中央環境審議会総合政策部会(第9回)議事録
開催日時
平成14年11月5日(火)13:30~15:30
開催場所
中央合同庁舎5号館第1会議室
出席委員
21委員
- 森嶌 昭夫
- 部会長
- 安原 正
- 部会長代理
- 廣野 良吉
- 専門委員長
- 青木 保之
- 委員
- 浅野 直人
- 委員
- 天野 明弘
- 委員
- 江頭 基子
- 委員
- 塩田 澄夫
- 委員
- 鈴木 継美
- 委員
- 鳥井 弘之
- 委員
- 永利 新一
- 委員
- 波多野 敬雄
- 委員
- 福川 伸次
- 委員
- 細田 衛士
- 委員
- 松川 隆志
- 委員
- 三浦 慎悟
- 委員
- 村杉 幸子
- 委員
- 安井 至
- 委員
- 横山 裕道
- 委員
- 和気 洋子
- 委員
- 渡辺 修
- 委員
議題
- (1)環境保全活動の活性化方策についての中間答申(案)について
- (2)その他
配付資料
- 資料1
- 環境保全活動の活性化方策について(中間答申)(案)
- 資料2
- 環境保全活動の活性化方策についての説明会、意見交換会等
- 資料3
- 検討スケジュール(案)
- 参考資料1
- 地域環境力創造戦略(案)に対するNGO/NPOからの意見
- 参考資料2
- 地域環境力創造戦略(案)についての一般からの意見
- 参考資料3
- 第8回中央環境審議会総合政策部会 議事要旨
午後 1時30分開会
○浅野環境教育推進室長 それでは皆さん、おそろいになられていない委員が一部ございますけれども、定刻を過ぎておりますので、ただいまから総合政策部会を開催させていただきたいと思います。
まず初めに、お配りしております資料の確認をさせていただきたいと思いますが、第9回総合政策部会の議事次第というものがまず表にございまして、以下、右肩に番号がございますけれども、資料の1がこの中間答申の案でございます。以下、2といたしまして説明会、意見交換等というのがございます。また、資料3といたまして検討スケジュールの(案)というのがございますので、ご確認いただきたいと思います。また、それ以下に、参考資料の1ということでNGO/NPOからの意見、2といたしまして一般からの意見、参考資料の3といたしまして第8回の政策部会の議事要旨、これをおつけしているところでございます。ご確認いただければと思います。
また、本日は、クリップにとめております分厚い資料でございますけれども、これまでの検討資料集ということで、これまで部会にお出しした資料でございますが、審議の参考にしていただきたいということでお配りしてございます。
なお、この資料につきましては、資源、紙の節約という意味もございますので、お帰りになるときは机の上に置いておいていただけると、また次の回に使用したいと思いますので、お帰りの際には置いていただければありがたいかと思います。
また、一番下でございますけれども、委員の皆様の名簿と、それから出欠伺いの紙をお配りしてございますが、こちらの不手際がございまして、出欠伺いの方、次回の部会の日にちは正しいんですけれども、曜日が違っておったのをお配りしておりましたので、今差しかえたところでございます。よろしくお願いしたいと思います。
もしも不足している資料等がございましたら、お申し出いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、会の進行は森嶌部会長にお願いしたいと思います。部会長、よろしくお願いいたします。
○森嶌部会長 お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。それでは、第9回の総合政策部会を開催をいたします。
これまでのご議論や関係者からのヒアリング等を受けまして、事務局と相談をいたしまして、環境保全活動の活性化方策について中間答申の案を作成をいたしました。本日は、事務局からこの案を説明をしていただきまして、皆様からご意見をいただきたいと思います。
なお、本日のご意見をいただいた上で、それも盛り込みまして、7日からパブコメにかけるということになります。最終的なものにつきましては、パブコメをした上で、さらにスケジュールに書いてありますが、12月6日にまたお集まりいただきまして、6日と17日で中間答申を取りまとめたいというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
それでは、2時間ということで余り長い時間ではございませんが、事務局から、まず中間答申(案)についてご報告をいただきたいと思います。どうぞ。
○浅野環境教育推進室長 それでは説明申し上げます。
資料の1をごらんになっていただきたいと思います。ページをめくっていただきますと、1、2ということで目次が書いてございますけれども、これが本日ご提示申し上げます、この「環境保全活動の活性化方策について(中間答申)」の内容の概略でございます。
なお、冒頭、1点だけお断りを申し上げたいと思いますけれども、委員の先生方には先週の末までに、あらかじめ本日に備えてご検討いただきたいということで、この中間答申の案につきましてお手元に送付させていただきました。届いてご覧になっていただけたかと思いますけれども、まだ作成作業途中の段階のものをお送りさせていただきまして、その後、また文章のブラッシュアップ等、小さいものではありますけれども一部修正を行っております。本日お示しするものは、お手元に届いていた分とは多少内容が違っておりますことをご了解いただければと思います。
それでは、本日の資料1の中間答申の案でございます。まず概略を簡単にご説明いたしますと、4月に本件につきまして中央環境審議会の方に環境大臣の方から諮問をいたしまして、その後、専門委員会を設けましてご検討いただき、7月に中間的な取りまとめという形でレポートを提出していただいたところでございまして、その内容につきましては、厚い検討資料集の方の資料2の方に掲げてございます。資料1が諮問文でございまして、2が7月にいただきました中間的取りまとめの内容でございます。これをもちろんベースといたしまして、その後、審議会のご意見ですとか、またヒアリング等を踏まえて今回の中間答申案をまとめたということでございます。
この目次を見ていただきますと、1の「はじめに」と、最後の5については後書きのようなものでございまして、大きく分けまして2、3、4と、2が状況・背景、3が課題、4が具体的施策の考え方というような形で、大きく3つのパーツに分けて記述しているところでございます。
なお、前回の中間的取りまとめと比べますと、前回は「はじめに」ということで、今回の状況・背景に当たりますところを簡単に記述しておりますが、今回は基本的な考え方というのを4の方にまとめて書きまして、大きく2として項目を起こしまして、状況・背景につきまして前回の中間的取りまとめよりはかなり書き込みを行ったということでございます。また、それ以下の課題、それから施策の考え方につきましても、これまでのご議論等を踏まえて内容の深化と、それから書き込みを行ったところでございます。概略をまずごらんになっていただければと思います。
また、9月の当審議会におきまして、地域環境力創造戦略という名前をつけました具体的な施策のたたき台をお示ししたところでございますが、今回の取りまとめに当たりましては、この審議会におきましても、審議会だけではなくて自治体の関係者や、また民間団体の関係者からも広く意見を聞いた方がよいというふうなご意見もございました。そういったものを背景にまとめたところでございます。また、前回の審議会におきましては、関係機関や団体からのヒアリングを実施したところでございます。これにつきましては、お手元の参考資料の3をごらんになっていただきたいと思いますが、これが前回、10月24日に開催いたしました部会の議事要旨でございます。まだ全体の議事内容については取りまとまっておりませんけれども、その概略ということで要旨を取りまとめたものでございます。ご欠席の委員の方におかれましては、説明している時間がちょっとございませんけれども、7人の方々からヒアリングを行いまして、いろいろなご意見を承りましたので、お目通しいただければと思います。
また少し戻りまして、参考資料の1をごらんになっていただきたいと思いますが、これは、この戦略に対するNGO/NPOからの意見でございます。
あわせて、ちょっとあちこち行って申しわけございませんけれども、この中間答申の後に資料の2というのがございます。それを先にごらんになっていただきたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。参考資料の2でございますけれども、この方策についての説明会、意見交換会等ということで資料がございまして、これは先ほど申し上げましたように、なるべく幅広い関係者の方々からも意見をお聞きした上で、この案を求めていくべきであると、このようなご意見がございました。自治体の方々、またNGOの方も含めて、なるべく多くの方々から意見を伺いたいということで、まだこれから開催する地方もございますが、このような形で都道府県、それから政令都市、またNGOの方々、また各地域における関係者の方々との意見交換会等をこれまで行ってまいりましたし、まだこれから後も予定されておりますけれども、このような形で広く意見をお聞きしたところでございます。
そこで、参考資料の1でございます。この10月3日、18日と--NGOダイアログと書いてございますけれども、これは青山にございます環境パートナーシップオフィスの方で、関連する民間団体ですとか企業の方々等に声をおかけいたしまして、そこでいわばNGO等を主体とする有志の方々にお集まりいただいて、本件に関する意見を交換されたということでございます。その中で出されました意見を有志の方々が自主的におまとめいただいたというものの提出がございましたので、参考までに本日おつけしたところでございます。これも時間がございませんので、説明につきましては省略させていただきたいと思いますが、お目通しいただければ幸いでございます。
また、同じく参考資料の2でございます。その後に横書きでございますが、これは実は9月24日に全国の都道府県、それから政令都市の担当者の方に集まっていただきまして、前回出しました環境力創造戦略についてご説明をいたしまして、なるべく広く管下の市町村、またNGO等の民間団体の方に周知してほしい。また、ご意見等があれば環境省の方にお寄せいただきたいということで、この都道府県等を通じてお願いしたところでございまして、その経過を踏まえて私どもに上がってきた意見をまとめてございます。順不同でございますけれども、一応項目ごとにまとめてございますが、このようなご意見が私どもに寄せられているということでございます。
ちょっと前置きが長くなっておりますけれども、このような経過を踏まえて、今回、この中間答申の案をまとめさせていただいたところでございます。
それでは、3ページの方をごらんになっていただきたいと思います。
まず「はじめに」ということで、まずここでは、これまでの中間答申をまとめる経過について書いてございます。ただいま申し上げましたように7月に専門委員会の中間取りまとめが出されまして、これをもとに検討を進めてきたところでございます。ここでは、この環境保全活動、幅が広うございますけれども、そのうちNPO等の民間団体等が行う自発的な活動に関して、一定の結論を得たのでここに報告すると、こういうことを書いてございます。また、ヨハネスブルグでのサミット等も紹介いたしまして、こういう取り組みを具体化していく上で有益であることを期待すると書いてございます。最後に、ついては、この取り組みを実現していくために、国においては、新たな法制度等の検討等各般の施策を進めることを要望するというような形で、審議会の部会としてのご意見をこれでいかがかということでお示ししたいと思います。
続きまして、2の状況・背景でございます。これは前回、中間的取りまとめでは簡単に触れております。今回はこういったところについてもう少しよく、特に状況・背景を書くべきであるといったようなご意見もございましたので、少し詳しく記述したところでございます。
まず、3ページの下でございます。これまでの環境行政、また現在いろいろな環境問題が大きくなっておりますが、これまでのような規制的な対策を講じるだけでは限界があるということであります。また一方、現在の世の中におきます活動につきましては、環境の質を向上させるような性格のものも近年多くなってきているということで、今日のこの問題の対応に当たっては、規制的な手法のみではなく、いろいろな活動を推進していく必要があるということを挙げてございます。
4ページにまいりまして、頭では具体的な例を挙げております。いろいろな主体がございますが、それぞれの主体が環境問題をみずからの問題としてとらえ、経済や社会のあり方を環境に優しいものへと変えていく努力が必要であるということを書いてございまして、それらの主体が担う活動のなお一層の広がりと活性化が必要であるという基本的な状況・背景を書いてございます。
