中央環境審議会 総合政策部会(第110回)議事録

 

第110回 中央環境審議会 総合政策部会

 

令和5年8月30日(水)16:00~18:37
環境省第1会議室
(Web会議システム併用)

 
議 事 次 第
1.開会
2.議事
  (1)  循環型社会形成推進基本計画の見直しについて
  (2)  第六次環境基本計画に向けた中間取りまとめ(案)について
3.閉会
 
配付資料一覧
【資料】
 資料1   第五時循環基本計画の策定状況について
 資料2-1 【見え消し版】第六次環境基本計画に向けた中間取りまとめ(案)
 資料2-2 【溶け込み版】第六次環境基本計画に向けた中間取りまとめ(案)

【事前意見】
 事前意見
 
【参考資料】
 参考資料1  中央環境審議会総合政策部会名簿
 参考資料2  計画策定スケジュール(案)
 
午後 4時00分 開会

○東岡計画官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会第110回総合政策部会を開催いたします。
 まず、委員総数31名のところ27名の委員にご出席いただいており、定足数の要件を満たし、部会として成立していることをご報告いたします。
 本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき、公開とさせていただいておりますので、環境省公式動画チャンネルのサブチャンネルでライブ配信を行っております。
 本日は、WEB会議システムとのハイブリッド開催とさせていただいております。WEBよりご参加の委員におきましては、各自発言時のみ、ライブカメラの映像とマイク機能をオンにしていただきますようお願いいたします。また、会場の声が聞こえにくいなどございましたらチャット機能でお知らせください。
 会議資料につきましては、議事次第の配付資料一覧に記載のとおりでございますが、それに加え、出席委員につきましては、席上配付でございますが、参考資料という資料と前回の委員の主なご意見というものを席上配付、オンラインで参加されている委員につきましてはメールで送信をさせていただいておりますので、ご確認いただきまして、もし不足している資料等がございましたら、事務局までお申しつけいただきますようお願いいたします。
 なお、本日の資料は環境省ホームページ、総合政策部会のページにアップロードしております。
 それでは、今後の進行は高村部会長にお願いいたします。
○高村部会長 ありがとうございます。
 皆様、大変お忙しい中をご参集いただいて、ありがとうございます。
 それでは、早速ですけれども、本日の議事に入ってまいります。
 まず、最初の議題でありますけれども、報告事項です。現在、循環型社会部会におきまして、循環型社会形成推進基本計画の見直しを進めております。当然、こちらの部会で検討しております環境基本計画の見直しと連携を図る必要があるため、その検討の進捗状況につきまして事務局からご報告をいただきます。
 続いて、審議事項でありますけれども、第六次環境基本計画に向けた中間の取りまとめ(案)につきまして、事務局から説明をいただき、その後、意見交換を行ってまいります。
 それでは、まず、報告事項でございますけれども、循環型社会形成推進基本計画の見直しにつきまして、環境省の環境再生・資源循環局の波戸本総務課長からご報告をお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○波戸本総務課長 今ご紹介にあずかりました環境再生・資源循環局総務課長、波戸本でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、右肩に資料1と書いてあります資料をご覧ください。初めにありますように、循環型社会形成推進基本法におきまして、循環基本計画、これは環境基本計画を基本として策定するものとされています。この循環基本計画ですが、平成30年に第四次計画を策定しておりまして、概ね5年ごとに見直すこととされています。そういった状況がありまして、令和5年4月から、中央環境審議会循環型社会部会において見直しの議論を始めています。現在、第五次循環基本計画の策定に向けまして先進事例等のヒアリングを実施するとともに、具体的な指針(案)について議論を実施しているところです。明日10時から開催する循環型社会部会においても、ヒアリングと、計画策定に向けた具体的な指針(案)の議論を実施する予定で、9月から10月頃にかけまして、この指針を取りまとめる予定です。その上で、それを踏まえた計画本文の議論に入りまして、来年6月頃の閣議決定を予定しているところです。
