中央環境審議会総合政策部会(第2回)会議録

日時

平成13年12月6日(木)10:00~12:00

場所

東条インペリアルパレス3F「扇」

出席者

(部会長)   森嶌 昭夫   (部会長代理)   安原 正
(委員)   浅野 直人
  鈴木 継美
  和気 洋子
  小澤 紀美子
  桝井 成夫
  
  佐和 隆光
  村杉 幸子
  
(臨時委員)   青木 保之
  江頭 基子
  塩田 澄夫
  筑紫 みずえ
  中野 璋代
  三橋 規宏
  甕   滋
  横山 裕道
  天野 明弘
  河野 正男
  瀬田 重敏
  鳥井 弘之
  松原 純子
  宮元 一
  安井 至
  渡辺 修
  飯田 浩史
  北野 大
  武田 善行
  永利 新一
  三浦 慎吾
  村上 忠行
  山本 良一
  飯野 靖四
(環境省)

議題

  1. (1)環境基本計画の進捗状況の点検方針について
  2. (2)公害防止計画制度の運用の見直しについて
  3. (3)報告事項
    •   ・環境研究技術専門委員会の審議状況
    •   ・地球温暖化防止税制専門委員会の審議状況

配付資料

資料1 第二次環境基本計画の第1回点検の進め方について(案)
資料2-1 公害防止計画制度の運用の見直しについて(答申)(案)
資料2-2 公害防止計画制度の運用の見直しについて(答申)(案)概要
資料3-1 環境研究技術専門委員会の審議状況等について
資料3-2 環境研究・環境技術開発の重点的・戦略的推進方策に関する中間報告
資料4 地球温暖化対策税制専門委員会の審議状況等について
(参考資料)
  •  ・最近の総合科学技術会議における取組
  •  ・廃棄物分野における戦略的環境アセスメントの考え方
      (個別分野における戦略的環境アセスメントに関する研究会中間報告書)
  •  ・海外における戦略的環境アセスメント技術手法と事例
  •  ・地方公共団体における戦略的環境アセスメント等事前配慮システム導入状況
  •  ・環境会計ガイドブックII ・平成12年度環境にやさしい企業行動調査

議事

【青山総務課長】 おはようございます。ただいまから第2回中央環境審議会総合政策部会を開催させていただきます。
 まず、総合環境政策局長からごあいさつをいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

【中川局長】 総合環境政策局長の中川でございます。総合政策部会の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 委員の皆様におかれましては、平素より環境行政の推進につきましてご指導を賜り、厚く御礼を申し上げます。本日は大変ご多忙中にもかかわらず、ご出席いただきましてまことにありがとうございます。本日は第2回の総合政策部会となりまして、やや盛りだくさんの事項となるわけでございますが、よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
 まず、環境基本計画の進捗状況の点検方針についてでございますが、皆様ご承知のとおり、昨年12月22日に新たな環境基本計画が閣議決定されまして、政府としてさまざまな施策が進められているところでございます。環境省でも関係府省会議を設置いたしまして、環境基本計画の推進方策の検討などを行っているところでございます。環境基本計画を総合的かつ効果的に推進することは、我が国の環境行政の基本でございまして、その効果的な実施のためには進捗状況の点検を適切に実施していくことが重要だというふうに考えております。本日はその点検の進め方についてご審議いただくわけでございますが、点検を実施するに当たっては、総合政策部会におけるご審議のみならず、委員の先生方に全国をブロックに分けての地域ヒアリングなどもお願いしたいと考えております。よろしくご検討のほどをお願い申し上げます。
 次に、公害防止計画制度の運用の見直しにつきましては、昨年12月の中央環境審議会の意見具申を踏まえまして、本部会の公害防止計画小委員会においてご審議いただいていたものでございまして、小委員会において取りまとめていただいた結論をご報告申し上げたいと思います。
 公害防止計画制度は昭和45年の運用開始以来、我が国の激甚な産業型公害を克服する上で大きな役割を果たしてまいりましたが、近年の複雑多様化する環境問題の状況を踏まえまして、地域ごとの課題に重点的・効果的な対策を講ずることができるよう、この審議結果に基づき、運用の見直しを図ってまいりたいと考えております。
 また、本部会のもとに設置されております環境研究技術専門委員会、及び本部会と地球環境部会の合同部会のもとに設置されました地球温暖化対策税制専門委員会の審議状況について、ご報告申し上げたいと思います。
 環境研究技術開発につきましては、内閣府に設置されております総合科学技術会議との連携を図りながら、その推進に努めているところでございまして、専門委員会でも、そのような状況を踏まえて環境研究技術の推進方策について中間報告をおまとめいただくとともに、答申に向けてご検討いただいているところでございます。また、地球温暖化対策税制につきましては、現在、我が国は京都議定書の2002年締結を目指して国内対応制度の整備に取り組んでおりまして、この中で温暖化対策税制の導入は京都議定書締結の前提として位置づけなければならないとは考えておりませんが、温暖化対策税を導入することにより、より効率的に京都議定書の目標達成を実現できる可能性があるわけでございます。したがいまして、この専門委員会におきましては、税制度の専門家のお立場からさまざまな制度面でのご検討、制度オプションの比較検討などをお願いしているところでございます。
 以上のような事項につきまして、2時間という限られた時間ではございますが、よろしくご審議のほどをお願い申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【森嶌部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいま中川局長からお話がありましたように、本日はかなり盛りだくさんでございまして、審議事項として二つございます。一つは、環境基本計画の進捗状況の点検方針につきまして、ご審議をいただきたいと思います。それから、さらに、総合政策部会の公害防止計画小委員会で、先ほどもお話がございましたように、公害防止計画制度の運用の見直しについてご検討いただきました。これは小委員会のご審議を経て得たものを部会の決定とすることに、答申とすることになるわけでございますが、これにつきましても、重大なものでございますので、小委員会のレポートの報告をいただくということにしたいと思います。
 それから、報告事項としまして、2点。環境研究技術専門委員会、それから地球温暖化対策税制専門委員会がそれぞれ審議をしてくださっておりますので、それについて報告を受けたいというふうに思っております。
 それでは、早速、時間もございますので、議事に入らせていただきますが、第1の議題でございます、環境基本計画の進捗状況の点検方針につきましてご議論いただきたいと思います。これも先ほどご説明がございましたけれども、一応、前の環境基本計画につきましては、点検を毎年してまいりましたけれども、新環境基本計画になりまして、従来と基本的には考え方はそう大きく変わるわけではありませんけれども、より将来に向けて、実施体制がどんどん整っていくような形で点検をしていきたいというふうに考えておりますので、今回で新環境基本計画についての点検方針について、どのように考えるべきかということをご議論いただきたいと思います。これにつきまして、事務局の方からご説明をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

【鷺坂環境計画課長】 それでは、環境計画課長でございますけれども、資料に基づきましてご説明したいと思います。資料1をごらんいただきたいと思います。
 ここに「第二次環境基本計画の第1回点検の進め方」という資料でございます。
 まず、1の点検調査の進め方ということで、この部会でいろいろご議論をいただく前の準備作業としての調査内容ということを掲げさせていただいております。(1)国の取組状況の把握ということでございますけれども、今回の環境基本計画におきましては、特にその施策体系全体の前に、その計画期間中に優先的に取り組むべき重点分野ということで、こちらの厚い冊子の環境基本計画の第3部の第1章というところは11節ほどあるわけでございますけれども、その重点分野として11の戦略的プログラムを定めているところでございます。この戦略的プログラムに関する優先的に取り組む事項ということでございますので、それに関する各部署の取組、こういったものにつきまして、後ほどちょっとご説明申し上げますけれども、点検項目に係る取組を国の状況として取りまとめたいと思っております。その際、この各取組が戦略的プログラムの中の政策手段、政策手法、どのような政策手法に分類されるのか。あるいはあらゆる段階の取組と言っておりますけれども、地域づくりとか、あるいは国際的取組、こういったものに資するものか否か、こういったことにつきましても、把握していきたいというふうに考えております。
 それから、取組状況のスパンでございますけれども、基本的には年度内の取組を対象としたいというように考えておりますけれども、単年度の予算、施策では効果が把握しにくいものにつきましては、そういった年度にこだわらず、累積的な効果が明らかになるように把握したいと、このように考えております。
 なお、第1回目の点検につきましては、基本的に13年度の取組をやるわけでございますけれども、先ほどありましたように、この新しい環境基本計画が昨年12月22日に閣議決定されておりますということから、その間の12年度に及ぶ間の取組もあわせて取りまとめたいと考えております。
 次に、[2]のところでございます。この環境基本計画の参考資料の2というところに記載されているわけでございますけれども、ページ数で言いますと145ページということになるわけでございますが、それぞれの個別の課題に係る既存の目標等について記載されております。こういった目標等につきましては、入手可能な最新のデータを用いまして進捗状況の定量的把握を行う。あるいは個別の課題について新たに目標等が追加設定されたというような場合につきましては、また追加をしていきたいと、このように考えております。
 次に、[3]でございます。あちらこちら飛んで大変恐縮なんですけれども、この環境基本計画の138ページの第4部というところがあるわけでございますけれども、そこで計画の効果的実施というようなところがございます。その中に、この138ページの第1節の一番終わりの方の部分になるわけでございますけれども、この基本計画の中で、「関係府省は、環境基本計画を踏まえながら、自主的に環境配慮の方針を明らかにするとともに、その推進を図るため、政府は率先して自主的に環境管理システムの導入に向けた検討を進めます」と、このように書かれているところでございまして、そういった事柄から、この資料の[3]に書いておりますが、各府省におきます環境配慮の方針の策定に向けた取り組み状況、あるいはここにありますような環境管理システムの導入に向けた取り組み状況、こういったものを取りまとめていきたいと考えております。現在、事務的には、先ほどありましたように、環境基本計画推進関係府省会議という場で各府省の方々と議論をしているところでございますけれども、そういった状況を取りまとめていきたいと思います。
 それから、[4]でございますけれども、第二次環境基本計画策定後の環境政策に関連する主要な動きを取りまとめていきたいということで、ことしの春の通常国会でNOx法の一部改正がありましたり、あるいはことしの4月から家電リサイクル法とか、あるいはグリーン購入法が本格施行されていると、そういったこと、あるいは地球温暖化対策でのいろいろな動き、こういったものを取りまとめていきたいと考えております。
 それが(1)の国の取組状況の把握でございますが、(2)といたしまして、地方公共団体、事業者等の把握ということで、地方公共団体とか事業者等の取組状況につきましても、アンケート調査等によりましてその進捗状況の把握に努めていきたいと思います。
 それから、(3)といたしまして、国民各界各層の意見の聴取の方法についてということで、以下のような方法によりまして、国民の意見を広く受け入れ、点検に反映させていきたいと。さらに、そういった内容につきまして効果的に実施するため、事前にさまざまなメディアを活用した取組にも努めていきたいと、このように考えております。
 その方法でございますけれども、[1]といたしましてブロック別ヒアリングと。先ほど局長の方からもございましたが、各主体の取組状況、環境基本計画を推進していくための意見について生の声を聞くということで、全国、そんなに数は多くはできないと思いますが、2、3カ所についてブロック別ヒアリングを行いたいと、このように考えております。この場には各委員の先生方にもご出席をお願いしたいと、このように考えております。
 それから、2ページをお開き願いたいと思いますが、一番上にありますけれども、[2]ということで、電子メール等による一般意見受付ということで、各主体の取組状況、環境基本計画を推進していくための意見を幅広く受け付けるということをしていきたいと思います。
 それから、その下の大きな2番の点検の進め方ということでございますけれども、今申し上げましたような点検調査の状況を踏まえまして、この部会での点検の進め方ということでございます。
 (1)といたしまして、点検調査結果の報告ということで、今申し上げました点検調査結果につきまして、私ども事務局よりご報告申し上げますので、そういった報告を部会として点検を行っていくということであります。その際、国の取組状況に関する質疑等に当たって、必要に応じて関係各府省の同席を求めることも考えているところでございます。
 それから、(2)の点検項目ということでございます。先ほど点検調査のところでご説明申し上げましたように、環境基本計画に今回新しく盛り込まれた11の戦略的プログラムのうち分野別の課題は六つ、それから政策手段は三つ、それから全体的な取組二つというふうに分かれておるわけでございますが、分野別課題の六つのうち、今回四つを一応抽出させていただいてここに書かさせていただいております。地球温暖化対策の推進以下、物質循環の確保と循環型社会の形成に向けた取組、化学物質対策の推進、生物多様性の保全のための取組、この四つでございます。それから、政策手段の三つの戦略的プログラムのうちの一つということで、環境教育・環境学習の推進というものを掲げさせていただいております。
 この点検項目に関する留意事項でございますけれども、先ほど申しましたように、項目としてはその11の戦略的プログラムを基本としたいと、このように考えておりますが、計画策定の5年後にこの環境基本計画の見直しということが一応環境基本計画上は掲げられておりますので、そういった時期までに主要項目すべてを点検できるようなバランスに配慮したいと、このように考えております。
 それから、留意事項の[2]でございますけれども、第1回の点検ではこういった項目を抽出しておりますが、2回目以降の点検につきましても、継続的にその進捗状況を把握することが重要な項目につきましては、引き続き点検項目にしていきたいと、このように考えております。
 それから、[3]でございますけれども、先ほどちょっとご説明しました、新しい環境基本計画の第4部の第5節という、このページ数で言うと139ページになるわけでございますが、ここに点検の方法としまして、左側の真ん中あたりでございますけれども、中央環境審議会の点検は関係府省の自主的な点検を踏まえて実施すると、このような形になっておりますが、この自主的点検といいますと、先ほどちょっと触れましたように、政府における環境管理システムの導入、これと非常に密接な関係があると考えられるわけでございまして、現在、その導入に向けての検討中ということでございます。そういったことから、今回、第1回目の点検につきましては、環境管理システムの導入が現時点ではまだまだできていないということもございまして、今回の点検では、その環境配慮方針の策定の状況でありますとか、あるいはそのシステム導入に向けた取組の状況把握ということに今回としてはとどめたいと。環境管理システムが各府省に導入されれば、その各府省の点検結果をまたこういった中央環境審議会総合政策部会の場で点検していただくと、このような考え方でございます。
 その下の(3)でございますけれども、点検のポイントといたしましては、戦略的プログラムに掲げられた重点的取組事項、目標及び施策の基本的方向と、こういったこととしたいというふうに考えております。
 次の3ページでございますけれども、第1回点検の当面のスケジュールということで一応書かせていただいております。本日、点検の進め方につきまして、方針をご決定いただきましたならば、先ほど触れましたような点検の関連調査、こういった事柄を来年の3月ぐらいまでに行いまして、その結果を取りまとめて、来年の4月以降、またこの総合政策部会で数回程度で点検作業をお願い申し上げまして、私どもの心づもりとしては、6月ぐらいには閣議に報告できればと、このように考えている次第でございます。
 若干早口で恐縮でございましたけれども、以上でございます。

