中央環境審議会総合政策部会(第10回)議事録

開催日時

平成14年12月6日(金)13:00~15:10

開催場所

中央合同庁舎5号館第1会議室

出席委員

21委員

森嶌 昭夫
部会長
安原 正
部会長代理
廣野 良吉
専門委員長
青木 保之
委員
天野 明弘
委員
飯田 浩史
委員
江頭 基子
委員
北野 大
委員
鈴木 継美
委員
瀬田 重敏
委員
筑紫 みずえ
委員
鳥井 弘之
委員
波多野 敬雄
委員
福川 伸次
委員
星野 進保
委員
松川 隆志
委員
三橋 規宏
委員
宮本 一
委員
村杉 幸子
委員
横山 裕道
委員
渡辺 修
委員

議題

  1. (1)意見募集の結果について
  2. (2)環境保全活動の活性化方策について(中間答申)(案)について
  3. (3)エネルギー特別会計の見直しについて(報告)
  4. (4)その他

配付資料

資料1
環境保全活動の活性化方策について(中間答申)(案)に関する国民の皆様からの意見募集の結果について
資料2
環境保全活動の活性化方策について(中間答申)(案)
資料3
エネルギー特別会計の見直しについて
参考資料1
環境保全活動の活性化方策についての説明会、意見交換会等
参考資料2
地方意見交換会における意見の概要
参考資料3
環境保全活動の活性化方策について(中間答申)(案)パブリックコメント版
参考資料4
検討スケジュール
参考資料5
第9回中央環境審議会総合政策部会 議事要旨

議事録

午後 1時04分開会

○浅野環境教育推進室長 それでは、皆さん、こんにちは。定刻を過ぎておりまして、先生方、まだ少しお集まりが悪いようでございますけれども、総合政策部会を開会させていただきたいと思います。
 まず初めに、お手元の資料のご確認をお願いしたいと思います。
 議事次第に続きまして、議事次第の裏側に資料の一覧がございます。右肩に番号がございまして、資料の1に意見募集の結果について。2が中間答申のいわば変更案でございます。資料3がエネルギー特別会計の見直しの説明資料でございます。さらに、参考資料の1から5といたしまして、意見交換会等の概要等につきまして資料が並んでございます。ご確認いただきまして、もしも足りないものがございましたら事務局の方にお申し出いただきたいと思います。
 また、これまでと同じように、委員の先生方には、検討資料集ということで分厚いものをあわせて配付してございます。なお、お帰りの際には、こちらの方はまたお席に置いておいていただければ幸いでございます。
 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、会の進行につきましては森嶌部会長にお願いしたいと存じます。
 森嶌先生、よろしくお願いいたします。

○森嶌部会長 皆さん、こんにちは。それでは、第10回の総合政策部会を開催させていただきます。
 本日のメーンの議題は、前回もご討議いただきました、環境保全活動の活性化方策についての中間答申でございますけれども、議題としましては2つに分けてございまして、まず最初が、この中間答申の案、前回までの案につきましてパブリックコメントをいただきまして、国民の意見を広く募集をしておりますので、その結果についてご紹介し、質疑などがございましたらさせていただきたいと思います。
 2が、議題の2になりますけれども、これが本日のメーンなんですが、この中間答申を、前回のご意見、あるいはパブコメなどで寄せられた意見に応じて対応して、大幅に修正いたしております。これは全く大幅に修正をしておりますので、修正した案について皆様にご論議いただきたいというふうに思います。
 それから最後に、これは議題というよりも報告でございますが、エネルギー特会の見直し、石炭に関する税金でございますが、これについて簡単に報告をしていただくことにしております。終了はおおむね15時を予定しておりますので、よろしくご協力いただきたいと思います。
 それでは、ただいま申しましたように、議題1としまして、パブリックコメントの意見募集結果につきまして事務局からご報告ください。

○浅野環境教育推進室長 それでは、資料1をごらんになっていただきたいと思います。意見募集の結果ということで分厚い資料がございますが、これに沿いましてご説明させていただきたいと思います。
 開けていただきますと、この意見募集に対する結果の概要をまずまとめてございます。これにつきましては、前回の部会で中間答申の案をお示しいたしまして、字句等の修正を多少行った上で、11月7日から27日までの3週間、国民の皆様からの意見を募集するということで、いわばパブリックコメントを行ったところでございます。
 お寄せいただいた意見でございますが、53通お寄せいただきました。その個別の意見につきましては、その後のページ以下、まとめたものがございます。右肩の方に番号をつけまして、提出意見集ということで事務局の方で電子化したものを、これは受付順に番号をつけましてまとめてございます。かなりのご意見をいただきました。お目通しいただければと思います。
 具体的なご意見につきましては、事前に委員の方々にもお送りさせていただいたところでございますが、大変ボリュームもございますので、事務局といたしましては、その意見のポイントとなる部分を要約いたしまして、適宜、見出しの下に区分して整理をいたしました。その結果、意見の総数は延べ 253項目にわたってございます。提出状況は、以下のとおり、53通でございますが、なお、意見提出締め切り後に届いた意見もございます。これは、この取りまとめ作業の中には収められませんでしたが、一応できるだけ皆様のご意見をお聞きしたいということで、一括して参考とさせていただきますとともに、この資料の中にも、54から61でございますが、最後の方につけさせていただいたところでございます。
これが概要でございまして、続きまして、1ページ以下、事務局の方でまとめましたこれらの意見の概要と対応、これを、この中間答申の変更案、この後ご説明いたしますけれども、その項目に沿いましてまとめたものでございます。
 なお、この取り扱いにつきましては、一番上の表紙のところに書いてございますが、最後に、この答申自体の文章が確定した際に、ページ数ですとか、そういったところが修正が必要でございますので、最終的に確定した段階で正式に公表するものということといたしたいと考えております。
 それで、1ページ以下、大変ボリュームがございますけれども、簡単にポイントをご説明させていただきたいと思います。
 まず、意見の概要と対応を書いてございますが、特に、対応のところには、中間答申後の変更における記述につきまして、既に記述してあるものですとか具体的に修正を行ったもの、そういったところにつきましては、該当のページを挙げて具体的に書いているところでございます。また、それ以外につきましての個々の意見に対しまして、事務局として整理いたしました対応につきましてまとめておるところでございます。また、併せまして右端に番号が書いてございますが、これは、後にございます個々の意見に対応するものでございます。
 まず、「全体構成」でございますが、2点ほど意見がございました。一番初めに書いてございますとおりに、全体的な構成として、自主的な活動、それからNPO等の活性化、パートナーシップの取り組みの3つの側面に対応するものとしてきちんと整理した方がよろしいのではないかという意見がございました。これは、特に、パブコメの51番をごらんになっていただきたいと思いますが、村上さんという方から大変詳細な意見をいただきまして、また、後の方にございますけれども、マトリックスも参考資料として作成していただきまして、全体構成についてご意見をいただきました。これにつきましては、大変有意義なご意見でございますので、このご意見に従いまして構成を変更させていただいたところでございます。
 また、以下、1番の「はじめに」というところは3点ほどのご意見がございました。特に、例示をふやす、また定義等についてのご意見がございました。
 また、2の「状況・背景」等でございますが、最初の方の「気運の高まり」等に4点、また、2ページにまいりまして、「NPOの役割の拡大」等についても詳細なご意見をいただいたところでございます。
 次の「課題」につきましては、まず、「それぞれの立場での取組」、また3ページにまいりまして、「NPO活動の透明性」ですとか「基本的ルール」、「パートナーシップ」の関係、これらにつきましては、実際のそれぞれの皆様方、現地で活躍されている方々のご意見が多かったというふうに考えられますけれども、実際の経験に基づきまして、より具体的な、かつ詳細なご意見がございました。私どもとしても極力そういったご意見につきまして、記述を取り入れる、また、さらに深める、こういった観点をもとに記述の追加等を行ったところでございます。
 次の4ページにまいりまして、「人材の不足」につきましても、「人材制度」と、また「有効活用」、「NPOのスタッフ」の関係に、ご意見がございました。
 また、「情報の不足、偏在」、「資金の不足、使い勝手の悪さ」等につきましても具体的なご意見がございまして、それを踏まえまして追加等を行っているところでございます。
 6ページにまいりまして、4として「具体的な施策」。実際にはここにつきまして大変多くの意見をいただきました。まず、基本的な考え方のところ、また7ページから8ページにかけまして「各主体の責務や役割」、この辺のところにつきましては、特に地方分権との関係等、またNPOとの関係についてもう少しメリハリをつけた表現が必要である。市民活動の目的をきちんと書くべきである。また、地方公共団体の活性化が特に必要である。また、画一的に決められるべきものではなくて、各地の実情に応じて行われるべきものである。「行政間の連携」等につきましては、特に多かった意見は、省庁の横断的な取り組みが必要である。さらに、パートナーシップにつきましての実際の経験等に基づいた意見。また、やはり画一的な企画、方式ではなくて、地域の課題等に応じて十分時間をかけて構築すべきではないか、そういった意見等をいただいたところでございます。これも、言うならば、実際に活動されている多くの方々の経験等に基づきまして詳細な意見があったということで、そういった意見を取り入れさせていただいているところでございます。
 10ページにまいりまして、「基本的な仕組み」でございますが、これは、「基本方針」、それから「運営ルール」、「評議会」、こういったところについてのご意見がございました。これにつきましては、もともとお出ししておりました中間答申の案につきまして、この辺のあたりの記述が必ずしも明確ではなかったということから、具体的な内容ですとか、それに加えまして、もう少しその内容をはっきり書くべきであるといったような意見もございまして、こちらの方につきましては、事務局の方におきまして、その内容の具体化、さらには合意形成のプロセスにつきましては慎重に時間をかけて行うことが必要ではないか、こういった関係からの書きぶりを追加、変更等を行っているところでございます。
 12ページにまいりまして、またさらに、こういったパートナーシップを進めるに当たりましては、チェック、それからレビュー、そういったところが重要である。また、特に、地方評議会の点につきましては必要でないという意見もございましたけれども、地域の実情に応じて、また自発的な立ち上げが必要である、こういったような意見もございました。
 13ページにまいりまして、「環境教育の推進」でございますが、これは、かつて審議会でもご意見いただいたように、これだけでも大変広汎な分野でございまして、これも多くの具体的な意見をいただいたところでございます。特に、中でも「教育行政との連携」、これにつきまして、文部科学省をはじめ、各省との連携を強化する。また、特に学校等の場や機会を増加させる。また、人材の有効的な活用、こういったところの意見をいただいたところでございます。
 14ページにまいりまして、「人材の育成」でございます。これにつきましては、特に環境カウンセラーの方々を中心として、これも大変多くの意見をいただいたところでございます。これは、やはり各種人材等につきましては、民間も含めていろいろなものがございますが、特に、カウンセラー制度の再評価ですとか、コーディネート能力を有する人材の育成、さらには、それらについての既存制度の活用、また重複した制度の整理、こういったものがございました。
 16ページにまいりまして、特に、コーディネーターの能力を有する人材等を中心とした雇用の確保、また役割分担や整合性の明確化、また専門性を判断できる指標の整備、また資格制度の制定。17ページにかけましては、その能力の向上のための研修に当たっては、特にNPO等、民間団体の活用。さらには、いわば中間支援団体、そういったところの能力の活用。また、実際の研修等に当たりましては、講義のみならず、実地研修、これが必要である。NPO、市民の方はもとよりも、特に行政を担う職員に対する意識の向上を高めるための研修、こういったものが必要ではないかといったようなご意見が寄せられているところでございます。
 18ページにまいりまして、「情報の提供、共有」でございますが、これは、情報の公開のレベルの向上ですとかネットワークの強化、有効なシステムの構築。さらには、マスコミ等の既存の情報伝達手段の活用等の具体的な意見もいただいているところでございます。
 また、「拠点」につきましては、特に、「拠点整備の機能」ということでいろいろなご意見をいただいたところでございます。中でも、場所の設置もさることながら、特に、その運営に当たっては、やはりきちんとした専門職員。行政職員は異動があるということも踏まえて、専門職員の確保。それには、民間団体の参画ですとか、さらには民営の拠点への支援、こういったのもご意見としていただいたところでございます。
 さらに、「資金の確保」につきましては、これは自主財源の充実等の意見もございました。また、その多くは、民間団体に対する行政からの支援を拡充すべきと、こういった点について大変多くいただいたところでございます。また、特に、「地球環境基金等の助成のあり方」につきましては、その助成の配付先の決定に当たりましての効果的な運営、それから透明性の確保、さらにはその際への民間団体の参画、こういった意見もいただいたところでございます。
 22ページにまいりまして、「税制措置」についても必要だということでご意見をいただきました。
 さらに、表題がちょっと間違えておりまして恐縮ですけれども、パートナーシップによる措置を構築するためのあり方につきましても多くの意見を、22ページ、23ページといただいたところでございます。これも、ご意見の内容につきましては、記述の内容についてのより詳細な意見ですとか、また、具体的な中身について明らかにすべきということを、実際のパートナーシップを現場で構築されている方々を中心として、経験を踏まえて、アドバイス等も含めていただいたところでございます。特に、単なる上からのパートナーシップの構築の推進ではその取り組みは形骸化するですとか、透明性が必要である。また、その事務局、いわゆる人件費については、これの支援措置を積極的に講ずべきではないか、こういった意見が多くございました。
 23ページから24ページにかけましては、特に、資金面を含む支援策についてのご意見を多くいただいたところでございます。
 また、25ページにつきましては、「土地等の確保に関する協定」のご意見をいただきまして、これにつきましては、その積極的な推進、さらには税制上の優遇措置についての拡大につきまして、いわば要望等に関するご意見を大変多くいただいたところでございます。
 26ページにつきましては、「国際的な活動の活性化」ということで、特に情報の一層の提供、また人材・技術交流、こういったことでございます。
 5の最後でございますが、法的な支援のあり方ですとか、これは法律が必要なのか疑問であるというご意見もございました。また、あわせて、法律のみならず、施策を推進するための予算化、こういう意見もございました。
 さらに、最後、その他でございますけれども、今回は、この検討対象に加えまして、環境行政全般に対する幅広いご意見も含めていろいろなご意見があったところでございます。27ページから28ページにございます。直接答申に反映する云々ではございませんけれども、今後の私どもの行政に積極的に参考にさせていただきたいと思います。
 時間の関係もございまして、大変簡単に説明させていただきましたけれども、一応いただきました意見を項目に分けまして、事務局の方で整理させていただいたものが資料1でございます。
 なお、参考資料の1の1枚紙をごらんになっていただきたいと思いますが、前回の部会でもご説明いたしましたとおり、説明会、意見交換会ということで、幅広くいろいろな方々のご意見をお聞きするということで行っている状況をご説明した資料がございます。下の方でございますが、パブリックコメントがございますけれども、それ以外にも、仙台、福岡等で意見交換会というものを私どもで実施したところでございます。
 これにつきましては、資料1と同じような形にはまとめてございませんけれども、参考資料の2ということで、その意見の概要につきまして、これも項目立てが多少違って恐縮ではございますが、項目につきまして資料をお配りしているところでございます。特に、この場合には要望的なご意見も含め、幅広いご意見を各般の方々からいただいたところでございまして、これもあわせて、この変更案の検討につきましては十分に参考にさせていただいたというところでございます。逐一説明している時間はございませんが、お目通しいただければと思います。
 以上でございます。