 今の指針(案)の状況についてご説明したいと思います。この下側の資料ですが、これについては言葉遣い、あるいは概念について整理している段階で、今申しました明日の部会においても、これを修正した形で出る可能性がありますので、それについてご了承いただければと思います。
 それで、今回指針につきましては五つの柱を示したいと思っております。
 一つ目が、「循環型社会形成に向けた循環経済への移行による持続可能な地域と社会づくり」というような方向性を示したいと考えています。これは、経済に循環という視点をしっかり入れていくことによりまして、カーボンニュートラルやネイチャーポジティブを実現していくとともに、経済安全保障、これは重要鉱物などの関係で議論がなされているところですが、こういった観点であるとか、各種産業も含めた国際競争力の強化にも貢献します。加えて、地域課題の解決を同時に達成していくことによって、持続可能な地域づくりに貢献していきたいと。こうした全体像の中で、循環型社会形成、あるいはもう少し広い意味の持続可能な社会の実現につなげていきたいというような方向性を示しております。
 その下で、四つの柱がありまして、一つ目は、「動静脈連携によるライフサイクル全体での徹底的な資源循環」です。これは中長期的にレジリエントな資源循環市場の創出を支援していきたいと。
 その次ですが、「地域創生や多種多様な地域の循環システム」、こういったものを実現していく。これは各地域、各資源に応じた最適な資源投入量、これを見ていく、あるいは廃棄物発生量をしっかり抑えていく、こうしたことによって、持続可能で活気のあるまちづくりを進めていけるのではないかということ。
 その次の4とありますが、「資源循環・廃棄物管理基盤の強靱化と着実な適正処理・環境再生の実行」ということで、これは技術開発をしっかりやっていく、あるいは関連する情報基盤というものもしっかりと整備していく。各主体間の連携、人材育成の強化、災害廃棄物処理体制の構築等々をしっかり行っていくということ。さらには、東日本大震災からの環境再生についてもしっかり進めていきたいということです。
 最後の柱でございますが、「適正な国際資源循環体制の構築と循環産業の海外展開の推進」ということで、循環の輪というのは国内にとどまらず、国内外一体的な循環が必要な部分もあります。こうした観点から、適切な国際資源循環体制の構築ということを国際社会の中でしっかりとルールづくりを進めていきたいということ。その中で、我が国の産業という観点からも、国際展開の推進、あるいは途上国の循環インフラの整備も促進していくということも念頭に置いたものです。
 その次のページですが、環境基本計画と循環基本計画との関係についてです。環境基本計画もこれから審議されていく中での現時点の状況ということですが、今申しました五つの柱との関係で整理したものです。環境基本計画の中では、中間取りまとめの内容として、ビジョンであるとか環境施策の方向性を示されていると思います。ここにありますように、地上資源主体の循環・高付加価値型の経済社会システム、あるいは脱炭素、循環経済、自然再興等の統合・シナジーによる「環境負荷の総量削減」と、さらには「良好な環境の創出」といったキーワードが出ているところですが、これに対応した形で、先ほどの一つ目の、「循環型社会形成に向けた持続可能な地域と社会づくり」というところですが、循環経済をしっかりと立ち上げることによって、カーボンニュートラルであるとかネイチャーポジティブにつなげていくという打ち出しが我々としても念頭にあります。
 さらに、この黄色いところですけども、環境基本計画の中でこういったビジョン、政策の方向性の中で環境政策の役割、「Well-being/高い生活の質」を導く「新たな成長」であるとか、実践・実装の場としての地域循環共生圏、こういったことが示されています。これに対応するのが、先ほど我々がお示しした動静脈連携であるとか地方創生、多種多様な地域の循環、あるいは資源循環、廃棄物管理の強化、さらには国際資源循環体制の構築とつながってくると思っておりまして、環境基本計画のご議論も踏まえながら、この辺りはさらに展開が必要と思っております。例えばこの柱の中で、具体的な取組例として幾つかお示ししております。こういった具体例の中で、経済安全保障、国際競争力強化に貢献していく、地域課題の解決や、持続可能な地域や社会づくりにつなげていくということで、環境基本計画の大きな方向性と合致している議論が進んでいると理解しているところです。
