。それから第3段落ですが、消費者市場に関しては、環境コミュニケーションツールとしての環境報告書の収集・整理・公表を幅広く進めるとともにインタープリターが事業者の環境情報を消費者などにわかりやすく伝えられるように整備すること。それから3番目が下から2段落目ですが、サプライチェーン市場に関しては、取引先の環境配慮状況を考慮する動きの拡大を踏まえて、国としても支援を進めること。こういうことが提案されております。
なお、15ページでは、今日の環境問題の解決のためには大企業のみならず中小企業も重要であるということを指摘しております。その一方で、中小企業に対して過度な負担とならないように簡易で実効性のあるツールの整備、普及促進の必要性を指摘しています。また、制度的枠組みとは別に既存の制度について、事業者の取組、推進の妨げとなっているものがないかどうかについて洗い出しを行い、継続的な見直しと改善を行っていくべきということも指摘しております。
15ページの中段になりますが、国際的な取組について我が国が環境立国を構築していくためには、単なる欧米追随ではなく、各国の取組を先導していくことの重要性に言及しております。具体的には環境に配慮した事業活動の促進について国際的な整合性を確保しつつ、環境会計や環境報告書などグローバル・スタンダードの仕組みづくりに積極的に参加し、発言し、我が国からの発信を強めていくということが必要であるというわけであります。
最後、「おわりに」ということでありますが、特に4の「方向性」のところで述べましたことをとりまとめたわけでございます。まずは1番上の段落ですが、経済活動の主要な部分を占める事業者の自主的な取組が重要であるということであります。それから提言に当たります部分ですが、第2段落の真ん中あたり、事業者の環境情報をさまざまな利害関係者に提供する有力なツールである環境報告書の普及・促進と信頼性の向上のための方策。それからさまざまな利害関係者が事業者の環境配慮の取組を積極的に評価し、具体的な行動につなげていくために市場のグリーン化を促進するための方策。こういう方策を考えることを提言しているわけであります。
一番下の段落でございますが、この報告書の内容について関係者への周知徹底を図るとともに、本報告書に盛り込まれた基本的な方向性について関係府省やさまざまな利害関係者が一体となった取組が早急に実施に移されることが強く望まれる、という期待で結びとしております。
以上であります。

○森嶌部会長 ありがとうございました。それでは検討結果についてかなり早いテンポでご報告をいただきましたけれども、問題点はかなり明解にご指摘いただいたと思いますので、これについてご質問あるいはご意見がございましたらどうぞ。

○筑紫委員 12ページの下の方で「事業者のうち、特に公的性格を有し、環境への配慮に不足することがあってはならない独立行政法人等については」とあるのですけれども、こちらは例えば年金基金、公的年金などは入るのでしょうか。

○河野委員長代理 具体的なことは行政の側が実施するときに決めることだと思いますので、もし具体的にどう考えているかということであれば環境省の方でお答えいただきたいと思います。

○佐野環境経済課長 この部分は環境報告書の普及を進める呼び水としてどういったものが考えられるかということで事務局内でも検討いたしましてご提案をさせていただいたものでありますが、ここの「等」では独立行政法人以外に、まず1つは、例えばNTTであるとかJTであるとか、JRのうち、まだ民営化されていないものであるといった株式会社形態のもの。それからまだ特殊法人という法人の形態のまま残っておりますもの、こういったものを「等」としております。
 例えば年金基金連合会みたいなものは制度からいうと、その範疇に入るのかもしれませんが、事業を行っている法人というのとまたちょっと性格が異なってまいると思いますので、そこまで視野に入れておるかというとそれはございません。

○筑紫委員 かつての特殊法人とかというのは含まれるわけなんですか。

○佐野環境経済課長 はい、今まで特殊法人、例えば何とか公団とか何とか事業団とかいわれたものは大部分が独立行政法人に変わっておりまして、これを主眼にしたものでございます。

○筑紫委員 はい、ありがとうございました。

○松田委員 新人でございますけれども、初めて来ましたので、具体的な話を私自身が理解して帰りたいので質問するのですけれども。環境と経済の好循環というとても素敵なキーワードで環境報告書をもっと広げていこうという趣旨と読み取ったわけですが、具体的な成果というのは、この報告書が出たあとに具体的に何社ぐらいが入ってくるとか、またどういうふうな効果が出てくるとかいう予測みたいなものはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

○佐野環境経済課長 政府の計画として循環型社会形成推進基本計画というものがございまして、この中で2020年までに上場企業が約2,500ございますが、その約半数が環境報告書を刊行すること。それから上場企業以外の大企業、おおむね従業員500人以上の企業、これが今、約3,500ほどあるはずでございますが、これの約3割が環境報告書を刊行することという目標が政府の目標としてございます。

○森嶌部会長 もちろん、自主的取組を尊重するわけですから5割とか3割の企業が出すように強制するわけではなくて、そういう方向に施策を向けていくという話ですね。

○桝本委員 まず、このご報告の最終的な形をおうかがい申し上げたいと思います。法律というふうにお考えなのか、ここにもご指摘のあるようにガイドラインあるいは今あるガイドラインの強化・改善というふうにお考えなのか。
 私はガイドラインで十分ではないか。法律にする必要は全くないし、この内容についてうかがえば法務省がどういうふうにご判断なさるかわかりませんが、法律として果たして形になっているかなというところを、一つおうかがいをしたいということが第1です。
 第2は、本来、法律化されるおつもりかどうかを確認してからご質問をするべきかと思いますが、いくつか気になることがありますのでおうかがいをさせてください。例えば12ページの3つ目の段落でございますが、「第三者審査の仕組みを明確化し」と書いてあります。前段で既にお書きになられているとおり、この機能は既に十分整っております。いろいろな国際的な機関、国連もある意味でそういう役割も一部果たしておりますし、それから金融機関の一部も果たしていますし、いわゆる監査法人的なところは専門でおやりになっているところもあり、その結果は既にメディア、新聞や一部経済関係あるいは環境関係雑誌などにも公表されていて、私ども企業はその公表での評価などを気にしているというのが実際でございます。これで十分ではないかという意味で、この「明確化」という意味が何かこうしたものを義務づけるというようなことであるとすると、これについてはいかがかというふうに存じます。
 それから、次に環境報告書の収集・整理・公表の仕組み、これはなぜここで明文化が必要かというふうに私は考えざるを得ません。と申しますのは、これはもう今でも十分できるわけで、おやりになろうと思った段階からそれを整理して環境省なりにそれをレビューして公表することは今でも十分できるわけで、それをおやりにならないまま、ここで何か文言に書かれるという意味がよくわからないというふうに考えます。その点についておうかがいをしたいと思います。

○佐野環境経済課長 こういう内容でありますれば、局長より言明すべきことかとも存じますが、本日は参議院の予算委員会に質問が出まして大臣についており、こちらにまいれないでおりますので、担当の課長よりご説明をさせていただきます。
 第1点に法律化するのであろうかということでございますが、これにつきましては小委員会のご検討におかれましては、どういうことが望ましいのかということについて、こういう方向へ施策を進めるのが望ましいであろうという、いわば方向づけのようなものについてご議論をいただきまして、ご提言をいただいたものでございます。したがいまして、これをいただいてどういうふうに対応するかというのは役所の方の対応ということになるわけでございますが、私どもとしましてもこのご検討の結果をよく検討いたしまして、例えば法律をもって措置すべき事柄があるのであれば法律化ということもいたしたいと思っております。
それを前提として、1つは第三者審査の仕組みの明確化ということについてご質問がございましたが、ここの趣旨はただいまご指摘のありましたように、環境報告書そのものの内容をいわゆる査読をしまして、例えば取り上げ方に間違いがないというような書面を出されているということもございます。それから、刊行された環境報告書に基づいていろいろ会社の取組を評価されるような団体もございます。
ここで申しておりますのは、その前者のように環境報告書の内容について、例えば数値なり何なりについて少なくとも間違いがないというような実態を正確に表しているというようなことの審査をするという事業が存在しますが、今のところ、それについて何らの位置づけあるいはルールというようなものはございませんので、そういったルールのようなものを整備すべきではないかという趣旨でございまして、例えば事業会社にこういったものを義務化するというようなことを考えているものではございません。
それから収集・整理・公表とは何かというご指摘がございましたが、現在でも環境省のホームページに環境報告書のデータベースというのもありまして、率直なところ、まだ、現在環境報告書を出されております会社でも、あまり高い率がカバーできないでいるのでございますが、こういったものを活用するということも含めまして、環境報告書というものが普及し、かつ世の中の、特に市場の方々に活用していただくためには、それはどういう主体がやるかに関わらずあるいは今やっているものを伸ばしていくかどうかということを含めて、そういったものがまず一覧性のある格好で、苦労して探し回らなくても参照できるという形のものを、実質的なものとして整備することが一つ有効な方法であるのではないかということで、ご提言をいただいたものと理解しております。