【森嶌部会長】 ありがとうございました。
 今、気がついたんですけれども、この環境基本計画、会議後回収というふうに書いてありますが、これは新しい委員もおられるんですが、これは皆さんにわたっていますか、個別には。つまり、ここに来て初めて見るというのもあれですから、座右の書にしてくれとは言わないけれども……。

【青山総務課長】 もしよろしければ、お持ち帰りいただいて結構でございます。

【森嶌部会長】 いや、これは回収してくださって構わないと思うんですけれども、毎回持ち込むのもあれですから。しかし、それぞれ持っておられた方がいいと思いますので、各委員には、もう既に持っておられる方は別として、ご希望があれば、ぜひ事務局の方から渡していただきたいと思います。
 基本的には、先ほど申しましたように、点検は第一次の環境基本計画でやっていたこととそれほど大きく変わるというものではございませんが、点検項目について、戦略的なプログラムをその中からまた重点的に取り上げて、5年で全部きちんと点検するということと。それから、従来は各省庁は、ここに来て省庁の取り組み自身を報告していただいたわけですけれども、むしろ各府省が自主的に点検をしてもらおうと。その結果をこちらで伺うというふうに第二次では変わっているといいますか、大分進歩をしているというふうに思うわけですが、先ほどのお話のように、今回はそこまで各省庁が自主的点検体制というのがまだできていませんので、どういうふうにやるつもりかと、環境配慮などをどうするかというようなことについて今回は聞くということでございますが、その他の点については大きく違いはないと思いますけれども、どうぞ新しく委員にご就任いただいた方もおられますので、新しい目でごらんいただいて、ご意見あるいはご質問等がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。もちろん古くからいる人は言ってはいけないということではございませんけれども、どうぞよろしくお願いします。

【浅野委員】 前の計画も点検をいたしまして、一定程度効果を上げてきた。その延長線で現計画は、戦略プログラムを定めて、これを計画の目玉としたわけです。したがって、網羅的に全部点検するのではなく、戦略プログラムを中心に点検項目を取り上げていくやり方が、今回の計画の点検のあり方としては適切であろうと思われます。したがって、事務局の考え方で基本的にはよろしいのではないかと思うわけです。
 計画の138ページの「効果的実施」という項目の第1節が先程指摘されたわけですが、第2節に「目標の設定」という記述がありまして、これについては宿題というか積み残しがまだ未だに残っております。総合的環境指標をつくって、それを点検に役立てようという議論を以前から続けてきたわけですが、単一の目標と指標ですべてを語るということはおよそ無理です。それで、総合指標を、それも指標群という形で考えてみようという努力を続けてきているわけですが、なかなかそう簡単に言ってうまくいくものでもなく、これまで延び延びになっています。
 ですから、今回も確立された総合的環境指標によって点検・評価するということはなかなか難しい面があるわけですけれども、戦略的プログラムという以上は、それぞれの戦略的プログラムの動きを、ある目標を達成できたかどうかという目でみるのはなかなか難しいのですが、どのぐらい変わったのかという変化動向をしっかり押さえるということはぜひ必要です。その限りでは、個々のプログラムごとに、定量化できるものは定量化するという形で変化を把握するという努力をしていかなければいけないのではないかと思われます。もちろん1年、2年で世の中が動くものではないという項目がいっぱいあるわけですが、とりわけ「環境教育・環境学習」という項目があるわけですが、これは以前に環境教育・環境学習の方針を答申したときにも、どうやって効果測定をするのか課題であるとされながらそのままになっています。
 しかし、現実に現場の実感から言いますと、随分変わってきたし、随分進捗しているということは言えるわけです。そのように実感として言えることをもっときちんとした形であらわしていかないと、だめだという気がいたします。例えば、どのぐらいの実績がふえているのかとか、どの程度の予算が投入されているのかとかいう形のことならば、点検作業の中で明らかにしていくことができると思います。それぞれの項目について、単一のやり方でなくてもいいから、どう動いている、どう変わったかということを把握できるような作業を事務局の点検の準備の段階でぜひ進めていただきたいと思います。
 それから、この138ページに重要なことが書いてあると思うわけです。現在、温暖化対策にせよ、循環型社会形成にせよ、あるいは生物多様性の問題の国家戦略の検討にせよ、さまざまな検討を進めていますが、それらの検討の中でいつも、情報が十分に把握できていないとか、情報が大変おくれていて、2年おくれ、3年おくれでしか全国の情報がとりまとめられないことが問題になっているわけです。各部会、各小委員会で議論のたびに出てくることです。点検をしていくという以上、ぜひ各府省にも協力をいただいて、将来、やはり何らかの形で環境情報法のようなものをつくらなければいけないのではないかというようなことも言えるわけでありますし、個々の温暖化対策にせよ循環型にせよ、その問題が非常に大きいということがあります。ですから、この施策に係る情報がどのような形で集められ、どのように確保され、どのぐらいの時間で処理されてデータとして整理されているのかという、その辺の実態を少し意識的に調査をしていただけないものだろうかと。そのことを通じてさらにここは改善できるというような手だてが見つかるのではないかと思いますから、やはり総合環境政策局で統合的にやっていただく必要があるのではないかと思います。この辺も事務局でぜひご検討いただきたいと思います。

【森嶌部会長】 どうもありがとうございます。
 それでは、三橋委員、それから、その次は宮本委員、どうぞ。

【三橋臨時委員】 点検調査の進め方のところでちょっと意見があるんですけれども、国の取組状況の把握、それから1ページですね、地方公共団体、事業者などの把握、それから国民各層の意見の聴取という三つに分かれていますね。これの中で、私はこの2番目の地方公共団体、それから事業者などの把握というのが、実は現実に取り組んでいる最も重要な核なんですよね。だから、ここをアンケート調査だけでごまかしてしまうのではなくて、地方自治体にしても、事業者にしても、すごくいいことをやっているところはいっぱいあるわけね。だから、それを全部はピックアップできないにしても、幾つかの事例を挙げて、こういう形でこの計画に対して効果を上げているという事例はいっぱいありますよ。そういうようなことを具体的に幾つかのケーススタディーを取り上げていただいて、アンケートによる全体調査とともに提示してもらうというような形がないと、これはやはり前回、私も古い方の委員なんだけれども、前回の一次点検とほとんど変わらないのではないかなという感じがします。だから、私の希望としては、地方公共団体、それから事業者、これは非常によくやっているところはいっぱいあるので、そういうところをピックアップしてケーススタディーとして、計画に対してどう取り組み、どういう成果を上げたというようなことをぜひかなり力を入れてやってもらいたいということです。