○森嶌部会長 どうもありがとうございました。
 なお、パブリックコメントに多くの方がご意見を寄せていただきまして、先ほどご紹介がありましたように、中には、我々の答申(案)そのものの全体の構成から何から全部変える必要が出てくるような立派なコメントをいただきましたことを、この場をおかりして、コメントをお寄せいただいた方にお礼を申し上げます。
 なお、事務局も、これを全部整理するというのは大変な作業で、行革の折から大変だと思いますけれども、これも大変よくやっていただいたことを感謝いたします。
 それでは、ただいまのご説明につきまして何かご質問等ございましょうか。中身につきましては、また後で、この中間答申の案をご検討いただくときにおっしゃっていただきますけれども。
 どうぞ。

○廣野専門委員長 ありがとうございました。中身のことは後にして、ちょっと簡単に質問しますが、文章を読んでいて、方々で「NPO」と書いてあって、それから同時に、今度は「NPO法人」というのもあるんですね。これは2つをちゃんと使い分けしていると思うんですが、それは使い分けしていますでしょうか。よろしくお願いします。

○浅野環境教育推進室長 後ほど出てまいるところだったんですが、資料2の方の中間答申の変更案をごらんになっていただきたいと思いますが、めくっていただきまして、3ページをごらんになっていただきたいと思います。その下の方に語句の定義を書いてございまして、今回は、公益的な活動を担う組織・団体を指す総称的な言葉として、「NPO」という言葉を使うということで統一させていただきました。また、今お話のございましたNPO法人につきましては、特定非営利活動推進法、法律に基づく認定された法人ということで「NPO法人」という形で、使い分けをさせていただいております。

○森嶌部会長 ほかにございますか。
 なければ、この答申(案)の検討の際に、またご質問等がありましたらその際に言っていただくことにしまして、議題の2に移らせていただきたいと思います。
 それでは、大幅に修正をした案、中間答申(案)について事務局からご説明いただきたいと思います。