○桝本委員 もう1点、今のご説明はそれなりに私は必ずしも賛成でないところもありますが、納得はいくわけですけれども、例えば13ページに「CSRの促進方策についても併せて検討を進める」という表現がございます。このCSRを、このようなことをおやりになるのであれば、これは一環境省にとどまりません。ジェンダーの問題から例えば外国人の雇用条件の問題から、企業の寄付の話、あらゆる意味で非常に広範囲なことが要求されるわけで、そういう意味で各省庁ともに日本のこのCSR、ある意味でこれは政府のあるいは自治体の行政体でもこのCSRは当然のことながら要求されるところがありますので、そうしたところまでを意味されているかどうか。なおかつ、このCSRは例えばヨーロッパではヨーロッパの地域、風土、歴史を踏まえた評価がいくつも指標として入っております。
例えば外国人雇用の率、ヨーロッパは極端にいえば外国人だらけですから日本に対して同じ要求に仮になるとしますと、日本としてはその点で大変にきつい立場に立つ。ですから、CSRを考える場合には日本的なCSRをお考えいただく必要があるわけで、この辺についてはどういうふうにご議論があったのか、あるいは環境省の方でどういうふうにお考えなのか。その2点をおうかがいしたいと思います。

○河野委員長代理 それでは私の方から説明させて頂きます。環境報告書の作成・公表について取り上げますと、本報告では650社以上、今年度は900社を超えるだろうと思っていますが、その中で多分100社位がCSRとか持続可能性報告書を発行しております。これを発行している企業の立場は2つあると考えております。
 1つは、CSRということを中心において環境面はその中の1つという考えと、もう1つは、環境報告書の延長線上で社会面も入れるという考えがあります。こういうことは小委員会の中で議論いたしました。先進的な企業がCSR、社会面をどんどん取り入れている今日において、環境報告書ということで環境面に限るというのはかえって国際的な動向を無視することではないかというふうな議論です。
 個人的にはCSR、企業の社会的責任というのは時と場所、つまり国と時代によって変わるものだと思っています。しかしながら国際的な動向を考えると全くCSRを無視した形での環境報告書の作成はむずかしい状況になっているということを踏まえて、本報告ではこういうことも考えてほしいということになりました。ただ、現実に社会的責任の活動についてどういうふうに環境報告書に取り込んでいくかは、これはまたよくよく考える必要があろうかと思います。委員会ではそんなような議論はいたしました。

○森嶌部会長 佐和委員。

○佐和委員 ただいまの桝本委員のご質問とそれからそれに対する課長の返答に関連することですけれども、随所にそういう趣旨のことは書かれているわけですが、一番最後のページの真ん中のパラグラフにも要するに事業者の自主性を最大限尊重するということが明記されておりますし、それからもっと具体的には11ページの一番下のパラグラフの下4行のところを読ませていただきますと、「制度により義務を課す方向へ進むのではなく、高い意欲で自主的取組を発展させることで、高い環境目標を達成していくことを目指すという、歴史を画するような新たな知恵が求められている」と書いてある。
つまり、制度による義務を課すという法的に規制をするというようなことはあまり考えていないということが、ここに明記されていると思うのですが、しかし「新たな知恵が求められている」という、その新たな知恵とは何なのかということは何も書いていないんですね。それについて私はこういうことが「新たな知恵」ではないかなということを申し上げたいと思います。
 この報告書の中にも市場、つまりマーケットという言葉が随所に出てきておりますが、市場経済というのは少なくとも経済学の教科書によりますと、消費者主権であるということがいわれているわけですね。何もかもすべて消費者がどう行動するかということによって、何がどれだけつくられ、そしてその価格はどのように決まるかということも、結局その決める主権を持っているのは消費者であると。それが市場経済の自ずからなる帰結なわけですね。
 そうしますと話が前後しますが、企業というのはこれも経済学の教科書の中では利潤を追求する主体であるというふうに書かれているわけです。それだったら確かにもっともなことで、そして消費者は自らの効用を最大限達成しようとする、もちろん所得制約の下でありますけれども、そういう主体であるというふうに書かれているわけですね。仮にそのことを前提とすると、企業のその利潤追求ということと環境配慮は決して矛盾しないというふうなシステムをつくっていく必要があるわけです。
 そういう意味では、実は近年といいますか特にヨーロッパなどではもう既にそうでしょうし、近年の日本におきましても消費社会が徐々に成熟化してきて消費者は物を買うときに、例えばA社、B社、C社、D社、E社という5社の自動車のうち、どれ買おうかなというときに、ある消費者はA社の自動車を買ったとします。その値段はほぼ同じで機能も性能面でも全く変わらない。その消費者はなぜA社の車をお買いになったのですかと尋ねたときに、その消費者からA社はこんな素晴らしい環境配慮、経営プロセスあるいは生産プロセスの中でこれだけの環境配慮をやっていますよというような答えが返ってくることを期待したいと思いますし、そういうふうな消費社会をつくっていくということが徐々に形成されつつある。
 そうしますと企業もきちんとした環境配慮をするということが実際に車がよく売れるということになって、それは決して利潤の追求という動機と環境配慮ということが決して矛盾しなくなるということで、まさにこの「自主的取組を」というのは企業は環境が大事なんだということで、そんなことをいうと企業の方は「そんなことはない」とおっしゃるかもしれません。要するに社会貢献とかいうことで環境に配慮されることもあろうかとは思うわけですが、しかし繰り返しになりますが、企業はあくまでも利潤を追求する主体であるという観点からすると、利潤追求という目標と環境配慮が決して矛盾しなくなるような消費社会をつくる。そういうことが必要だし、現に政府がどうこうしなくてもそういうふうな方向へ今向かいつつあるというのが、私の現状認識でございます。

○森嶌部会長 今、佐和先生がいわれたことは12ページにも書いてありまして、「制度的枠組みの構築に当たっては、法律で民間業者に義務づけるのではなく、むしろ事業者の任意に委ね、国の関与は最小限とすることにより事業者の自主性が最大限生かされるようにすることは適当である」というように、小委員会の文章には明らかにされております。
 そして、佐和委員がおっしゃったことは報告書に書いてあります。まず、環境報告書できちっと情報を出すと、みんながそれを受けとめ、それによって報告書を出した事業者の競争力が強化され、それで事業者も利益が上がるようになる。そうすると、先ほどいわれた環境に配慮することと儲かることとが合致するではないかということが3つ目の段落に書いてあります。これは小委員会の報告書に書かれていることですので、念のため申し上げます。
 では、鳥井委員に先に発言していただいて、それから筑紫委員にお願いします。

○鳥井委員 今のお話に絡んでいいますと、多分この環境に配慮した事業活動を促進するということはどういうことかというと、経済活動のある種の行き過ぎに対してフィードバックをかけるというメカニズムだと思うのです。フィードバックをかけるときに必要なのは現状がどうなっているかということを知るセンサー部分というのでしょうか、それがどうなっているかということを伝達する部分とそれから制御部分という、それがうまく働いていくとフィードバックがうまくかかっていくということだと思うのです。
 この報告書をみますと、環境報告書というのがセンサー部分にあるよという話で、伝達部分というのは収集してみんなに発表するよという話、制御部分というのはマーケットとかいろんな人がちゃんとわかって制御してよという、こういう構造になっているような気がするのです。このフィードバック回路がうまく働くためにはそのセンサー部分と伝達部分と制御部分の整合性が極めて大事なんですね。量的なパイプの太さみたいな整合性も大事ですし、ちゃんと消費者にわかるようにセンサーの結果が伝わっているかどうかということも極めて大事なわけですね。その辺の指定をもう少し進化をさせた方が、この話をしやすくなるという感じがするわけであります。
 もう1つ、申し上げたいのはそのセンサー部分です。桝本委員との話とも絡むのですが、センサー部分を構成している環境報告書というのは何かというと、説明責任を果たすというような部分で成り立っているわけですね。説明責任を果たしているかのように見えるセンサーだと、これはまずいわけです。そうすると、説明責任を本当に果たしているよということを検証するシステムというのが必要で、これはある意味で情報開示というプロセスが検証なんですね。
ですから、第三者認証だとかそういうことがある種一つあっていいわけですけれども、情報開示というのが前提にないと。情報開示というのはどういうことかといいますと、求められたときに出せるということで、出したい情報を出すのではなくて求められたときにきちんとした情報が出てくる。そこにもう一つフィードバックがかかっていないと、きっとうまくいかないのだと思うのです。そういう視点から整合性というのをもう少し進化をさせてもいいかなという感じがいたします。
 以上であります。