 私からの説明は以上です。
○高村部会長 波戸本課長、どうもありがとうございました。
 こちらの今ご説明いただいた内容ですけれども、循環型社会部会で現在検討中、審議中ということでございます。このメンバーの中にも循環型社会部会での議論に参加されている委員もいるかと思いますが、こうした形でご報告をいただきながら今後進めていきたいというふうに思います。今日はありがとうございました。
 それでは、審議事項に入ってまいります。「第六次環境基本計画に向けた中間取りまとめ(案)について」であります。
 今月の2日に開催されました第109回の総合政策部会において、環境基本計画の第1部、そして第2部の第1章について、委員の皆様から忌憚のない多様なご意見をいただきました。
 本日は、前回の部会での議論を踏まえて、事務局で相談をしながら修正をしていただいた点、そして第2部第2章までについてご議論をいただきたいというふうに思います。もし可能であれば、本日の議論を踏まえて、さらに広く意見を聞く形とするために、何らかの中間的な取りまとめを行えればなというふうには願っておりますけれども、今日ご議論をいただいてということかと思います。
 それでは、早速ですけれども、この中間取りまとめ(案)につきまして、事務局からご説明をお願いいたします。
○大倉環境影響評価課長 事務局の大倉でございます。資料2-1を基に説明させていただきます。見え消し版のほうでございます。
 今、部会長からもお話がありましたけども、中間まとめの性格について、まずお話ししておきます。本中間取りまとめは、国民や各種団体に幅広く意見を聞くための土台となるものでありまして、これを基礎として関係省庁とも調整・連携して、併せて今日ご議論いただく重点戦略の基本的な方針の下で、個別政策の検討も進めていきますと。そういう意味で、今日ご議論していただいたものが年末にフルバージョンになって出てくるわけですが、かなり変わる可能性があるという前提のものでございまして、五次計画のときもそういったことでございましたので、国民の皆さんに提示するたたき台を議論していただくというふうに思っていただければいいかなと思ってございます。
 次に、念のためですが、環境基本計画の性格も改めてご説明します。今、循環計画の説明がありましたので。環境基本法に基づく計画でありますが、今あった循環計画であるとか温暖化対策計画であるとか、生物多様性国家戦略など、個別分野の計画方針のある種の総元締でありまして、個別計画に共通した指針とか思想とか哲学を与えることが大きな役割となってございます。ですので、この中間取りまとめもそういったことを中心に議論していただいているということです。その点で、今回五次計画からの比較において次のことが盛り込まれているというふうに事務局は考えてございますが、まず、いろいろご議論ありました気候変動、生物多様性の損失、汚染の三つの危機にもう直面していると。人類活動は環境収容力を突破しつつあり、現代文明は地球的限界を迎えていると。炭素をはじめ、元素レベルを含めた自然界の健全な物質循環を確保するため、化石燃料をはじめとする地下資源依存型文明から地上資源主体の文明への転換、ご議論ありましたが、トランスフォーマティブチェンジ、加えてプラネタリーヘルスの実現が必要であること。ネット・ゼロ、ネイチャーポジティブ、サーキュラーエコノミー等の分野間のシナジーとトレードオフを考慮して、科学的知見を踏まえて、環境負荷の総量をどう制御するかといった点で政策統合を進めていくと。環境を軸とした環境・経済・社会の統合的向上の次なるステップが必要であること、そのために、人類の存続の基盤である自然資本、それを維持・回復・充実させることによって、市場的価値的、非市場的価値の双方において、現在及び将来の国民のWell-beingや高い生活の質を実現する、新たな成長を目指すということ。あと政策統合や新たな成長の実践の場としての地域循環共生圏を位置づけて、それを実現するといったところが、いわゆる共通的事項かなと思ってございます。