その上で、「自ら進んで環境によいことをしようとする気運の高まり」というのを(1)に掲げてございます。まず、近年は、みずから進んで環境の改善ですとか排出の抑制等に取り組む姿が目につくようになってきているということでございます。例えば内閣府の調査でございますとか、環境NGO総覧によります民間団体の数を挙げてございます。また、それ以外にも、環境を目的として設立されていない団体、例えば町内会、自治会等におきましても、こういった活動が数多く見られるようになってきている。また、企業におかれましても、いわゆる自主的な取り組み、例えば環境報告書でございますとか環境ラベルの添付、また店舗を利用した環境学習活動などの社会貢献活動が多くなってきているということを書いてございます。一番下でございますが、こういった気運は広がりを見せ始めてはいるものの、まだその範囲は大きくなくて、かつ継続性も不十分ということを記述してございます。
5ページにまいりまして、(2)といたしまして「NPO等民間団体の役割の拡大」でございます。NPO等の民間団体、平成10年にNPO法が制定されまして、現在でも全体の数が
8,300を超えているという状況がございますが、NPOは行政や企業には期待できないような柔軟性に富んだ多様な活動を、即応的に、また地域密着型で展開できるという特性がある等のNPO等の特性をまず記述しておりまして、公益を実現する担い手として不可欠の存在となりつつあると書いてございます。特に環境分野におきましては、リサイクルの推進等でその役割はますます大きいものになりつつあるということであります。本年成立いたしました地球温暖化対策法の改正、また自然公園法の改正等におきましても、こういった民間団体等の果たす役割についての規定が新たに盛り込まれる等、その役割は今後とも大きくなることが予想されております。
(3)でございますけれども、各主体のパートナーシップ構築の気運の高まりということでございます。これら環境問題の解決ですとか、よりよい地域環境の形成のためには、各主体が連携・協力して活動を展開していくことが大きな意味を持つということでございます。これは、一つには、よりよい環境づくりに向けて社会のあり方を変えていくことにつきましては、行政のみでは達成が難しく、あらゆる主体が積極的に参加して応分の責任を果たしていくこと、これが必要であるということが1点目でございます。2つ目には、各主体が持っております資源、資金等は偏りがありまして、これを最大限生かすためにはパートナーシップが有用であるということ。また3つ目には、このように個別に取り組むよりは、パートナーシップに基づいて連携・協力して活動を展開していく方が効果が大きく、ひいては社会の変革をスピードアップできる。こういうことを挙げてございます。
6ページにまいりまして、頭でございますが、そうはいいましても、その必要性につきましては認識されてきてはおりますものの、まだその例等は少ないということでございます。
それから、(4)で、ヨハネスブルグ・サミットにおける各主体の参画の重要性の認識ということで、これは前にもご説明申し上げましたけれども、ヨハネスブルグ・サミットが開催されまして、そこでは民間団体の参画等も会議の成功に重要な役割を果たしたところでございますが、あわせて多様な主体の参画とパートナーシップの重要性が明確に合意された文書等でうたわれております。また、それ以外にも、政府に限らない民間団体も含めた主体の約束が公的に確認されたということがありまして、これは国際会議の成果としては史上初のことであるということで、さまざまな主体の自主的な参画の重要性が国際的にますます意識されているということを挙げてございます。また、小泉首相の発言等も触れてございます。
その上で、3の課題でございます。この活動を活発化させていくための幾つかの課題について掲げてございます。
まず(1)でございますが、責務、基本原則、ルールの明確化ということで、まずはこのような各主体が活動を進めるに当たって、どのようなもともとの責務を有しているのか。こういったこととともに、基本原則やルールをまず1番目に明確化する必要があるということでございます。
例えば、これまでも申し上げてきましたように、環境負荷を減らしたり、それから環境の質を向上させるようなことに自発的に努めるべきことは必ずしも明確にされているとは言いがたい状況でございます。また、住民や民間団体の活動については、行政の手足や下請ではない。また規制や予算措置の代償でもない。こういうことにとらわれる傾向が見られるということになりますので、そういうことではないということを原則として確認すべきであるということでございます。
7ページにまいりまして、その上で、その役割分担に応じつつ、対等の立場でパートナーシップを組むべきである、これを掲げてございます。また、その実施に当たりましては、意思決定のルールですとか事業へのルール、これを明確にすることが重要であるとしております。これらの原則等をもとに、取り組みを進めていくための枠組みを構築する必要があるということで、基本的な考えをまず述べておるところでございます。
続きまして、(2)の「透明性の確保、説明責任の担保」でございますが、これらの活動がパートナーシップのもとで行われる場合には、参加者の相互の理解と協力が必要であるということで、その前提といたしまして情報の共有、さらには行政や支援を実施する組織においては、透明性のある運営の確保、また説明責任を果たす必要があるということを書いてございます。また、あわせまして、民間団体におきましても、その活動を理解していただくとか、また活動を拡大するために、定期的なモニターをした上で、やはり同じような情報の公開、さらには活動の透明性を高めることが必要であるということでございます。また、民間団体では、なかなかこういった仕組みは大変でございますので、これを支援する、補う仕組みをつくる必要があるということを書いてございます。
(3)の「人材の確保」でございますが、この活動を担う、また支える人材が現在でも不足しているということでございます。この活動を推進するためには、いろいろな人材が幅広く求められているということでございまして、まず民間団体におきましては、一般の方々の自発性や熱意によって支えられている部分が大きい点はありますが、限界があるということで、継続性を今後担保していく、また社会的な認知を得られるようにすると、このためにもいろいろな分野での人材を確保する、また人材からの助言を得ると、こういうことが重要でございます。あと、行政の側におきましても、まず行政そもそもが民間団体の活動に理解のある人材育成、これが不十分である、また、行政と民間団体等のパートナーシップを推進するためのコーディネーターの役割を果たすものがまだまだ不十分であるということでございます。
8ページにまいりまして、こうした点についての理解も行政に求められるということでございます。こうした人材の育成については、民間団体、さらには行政等においても行われておりますが、いわば専門知識を重視した縦割り型になっている例がまだまだ多いということであります。またファシリテーターというか、コーディネーター等は必ずしも十分とは言えないということでありまして、相互の連携、また情報交換も不十分であり、その改善が課題であるということであります。
それから、(4)の「情報の提供、ネットワークの必要性」でございますが、この活動を展開や深化していくためには、基盤となります情報、特に行政が所有している情報をできる限り積極的に公開する。また活動やパートナーシップを組む機会についても情報を共有するということでございます。また、各種の支援に関する情報、こういったものも広く提供する必要があるということでありまして、広くネットワークを構築することによって、こういった共有を進めていくということでありますが、まだまだ不十分であるということであります。また、そのためにはコーディネーターの存在が重要であるということを掲げてございます。
(5)は資金でございます。これはいろいろなところからお話がございましたが、民間団体の活動のためには、やはり資金が重要な課題でございます。これの確保が重要であるということでございます。現在でも資金については助成措置等がございますが、まだまだ不十分であるという状況が書いてございます。また、一番下でございますが、土地についての寄附等につきましては、これも税制上の優遇措置がございますが、まだまだ一部に限られているという状況でございます。
9ページにまいりまして、すそ野の拡大でございます。この活動の活性化には、人材の育成にとどまらず、広く国民の方々の関心を高め、その参加を促すことが不可欠であるということで、環境教育等の推進を図り、その土壌を豊かにしていくことが必要でありますが、それに加えまして、例えばボランティア休暇の範囲の拡大などによります参加を促す仕組み、またプログラムの開発と、さらにはその成果が目に見えるようにするといった形での支援も必要ということを書いてございます。
それから、(7)でございますが「国際的な視点の確保」ということで、単に国内だけでの活動の活発化に限りませんで、国際的な視野も含めた連携の確保等が必要だということを書いてございます。このためには、海外における団体等の連携でございますとか、海外で活動を行うことができる団体の増加ということを書いてございまして、具体的には国際的なNGOによるネットワークの提言が不可欠なものになっている状況も踏まえまして、我が国のNGOの国際的な活動への参画等がより活性化されることが必要であると書いてございます。
以上が課題でございまして、その上で「具体的な施策の考え方」ということで、これまでのご議論ですとかご意見等を踏まえましてまとめたものが4以下でございます。
(1)で、9ページの下でございますが、まず基本的な考えを書いてございます。まずここでは、前段では、さまざまな活動が拡大の兆しを見せているということを書いてございまして、例えばということで、以下、10ページの頭にかけまして、いろいろな環境保全に取り組んでおられる例を幾つか網羅的に挙げているところでございます。10ページの第2パラグラフでございますが、このような活動につきましては、それぞれの主体がそれぞれの役割を認識し、使命感や問題意識に応じて自発的に取り組みを行うことが基本であるということでありまして、繰り返しになりますけれども、まず自発性の尊重が第一に、また対等なパートナーシップの関係ということを重視して、行政は民間団体等の取り組みを側面、あるいは後方から支援していくことを基本的な考え方とすべきであるとまとめています。また、そのためには、中間的な目標の設定でございますとか弾力的な手法の普及とかの配慮をする必要があると書いてございます。また、お互いの信頼関係を持って進めるためには、できる限り透明性を確保し、各主体の参画を促すことが求められると書いてございます。
このような活動に地域の総体として取り組んで、地域から環境問題を解決し、環境をよくしていく能力をつくり出す、これがいわば「地域環境力」と前回ご説明申し上げておりますが、そう名づけておりますけれども、これを高めていくために総合的、戦略的に取り組む必要があるということでありまして、これは地域の活性化にも資するものであると考えられるとしています。
この一番最後のところでございますが、ここでは、民間団体等によります活動を支援するために、地方公共団体及び国が構ずべき施策を明らかにするとともに、各主体が共同して取り組むための原則的事項を定めることが必要であるということで、基本的な考えをまず書いたところでございます。
その上で、(2)各主体の責務の明示でございます。ここで相互の役割、責務について明確化しておく必要があるということで、[1]、一番下でございますが、それぞれの役割と相互の自立性の尊重ということであります。
11ページにまいりまして、まずここでは、先ほどの繰り返しになりますが、活動の理念的な基盤を構築するために、各主体の責務として自発的に環境を大切にし、環境によいことをする必要があることを明らかにするべきではないかとしております。また、それぞれの主体は対等の立場でパートナーシップを組んでいく、これも挙げてございます。また、住民や民間団体は、これらの活動に取り組む主体でありまして、地方公共団体はそのパートナーとして政策的役割を担うとともに、この住民等の取り組みを支援することを役割とする。また、国は、全国的な見地からその支援を行うことを役割とするということでありまして、法令の適用ですとか、またそういったものに当たりましては、こういった自発的な活動の展開を組み込む形で検討することが望ましいということを挙げてございます。
それから[2]、基本方針でございますが、これらの推進に当たりましては、それぞれの各主体の役割につきまして互いに了解し、それぞれのなすべきことを明らかにした基本方針、こういったものをやはり定められていることが望ましいと考えられます。ただ、この作成の手続につきましては、従来の政策スタイルのように国がこれを定めるということではございませんで、やはりパートナーシップということで、できる限り幅広い主体によって議論され、案が作成される国民的な合意文書と、こういった性格の基本方針にすべきではないかということを掲げてございます。また、地方公共団体においても同様な形で基本的な方針が作成されることが望まれるとしております。