【森嶌部会長】 どうもありがとうございます。
 それでは、宮本委員、どうぞ。

【宮本臨時委員】 このことは結構だと思うんですが、環境に対する国民の関心であるとか知識であるとか、平均レベル、どういう各層にどんなレベルであるかということがまず余り読めていないんですね。例えば、ここへ出てくるようなブロック別のヒアリングというのは、関心のある業界とか、そういう人たちが出てきて話をするわけですね。それから、この電子メールにしましても、やはり関心のある人がアクセスして出してくると。一般の大衆はどう思っているんだということが、まずわからないのではないかという気がするんです。これは今後ずっとやはり長く続けていかなければならないし、国民の啓蒙をしなければならない、教育とか学習をせないかんということになりますと、ずっと継続的にどのように変わっていったのか、その層がどういうところで関心があり、無関心な層はどこかということをやはり調べる必要がある。ということは、やはり非常に広くアンケートをする必要があるのではないかなと、かように思うんです。これは非常に金もかかりますし、難しいと思いますが、効果的なアンケートの方法について、今後、ご検討をいただく必要があるのではないかなと、かように思います。特に地球温暖化であるとか、循環型社会というのは、やはり国民が参加しなければならないわけですから、それが関心のある人だけ出てくるということでは、私は非常に問題があるので、何かそういう方法についてご検討をいただければと思います。

【森嶌部会長】 ありがとうございました。
 それでは、天野委員。ご発言のとき、できれば名札を立てていただきましょうか。天野委員、どうぞ。

【天野臨時委員】 先ほど浅野委員が触れられたんですけれども、138ページの総合的環境指標、これは第1回のときにつくるということで私もその検討会を任されたんですけれども、できなかったわけですね。私は今の状況を見ておりますと、この第2回目の終わりになってもできない公算が非常に大きいというふうに思います。基本的には、浅野委員がおっしゃったように、ベースになる統計とかデータとかいうのが入ってこない状況ですから、そういう体制では、私はこれは今回もできなくなるというふうに大変懸念をしております。ですから、そういう意味では、もしおつくりになるということをはっきりおっしゃるのであれば、それに見合った体制づくりから始めていただきたいと思います。
 諸外国でこういう指標をつくっておりますけれども、そのつくり方というのは、単に現在の環境がどうなっているかということだけではなくて、その環境の状態の背後にどういうことがあるかという、そのデータも一緒に集めるということですから、事はその環境だけではなくて、広く経済社会一般の資料も必要になってくるわけですね。
 それから、その次に、環境がある状態になったときに、それに対して各主体がどういうレスポンスをするかという、これはいろいろな主体の政策とかいうことに関連してまいりますので、ですから、非常に広範なデータが必要になるわけです。ですから、あんまり細かいところまでは必要になりませんけれども、たくさんの領域をカバーする、基礎になるようなデータを環境省がいかに把握するかということを含めて、基本的に考えていただきたい。これが一つであります。
 それからもう一つは、先ほど来いろいろご意見が出ておりますけれども、国民各階層、これはよく知っている人とか知らない人を全部含めてですけれども、その意見の聴取という、これはむしろこちらの方から意見をお伺いするという形なんですけれども、最近といいますか、最近ヨーロッパでオルフス条約というのが締結されておりまして、これはそういう消極的な情報だけではなくて、むしろ積極的に政府とか自治体とか、情報をたくさん持っている主体の方からどんどん情報を集めて公開する義務があるという書き方をして、その消極的な情報と積極的な情報が重なり合って初めて効果のある環境情報というのが社会に浸透するんだと、こういう条約をつくっておりまして、これは国連のヨーロッパ経済委員会が主導的にやっていますけれども、北米の3国、カナダ、それから米国、メキシコ、これはずっと議論には参加しております。条約をつくっているのはヨーロッパとか東欧、中東、それから中央アジアの国々ですけれども、日本もできたらそういう形で審議とか議論には参加していただけないかというふうに思います。そうしますと、こういった情報と環境の関係というのがもっとよく、いい政策をつくれるような素地ができるのではないかというふうに思います。
 以上です。

【森嶌部会長】 どうもありがとうございました。それでは、安原委員、どうぞ。

【安原委員】 第1回目の点検の進め方としましては、この原案の線でやむを得ないと思います。しかしながら、第一次の基本計画につきまして、効果的な実施の点で十分でないという反省のもとに、この138ページから139ページにかけていろいろ議論がされてこういう表現に落ちついたわけで、その中の一つのポイントが、関係府省の自主的な点検を踏まえて中央環境審議会で重点的な点検をやるということが重要ではないかということで、こういう表現が入れられた経緯がございます。どうしても中央環境審議会だけの点検でございますと、不十分にならざるを得ないわけでございます。そこで、各府省の自主的な点検が非常に重要であるということかと存じます。今回、まだ1年しかたっていないので、その各府省の体制ができていないということでやむを得ないとは思うんですが、ぜひ2回目からの点検には本来のこの基本計画に沿った点検ができるようにお取り計らいをぜひお願いしておきたいと思うんです。
 この2ページの2の(2)の[3]のところで、そういう環境配慮の方針、環境管理システム導入が進んでからとしということで、できればやりますという感じなんですけれども、ぜひそういう、もう2回目に間に合わすように各省庁に督促していただきたいと思うんです。環境配慮の方針というふうに非常に抽象的になっていますが、これは実質的には環境基本計画の各府省ごとの実施計画に当たるものでございます。それがあって、そしてそれを例のPDCAのサイクルを回して動かしていくということでございますから、そう何年もかけてやることではないと思うんです。やる気になれば、そういう方針、システムは構築できると思いますので、ぜひその2回目には間に合うようにお願いしたいと思います。
 以上でございます。

【森嶌部会長】 どうもありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。
 もちろんおいおいと進めていく段階で、ご注文があれば事務局に検討してもらって、実施をいたしますが。
 鳥井さん、どうぞ。

【鳥井臨時委員】 一つお教え願いたいんですが、総務省による政策評価というのが一つありますね。一部はダブるかと思うんですが、そこの関係はどういうふうなことを考えていらっしゃるんでしょうか。

【森嶌部会長】 従来はそういう政策評価というのは別になかったものですから、ここは環境ということで政策評価をやっていましたけれども、どういう関係にあるかという点では……。

【鷺坂環境計画課長】 総務省の方での政策評価の観点は、基本的に施策の効率性でありますとか、優先性とか、そういった観点ですけれども、一応、総務省の方の示していますガイドラインの中には、例えば、各府省がそういった効率性とか優先性とかで評価するときに、環境の視点を加えても構いませんというようなことを、文字にはなっておりませんけれども、内々に申しておりまして、我々としましては、この環境基本計画における環境管理システムを構築する一つのツールといいますか、各府省でそれぞれ事情がいろいろありますから、一律にということではありませんけれども、総務省の政策評価の中に環境の視点を入れて同じようにPDCAを回せば、それも一つの環境管理システムだと、このように考えております。

【森嶌部会長】 よろしゅうございましょうか。きょうは割合盛りだくさんなので、特になければ先へ進ませていただきたいと思いますが。
 点検の進め方につきましては、基本的には本日お示しした案で進めたいと思いますけれども、先ほどからいろいろな方から有益なご示唆がございましたので、例えば、地方自治体とか企業の具体的な取組について、単にアンケートではなくてベスト・プラクティスを集めるとか、向こうからアクセスしてきた人ではなくて、積極的にこちらから情報を発信して理解を求める、あるいは情報を収集するというようなこともやるべきだと。また、長期的に申しますと、データ等の収集・整理について、さらにきちんとしてやっていかなければならないのではないかと。その中に指標をつくっていくという方向でデータも整理をしていくべきだというようなご示唆もございましたし、また、第1回目に当たっても、各府省に対しては自主的点検をどういうふうに進めるつもりかと。第2回目からはちゃんとそういうふうにやっていただくという、そういうプログラムを含めて取組についてご報告いただくというようなことで、そのほかにもあるかもしれませんが、本日ご指摘の点を十分踏まえまして、事務局とも相談の上、決定をしたいと思います。
 また、今日、突然ということでございますので、お気づきの点が後で出てくるかもしれませんけれども、12月13日、1週間ぐらい後までに事務局に文書でお伝えいただければ、それも踏まえてきょうのご提案を修正をしたいと思っております。
 また、点検資料を事務局で作成をしてもらうわけでありますが、他の部会での審議等も十分活用するというような形で全般的な作業を効率的に進めたいと思っております。そして、可能な限り本日の委員のご意見を十分に反映をさせていきたいと思っております。そして、各省庁にもきょうのご意見等を踏まえたご意見をお伝えして、ご協力をいただきたいというふうに思っております。
 それから、ブロック別ヒアリングや意見の受け付け等につきましては、事務局とも詳細を相談いたしまして、できる限り早く決定をして、先ほど申しましたように、ブロックの会議には各委員に……、全員というわけにはもちろんまいりませんけれども、少なくとも1カ所にはご参加をいただければと思っておりますので、予定を立てていただく都合上、なるべく早く決めたいというふうに思っております。
 それでは、そのようなことで今後進めてまいりたいと思いますけれども、よろしゅうございましょうか。
 それでは、よろしくお願いをいたします。
 それでは、引き続きまして、公害防止計画制度の見直しということでございますが、先ほども申しましたけれども、これは公害防止計画小委員会において精力的にご審議をいただきました。その元となるのは、4月18日付で環境大臣からの諮問を受けておりまして、小委員会でご検討をいただき、パブリックコメントの手続も終えまして、12月4日に小委員会で答申案をまとめていただいたわけであります。これにつきましては、先ほど申しましたように、小委員会の決議、決定を受けまして、私の方で同意をし、かつ会長というのも私ということになりますが、同意をいたしますと、部会決定ということで処理できるということになっております。しかし、部会が全く知らない状況で部会の答申ということも、問題の性質もございまして、重要なことでありますので、本日はご報告を受けたいというふうに思っております。ただし、そういう運びでございますので、この答申の中にこの文言を入れろと言われてましても、それが非常に重大であって、かつ合理的なものであれば、検討いたしますけれども、基本的にはご報告をいただくということで、場合によっては一般的なご意見を賜るということで処理したいと思います。
 それでは、事務局の方でよろしくお願いいたします。