○浅野環境教育推進室長 それでは、資料の2をごらんになっていただきたいと思います。
 これにつきましては、ただいま部会長からもお話がありましたとおりに、大幅に変更したものでございますが、前回からの変更箇所につきましては、アンダーラインを引いてございます。
 なお、ただ、記述箇所を前後に大幅に変えたところもございますが、場所を変えただけのところは、煩雑になる等もございましてアンダーラインは引いてございません。恐縮でございますけれども、参考資料3の方に、前回お出ししました資料、これはパブリックコメント版ということで、語句の訂正等、前回お出しした資料から多少事務的な修正をした上でパブリックコメントに出しておりますけれども、その資料を参考資料3にお配りしてございますので、それと対比するとその変更箇所がわかるということになっております。大変見づらくて恐縮でございますが、そういう観点でごらんになっていただきたいと思います。
 それでは、1枚あけてもらいまして、目次でございます。ここで全体の構成の変更したところが多少わかるかと思いますが、先ほどのお話にございましたように、審議会で、特に、3の「課題」と4の「具体的な施策」の関係がいま一つはっきりしていないというご意見がございました。またパブコメでも構成の意見がございまして、そういったものを踏まえまして、構成も多少変更したところでございます。また、特に大きな変更といたしましては、パブコメ等の意見の中で、特に記述のより詳細な具体化。特に、NPO活動ですとかパートナーシップに対する考え方につきまして、いろいろな詳細なご意見もございましたので、そういったのも踏まえて記述を詳細化したというのが大きな変更の1点目かと思います。
 また、変更の2点目といたしましては、ただいま申し上げました構成のうち、課題と施策をきちんとリンクするように一応書き分けた、特に、「課題」の中で各主体、それからNPO、パートナーシップという3つの課題がそれぞれ混在していたというご指摘がございましたので、それを3つに分けて、わかりやすく記述したというのが大きな変更点でございます。
 なお、言葉使い等につきましては極力統一するように努めておりますけれども、時間の関係でまだまだ直っていない点もあるかと思いますが、お許しいただければと思います。
 この目次をごらんになっていただきますとおわかりのとおりに、特に、3の「課題」につきましては、この表題の変更も含めて、順番の入れかえ等、少し構成の変更を行っております。
 また、4の「具体的な方策」の方では、それを踏まえまして、順番の入れかえ等、またその内容の記述の詳細化、こういうのを行ったところでございますが、個別の項目の内容につきましては、事項の内容、それ自体についての変更は大きなものはないというふうに考えております。
 では、具体的な中身について簡単にご説明申し上げます。3ページでございます。
 まず、「はじめに」は、前書きでございますけれども、特に記述を詳細化いたしておりまして、保全活動を一層活性化させるための共通的、横断的な施策、こういった趣旨を書き加えております。また、その下には、NPOという言葉の使い方について、定義ということを書いてございます。
 4ページにまいりまして、2の「状況・背景」等でございますが、これは多少の記述の詳細化を行っております。
 その下の「気運の高まり」のところは、NPOの団体の数につきまして、環境NGO総覧の調査の内容を少し詳細にして書いてございます。
 5ページにまいりまして、上段は記述の詳細化でございます。
 (2)の「NPOの役割」につきましては、特に、NPOは横断的な活動ができる、また行政や企業の活動のチェック機能、また国民生活活動を促す機能、こういった機能の記述を追加しているところでございます。
 6ページにまいりまして、(2)の最後のパラグラフでございますが、一方で、環境関係のNPOの実態は大変厳しく多くの困難があるということの記述をつけ加えております。
 また、(3)の「パートナーシップの構築の気運の高まり」でございますが、これは、相互理解の推進、また対等の立場での展開、こういった考え方をつけ加えてございます。また、最後のパラグラフでございますが、形式的で実態が伴わないなどにより成果が十分に挙がっていないとの指摘もつけ加えてございます。
 (4)の「国際的広がり」。これにつきましては、海外での植林活動の例等の事例をつけ加えてございます。
 7ページにまいりまして、さらに、その現状として、最後でございますが、国際的な取り組みは、まだ、その数、分野とも限られているという実情をつけ加えました。
 3の「課題」でございます。冒頭に、先ほども申し上げましたとおり、活動をそれぞれ、アとして各主体の観点、イとしてNPOの観点、さらにウとしてパートナーシップの構築の観点、こういうものから整理して考えることが適当ということをつけ加えてございます。その上で、ア、イ、ウと、以下、わかりやすいように記述を分けて書いてございます。
 (1)の「基本的な考え方」でございますが、「各主体の自発的な活動」につきましては、これまで余り記述がございませんでしたので、自発的な活動についての現状。さらには、特に行政や事業者の課題。人的な資源に恵まれているが、体制がまだ不十分である。また、認識が浅いということで、せっかくの活動が十分に生かされていないきらいがあると書いてございます。
 8ページにまいりまして、「NPO」につきましては、NPOについての国民各層の理解が不足している。また、そのための情報公開、透明性を高めること等の記述をつけ加えております。
 また、「パートナーシップの構築」につきましては、必ずしもその分野について明確になっていないこと。また、対等の立場、相互理解、これが不十分で円滑な協力が得られていない場合が多いこと。また、特に、それらの理解が行政側で不足していること等をつけ加えてございます。
 また、(2)の「人材の不足」につきましては、これまでの記述に加えまして、活動をみずから推進する方に加えて、会費等でそれを支える人材、そういう意味での国民の関心を高めること、参加を促すこと、これをつけ加えております。
 9ページにまいりまして、また、それらの施策がばらばらで、せっかくの制度等が十分に活用が図られていないことをつけ加えました。
 ウの「パートナーシップの構築」につきましては、やはり行政におきます理解と認識の不足ということと人材の不足、これをつけ加えております。
 (3)の「情報の不足、偏在」でございますが、これは、前回の部会におきましても、情報についての記述が少しシャビーであるというようなご指摘もございまして、全体的に詳細化を図っております。
 まず、アの「各主体」におきましては、情報が適切に流れていない。また、入手がなかなかできない。行政におきましても、積極的に開示していこうという姿勢が欠けている。
 また、イの「NPO活動」につきましては、情報の偏在、また、なかなか公開、提供されていないことがございます。
 10ページにまいりまして、「パートナーシップ」関係でも、互いの活動に対する認識や資源等に対する情報が不足している。また、コーディネーターがやはり不足しているといったことをつけ加えてございます。
 それから、(4)の「資金」の関係でございますが、これは、寄附金や収益事業、さらには使い勝手の関係で記述を追加してございます。
 11ページにまいりまして、下線部がございますけれども、特に税制関係につきまして具体的な調査を、これは、環境NPOに限らず全般的なNPOに関する資料でございますが、税制優遇措置の要件の緩和に関することにつきまして具体的に書いているところでございます。
 また、ウの「パートナーシップの構築」につきましては、特に、コーディネート機能による効果がまだ不十分なために資金が集まっていない。また、さらには、NPO等におきます人件費の捻出に苦労している例、これをつけ加えているところでございます。
 (5)の「資源の散在」でございますが、これも記述の詳細化を行っているところでございまして、現在ではそれらの資源がばらばらに存在していて、なかなか有効的な活用ができていないということを加えてございます。
 12ページにまいりまして、「国際的」な観点でございますが、これも、記述が不足しておりました関係で、かなり記述を詳細化してつけ加えてございます。
 「各主体」につきましては、まだまだ十分な認識が不足している。それから、経済のグローバル化に伴う事業活動について。また、途上国に対する援助、それから国の指導的な役割の発揮、これについて言及しております。
 また、「NPO活動」につきましては、ネットワークの国際的な広がり、これの期待、また、それぞれの活動に対する課題としての語学力の不足、経験の不足、こういったのを挙げてございます。
 「パートナーシップ」につきましては、海外等の団体とのパートナーシップの必要性、13ページにまいりまして、そのための基本的な情報の不足、これをつけ加えました。
 その上で、4で施策を今回新たにし、また全体的に整理をし直しているところでございます。
 まず、(1)の「基本的な考え方」でございますが、前段は、事例について、それを追加してございますが、後半の方のパラで、特に、個々の活動が強化されるためには、横の広がりや連携を深めること、これの重要性につきまして強調して記述をつけ加えたところでございます。
 14ページで、基本的な考え方につきまして、よりわかりやすく記述を追加ないしは変更したところでございます。また、繰り返し等になりますが、後半のパラグラフでは、やはり共通的、横断的な枠組みへの構築、こういったものを強調してつけ加えているところでございます。また、最後のパラでございますが、取り組みの全体的な姿を示すことが望まれるということで締めくくっております。
 (2)の「責務や役割」でございますが、これも、やはり同様に、わかりやすく記述の追加等をしているところでございます。特に、14ページの最後のパラグラフにつきましては、それぞれの能力や立場に応じて、積極的、自発的活動になっていくことが求められるということをつけ加えまして、15ページにまいりまして、特に、行政機関における責務、役割等につきまして追加しているところでございます。また、政策決定に対するNPO等の参加、そのための積極的な情報開示とわかりやすい説明の実施、また、その政策の客観的な評価、さらには、それを次の政策決定に反映するための仕組み、こういったことの必要性をつけ加えてございます。中でも、地方公共団体がこのような活動に取り組む役割が非常に重要である、こういったような意見を踏まえまして記述を強化したところでございます。
 (3)「基本的な仕組み」で、基本方針や評議会のところを記述してございますが、前段として少し説明書きをつけ加えたところでございます。特に、ここでは、活動を進める上での基本的な考え方、また、パートナーシップのあり方については、社会的なルールとして明文化していくということが重要であるという基本的な考えを改めて明記いたしました。また、このルールですとか実施状況を定期的にモニターする、それらの明文化されたルールの見直しを行っていく仕組み、こういったような基本的な考え方を改めて前段で記述して、その考えの明確化を図りました。
 その上で、[1]として「基本方針」でございますが、これは、基本方針の記述が以前にもございましたけれども、より内容を明確に記述させていただきました。まず、国は、この施策を実施するに当たっての役割ですとか責務、また基本的な考え方、その他基本的な施策についての重要的な方針、長期構想などを内容とする基本方針を定めることが望ましいと書いてございます。この基本方針の作成に当たっては、幅広く国民各層の意見をお聞きすることが必要であるということで記述を変更してございます。
 また、16ページにまいりまして、各地方公共団体においても国に準ずるような基本方針の作成が望まれるということで記述を変更してございます。また、成果の評価及び見直しをここでもつけ加えてございます。
 2の「パートナーシップによる活動を推進するための評議会」でございますが、これも記述を詳細化しております。特に、全国評議会で議論する内容につきまして、各主体が連携のために果たすべき役割や行政との関係、パートナーシップのあり方等についての関係者の合意、こういったものを全国評議会でご議論いただくのが適当ではないかということで記述を明確化しております。また、地方公共団体における同じような取り組みについても望まれるというような形でまとめてございます。
 (4)「環境教育」関係でございますが、前段では、平成11年にいただいております当審議会の答申につきまして、もともとその内容を踏まえて書いているところでございますけれども、具体的に、もう少し詳しく記述をしたところでございます。
 17ページにまいりまして、具体的なご意見に基づいて記述の詳細化を図っているところでございますが、特に、後段部分では、企業における社員や公務員の教育・研修システム、また学校での総合的な学習の時間の活用、さらには教育担当者との連携、こういった具体的な施策の進展に当たっての留意点を具体的につけ加えました。
 (5)の「人材の育成」でございますが、ここは長文でございますので小見出しをつけております。まず、[1]の「人材の育成」の初めが「裾野の拡大」ということでございまして、多少入れかえは行っておりますが、これまで書いた記述をこういう観点でまとめてございます。
 18ページにまいりまして、「社会の各層に応じた参加の仕組み」。これもこういう観点でまとめました。
 さらには、「各種制度の把握、整理」ということで、これは、これまでの記述に加えまして、繰り返しになりますが、検証、評価、公表、これが書いてございませんでしたのでつけ加えてございます。また、いろいろな人材制度等の役割を整理し、円滑に活用、登用されるようにすることが考えられるということに加えまして、環境カウンセラー制度について大変多くのご意見をいただきましたけれども、現在の制度のあり方を活動実績が評価されるような仕組みに改善することを検討すべきであるというような形でまとめてございます。
 また、次のコーディネートの能力を有する人材でございますが、これが特に今後の活動を推進する上で必要だということでご意見がございまして、この記述を具体的に詳細化しております。また、これを先導的に活用する施策の具体的な中身も書き加えてございますし、特に、こういったリーダーについては経験が重要となるということ。また、これらコーディネーターの活動が認知されるような人材の雇用、こういったものについてもつけ加えてございます。
 19ページにまいりまして、「目標」。ここでは、数値的な目標の明確化ということの記述を詳細化しております。
 [2]の「能力の向上」でございますが、これは特に記述の強化を図ってございます。最後の方でございますが、研修に当たっては、特に、行政機関、地方公共団体の人材育成、また民間での制度におけるそれらの品質保証、こういった点について記述をつけ加えました。
 また、(6)の「情報の提供、共有化」でございますが、これは、全体的に記述を強化しているところでございます。特にポイントといたしましては、テレビ等のマスコミの活用や協力に対する期待、これがまずございます。
 それから、20ページにまいりまして、情報の相互提供と共有化、また実用的な情報が的確に広く提供されることの重要性。さらには、環境情報は、各種、環境省等で整備されておりますが、それをきちんと体系として整備すること。また、それの収集に加えまして、分析のための体制づくり、これを加えてございます。
 それから、(7)の「活動を支援するための拠点」でございますが、前段に、特にこうした支援拠点におきますNPOを支援するための団体、いわゆる中間支援団体の活動の場となるということが期待されるということで、記述をつけ加えているところでございます。また、具体的な期待される機能につきまして、下の方のアンダーライン部でございますが、外部の助成資金や人材に関する情報の提供、これをつけ加えております。
 21ページにまいりまして、さらに、ここにつきましてもいろいろなご指摘がございまして、具体的な例示ですとか、また内容についての記述をつけ加えました。特に、この支援拠点の運営のあり方につきましていろいろなご意見がございました。これらは、全国画一的な運営にするのではなくて、地域の実情に応じて効果的な方法を工夫する必要があるということ。また、特に、このような機能を維持するためには、行政職員のみで担うのは困難であるということで、専門的な能力のある職員を確保することが望ましい。また、それには、NPOに関する記述も、これまでもございましたけれども、さらに、民営の拠点に対する指定、さらには民間団体に対する積極的な支援、こういった記述も加えたところでございます。
 また、(8)でございますが、「資金の確保等」につきましては、21ページのところは前段についての記述を強化してございます。
 22ページにまいりまして、[1]「資金の確保」ということで、これは、冒頭は環境事業団の地球環境基金事業に関する記述でございますが、記述をより詳細化してございます。中段にアンダーライン部がございますけれども、特にパートナーシップの構築に対する支援。これは、後ほど記述がございまして、ここでは触れられておりませんでしたけれども、ここでも記述を加えてございます。詳細は後ほど記述してございます。また、後段のパラグラフでございますが、特に、基金への民間からの拠出、寄附でございますけれども、その具体的な方策として、例えば、この寄附を行う方と基金との距離感、つまり自分の出した寄附が実際にどう使われているか、より身近に感じられるように工夫する方策が考えられるということで、その具体策をつけ加えてございます。
 [2]の「税制措置」でございますが、23ページにかけまして、特に、特定公益増進法人制度、これも対象になってございますが、その対象の拡大。これについてはちょっと記述が抜けておりましたので、その記述をつけ加えてございます。
 (9)「パートナーシップを促進するための措置」でございまして、[1]、これは表題を「協定に基づく協働の活動を行う連合体」ということで少し変えさせていただきましたが、これも、前回の記述の内容をより具体化、明確化しているところでございます。特に、前段部分では、力を組織的に発揮していくために、専門、かつ専任の運営スタッフの設置が必要である、これを強調して書いてございます。その上で、パートナーシップ構築のための留意点、またその重要な視点、こういったものの記述をより明確に書いたところが23ページの下の方でございます。
 また、24ページにかけましては、特に、初期段階における人件費に対する支援の検討、また、さらには、こういった連合体を設けてパートナーシップによる活動を推進するための、支援措置ということで、例えば、税制措置上の要件の緩和、さらには環境法令の運用に関する配慮等の検討、こういったものが書いてございます。また、最後に、留意点といたしまして、対等な立場での参加、また、行政としては干渉を極力避け、自発性を最大限に尊重するという基本的な考え方を改めて明確に記述したところでございます。
 それから、[2]といたしまして、「土地等の確保に関する協定」ということで、これは、いわゆるナショナルトラスト運動に対する支援措置の記述でございますが、その中身の明確化を掲げたものでございます。最後のところには、[1]と同様に、地域での環境法令の運用に関する特段の配慮も検討できないかというものをつけ加えたところでございます。
 (10)の「国際的な活動の活性化」でございますが、記述が大変少なかったというご指摘も踏まえまして、記述を全体的に強化してございます。まず、前段では、地域の個々の活動が地球環境の保全にもつながっているという認識を深めていく、これが重要であるということをまず掲げまして、環境教育や情報提供、それらを総合的な視点で行っていくことが必要ということを書いてございます。また、国が行う開発途上国に対する支援の場合の環境に対する配慮の一層の充実、さらには、25ページにまいりまして、国際的な協力に当たり我が国の主導的な役割の重要性、また海外のNPO活動等の情報の国内へのNPO等への積極的な情報、こういった記述をつけ加えたところでございます。また、後段のパラグラフでございますけれども、NPO自体の海外での活動の展開に際する留意点を加えました。さらには、その支援措置といたしまして、地球環境基金の充実、さらにはNPOの海外での情報発信能力等の高度化、さらには、それに対するきめ細やかな支援、こういった記述をつけ加えて、その強化を図ったところでございます。
 以上が施策でございまして、申し上げましたように、全般的な記述の詳細化、それから構成の変更等も図りまして、より一層の記述の明確化、内容の充実等を図ったところでございます。
 その上で、最後でございますが、後書きという性格といたしまして、「環境保全活動のさらなる発展に向けて」ということで、これは、これまで書いておりました記述、特に中段のパラグラフでございますけれども、既存の制度の運用の改善を図ることはもとより、新たな法的措置が必要となる事項や法的に措置することが望ましい事項が含まれているため、この所要の法制化を含め、各般の施策の検討を進めていくことを提言するというような形で審議会の意見をおまとめいただいていきたいという案でございます。
 また、最後には、当審議会としてはまだまだ多くの課題が存在しており、この点を含め、さらに検討を深めていくことが必要であるということで締めくくっているところでございます。
 大変簡単な説明でございましたけれども、以上が前回と比べて変更した内容でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○森嶌部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ご審議いただきたいと思いますけれども、25ページにわたる文書ですので、一括ということですと議論が少し散漫になるかもしれませんので、まず、最初の目次はともかくとしまして、3ページから7ページまでの1.、2.についてご意見を伺いたいと思います。
 どうぞ、どなたからでも結構でございます。
 どうぞ、天野委員。