(3)、この活動を推進するための評議会でございます。今申し上げましたような基本方針の策定でございますとか、また、12ページにまいりまして、必要な提言、それからいろいろな活動の定期的なモニター、政府への意見具申、こういったことにつきましては民主性と透明性を確保することが必要でありますけれども、そのための評議会的な--評議会とここでは名前をつけておりますけれども、いろいろな各主体が参画する場、これを設けることが必要ではないかと掲げてございます。また、地方公共団体においても同様であると掲げてございますが、さらにこういった評議会等によります基本計画の策定等の作業は、それを通じて、またパートナーシップに基づく活動を形成するよい機会にもなるということを掲げてございます。
それから(4)「自発的な環境保全活動の拠点」でございます。この活動を実施する上では、やはり情報の交流ですとか活動の交流を行うための拠点、またそれを支援するための拠点、こういったものが必要であるという意見が多数寄せられているところでございます。現在も環境省では地球環境パートナーシッププラザですとか、また自治体におきましても幾つかの整備の例は見られておりますけれども、その活動をより広げ、効果のあるものにする必要があるということでございます。
具体的には次のような機能が必要であるということで、6点ばかり掲げてございます。まず、地域において自発的な活動を行おうとしている方々、これらに対しまして、助言ですとか、その内容の公表、またそういった方々に対する支援を行う。さらに、既に実施されている活動につきましては、それらの方々にかわってそういった内容を公表して、理解ですとか参加者を募る。また、公表することによりまして透明性の向上について支援をすると、こういう取り組みも期待されるということでございます。また、情報の収集・提供、また会議室等の場所ですとか機材の提供、または情報の交換・交流、また各主体間の調整等の場づくり等の支援、またパートナーシップ活動等のコーディネートの推進、こういったものがこの拠点で期待されるところでございまして、これらのためには、まず各市町村レベルにおいてこのような拠点が確保されることが必要ではないか。また、さらに広域レベルでもこういった拠点が必要だということで、都道府県レベルにおいても、これを地域環境保全活動センターと仮に名を呼ばせていただいておりますけれども、こういったものが必要である。ただ、こういった施設につきましては、何も新たに施設を整備するということではなくて、公民館等を初め既存のいろいろな施設がございますので、こういった施設や人材を積極的に活用して設けることが必要ではないか。また、環境だけということではございませんで、福祉や教育等の分野でも積極的に連携を図るべきではないかということを掲げてございます。環境省といたしましては、パートナーシッププラザのほかに9カ所、地方環境対策調査官事務所というのが昨年の9月に環境省の出先ということで設置されたところでございますので、その機能の充実が図られることを書いてございます。
13ページにわたりまして、そういった拠点の運営でございますが、それに当たりましては、このパートナーシップの基本的な考え方をこれまでも述べてまいりました。そのためには相談者の秘密の保持等の課題がございますけれども、運営については、民間団体の参画ですとか、また民間団体の直接委託、こういったものも進めるべきであるという考えを述べてございます。
続きまして、(5)の人材でございますが、まず[1]「人材の確保」でございます。3つ目のパラグラフでございますが、人材制度につきましては、民間も含めていろいろな制度が行われておりますが、先ほどに述べられた課題にもありますように、これらにつきまして総合的に調査、整理、公表して情報の交換ができることにする必要がある。また、民間団体において行われている制度の相互認証等の活動についての支援も検討する必要があるということでございます。
また、公的な制度も幾つかございますけれども、それぞれの役割分担ですとか、または位置づけ、さらにはそのあり方を整理する必要があるということでございまして、例示として、いろいろな人材の役割ごとにこれを整理する必要があるということを書いてございます。
また、特にパートナーシップを推進するためには、この活動を立ち上げ、推進していく能力、またコーディネート能力、こういったものを有する人材が特に求められているということがありますので、既存の制度に加えまして、一定のレベルを有する人材、これを環境保全活動推進員と仮に呼んでおりますけれども、これを相当数委嘱して、国レベルの拠点等において活用する仕組みを検討したらいかがだろうかと、こういう提言を行っております。
また、企業ですとか行政等の中にも人材がまだまだおられるということで、その活用も課題である。また、大学の環境学部等において人材の育成も進んできておりますので、例えばインターンシップ制度の取り入れ、こういったことも必要性が高いという提言を行っております。
一方、この保全活動は、いろいろな社会階層に応じてふさわしい形態があるということでありますので、社会階層ですとか世代ごとに求められる人材に合わせた制度の設計もされるべきであるという点を掲げてございます。これらにつきましては、人数等の数値目標を明確にして施策を推進していくことが有効ではないかという留意点を挙げてございます。
14ページにまいりまして、また、この人材の継続的な確保については、職業として環境保全活動に従事できるような手法も考慮する必要があるという課題を書いてございます。
[2]「能力の向上」でございます。これら人材につきましては、この環境に関する動向の把握と専門的知識の向上が見られるわけでございますが、特に民間団体における取り組みを推進していくためには、さまざまな能力を有する人材が求められているわけでございます。それらのいろいろなメニューが用意される必要があるということで、特に民間団体においていろいろなものが行われておりますので、それらの内容の向上とともに活用を図るということも検討すべきであるとしております。例えばNPOに従事される方を海外のNPOに派遣する。また、企業や行政の職員がNPO活動を体験する。またその逆の場合と、こういったことを推進いたしまして相互の理解を向上させる。これも、このパートナーシップ推進のための非常によい機会ではないかということであります。
また、これらの活動につきましては、地球環境基金事業、後ほど出てまいりますけれども、ここにおいて地球市民大学校事業による研修等の事業が展開されております。これの一層の拡充でございますとか、環境省の研修センターがございますが、ここで民間団体との交流、こういうことを通じた研修方法の検討が必要ではないかという課題を挙げております。さらには、大学での取り組みや民間団体での取り組みの充実の現状を踏まえまして、それらの共通的な制度ですとか制度間の相互認証といったような措置についても、今後の検討をしていく課題があるということでございます。
(6)が資金の確保でございます。これは、先ほど申し上げましたように資金の捻出が課題でございますが、基本的には活動を自立的、継続的に展開していくためには、この会費、さらには行政等からの事業委託等によって活動費が賄われることが望ましいということでございますが、特に活動の初期においてそれらに依存することが難しいということですので、そのための対策を講じることが必要であるということで、15ページをお願いしたいと思いますが、[1]「資金の確保」でございます。
まず、これらの資金に対する援助につきましては、民間団体も含めて支援が行われております。このうち地球環境基金事業、これにつきましては、このようにこれまでもいろいろな支援を行ってきておりまして、大きな役割を果たしておりますが、今でも助成要望は年々増加しております。一方で、これまでも説明してまいりましたが、「特殊法人等整理合理化計画」が閣議決定されております。その中でいろいろな提言をされておりまして、特に新たに形成されます独立行政法人に移管する、また政策目標を掲げることや業務の縮減・重点化等が提言されております。このためには、この独立法人への移管を機に、透明性の高い明確化のルールを定めておく必要があるということがございます。また、一方で配分に当たっての透明性の向上、支給時期等の使い勝手の改善を求める声が上がっております。
このため、この事業につきましては一層の拡充を図りますとともに、透明性、効率性を高めるために明確な指針を国が提示する。さらには、民間団体の参加も得た第三者機関を設けまして、具体的な助成計画ですとか審査指針を策定・公表する。さらに、この評価を受けまして、それらを公表する。これらの仕組みを明確に定める必要があるということでございます。
また、その助成の対象につきましては、支援が特に必要な分野を特定することが必要であるとしておりまして、特に海外の発展途上地域における支援につきましては、これまで全世界を対象としておりましたが、アジア太平洋地域を中心としたらいかがか。また、分野を重点化する必要があるとしております。
パートナーシップによる取り組みに対しての支援、これは後ほど触れます。
助成の運用につきましては、これも独立行政法人化を機に改善に努めることが必要であるということで、特に使途の弾力化等につきましての検討が必要であるとしております。さらには、これらの使い方でございますが、基金への民間からの拠出、これも求めておるところでございますが、なかなか思うようにご協力が得られていないという状況でありますので、寄附を増加させるために具体的な方策について検討することも必要であると掲げてございます。
16ページの前段でございますが、また、NPOでは当初の資金の確保が難しいということで、いわゆるつなぎ資金の融資制度、これも課題として挙げております。
また、[2]といたしまして「税制措置」でございます。現在でも、この民間活動に対しましては特定公益増進法人制度、また認定NPO法人制度というのがございますが、特定公益増進法人制度もまだまだ対象の狭い範囲であるということと、認定NPO法人についても、現在でも9法人しかまだ認定がされていないということでございます。また、それにつきましては、認定要件が厳しいといったような声が挙げられているということでありまして、このような要件の緩和について検討いたしますとともに、一定の公的な認定が受けられた保全活動、こういったものについては税制上の優遇措置の拡充、これが必要なのではないかということを掲げてございます。
それから、(7)として「情報の提供、共有」でございます。これは先ほどの課題に基づくものでございます。環境省では地球環境パートナーシッププラザ、また地方においてもいろいろな拠点や施設が設けられるようになってきておりますが、まだまだ十分な成果を上げる状況にないということで、情報の共有等が求められるということでございます。このためにパートナーシッププラザの拡充強化や各種の施設との連携、また地方調査官事務所等の活用を挙げてございます。また、海外との情報発信、情報の交流についても対応を図る必要があるとしております。
17ページにまいりまして、(8)環境保全活動活性化のための環境教育・学習の推進でございます。これは中間的取りまとめをベースにして書いてございますが、環境教育につきましては大変幅広い分野がございますので、一般的な概念的な記述が主となってございます。この活動を広げていくためには、知識や理解に加えまして、実際的な行動や実践的活動につなげていくことが必要であることと、また人材の育成が必要であるために環境教育が必要であり、多様な場や機会の提供ということが重要であるということが書いてございます。それで、具体的には活動のための拠点の整備ですとか促進のための仕組みづくりが必要である。さらには環境行政と教育行政との連携強化、それによります生涯学習推進システムの中に環境学習を位置づける。また、学校教育、家庭教育、社会教育などの分野におきましても環境教育が一層効果的に行われるようなシステムづくり、これが必要であるとしております。また、サミットで決議されました「持続可能な開発のための教育の10年」、これについての具体的な取り組みが必要であると書いてございます。
それから(9)でございますが、パートナーシップによる活動のための協定(環境創造リーグ)を掲げてございます。これまでも述べてまいりましたように、パートナーシップを組んで取り組んでいくことが有効である、これがより大きな効果を生むということでございまして、そのためには活動の計画的な実施、参加主体の役割の合意などととともに、活動を継続的に展開できるしっかりとした組織の整備が必要である。これが課題となっております。これは、例えば英国のグラウンドワークというのをご説明申し上げましたけれども、18ページにまいりまして、これを参考として、こういった組織を我が国でも導入できないかということでございます。例えば広域的な市町村におきます連携を念頭に置きまして、着実、自立的、継続的、こういったキーワードで活動を推進するための仕組みを構築をする必要がある。ここでこれを「環境創造リーグ」と呼んでおりますが、専門かつ専任のスタッフを有する事務局の整備によります明確な計画の策定、役割分担を明らかにした協定の締結、合議制の意思決定、それから透明性の高い運営、こういったものの確保を組織でもって行う。したがいまして、このための組織や協定などにつきまして公的な位置づけを与え、それによって安定性を高めるということが考えられるかと思います。また、それらに対しては、特に一層の支援について検討する必要があるということを掲げてございます。