○森嶌部会長 ちょっと私がこちらの方を見ていなくて気がつかなかったので失礼しました。れども、筑紫委員に先におっしゃっていただいて、次に桝井委員にご発言いただきます。では、どうぞ。

○筑紫委員 情報提供としてですが、12ページの環境報告書の収集・整理・公表なんですけれども、これは今民間の環境報告書をつくるお手伝いをする会社が1年半ほど前に、環境報告書図書館というのをつくりまして、300社ほど収集をいたしまして、いつでも無料で閲覧できますというようなことをやっていてくださるのですが、それで私どものような調査のところは自分のところに環境報告書を置かなくてもここに行けば見られるから、これは便利かなとも思ったのですが、やっぱりいちいち行かなくてはいけないとかいうようなところがあって、ただ、こういうことが既に民間の方で行われているということの情報提供です。
 あと、CSR報告書についてなのですが、最近はさらこれを進めて企業の Corporate Social Responsibilityをいうのであれば、国の Social ResponsibilityはどうなっているのだといってNSRと、National Social Responsibilityという概念で国の債券とかそういうものを格付けして投資をしようという動きがあります。
それで今こちらは非常に企業に対して義務化というような方向が、実は企業の競争力を削ぐのではないかというような懸念を多々聞くことがありますので、そういう意味では"隗よりはじめよ"ということで、独立行政法人ですとかそういったところが環境報告書とか独立行政法人としての Corporate Social Responsibilityというものを、まず義務づけられる。あるいは自主的でも出されるということを始められたらいいのではないでしょうか。

○桝井委員 12ページがなかなかおもしろいんですけれども、全体を見ましてなかなかよくできている報告書ではないのかなと思います。事業者に対してはいたるところでその自主性を言っておられるというのもなかなか特徴的だなと思うわけですが、12ページの中で独立行政法人等については公表すべきことも考えられるということを考えてみたいと思います。自主的な努力ということを一般の事業者にいうのはいいと思います。しかし、先ほども質問がありましたけれども、ここではなぜ「環境報告書を公表すべきこととすることも」と、「も」をつけなければいけないのかと思います。これは財源含めていろんな公的で金を使っている以上、当然これは「が」でいいんじゃないかと、「は」ですかね。「は」でいいのではないのかなと思います。グリーン購入を含めてやはり公、公的なものは先に立っていって変えていくというのが一つの方向なので同様ではないかと。そういうことでここはこの表現部分でちょっとおうかがいしたいのが1つ。
 もう1つは、環境報告書出ていますけれども、読んでみていろんな意味で書かれていて、どれほどの説明責任が果たされているのか。中身はどうかというのはなかなかわからないのが実態だと思います。一部には第三者審査の取組がもう既に整っているというような意見もありましたが、果たしてそうか。そうとも思えない。そこでここの12ページの「仕組みを明確化し」というふうに書いてあることはどんなことを具体的にイメージされているのか。現実にいくつか審査しているといいますか、そういうふうな会計事務所もあるわけですけれども、具体的にはどんなことを認識されているのか。この2点をちょっとおうかがいしたいと。

○森嶌部会長 第1の点については文言の訂正で、「も」というのは「は」乃至「が」、文章からいえばここは「が」の方がいいと思いますけれども。この点については私もこれは「も」はちょっと、ほかは自主的にといって「公的性格を有し」と格調高くいっておいて、「も」というのではあれですから、ここは私の責任において「が」に直させていただきたいと思います。
ます。
 第2の点ですが、いかがでしょうか。「明確化し」ではどんなことを。

○河野委員長代理 第1点、ここについては、それなりの議論は委員会ではしたわけですけれども。

○森嶌部会長 そうですか、それなりの議論で「も」になったのでしょうか。

○河野委員長代理 部会長のおっしゃるとおりで結構かと思います。第2点の「明確化」でございますね。環境報告書の第三者審査がかなり行われていますが、本報告では130位と推計しています。現在もっと多いのではないかと思いますが、これが実は多種多様であります。平成14年度に「環境報告の促進方策に関する検討会」が設置されております。私が座長だったのですが、そこで検討した結果、環境報告書の審査の内容については1つは審査タイプがあります。つまり環境報告書の内容、主として情報が正確であるか否かということを証明するといいますかレビューすることです。これは主として監査法人系の組織がやっております。
もう1つは、勧告・評価タイプです。これは主としてNPOとか有識者が環境報告書に書かれている具体的な取組が望ましいとか、こういうことをやったらどうかとかいうような勧告を書いております。本報告では、第三者審査の仕組みについていえば、環境報告書が公表されているけれども、利用者側、特に消費者とか金融機関が利用するときに、どういう根拠に基づいて情報が作成されているのか、情報は正確なのかが明確にされていないと、同じ業種でも比較できないという状況になるので、情報の正確性という視点から審査することを考えたらどうかという立場です。
その場合にNPOとかあるいは有識者による企業の環境の取組についての是非に関わる勧告・評価タイプの審査、これは対象からはずされます。以上により、本報告ではそれなりに整理した枠組みが想定されるのではないかというふうに思っております。

○森嶌部会長 それでは青木委員、天野委員、それから福川委員ということでどうぞ。

○青木委員 12ページの、今、桝井先生もおっしゃったところでございますけれども、私もこれは反対というわけではございません。これは「が」に直していただいても結構だと思いますが、全体をながめてまいりまして先ほどからご議論ありますように、やはり利潤追求型の企業の中でいかに環境問題をうまく入れていくかというトーンの中で書かれている中に、あまりそういうものとは馴染みがなくて、もともと国民の福祉の向上を目的とする公共的な事業を含むような独立行政法人のことが出てくるものですから、事業者という概念そのものがここでちょっと変わるような感じもありまして、若干唐突な感じはいたします。しかし、私自身も国の関係機関が、いかに環境に配慮して仕事をしているかということを国民に広く知ってもらうということは非常に大切なことでございますので、このパラグラフは賛成であります。
 ただ、独立行政法人等の立場からしますと、自分たちは国民の福祉のために当然環境を考慮しながらやっているんだという感じがございますので、民間の環境報告書に対するスタンスとだいぶ感じ方が違うのではないかというような気がいたします。また、例えば公共事業をやっているような法人からみれば、当然環境アセスメント等もやりながら事業をやっているわけでございますから、そういったものの評価とどういうふうに絡めていくのかとか、実際に具体に施策を展開するに当たっては、かなり民間企業の場合と異なる問題があるのではないか。あるいは環境報告書というのはここではまだ曖昧な概念ですからわかりませんけれども、あるいは別の、先ほどもちょっとございました透明性というようなお話とか納税者に対する説明責任とかいうような立場からのアプローチの方がむしろ近いような感じがいたしますので、環境に関する対応を別の形で発表する方がいいのか、少し虚心に関係の省庁とよくご協議をいただきたいというふうに感じます。要望でございます。

