中央環境審議会総合政策部会(第9回)議事要旨

日時

平成14年11月5日(火)13:30~15:30

場所

環境省 第1会議室(22階)

出席委員

森嶌昭夫(部会長)、安原正(部会長代理)、青木保之、浅野直人、
天野明弘、江頭基子、塩田澄夫、鈴木継美、鳥井弘之、永利新一、
波多野敬優、福川伸次、細田衛士、松川隆志、三浦規宏、村杉幸子、
安井至、横山裕道、和気洋子、渡辺修
廣野良吉(環境保全活動活性化専門委員会委員長)
 

議題

  1. (1)環境保全活動の活性化方策についての中間答申(案)について
  2. (2)その他

議事

○「環境保全活動の活性化方策について(中間答申)」(案)の「1.はじめに」~「3.環境保全活動を進めるための課題」(P1~P9)について

  • 「はじめに」に「新たな法制度の検討等…」と書かれているが、まず立法ありきというのはいかがか。
  • 1~3が「4.具体的施策の考え方」につながるような書き方になっていない。例えば「気運の高まり」について、どういうところが不十分なのか。NPOの役割が大きくなるとあるが、どういうところが大きくなるのか?
  • 既存の法律・制度との関係はどうなるのか。整合性を取るべき。ただし、個々の制度によってやっていることを狭めることはすべきでない。
  • P8(4)情報の共有について、行政が有する幅広い情報を出来る限り積極的に公開すべき。ヨーロッパでは情報アクセスのための条例があり、それに基づき各国で環境情報について法制化されている。「情報」について具体的にどう考えているのか。例えば、「日本統計年鑑」に環境の統計が登載されておらず、環境省の統計は容易に入手できないなど問題がある。
  • 環境教育に関する記述は、最近言われている「環境教育推進法」(仮称)を意識して書かれているのか。
  • 「パートナーシップ」の定義を書くべき。「パートナーシップを組む」という表現は不自然であり、「パートナーを組む」ならばわかる。
  • 「NGO」という言葉が無神経に使われている。「民間団体」「NPO」「NGO」を整理して使うべき。
  • P4「環境によいことをしよう」という表現は不自然。「環境を守ろう」くらいでいいのではないか。
  • P6ヨハネスブルグ・サミットの記載について、「NGOなどの各種民間団体が、~~等に参画し、」とあるが、これまでの国連会議と全く違うのは、NGO等が主要グループ(メジャーグループ)として認知され、政府と対等の立場で扱われた点であり、それを追加すべき。
  • 法制度の具体案が見えてこず、説得性が弱い。ナショナルトラストのところで1ヶ所法的措置とあるだけ。冒頭に法制度云々を書くより、最後に中身によっては法制化が必要なものもあり、検討が必要と書くべき。
  • 国際的取組みについて、単に漠然としたものでは不十分。途上国支援では環境だけでは駄目だし、トランスナショナルの環境問題では国境を越えたパートナーシップが必要など、問題に応じていろいろ取組みの仕方がある。
  • NPOに対する支援について、NPO活動は有給でもいいというような文(指針のようなもの)が入らないか。
  • 環境NPOに関わりたい人はたくさんいるが、最後の1歩を踏み出せない。最後の1歩を踏み出すための指針を示せないか。
  • 具体的施策について効果があったかどうか、毎年チェックすることが必要と考えるが、チェックする仕組みを書くことはできないか。
  • 拠点整備について、揉め事や利害の相反が生じた際の調整機能について書くべきではないか。
  • 事業者は、回収など企業としてやらなければならないことがいくつかあるので、それも書きこむべき。
     

○「4.具体的な施策の考え方」以降(P9~)について

  • この中間答申で果たして保全活動が活性化するのか心配。
  • 国際化の視点を記す場合、日本の協力が必要だが、イコールパートナーとして、一緒に考えることが必要なことを強調すべき。この施策をしなければならないという具体的な内容を書くべき。
  • 書き始めは自主的活動をどうするかから始まっているのに、具体的施策のところでは、人材については、専門家の育成とか指導員の能力向上、職業化など、指導員というもので一つの方向、行動原則に引っ張っていく感じがする。同様に、税制についても一つの型にはめ込むような感じがする。
  • P11.11行目「手や頭を働かせて」という表現は不適切。「それぞれの能力・特性に応じて」というような表現に改めるべき。
  • P12拠点の機能について、学校教育への支援も記すべき。
  • P12「自発的な環境保全活動の拠点」という項目なのに、環境保全活動を支援するという意味での拠点のことのみが書かれている。また、環境省の施設についてのみ記されているように思うので、民間団体の支援拠点についても書くべきでは。
  • 遅いかもしれないが、「特区」を利用した施策を取りこめないか。
  • 情報の共有について、具体的施策が示されていないように思う。環境統計集などについて書きこんだらどうか。
  • 「地域環境力を高める」ということと「自発的活動の促進」というキーワードをしっかりと記すべき。
  • 自発的な活動を高めるということと施策としての枠組みをどのように調整していくのか。
  • 環境保全活動は皆が良かれと思うことを自由にすべきであり、あえて型にはめる必要はない。
  • NPOがひとつの分野に拘らず、その活動に広がりを持っていけるような記載にすべき。
  • 「基本方針」とはどの程度のものを言うのか示すべき。
  • 過去に出された関係答申を生かすべき。
  • 大学の環境学部での人材育成については、期待できない大学もある。
  • 「評議会」と「リーグ」が同じものを指すような印象を受ける。
  • 基本方針と環境基本計画との整理はどうするのか?
  • 環境教育の推進について、以前、文部科学省の通達で示すことについて協議会で議論してほしいと依頼したが、その結果はどうだったのか。
  • 里地・里山保全活動など実際の活動のフロントは、環境に関する工事のアンチテーゼとして行われているわけで、行政がNPOと手を結ぶだけでいいのか疑問。一方で、アセス法の作りかえみたいなものが必要ではないか。
  • 環境教育について、生涯学習システムの中に位置付けるだけでは狭すぎるのではないか。環境省が手をつけられる範囲のことだけが記されているようである。総合的な学習の時間などにもっと取り込んでいく必要があると思う。
  • NGOとNPOがごちゃごちゃで使われている。NGOは、政府からの資金援助を受けていない、政府と対立する存在を指すと考える。
  • 活動の活性化という観点から考えるべきで、具体的にどうするのか記されるべき。
  • すべてを一つにまとめるには無理な部分もあるので、各々の活動をどうサポートできるかという考え方でいいのではないか。すべてをまとめたがるのはいかにも政府らしい。