それから(10)でございますが、土地等の確保に関する協定でございます。現在でも自然環境の保全に関する活動を行おうとする場合に、土地等を購入したり借りたりして活動を行っている場合がありますが、その保全が客観的に法的に担保されていないために活動の支障になっているという例がございます。このためには、この土地を協定を結んで取得する、または借用するといったような活動を公的に認知し、これを他に転用されないということを法的に担保する制度を設ける必要があるんではないかということでございまして、これを検討する必要があるということでございます。こういった活動につきましては、一般の営利目的の土地取引とは異なりますことから、その負担のための税制上の措置を拡充する必要があるということでございます。
(11)でございますが、国際的な活動の活性化。これは海外における活動の活性化のために、海外の団体の活動の支援でございますとか、我が国の団体での海外での発信能力を高めること、また海外の団体との協力、これが重要であるとしております。
一番最後のページでございますが、そのためには、在外公館や企業の海外支店との連携ですとか基金の事業の拡充、また情報発信の強化ということがございます。また、人材の活用ですとか人材育成のための施策の検討がございます。以上が具体的な施策でございます。
最後に5といたしまして「環境保全活動のさらなる発展に向けて」という後書きでございます。今まで述べてまいりました施策等につきましては、各主体によります自発的に行われる取り組みを一層支援していくための横断的、共通的な方策を今回取りまとめたということを再度書いてございます。諮問でございました、これら環境活動の活性化につきましては、これ以外にも政策決定に対する民間団体の参画のあり方ですとかいろいろな観点がございまして、まだまだ多くの課題が存在しているということでありますが、今回は、この観点を中心に取りまとめたということでありまして、今後、これらの点を含め、さらに検討を深めていくことが必要である。こういったような考えを最後につけ加えております。
ちょっと説明が長くなりまして恐縮でしたが、以上でございます。よろしくお願いいたします。
○森嶌部会長 どうもありがとうございました。
今、ご説明がありましたように、この中間答申のねらいは、地球環境問題に取り組んでいくにはすべての主体がかかわっていかなければならない。その場合に、住民、民間団体、事業者等が自発的に取り組んでいく。そしてそれを行政、国や地方公共団体がサポートをしていくという基本的な視点に立って、それでは各主体の役割と責任において、しかもそれぞれが自主的に取り組んでいくためにはどういう仕組みが考えられるか。そこでパートナーシップという言葉が出ておりまして、パートナーシップネットワークを置く、そしてパートナーシップを組んでやるということでありますが、そのためのいろいろな具体的な施策、仕組み、あるいは仕掛けが4にございます。ちょっといろいろありまして、あれとこれとはどういう関係にあるんだというようなことで、例えば拠点でパートナーシッププラザみたいなものがあって、そこで地域環境保全活動センターがあり、そして環境創造リーグなんていうものがあって、いろいろと仕掛けが微妙に違っているようですので、この点も含めてご議論をいただきたいと思います。
非常に--非常にというほどでもありませんけれども、かなり大部なものでございますので、いわば総論的な部分であります3ページ以下の1と2と、それから課題ということで、これは4の具体的な施策にかかわってくるわけですが、たしか9ページのところまでが総論といいましょうか、どういう考え方でどういう問題があって、現在国際的な動きも含めてどういう方向にあるんだということが記述をされております。この点について、まずご意見を伺って、そして肝心のいろいろな仕掛けが提示されております4につきましてなるべく時間を割きたいと思います。
そこで、まず最初の1、2、3で、9ページまでについてお願いをいたします。なお、3は4とかかわっていて、かなり重複するところもありますけれども、ここはいわば何が問題だということを記述しているということで、具体的な話は読んでご議論をいただければというふうに思っております。
それではどうぞ。どなたからでもご自由に、3ページから9ページまでについてご意見を賜ればと思います。
どうぞ、浅野さん。
○浅野委員 このテーマ、ずっとさぼっていたものですから、今まで議論されているものをひっくり返すという気は毛頭なくて、積み上げでずっと議論されたんだろうと思うから、今、しようがないなと思いながら話を聞いていたんですが、「はじめに」のところで、「国においては、新たな法制度の検討等」--「等」ですからまだあるんだろうかと、それはそれでいいんでしょうが、ここでまず「新たな法制度の検討」というのが出てくるわけですね。これはNGOのまとめられたものの中にも、まず立法ありきではないんじゃないですかというくだりがあるわけですが、どうしてもこの「はじめに」のところで新たな法制度というようなことが真っ先に出てこなきゃいけないのかなという気がします。
と申しますのは、現在の課題の中にいろいろ書かれているわけで、それはそれで一つよくわかるわけですが、現実に、例えば地球温暖化対策の推進に関する法律の一部改正で、温暖化対策地域協議会を組織できるということを既に法制化したわけですし、自然公園法の中にもこういう規定が入ったというのがあるわけですね。だから、これはそういうふうなものができて役割が拡大していますという、そういう落とし方で、それでどうなのという感じなんですね。その後、ここに書いてあることと後に書いてあることはどうつながるんでしょうね。どうしてこんなことをここに書いてあるのかしら。これがあって、これを伸ばしていきますんだったら、それでかなりの部分はカバーできてしまうんじゃないかなという気がしてしようがないんです。
しかし、後の方になりますと、先の方で、部会長から怒られちゃいますけれども、保全何とか委員というのが何かまた出てくるわけですね。ところが検討資料を見ると、既に環境省の中にある何とか委員というのは10以上あるわけですね。それにまたもう一つ加えるんですかねということになるわけで、せっかくこういうふうに問題点を整理するのであれば、その後の方に出てくる4とつながるような整理をして書いていないんじゃないかなという気がするんですよ。ただ書いてある。4がどうもつながらないなという気がするんですよ。一体どういう戦略を考えておられるのか、一番最後のところを読むと、ようやくわかるんですね。
それから、少し意地の悪いセミプロ的読み方をすると、本当はここら辺が言いたいことだろうというのはわかる気がするんだけれども、それはとりあえず置いておいて、一番最後のところで、やはり一つ一つのものがばらばらでは困るから、トータルにそれをアンブレラみたいなものをつくってコーディネートしましょうというのが、どうもこのペーパーの基本のようです。じゃ、それを今まであるものをどうするんですか。例えば、私、地球環境の方の部会長でありますので、我が方はともかく地域協議会もあるし、温暖化対策推進委員というのもあるわけですが、それを安楽死させちゃうんですか。一体どうなるんだろうって、そこがこれまでのご議論の中でどういう形で議論されたんでしょうか。そして、今まであるものが、どこがどう機能していないのかとか、それを全体をつなぐためにはどうしたらいいのか、現状はどうであるか、今、さまざまな何とか委員、何とか委員とかという制度があって、そういうものがどう動いているかきちんと整理をされた上で、これが出てきているのでしょうか。これは議事録を読めばわかることだろうと思うんですけれども、何となくつながりが悪いんですね。
このままこれを出されたら、多分読む人は途中で「あれ。何か話がスッと変わっているんじゃないかしら」という印象を持ちはしないかなという気がするんですが、ここはちょっと事務局に、1から3までに書かれていることの位置づけですね。それと4とをどうつなぐつもりでこれを書いておられるのか、もうちょっとご説明を……。長々さっきお話しされたんですが、途中で退屈になってしまったのでまともに聞いていなかったから、ごめんなさい。でも、どうつなぐつもりなんでしょうという質問です。
○森嶌部会長 これはいろいろなご意見の中に出てきまして、今の安楽死させるというところまでだれも言っていなかったけれども、地球温暖化対策推進委員と、ここでいう何とか委員とどういう関係にあるんだというようなことはありますので、これはほかの委員のご意見も伺った上で事務局に答えてもらいます。
天野委員、どうぞ。
○天野委員 前々回の第7回のときにもいろいろ申し上げたんですが、ちょっと舌足らずであったかと思います。
8ページの4番「情報の提供、ネットワークの必要性」というところで、1行目から2行目にかけまして、「特に行政が有する幅広い情報をできる限り積極的に公開し、その活用が図られるようにする」と、これが活動の基礎となる情報で、そういう情報を共有する必要があると、こういうことなんですが、日本の代表的な統計書である日本統計年鑑をごらんになったらわかると思うんですけれども、環境に関する情報が一切ないんですね。私はこれは以前から非常に疑問になっておりまして、いろいろ調べて、もし間違っていればご指摘いただきたいんですが、統計法の中で指定統計というのがあって、その指定統計を集めることができる府省というのは決まっているんですね。その府省がいろいろ議論をして、中・長期の計画を立てて、21世紀に向けた中・長期の統計ビジョンなんかをつくるんですけれども、環境省が入っておりませんので、そういう議論が一切出てこないんですね。21世紀は環境の世紀だと言われながら、そういう情報統計を集める仕組み、こういうことについて全く環境省が発言できないという状況にあって、これは課題なんですけれども、こういう地方でこういう環境を進める上に当たって、そういう利用が全然とれないような段階でどうやって共有するのか。課題の扱い方がちょっと軽過ぎるんではないかというふうに私は思うわけです。
例えばヨーロッパなんかですと、ちゃんとこういう利用のアクセスというのを保障するような国際条約をつくって、ヨーロッパの各国がその条約に基づいて国内の、例えばオーストリアですけれども、環境情報法という法律を改正して、その条約に合うような情報をつくるという取り組みをしているわけです。ドイツなんかも同じだと思いますが、そういうことが課題ではないのかということを私は前回申し上げたかったんですけれども、何か余り意を尽くせなかったので、今回はっきりそれを申します。
それから、共有するためには、できるだけ情報が使いやすい必要があるんですが、例えば日本統計年鑑に出ているような情報というのは、全部エクセル形式とかいうので自由にダウンロードできるんですね。ところが、ことしの5月か6月かに環境統計集というのが出まして、私はあれは非常にいい統計集が出たというふうに喜んでおりますけれども、あれは有償なんですね。しかも無償でダウンロードするほど手軽には使えない。こういうふうな状況ですから、地方のいろいろな環境の取り組みに情報を集めようとすると、物すごい費用も人材もノウハウも必要になってくるというふうな課題というのは、ここに書かれるべきじゃないかというふうに私は思います。
以上です。
○森嶌部会長 どうもありがとうございました。
一括してあれですが、江頭委員、どうぞ。
○江頭委員 ちょっと的が外れるかもしれませんが、3ページに「新たな法制度の検討等」と書いてあるんですが、それで、私、環境教育、環境学習のところに大変興味、関心があるんです。前に環境教育の法律をつくりたいという話をどこかの団体がなさっているという話を聞いていたんですが、そういうことも視野に入れながら、このことを書かれたのかなとちょっと思ったんです。
○森嶌部会長 そのお答えは、また後で一括してやりますので。
村杉委員、どうぞ。
○村杉委員 総論的なところということで、1つ気になることを申し上げます。
まず言葉のことなんです。ここで一番大きなキーワードはパートナーシップということになりますけれども、この言葉の使われ方、またはこちらが使った言葉の理解のされ方が対象によって違うかもしれない。そういうような懸念があるものですから、もちろん対等の立場で云々ということですけれども、できるだけ、ここで使うパートナーシップというのはこういうことなんだという提示を初めのところできちんとすることが無難ではないかというふうに感じました。