○森嶌部会長 それはおっしゃるとおりですね。民間の環境報告書と独立行政法人の環境報告書とは項目とか内容とか同じではないと思います。
 天野委員、どうぞ。

○天野委員 持続可能性報告書あるいはCSR報告書というふうに書いてありますが、これは一般には2つの言葉、どちらも同じような内容のものとして理解されているというのが国際的な使い方なんですけれども。WSSDへの言及がありましたけれども、持続可能性というのは、やはりこれからの社会を考える基本的な原則だと思うんですね。
ですから、環境報告書というものが持続可能性報告書に発展してきた背景にはそういった国際的に持続可能な社会をつくるということがあると思いますので、それが環境省と環境報告書のように1対1で対応しなければいけないという議論というのは、そういう基本的な流れからいうとおかしな気がいたしまして、国際的にも別に環境省が持続可能性報告書をつくって悪いという議論をしている国は、私は一つもないと思います。ですから、これは環境省で省庁間のいろんな議論のとりまとめをしていただいて、そういう方向に進めていただくというのが正しい方向ではないかというふうに私は思います。
 こういう方向に流れきた一番大きな理由というのは先ほどほからいろいろなご指摘がありましたけれども、企業というのは株主のためだけに存在しているのではないということです。ステークホルダーという表現がありますけれども、従業員というのが非常に大きなステークホルダーで、社員もそうです。これから社員になるかもしれない学生諸君もそうです。それから消費者はもちろん入りますけれども、サプライチェーン市場というふうな言葉がありますけれども、企業間、上流から下流にいたる企業の間の関係、それから金融資本市場、株主はその中に入れてもいいかもしれません。そういった非常にたくさんのステークホルダーに対してどういう報告書をつくるかというのがこの議論だと私は思いますので、そういう意味では狭く狭く環境だけを扱うものだという認識は、やはり国際的な流れに即していないというのが私の理解であります。
 それからもう1つは、そういう報告書が現在環境報告書として日本では非常にたくさんの企業が発行しておりますけれども、先ほどご指摘もありましたように必ずしも会社全体の割合からいうと多いわけではないんですね。世界の中で発行している企業数が多いというだけであって、企業全体がちゃんとそういうものを出しているかどうかという点からいうと、まだまだこれから余地はあるというふうに思います。
 それからもう1つは、報告書ですからその報告書に盛られている情報が正確であるか信頼できるものであるか、あるいは比較できるものであるか。この点が非常に大事なのですけれども、残念ながら現在の報告書というのはそういう条件を必ずしも満たしているとはいえないというのが、この委員会の中でも非常に大きな問題意識であったかというふうに思います。知る権利法というふうな法律ができている国もありますし、そういう知る権利を国際条約にしている地域もありますし、そういう意味では情報を開示する、あるいはそれは先ほど私が例としましたようなステークホルダーがそういう情報を求める権利があるというふうなものに応えて、それぞれの事業者が自主的にどういう報告書をつくるかといったフィードバック、そういうものが現在の報告書の役割であろうと思いますので、そういう信頼性とか比較可能性とか正確性とか、そういうことをきちっと担保できるようなシステムをどういうふうにつくるかということを、やはり我々が考えていかなければいけないことだというふうに思っております。
 私の意見としてはそういうことでございます。

○森嶌部会長 それでは福川委員、その次に崎田委員ということで、まず福川委員。

○福川委員 佐和委員がおっしゃった歴史を画するような新たな知恵と。これについては会長が12ページをご指摘になられましたけれども、もう1つ追加して……。

○森嶌部会長 それが歴史を画するようなこと。それはちょっと話が別ですけれども、ここにはそれが書かれているということで。(笑)

○福川委員 もう1つは13ページの最後の段落でありまして、ここに「資本市場、消費者市場及びサプライチェーン市場のそれぞれのグリーン化を押し進め、市場メカニズムを活用しながら、環境に配慮した事業活動を促進する」と書いてありまして、市場の構造をそういうふうに変えていくということで、追加してご指摘させていただくとすれば、この点も今の新しい知恵の中に入るかなというふうに思います。
 あと2点要望しておきたいのですが、1つは、地方公共団体もいろいろな事業をやっています。水もやったりごみ処理もやったりいろいろするわけですが、ここには独立行政法人のことが書いてありますけれども、地方公共団体も先ほど National Social Responsibilityというご指摘もございましたが、これもやっぱり考えていただく必要があるし、先導的な要素があると思います。地方公共団体は国からつべこべいわれるのは好まないというところはあると思いますから、報告書にはなかなか入れにくいことはわかりますが、地方公共団体も同じように情報公開ということをすべきだと思うので、折りがあればぜひ、そういうことを、地方公共団体にも勧奨するということを運用上お願いをしておきたいと思います
 もう1つは、CSRについて今国際的な標準づくりというという作業がいろいろなところで展開されています。ISO14001でもやっておりますし、それからOECDの議論もあります。EU委員会あるいはUNICE(欧州産業連盟)、ヨーロッパの民間団体ですが、ここでは標準づくりをしようということになっておりまして、先ほどもご議論がございましたが、日本は割合と標準づくりには熱心でないものですから、いろいろと不利な標準をつくられて日本の企業側と四苦八苦するというのはよくある例でありますし、金融機関の自己資本比率などはその一つの典型でありますが、実は、そういうことがどんどん行われているわけです。
 企業も民間も必ずしも標準づくりには熱心でないという面がありますが、これは非常に大きな影響があると思います。もちろんCSRということになれば環境だけではありませんから、いろいろな要素が出てくると思いますが、一つ関係省庁できちんと出張旅費というか予算も取って、そして日本の立場を十分主張するということをぜひ運用していただきたいと思いますし、もちろん、そのときは官庁だけでやれるというのではなくて、民間の意見というものを十分尊重して、またそれから民間の方もできるだけそういう標準の作業に参画をする。それから折りがあれば民間ベースのいろいろな協議メカニズムがありますから、その際に日本の意見を十分言っていく、私はこのCSRの問題というのは、いろいろこれから大きな課題になると思うので、民間も含めた国全体でこれに取り組んでいくというその運用上の体制をつくらないといけないと思いますので、その点を一つ、ぜひ運用上お願いをしたいと思います。

○森嶌部会長 CSRだけではないのですが、私も研究所に関係していますが、福川先生のところもそうなんですけれども、どうも日本は基準づくりを熱心にやるのでなくて、よその国や機関が基準づくりをするときに旅費を使って出かけていって話だけ聞いて帰ってきて、自分の意見は言わないで他人様が作った基準が出来てから困った、困ったというんですね。ISOの基準などでもそうでした。
ですから私は、日本で、民間もそれから国も研究会などを組織して、自分たちで、積極的にこういうものを作るとすればどうするかということを検討して、自分たちの案を持っていって議論に参加しないと日本に不利なものを押しつけられてしまうと思います。出かけていってそこで話聞いて思いつきを言うというわけにはいきませんので、やっぱり事前に準備をしていかないと、福川委員がおっしゃったように押しつけられるだけという話になってしまいます。
 日本は押しつけられてはあとで文句を言っているのが現状ですが、あとで文句を言っても間に合わないのですね。政策もそうです。いろいろな施策がもっているプラスの面、マイナスの面をそれぞれ正確に比較検討して議論するのでなければ、その場である側面だけをとりあげて是非をあげつらうというのは政策の適切な検討とは言えないと思います。これはこの部会だけで議論することではありませんけれども、何の政策でもそうですけれども、それぞれもう少しリスク管理という観点からご議論いただければと思います。

○福川委員 今の会長のおっしゃっていること全くそのとおりなんです。非常に日本の一般的に企業でも標準というのはあまり熱心ではないし、日本人は器用なものですから今まで押しつけられた基準をクリアするのは非常に巧みに処理してきたものだから、有利な仕組みをつくるというよりは、人のつくったものをいかにクリアするかということに力があったのですが、私はこれからはそれではだめだと思います。
今、会長おっしゃったのはそのとおりだと思うのです。まさに標準を征する者は世界を征すというぐらいですから、私は今おっしゃったような趣旨で、ぜひ努力をしなければいけないように思います。ありがとうございました。

○森嶌部会長 どうもちょっと余計な話ですけれども、今おっしゃったものですからね。ここ七、八年ぐらい前から国際会議に出る度に日本はいったい何やっているんだろうという気がしているものですから。
 それでは、崎田さんどうぞ。

○崎田委員 国際的なお話の次に身近なお話で……。

○森嶌部会長 いや、どうぞ。国際的な話はちょっとずれたところですから。

○崎田委員 私はこの小委員会に入らせていただきましたので、そこでいろいろ意見を申し上げたので、ちょっと全体の感想を申し上げたいと思うのですけれども。
 私は生活者の視点で歩んでおりますし、NPOなどやっておりますが、やはり今、政府全体でこの環境と経済の好循環という大きな目標に取り組んでいらっしゃるというのは大変素晴らしいと思うんですね。それをどう具体化していくかということに関して、環境省が今いろいろな委員会でいろいろな分野に分けてお話し合いを進めているという、今の状況は本当に戦略的に進めていらして、そういう今時代の変わり目をつくっているというそんな感じが、私そこに参加させていただいているというふうに感じています。
 そういう中の、この企業の皆さんの積極的な取組をきちんと広めたりするときの核になるものとして、今回環境報告書とか環境レポート、こういうものの内容をどういうふうにきちんとしていったら、みんなによくわかるのだろうかというような話し合いを進めてきたというふうに私は感じて参加しておりました。
 あとあとこういうようなことをきちんと多くの企業が、最近積極的に取り組んでくださっている企業が増えておりますので、こういう取組をきちんとわかりやすく社会に表明していただくようなツールをきちんとそろえていただくような傾向が徹底してくれば、これを基に本当に消費者自身がそれを受けとめて消費行動の中でちゃんとそれを態度に示す。ちゃんと選ぶとかですね、あとエコファンドとか金融市場でちゃんとそういうことが評価されていくような社会の仕組みをつくっていくとか、本当にそういう具体的な動きがどんどん必要ですし、今回の話が具体的に進めば、その周りで好循環を起こすような仕組みの具体化というのがどんどん進んでいくのではないかというふうに私は期待しております。
 ですから、今回のお話というのは環境報告書という具体的な話だけではなくて、世界に発信したり日本の地域社会に広げたりという、そういうような情報ツールの大変重要なポイントを、今一つ仕掛けようとしているのだというふうに私は感じておりますし、そういうような感じで考えていただくと、これからの広がりというのが、イメージが持てるのではないかというふうに私は感じております。
 あと、生活者の視点でいいますと、14ページの真ん中のあたりに今後の消費市場のグリーン化のことなども書いていただいておりますけれども、本当に今後、消費者とこういう企業の皆さんの動きの環境コミュニケーションというのをきちんしていく。あるいはそういうような立場にNPOとかいろいろな熱心な活動をしていらっしゃる方がもっと積極的に関わっていくという、そういうような元気のある市民社会の創造というのが求められるのだと思いますし、そういうふうに歩んでいきたいと思っております。