【安原委員】 公害防止計画小委員会の委員長を務めております安原でございます。私の方から、公害防止計画制度の運用の見直しの答申案につきまして、簡単にご説明申し上げたいと思います。
 資料は2-1と2-2をご参照いただきたいと思います。
 公害防止計画につきましては、昨年12月に「公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」という長い名称ですが、この法律の期限が到来するということで、10年間延長ということで意見具申を行ったところでございます。その意見具申の中で、公害防止計画制度についても、この際、所要の見直しを行い、今後ともその適切な運用改善に努めるよう指摘されたところでございます。そこで、本年4月に、今、森嶌部会長からお話がありましたように、中央環境審議会に対し諮問がなされました。公害防止計画制度の運用の見直しの具体的内容について、審議されることになったわけでございます。そのため、総合政策部会のもとに公害防止計画小委員会が設置されました。公害防止計画小委員会におきましては、これまで5回にわたり審議を行ってまいりました。そして、その後、パブリックコメントの手続も経まして、12月4日、資料2-1の答申案を取りまとめたところでございます。
 答申案では地域の課題により適切に対応した計画制度へ転換するための計画の運用の見直しについて述べておりまして、具体的には2点に分けられます。1点目は、真に対策が必要な地域が指定されるよう、公害防止計画の策定指示を必要とする地域の指定要件を明確にしたところでございます。もう1点は、計画地域におきまして重点的、効果的な対策が講じられるよう基本方針を見直しまして、地域の課題と具体的な施策及び達成目標との関係を明確にした計画とすべきであるということでございます。小委員会としましては、この答申案により、公害防止計画制度が大都市地域を中心にみられる都市生活型公害に適切に対応した計画制度に転換され、地域の公害防止が一層効果的に推進されることになるよう期待しているところでございます。
 2-1の答申の詳細につきましては、事務局の方から説明をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【森嶌部会長】 どうもありがとうございます。それでは、事務局の方で補足して説明をお願いいたします。

【鷺坂環境計画課長】 それでは、資料2-1、公害防止計画制度の運用の見直しの答申案の資料をごらんいただきたいと思いますが、1枚おめくりいただきまして、まず1ページ、「はじめに」というところでございます。
 今、小委員長の方からもお話がありましたけれども、この「はじめに」の三つ目のパラグラフ、真ん中あたりでございますが、平成12年12月1日の中央環境審議会意見具申において、この公害防止計画制度の問題点等が指摘されております。その内容でございますけれども、第一といたしまして、都市生活型公害の対策において、規制措置、経済的措置の幅広い施策が公害防止対策事業と有機的に連携し、総合的に講じられる必要があるということ。それから、第二といたしまして、この公害防止計画地域に指定されている地域の多くは、激甚な産業型公害の解消または未然防止を念頭に、運用開始後間もなく指定されたということで、地域の固定化が進んでいるのではないかということ。それから、第三といたしまして、現在の公害防止計画では、地域の課題と具体的な施策及び達成目標との関連が不明確であると。このように意見具申で指摘されていたところでございます。
 こういった指摘に対しまして、次の2ページをごらんいただきたいと思いますが、先ほどこれも小委員長からお話がございましたけれども、当面の見直しの焦点ということで、この2つ目のパラグラフでございますけれども、第一といたしまして、公害防止計画の策定指示を必要とする地域の指定要件を明確化することと。その際、ちょっと飛びますけれども、大都市地域に典型的に見られるよう、多様な都市生活型の汚染等が集中する状況も念頭に置き、真に対策を必要とする地域が対象となり得るようということが第1点と。
 それから、第2点でございますけれども、この第二というところでございますが、都市生活型公害の解消に対し、より実効性のある公害防止計画とするために、あらかじめ国から示される基本方針の内容、この内容について見直しを図って、公害防止計画に定めるべき点について、明確に指示をしていくと。その際、その公害防止計画において、地域の課題及びその目標が明確化されるとともに、課題に対応した具体的な対策の検討、計画の適切な進行管理と分析評価が行われるようにすることが重要とされております。
 そこで、その第1点目でございますけれども、その策定指示の要件ということで、右側の3ページの[2]のところをちょっと見ていただきたいんですけれども、真ん中あたりでございますが、産業型公害から都市生活型公害へと公害の態様の中心が変化したことに対応し、大都市地域に典型的に見られるように、自動車交通公害、生活雑排水による水質汚濁等、多様な汚染等が集中している地域が対象となるよう適切に整理する必要があるということを基本的な考え方として述べまして、[3]で具体的な策定指示の要件のあり方というところで、その2つ目のパラグラフでございますけれども、現在の多様な汚染等が集中している大都市地域の環境の状況を具体的に見ますと、大気、水質、騒音等、多様な分野で環境基準等を超過しているか、または、一つの分野における多数の項目で環境基準等を超過している状況にあると。これらの地域では、環境基準に照らして未達成の項目が少なくとも健康項目で4項目を超えている。こういった現状を踏まえまして、その次のパラグラフになるわけでございますけれども、こうした著しい公害がみられる大都市地域、またはそれと同等以上の公害が発生している地域において、現時点での環境基準等の超過状況を公害対策の必要性の観点から評価した上で上記の目安と比較し、さらに、ちょっと飛びますけれども、地域の実情を勘案し、著しい公害の有無を判断する。総合的施策の必要性と併せて、地域指定の必要性を判断することが適当である、このような答申になっております。
 その環境基準の超過状況の項目の評価についての留意事項が4ページにありますけれども、主なものだけちょっと拾いますと、上から2行目にありますが、健康項目と生活環境項目の重みづけを2:1にする等健康項目をより重視するということとか、あるいはその1行下ですけれども、地下水の水質汚濁及び土壌汚染については、汚染の広がりや有害物質の曝露経路等を踏まえて評価することとか、数行下でございますけれども、判断する場合の年度でございますが、各年の気象条件、測定値のトレンド等も勘案すると。あるいはまた、環境基準が定められていない公害の種類、項目については、そういった環境基準が定められているもの等に準じて勘案すると、このような類似事項が書かれております。
 それから、次の5ページでございますけれども、先ほど申しました大きな二つ目の柱の公害防止計画の基本方針ということでございまして、その[1]公害防止計画の目標の明確化ということでございます。
 従来の策定指示、公害防止地域を指定しまして、各都道府県に計画の策定を指示するわけでございますが、従来の策定指示におきましては、ちょっと2、3行飛びますけれども、環境基準を達成したものも含めて、すべての項目の環境基準等の達成維持という目標設定がされていたわけでございますけれども、そうなりますと、逆に公害防止計画の焦点を不明確にする原因ともなっており、また、地域における環境政策全般を網羅する地域環境基本計画との役割分担が明確でないという、そういった問題点があったという指摘でありまして、そのため、「今後は」というところでございますけれども、公害防止計画の目標として、環境基準を達成していない項目に限定して、それらが計画最終年度末を目途に環境基準等が達成されるよう努めるものとすることが妥当であると、このようにしたところでございます。
 それから、次の[2]でございますけれども、公害防止計画において講ずべき施策ということでございますが、従来は、公害防止計画上の課題と対策及びその効果が必ずしも直線的には結ばれておらず、結果的に公害防止計画に記載される公害防止施策等において、次の6ページでございますけれども、地域の環境政策全般が網羅されているような傾向にあったということで、今後は、この当該地域における公害防止計画上の課題に対して、ちょっと2、3行飛びますけれども、その課題に係る項目ごとの目標の達成に努める観点から、地域の課題に対応する具体的な施策及びそれらの施策に関する計画期間内における達成目標を記載することが適当であるというふうにされております。
 かいつまんで申しますと、これまで非常に広範な目標を立てて、それに対して非常に広範な施策ということで、公害防止計画が策定されていたという嫌いがあったという問題点に対しまして、目標を明確化して、その目標に対してきちんと対応するような具体的な施策を書きなさいと、こういうことでございます。
 あと、その場合の留意事項ということで、6ページの下から2つ目ぐらいのパラグラフでございますが、なお書きで、施策の実施にあたっては、二次公害、自然環境の保全上の支障等環境に悪影響を及ぼすことがないよう、計画の段階から環境保全上の配慮に努めるとか、あるいは「さらに」というところでございますけれども、都市生活型公害の解決については、住民を含むすべての主体が意志決定の段階から幅広い参加に努めると、このようなことも書かれております。
 それから、次の7ページでございますが、[3]進行管理、分析評価ということでございますけれども、ここの二つ目のパラグラフの2行目の後半ぐらいからですが、多岐にわたる課題をより効果的かつ効率的に解決するためには、都道府県知事が公害防止計画に定めた施策の適切な進行管理、分析評価を行いつつ、公害防止計画を推進していくことが必要であるということで、具体的にはモニタリング体制の充実により地域の環境の状況の一層の把握に努めるとか、あるいは公害防止対策事業をはじめとする各種施策について、その達成目標との関連における適切な進行管理を行い、計画の効果的かつ着実な実施を確保することが重要と、このようにされております。
 あと、最後に、8ページでございますけれども、5といたしまして、公害防止計画の今後の充実ということで、今申し上げましたような、この1行目、2行目でございますけれども、当面の運用の見直しを行うほか、今後ともさらにさまざまな観点から引き続き検討を進めていくと、このように結んでいるところでございます。
 以上でございます。

【森嶌部会長】 どうもありがとうございました。
 公害防止計画につきましては、中央環境審議会でこういう点が問題であるという意見具申をしております。これはこの答申案の第1ページに書いてございますが、それに基づきまして、安原小委員長、それから小委員会のメンバーの委員の先生方に大変精力的にご検討いただいて、具体的かつ明確な方針をお示ししていただきましたことを感謝をいたします。
 それでは、ただいまの答申案につきまして、ご質問等ございましたら。
 はい、どうぞ、天野委員。

【天野臨時委員】 大変よく整理をしていただいて感謝をしておりますが、1ページの第一というところですが、都市生活型公害の対策では、規制措置、経済的措置等の幅広い施策が公害防止対策事業と有機的に連携して講じられる必要があると書いてあるんですけれども、全部見ましても、その経済的措置というのはどこに出てくるのか、私にはよく理解できないんですが。特に5ページから6ページにわたりまして、公害防止計画において講ずべき施策についてというところがありますけれども、そこを拝見していますと、従来の政策がうまくいかなかったのは、その地域の環境政策全般が網羅されるような傾向があったと、こういうご指摘があるわけです。これは私、国の政策でもこういう側面があるというふうに思いますが、この施策というのがちょっと問題ではないかというふうに思っております。普通、政策といいますと、目標を掲げて、それを実行する手段をそれにつけるということですが、施策というのが手段を必ずしも意味しない。その目標を実現するときに何をするかということをずっと羅列するわけですね。ですから、もしそれをすべて、ここにも書いてございますけれども、財政支援によってそれを実現するということであれば、それはそれとして財政支援というのは手段なんですね。
 しかし、具体的にこれだけ網羅されたものを全部実現するだけの予算というのはないわけですから、そういう意味では、目標を掲げて手段を講じていないということから、その成果が出てこないということではないかと思うんです。ですから、この6ページで、その手段らしいものが書かれているのは、規制と、それから財政支援と普及啓発なんですね。しかし、その財政というのはだめですから、残っているのは普及啓発と規制と。しかし、都市生活型の公害というのは、直接規制がほとんど役に立たないところですから、結局残るのは普及啓発だけということになってしまって、一番最初に、第一に書いてあった、経済的手段を含めて幅広い施策を講じるということが、私には見えてこないわけで、その辺はどういうふうにお考えになっておられるんですか。