例えばパートナーシップがいっぱい出てくるんですけれども、7ページのところで出てくるのは、ここに「対等の立場で」という形容句がついてパートナーシップを組むという。ところが、この場合は、パートナーを組むのはいいんだけれども、パートナーシップを組むというと何かちょっと変だなというような感じもしたりしまして、ともかくパートナーシップという私どもが意図している言葉をちゃんと定義をしたいなと思いました。
それから、もう一つは、ここで次のキーワードがNPOですね。NPOは割合に最近きちんと共通理解がされていると思いますが、同時に出てくるNGOという言葉があります。ここで3種類使われている言葉、民間団体というのとNGOというのとNPO。よく拝見すると、国際的なところはNGOと言っていたりして、割と使い分けていただいているんですけれども、NGOの方が、非政府組織というと、人によっては企業もNGOだという認識の方も比較的いらして、企業活動、企業のいわゆるもうける活動もNGOだという言い方をされる方もいたり、それから、企業の中である意味のボランティア的な活動をするのがNGOだとおっしゃる方もいたりで、ここのNGOという言葉が割合無神経に使われているような気がするんですね。その辺もちょっとご配慮いただいて、できるだけ言葉は整理しながら、必要なところに正しい言葉を使いたいということです。ですから、全体をひっくるめるときは民間団体なんでしょうかね。なるべくNGOを使わずに、必要なところはもちろん使うべきですけれども、民間団体の一部として非営利組織をいうときにはNPOなのかな。そのあたり、もしこういうふうにして使っていますということがありましたら、お教えいただきたいと思ったりしております。
○廣野専門委員長 私の方のコメントは、基本的に、やはりこういうような環境保全活動の活性化方策についてというような要請があったことの背景なんです。その中で、やはり私は非常に正しく認識されていると思うし、またそれをもっと強調したいんですけれども、それは何かというと、我が国自身の今までの環境保全活動の中で、やはりかなり国民のいろいろな不満があって、それに対する政府の対応があったということで、政府、行政がいろいろ立法をやってきたわけです。同時に、その過程でやはりもう一つ出てきたのが、地方においていろいろなNGOが--まさにNGOですね。そういうものが出てまいりまして、それもいろいろな活動をしている。それも、本当にこの4ページにも書いてありましたように、すごい勢いでこれが出てきたわけであって、それが出てきたというのは、やはりそれぞれの場でもってそういうニーズがあるから出てきたと思いますね。そういう意味では、ニーズが出てきたということで、非常にそれ自身は結構なんですが、よく見てみると、そういうNGOがやはりいろいろな意味で弱体である。その弱体をどうやって補完したらいいだろうかと、そこにやはり今回の「環境保全活動の活性化方策について」ということが出てきたと思うんですね。
そういう意味では、この中でいろいろなところで言われておりますけれども、やはり政府、行政の役割というものが、こういうNGOの活動を側面から支援するんだ。じゃ、その支援をどうしたらよろしいかというところに焦点があるので、そういうところから、先ほどの法的な整備の問題であるとか、いろいろなものが出てきたと思います。そういう意味で、私は、基本的な方向としては、たまたま専門部会の委員長もやったものですから、皆さん方のご意見を聞く中で、そういうNGOの方々のご意見なんかも非常に強くて、そういうものを十分認識している中で、こんな書き方になったと思っております。
それから、2番目には、ちょっと細かな問題ですが、4ページのところで「自ら進んで環境によいことをしようとする気運の高まり」って、何となく「環境によいことをしよう」というような、ちょっとこの言葉がおかしいもので、私はやはりそうじゃなくて、環境は自分たちの一部であるというふうに考えております。環境は外にあるんじゃなくて自分の一部であると考えておりますので、そういう意味で「みずから環境を守ろう」というような形の方がいいんじゃないか。これは言葉の問題です。
それから、先ほどNGOとかNPOとか、あるいは民間団体のお話がありましたけれども、まさに村杉先生がおっしゃったことと全く--私はもう定義はちゃんとされていると思いますね。いろいろなものを含んだときには民間団体、それから、その中でNGO。それから同時に、NGOの中にはNPOもあるという、そういうとらえ方で、民間団体が一番上位的な言葉で、その次がNGOで、その次がNPOというとらえ方でこの文章は書かれているというふうに認識しておりますので、そういうふうに理解しています。
それから、6ページのところで、ぜひこれはつけ加えていただきたいんですが--というのは、これは非常に劇的なことでして、今回当たったものですから。それは何かというと、「ヨハネスブルグ・サミットにおける様々な主体の参画の重要性の認識」という中で、ここで書いてあるんですけれども、4行目からですが「世界各国の首脳がその代表として集まっただけではなく、NGOなどの各種民間団体がそれぞれサミットの準備プロセスや公式プロセス、サイドイベント等に参画し」と、非常に簡単にそう書いてあるんです。やはり私は、今回のヨハネスブルグ・サミットで最も劇的な大きな今までとの違いの変化は、そういうような世界のあらゆるNGOが主要グループという格好で認識されて、彼らが正式に会議に参加することができた。これが重要な点であって、だからそういう意味で、英語でいうメジャー・グループスということですけれども、やはりその主要グループということに、ぜひここのページの中でそれをつけ加えていただいて、それが実は今までの従来の国連の会議とは全く違った点だということで強調していただきたいと思います。
以上です。
○安原部会長代理 先ほど浅野委員がご指摘になった法制度の問題でございますけれども、私も、この冒頭に「新たな法制度の検討」ということがポッと出てくるものですから、あとは具体的にどういう法制度を考えるのかなということをずっと見ていきましても、法制度の中身というのが、これからすぐには読み取りにくいんですね。4の具体策の中のナショナルトラストのところで法的措置というのが1カ所言葉としては出てくるんですが、そのままもう終わってしまうということなので、ちょっと工夫が必要じゃないかなという感じがいたします。
したがいまして、一つの案としては、冒頭に説明なしでぽんと持ってこないで、ずっとこの4の具体策の説明があって、最後でもいいんですが、対策の中身によっては法律が必要になるものがある。そういうものも含めて、十分これから法制度も含めて検討していく必要があるというようなことで、最後にメンションすれば座りがいいんではないかなと、これは私の個人的な意見ですが、そんな感じがいたしました。
以上でございます。
○鈴木委員 ちょっと気になりましたのは、国際的な視点とか、国際協力とかいうあたりのところが実に漠然ととらえられているような気がしますね。実際に、例えばバイラテラルの場合に、それこそ今ここで我々が問題にしているイコールパートナーシップみたいなものは一体どういうふうにつくり上げられていくんだろうかとか、マルチプルステークオーダーアプローチ、パーティスペーションといいますけれども、国際協力の場合でも、問題によっては話が全く変わってくるわけでありますね。例えば、もし、いわゆる貧しい国との間でバイラテラルの構造で国際協力が進むんだとすれば、そこでは単に環境の問題だけを扱って解けるはずがないわけでありますから、貧困との戦いの方が先だったりする局面は幾らでもあるわけで、そういう問題を扱うときにパートナーシップの問題をどう考えていくのかとか、気になり出すといっぱい出てくるわけですね。
さらにトランスナショナルな問題。むしろインターナショナルというよりは、まさにトランスナショナルな国を超えた形で環境問題が起こっている場合に、それに対応しての民間団体の活動みたいなものはどういう形になるのかという問題も、また別の問題として出てくるでしょう。具体的に幾つか問題を広がりを取り上げて、それで国際協力の局面なるものを整理しておかないと、単に漠然と国際的な視点を入れるんだよと言っているだけでは何もしたことにならないのではないかというような気がしました。
○横山委員 専門委員会の場から議論に加わって、大変いい方向にまとりつつあるんではないかなと思います。その一方で、何か逆にきれいごとがかなりあって、実際に現場で苦労してやっている方たちにとってどれだけの手助けになる中間報告になっているのかなという点で、二、三意見を述べたいと思います。
たまたま最近、神奈川とか千葉、埼玉でNGOとかNPO活動に加わっている方のお話というか、苦労話を聞いたんですが、まず私が一番なるほどと思ったのは、直接環境のNPOに携わっている人ではなかったんですけれども、意見を述べてくださいと呼ばれてどこかに行くと、大抵はまずいお茶1杯--本人はまずいとは言っていませんでしたけれども、1杯で済んじゃう。やはり交通費もかかって四、五時間かかって、何のあれもない。交通費も出ない。やはりお金のことは言い出せない。ちょっと言うと「あなた方はNPOではなかったんですか。ボランティアじゃないですか」と言われちゃうというようなことで、やはりそういう人たちにとっても、少なくとも交通費ぐらい出すとか、そういう方向性というものをここに示せないものなのか。ボランティアとかNPOというのは、別に無償じゃなくてもいいんだ。有償であっても一切構わないんだというようなことも、できればこういうところにも入れたらどうかなと。
この前の部会のヒアリングでも、声優の方が、お金を払おうとしたら「私の生きがいでそんなものをもらえない」と言ったら「あいつだけ格好いいことを言っている」とかって、あの話は非常に私はおもしろかったんですが、金銭の面をまず少し、この文章にはちょっとそぐわないのかもわかりませんけれども、その辺も方向性みたいなものを示せないかなというのが1点です。
それから、もう一つは、やはり世の中に環境NPO活動とかボランティアにかかわりたいという人は物すごくいる。特に60歳、定年を迎えて何かやりたいという人は、もうごろごろいる。だけれども、最後の一歩が踏み出せなくて、なかなかだめなんだというようなことで、その辺を何か指針みたいなものを出せないか。何かそこで聞いたのは、男性が何かをやろうとすると、一番頼りになるのはかみさん、奥さんだと。奥さんが地域の情報を一番よく知っていて、だんながきちんと「自分はこういうことをやりたい」と言うと、「それならどこかでやっているよ」というようなことを言ってくれるというようなこととか、あるいは、NPOをやるときに、会社で偉くなった人は、必ず「自分は前に何とか部長をやっていた」と言うけれども、絶対それはやっちゃいけないんだとかね。それを言うと必ず失敗する。絶対に前の肩書きは言わずにNPO活動をやるんだとかという話を聞いて、非常におもしろいというか、有意義だったと思うんです。そういうことはもちろんそぐわないんでしょうけれども、これを見ると全然書いていないので、実際に現場でやっているような人にとっても、政府の文書にまで私たちの苦労がわかって、こういうことも書いてあるんだなと。政府がNPO、ボランティア活動は有償でもいいなんて書くのも、また反発をくらうかわかりませんけれども、そういう方向性みたいなものも少しはあってもいいんじゃないかなと思います。
以上であります。
○鳥井委員 私は、大筋においていいなと、こう思っております。
ちょっと何か一つ二つ気になる点を言いますと、これ、初めてに近い試みというのがたくさんあるわけで、こういうことをやると本当に効果があったのかどうかというのを毎年やはりチェックしていく、そういうメカニズムを入れておいた方がいいだろうという感じがするのが第1点であります。
もう一点は、そんなことは起こらないんだと言われるかもしれませんけれども、少なくとも拠点をつくってパートナーシップで活動をして、それにある程度のお金が絡むという話になると、当然のようにもめ事だとか利害の相反というようなことが起こってくるだろうと思うんですよね。そこの調整のメカニズムというのを何かつくっておく方がいいのか。それとも、勝手にそちらがやって、勝手に何かすればいいという話なのか、ここはどの筋道がいいのかよくわからないんですが、少なくともそこは少し頭の中へ入れておいた方がいいような気がいたします。
以上です。
○森嶌部会長 福川委員が手を挙げられたのは見ているんですけれども、3時半までにこの4のところをやらなくちゃいけませんので、また4のところでご発言いただきたいと思います。
今まで出ていましたのがたくさんあるんですけれども、主たるものを申しますと、浅野委員、安原委員がおっしゃいました、「新たな法制度の検討等」ということで具体的に何を考えているんだと。それから、それとの関係で浅野委員は、今までいろいろなものがある、それに屋上屋を架したようなものを考えているのかということになりはしないかというようなことのご意見だったと思うんですが、これについて事務局の方は。
○炭谷総合環境政策局長 どうもご意見ありがとうございました。確かにケツノセイカを法律の手当てが必要だというのが論理的な流れかなというふうにまず感じておりました。