 なお、気候変動をはじめとする個別分野の方針は、今回はちょっとお示ししておりませんが、第2部第3章で記述をする予定となってございます。
 それで、前回からの変更点をご説明していきます。第1部でございます。ちょっと時間の関係で全てご紹介できませんが、主立ったものを紹介します。
 まず、5ページの11行目でございますが、黄色くマーカーを引いているところでございます。多くの委員から危機感についてご指摘いただきましたけども、さきに述べたとおり、現代文明の地球的限界があるということを踏まえつつ、もう今年の夏の状況とかを含めて、現在、将来の危機について記述をしていこうと思っています。ただ、今年の夏の状況なんかは、昨日、おとといですかね、気象庁の分科会がありましたけれども、科学的評価にしばらくの時間がかかると思っていまして、それを踏まえて計画本体の文章に書き込んでいきたいと思ってございます。要素の候補としては、お手元の参考資料集のスライド6から22辺りに説明してございます。
 それで、あと5ページ目の一番下から6ページ目にかけてでございますが、この30年の環境政策のパフォーマンスについての評価も書くべきというご意見を踏まえて、第三次環境基本計画で書かれた環境先進国実現に向けて、正念場であるという趣旨の記述を追記しております。
 次には11ページ目でございます。資源循環の記述を前のほうに書くべきというところでありまして、UNEPのIRPの記述を前のほうに持ってきてございます。
 続いて、ちょっと駆け足で恐縮ですが、13ページ目でございます。環境汚染及び化学物質管理の部分でございますが、国内問題を先に記述するよう修正をしてございます。
 次に、18ページの7行目、環境教育の成果を追記しているとともに、16行目に、我が国の現在の環境意識が諸外国に比べて低いということについて、所得の影響があるのではないかということを追記してございます。経済的余裕がない方々が環境配慮の行動をすることは、実際には簡単じゃないかもしれないということでして、参考資料集のスライド54に関連のデータなんかを載せてございます。
 なお、昨年度の検討会で、先進国では、環境パフォーマンスが高い国が経済パフォーマンスも高い傾向があるという研究成果が紹介されていましたけども、環境配慮の行動が所得の向上に結びつくというような好循環を形成する必要があるということかもしれないです。
 続いて、23ページの黄色くマーカーをしたところでございます。環境・経済・社会の問題を一括して記述すべきというご意見もありました。第五次計画の大きな動きについて、今後まとめて追記できることを検討していきたいと思います。
 23ページの32行目、人権問題としての環境問題に関する記述を追記しています。
 次に、31ページの8行目でございます。新たな成長を解説する部分でございますが、その最後にキーワードとしてトランジション、道筋として容易じゃないと、時間軸みたいなところを追記してございます。
 続いて、33ページの13行目からでございます。全員参加型みたいなキーワードもいただいてございましたけども、パートナーシップに関する記述を充実させてございます。
 29行目からですけども、消費者たる国民の意識次第で企業行動にも影響を与えるというご意見を受けて、政府、市場、国民の相互作用、共進化の重要性について、最新の知見も踏まえて記述を追記してございます。参考資料のスライド111に関連の図も載せてございます。
 続いて、36ページです。環境政策の原則・手法について、年末から年始にかけてお示しすると想定している項目を記載してございます。
 ちょっと時間の関係で、駆け足で恐縮でございますが、続きまして、第2部でございます。38ページから、もう一つの重点戦略の基本的考え方を示してございます。それぞれの考え方に沿って、この基本的考え方に沿って、各省と連携しながら個別具体の政策を年末にかけて検討していくこととなります。
 ここからがまさに今回初めてご提示するところでございますが、まず(1)でございます。グリーンな経済システムの構築にかかるものでございますが、第六次計画の独自性として冒頭ご紹介したとおり、新たな成長の実現を意識してございます。