【鷺坂環境計画課長】 6ページの方に、一番最後の段落になるんですけれども、先ほど住民参加のところだけをご説明申し上げましたが、その後、「また」ということで、自主的積極的に環境保全に取り組むための基盤の整備を図り、規制等の制度的対応や自主的取組を含む幅広い施策が公害防止対策事業と有機的に連携する形で講じられるよう、各課題に対する施策の最適な組み合わせを検討することが重要であるということでございまして、これは計画のつくり方の基本方針のあり方の答申でございますけれども、そういった中で、今後はただ単に規制とか、そういったことだけではなくて、経済的なことも、例えば、都道府県で本当にその計画をつくるときに、こういった公害対策を対応するために必要であるということであれば、公害防止計画の中にも位置づけていくことが大切であると、このように考えているところであります。

【天野臨時委員】 1ページにははっきりと「経済的措置等」と書いてあるわけですね。ですから、当然、これは今後の計画のやはりかなりウエートを占めるというふうに我々は理解しているんですけれども、先ほどおっしゃられたところでは、そういうことがはっきり出ていないわけですね。それから、これは地方自治体の方なんかに聞きましても、自治体の方で経済的措置というのは一体どういうふうにしてとればいいんですかというご質問がいっぱい出てくるわけです。ですから、そういういろいろな制約があって、国がやればできるけれども、地方自治体ではやりにくいような状況では、経済的措置というのは地域的な問題には適用しにくいわけですから、その辺をどう取り組むかということも明確にしていただけないと、やはり言葉だけで内実が伴わないということになるのを心配しております。
 以上です。

【森嶌部会長】 あんまり時間がないんですけれども、それでは、簡単に。

【浅野委員】 天野委員の今のご指摘の点は、この答申の大きな方向とは一致していると考えるところです。今回のこの答申で、こういう表現にしたわけですが、要するに、環境基本計画の方で戦略的プログラムを立てたのと同じような考え方を、公防計画の方にも持ち込んでみようというものです。そして、本当にこの地域でこの問題が重点的に取り上げられなければいけない問題であるということであれば、今回は徹底的にそれに重点を置いて考えようということにしました。従来の公防計画は、つまるところは施設整備計画ぐらいのものでしかなかったわけですね。それに財政上の特別措置があるので、うまく進めることができるから、それで良い、あとは彩りとしていろいろなものを計画にくっつけたという面があったわけです。多少我々にも責任がありますが、環境基本計画が策定された当時はその理念を各般の施策に反映させる必要があるということから、環境基本計画に書いてあることは、大体項目としては全部公防計画に載せるということを言ってしまったものですから、一層問題が拡散してしまった。それに対する反省であります。
 そこで、例えば、自動車公害問題が極めて重要である、ある地域の政策課題が上がったとしますと、この答申の考え方には、今、天野委員が言われたようなことは当然含んでいるわけで、その地域の中で在来型の道路整備とかいう施策だけではどうにもならないということがはっきりすれば、これはこういうようなことをやらなければいけないということになると思いますし、それから、公防計画としての一つの特徴は、都道府県知事に策定を義務づけている、指示をするわけですけれども、策定過程では関係の国の機関が全部関与をするということになっていますので、国との関連性は割合うまくいくというところが、単なる地域環境計画とは違う特徴であるわけですから、その特徴を最大生かしていくことによって、場合によっては、全国的な立法をしない限り、解決できないような政策手段がこの地域に必要であるということになれば、そこからの提言を受けて、さらにまた全国的な視野から政策が動くということも期待できるのではないかと。大体そういう筋書きでございます。

【森嶌部会長】 小委員長、何かございますか。

【安原小委員長】 いえ、ございません。

【森嶌部会長】 今の天野委員のご意見は、公害防止計画ということではなくて、むしろ地域の環境計画全般にわたる問題ですが、この公害防止計画というのは、ご承知のように、公害対策基本法ができまして、むしろ財政的な措置をとるという、その公害の著しい地域に財政的な措置をとるということが主目的でありました。そして、その中で指定要件があり、そして財政的な措置があって、それによって公害の、例えば、環境基準を達成するようにいろいろなところでやるということだったんですが、そのことはだんだん固定化をしてきて、特定の地域だけが財政措置を受けるのはおかしいではないかというご意見もあって、中環審もそういうことはない運用をすべきだということがスタートでありますので、ある意味では、公害防止計画、昭和45年でしたかね、以降のずっと引きずって、それを今度新しい方向に向けるということをやりまして、この今回の答申を契機にして、地域の環境計画のあり方について、指針を示すという目的ではないものですから、その点もご理解をいただければと思いますけれども、天野委員の全般的なご指摘は、まことにおっしゃるとおりでございますので、今後、環境基本計画の点検の際にも、ぜひそういう点について配慮していきたいというふうに思っております。
 ほかによろしゅうございましょうか。
 それでは、先ほど申しましたように、小委員会で非常に精力的にご議論をいただいたところでありますので、この総合部会でも小委員会に議論をお願いをして、その答申案を先ほど申しましたような手続を部会長及び会長の同意を得て、部会の決定をするということでスタートしております。そして、今、ご報告いただきましたので、これではどうしてもだめだということでなければ、ご了解を得たということにさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
 それでは、この報告をもちまして、本部会の決定といたしまして、中央環境審議会会長から環境大臣に対して答申を行うことにさせていただきたいと思います。
 それでは次に、報告に移りたいと思います。
 専門委員会の審議状況の報告でございますが、まず、環境研究技術専門委員会について、同専門委員会の委員長でいらっしゃいます鈴木委員から、審議状況のご報告をいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

【鈴木委員】 環境研究技術専門委員会という言いにくい名前の専門委員会なんですが、その委員長の鈴木でございます。
 本専門委員会における審議の状況等について、ご報告申し上げます。資料3-1をごらんいただきたいと思います。
 初めに、審議の経緯ですが、平成13年4月18日付で環境大臣より、環境研究及び環境技術開発の推進を重点的・戦略的に行うための方策はいかにあるべきかとの諮問がありました。4月23日に開催されました第1回総合政策部会におきまして、環境研究技術専門委員会の設置と、専門委員会に分科会を設置して検討を行うことが了承されました。また、森嶌部会長より委員長として私が指名されました。
 資料3-1の(3)の審議状況のところでございますが、5月9日の第1回専門委員会で、検討の進め方、方向性について審議をいたしました。その後、早速五つの分科会に分かれて議論を開始いたしました。このやり方がよかったかどうかは、いろいろそのすぐ後で議論がありましたけれども、とりあえずはこれはここで始まりました。これらを踏まえて、事務局の作成した中間報告の原案を、6月5日の第2回専門委員会において審議いたしまして、その際提出されました意見に基づき、6月12日の第3回専門委員会において、所要の修正を行い、中間報告として取りまとめ、6月22日に公表を行いました。事務局において、環境省ホームページに掲載するなどの手続を行っております。
 資料3-1の2のところでございますが、そこに記述してございますが、中間報告については、今後、さらに検討を行って専門委員会報告としていくという段階にございます。
 なお、弁解がましいのでありますが、中間報告をこのように慌しく取りまとめましたのは、総合科学技術会議が科学技術基本計画に基づき、環境分野を含む分野別推進戦略を取りまとめるということになっておりまして、平成14年度予算要求に間に合うようなスケジュールでその作業が進むという情報が寄せられていたわけでございます。そこで、本専門委員会といたしましても、総合科学技術会議との連携や、総合科学技術会議に対する我々からのインプットが必要であるとの認識を持っておりまして、なるべく早く中間報告をまとめようということで、このような審議のプロセスになったわけであります。
 なお、総合科学技術会議の分野別推進戦略は、結局、9月に取りまとめられまして、その内容を拝見させていただきますと、同戦略の重点課題の中に、我々の中間報告の重点化プログラムの中に取り上げました内容が多く盛り込まれている。人によってはそんな多くもないよと言う方もいらっしゃるかもしれませんが、盛り込まれておりまして、総合科学技術会議にインプットするという点では、一定の役割は果たすことができたものかなと、そう考えておりますが、それはこの審議のプロセスの中の派生産物でございます。
 次に、資料3-1の3でございますけれども、中間報告以降の専門委員会における審議予定について、ご報告いたします。
 ついこの間の11月27日に第4回専門委員会を開催しました。今後の進め方、さらには分野横断的・総合的な取り組みが必要な課題等について検討を行いました。この問題が取り上げられましたのは、さきに申し上げましたように、五つの分科会に分かれたことから起こりましたある種の分断化に対応する問題でもあったわけですが。その結果、第5回専門委員会を12月21日に開催して、報告案の審議を行い、年明けの1月末にでも修正案を審議して、専門委員会報告案を固めようと。そして、それをパブリックコメントにかけて、3月には総合政策部会に報告しようと、そういう今後の進め方につきまして、各委員の了解をいただいておるところであります。
 それで、本日は時間が限られているようでございますけれども、本部会の先生方より、この専門委員会報告をまとめるに当たりまして、留意事項についてコメントをぜひいただきたいと思っております。ところどころ触れましたけれども、この専門委員会をどういうふうにまとめ上げていくかということに関しましては、かなりいろいろ議論がまだ残っておると私は理解しておりますので、ぜひご意見を賜りたいということです。
 私からの説明は以上ですが、あとは中間報告としてまとめましたものの概要につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