○天野委員 最初に、全般、大枠の話をちょっとしたいんですが、修正が大変多いんですけれども、私はこれは非常に評価したいと思いまして、1つは手順の面、それからもう一つは内容の面ですが、まず、手順としては、パブリックコメントが実質的に非常に大きな形で取り込まれているということで、これは、読み手の観点というのが非常にきれいに入ってきたということだろうかと思います。それから、いろいろな取り組みをエンカレッジするために、どういう障害があって、それをどういうふうに克服すべきかということが、非常に認識が大幅にふえたような印象を持ちました。それに伴って内容が厚くなったといいますか。ですから、そういう意味では、パブリックコメントは今までも何度かやっておりますけれども、これぐらい実効が上がったのは初めてじゃないかなという印象を持ちました。そういう点が1つ。
 それから2つ目は、これはまた後の部分に飛んでしまうかもしれませんけれども、今回初めてこういう考え方が出てきたかと思いますが、基本的に、国とか地方自治体と、それから民間の団体が、本当の意味で対等なパートナーを組まなければいけないということが非常にはっきりと書いてありまして、それを、ただ、こういう作文ではなくて、もっと明文化して具体化するんだというところまで踏み込んで書いてあります。私は、よくパートナーシップという言葉が出てくるんですが、本当の意味のパートナーシップが組めるような制度的な仕組みになっているのかどうか、大変疑問でありまして、例えば、人、物、金というのが国のものと民間のものが一緒になって、その中で意思決定も含めて対等に協働するということが、言葉だけではなくて、本当にできるのかという懸念があったんですけれども、そういうことをきちんと明文化して、それを見直しながら社会的なルールを根づかせていくという見方が非常にはっきり出てきたことは、私は非常に評価できるのではないかというふうに思っています。
 細かい点はまた後ほど申し上げます。どうもありがとうございました。

○森嶌部会長 それでは、どうぞ、どなたか。
 では、瀬田委員、どうぞ。

○瀬田委員 全体的な考え方というのは、意識とか認識とか、そういう点はこれで非常に整理されてきていると思います。ただ、現実面から見ますと、最近、ある農工大の先生の講演会等を聞き、またいろいろ勉強してみたんですけれども、例えば、炭酸ガスに関連して、森林の維持という点からといった、森林の維持とか保護体制とか、そういうかなり現実的な問題というものについては、これは今回の対象に、活性化対策というものにならないんでしょうかね。というのは、要するに、こういった意識とか認識とかがまず大事であると、そういうことでこういうふうになっているんだと思うんですけれども、これとは別に、平行して、非常に現実的な問題が、例えば、水の問題とか森林の問題とかというものにある。そういったことの知識をもっと高めていくということが、こうして全体を書いてみると、やはり抜けているかなという感じもちょっとするんですね。そういう点をちょっと感じました。

○森嶌部会長 ご指摘はよくわかるんですが、具体的な問題につきましては、例えば、環境基本計画の見直しというようなところでやっております。ここでは、いわば、枠といいましょうか、横断的な問題を書いたということで、多分、構成上も一つ一つ、例えば森林の問題なんかを入れてくると、なかなか構成がうまくいかないのではないかということもございますので、今のご指摘は、今後、こういう議論をしたという上に立って、例えば、環境基本計画の検討の際、あるいは、森林の問題ですと、もう既にこの間つくりましたけれども、生物多様性条約、生物多様性国家戦略なんかをつくるときに、ここでの議論というものを反映させるように考えていきたいというふうに思いますが。
 ほかにどうぞ。いかがでしょうか。
 実質は余り変わっていないんですけれども、非常に記述が加えられた。特にパブコメに基づいて記述が加えられたということと、それから、この間、ご指摘がありましたように、課題とそれに対する対策が比較的ごちゃごちゃになって、こっちにも出てくる、あっちにも出てくるというのをきちんと分けたというようなことでございますので。
 なお、前回おっしゃれなかったご意見等も踏まえまして、また、今回ご意見をいただいて、これをさらにまとめまして、次回にある程度取りまとめるという作業をしたいと思っておりますので、どうぞ、ご自由におっしゃっていただきたいと思います。
 どうぞ。

○廣野専門委員長 先ほど天野先生がおっしゃったことと全く同感ですが、ただ、もう一つだけつけ加えたいのは、今回の中間答申の中で、私は、やはりNPOの内容についてかなり踏み込んだ議論をしていますので、これは非常に高く評価できるかなと。従来、やはり政府としては、このNPOというと、何となく、自分たちの外にあるということで、ですから、当然、ある意味で、一種の警戒心と、それから同時に、いろいろな意味で遠慮もあったと思いますけれども、今回はこういう格好で、NPOの性格、あるいは役割分担ということについてかなり細かな、詳細な記述があるということで、私は大変うれしく思っております。
 あと、後ほど、そういうところに関連して、いろいろなことを後で、8ページ以下で申し上げます。よろしくお願いします。

○森嶌部会長 それでは、また戻ってきていただくことにして、1、2についてほかにございませんようでしたら、次へ進みますが、よろしゅうございましょうか。やはり問題になるのはこの後ということでしょうから。
 それでは、課題というところですね。7ページから13ページについて、かなり踏み込んでいろいろ書いてありまして、ここまで言っていいのかなという感じがしないわけではないところもありますが、どうぞ。

○廣野専門委員長 今のこの環境保全活動を進めるための課題ということで、この点について若干の意見を述べたいと思います。具体的に述べたいと思いますので、全般的には、私は、今、部会長の方から、そういう格好で、ここまで踏み込んでいいかなとおっしゃいましたが、私は、踏み込んでいいんじゃないかという、そういう考え方でいるわけですけれども、特に、幾つかの点でご指摘したいという点があります。
 まず第1は、12ページ、この「国際的な視点や能力の不足」は、私、非常に関心のあるところなんですが、そこで「各主体の自発的な活動」というのが書いてあるんですが、そこに、NPO活動については非常にはっきりとNPOということで書いてあって、それは非常に私も大賛成ですけれども、その上のところのパラグラフですね。「日本からの開発途上国に対する援助についても」というところなんですが、そこで、せっかく、この前、ヨハネスブルグでサミットが行われて、そこで実は合意された、非常に重要なことの1つとして、いわゆる共通だが差異ある責任原則ですね。この問題は、やはり私は、一応ああいう格好で政府宣言でも我々ははっきりとそういうことを申しましたし、かつまた最終的な実施文書の中にもそういうのが入っておりますので、特に最初のイントロのところと最後のところにですね。そういうことですので、この文章は、いずれ、何らかのときに英文にもなると思いますので、そういう外国の方々が読んだときに「なるほどな」と思うためには、やはりそこに私は次のような文章を入れたいなと。すなわち、「日本からの開発途上国に対する援助についても」、その後に、「ヨハネスブルグ・サミットで合意された、共通だが差異ある責任原則に基づき」というのを入れて、その後に「環境配慮の視点をなお……」と、そういう文章を入れておいた方が、仮に英文なんかに翻訳されたときに、なるほどということで、いろいろな国際社会の皆さん方がこれについて非常に高く評価してくれると思います。そういった意味では、ぜひその点、よろしくお願いいたします。
 今のところは10何ページまでですか。先生のおっしゃったのは13ページの上までですね。

○森嶌部会長 ええ、そうです。今は12ページのアのところの……

○廣野専門委員長 そうですね。お願いいたします。
 以上です。

○森嶌部会長 どうぞ、横山委員。

○横山委員 私も、全般的には前回に比べて大変よくなっていて、評価したいと思います。その一方で、NPOについて、やはりかなり厳しく指摘しているようなところがあるのが気になって、一方で、行政については少し婉曲な表現を使っている。これは私が気にし過ぎかわかりませんけれども、具体的に言いますと、8ページの「NPOの活動」の4行目の「NPOの中には、他の団体等の活動に関心を持たないような例もある」という、根拠なしに断定したり、その一方で、行政については、例えば、「パートナーシップの構築」の一番最後のところは、行政のことで「との指摘がNPO側から多くなされている」とか、あるいは、次のページの(3)の「情報の不足、偏在等」のアの最後のところには、行政側についてのことを書いて「姿勢に欠けるきらいがある」とか、行政になるとかなり婉曲になって、むしろ、やはりNPOの活動を今後支援していくとかということで盛り上げる方向で、NPOについての記述は余り断定的なことをしないで、むしろ、行政側については厳しく指摘するという方がいいような気がするんですが。廣野先生は何もおっしゃらなかったので、余計なことかもわかりませんけれども、以上です。