○森嶌部会長 それでは桝本委員。どうぞ。

○桝本委員 念のためでございますが、先ほど福川先生と委員長のおっしゃられた基準づくり、国際的ないわばスタンダードづくりについてのお考えは全くおっしゃるとおりで、我々も努力をしたいと思います。ただ、これはなかなか言葉の問題等、むずかしい実情があることもご案内のとおりでございますので、一層私ども産業界も努力する必要があるということは、もう言うをまちません。おっしゃるとおりでございます。
 それから企業のありようで佐和先生あるいは天野先生からご指摘がありました。これについても異論はございません。企業はもはや利潤を単純に追求するだけのエンティティーではなくて、むしろ社会性ある中でいろいろな目的、方程式を解きながらそうしたことをしていくということは言うまでもありませんで、お二方のご意見には何の反論もございません。

○森嶌部会長 それでは、三橋委員、どうぞ。

○三橋委員 私は小委員会に属していたのでちょっと発言をひかえていたのですけれども、なぜ環境に配慮した事業活動の推進方策の在り方を検討したかというと、やはりここまで地球環境が悪化してしまって、私たちはもう地球の限界に直面しているんですよと。
そういうことでやっぱり事業活動に対する環境配慮が必要なんですというと、これは単なるガイドラインでは私はもうだめじゃないかと思うんですね。制度化して、できるなら法律にしていくと。それで21世紀を生きる企業のプレーヤーは、やはり環境報告書などというのは最低やっぱり出さなければいけない内容なんですね。ただ、それが金太郎飴にならないように各企業それぞれの自発性を発揮して、そこまで法律が規制する必要はないと思いますね。
 しかしながら、やはり環境報告書をつくって国民全体に開示していくような、そういうルールというのは必要なのだろうと思うのです。それがまた21世紀の地球の限界と折り合って企業が生きていくために必要な条件なのだろうと思います。
 この議論等々の中で、例えばそういう環境報告書をつくるのには人が要るとかお金がかかる、これは当然なんですね。そういうものをやっぱり企業は必要なお金、必要な人員を投入して環境報告書というものをやっぱり作り出すと。それが事業活動をするための出発点でなければいけないと思うんですね。そうでないと、お金はかかる、人はかかる、したがって余計なことをやりたくないという発想では企業経営はこれからおそらく許されなくなるのではないかというふうに、私は考えているのです。
 このとりまとめを見ますと、いろいろ突き上げられて非常に環境省の担当者はご苦労なさったと思うですが、事業者に対してやや痛々しいという感じの配慮になっていますね。私は事業者に対してはやっぱりそういう形でやるべきことをやり、それをクリアした企業が生き残って、
また国際競走にも勝つ。そういうルールを日本の企業はぜひ作り上げてほしいなという感じを持っているんですよね。そういう点でいえば、なぜ環境に配慮した事業活動の促進を今検討しなければいけないか。環境に配慮していない企業が多いからなんですね。
もちろん、一部の大企業で環境に配慮した経営をしている企業というのはいっぱいありますよ。しかしそれは本当に1%にも満たない。多くの企業はそうじゃないんですよね。したがって、日本全体としてやっぱりルールをつくっていくということが必要なので、そのために必要な人材、お金というのはやっぱり投入していく。それで経営を成り立たせていく。そういうような考え方に切り換えていかないといけないと思うんですね。余分なことやってくれるのでそのためのお金、人を割きたくない。こういうような考え方はもう時代遅れであるというふうに私は思っているので、小委員会でもそれに近い発言をしたのですけれども、いろいろな配慮があって読み取れないかもわかりませんので、改めてここで強調させてもらいます。

○森嶌部会長 はい、わかりました。ただ、法律家として申しますと、環境報告書が対象とする事業や事業者のようにすそ野の広いのを法律上の義務なり公示必要項目なりとして規定する場合にどこでどのように絞るのかというのは、公害のように、例えばSOxを排出量これこれ以上のものをコントロールするというような場合と比べて、法律技術的には大変面倒だということがありますので、事業者に対する配慮という観点の有無にかかわらず、法律技術的な問題があるということをご理解いただきたいと思います。したがって、この書き方は単に突き上げられただけの結果ではないということを、ご理解いただきたいと思います。
 それでは、鳥井委員どうぞ。

○鳥井委員 先ほどちょっとフィードバックシステムとして考えたらどうかということを申し上げて、考えてみますと、消費者の意識というのがいろいろなものを制御していくのだろうと思うです。それで消費者にどういう情報が届いているのかということを考えますと、安ければいいんだという情報はたくさん届いているわけですよね。それからRVに乗って山谷へ行って大いにアウトドアで楽しもうよという情報もたくさん届いているんですね。そこでこの環境報告書から発してくる情報が、彼らのそういう情報に負けないぐらいに届かないとだめなわけですよね。そこの視点がないと負けちゃうんですよね。負けちゃうと制御系は働かなくなる。そして消費者は大いに変わってきたとおっしゃるのですけれども、ここにいらっしゃる方はご存じの方は変わっているかというと、ほとんど変わっていないんですよね。やはりどれだけの質の高い情報が頻度高く大声で制御系に届いているかということは考えなくてはいけない。そしてそこの制御系に届く情報の competitorは何かということを考えないと、このメカニズムは働かないと思います。
 以上です。

○森嶌部会長 それでは、瀬田委員どうぞ。

○瀬田委員 私もこの小委員会に参加した立場でございますので、三橋委員と同様に口をはさむのをひかえていたのですが、ちょっと話が出ましたので私が申し上げてきたことについて若干ふれたいと思います。
 それは今、突き上げとかそういう話もありましたけれども、こういったものについてはとにかく自主性を重視するということが非常に大切なことであるということを、一つ申し上げました。それからもう1つは、確かに過去においてはいろんなことがあったかもしれないけれども、今の企業の活動というのは、当然こういった環境配慮というものを相当に意識してやってきている、つまり非常に変わってきているということ、今はかなり進んできているということも、ぜひ申し上げたいと思います。
 先ほど環境報告書発行会社は1%にも満たないという話がございましたけれども、そんなことはございませんで、例えば経団連でいきますと参加団体数は1,270社団体、その中には、必ずしも企業でないようなところがたくさん入っております。そういう中で、 1,270社の中で今現在環境報告書を出しているのが340社なのです。それを今回のこともありましたけれども、ことしの初めに経団連としては「3年以内にその340をその倍にする」という意思表示もいたしました。
 その内容でございますけれども、この数年の各社の環境報告書を見ていただくとおわかりと思いますが、中身は明らかに変わってきていると私は思っています。もちろん、会社によってその濃度差というのはずいぶんあるだろうと思います。そういう意味で自主性ということをひ申し上げたのは、義務化ということになると、どうしても今度は義務の方に流されてしまう。本来、こういったものというのは基本的に自主という立場でやるのがやっぱり好ましいし、また、そういうことが生存の条件の一つになっていくというのは、これは佐和先生がおっしゃるとおりでございます。
 したがって、そういう思想の中で私としては、自主性というものを最大限尊重していただきたいということを環境省の方に申し上げて、こういった表現になってきているということでございます。ちょっとその点だけ付け加えます。

○森嶌部会長 時間もございますので手短にお願いします。

○三橋委員 私が1%以下と言ったのは中小企業も含めて日本の企業です。そういう中でいえば、例えば経団連あるいは上場企業などでやっているようなところは1%以下だということを言っているのではないので、その辺はちょっとご理解していただきたいです。