 39ページ目の冒頭のパラグラフで、絶対的なデカップリングを加速させる経済社会システムの実現性を述べているとともに、具体策として7行目から、自然資本を維持・回復・充実させる、有形・無形の資本への投資の大幅な拡大の必要性、それが経済成長に導くことの重要性を記述してございます。それで、14行目からでございますけども、環境価値をバリューチェーン全体で評価される仕組みづくり、29行目からは、地上資源主体の循環を基調とする経済システムによる国際収支の改善であるとか経済安全保障の確保等について述べてございます。
 40ページの7行目からは、経済システムのグリーン化に向けた各種施策を列記しています。これが方向性となって個別の政策が検討されていくことになると思いますけども、加えて18行目から、労働力の公正な移行を含む持続可能な社会への移行について、環境基本計画としては初めてパラグラフを立てて記述することになろうかと思います。
 次に、(2)自然資本を基盤としたストックとしての価値の向上でございます。こちらも個別政策の統合、シナジー、新たな成長という、冒頭ご説明した六次計画の独自性、考え方を受けて、27行目からになりますけど、自然資本を維持・回復・充実させ、自然資本の持続的な活用を図る国土管理に向けた諸政策を統合的に実施する旨を記述してございます。個別具体的な話でいうと、31行目からのパラグラフで、30by30、ネイチャーポジティブなどの生物多様性に係る国土政策に関すること。41ページ2行目からのパラグラフは、一極集中の是正、自立・分散型社会の必要性。41ページ12行目からのパラグラフは、コンパクト・プラス・ネットワークなど、都市構造ですね。あとZEVに関するものとか、様々な都市インフラに関すること、自然資本を維持・回復・充実させるインフラですね。27行目からは、良好な景観の保全、創出に関すること。35行目からは、諸政策の統合的な実施、キーワードとしてのランドスケープアプローチ等の視点をすることを記述していてございます。
 続いて、42ページにあります地域の視点でございます。先ほどの国土もそうなんですけども、環境・経済・社会の統合的向上の実践の場である地域循環共生圏の中核的要素になるかなと思ってございます。17行目からのパラグラフになりますけども、地域資源を活用した地域経済循環の改善。23行目からのパラグラフは、地域の自然資源を活用した地域コミュニティの維持・再生。29行目からのパラグラフは、地域における資源循環施策の推進。
 43ページになりますが、19行目からのパラグラフは、地域脱炭素と他の政策とのシナジー、地域における公正な移行などについて。29行目からのパラグラフは、ESG地域金融。
 44ページに移りまして、4行目からは、地域における企業価値の向上策について記述してございます。
 続いて、44ページの14行目から、安心・安全、かつ、健康で心豊かな暮らしの実現というところでございます。「Well-being/高い生活の質」を実現するにおいて絶対欠かせない要素である健康と心豊かな暮らしのためには、その基盤である自然資本が環境保全上の支障が生じないように維持されるということが前提になった、維持されなくてはならないと。そういう意味で、伝統的な環境行政に属するところでありますけども、公害の防止であるとか化学物質管理等をしっかりと進めることが大事だということが最初の三つのパラグラフで述べてございます。
 加えて、35行目からのパラグラフ、環境保全上の支障の防止にとどまらない良好な環境の創出の重要性を述べてございまして、これは六次計画の新機軸の一つかなと思ってございます。
 45ページです。消費行動を含むライフスタイル、ワークスタイルに係る政策、気候変動への適応の視点で注目されている「フェーズフリー」の考え方。21行目からは、我が国の伝統的自然観に基づく自然との共生に関することなどを記載してございます。
 45ページ、最後、ちょっと見にくくなって恐縮ですけども、「新たな成長」を支える科学技術・イノベーションの開発・実証と社会実装という項目でございます。この分野はご案内のとおり、国家間の競争は熾烈となっておりまして、我が国の競争力、あと安心・安全を確保する観点から非常に重要なところになってございますけども、具体的には15行目からのパラグラフでございます。新たな成長の視点でも記述させていただいたとおり、現在及び将来の国民の本質的なニーズを踏まえたイノベーションの推進の重要性を記述してございます。
 その次のパラグラフです。先ほどご紹介した参考資料スライドの111に示したように、政府、市場、国民の相互作用によるイノベーションの推進の必要性を述べてございます。