○森嶌部会長 今のご指摘になった点だけでいいますと、それは、NPOに何らかのかかわりがある場合には、ほかのところはもうほとんど関心を持たない。特に、フィールドが違うともう全然関心を持たないということがあることは確かなんですけれども、今おっしゃった点はですね。しかし、私が先ほど「ここまで踏み込んで」と言ったのは、「課題」のところでも、確かにそのとおりではあるけれども、ここまで踏み込んだ書き方をするのはいいのかなという、これは横山委員のおっしゃったようなことを私としてはちょっと感じないわけではなかったということですけれども、具体的に、それじゃ、どう書き直すかということなんですけれども、NPOの課題を指摘するところはみんなやめてしまうというわけではなくて、やはり書き方の表現についてということでしょうか、今おっしゃったのは。

○横山委員 そのとおりです。繰り返しになりますが、行政側については「きらいがある」とかというようなことをかなりやっている一方で、NPOの活動については断定していると、NPOの方から見ると、やはりお上の文章だなと。自分たちについてかなり批判的に見ているんだなという感じをどうしても抱かせるんじゃないかというのがちょっと心配です。

○森嶌部会長 わかりました。先ほどのところは、ほかのところに関心を持たないという具体的なところはともかくとしまして、そういう問題があるということで、一度、表現について、事務局にも、今、横山委員がおっしゃったような観点から気をつける。配慮して、もう一回見直しを一応するということにさせていただきたいと思います。
 それでは、今の問題について。

○廣野専門委員長 確かにそういうようなご懸念もあると思いますが、やはりこういう問題について、私自身も、たまたまNPO、今回のヨハネスブルグ・サミットのための提言フォーラムなんかで活動に参加していて感じたのは、あそこに参加してくれた団体は全部で45団体ちょっとあったんですが、やはりもっと広くということを非常に問いかけたんですけれども、ほかのいろいろな団体は、それぞれ自分のやることがあるからということで、そういうやつになかなか参加しなかったということ。
 それから、同時に、その後、ヨハネスブルグ・サミットが終わってから、何回か私たちも会合を持ちましたけれども、やはりサミットが終わると何となくすうっとしてしまって、それぞれ自分のまたもとの屋敷に戻ってしまうという、そういうところがあったりして、やはり私は、ここに書いてある意味は何かというと、やはりNPO自身がもっとしっかりしなくちゃいけないんじゃないかということを言いたいんだと思うんですね。だから、それについては私は大賛成で、やはりNPO自身がもっとしっかりしようということ。
 ただ、その書き方については、おっしゃるように、他の政府の、特に政府の主体との関係においてのバランスの問題ではあるかもしれませんが、ただ、こういうことは事実としてありますので、何らかの格好でここは、しっかりとこういうようなことは、書き方を若干変えるにしても、その事実そのものはちゃんと認識して私たちがこの中でやって、そして、そうすることによって、逆に、もう一つは、NPO自身の中でそれを問うだけでなくて、NPO以外のいろいろな団体、例えば、いろいろな経済団体の団体であるとか、その他もろもろの団体がありますけれども、そういうところから見ても、やはりこの書き方はかなり公平な書き方だなというような、バランスがとれているなという意味からもまた必要なんですね。
 そういう意味で、別に、NPO自身を強く批判しているわけでも何でもありませんので、ある意味では自覚をもっと求めるということでございますから、書き方について若干のそういう譲歩はあってもいいと思いますけれども、この内容そのものは事実でありますので、ぜひそういう格好でお願いします。

○森嶌部会長 私の申し上げたこともそうなので、指摘してあることが問題ではなくて、その書き方が、それこそバランスのとれたという意味で、横山委員だと、NPOにバランスが悪いといいましょうか、アンフェイバラブルではないかというようなことですので、表現の問題として、ぜひ私の方としても再度検討させていただきたいと思います。
 村杉委員は今のことに関連してですか。天野委員が手を挙げておられましたけれども、じゃ、今のことで関連してでしたら、どうぞ、先におっしゃってください。

○村杉委員 今の件ですが、私も、この書き方は、NPOの立場で見ますと、やはりちょっとひどいと思います。全部のNPOを知っているわけではありませんけれども、少なくとも、環境保全活動をしているNPOは、やはりお互いにNPO同士が協働で何かしようということになれば、他の団体の活動に関心を持つことになりますし、一生懸命努力をして、国民に理解をしてもらおうと努力をしているわけなんですね。それを認めていただきたい。ただ、それが、資金不足とかPR不足、いろいろな関係で行き渡らない点はありますけれども、やはり相当この辺は努力をしているというふうに私は感じております。もちろん、これは部分の書き方なので、そういうものがあるということは実際あるでしょうけれども、やはりその辺をもうちょっと、先ほどの廣野委員がお答えのように、バランスを持った書き方にぜひお願いしたいと思っております。

○森嶌部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、天野委員、どうぞ。

○天野委員 ありがとうございます。9ページの(3)ですけれども、「情報の不足、偏在等」。本文の2行目に、環境保全活動を行おうとする動機を持つためには、こういうことを知ることが前提となるという、その内容として、「環境の状況や環境保全活動の重要性と有効性」、こういうのがあるわけです。これはちょっと先になりますけれども、19ページに全く同じ表現が出てきますので、どちらも直してといいますか、追加をしていただきたいんですが、私は、ここに上がっている情報というのは、環境保全活動を行うために必要な情報の半分だと思うんですね。50%が書いてある。残り50%は何かといいますと、これは、環境に影響を及ぼしている主要な社会経済活動の状況だと思うんですね。それを知らないと、本当の意味の環境保全活動の重要性とか有効性というのは判定できないと思いますので、そこの部分、つまり、「重要性と有効性」の次に、「並びに環境に影響を及ぼす主要な社会経済活動の状況」というのを入れていただけないかというふうに思います。

○森嶌部会長 わかりました。
 それでは、安原委員、それから鈴木委員。瀬田委員はここではいいのでしょうか。2人。わかりました。

○安原部会長代理 全体としては、表現にいろいろ工夫が加えられて、よくなっていると思います。この7ページのところで、各主体の自主的な活動の基本的な考え方が未確立であるということが言われておるわけですが、環境基本法で言われているけれども、各主体が自主的な活動の必要性について認識していないと。行政、事業者からの情報資源の活用についての体制がなお不十分だということが示されているわけですが、現状はまさにこのとおりだと思います。それで、こういう非常に不十分な状態になっているのはどういう要因があるのかということですが、それにはいろいろな要素が絡まっていると思いますが、そのうちの1つとして、ここに環境基本法というのが出ておりますが、環境基本法をまさに全体として、国とか地方がリーダーシップをとりながら、全体の主体の協力を得て実施に移していく、そのための実施計画的なものが示されていない。環境基本計画があって、その具体化のための実施計画というのが明確に示されていないというところに一つの原因があるんじゃないか。国がそういうことを示しておりませんから、地方公共団体も、それを受けて、地域の実情に配慮した地方の実施計画というのがまだ--一部では策定されているのでしょうが、全体として策定されていないという状況になっている。そのことがかなり大きな要素ではないかと思うんですね。
 ですから、今、横山さんが行政の方は厳しいとおっしゃいましたが、まさに行政の方でもっと反省していただいて、そういうものの策定を急いでいただきたいと思います。そのことは、環境基本計画の各主体の連携と推進体制の強化という部分がありますが、そこで明確にそういう作業をすることになっているわけですね。それがいまだにきちんとした形での対応がとられていないということでありますので、環境基本計画を踏まえた各省庁の環境に配慮の方針とか、あるいは、それを受けた地方公共団体の実施計画の策定の必要性についてメンションしていただいたらどうかという気がいたします。そういうのを踏まえてこの後の具体的な施策の基本的な考え方につながって、そういうものがきちんとあれば、環境の現場で各主体がその状況を踏まえてどんどん自主的に活動していく、そのプログラム、考え方がきちんと出てくるんだろうと思うんですね。そういう意味で、割にここの表現のところが重要じゃないかと思いますので、もう一段工夫していただければどうかと思います。

○森嶌部会長 それを言い出すと、環境基本計画の点検をやっているのは我々ですから、まず最初に、国の各行政庁よりも、中央環境審議会が言いっぱなしで、ちゃんとやっておらんからこういうことになったんだという、まず自己批判をしなければならないことになりますけれども。課題のあれですので、もしもあれだとすると、課題としてこういうふうにうたわれているけれども、これまでそのための具体的な施策が、各省庁において、国において必ずしもとられてこなかったという指摘という形ではできるかと思いますけれども、またさらに、とるべきだということには、ちょっとこの課題の中では……

○安原部会長代理 今、森嶌さんがおっしゃったのは、そのとおりかもしれませんが、この中環審の環境基本計画の点検は、各省庁がそういう環境配慮の方針をきちんと決めて、それに即して各省庁でまず自主的な点検をして、その点検結果を踏まえて、この中環審として点検をするように改めましょうということになっているわけですね。ですから、その前提の作業でもありますから、中環審としてそういう注文をつけてもいいんじゃないでしょうか、各省庁に対して。

○森嶌部会長 それに反対するつもりはありませんけれども、各省庁がやったのが十分でなかったら、そういうものをちゃんとやっていないじゃないかというのを言うチャンスは今までも何回もあったということを申し上げたかっただけでありまして、決して各省庁はいいことをやっているのにということではありませんので。それは何らかの形で、全体の書きぶりのバランスからいうと、余りそこに力点を置くというのは難しいかもしれませんけれども、それも今のご指摘を工夫していただきたいと思います。
 それでは、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 ちょっと話題が変わりますけれども、12ページの「国際的な視点や能力の不足」というところがあります。これは、この題がまずわからなくて、国際的な視点の不足、あるいは国際的な能力の不足が何を--ちょっとここにどんな能力がないのかという問題が、どうもこのタイトルからはよく読めない部分であります。
 もう一つ気になりますのは、「各主体の自発的な活動」と書いてありますけれども、国際的な協力の場合に、あるいは援助の場合に、政府主体の、向こう側も政府だし、こっち側も政府だという形のつき合い方がどうしても強くて、NPO対NPOというふうな形のつき合い方の場合もあるんですが、必ずしもそれが全体としてうまく展開しないというあたりの問題が、これは、実際現地で援助活動で環境の問題を扱った人たちが悩みに悩んでいる部分がたくさんあるわけで、そういう実例は幾らでもあると思うんですが、その辺のところを考えに入れると、これは、もう少し整理しないと、「各主体の自発的な活動」というところから書き始めるのがいいのか、あるいは実際に国際的な協力の問題を前面に出した形で問題を扱った方がいいのではないかというような気がするんです。この部分がどうもはっきりしないなというのが私の印象なんですけれども。

○森嶌部会長 ありがとうございました。この分け方が、前と同じように、各主体の自主的何とか、それからNPOの視点から見て、それからパートナーシップの視点から見てということで、そんなふうに、ちょっと国際協力の場合には国内的なアプローチと少し違うところがあるのかもしれませんので、この点も、今のご指摘を考えて、今のご指摘を受けてやっていただきたいと思います。
 なお、タイトルにつきましては、これは、視点というのと能力というのは、元来、全然次元の違うものですから、それを並べちゃったのでわかりにくいという、そういうことはあると思います。これは国語の問題ですので、お考えいただきたいと思います。
 それでは、瀬田委員、どうぞ。