法律が必要か、現在ある法律等との関係でございますけれども、まず現在、例えば循環型地球温暖化、それからのいろいろな法律がございます。そういう各種制度とともに、今回私どものご検討いただいております、この環境保全活動の活性化というものは、環境基本法に出ております環境保全活動というものに必要な措置が必要だろうと。いわばそれらの基盤的なもの、現在行われている各種制度の基盤的な横断的な制度というふうになるんではないのかなと。それが現在、私どもの日本には法制的に欠けて、現在存在していないんじゃないかなと。そういうものを法制度を置くことによって、こういう横断的な、いわば環境を支えるような基盤的な事項が充実するんじゃないかなということを期待されるんじゃないのかなというふうに思います。
それでは、絶対法律が必要か。むしろ法律でなくて、単に役所の通達とか、そういうものでやってはどうかなということになれば、ここに絶対法律が必要だというものが幾つか書いてあるわけでございますけれども、厳密に言えば、すべてが法律でなくてもいいとは思います。ある意味では役所の運営でできるものもありますけれども、私ども、やはり今現在の国民のこういう環境保全活動というのは、まさに民間の自発的なものでございますから、国会で議決された法律に基づいて透明性を持ってやっていく時代ではないのかなというふうにまず基本的に思っております。また、その方がいろいろな意見が民主的に出てうまく進むんじゃないかなというふうにも思っているわけでございます。
ただ、そうはいっても、必ず法律でなければならない事項というのは、私ども、例えば地球環境基金による助成、これはいずれにしろ法改正が環境事業団の廃止とともに出てまいります。そういうものの法律の手当て。また、日本版のグラウンドワークトラストのようなものをつくる場合とか、またナショナルトラストのようなものを法制化する場合、法律的な根拠を置く場合、いろいろな法律的な手当てを置かないと、他の財政上、税制上、またいろいろな制度上のメリットが受けられないという問題もございます。そういうもののほかに、やはり一般的に必ずしも法律でなくてもいい、行政措置でもいいんだけれども、この時代、やはり法律に基づいて透明性を持った方がいいんじゃないかな。その方が環境保全活動が前進するんじゃないかなというふうに私ども自身は考えているわけでございます。
○森嶌部会長 これもついでにお答えですが、確かにおっしゃるとおりなんですけれども、今の浅野委員のご質問は、法律をつくることに問題は仮にないとしても、それじゃ、今までにある法律によってつくった制度は、安楽死か毒殺か知りませんけれども、するつもりなのか。それとの関係なんかはどうするつもりなのか。いろいろな制度がありますね。それについてのご質問だったと思うんですけれども。
○小林審議官 大変言葉が足らずに……。ご指摘のとおりの疑問といいますか、心配はしておりました。それで、後の後半のパーツのところで具体的に言葉が恐らく足らないんじゃないかと、こういうご意見だと思いますけれども、決して既存の組織だとか、あるいは資格制度、そういったものを何かないがしろにするという気は全くございません。先ほど局長から申し上げましたように、いわば横断的な足らないところ、例えば後で出てまいりますけれども、コーディネーターだとかファシリテーターみたいなソフトウェアにかかわるような技量を持った方というのは現にいないじゃないか。その部分について新しい資格ではありませんで、そこだけを説明させていただきますと、それを例えば国の拠点なり何なりで雇い上げて活用するという、雇い上げる方の対象としてそういうものを取り上げております。新しい資格をつくるという部分はむしろない。それは既存の資格がいろいろ縦割りでいけないので、そこら辺はもっと整理して風通しをよくして活用できるようにしようと、それが法制度になるかどうかは別としまして、むしろ既存の資格をそういう形で活用しよう。新たな資格をつくるということは実は書いてございません。
それから、これも入念的に書けばよかったのかなと思いましたけれども、組織につきましても、既にいろいろな地域の協議会なりセンターなりがございますから明示的には書いてございませんでした。既存の組織の中に例示をしなかったのがいけなかったんですが、そういった拠点とか組織を活用して地域の環境活動センターを営んでいくんだというふうに考えておりまして、これも今までのものを何かないがしろにするというようなことでは決してない。個別の分野にありますことを生かして、もっと横断的に活用していこうというのが精神だと思っております。
○森嶌部会長 これは資料の方に出ていますけれども、割合皆さん、よくわからない。私もよくわからなかったけれども、皆さん、よくわからないので、今、審議官がおっしゃったようなことについては、いわゆる文中に書いておかれた方がいいんじゃないかと思うんですよ。そうじゃないと、何か新しいものをつくるのかとか、前のやつはどうするんだ、前にせっかく資格を取ったら、また別に資格を取れというのかとか、そういう疑問というのは当然に起きてくるわけです。むしろ人材、あるいは民間、NPOでもいいんですが、そこで活躍している人が、これを見てどういうふうに活動するのかということがわかるように、いろいろと役所に問い合わせて、これとこれとはどういう関係になるんだということでない方が私はいいと思いますので、それは書き加えていただきたいと思います。
それから、天野委員の統計の面です。私もよく知らなかったんですが、そういう問題があるということですので、これについては、やはりむしろ情報提供はいいけれども、実は本家本元はちゃんとしていないんだよという--そう書くかどうかは別として、その辺のところをちゃんとやっていただきたいと思います。
それから、パートナーシップの定義ですけれども、確かに少しあちこちでずれているところがあるんではないか。パートナーシップを持って協定を結んで単一の事務所をつくるというのは、これはパートナーシップであるのかどうかよくわかりませんが、民間団体、NGO、NPOというようなことも含めて、これは整理ということですので、ぜひお願いをいたします。
それから、国際的視野というか、国際協力についても、鈴木委員がおっしゃるまで私も余り気がつかなかったんですが、そう思って見ると、何となく書いておけばいいやというようなところはあるので、これもきちんと視点をもう一回改めて、この中間答申との関係で国際協力というのがどうなるかということで手を入れていただきたいと思います。
あとは、江頭委員がおっしゃった環境教育法ですかね。そういうようなものがどうなっているのかというようなことは、これはご存じですか。環境省のように、狭いものよりは、常に広がった方がいいんじゃないでしょうか。
○炭谷総合環境政策局長 環境教育法、環境学習法の動きでございますけれども、民間からそのようなものが必要ではないかという動きがございます。そして、たくさんのいろいろな各種の政党が与野党問わずに検討されているというふうに、議員立法で制定したいというふうに考えているという動きがございます。ただし、それと今回ご議論いただいております環境保全活動の活性化方策とは、ある部分非常に密接な関係がございますが、今の議員立法の動きは、あくまで環境学習という一部分の専門的な領域についての動きでございますので、両者、ある程度動きを見ながらしなければいけないところがございますけれども、一応分野というのはそれぞれ切り分けられるんじゃないかなというふうに私自身思っております。
○森嶌部会長 それから、横山委員のボランティアのご発言です。ちょっと伺っていて書きにくいかなと思いますけれども、今ご発言のような趣旨がうまく入るかどうか、これは工夫していただいて……。なかなか入りにくそうなところもありますし、もしも入れるとすれば、NPOの苦労話をみんな書いていかなきゃいけないんじゃないかという気もいたしますので、工夫をしてもらうことにいたします。
それでは、4について、どなたからでもどうぞ。
それでは福川委員、4のことを考えておられなかったかもしれませんけれども、ひとつ4も含めてお願いいたします。
○福川委員 大変苦労されて作文をおまとめになったことだと思います。大変敬意を表したいと思います。
ただ、これをずっと読んでみましたときに、本当に活性化するかなということなんですけれども、4の課題を選び出すためには、2の状況の説明、それから3の課題、これが4にうまくつながっているというのが非常に大事な書き方ではないかなというふうに思うわけでございます。
まず、ちょっと前の方で恐縮ですけれども、例えば「よいことをしようとする気運の高まり」。この表題の書き方がいいかどうかは別として、非常に高まっていると書いてあって、いきなりその範囲はまだ大きくなくて、かつ継続性も不十分であると決めつけてあるんですけれども、どういうところが足りなくて、どういうことがもっと期待があるか。ここのところはむしろ、高まっているということを書くと同時に、あわせてどういうところに問題があるかということがもう少しはっきりした方がいいように思います。
その次の5ページ目も、NPOの役割は今後ますます大きくなるというんだけれども、どういうところがもっと大きくなるか。そのために、後に出てくる資金確保とか税制というのがきちんと出てくるということなので、もう少しここを書き込んだ方がいいように思います。
それからもう一つ、この「はじめに」のところには事業者という言葉が出てくるんです。あと、事業者は情報公開というあたりにつながりが出てきますが、技術開発とか、もっといろいろな回収のシステムとか、企業としてやらなきゃならないことも幾つかいろいろあると思いますので、そういった活性化策について考えるとすれば、もう少しそういうことを書き込んでみてはどうかという気がいたします。
それから、国際化の問題ですけれども、この国際化を考えてみると、確かに日本がいろいろ協力をするんだと、こういうことになっているんですけれども、課題の中ではインターンシップとか、いろいろな形のことが出てくるようになっておりますが、もう少し国際化の視点をはっきりするときに、むしろ先ほどもちょっとお話があったように、イコールパートナーで一緒になって物を考えていくんだというセンスが、この9ページの(7)の中にもう少し入ってきてもいいのではないかなという気がするわけです。
ただ、全体として、先ほど浅野委員もおっしゃいましたけれども、この具体的な課題のところを見ると、多分こういう格好で法律をおつくりになりたいんだなというのがよくわかるわけですが、何となく法律の要項のような感じがするわけです。やはりここの論理立てが非常に大事だと思いますので、ここのこういう施策をしなきゃいけないということについての説得性をもうちょっと高めないと、これを読んだときに、「大臣、これをやろう」というふうになかなかならないと思うんです。もちろんこれは活性化するのが目的で、法律をつくるのが目的ではないわけですから、やはりみんながその気になるような具体的な内容がわかる方がいいのかなと、そんな感想を持ちました。ありがとうございました。
○塩田委員 この今の4章の具体的な施策のポイントは、私が理解したところでは、人材の確保とか資金の確保とか、そういうところにこれからの施策の重点があるように見えますけれども、今、委員の皆さん方がご議論になったスタートは、住民、企業の自主的な活動をどうして伸ばすかというところにあると思うんです。指導員とか、そのコーディネーター、あるいはファシリテーターのような、そういう人材を養成して、それを4章の方では場合によったら職業化をするというようなことも書いてありますし、それから、資金の確保に関しては、資金の確保は多分税制上の配慮で進めていく。そうしますと、いずれにしても、こういう施策を推進するという面からいきますと、指導員にしても行動原則に関しては一つの基準というものがあるだろうと思いまして、そういうものにやはり引っ張られていくという面もあると思うんです。このご指摘は、指導員の能力を、例えば会計処理ができるような面を整備するというようなニュアンスで書いてありますが、それをまた数値目標をつくって推進していくということ、その指導員によって一つの方向に引っ張っていくというような面が出てくるおそれもあるのではないかという感じがします。その辺はどういうふうに調整をしていかれるのかという点を伺いたい。
それから、税制上の通知によって資金の確保をするということに関しても、似たような一つのパターンに押し込めてしまうという問題がないのかなというような点について問題点を感じましたので、その2点については、どのように考えていけばいいのかという点をご議論いただきたいと思います。
○森嶌部会長 村杉委員、どうぞ。
○村杉委員 ありがとうございます。2点、ちょっと気のついたことを申し上げます。
全体の流れとか構造ではなくて、ちょっと細かいことになりますけれども、11ページの上の方、十二、三行目に「自ら手や頭を働かせて」という表現があるんですが、やはりこれ、パブリックコメントをかける前にぜひ直していただきたい。というのは、ハンディキャップの方を考えたときには、「手や頭」というような言葉はなるべく使わない方がよろしいのではないかという気がしました。例えば「それぞれの能力、特性に応じて」とか、何かそんなような表現に変えていただければ無難ではないかということが一つです。