 29行目からのパラグラフは、基礎研究の重要性から始まって、各種環境関連技術の推進、担い手としてのスタートアップの育成、あと環境目的以外の技術開発における環境配慮の必要性などを記述してございます。
 最後に、国際関係でございます。第1章でも触れさせていただいてございますが、分断化する世界において、環境を軸とした国際協調を発展させ、国益でもある世界の安定と人類の福祉への貢献について戦略的な対応を進めることが大事だと総論的にまず述べてございます。その環境を軸とした外交の推進に当たって、28行目から、各国とのパートナーシップの強化、国際的なルールづくりへの貢献、都市間連携等を進めていくことを記載してございます。
 また、48ページの9行目から、国際競争、経済安全保障の観点からの各種政策を記述してございます。
 最後のパラグラフになりますが、国際協力や、海外での市場獲得に向けた取組を記述してございます。
 時間の関係で、かなり早口になってしまいましたけども、以上でございます。ありがとうございます。
○高村部会長 ありがとうございます。
 本日、できるだけ審議に時間を取るために、事務局からかなり要点を絞ったご報告をいただいております。
 それでは、これから「第六次環境基本計画に向けた中間取りまとめ(案)」について審議、ご意見をいただければと思います。
 なお、私、先ほどお伝えし損ねましたけれども、先ほど波戸本課長からご紹介のありました循環基本計画の検討について、当然こちらの議論、審議とも関係性は非常に深いものですので、もし先ほどのご説明についても何かご意見、ご質問がありましたら、その発言の中で一緒にお願いをできればと思います。
 前回、議論でセカンドラウンドがあったことに対して大変好意的なご意見をいただいておりまして、できるだけ、やはり複数回、インタラクティブにご議論いただきたいと本日も思っております。従いまして、大変恐縮でございますけれども、発言の時間につきましては3分を遵守していただければというふうに思います。事務局でタイマーをしっかり設定していただいておりますので、ご協力をお願いできればと思います。
 それでは、通例でありますけれども、ご発言を希望される方は、会場参加の委員は名札を立ててお知らせいただければと思います。オンラインでご出席の委員は、Webexの挙手機能を使っていただくか、あるいはチャット機能でご発言のご希望をお知らせいただければと思います。
 それでは、会場から、今、手を挙げていただいている委員からお願いをしていこうと思いますけれども、それでは私の右側から、武内委員、お願いできますでしょうか。
○武内委員 ありがとうございます。これについては、少し読ませていただきました。その上で、もう少し、こういう点について、ここに書き込むべきではないかというふうに思う点、それを三つほど申し上げたいと思います。
 一つは、従来、環境基本計画では、エネルギー関係については、やや遠慮していた面があるわけですけれども、しかし、今のような状況になってみますと、このエネルギーについて議論をせずに環境のことだけを考えるというのは、かなりもう現実的ではなくなっているのではないかと。そういう意味で、いかにエネルギー政策みたいなものを環境基本計画の中にもっと取り入れていくような、そういう観点というのが必要じゃないかなと思うんです。
 具体的に言いますと、例えば再生可能エネルギー、これ、どの程度、日本に入れるかどうかは別ですけれども、私どもの組織で試算したことによると、大型洋上風力をかなり増やすことによって、いわゆるエネルギー自給率というのを高めていくことができると。そうすると、それが言わば、国土の在り方と環境の在り方というものに大きくつながってくるということで、ここらは省庁間の調整が要るとは思いますけれども、やはりこの問題について、もっと踏み込んで書き込むという姿勢が必要なのではないかというふうに思います。
 同じように、食料システムについても、これも農水省の管轄ということで割と遠慮ぎみになっているんじゃないかと思いますけれども、これも最近は、食料の原産地の環境の問題と、それから輸送に伴うエネルギー消費の問題と、それから消費地における言わば食べ残しのような問題とをつなげて考える食料システムという考え方が非常に重要だということで、これは国連でもそういうことの会議があったわけですけれども、こういう観点を入れることによって、日本の国内の食料自給率のようなものについて、環境的な面でどうあるべきかというようなことについても少し議論をしていくということができるのではないかなということで、これ、今私が申し上げていることは、できるだけそういう面をという意味ですけれども、やはり入れていっていただけるといいんじゃないかと思います。