【松井環境研究技術室長】 それでは、資料番号は打っておりませんが、やや黄色がかった印刷物でございます。「環境研究・環境技術開発の重点的・戦略的推進方策に関する中間報告」、平成13年6月に環境研究技術専門委員会がまとめたものでございます。
 1枚めくっていただきまして、目次でございますが、「はじめに」の後、1章といたしまして「環境研究・環境技術開発の性格及び方向性」、2章として「環境研究・環境技術開発に係る体制整備」、第3章が「重点化プログラム」でございます。
 「はじめに」のところでございますが、これは平成11年7月に、当部会の前身でございます企画政策部会で取りまとめていただきました、環境研究技術基本計画以降の経緯等を記述してございます。下から5行目になりますが、「本報告書は、総合科学技術会議における推進戦略の策定に資するよう中間的に取りまとめを行ったものである」と、その旨の記述を行っております。
 2ページになります。第1章「環境研究・環境技術開発の性格及び方向性」と。
 この方向性につきましては、環境研究技術基本計画の第2章におきまして、既に整理が行われております。下から3行目になりますが、これを踏まえ、その後の「循環型社会形成推進基本法」の成立、「環境基本計画」の改定、環境省の創設等の環境政策の展開に鑑みて、さらに付け加えるべき視点や強調すべき事項を以下に示すとしております。
 1として、「持続可能な社会、自然と共生する社会と環境研究・環境技術開発」。ここのパラグラフは環境基本計画の記述を引用させていただいておりまして、一番下になりますけれども、環境研究・環境技術開発につきましては、持続可能な社会、自然と共生する社会の構築に貢献し、「地球と共生する『環の国』日本」の形成に資すると、その旨記述してございます。
 2といたしまして、「環境研究・環境技術開発が答えなくてはならない「問い」」ということで、環境問題の解決に向けて、具体的にどのような問題点を解決するために行うものであるか、明らかにすることが必要であると。このため、そのような解決対象となる問題点を「問い」の形で整理し、これに対してどれだけ答えることができるかを精査することによって、研究開発課題の必要性の評価が可能となるとともに、一層の取り組みが必要な課題も明らかになるとしております。この「問い」の設定が必要との提案につきましては、目玉というほどではございませんが、一応、目新しいといいますか、そのような提案となっているかと思います。
 3としまして、「国民に対する説明と国民の理解の獲得」。中段の「とりわけ」の後でございますが、一般国民との関係では、安心できる未来を国民に見えるようにし、その未来に向けて国民が行動することができるよう、環境研究・環境技術開発の課題の必要性を国民が理解し、その連携が得られるようにする必要があると。「また」としまして、国民に対してわかりやすく説明する必要があると。「問い」の設定は、そのためにも有効となるとしております。
 4として、「体系的・総合的視点」でございます。これは委員の先生方からいろいろご指摘をいただいたところでございます。環境におきましては、さまざまな物質が循環していると。この「循環」にはいろいろなレベルがあるわけでございます。次の4ページになりますが、これらの「循環」が皆つながっていると。このさまざまな「循環」にほころびが生ずると環境問題が発生し、それがまたつながりを持った他の「循環」に影響を与えることになると。他方、「循環」を回復するための対策は他の「循環」とも密接に関係し、人為的に不自然な「循環」が形成されると、それが他の「循環」に影響を及ぼす可能性があることも忘れてはならないとしております。
 5といたしまして、「重点化」でございます。先ほど環境計画課長の方から戦略的プログラムのご紹介がございましたが、その理由として、限られた人的、物的資源を有効に活用して政策を展開するためには、総合的な観点から諸施策についての選択肢を検討し、優先的施策を選択して、持続可能な社会の構築を戦略的な観点から進める必要があるとしておりますが、このことは環境研究・環境技術開発の課題の選定においても該当する事項であり、優先的課題を選定することが必要であるとしております。その一方といたしまして、地道な継続を必要とする課題や研究者の自由な発想のもとに実施する課題も必要であり、そのための配慮が不可欠であるとの記述を行っております。
 6が「各主体間の連携・交流」でございます。5行目になりますが、環境研究・環境技術開発につきましては、さまざまな主体が関与している。これらの連携・交流は、共同の取り組みを推進するとともに、技術の融合や発想の転換などを促進する効果が期待できる。このため、各主体間の連携・交流がさらに進むような工夫を行う必要があると。特にとしまして、独立行政法人化のメリットを最大限に活用するとともに、公益法人や企業の研究機関が持つ能力についても、できる限り活用していくことが必要であるとしております。
 7が「国際貢献・国際交流」でございます。2行目のところですが、環境研究・環境技術開発の成果は、人類共通の知的財産として重要であり、これを内外に発信することは、世界の持続可能な発展に貢献することとなると。またとしまして、アジアや欧米の関係機関等との連携・交流も重要であり、積極的にその対応を行うとともに、研究計画の海外向けの広報や外国人研究員の受入の拡充などにも努める必要があるとしております。
 8でございますが、「環境産業・雇用の創出」。2行目のところで国際的競争力を持った環境産業の展開を可能とし、それを促進するための情報の流通、人材交流、技術移転・技術評価、金融・税制面での支援措置などが必要であるとしております。下から3行目ですが、国の支援で行った研究開発、独立行政法人が行った研究開発の成果の産業界での活用が一層促進されるようにする必要があると。
 9としまして、「目的、性格に応じた配慮事項」。環境研究・環境技術開発は、「環境問題の解決」という大きな目的に向かって、環境の状況の把握・問題の発見、環境負荷の把握・予測、環境変化の機構の解明・予測、環境影響の解明・予測、政策立案への貢献、対策技術の確立・普及といった目的を持つものであり、その目的、性格に応じて次のような事項に配慮すべきであると。ということで、おのおの配慮事項を記述しておりますが、内容については、省略させていただきます。
 8ページでございます。第2章で「環境研究・環境技術開発に係る体制整備」。ここの体制整備につきましても、先ほどの第1章の方向性と同様に、環境研究技術基本計画の第4章に既に記述がなされております。これらを踏まえつつ、さらに追加すべき事項や強調すべき事項を記述しております。
 1で「情報基盤の整備」としまして、「基本となる環境情報」。環境の状況などの基本となる環境情報については、3行目のところですが、環境研究・環境技術開発を推進する上で不可欠であると。これらの情報は環境政策を進めるためにも、また国民が環境のことを知り、環境政策や環境研究・環境技術開発に対する国民の理解と連携を得るためにも不可欠であると。なお、これらの情報の積極的な利用や情報を生み出す場合の参加を通じて、環境教育・環境学習の推進も図られると。これらの情報については、その整備は進んでいるが、依然として次のような問題点・課題を抱えており、対応が必要であると、6点ほど掲げております。
 まず、[1]としまして、既存の各種環境モニタリングデータ等でございますが、これらのデータの所在はわかっていても、有効に活用できる状況に必ずしもなっていないと。このため、効果的・効率的なデータベースの整備、またはネットワーク化とこれによる情報の提供が必要であると。また、環境統計の整備も必要であると。
 [2]といたしまして、先ほど浅野先生からのご指摘と同じようなことが書いてございまして、データが整備され、利用できるようになるまでに長時間を要するものが多いと。このため、測定や統計処理の迅速化が必要であるとしております。
 [3]としまして、地球環境に関するデータや生態系に関するデータなどの整備については、国の責務としてさらに充実させ、世界に発信する必要があり、そのための体制の強化が必要であると。
 [4]といたしまして、次のページになりますが、温室効果ガスや有害化学物質などのフロー及びストックに関するデータを整備するとともに、環境リスクに関するデータや、環境指標生物に関するデータの整備等を推進する必要があると。
 [5]といたしましてGIS(地理情報システム)などを活用した国民へのわかりやすい情報提供をさらに進めることが必要であると。
 [6]として、ITを活用した市民参加型の環境情報収集体制や、衛星を利用した効果的な環境情報収集体制の整備が必要であるということで、委員からはこの情報のところが非常に重要であると、そのようなご指摘をいただき、このような記述をしたところでございます。
 [2]としまして、「環境研究・環境技術開発に関する情報」のところでございますが、環境研究・環境技術開発は多岐の分野にわたっており、これを体系的・総合的・効率的に進めるためには、これまでにどのような取り組みが行われ、どのような段階に達しているかなどについて情報を整備し、提供していく必要があると。そのため、情報源のネットワークシステムや基本情報が必然的に集まるシステムを構築するとともに、地方公共団体等における取り組みについても、効果的に情報を集めるシステムを構築する必要があるとしております。「なお」といたしまして、研究・技術開発の動向や到達段階については、国際的な比較も含め、専門家によるレビューが必要であり、そのための体系的な調査を継続的に行うことが必要であるとしております。
 [3]で「タイムカプセルとしての試料の収集、保存等」と。4行目の「いわば」のところですが、タイムカプセルとしての国内外の環境試料や生物標本などの収集・保存を戦略的・体系的・時系列的に行うことが極めて重要であると。こうした試料等については、既に蓄積されているものがあり、その有効な保存体制やネットワークの構築が必要であるとしております。
 2の「研究開発の評価」ということで、(1)は「個別の課題・機関に関する評価」のところでございます。ここで第二次の科学技術基本計画に評価システムの改革が記述され、大綱的指針の改定作業が行われると書いておりますが、もう既にこの大綱的指針につきましては、11月28日に開催された総合科学技術会議におきまして、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」が出されております。したがいまして、それに応じた記述の見直しが必要になっているところでございます。
 (2)としまして、研究開発全般に関する評価ということで、環境分野の研究開発全般に関する評価も必要であるとしております。
 3が「環境技術の評価等」ということで、(1)の環境技術の評価でございますが、開発された環境技術については、有効性や費用対効果の観点のみならず、副次的な他への影響、環境全体への総負荷量の観点などからも評価する必要があると。そのための実施体制の確立や、評価結果を広く活用する仕組みについて検討する必要があるとしております。
 (2)はそれを具体的にどう進めていくかにも当たるわけでございますが、検証・実証試験ということで、国が関与して検証や実証試験を行うことが有効であり、独立行政法人の活用や民間との連携も視野に入れた検討が必要であるとしております。
 (3)といたしまして、これは委員からの指摘もありまして加えたものでございますが、いわゆるその環境技術のみならず、社会を構築している技術体系全般に第1章1のような考え方を適用すべきであると。すなわち、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とし、自然を消耗する技術体系から、持続的発展が可能な「地球と共生する『環の国』日本」を支える技術体系へと転換しなくてはならないと。そのための方策について、人文社会科学的な研究を含めた検討が必要であるとしております。
 4が「地域における研究開発の推進」ということで、中段になりますが11ページの「このため」以下でございます。地域において産学官の研究機関にNGOなども取り込んだ研究共同体を組織し、地域の主体性のもとに、地域の特色に根ざした研究開発や全国に先駆けた研究開発を行うことが有効であり、地域の活性化にも資すると考えられると。その中核になるのは、地方公共団体の環境研究機関であり、これを中心に地域の研究共同体の構築を図り、さらに他の地域の研究共同体や国の研究機関等との連携を図っていく必要があるとしております。
 5が「研究資金の拡充と適切な配分」でございます。二つ目のパラグラフ、6行目でございますが、深刻化する環境問題に対処し、21世紀を環境の世紀とするため、科学技術基本計画を踏まえた環境分野の研究資金の拡充と、その適切な配分が不可欠であるとしております。さらに、その4行ほど下になりますが、環境問題の解決に真に貢献する研究開発課題に対して資源配分がなされるよう、総合科学技術会議と密接に連携した取り組みを強化することが必要であるとしております。
 12ページになります。6の「人材の確保・組織の整備」というところで、二つ目のパラグラフ、「第一の」のところからでございますが、行政組織における企画・管理部門については、環境分野の研究開発全体を総合的・統括的に管理する体制の整備が課題である。研究開発の企画・管理部門は、極めて幅広い環境分野全体に的確に対応できる能力を備えていなければならず、そのための人材の確保が必要であるとしております。「第二に」に移りますが、実施部門については、独立行政法人などにおいて、環境研究技術基本計画や科学技術基本計画に方向が示されている流動性のある研究制度や、フェローシップ制度を一層充実させるとともに、研究支援のための情報の整備・提供その他の研究基盤の強化を図る必要があるとしております。「このほか」、下に移りますが、自然環境研究における博物館やNGOなど、高い潜在的能力を持ちながら、これまでは必ずしも十分な連携が図られていない機関の有効活用とそのための支援が必要であると。「さらに」といたしまして、近年、環境研究を中心に掲げた大学、学部、学科の新設・再編が相次いでおり、これらの機関に対する支援とそこから供給される人材の活用を図るとともに、これまで環境研究に携わる人材を供給してきた基礎的学問分野を担う学部・学科との連携や支援も重要であるとしております。
 7が「成果の普及・環境政策への反映」ということで、環境研究・環境技術開発の成果については、その普及のためにさまざまな手段を講じ、工夫を凝らす必要があると。特に国民に対してわかりやすく説明していくことが不可欠であるとしております。「また」としまして、環境問題の解決に貢献するという明確な目的を持ち、環境政策との密接な連携のもとに実施される研究・技術開発の成果を環境政策に積極的に反映していくことが肝要であり、そのためのシステムを整備し、運用する必要があるとしております。
 8としまして、「環境研究・環境技術開発の全般的な推進に関する検討」ということで、一番最後、「このため」のところですが、今回行ったような体制整備や重点的に取り組むべき課題についての検討は、今後も適切な方法により引き続き実施することが必要であるとしております。
 14ページ、第3章の「重点化プログラム」でございます。
 これは第1章におきまして、重点化が必要との記述を行っておりまして、また、総合科学技術会議での検討、先日終了しておりますが、環境分野の推進戦略において、関係府省が連携して実施する研究イニシアチブが創設されると。本中間報告においては、以下により重点化プログラムの取りまとめを行うとしております。
 1としまして、「総合科学技術会議が策定する環境分野の推進戦略」について、その時点で出されていた情報に基づき、記述を行っております。総合科学技術会議における重点化の考え方として[1]から[4]とございますが、緊急性・重大性の高い環境問題の解決に資するもの、持続的発展を可能とする社会の構築に資するもの、自然科学系-社会科学系研究を省際的及び産学官で連携して取り組む統合的研究体制で行われるもの、[4]として、国民生活の質的向上や産業経済の活性化に強いインパクトを持つものと。
 この重点化の考え方のもとに四つの柱が立てられておりまして、Iが地球環境問題解決のための研究、IIが化学物質の総合管理のための研究、IIIが循環型社会構築のための研究、IVが自然共生型社会構築のための研究でございます。
 2としまして、「重点化プログラムの選定、「問い」の設定」ということで、この重点化プログラムにつきましても、プログラムが答えなくてはならない根本的な「問い」を用意し、さらにその「問い」に答えるための鍵となる「問い」を階層的に設定すると。そのような方針のもとに重点化プログラムをまとめております。
 16ページの表1でございますが、今回、この中間報告におきましては、総合科学技術会議が設定した四つの柱を受けて、重点化プログラムの表題としまして、地球環境問題解決のための研究としては「地球温暖化研究プログラム」。化学物質の総合管理のための研究としましては、「化学物質環境リスク評価・管理プログラム」と「20世紀の環境上の負の遺産の解消プログラム」を、また、循環型社会を構築するための研究という柱のもとに、「循環型社会の創造プログラム」と「循環型社会を支える技術の開発プログラム」を設定しました。また、自然共生型社会を構築するための研究という柱のもとに、「自然共生型流域圏・都市再生プログラム」を立てておるところでございます。
 4-1になりますが、地球温暖化研究プログラム、ここでは根本的な「問い」といたしまして、「人間や地球の生態系に危険を起こさない大気中の温室効果ガス濃度レベルと は?また、このレベルに安定化するために、いつ、どのような手を打たなければならないのか?」と。
 この根本的な「問い」に答えるための鍵となる「問い」ということで、このような形で(1)から(5)というような形で整理させていただき、かつ18ページになりますが、研究開発を進めるために必要な基盤・システムということで、このような記述を行っております。
 同じような形で4-2-1以降、化学物質環境リスク評価・管理プログラム等についても、同じスタイルで記述を行っているところでございます。
 一応、私からの説明は以上でございます。