それから、次のページの12ページの方に、拠点のところで6つほどいろいろな期待される機能などをここに書いていただいて、なるべくこういうふうに具体的なものは入れた方がわかりやすくていいと思います。ぜひこの中に、やはり学校教育への支援のようなものも入れるべきではないかというふうに感じました。
以上です。
○鳥井委員 一言だけ申し上げます。もう間に合わないのかもしれないし、よその省庁のを利用できるかもしれないんですが、例の特区ですね。教育特区だとか、あれをうまく使う施策というのは考えられないんでしょうかね。大分いろいろな、ほかの省庁の行政を打ち破れる可能性はあるわけで、何かそこにうまいアイデアがあったらぜひ……。もう間に合わないかもしれないという心配はちょっとありますが。
○森嶌部会長 それでは、今度は天野委員から。
○天野委員 質問なんですが、12ページ、今の村杉委員の触れられた4番ですね。これは「自発的な環境保全活動の拠点」と書いてあります。これだけ見ますと、NGOとか民間団体が自発的な環境保全活動をするときの拠点をつくるのを国がどういうふうに支援するか、あるいは地方自治体がどう支援するかというふうにとれるんですが、書いてあるのは、環境保全活動を支援する拠点をどうつくるかということなんですね。その拠点というのは、ここには地方自治体とも書いてありますけれども、主には環境省の管轄の施設がずっと書いてあって、環境省とパートナーを組むような自主的な活動はこういう形で支援できると、そんなふうにとれるんです。全般的にどんな民間団体でも、自発的な活動をする際の拠点を国としてどういうふうにつくるかというのと、何かタイトルがちょっと違うような気がするので、これはむしろ活動支援の拠点というふうに書くべきではないかと思います。これはちょっと質問です。
それからもう一つ、先ほどの最初の部分と関連するんですが、3番というのは「進めるための課題」と書いてあるんですね。4番が「具体的施策の考え方」。ですから、こちらで対策が出てくるのかと思いまして、ほかのところは大体そういう扱いになっているんですけれども、情報の共有という点に関しましては、8ページの4番目と16ページに(7)というのがあるんですが、ほとんど同じことが書いてあって、こういうことが必要であるとか、これが足りないとか、(7)番へ行ってもそうしか書いていないんですね。これは対策になるんでしょうかというのが質問なんですが。もし何か制度をつくるとかいうことであれば、それこそここに先ほどの統計法を改正して環境省が入るような仕組みをつくれとか、そういうことを書かないと、このままでは私は対策が読み取れないんですけれども、いかがでしょうか。
○浅野委員 10ページのところに、前からの検討資料集の中にもありました地域環境力何とか戦略というのがあって、それを受けてだろうと思いますが、「『地域環境力』を高める」という、比較的重要だと思われるキーワードが出てくるわけですね。それから、もう一つ大事なキーワードは自発的な環境保全活動という、この2つだろうと思います。この『「地域環境力』を高める」、この中で唐突に出ているような印象もあるんですけれども、議論の過程があるわけですから、これは入れるならもっときちんと入れていかなきゃいけないだろうなと思うんですね。そうすると、全体が「地域環境力」を高めるという整理で、それが基本的な考え方の中にあるとすると、鈴木先生がおっしゃるとおりで「国際」は付け足しにならざるを得ないんですね。どうしても、せっかく発明した言葉をここで売りに出したいので強調したいのであれば、このことと「国際」とのつながりを説かなきゃいけないんです。これは非常に難しいんじゃないかなという心配をしていますが、いかがですか。
それで、もう一つは、先ほどから多くの委員の方がご指摘になっているとおりですが、自発的な環境保全活動ということと、制度的な枠組みでそれを担保するということとの間のつながりというのは非常に難しい問題があるわけで、そこをどう考えてこれをやっているのかねと、多分私だったらパブコメで書きたくなります。それで、例えば地球温暖化対策の話というのは、やっていけばほとんどすべての環境施策につながります。それから、今、循環型の基本計画を一生懸命別のところでつくっているわけですが、そこでもやはり社会の構成員お一人お一人の取り組みが何よりも大事であるということを書きますから、それをやっていけば、そこでもやはり結構かなりのものがそこにつながってきます。そういう形で、現実に他の局でやっている施策とか、そういうような、まさに環境保全活動の推進のためにあちこちで書いていることと、これをちゃんとつないでほしい。だから、最終答申までにはぜひきちんと連絡調整をしてほしいし、循環の方も12月ぐらいには納入しなきゃいけませんので、ほとんど時期が同じなんですね。それはぜひお願いしたいということです。
そして、実は取り組み方、さっき審議官のご説明で一応了解はしたんですけれども、下手をすると、かえってこういうものが出ることによって、個々の制度の中で動いているものの枠を狭めてしまうということはやめてほしいんですね。つまり、地球なんだから地球以外やっちゃいけないよというようなことはあり得ない。私は、温暖化対策推進員というのは、最後は不法駐車の問題まで首を突っ込めばいいと思うんですよ。「そんなところに車をとめなきゃならないような人は車に乗ってきなさんな。バスでいらっしゃいよ」とか、これだって温暖化の話につながるじゃないかと思うぐらいに、やる仕事は多いわけですね。循環だって全くそうです。省エネ、省資源、全部つながってくるわけですから、そこも結構いろいろなことをやれるはずなんです。だから、それぞれのところが自発的にやりたいことをやっていって、余りたがをはめたり枠をはめたりしないで勝手なことをやっていて、オーバーラップしたっていいわけですね。つまり、環境にいいことを取り組むのは、みんながそれぞれてんでにやっていって、それで余り統一で、何かわっと全部整理された体系にしなきゃ落ち着かないのは役所だけじゃないんですか。NPOの方はそんなのには余りこだわっていないはずなんですね。
ただ、この中で専門性にこだわった縦割りというのは、ちょっと表現が気にはなるんですが、確かに今の環境保全活動というのは、そういう形で、自分たちのやっていることが横へ広がっていくという意識が意外と乏しいんですね。例えば、リサイクルに取り組んでいる人はそのことしか考えない。「あなたのやっていることは温暖化にもつながります」と言っても「は?」というような顔をしてしまったりするということがありますから、そこをしっかり横に広がりを持っていけるようにするという施策は大事で、その点を強調しているという点で、この中間報告は評価できると思うんですよ。だから、もっとそういうところをきっちり評価していきたいと思うので、強目に書いたらどうでしょうか。
そして、自発的というところが、さっき言ったようにそれが中心であるならば、どういう書き方で全体を整理したらいいのかというのが、もうちょっと気になる点ですね。
それから、あと2点ほど、済みません。11ページに基本方針をつくるとあるんですが、この基本方針をつくるというのは、環境基本計画の中で既に戦略プログラムまで考えていて、いろいろなところに書いているわけなんです。それとダブるようなことはやる必要がないので、どのレベルのというんでしょうか、どこら辺のところの基本方針を書くのか、もっと明らかにしておかないと、何も知らないでこれだけ読むと、また全く過去につくったものがすっ飛んでしまったり、さっき江頭さんが言われた環境教育についても、既に中央環境審議会の部会でこういうことでやりましょうと言って、それが環境基本計画に入っているわけですから、せめてそれに書いてあることぐらいはきちんとこれに出てこなきゃいけないだろうと思うんですが、この部分は、また書きおろしで書かれたような印象が強いんですね。もったいないなという気がします。積み上げでやっていかなきゃいけないことが、意外と積み上げになっていないという印象です。
そして、13ページのところで、大学の環境学部の人材養成に期待をしておられますけれども、これは私は率直に言って、多分安井委員も同じ感想を持っておられると思うんですが、環境学部と名のついているところで本当にちゃんと環境教育ができると思わないんですね。つまり、環境というのは、やはりベースにきちんとしたある専門性があって、それを広げていくのが環境ですが、今ある環境学部というのは、全部とは言いませんけれども、教養部を改組するための口実として環境とつけただけで、環境をやっていない人ばかりですね。某大学なんかは環境省から行った人が二、三人、環境を一生懸命やっていて、その人がすべての表看板で、あとの人はまるっきり関係ないことをやっているという環境学部が意外と多いんですよね。だから、ここのところはもっと環境学部の実態を理解した上で、むしろ育成できるような環境学部になってほしいというメッセージであるならば、私は大いにこれでいいと思うんですけれども、今の環境学部に期待したら、とんでもないことになりはしないかな。だから、ここはぜひ、やはり書き方はもうちょっと実態を踏まえて書くべきじゃないかと思いますが。
○横山委員 簡単に2点ばかりお願いします。
先ほど部会長から、地域活動保全センターと環境創造リーグの関係がどうかというような話が出た。それと同じことか別なのか、ちょっとわからないんですが、11ページから12ページにかけて、全国的な評議会と、それから自治体にやはり評議会を設けようと書いてあって、17ページから18ページにかけては環境創造リーグというような組織体を設けようと、これはやはり読んでみると同じような印象を受けて……。やはり違うのかなとは思うんですが、これ、違うというようなことを書いておかないと、何か同じことなのかなという誤解を生むような気がします。
それから2点目は、先ほどから環境教育のことが出ていますけれども、専門委員会でも環境教育については、ここで何か言うよりも、文科省に何か通達とか、そういったことで積極的にやってもらうのがどうかという意見があって、それは文科省と環境省の協議会か何かで今いろいろ議論しているので、そこで言ってほしいという声が出たと思うんです。その結果がどうなったのか、もしわかったら教えてほしいんですが。
○三浦委員 質問というか、ちょっと注文をしたいというふうに思うんですが、最初の統計のNGO、NPOの例えば里地、里山保全に取り組んでいる団体が 1,000を超えていると4ページにあります。それで、今の具体的施策のとらえ方の中で、これの中にも里山、河川、湖沼と、それから絶滅の危機に瀕している動植物、そういう自然環境を保全する活動が広がっているという認識であります。それで、全体として拠点をつくりながら、例えば環境保全活動推進員等を設けてという格好で全体の作文ができているというふうに思うんですが、一つは、これに対して例えば18ページも、現状認識としては当該土地が開発などされないようにすることが大切であるという格好になっていて、現在、里地、里山だとか河川だとか、それからその他の希少野生動物等々の実際の活動のフロントというのは、やはり大きく言えば、これは環境の開発とか各種のさまざまな工事といったようなものが一方で展開されているということに対するアンチテーゼとして、例えば環境保全活動というのは展開されているわけですね。
そういう視点で考えると、18ページのとらえどころは、例えばこれは一つのオプションになるわけですが、土地所有者とNPOが協定を結びといったような枠組みだけで、この環境保全活動全体を質的にも量的にも、あるいは社会の中に定着していく上でも十分かどうかということは、やはり一方で考えていく必要があるし、その一つの行く方向としては、例えばアセスメント法のもうちょっとつくり変えみたいな選択肢が一方で出てこなければ、この環境保全活動というのは本当の意味で地におりていくというか、浸透していくということにはならないんじゃないかというふうな気がします。
それから、もう一点です。17ページについてですけれども、環境行政と教育行政との連携を強化するということは非常にいいことだというふうに思います。この例えばですが、この落としどころが生涯学習推進システムの中に組み込むといったような枠組みも、ちょっと狭過ぎるんではないか。もうちょっと広い、先ほど浅野先生から大学教育も含めてといったような話もありましたし、それから、例えば現在、総合学習の時間なんていうのが展開されているわけですから、それの中にもうちょっと地域の自然といったようなもの、あるいは地域の環境といったようなものを積極的に織り込んでいくようなプログラムを、これはぜひぜひ教育行政との連携の中で模索していくことが重要なんではないかというふうに思っています。
以上、2点です。