 それから3番目、科学技術・イノベーションについての考え方ですけれども、私は、よく科学技術・イノベーションというと先端科学技術だけに限定されると思うんですが、むしろ社会システムをどうやって変えていくかという意味でのトータルな科学技術・イノベーションというのがどうしても必要なのではないかなと。これも国際的にはシチズンサイエンスの重要性とか、いろいろ言っているわけですけれども、そういう意味で、単に何か先端的な科学技術をやることによって大きく状況を変えるという、そういうことだけではなくて、いろんな技術を組み合わせることによって問題解決につながるとか、社会とつながることによって問題解決につながるとかという、こういう観点も重要なので、ちょっとどういう意味で使っておられるのか十分には理解できませんけれども、従来の、いわゆる狭い意味での科学技術・イノベーションにはとどめてほしくはないというのが私の意見です。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、続きまして、田中里沙委員、お願いしてもよろしいでしょうか。
○田中委員 田中です。どうもありがとうございます。大変今回網羅的に俯瞰のところから現場へのスコープも描かれていて、たくさんの気づきが得られる内容をいただいたと思っています。こちらに触発されてということで、具体的にこのようなことも入るといいのではないかということを幾つかコメントさせてください。
 まず、見え消しのほうの6ページの辺りに、ここ、これまでのいろんな、例えばリチウムイオン電池とか太陽光パネルのことも含んで、産業界の様々なチャレンジと書かれているんですけれども、やっぱり思うようになかなか成果が出ていないというところを、官民連携とか、もちろんですけれども、国際社会でリーダーシップを取れるような実力がつけられていない現状というのを分析して、ピボットをかけるんだというふうな、そういうふうなことも書かれますと当事者意識が高まるのではないかなというふうに思います。
 続いて、ちょっと飛んで28ページの辺りと、あと18ページにもちょっと環境教育のことに触れていただいたんですけれども、ここはESD、人材育成のことに触れていただいていますが、学校教育等のみならず、今のリカレント教育、大変重要視されていますので、そこへも適用という流れが明確になるとよいかなというふうに思っております。
 また、31ページのトランジションのところなんですけれども、ここは新たな役割への転換ということが意図されますので、ここの部分に、国民全体の多様な創意工夫とありますが、当事者意識、また参加という、参加感覚の、ここのキーワードをちょっと入れるとよくなるのではないかなというふうに思います。
 あと33ページには、やっぱりいろんな方が、パートナーシップ、充実していくわけなんですけれども、対象者が明確にされて、また、その人たちが魅力と感じるようなコンテンツがないと、やはり連携とかパートナーシップも組めませんし、行動を共にすることで得られる変化や共感ということを見える化していくこのコミュニケーションの視点というのもあるとよろしいかというふうに思いました。
 あと34ページ辺りには、重要な国民運動的な取組というのがこれからも始まっていくと思います。今日もデコ活というのが大きく出ていましたけれども、こういうふうなものも具体的に位置づけてもよいのかなというふうに思いました。
 そして最後に、44ページぐらいから、最初は文明のことで始まり、日本固有の成長の在り方とか、自然、文化、慣習を踏まえた独自性みたいなことに触れていただいているので、これが46ページ辺りのイノベーションにもつながってくるというふうな流れが見えるとよろしいかと感じております。
 すみません、ちょっと延長しました。ありがとうございました。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、豊岡委員、お願いいたします。