○森嶌部会長 それでは時間もございますので、なるべく手短にお願いします。最初に発言される方に手短にと言っているつもりはありませんが。
 では、和気委員どうぞ。

○和気委員 手短に。

○森嶌部会長 いやいや、和気委員は最初ですので。中野委員も最初ですので、どうぞ。

○和気委員 この報告書の内容に対する直接コメントといえば、私の日ごろ考えていることを踏まえて、ちょっと要求というのも変ですけれども感想なのですが、この報告がどのぐらいの単位スパンで考えられているかにもよるかと思うのですが、ビジネス環境がどうなるかということをある程度想定しながら戦略的に環境問題を考えていかなければならないと思います。そのときに、今特にアジアの国を含めて日本の経済連携がかなり密になるだろうと、FTAも含めて。そうするとマーケットはかなりアジアに大きなマーケットがさまざまな分野でできてくるだろうと。そういうマーケットを想定したときにこういう問題をどういうふうに扱うかということがとても重要になってくるかと思うのです。
 この報告書は世界あるいは欧米、欧州という構図で国際社会を見ていますけれども、もう一つ、アジアという層が一つあって、そのアジアのいわば世界標準というような話も一方にありますけれども、もう一つアジアの特性、アジアのマーケットが環境にやさしいものになるための何らかの手立てが日本を中心に発信できないか。という視点から環境報告書の中にアジアの問題を積極的に盛り込むようなそういう情報の開示の仕方もあるのではないか。
 そういう意味において、アジアの視点をもうちょっと出したらいいかなと。そんな印象を強くもちました。特にサプライチェーンのマーケットはまさにFDIも含めてアジアを中心に国際分業は進んでおりますので、その辺一国だけの議論ではもう、特にこのビジネス絡みにはとどまらないというところが盛り込まれればよかったかなとは思うのですが、印象を申し上げました。

○森嶌部会長  まことに申しわけありませんけれども、ご発言の趣旨はもっともですが、報告書のcontextの中に盛り込み難いので、ご発言は修文として入れなくてもよろしいですか。

○和気委員 ええ、発言させていただければ。

○森嶌部会長 ご意見として承るということでよろしいでしょうか。それでは、中野委員どうぞ。

○中野委員 小委員会で全体的にいろいろと考えていただいて、まとめてくださっている点は本当にうれしく思います。私たち消費者といたしましては、この環境報告書が天野委員がおっしゃったように、それが正しいか否かということを本当に心配します。その中でこの環境報告書を審査するとか専門家の役割が本当に大切ではないかなと、そのように思います。
 14ページの真ん中の段落の例えば「事業者の優れた取組に対して、評価、支持する旨を表明するようなことも有効であろう。」と書いておりますが、これと同時に消費者がいろいろな意味でこういうことがあるんだということが言える場所づくりというか、場面づくりというのですか、そういうことをこれからは考えていかなければならないと思います。

○森嶌部会長 よろしゅうございましょうか。
 それでは大塚委員、初めてのご発言ですけれども手短にお願いします。

○大塚委員 小委員会の委員ですのでひかえていたのですけれども、なるべく手短に。今、中野委員がいわれたこととも非常に関係するのですけれども、先ほど議論があったように、この問題というのは市場において消費者がそれをどう判断するかということが非常に重要ですので、環境教育というのはきょうのもう1つの議題でもあると思いますが、これを充実することが基礎になるということを特にここで申し上げておきたいと思います。
 そういう意味で先ほど鳥井委員から、すぐにこの情報が届かないとほかの情報に負けてしまうというようなお話もあって、まさにそのとおりだと思いますけれども、ある程度中長期的に見ていって、市場あるいは消費者の意識を変えながら社会を変えていく。そのきっかけをつくるのだというふうに認識をすべきではないかというふうに考えております。
 もう1つ、これを今自主的ではないということについてかなりご議論があるところですけれども、例えば中小企業でこれから環境報告書とかをつくるというところが出てきたときに、何を項目に挙げるかというようなことについて、法律か何かわかりませんけれども出てきていればあまり悩まずにある程度、それを使えると。企業としても何をいったい項目として挙げるのか、あるいは消費者に何を評価されるのかということについて非常に悩むというようなことがなくて済むという意味では、むしろ企業にとってもいいことではないかと。そういうこともいえるのではないかと思いますので、一言申し上げておきたいと思います。
 以上です。

○森嶌部会長 ありがとうございました。非常に手短でして。
それでは、崎田委員どうぞ。

○崎田委員 実は私も大塚委員が今おっしゃった環境教育のお話を申し上げたいと思いました。実は市民との実際のコミュニケーションとしてどういうふうに本格的にやるのかというのは、大変重要なところなんですが、参考資料の3でお示しいただいたものなどを拝見すると、あとでご説明があると思うのですが、この次の環境教育促進法とかそういう全体像の中でこういう状況をきちんと盛り上げていく。あるいは今度の国連の持続可能な開発のための教育の10年、こういうので日本の地域社会とアジアなどの地域社会とがどういうふうに連携するかとか、全体の中でうまく取り入れていくという視点が大変重要なのではないかと思っています。

○筑紫委員 三橋委員の方から出た法的な強制力はあるけれども中身は自由というのは、大変魅力的なんですけれども、現在はガイドラインは策定するが法的強制力はないという状況の中で、もし法的強制力があって、ガイドラインがあって、さらに細かく重箱の隅を突っつくようにというようなことがあるのではないかと、企業の方は懸念しておられるというようなことは私も聞くのです。
 ですから、その意味でもぜひ12ページの独立行政法人にはまず環境報告書を、Sustainability報告書のようなものを法的強制力を持たせるということで、"隗よりはじめよ"ということをやられれば企業の方、そして中身については自由ということをやられれば、企業の方もごらんになって、それについていかれるのではないかと思うのです。
 それから先ほどから国際的な標準といっていますけれども、私は必ずNSRというのが次の標準になると思っておりますので、そのときにもう既に政府としては環境報告書等をとおしていろいろなこういったものをつくっていれば、NSR報告書を国が出す元になりますから、そうしましたら例えば世界中の年金基金がNSRで国債を買います、評価しますとなったときに、日本のNSRはもうできているので世界の標準にもなれるのではないかと思います。ですから重ねて、まず独立行政法人に法的な強制力で環境報告書、CSR報告書を出されたらいかがでしょうと。

○森嶌部会長 そういたしますと、この文章としては何かを書き足せというご提案でしょうか。

○筑紫委員 そうですね、こちらに例えば「環境報告書を公表すべきとすることを義務づけることも考えられる」というふうに書くのはいかがでしょうか。

○森嶌部会長 どこにですか。

○筑紫委員 12ページです。

○森嶌部会長 12ページのどこにですか。

○筑紫委員 下から3行目ですけれども……。

○森嶌部会長 これは環境報告書を公表すべきことと。

○筑紫委員 あっ、これで結構です。

○森嶌部会長 はい、わかりました。
それでは、最後ですけれどもどうぞ。お二人おられますか、議題が2つありますので時間がないと申し上げましたけれども、どうしても発言しなければならないということございましたら、どうぞご発言ください。

○松原委員 先ほど議長さんの方から基準についてもう少し積極的に我々は検討すべきだというようなご発言があったと思うのですが、この報告書全体を見ますと国の役割というものがほとんど書かれておりません。これは事業者の積極的な活動に関することですから、基本的にはこれでよろしいのですけれども。私はやはり基準等は日本の法規では国際基準に合わせるというような、単なる数だけ合わせるというような態度は非常に私自身も国の仕事に関係していて、つくづくそれはいけないと思っておりまして、そういう観点からできれば国について書かれているのは15ページの一番下のところだけだと思うのです。我が国ではいろいろ取り入れろということが15ページの下のパラグラフに書いてありますが、そこのところのせめて3行目ぐらいに「我が国での先進的な環境配慮への取組を進め、国際的にも評価されるように」というふうに、少し我が国独自の取組を進めというふうにしていただいた方が、ただ国際の整合性だけを強調するような文面ではない方がよろしいかと思いましたので。

○森嶌部会長 ちょっと今、どこの場所かを。

○松原委員 15ページの下から3行目です。「いくことにより、このような我が国での先進的な環境配慮への取組が国際的にも評価されるように」とあるのですが、そこを「取組が」ではなくて「を進め」と3字を入れていただいて、少し我が国独自の、先ほどのNSRのこともございますが、日本としても独自の基準の検討も必要な段階だと思いますし、こうした文面にしていただきたいというのが希望です。