○波多野委員 もう時間もありませんので、今から議論していただくつもりもないんですけれども、この中間報告全体を見て、NPOとNGOというのが全くごちゃごちゃに使われていて、5ページ等にはNPOと民間団体というところでNGOの話も書いてあるし、NPOの話も書いてある。さっき廣野先生が言われたのはNGOの話であり、それから、横山委員が言われたのはNPOの話だということのようなんですけれども、しかし、私はNPOとNGOは全然違って、NGOというのは、もう絶対に政府からお金をもらうべきでないと思っています。NGOがお金を政府からもらったらば、もうそれで既にそれはノン・ガバメンタルじゃなくなっちゃうんですね。政府に対立できない団体になっちゃうんです。日本では、ほとんどのNGOが中央政府または地方公共団体からの何らかの援助を得ている。だからみんな政府と仲がいい、政府の御用団体になっちゃっているので、だからこそそこにパートナーシップというような話が出てくるので、大体NGOと政府がパートナーシップを持つなんていうこと自体が非常に不自然な話だと思います。私は、NGOというのはノン・ガバメントであって、政府に対立すべき団体なんだと思います。NPOというのは、そこへいくと、政府からお金をもらってもいいのかもしれないという意味では御用団体であってもいいのかもしれない。私は外国のNGOにもNPOにも入っていますけれども、外国のNGOでは、政府からお金をもらうというのを断ります。委託事業は受けております。しかし、ただお金をもらうというのは、政府の色がつくからということで絶対に反対するというようなことで、今の国会で審議されることになっています環境再生推進法なんかでも、市民の意見を聞いて、市民を入れてということが書いてあって、あれは市民とか、ああいう表現になっていますけれども、あれももしNPOということだったら、市民を入れて協議するといったって、何も新しいことは出てこないと私は思っています。
○森嶌部会長 時間もございませんので、今の全体のご議論の中で、活性化という観点から具体的施策をもう一度点検を--点検というのは読み直してみるべきじゃないかということなんですけれども。それとの関係でさっきも出ていましたが、法律というときに、皆さんの中に、さっきの審議官のお話では、個別の法律の中で手当てをしなきゃならんものはというんですけれども、例えば福川委員が法律とおっしゃったときには、どうも何とか基本法みたいなものが出てくるんじゃないかと。それを4のところで見ると、基本方針があって、全国評議会があって、何とか推進員があってというような、そういう枠組みをつくりたいというふうに読める。そう書いてはありませんけれども、そういうふうに読めるという意味で、先ほどの議論に出てきましたけれども、具体的に何を考えているのか。具体的な施策を進める場合に、何か法律で枠をぼんと考えて進めるということなのか、それとも個別にそれぞれの方策を進めていくつもりなのかということがもう少し見えるような形であった方がいいと思うんです。
それからまた、法律でやるということについて、これは塩田委員、それから浅野委員のお話もありましたけれども、何か自発的に指導をしていくとかファシリテートしていくときに、何か資格認定みたいなことをやって枠をはめていくということが、かえって国のはめた枠の方に引っ張られるのではないかというような問題も考えられるということで、その辺の自発性というところと、そうした国の設ける制度ですね。それが支援になるのではなくて、結果的にはコントロールになるというようなことでは困るわけですが、その辺もちょっと一度、そういう意図でお書きになったんじゃないとは思うんですけれども、見直していただきたい。
それから、環境教育の話が幾つか出てまいりますけれども、どうもここで考えているのは、環境省が手がつけられる環境教育を考えていて、文科省の方に余り余計なことは言わないということなのかもしれませんけれども、活性化という点から考えた場合には、やはり文科省であれどこであれかかわってくるので、その辺も一度見ていただきたいと思います。
浅野さんのおっしゃった環境学部は、これは個人的なご意見として伺っておいて、少なくともほかにないんですね。それじゃ、経済学部に頼んでおけば大丈夫かというとそうでもありませんし、工学部で大丈夫かといえばそうではありませんから、せめて10年ぐらいたって、今、たまたま環境学部の中に身を寄せている人がみんな定年になった後の楽しみにするほかは私もないと思うんですけれども、幾つかご指摘がありました。環境教育に関してはそういう学部、学校、それから社会教育なども含めて、もう一度見ていただきたいと思います。
それから、先ほど横山委員の話にもありましたけれども、評議会とかリーグとか、いろいろなのが出てまいりました。これは先ほど審議官がお答えになったけれども、ちょっとほかとの関係がどういうふうに考えておられるのか。その意味では、先ほど浅野委員、横の広がりを書いたのは大変結構だったんですけれども、日本のNPO、NGOと言ってもいいですが、要するに日本のこういう活動というのは、それぞれのところで地域にある不満、例えば公害なら公害、それから河川の汚れとか、あるいは開発に対する反対というのはみんなそこから出てきているわけですから、それに「おまえさん、温暖化も考えろよ」とかなんとか言ったって、問題意識も違いますから、そういうものをまとめることがいいのかどうかということもあります。
その意味では、同じようなことをやっているところがパートナーシップを組むということは重要ですが、私も2つばかりそういうものにかかわっていたんですけれども、多分持っていっても「そんなことまでおれのところはやっている暇はないよ。人間もいないし金もない。だから、今やる分で精いっぱい。横の広がりはやれる人がやったらいい」という、その点がやはりアメリカ、ヨーロッパの例えばシェラクラブとかWWFとか、そういうところとかなり違っているということも、やはり考えておかなきゃならない。その点で、余り全部ひっくるめて横につないじゃおうというのではなくて、それぞれが活動しているのを国や地方公共団体がどうやって支援をしていけるのかという、その意味ではかなり柔軟な仕組みを考えた方がいい。何か私も全体を読んでいると、やはり国らしいといいますか、なるべくみんな一緒にしたいというところが見えないわけでもないので、この辺ももう一度考えていただきたいと思います。
ちょっと時間を過ぎましたので、ご意見がおありかもしれませんが、役所の方の予定では、7日にパブコメにかけたいと言っております。7日ということは、もうあさってということでございますので、今、皆さんから出た中で答えられるもの、対応できるものについては対応していただいて、パブコメでむしろはたかれるだけはたかれて、それでまた我々の方で議論すればいいことですので、できる範囲でやっていただいて、やる場合には、何か答申案というようなことでなくて、パブコメのときに、今、中間答申案についてこういう議論中である。その過程で皆さんのご意見も入れて中間答申をまとめていきたいという趣旨を明らかにして、今までの例ですと、もうこちらで決めておいて、文句を言ってくださいと言ってやっていたわけですけれども、そうでない。ある意味では極めて民主的なのかもしれませんが、そういう趣旨を明らかにしてやっていただきたいと思います。
それで、またきょうご発言なさらなかった、あるいは後で考えたらこういうことがあったというご意見がおありでしたら、これは事務局の方にお寄せいただいて、できるだけパブコメや外側の意見も入れて、きょうのご意見の中で2日間では処理しにくい問題も含めてまとめていただいて、12月の何日でしたか、この次の委員会までにはつくって、皆さんに事前に送付をしていただく。12月6日に送付をしていただいてお考えいただく。できるだけ12月6日にガンガンとやって、17日にはまとめたいというふうに思っておりますので、どうぞご協力いただきたいと思います。
何か特にご発言はございましょうか。どうぞ。
○廣野専門委員長 きょうの皆様方からのいろいろなご議論を聞いていて、私自身も非常に勉強になったんですが、やはり一つ、ちょっと理解が僕から見ると足らないなと、大変皆さん方、立派な方にそういうことを申し上げるのは失礼なんですが足らないなと思うのは、それは何かというと、従来、日本の政府、いろいろな行政機関が、何らかのある法律をつくり、問題の処理を考える場合に必ずやってきたことは何かというと、行政の立場からこういう法律をつくって、こういうことをやりましょうということで、例えばいろいろな一般の市民の協力を得るにしても、行政の立場からこういうような問題を処理するためには皆さん方の協力が必要なんだという格好で出てきたのが従来のやり方であって、地球温暖化の問題であれ何であれ、やはりそういう利用者の立場からいろいろなNPO、NGOに協力してほしいということだと思うんですね。それがパートナーシップを組んでいくということだと思うんです。
ところが、今回の環境保全活動の活性化というのは、全然違った視点からこれをやろうとしているわけであって、それは何かというと、現に日本の国内に、環境問題についていろいろ考えて活動しているたくさんの団体があって、その団体が、大変残念ながら、僕らから見て、すなわちNGOの方から見てもかなり弱い。その弱いNGOが、今、世界的なレベルであり、また国内的なレベルもそうですが、いろいろなレベルでこれからもっともっとNGOとかNPOがいろいろな意味で政府の政策に参加していく必要がある。そういうのがこれからの市民社会の大きな動きであるという考え方が非常に前面に出てきたわけです。ところが、実際に考えてみると、そういう政府の政策形成過程に参加していくだけの力量を持ったNGOとかNPOは一体どれだけあるだろうかというところがやはり出発点であって、そういうのを見ると、実際にNGOの場でいろいろな活動をしているときに考えるのは、どうしてもこんなに弱い状況にある。そこで自分たちはもちろんこれをやるのが基本的であり、まさに自発性、自主性なんですが、ところが、そういう自発性、自主性に基づいて活動していく場合に、逆に向こう側の方から、こういう点で行政に対して協力してほしいという、そういう点があるわけです。だから、行政がNPOに対してこういう協力をしてくれというんじゃなくて、逆にNGO、NPOの方から、行政に対してこういうことを協力してほしいと。
特に一番大きな協力というのは、いろいろな面での規制緩和ですよね。やはりいろいろな規制があるから、かえっていろいろなことができないわけであって、そういう規制緩和をしていただいて、もっともっと自由に走らせる方向に持っていってもらいたい。それにプラスアルファで人材とか資金とか、あるいは情報公開とか、いろいろな面でもっともっとやることによって、NGOの活動がより活性化するというところがあるので、そこらは確かに今までの縦割り行政の中では難しい点ですが、環境省の中を見てもいろいろな部会があったり、事実いろいろやっているんです。それぞれイシューについてやっているわけですから、今回のように、先ほど局長さんのお話があったように、やはり言ってみれば環境のインフラの整備といいますか、環境のためのインフラの整備を市民レベルでどうするかという問題ですので、そういう視点からやるとなると、どうしてもおっしゃるようにオーバーラップするところが出てくる。オーバーラップするところは、浅野さんがおっしゃったように、ぜひそこはちゃんと調整してもらいたいなと。
私は、やはり日本の国内のNGOとかNPOが本当に僕らから見て弱いなと思いますので、その弱いNGO、NPOが強くなるのは自分たちの力なんですよ。市民の力で強くなるはずなんですけれども、しかし、そうは言うものの、いろいろな意味での現在の日本の情勢、あるいは世界の情勢から考えて、そう長くは待っていられないというところから、こういうようなことが出てきたので、ぜひそういう面から、温かな目で見てこれをやっていただくのが重要かと思いますので、よろしくお願いします。
○森嶌部会長 皆さん、既にその点については十分に認識をした上でのご発言だというふうに私は考えております。どうもありがとうございました。
それでは、事務局から今後のスケジュール、先ほどちょっと言いましたけれども、ちょっとご説明願えますか。
○浅野環境教育推進室長 資料の3をごらんになっていただきたいと思いますが、検討スケジュールの案ということで、上の方にはこれまでの経過が書いてございます。下の方に、先ほども話がございましたけれども、一応7日からパブリックコメントということで、一般の方々からもまたご意見をいただきたいと考えております。その後、次回の部会でございますが、12月6日の13時から15時までということで、2時間を設定させていただいております。また、その次でございますが、12月17日、16時から18時ということで、時間が変わりますけれども予定をしております。皆様のお手元に出欠伺いをお配りしてございますので、また12月でお忙しい時期とは思いますが、ぜひ万障繰り合わせてご出席を賜ればと思います。よろしくお願いいたします。
また、出欠伺いにつきましては、事務局の方にお帰りの際にお出しいただければと思います。
以上でございます。
○森嶌部会長 それでは、次回、次々回、ぜひご出席をいただきますようお願いいたします。
それでは、以上をもちまして本日の総合政策部会を終わります。
長時間にわたりまして、どうもありがとうございました。
午後3時40分閉会