【森嶌部会長】 どうもありがとうございます。
 それでは、ただいまの……。

【鳥井臨時委員】 今のお話を聞いていて非常に気になることなんですが、環境問題の場合に、業として継続的に調査していかなくてはいけないという課題が一つあるわけですね。一方で研究というテーマがあるわけですね。今の総合科学技術会議の議論なんかを聞いていますと、どんどん経費が競争的資金に行ってしまう感じがしているわけですね。競争的資金で業としてのモニタリングとか調査とか観測ということは、これは不可能だろうと。そこはちゃんと決まった資金をもらわないとしようがないわけで、これは全部技術開発・研究という格好でまとめられているので、これは大変大きな誤解を生みそうな感じがするんです。やはり研究ができたところからどんどん業へ移っていくというところが、その環境研究の非常に重要なプロセスだと思うんですが、そこは少し業としての観測ということと研究ということを少しめり張りをつけて記述された方がいいような気がいたします。

【森嶌部会長】 何か鈴木先生、ありますか。

【鈴木委員】 ご意見のとおりだと思います。実際に仕事をしていくときに、常時進められていなければならない仕事というのがあるわけなんですが、それと、これは実は新しい科学の土台になる情報ですから、おっしゃるとおりだと思います。気をつけなければいけない。ただ、これはさっきも申し上げましたように、総合科学技術会議がこっちを向いて重点的に投資するぞという、その向きにぶつけて、我々としてはこの向きをというふうに考えているものですから、おっしゃるような部分が出てこなくなってしまうわけですね。

【森嶌部会長】 ほかに。どうぞ。

【松井環境研究技術室長】 私の方からちょっと補足でございますが、確かに先生のおっしゃるとおりでございまして、重点化の中では、今、鈴木先生がご指摘のようなことで取りまとめを行っておりますが、この環境研究の中にはもちろんその環境モニタリングも含めて考えていると。そういうつもりで記述しておりまして、特に各委員の先生方からも、環境のモニタリングといいますか、その辺の基盤的な部分が極めて重要であるというご指摘をいただいております。その辺、もう少し見えるような形で書くべきかと思います。

【森嶌部会長】 ほかにございましょうか。では、天野委員。

【天野臨時委員】 大変学際的な領域の研究になるかと思うんです、環境研究の分野ですが。私は社会科学も経済学の分野から見ておりますと、何か社会経済的なシステムが環境問題に果たしている役割が非常に軽く見られているのではないかという感じがするんです。つまり、いろいろなところで大量生産・大量消費・大量廃棄という言葉が出てきますけれども、これは全部経済活動なんですね。ですから、その経済活動というのがあらゆる問題の背後にあって、例えば、地球温暖化、化学物質管理、循環型社会、自然共生とありますけれども、この中で循環型社会のところにはかなり社会科学にウエートがありますけれども、例えば、この後ろの絵を見ておりますと、地球温暖化研究のところでは技術の話が非常に多いわけですね。例えば、炭素循環に人間が介入したから、地球温暖化の話が起こっているわけで、もともとの社会システムのあり方をどう変えれば、温室効果ガス排出が減らせるのかという問いかけが余りないんですね。技術でどれだけ減らせるかというのが中心になっておりまして、ほかの重点領域を見ても、かなりそういう傾向が強いというのが私の懸念でございます。つまり、そのすべての重点領域にわたって、私はやはり人間活動、社会の活動というのはどうあるべきかということを一緒に追求していただけたらというふうに思うわけです。

【松井環境研究技術室長】 ただいまのご指摘ですが、実は専門委員会で森嶌先生からも同様のご指摘をいただいておりまして、そういう意識でさらに充実はさせておるんですが、さらに我々としては課題であるかと考えております。

【鈴木委員】 今の問題は、実はこの議論を五つの分科会に分けて議論をするという、五つの分け方をしたところでスタートしている弱点なんですね。それぞれの個別の領域、例えば、私のところで言えば、化学物質なんていうのをやるわけですけれども、そういうときに、特性なり有害性なりのはっきりしていない化学物質を世の中で取り扱っていくのに、どんな社会的な、あるいは法律的な、あるいは経済的な、あるいは地方自治的な構造で人々が絡み合ったらいいのかなんていう議論は、本当は物すごく大事な部分でありますが、とりあえずは出てこなくなってしまいますね。そういうふうなことがほかの領域でも起こってしまうので、お感じになったとおり、その辺のところは重要視して、その問題を問題の本質の中に据えて、同時にほかと絡み合っているよというふうに整理できるところまでいっていないという感じはいたします。ただ、これは各論的には極めて難しいテーマになるかもしれません。既存の学問領域を全部越えたようなところで議論しなければいけなくなる可能性があるのではないんでしょうか。

【森嶌部会長】 では、安原委員、どうぞ。

【安原委員】 環境研究・環境技術の開発は大変重要で、多くの環境問題の解決につながっていくと思うんですが、ただ、開発された技術が実際に大量に普及していかないと、なかなか効果に結びつかないということがございますが、特に温暖化対策なんかにつきましては、この技術の活用によって解決される問題が多々あると思うんですが、いかんせん実用化に当たっては、既存技術に対してコストがどうしても高くついてしまう。最初はなかなか普及しませんので、少量生産でコスト高になってしまうという。そこで、通常の政策手段は補助金を活用してということなんでしょうけれども、補助金にも限度がありますから、その普及のテンポは非常に微々たるものに終わってしまう。せっかくいい環境改善技術がなかなか利用されないというジレンマがございます。
 そこで、やはりコストをいかに広く分散するかという社会システムの開発をあわせてする必要があると思うんですが、ここでは本体の研究、技術開発が中心の議論だろうと思うんですが、ところどころそれの普及の必要性も触れられているんですが、どの程度こういう社会システムを開発して、普及に結びつけていく。それによって効果を発揮するという議論が行われたのかどうか。まだそれほど行われていないとすれば、今後の検討課題にはならないのかどうか、そこら辺のご見解を伺いたいと思います。

【松井環境研究技術室長】 まだ十分な検討はされておりません。先生のご指摘はごもっともだと思いますので、今後の検討とさせていただきたいと思います。

【佐和委員】 一つある意味で抜け落ちている観点といいますか、問題点があると思うんです。どういうことかといいますと、環境関係の技術を開発する主体は何なのかといいますと、何か研究者であるというふうな感じのとらえられ方をしていると思うんですね。だけど、過去の例を見ても、例えば、燃費効率のいい車の開発とか、そういうものは主として民間企業によってなされているわけですね。ですから、では、民間企業にもちろん政府が一定の補助金を出すというようなこともお考えかもしれないけれども、むしろ開発のインセンティブを与えるためにはどうすればいいのかと。つまり、技術開発を促すためには、どういうふうな施策が講じられるべきなのかという観点がどうも抜け落ちている感じがするんです。例えば、仮に炭素税というのを取り上げると、炭素税を課するということによって、化石燃料の値段を高くすることによって、結果、例えば、燃費効率のいい車の開発ということで、自動車メーカーにとっての一つの勝負どころというふうになるというようなことで、そういう環境を政府がこしらえていくということがやはり必要ではないかというふうに思います。