○瀬田委員 このいろいろな例とか、あるいはこういった具体的な方策というのが書いてありまして、大変わかりやすくなっていると思うんですが、私も、今の12ページの真ん中のあたりでちょっと気になりますのは、細かいところかもしれませんが、「海外での植林への労力提供」というふうに書いてあるんですね。イのNPO活動の、ちょうど真ん中よりちょっと上ぐらいのところです。
 労力提供というのは、極めてこれは、本当言うと非常に非現実的な問題でございまして、私も、この前、経団連の自然保護協議会というところで、実際に中国とかタイとか、その辺の植林状況を見に行って、そこで痛感したのは、やはり植林というのは、植えるのは全体努力の中のせいぜい10%ぐらいであって、あと残りの90%はその維持にあるんですね。しかも、それの現地におけるノウハウというか、現地の状況というのは極めて大きなものがあって、例えば、内モンゴルのすぐ近くあたりというのは冬はマイナス20度になって、春は猛烈な風が吹くわけですね。そうすると、幾ら植えても苗木が吹き飛ばされてしまう。だから、どうしているかというと、最初は非常に小さな苗木を植えて、それを、冬の間は人の手で土をかぶせて埋める。春になって、風がおさまったころに土をどけて、それから1年間太陽に当てて育てる。次の年にまたもう1回やる。二、三年やって、ようやく苗木が根づいて、風で吹き飛ばされなくなってくるんですね。それで、日本人がそんな労働提供を実際問題として出来るのか、それに現地に日本人1人を派遣する費用で現地の人を何十人も雇える。とにかく、費用対効果でいうとそれくらいのものがあるということが1つと、それから、日本人が幾らそれを植えたところで、現地の人がそれを自分の価値として認めなければ、それは全部盗伐というか、要するに盗まれたり、あるいはそのまま放置されて立枯れになるという結果になってしまう。
 ですから、やはり植林というのは、サイエンスと、それからこの現地にかかわるノウハウと、それからもう一つは地元の利というものにかかわるだろうと思います。したがって、ここは、「労力提供」という書き方をするとちょっと誤解を与えるのではないか。私はたまたまそういう実感を持って見て、これが一つ気になったんですけれども、具体策というのをいろいろ書くと、この反対側の面がいろいろ出てまいりますので、やはり書かれた具体策については1つずつ吟味が必要かなという感じもちょっとするわけです。
 以上でございます。

○森嶌部会長 このほかの例もありますので、例えば、「植林への協力」というような書き方でしたらどうでしょうか。

○瀬田委員 例えば、植林へのより実効ある協力とか、そういったような形の方が現実的だろうと思います。

○森嶌部会長 わかりました。
 それでは、三橋委員、どうぞ。

○三橋委員 これは全体的によくできていると思いますけれども、1つだけ、「環境保全活動を進めるための課題」で1から6まで上がっていますね。これはみんな重要だと思うんだけれども、ここに一つ、環境教育の不足みたいなものが入った方がいいんじゃないかなというふうに思うんですよね。それは、要するに、働いていない子供はこの活性化の枠から外れちゃっているような感じの叙述なんですね。それで、4の「具体的な施策の考え方」の中では環境教育の話が入っているわけですよ。だから、受ける形で、その3番の1から6まである課題のどこかにやはり環境教育の不足みたいなものを上げて、それを強化するというのを4番で受けるというような形になった方が、指摘としてはいいんじゃないかなというようなことを申し上げたいと思います。

○森嶌部会長 ありがとうございます。そういうふうに工夫していただきます。
 よろしゅうございましょうか。時間もありますので、もしも……。瀬田委員は、さらにということではありませんか。
 それでは、多分一番議論の出そうなところで、その次の「具体的施策」について、13ページから最後までということでございますが、これについてご意見を賜ります。
 どうぞ、星野委員。

○星野委員 さっき、安原部会長代理もちょっと触れられましたが、ここの節がやはり一番大事だと思うんです。それで、特に3ですかね。環境保全を進めるための基本的な枠組みというところがしっかりしていれば、恐らくこの推進方法というのはきちんといくんじゃないかなという希望を持っておるわけで、そういう立場で発言をお許しいただければ、その[1]で、国と地方と、それからその他の参加者といいますかのつながりが、基本的考え方についてどうやってみんなで徹底させていくかというつながりがここでつくられて、書かれていると思うんですが、最初に「国は」とありまして、国が基本方針を--では、そこのパラグラフの一等最後。一遍に言っちゃうと、「基本方針を定めることが望ましい」。その次が、地方はそれに準じてと、こういうふうに書いてあるわけですね。これは、環境基本法も、たしか役割の方でそういうふうになっている。この辺に否を言うわけじゃないんですけれども、そのまま素直にとっていくと、何か、国からだんだんトップダウンして、それで、本来、この環境問題の実施というのは、先ほどからさんざんご議論がありますように、一番現場に近い方々が一番よく知っていて、一番頑張ってもらわないと本当は何もできないんですよね。30年代の環境以来、そういう経験の積み重ねですから。だから、そうなるとトップダウンふぜいではよくないので、そこで、恐らくこの作者は、[2]で評議会というのをつくって、ここでそれをうまく調整していこうと、こういう考えなんだろうと私は勝手に理解したんですが、これはなかなかうまい方法だと思うんです。
 国と、それから地方とがそれぞれ持って、ここでは国の評議会の言うことを地方の評議会は聞けということは何も書いていないので、それぞれの評議会が、それぞれパートナーがみんな集まって、あんばいよく、基本方針からモニタリングから何から、みんな知恵を出し合おうじゃないかということだろうというふうに理解しておりますので、この仕組みは大変よろしいと私は思うんで、これがあるから先ほどの1の方も生きてくるんだろうと思うんです。
 そこで、ただ1つだけお願いなんですけれども、[1]がああいうふうに垂直的に落っこってくるものですから、この[2]のところで少し厳しくした方がいいかなと思うのは、真ん中に、「国レベルにおいて全国を対象に」云々と7行ぐらい書いてあるわけですが、その7行目に「評議会の構成や議論の方法については、民主性と透明性を確保することが必要である」と、「必要」になっているんですね。だから、国について少し厳しく縛る意味では、「透明性が確保されなければならない」とか、「必要」じゃなくて、断言的に書いちゃうと、国がしゃしゃり出てきて、[1]を使ってトップダウン型でやることを防げるんじゃないかと、こういうふうに思ったものですから、もしそういう発想でもいいのかどうかということで発言をお許しいただきました。

○森嶌部会長 私はそういう発想でなければならないと思っておりますけれども、今のご意見は十分ほかの委員もご賛同なさると思いますので。そういう観点から見ると、トップダウンはトップダウンのまま知らん顔をしているところもありますので、2のところ、あるいは1のところで2のところの関係についても少しティファしておく必要があるのかもしれません。
 それでは、どなたが先だったか、ちょっとあれなんですけれども、今までご発言がない方から。
 宮本委員、どうぞ。

○宮本委員 ありがとうございます。非常に精力的なパブリックコメントをされたり、その内容をこの中に取り入れられて、これらは非常に高く評価するものであります。ただ、この全体として、私は、やはり主体が自主的、自発的にやっていく。それをサポートするのが自治体であるというのは、私は非常に結構だという形をとります。そのために、自発的、自主的にやるためには、皆さんが活気を持ってやらなければいかんというように思いまして、この中の19ページのところから、「情報の提供、共有」という点に入るのではないかなと思うんですけれども、ここの中で、各主体がこんなことをやった、あんなことをやった、それによってこういう効果があったということを多分出されるんだと思うんですね。我々、企業から見ますと、こういうときはトップランナー方式というのをよく使うんです。どういうことかというと、非常によくやったところをみんなにPRいたしまして、皆さん、どうですかと、こう言うと、ああ、なるほど、こういうこともあるんだなということで、みんなが見習っていくと非常に底上げになる。また、お互いが切磋琢磨し、新しいものをつくろうと、そういうことが出てくるので、そういうような形の表現ができれば非常にありがたいかなというのが1つであります。
 それからもう一つは、これはいいかどうかちょっとわからないんですけれども、こういうような活動の発表会というようなものを、例えば、地方自治体とか国がやって、それをまたみんなが批判し、勉強するというようなことも一つではないかな。さらに、できたら、環境大臣が表彰するというような、表彰制度というのも一つ考えられると、こういうものがよりますます上がってくんじゃないか。特に、NPO、NGOさんというのは、そういうことをみんなに知ってほしいという気持ちが非常に強い団体だろうと思いますので、そういうものをお考えいただいたらどうかなと、かように思いました。
 以上でございます。

○森嶌部会長 大変具体的、かつ積極的なご意見、ありがとうございます。普通言われる、いわゆるベストプラクティスをみんなで出す。それで、例えば、環境報告書については、あれは環境省が出しているんですね。環境報告書大賞みたいなのですかね、出して、結構、皆さん、それに応募してやっていますけれども、他方でいうと、みんながそれぞれ工夫してやっているのを国がランクをつけるのは何事だという声もないわけじゃないんですけれども、お祭として私は大変あれだと思いますので、そうしたお考え、宮本委員のお考えはこの中に割合盛り込みはやすいんじゃないかと思いますけれども、盛り込んでいただきたいと思います。
 それでは、鳥井委員、まだご発言がありませんので、どうぞ。

○鳥井委員 1カ所だけ気になるところがありまして、16ページの「パートナーシップ」で、全国評議会並びに地方評議会の話なんですが、これは、事務局がしっかりしていないと、こういうのは続かないだろうと思うんですね。だけれども、国が事務局をやると、先ほどの話だと若干うまくないかもしれないわけですね。だけれども、国以外に、事務局を本当にちゃんとやってくれる、何か、何条委員会というのができてもいいかもしれません。それでも国は国です。ここは、事務局の機能というのをちゃんとどうやってつくるのかを書いておかないと、実は、砂の上の建物になっちゃいそうな気がするので、そこだけがちょっと気になっております。

○森嶌部会長 わかりました。どういうふうに書けるかよくわかりませんが、ご指摘の点は検討をしていただきます。
 それでは、青木委員、どうぞ。

○青木委員 ありがとうございます。余り格調の高い話じゃありません。用語だけの話ですが、15ページの3行目、行政機関のところで、「環境によいことをする責務」、また同じような表現が14ページの下の方にもあるんですが、この表現がちょっと気にかかっておるんですが、ここの場でヒアリングがありましたときに、行政にいろいろ相談に行っても非常に冷たいというお話が、環境部局でない、他の部局だと思いますけれども、理解が悪いというご発言がかなりあったことが印象に残っているわけですが、そういうことを頭に置いてここを読んでいきますと、各部門、特に事業部門なんかで考えますと、そういう部門では、自分たちは、例えば、生活環境によいことをするための仕事をやっていると、こういう認識でやっていると思うんですね。ですから、これは当たり前じゃないかという話になっちゃって、ちっとも改善にならないのではないかという気がいたします。
 この「環境によいこと」という表現は、この報告書では2ページのところで書かれているわけですけれども、これは、民間の方々が環境によいことをしようということで意識が高まってきて、いろいろな活動をやっているという意識で書かれておられているので、それと国とか地方公共団体等の行政が環境に対して持っている責務というのはちょっと違うのだろうと思うんですが、そこが混同される嫌いがあるのではないか。そうだとすると、これは初めのところでしたか、これは各部門のいろいろな責務というところで書いておられるような、例えば「環境を保全する責務」とか、そういうような表現に変えられた方がいいのではないかというような気がいたします。
 以上です。