○森嶌部会長 はい、「取組を進め、国際的にも」そうですね。

○松原委員 はい、いかがでしょうか。

○森嶌部会長 おっしゃるとおりだと思います。わかりました。

○横山委員 簡単に一言だけ。一般に企業の方にうかがうと、環境省に対してものすごい不信感を持っていて、環境省は企業の実態を知らなすぎるとかいうような話をよく聞くんですね。そういう意味で、私はこれは非常によくまとめたと。ただし、かなり企業に遠慮しつつあるというような印象は強く受けます。
 国民が例えば温暖化対策なんかでもあまりやらないのは、やっぱり国や企業を見ていて、どっちもあまりよくやっていないのではないかというようなことで、あまり前向きに取り組んでいないというところがあると思うんですね。それでこういう報告書を第一歩にして企業も取り組んでいくけれども、松原委員も今言ったようにやっぱり国もこれからしっかりやるんだと。あまり企業にいわれるから遠慮しているんだとか、そういうことを抜きにやっぱり国と企業も一緒にやっていかないと、もうだめなんだという意識を強く持って進めていきたいと。これを第一歩にしてほしいなというふうに思います。

○森嶌部会長 ありがとうございました。また最後の方は強権的に発言を封じてしまいましたけれども、もう1つ議題がありますので。
 いろいろとご議論をいただきましてありがとうございました。私の方でご議論いただきましたものの中で12ページの「公表すべきこととすることも」のところを「が」というふうに直させていただくということと、それから今、松原委員のご指摘の15ページの下から3行目の「環境配慮への取組が国際的にも」というところを「取組を進め、国際的にも」と改めさせていただきます。
 それから、和気委員のご指摘はまことにごもっともなんですが、この contextの中でアジアに対する配慮というのは、私の判断ですけれどもちょっと入らない。入らないというのは、ここはアジアに対する配慮だけではなくて、日本の国内も含めて環境配慮のことを議論していますので、ちょっと入りにくいのではないかと思います。環境配慮の中にはアジアの国に対する配慮がなければならないことは確かにごもっともですが、ちょっと contextがずれるというような感じがいたしますので、ご意見として承り記録に残させていただくということにさせていただきたいと思います。
 それから福川委員のおっしゃった地方自治体の環境配慮事業の促進については、確かにその通りですが、やはり一般に環境配慮事業の促進について述べているというところで特に地方自治体もやれよと書き込むのはちょっと行き過ぎかなと思いますので、我々としては環境省を通じて地方自治体にも要望してもらうということで、この意見具申の中には書き込まないという処理をさせていただくことにしたいと思いますがいかがでしょうか。
その他の意見につきましては、それぞれ議事録の中に記録としてとどめさせていただきたい。
特に三橋委員、横山委員のご意見については、議事録の中に入れさせていただきます。少数意見かもしれませんけれども、そういうご意見もあるわけです。けれども全体としては小委員会の報告書について、総合政策部会としても了承をしたということにさせていただきます。具体的な取扱いといたしましては、先ほど申し上げた修文を加えたうえ、資料の1の2ページにある、小委員会においてこれこれの検討結果をとりまとめたものである、という文章のあとに、文章はともかくとしまして、総政部会としても、この検討結果を審議した結果、これを適当なものとして意見具申をするということにいたします。今回は諮問を受けたものではありませんので、形式的には答申ということではなく、意見具申という形式になります。これは環境大臣に対する意見具申ということになります。これでよろしゅうございましょうか。
         (「異議なし」の声あり)

○森嶌部会長 それでは、そのように取り扱わさせていただきます。
 それでは、時間がなくなりましたけれども、議題の2番目、これは報告でございますが、「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」に基づく基本方針等の作成に向けた取組につきまして、事務局から報告をしていただきます。
 では、どうぞよろしくお願いします。

報告事項
(2)「環環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」に基づく基本方針等の作成に向けた取組について

○渋谷環境教育推進室長 環境教育推進室長の渋谷と申します。私の方からご説明を申し上げます。本法につきましてはご承知のとおり、昨年7月議員立法により成立いたしまして、10月1日から一部を除き施行されております。
 内容につきましては、昨年9月の当部会におきまして既にご説明したところでありますので、詳細な説明は省略させていただきますけれども、資料2-1から3までに法律の概要等添付しておりますので、ご覧いただきたいというふうに思います。
 本日は、本法施行のこれまでの環境省の動きと基本方針等の作成に向けた取組について、御報告させていただきます。本法成立後、環境省といたしましては、法律の周知徹底を図るということから、後ろの方についております参考資料6のパンフレットがございますけれども、このパンフレットを作成しまして、全国の自治体等、関係機関に配布いたしました。また、全国5カ所で環境省主催の意見交換会を実施いたしました。その際、意見として出されたものが資料2-4というところに添付してございます。さまざまな意見が出されているということがごらんいただけるかと思います。
 このほか、全国各地でいろんな団体からお声がかかったりいたしまして、説明会、シンポジウムなど大小はありますけれども、さまざまな機会を通じて既に20回以上にわたって法律の内容について説明あるいは意見交換等を行い周知を図り、理解を深めるという努力をしてまいりました。これらによりまして、環境教育の関係者の皆さま方にはかなり周知が図られてきたというふうに思っておりますけれども、小中学校で実際に教えられている先生方あるいは企業の皆さま方には十分伝わってはいないという状況も見られますので、引き続き周知を図ってまいりたいというふうに考えております。
 また、この法律を実行あるものとするために平成16年度予算におきましても、法律に基づく施策の実施のために事業者向けの環境教育資料の作成とか、地方環境パートナーシッププラザの設置のための予算などを要求いたしまして、予算案に盛り込んでいるというところでございます。
 現在の状況でございますけれども、本法律に規定されている基本方針並びに人材認定事業等の登録にかかる基準というのが、まだ定められていない状況にございます。これらを定めるために1月30日ですけれども、関係省からなる連絡会議を立ち上げまして、各省と連携しつつ作業を進めているという状況でございます。このうち、基本方針につきましては、環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本的な事項、これらに関する政府が実施すべき施策に関する基本的な方針、その他これに関する重要な事項という3つの点を定めることとされておりまして、環境大臣及び文部科学大臣が共同して基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めるということとされております。また、農林水産省、経済産業省、国土交通省の所管に係るものにつきましては、それぞれの大臣と共同して行うということとされております。
 また、この法律において広く一般の意見を聴かなければいけないということとされておりますことから、既に昨年、意見交換会、説明会の際にもさまざまな意見を頂戴しておりますし、パートナーシップオフィスという中でも皆さま方からの意見を頂戴するといったことをやっているところでございます。
 今後さらに関係各位の専門家と有識者からなる懇談会を環境省及び文部科学省が共同して設置をいたしまして、ご意見をいただくとともに関係団体などからのヒアリングによりまして、広く一般のご意見を求め、これらを参考にしつつ、基本方針の案を作成し、当審議会に報告あるいはアベックメントを行うとともに関係府省との調整を行って、閣議決定を求めてまいりたいというふうに考えております。
 また、第11条に基づきます指導者など人材認定等事業の登録基準の作成につきましては、現在環境省におきまして環境教育などの指導者育成を行っております民間の団体の方々へアンケートによる実態調査を行っているということでございまして、これらの結果や各団体へのヒアリング等を通じて基準案をつくり、関係府省と調整しながら基準の検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
 なお、今後のスケジュールでございますが、現在のところ、基本方針及び人材認定事業等の登録の基準につきましては6月末ごろをめどに作成をしてまいりたいというふうに考えておりまして、その後、十分な周知期間を設けて説明会等を実施し、周知徹底を図ったうえで10月1日から本格施行をするということにしてまいりたいというふうに考えております。また、16年度予算の成立後につきましては、関連の予算を適正に執行し、関係省とも連携を密にしながら本法律を実行あるものとしてまいりたいというふうに考えております。
 以上で報告を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○森嶌部会長 それでは何かご質問あるいはご意見もあるかもしれませんが、あと11分ございますのでどうぞ。

○桝本委員 これは環境教育だけでないかもわかりませんが、お願いがございます。ただ、教える、押しつけるというような教育に加えて、ぜひ考えてもらうとか、先ほど大塚先生おっしゃった言葉でいうと「悩む」とか、そういうような形で個人個人が考えた結果、ある的確な結論に達するというような工夫をぜひ、特にこの環境教育ではお願い申し上げたいことと、先ほど何人かの先生からありましたとおり、消費者がサービスや物を選ぶときの、その選ぶ判断の材料、そうした「考える」ということをこの教育の中心に、ぜひ工夫をして盛り込むようにお願いを申し上げたいと思います。