【森嶌部会長】 まだご議論もおありかとも思いますが、まだ多少最終報告まで時間が……。どうぞ、失礼しました。

【横山委員】 全体的な問題で一つお伺いしたいんですけれども、今、環境問題とか公害問題を対処するのに、環境学という学問が確立していないことが大きなネックになっているとよく言われていると思います。それで、学会でもいろいろ環境学を確立しようとしていろいろな努力をしているけれども、なかなか難しいというのが実情だと思うんですけれども、この方策に関する中間報告とか今後の議論なんかで、そういう環境学の確立とかという問題は視野に入れているのか、あるいは全くそれは別次元の問題で、あんまりそれは頭に入れていないのか、その辺のことを簡単にお伺いしたいと思うんですが。

【森嶌部会長】 委員長、どうですか。

【鈴木委員】 環境学という学問、あるいは環境科学という学問、あるいは環境研究という言い方、いろいろございますけれども、単一の……、何と言いますか、一つのディスシプリンとして完成してしまったような形の学問というものを前提に置いて物は考えられておりません。それはそういうものをつくるために、この研究をやるんだというふうな方向で議論はしていないというのが実態であります。

【森嶌部会長】 これを議論し始めますと、大変な話になるんですが、ちなみに、環境科学会というのがございますけれども、これはサイエンシスではなくてサイエンスになっているんですけれどもね。ここでまた安井さんのご意見などを伺っていると、時間が間に合わなくなりますので、一応、きょうのご意見というのは、いろいろな形で基本的なところに触れたご意見だと思います。それから、社会科学の分野、あるいは社会システムをどう構築するかという点については、先ほど事務局の方からもお話がありましたように、私はこの会議で、分科会には出ていないんですけれども、その議論をするときに、常にあれなんですけれども、先ほど鈴木先生がおっしゃったように、分科会にしてしまったところ、どうしても既存の研究・技術、自然科学的な研究・技術というところからスタートするものですから、しかし、これを取りまとめるまでに、ぜひ鈴木先生のリーダーシップをもって、きょうのご意見が多少というか、大いに反映されるように取りまとめていただければと思っております。
 それでは、もう一つございますので、よろしくお願いをいたします。
 最後に、本部会と地球環境部会の合同部会を設置しており、そのもとに10月17日付で地球温暖化対策税制専門委員会が設置されておりまして、この専門委員会につきまして、委員長でおられます飯野先生からご紹介をいただいた上で、事務局からも補足説明をお願いいたします。
 では、よろしくお願いします。

【飯野専門委員長】 ただいまご紹介いただきました飯野でございます。私は1991年に北欧諸国が炭素税を導入したころから興味を持ち始めておりまして、ずっとそういう研究会に参加させていただいておりましたけれども、最近では環境庁の地球温暖化防止のための税のあり方検討会という、その座長を務めさせていただき、本年8月にその検討報告を取りまとめさせていただいたところでございます。その関係で多分私がその専門委員会の委員長に指名いただいたのではないかというふうに考えております。
 詳しくは後ほど三好課長の方から説明がございますけれども、専門委員会の課題というのは、我が国の実情に合った温暖化対策税制のあり方について、特に制度面からの検討を深めていくことがその役割であるというふうに考えております。
 検討を開始しました10月からこれまで5回の会合を開催いたしまして、過去の検討成果や諸外国の実例等のレビュー、それから経団連、連合、NGO等のヒアリングを行いながら、非常に広範かつ活発なご議論をいただいてまいりました。それで、これまでの議論の区切りとして、今月の19日の第6回会合において、中間的な取りまとめを行いたいと考えております。来年以降もここの制度のオプション等について、引き続き検討を深めていければというふうに考えております。
 それでは、三好課長、お願いします。

【三好環境経済課長】 環境経済課長の三好でございます。
 資料4、「地球温暖化対策税制専門委員会の審議状況等について」ということで、それに基づきまして簡単にご説明を申し上げます。
 今、飯野専門委員長の方からもご紹介がございましたが、まだ途中段階でございますので、主に開催状況を中心に簡単にご説明を申し上げたいと思います。
 まず、1でございますけれども、今お話がございました、今年の10月に地球温暖化防止のための税制について、我が国の実情に合った具体的な制度面の専門的な検討を行うということで、総合政策部会と地球環境部会の合同部会というのをまず設置していただきまして、そのもとに専門委員会を設置したわけでございます。委員長は飯野先生でございまして、メンバーとして別紙1の先生方にご参画いただいております。総合政策部会の経済の専門の先生方を初めといたしまして、政府税制調査会の関係もございますので、調査会の先生方からもご参画をいただいているところでございます。
 検討状況ということですが、これまで5回の会合を開催いたしておりまして、次のような検討を行っているところでございます。
 まず、第1回といたしまして、この専門委員会を設置してご検討をお願いするという観点で、私ども事務局といいますか、環境省としての基本的な考え方をご説明をいたしまして、その後、過去の検討の経緯、それから既存の関連税制の概要等についてご紹介し、ご議論をいただいたところでございます。
 私どもの基本的な考え方といたしまして、局長の冒頭あいさつでもございましたとおり、環境税あるいは温暖化対策税というものを京都議定書締結の前提としては位置づけていないということでございますが、非常に効率的に対策を進めていく可能性があるということで、検討をいたしたいということでございます。検討対象といたしまして、環境税と言いましてもいろいろあるわけでございますけれども、地球温暖化対策、中でもCO2 の排出削減対策としての税制ということをご検討いただくということと、既存関連税制との関係整理を含めた、申しわけありません、誤植がありますが、税の制度面の検討に重点を置いていただくということ、それから、今申し上げました、政府税制調査会における検討にもつないでいくことを念頭に置くということでございます。それから、二つ目の○でございますけれども、既存関連税制等の概要についてレビューをお願いいたしました。そこで、これまでの検討ということで、環境庁時代からいろいろ検討してまいりましたことについてご紹介をいたしますとともに、既存関連税制等についてご議論をいただきました。その中で、化石燃料あるいは電力の取り扱いが問題になるということ、あるいは課税段階につきまして、上流、下流という考え方があるというようなこと、それから、現在、暫定税率が設定されている税目があること等について、ご紹介したわけでございます。
 それから、1枚おめくりいただきまして、2ページでございます。飯野先生からもお話がございましたですけれども、諸外国では既に炭素税という形、あるいはそれ以降、さまざまな形で既に温暖化対策ということを念頭に置いた税制の導入、あるいは改革ということが行われてきておりまして、その状況について、第2回会合でご紹介をし、ご議論をいただいたということでございます。具体的には、ここにございます、90年代初頭に炭素税として導入いたしましたスウェーデン、それからCOP3以降、既存の鉱油税の引き上げというような形で対応したドイツ、あるいはさらに最近では、政府と企業との協定や排出量取引との組み合わせということに着目いたしました英国、それから、将来のことではありますけれども、将来の導入について現時点で言及するという形をとりましたスイスという四つの事例を重点的にご紹介し、ご議論をいただいたわけでございます。
 以降、第3回、第4回は関係の団体等からのヒアリングということで、具体的には、第3回では、これまで温暖化対策税制ということで制度的な検討を進められておられるところからヒアリングをさせていただきました。連合と、それから炭素税研究会、環境NGOから構成された団体からヒアリングをさせていただいたところでございます。
 それから、第4回は、経団連、トラック協会、税の専門の団体ということで全国法人会連合会、それから日本生協連からヒアリングをさせていただいたところでございます。
 それで、第5回といたしまして、今、飯野委員長の方からもご紹介がございました、年内にこれまでご議論いただきましたことを取りまとめるということを念頭に置きまして、温暖化対策税制の制度面の論点について、ご議論をいただいたところでございます。具体的には、ヒアリングの場面も含めまして、第2回から継続して、税の目的でありますとか、税の制度、具体的には、課税段階、課税対象、課税標準等の税の基本的な制度的事項でありますとか、税による効果や影響、評価する際の考え方、あるいは諸影響への対応策等を論点として掲げて議論を行っているところでございます。
 現在、温暖化対策税の制度面の論点ということで、今申し上げましたように、ご議論をいただいているわけでございますけれども、そもそも何を論点として考えるのかという論点の枠組みといいますか、フレームにつきましても、あわせてご議論をいただいております。そのあたり、非常に広範なご意見をいただいているところでございまして、年内に一区切りということで、これまでの議論を取りまとめる方向で、12月19日に第6回会合を開催することといたしております。そういう状況でございますので、さらに、残された検討課題につきまして、引き続き来年以降も検討を継続するということでございます。
 以上でございます。

【森嶌部会長】 何かご質問等ございますか。

【三橋臨時委員】 ちょっと用語の使い方なんだけれども、ずっと、例えば、炭素税とか環境税とか、そういう言葉を使っていて、恐らくイギリスの気候変動税あたりが契機になったんだろうと思うんだけれども、最近では、ここで議論されているように、温暖化対策税というふうな言葉に変遷していると思うんですけれども、この審議会などでは、これからはむしろ……、温暖化対策税だと、恐らく炭素税とかエネルギー税や何かも全部含まれるし、目的もはっきりするんでしょうけれども、この用語をこの審議会で使い始めたのは、地球温暖化対策税制専門委員会が初めてということになるんですか。それと、今後のその用語の使い方で、温暖化対策税というのなら、それはそれでいいと思うんですけれども、その辺の言葉のちょっと整理をしてもらいたいし、いつごろから地球温暖化対策税というような言葉に、炭素税とか環境税という言葉を使うよりも、こっちにシフトしてきたのか、これもちょっと説明してもらいたいんですけれども。

【三好環境経済課長】 2点お答えをいたしたいと思います。
 まず、地球温暖化対策税という言い方につきましては、実は先ほど飛ばしました資料4の中で、飯野先生に座長をお願いしておりました「地球温暖化防止のための税のあり方検討会」の前後ぐらいから、私どもとしては使い始めているというふうに考えております。あと、ほかにどういう使い方がされているかは、詳細には承知しておりませんが、私どもの関係ではそういうことでございます。
 それから、もう1点でございますけれども、これは専門委員会の中でもご議論があるわけでございまして、この専門委員会は地球温暖化対策税制ということでございまして、むしろ特定の地球温暖化対策税というものを導入するということもございますけれども、それと並行してといいますか、それとあわせてと申しますか、地球温暖化対策のための税制というものはどういうふうに考えたらいいのかという点も視野に置いて、制度面からのご議論をお願いしていると、こういう状況でございます。

【森嶌部会長】 ほかにございましょうか。
 それでは、時間もまいっておりますので、この専門委員会は今後も継続してご議論をいただきますし、また、このメンバーを見ましても、この部会のメンバーも相当入って精力的にやっていただけることと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、以上で本日予定していた審議事項は終了いたしましたが、この際、時間を超えても何か発言をしておくということがございますか。
 なければ、これで本日の総合政策部会を終了させていただきます。
 次回の開催予定につきましては、各専門委員会の審議状況なども踏まえ、また、先ほど申しました点検等の予定等も踏まえて、追ってご連絡をさせていただきます。できれば年度内にもう一度開催をしたいというふうに考えております。
 どうも本日はありがとうございました。

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