○森嶌部会長 ありがとうございました。
 では、天野委員、どうぞ。

○天野委員 2点ありまして、15ページの(3)と次のページの(4)ですが、まず3の方ですが、これは、先ほど、私、ここに書いてある社会的ルールとして明文化をして、その状況をモニターしてルールの見直しをすると、この考え方は非常に評価できると申し上げましたが、次のページに行きますと、そのパートナーシップの組み方というのは、先ほどからいろいろご指摘が出ていますように、余りはっきりしないんですね。地方公共団体等については、環境保全活動に参画する者が対等の立場で集い、合意文書を作成しと書いてあるんですけれども、これに対応するような、国が入ったものが何かと思って探してみたんですけれども、全国評議会のような形で、どうもはっきりしないんですね。ですから、私も、先ほどから申していますように、本来のパートナーシップというのは、このペーパーでは6ページに定義してありますけれども、3の「基本的な仕組み」は別にしまして、[1]のところ、あるいは[2]のようなところに落とし込んだとき、その6ページの定義がどういう形で生きてきているのかというのがもっとはっきりする形で書いていただけたらと思います。ですから、地方公共団体についてはこういうことをやるのはいいと、望まれると書いてありますが、同じことをやはり国にもお願いしたいというのが1つです。
 それからもう一つは、次の4の「環境教育・環境学習」ですが、私は、これは非常に重要なことですけれども、教育というのがどういうふうに認識されているのか、ちょっと疑問を感じまして、後に出てきますのは、学校が出てくるんですね。しかし、今まで学校といいますと、大学、大学院は入らないわけです。つまり、学校教育とか、それから家庭教育とか社会教育とかいう言い方をするとすれば、恐らく大学、大学院は高等教育という言い方をするんじゃないか。ですから、高等教育と入れないと、文部科学省の高等教育とこれは全然関係がないというふうな、そんな感じにもなりますので、私は、むしろ、この中に、やはり大学、大学院も含めた環境教育というのを書き込んでいただけないかなというふうに思います。これから、例えば、経営大学院とか法科大学院とか、そういう専門職を育成する大学院が非常に重要な役割をしますけれども、そこで環境教育というのをびっちりやっていただくということが大変大事だろうというふうに思いますので、それはぜひここに何かの形で入れ込んでいただきたいというふうに思います。後ろの「人材の育成」のところでも同じことがありますので、そこにも目配りをして、そういうことをお願いしたいと思います。

○森嶌部会長 ありがとうございました。
 それでは、三橋委員、どうぞ。

○三橋委員 22ページから23ページにかけてのNPOとこの資金の確保の問題なんですけれども、私は、NPOを、いわば積極的に環境活性化のために貢献してもらうということについては、例えば、NPOを公共投資の実施主体として位置づけるというようなことを将来検討していく必要があると思うんですよね。例えば、山の手入れやなんていうようなことが公共投資の対象になってくれば、そういうことをやっているNPOの連中の方がはるかに効率的にやっていくことができるんですよね。だから、公共投資というのの対象としてNPOを考えるということについては、いろいろな異論とか反論があると思うんだけれども、将来を考えれば、そんなことは当たり前になると思うんですよね。だから、ここのところの最後の部分に、23ページの(9)の次あたりに、課題として、公共投資の実施主体としてNPOの役割を考えていくと、あるいは検討するというようなくだりを入れておいてほしいなというのが私の要望です。

○森嶌部会長 ありがとうございました。
 では、廣野委員が先に挙げられたと思うので、どうぞ。それで、その後、北野委員、どうぞ。

○廣野専門委員長 私は3点あります。まず第1は、17ページの一番最後のところに、この「人材の育成」のすぐ上のところですが、「さらに、ヨハネスブルグ・サミットで国連」云々と、こう書いてありまして、その後に、「『持続可能な開発のための教育の10年』については、」、その次に「関係府省や国際機関等と連携を図り」と書いてあるんですね。だから、やはり今私たち、NGOで一生懸命やってるのは、まさにNGOとしても何らかのこういうものについて主体的にかかわっていくということであって、そうであるとすると、やはり政府としても関係府省や国際機関だけじゃなくて、NPOとの連携を図る必要があるので、「NPO」というのを入れていただくということが重要かな。これがやはり入らないと、日本の、今一生懸命やっているいろいろなNPOがかなり失望するんじゃないかなと思うので、ぜひ「NPOとの連携」と入れていただきたい。これが第1です。
 それから、第2番目は、次の、ページ数で申しますと22ページ。そこに、真ん中のところに「人件費を支援する仕組みの一つとして」と書いてありまして、「一定の公益性、継続性が担保されるパートナーシップによる環境保全活動については、その立ち上がり期間に限って人件費を」云々と書いてあるんですが、ここは、あくまでもイントロ的に書いてあると。その後に細かに書くんだといって、24ページに実は書いてある文章がある。文章の一番上ですね、24ページの。全く同じ文章なんですね。すなわち、もうちょっと詳細に書くといいながら、実は全く同じ文章を使っているということで、私は、やはりここの24ページの上の方は、22ページの真ん中を受けて、もう少し詳細に書いた方がいいんじゃないか。これが第2点。
 それから、第3点は、まさに今お話のあった点ですが、実は、NPOは実際に公共投資の面で物すごい大きな役割をもう既に果たしているんですね。それですから、私は、もうちょっと一歩深めて、例えば、現在の、私、この前、たまたま地球環境基金のことで霞ヶ浦へ行ってきたんですけれども、霞ヶ浦のNPOは実際に国土交通省の公共投資をやっているわけですね。だから、現にそういう格好で膨大なあれをやっているわけであって、彼らがコーディネートして、すべてやっておりまして、まさにNPOがそういう格好でやっているわけですね。そういうことは、もう現に日本の各地にいろいろな格好でできておりますので、今のお話で全く大賛成ですが、ただ、もうちょっと一歩深めて、それを強化するという、そういう方向でぜひ……

○三橋委員 下請けじゃなくてね。

○廣野専門委員長 そういう格好です。そうですね。だから、そういう格好で、それを強化するという格好で考えてくれた方がいいんじゃないかと、この以上3点です。
 あと、本当に小さなことでちょっと済みません。これは、言葉の問題にこだわるものばかりであれですけれども、言葉の問題で、18ページのところに横文字で書いてあるんですね、「コーディネート能力」なんてね。僕は、コーディネートなんていう能力なんて、これは一般に言ってもちょっとわからないんじゃないかと思うんですね。コーディネートをやっている方はわかるんですよ、何を言っているか。ところが、一般の方々は、やはりコーディネートと言ってもちょっとわからないんじゃないか。もちろん、今、最近では、デパートその他でカラーコーディネーターとかいろいろいますから、そういう言葉でご婦人の方はわかっているかもしれませんが、僕は、やはりもうちょっと日本語を使ってほしいなというふうに思うんですね。特にこれは政府の文書ですから、できるだけこういう外来語を使うんじゃなくて、日本語を使ってほしいということで、今、コーディネートということについて一般的に私たちが今使っている日本語というのは、相互啓発・調整なんですね。相互啓発・調整。やはり単なる啓発じゃなくて、相互に啓発していくんだという、そういう意味がある。それともう一つは調整であって、そういう意味では、コーディネート能力を有する人材というよりも、相互啓発・調整能力を有する人材という格好で入れかえていただいて、できるだけ日本語をきちんと使うということをお願いいたします。

○森嶌部会長 どうもありがとうございました。ただ、先ほどありました、24ページでもっと詳しく書けといっても、詳しく書く材料がないので、これを見ますと、「など組織の運営に対する支援について」もっと検討しろと書いてあるので、今のご提案を拒絶するつもりはありませんけれども、今のお話のうちで、ここの点は、事務局も、やれと言われてもちょっと難しいかなという感じはいたしますが、それはコメントで。
 では、北野委員、どうぞ。

○北野委員 16ページの(4)の「環境教育・環境学習の推進」のところなんですが、上から3行目に書いてありますように、「具体的な行動や実践活動につなげていく」という、この実践につなげていくというのは非常に私は大事だと思っておるわけです。理解して、判断して、それをいかに行動につなげるか。そうすると、ここでこの文章、いろいろ手法は書いてありますし、また、この中で具体的なことを書く欄ではないと思うんですが、やはり環境教育・環境学習を促進していく目的というのは、それを理解して、判断して、行動につなげるんだという、その辺の部分をもうちょっと強く書いていただいた方がよろしいんじゃないかなと思いました。
 以上です。

○森嶌部会長 ありがとうございます。
 それでは、横山委員、それから鈴木委員、お願いします。

○横山委員 19ページの下の方の「情報の提供、共有」でマスコミの話が出てくるので、一言あれしたいんですが、1として、やはりマスコミの協力というか、連携とかというのは非常に重要だと思うんですが、下から3行目の「さらに新聞やテレビ等のマスコミの活用や協力に」というところ、「活用」はやはりちょっと……。例えば、ほかの文書に「中環審の活用を」と書いていたら我々が反発すると同じように、「活用」はやめて、単に「マスコミの協力」ということがいいのではないかと思います。
 あと、17ページの下から4行目に、「人材をNPO等において活用する」と。これはほとんど抵抗がないと思うんですが、「マスコミの活用」というようなことは少し抵抗がありますので、お願いします。

○森嶌部会長 中環審については活用してくれないので困っていて、中環審の活用と言ってくれれば、むしろ私の方は喜びますけれども。
 鈴木委員。

○鈴木委員 またしても国際協力の話なんですけれども、25ページ、「なお、国内のNPOが」云々と書かれた、この文章が入ったのは大変結構なことだと思うんですね。「わが国とは大きく異なる現地の生態系に対し十分な配慮を払うなど」というのは、これは非常に大事なことですけれども、肝心の、相手側の人間のことが何も書いていない。異なった価値の体系だとか、あるいは物の考え方、また地域、違った文化を持った人が向こう側にいるわけで、その人たちのむしろ主体性を大事にしながら、現地の自然の生態系の事情も見ていかなければいけないはずなんですが、そこのところがどうも書けていない。しかも、困ったことに、これは国内のNPOの話だけになっていまして、どんなレベルの協力であっても、実は、今申し上げましたようなことが入り用なのではないかなと、そう思います。

○森嶌部会長 ありがとうございました。ちょっとどういうふうに対応するのかあれですけれども、検討をさせていただきます。
 それでは、筑紫委員、どうぞ。

○筑紫委員 17ページの人材の確保のところでございます。それで、「裾野の拡大」というところで下から5行目ですけれども、「企業、各種団体や行政の中には、その退職者も含め、経験、認識、知識などに裏付けられた実務能力など様々な能力を有している人材が多くいることから、そのような人材をNPO等において活用することを支援する施策の検討が必要である」とあるんですけれども、ここは、NPOではないんですけれども、NPOのような貧乏な営利企業に対してはこういうことをやっていただけないのかなと思うんですね。
 といいますのは、私どもは株式会社なんですけれども、今思いますと、会社がつくられた1998年というのは、全くこのNPOのような考え方がまだありませんで、それと、やろうとしていたことは、実はNPOでやれることだったんですけれども、最初に取引をしようと来たところから、「株式会社でなければ取引をしない」と言われたので、仕方なく株式会社になったという経緯があるんですけれども、それで、こういう行政とか、それから、そういったところからの人材というものを、特に新しい分野で求めたいと思いましても、今、株式会社に対しては、出向とか、いろいろな形で民間と行政との人材交流ということがあるんですけれども、それである省庁に打診をしたことがあるんですけれども、そうしましたら、向こうの条件というのが非常に厳しいといいますか、とても私どもが出せるようなあれではなかったので、ちょっとあきらめたいきさつがあるんですけれども、ここのところで、そういう意味では、NPOに対してそういう施策があるとすれば、民間の環境に関連したようなベンチャービジネスですとか、そういったところは、資金とか規模とかいう意味ではNPO的なところがたくさんあるわけなんですけれども、そういったところに対しては、ちょっと手前みそかもしれませんけれども、このような人材交流のための施策というのを検討するということはどうなんでしょうかということをちょっと感じました。