○森嶌部会長 ほかにございますか。

○村杉委員 ただいま環境省としての取組、基本方針をつくる際の取組をうかがいましたが、この方針がつくられて国民に公表されるまでの道筋を差し支えない範囲で教えていただきたいと思うのです。大体今お話いただいているのですけれども、環境大臣及び文部科学大臣は常にこの環境省と文部科学省とが両方とも同じような責任を持ってやるようにこの場合は決められております。今、それぞれの意見交換会は環境省ではこういうことをやりましたというようなご説明をいただいていますけれども、こうなると文部科学省でも同じようなことをいわれて意見を出して、それをお互いに突き合わせて検討されるのか。それとも環境省がこういう意見を出されたものを文部科学省と一緒に出されるのか、その辺の部分がどうなっているのかなということを知りたいと思っております。よろしくお願いします。

○渋谷環境教育推進室長 お答え申し上げます。現在、文部科学省とは緊密な連携をとりつつ、事務を進めております。まず、両大臣から合同の懇談会を設置しまして、両者一緒にものごとを進めていくということを考えております。この懇談会におきましてさまざまな団体からのヒアリング等を行っていきたいというふうに考えておりまして、その後、この中教審あるい中環審の両方にご報告申し上げるというような手順で、両方が相まって進んでいくというふうに考えております。したがって、各省ばらばらにやるのではなくて、両省が共同してものごとを進めていくというふうに考えながら進めていくという状況になっております。

○森嶌部会長 それでは、塩田委員、崎田委員、それから松田委員という順番でどうぞ。

○塩田委員 環境教育に関して、ごく単純な質問を申し上げたいと思います。地球温暖化防止に関し、国民の一人ひとりが炭酸ガスの抑制のためにどういうことをしなければならないかというような問題一つをとってみた場合に、今の学校教育は別としまして、環境教育がどのように機能していくかについて如何なるイメージを持っておられるのかをおうかがいしたいと思います。

○渋谷環境教育推進室長 地球温暖化を含めて一人ひとりが生活様式、ライフスタイルを変革していくということが求められておりますので、学校教育の中ではその教科の中に散りばめられたり、あるいは総合学習の時間の中に環境教育とか入ったりしております。
環境省としては学校の外、いわゆる社会教育的な部分で例えば子どもさんたちに対する子どもエコ教育活動とか、そういったものの中で適切な教材を用意してそれを使っていただくとか、支援をするような形をとりながら全体として底上げを図っていきたいと思っております。この法律の目的の一つは国民の意識の底上げを図るということがございますので、まず、その底辺からきちっと底上げを図っていくとか、こういったことのための支援をするための教材づくりとか情報整備とか、そういったことをしていきたいというふうに考えておりまして、行うのは個々のNPOとかそういった方々の力を借りながら、全体として進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○森嶌部会長 底上げというとなるほどそうとも思うのですけれども、どういうふうにNPOの力を借りて、どうやったら底が上がるんでしょうかね。それをお聞きになっておられると思うのですけれども、イメージ。

○渋谷環境教育推進室長 国としてはいわゆる基本的な教材類の整備とかあるいはプログラムをつくったりとか、そういった基本の整備をしましてそういったものを皆さん方に提供して、それらを使っていただいて国民に広く環境教育を進めていただくといったことを中心に行っております。

○森嶌部会長 NPOとのネットワークはできているのですか。

○渋谷環境教育推進室長 パートナーシッププラザなどもちろんございますし、そういったところを使いながら環境教育学会ももちろんございますし、さまざまな団体でネットワークを使いながらやっていきたいというふうに考えております。

○森嶌部会長 ということだそうです。

○塩田委員 ありがとうございました。例えばCO2 の抑制に関して商品の選択などについて直接に参考になるような内容の教材ができるのでしょうか。

○渋谷環境教育推進室長 具体的なことはあれですけれども、例えばエコマークとかそういったものの商品、グリーンの商品を使いましょうといったことは、その教材の一つの中に盛り込むとか、こういった形ではできるのではないかなというふうに思っております。

○崎田委員 私は質問というよりも地域社会の中で実際に環境カウンセラーとしてあるいはNPOとして環境教育あるいは環境学習、環境活動の推進をしている者として発言させていただこうと思って手を挙げました。
 先ほど桝本委員や塩田委員のご発言は、「考える」とか、実際の「行動に移す」というようなご提言だと思ってうかがっておりました。本当はご専門家がいらっしゃるので私がいうのも何なんですけれども、今の環境教育あるいは環境学習のねらっているところがまさにその点で、本当に豊かな心を持って自分の暮らしを見直すということなんですけれども、具体的にいえば自らの暮らしを考え、そして環境改善を自分の行動で起していく。そういうような意思を育んでいくという、そのことずばりが今環境教育の大切な目標だと思っています。
 そういう活動が日本各地で広がってきつつあるのですけれども、これからの課題としては市民の暮らしの中というだけではなく、そこに企業活動とか地域の中でのいろいろな流通とか事業活動の情報が交流していくことだと思っています。もちろん企業だけではなく、市民グループも一緒になって学校の総合的な学習の時間あるいは学校のいろんな活動に参加していくという、そういう全体のトライアングルの中で、地域社会の中で、子どもたちの活動を育んでいこうという、そういうような動きも今起こってきております。
 そういうような流れの中で、一つの仕掛けというか起爆剤としてこの法律ができたということを今大変私は喜んでおりますし、これがきちんと機能して、今動きはじめている地域の動きをどんどん応援していただき、環境学習が広がっていくということが重要だというふうに考えております。

○森嶌部会長 ありがとうございます。それでは松田委員と大塚委員で、まことに申しわけありませんけれどもおしまいにしたいと思います。
 では、松田委員どうぞ。

○松田委員 私も環境市民活動をもう25年ぐらい続けておりまして、今、私が環境省の方、それから今日ご参加の企業の方たちにお願いしたいというか提案がございます。それは環境教育推進法と略されていますこの法律ができましたので、それをお祝いする会として愛知万博を利用できないかと思っております。
 私のもう1つの専門は環境政策と市民の役割なのですが、ドイツの環境学習などを15年ぐらいずっと継続的に見てきておりまして、先ほど桝本さんがおっしゃったような、体験して楽しんで参加してよかったという、そういうツールを愛知万博の市民参加の運営の中で私も参加してつくってみたいなと思っております。今こうやって資料を見ておりましたら、今年度の愛知万博の環境学習に対する予算なんですけれども1,000万しかないんですよね。16年度はこれ少ないと。環境教育推進法ができたのに1,000万では少ないと、使い方もあると思うんですけれども、思いました。
私、今、愛知万博の協会とも連絡を取り合っているのですけれども、どうも東京勢が愛知万博に対して冷たいです(笑)。名古屋の方たちの市民活動は頑張っているんですけれども、やっぱり東京のノウハウというか知的財産というのはすごいんですから、それで名古屋を応援するという形のプロジェクトをつくってみたいです。
まず、お願いしたいのは、愛知万博の環境部局の方たちも努力されていますので、参加されるパビリオンの方々にぜひ一度お集まりいただいて愛知万博の企業パビリオンがどのような環境プログラムを提案できるか、また環境教育の推進に貢献できるかを、市民グループとご一緒に考える機会をぜひ作って下さい。環境省の皆様にもぜひ協力していただきたいと思います。今から間に合うと思うんですよ。やってみたいんですけれども、ぜひそういうミーティングの会をセットしてください。
以上です。

○大塚委員 具体的なお話のあとで抽象的な話で申しわけありませんが、2点ほど申し上げておきたいと思います。
1つは、この意見の中にも出ていますけれども、これは文部科学省との関係があるから大変なのだと思いますが、環境教育というのはやはり小さいころにちゃんと植えつけなければいけないということがありますので、ぜひ小学校の科目として入るとか生活科の中で学ぶように指導要領で入れていただくとか、そういうことをぜひしていただきたいと思います。
 それから第2点ですけれども、先ほど桝本委員もいわれたところですけれども、この環境教育というと、どうしても自然保護が中心になっているような意識で見られることが多いのですが、それはもちろん大事なことですけれども、それだけではなくてどういう商品を買うかというところも含めて、環境保全型社会をつくっていくための基盤となるものですので、そういう認識のもとに教育を進めていくということを、ぜひお考えいただきたいと思います。

○森嶌部会長 どうもありがとうございました。あとのご意見は切ってしまいましたけれども、これも時間がない、ということでお許しいただきたいと思います。
以上をもちまして本日の議題は終了させていただきます。何か事務局から事務的な連絡などございますか、よろしゅうございましょうか。
それでは、本日の総合政策部会を終わります。どうも活発なご議論をありがとうございました。


午後零時 閉会

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