○森嶌部会長 おっしゃることはよくわかったんですけれども、ここへ「NPOと似たような株式会社」というわけにもいかないので、ちょっとそれは、今のご趣旨が入るかですね。ご発言の趣旨はそうだと思うんですね。企業からNPOへ出せというのはいいんだけれども、企業や、特に行政から株式会社と名のついているところへ出してくれというのは非常にやりにくい。しかし、実際には、NPOと小規模の一種のベンチャーのところでは同じではないかというご指摘はよくわかるんですけれども、ちょっと書き込めるかどうかわかりませんが、ご指摘は検討してもらいます。
 それでは、時間が来ておりますけれども、なお、もうちょっとこういうことを言っておきたかったということがありましたら、先ほど申しましたように、今回でなく、次回に取りまとめを行いたいと思っておりますので、来週の10日ごろまでに、もうちょっとこういうのを入れろということがございましたら、事務局の方に意見を提出いただきたいと思います。また、本日ご欠席の方にもそのように連絡をして、意見を出してください。

○鳥井委員 これは、文章が、やはり一つ一つのセンテンスが長過ぎるので、今度つくられるとき、それぞれ2つか3つに分けて文章にされることを……。

○森嶌部会長 これはいつでもありまして、私は霞ヶ関文学と言っているんですけれどもね。今回のはそれほどでもないんですけれども、特に、省庁間の調整をやりますと、あっちの省庁が言ったやつを「が」でやって、そこで、そこに、途中で「ではあるが」なんていうのが入りまして、よくよく読むと何だかわからないというのがありまして、そういうことに熟達している人たちに、文章を短くしろ短くしろと言ってもなかなかあれですが、できるだけ心がけていただきたいと思います。むしろ、鳥井先生や横山先生にお願いをして、エディティングをしてもらったらいいのかもしれませんね。今度はちょっと文章が短くなり過ぎてしまうかもしれませんけれども。
 それでは、先ほど申しましたが、1つご報告させていただきます。
 その前に、先ほど申しましたようなことで、次回に取りまとめ案を提出させていただきますが、それにつきましては、事務局に、きょうのご指摘、それから、これから出てくるかもしれないご指摘を踏まえて検討しまして、私の方もそこに加わらせていただいて取りまとめ案をつくりたいと思います。よろしゅうございましょうか。
 それでは、そのようにさせていただきます。
 それから、これですかね。先に報告をしていただきましょうか。

○小林審議官 それでは、資料の3でございますけれども、よろしゅうございますでしょうか。エネルギー特別会計の見直しについてということで、クリップでとじてある資料がございます。これにつきまして、最近の動きでございますので報告をさせていただきたいと存じます。
 実は、こちらの総合政策部会の方と地球環境部会の方と2つの合同の部会が、この中央環境審議会には設けられておりまして、10月28日に、その合同の部会の下にございます地球温暖化対策税制専門委員会でご議論を賜った後の動きの報告でございます。
 その専門委員会におきましては、当時、実は、石油特別会計、エネルギー特別会計の見直しについて、新聞等にも出ておりましたけれども、議論が進んでおりましたので、その動きを私ども事務局の方から報告をさせていただき、ご議論を賜ったわけでございます。その際にいろいろご議論いただきました。今、お手元にございます、上の方をとじております横長のペーパーでございますが、こちらの4ページをごらんいただければよろしいかと思います。その当時、問題になっておりましたのは、第1ステップの温暖化対策として、既存のエネルギー関連特別の会計、エネルギー関連の税制、こういったものをグリーン化をしていくということが、この中央環境審議会を通じまして、環境省の方針として私どもは訴えてきたわけでございますけれども、それに応じまして、エネルギー特別会計の見直しのご提案というのが経済産業省の方からあったわけでございます。この件の報告でございます。
 先ほどご紹介申し上げました10月28日の専門委員会におきましては、いろいろなご意見をちょうだいいたしましたけれども、調整のポイントということで3点ほどご指摘が強調してあったかと思います。
 1つは、この第1ステップのグリーン化ということが、第2ステップにおいて、必要に応じて導入するというふうに考えております温暖化対策税との混同が生じないように、この見直し後の石油税の性格、目的、あるいは内容といったものをきちんと整理をするというようなことが必要だというご意見。
 そして、また、今回、この見直し後のエネルギー特別会計に環境省が参画する場合には、国民が、「なるほど、環境省が参画して真に実効ある温暖化対策が進むようになったね」というふうに言われるような、そういった仕組みにちゃんとするようなこと、それが必要だと、こういうご意見。
 それから、いずれにいたしましても、その見直し後の石油税を含めまして、第2ステップに移る前の見直し、つまり2004年の見直しにおきまして、この見直し後の石油税を含めて、あらゆる対策、施策の進捗状況、性格等々を総合的に評価するということが必要だ。そこもきっちり担保するようにと、こういったご意見があったわけでございます。これを踏まえまして経済産業省と調整を続けてまいりました結果、次の5、6、7ページあたりがその結果でございますけれども、こういったような形で、最終的には、経済産業大臣、環境大臣、両大臣が会見をいたしまして、議論し、合意に至ったものでございます。こういったペーパーにまとめられております。
 5ページにありますように、これは11月15日の経済財政諮問会議に提出されました平沼経済産業大臣と鈴木環境大臣の連名のペーパーでございますけれども、この中を見ていただきますと、例えば、右側の四角の「歳入構造の見直し」というところの欄で申しますと、ちょうど中ほど、真ん中、2の少し上でございますが、※でこのように書いてございます。「今回の石油税というのは、性格や内容が、CO2 排出抑制を主目的とする環境税とは異なる。」環境税については、第2ステップに向けた検討課題ですよ、引き続き検討課題ですよというようなことが書いてございます。また、この5ページの欄外、一番下でございますけれども、「今回の取組みを含めて、2004年に地球温暖化対策推進法に基づいた見直しが行われることとなっている」というようなことが書かれてございます。税率につきましても、かねて課税をされておりませんでした石炭に課税をするというようなことを、この6ページの方に、税率とともに、これはまだ検討中ではございますけれども、書かれているわけでございます。
 そういうことで、いろいろご注文いただきました、ご意見ちょうだいしたことの整理をさせていただきましたが、結果的に、でき上がりのベースで、これは、これからまた来年度税制の審議というものがありますし、さらには、来年の国会での審議というのがありますけれども、そういったことが行われた結果、こういうふうになるであろう、なったらいいなということで、私どもで提案しておりますのが7ページでございます。こちらに全体を整理してございます。
 時間の関係で詳細についてはご説明できませんけれども、一番下の絵で申し上げますと、左側、箱が5つほど並んでございますが、これは石油特別会計法上の整理でございまして、例えば、特別会計の管理につきましては、財務大臣、経産大臣とともに環境大臣が管理に当たる。そして、歳入については、経産大臣と協議しつつ、その変更等を環境省としても提案していく。また、歳出につきましては、石油特会の事業について、経産省--これは経済省になってございます。申しわけございません。経済産業省と共管をするということで、エネルギーセキュリティー対策につきましては経済産業省が行うということでありますが、省エネ、代エネ対策につきましては共管をいたします。
 そして、さらに、黒塗りのところが恐らく政令、省令のレベルになると思いますが、その中に環境省が行う事業というものを設けまして、現在、これは中身は検討中でございますけれども、以下4つぐらいに大きく分けた、それらの事業を行っていこうというふうに考えてございます。エネルギー起源CO2 の排出抑制に役立つ省エネ・代エネ事業を行うような地方公共団体に対して、いろいろな中から自由に選べるようなメニュー方式で各種の事業を支援していこう。主に、民生部門等々、今まで手が出なかったところに対策を講じていこうというふうに考えてございます。そのほか、技術の開発、あるいは、3番目の○でございますが、地方公共団体、都道府県センター、推進員、地域協議会などと連携いたしました省エネ・代エネ普及のための草の根レベルの啓発の全国展開といったようなことをやっていこうというふうに考えてございます。
 なお、経済産業省が行います省エネ・代エネも大変重要でございます。この辺との連携をとっていこうということで、あわせて「エネルギー政策・環境政策連携会議」といったようなものを局長レベルで設けようというふうに考えている次第でございます。
 こうしたことで、この間ご報告しましたことに関しましてご意見をちょうだいして、調整を図った結果について報告をいたしたいと思います。
 なお、8ページ、9ページは、引き続きの課題ということでございます。温暖化対策税については検討をいただかなければいけないわけでございますけれども、その検討の状況を、例えば9ページ、これは10月28日の税制専門委員会に提出いたしました資料を見取り図にしたものでございますが、こういったような基本的な考え方に基づきまして、現在、審議会のご指導をいただきながら検討を進めていくと、こういう状態にあるということで、これはもう現状報告でございました。
 以上です。

○森嶌部会長 もう既に時間が過ぎておりますけれども、どうしてもというご質問がありましたら。
 もちろん、これから大分長丁場でこれをやっていくことになりますので、また後ほど細かい議論をさせていただきたいと思いますが。
 はい、どうぞ。

○天野委員 質問ということではないんですけれども、先ほどからいろいろ言及されました、税制の専門委員会の方で私が懸念していたようなことが、一応そういう懸念はないということがわかりまして、安心はしたということですが、それが1つと、もう一つは、これで税収が入ってきて、それを省エネ・代エネに使うというやり方をとられているわけですが、私は、これは、次の第2ステップで使う手法の一つの参考になるんじゃないかというふうに思っておりまして、もちろん第2ステップに入れば税の検討が始まりますけれども、税の税収というのは、この形ですと、環境の方へちょっとそれを回すという形をとりますので、そうなりますと、その税というのは非常に大きなてこの効果を発揮する。例えば、私の計算ですと、5倍から10倍ぐらいの効果が出るようなてこの効果があるわけですね。逆に言いますと、税そのものが5分の1か10分の1のレベルで済むということになりますので、ちょうどいい機会ですので、これの影響を検討されて、その経験を第1ステップに反映していただきたいなというふうに思っております。
 以上です。

○森嶌部会長 ありがとうございました。
 それでは、次回の予定につきまして、事務局の方から。

○浅野環境教育推進室長 次回の当部会の開催でございますが、前回からご案内申し上げしておりますとおり、12月17日、時間は16時から一応2時間弱を予定しております。そこで、できましたらこの中間答申を取りまとめていただきたいと考えておりますので、ぜひご出席をお願いしたいと思います。
 以上でございます。

○森嶌部会長 そういうことでございますので、ご意見がありましたらそれまでにぜひ出していただきたいということと、取りまとめのときにご出席いただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、長時間にわたりまして熱心にご議論いただきまして、ありがとうございました。これで終了いたします。