○豊岡委員 ありがとうございます。急ぎます。武内先生おっしゃっていただいたことが本当に我が意を得たりという感じで、総論、総花的に理念を語られても、地域の経済に資するということを自然エネルギーの開発なしには達成ができないという隔靴掻痒のような読後感というか、これを見て思っています。
 例えば、今後の環境政策が果たすべき役割、私は2-2の資料のほうで見ておりますけども、25ページですね、13行目です。これが、ドイツなんかだと、再エネ法でしっかりと自然エネルギーは最優先の公益であり公共の安全に資するというふうに位置づけられていて、安全の概念が、このWell-beingとか環境を守るという、環境政策的にはそうなんでしょうけれども、だけではなくて、しっかりと再エネを入れることこそが国益であり公共の安全に資するという概念がございます。安全以上の公益はないわけでして、今日も電気やガスやガソリンの補助金の延長の話が出ておりまして、国民生活が非常に厳しい中で、安全とか生活の安心、ここに持ってこないと、ちょっと現実とはかけ離れるのでないかというような感想を抱きました。これを、しっかりと中身を再エネも位置づけて、これを安心につなげるのだと、公益につなげるのだというような概念はぜひ入れていただきたい。今後の環境政策が果たすべき役割の第一はやっぱり脱炭素の目標の達成なわけですから、これをやらないと目標の達成はないということで、あまりにも理念とか環境を守るというようなところにいくと、ちょっと何をしていいのか分からないというような気持ちがいたします。
 そして、ページ27の28行、官民が協力した巨大な投資にこれがつながるんですけれども、投資を呼び込める仕掛けなしには、お金は動きません。SDGsの金融もここにはついてこない、事業機会があってこその国土、ドイツなどは国土の2%を具体的に風力に使うなどの具体的な方策があり、しかも市民団体はこれをそのまま優先的に事業機会を与えられるというような明確な提言がございます。そういうことがないと、私どもも投資の機会に希望を抱けない、地域はどうやってこれを実現していいのか分からない。特に、国民は厳しい生活の中、非常に厳しいことを求められていますので、3分たってしまいましたので、ここで一旦置きます。ありがとうございます。
○高村部会長 ありがとうございます。
 すみません、船越委員、お願いいたします。申し訳ありません。
○船越委員 すみません、3点申し上げたいと思います。
 一点目は、見え消し版の31ページのところの記載についてです。トランジションの視点が欠かせない、決して容易じゃないというようなことを書いていただいているというのは大変そうだろうと思いますし、ありがたいと思っています。そういう中で、さらに31ページの脚注に、74番として記載頂いている内容ですが、投資の裏側にはコストが発生するという、コスト認識は非常に大事だということを前回申し上げましたけども、31ページの欄外の74番の注は大変重要な指摘をしていると思います。その上で、それをどう負担するかという問題は別になるわけですけども、いずれにしても、環境価値のある製品なりサービスは、環境価値という付加価値がある分、当然に値段は高くなるという、やっぱりそういう国民意識の醸成ということが大きな鍵だと思います。そうする中で、負担論についても検討が進んでくるということではないかというふうに思います。
 2点目ですけれども、環境価値ということについて何か所か出てきます。特に今回提案され、39ページ目の17行目ぐらいからですかね、価格重視から環境価値等の質を重視するで、ここに、現状に比べて改善した環境価値、性能を付加価値に転換するといったようなことで、かなり細かく書かれてはいるわけですけども、この環境価値というものをもう少し分かりやすくというか、具体的に書き込まないといけないのかなと思っています。例えば、分かりやすい例でいえば、電気自動車は電力で動くので、ガソリン車よりもこれは環境価値が高いよねというのは非常に分かりやすい。一方で、ちょっと手前みそで恐縮ですけども、電気自動車に使われる鉄板をつくるのに、COが少ないプロセスでつくっているんですというのは多分、非常に分かりづらいですね。電力なんかもそうだと思いますけれども、自然エネルギーであっても石炭であっても、それは電力としては変わらないわけですけども、ただ、そこに自然エネルギーでつくれば環境価値があるということですよね。要するに、直接的に享受できる環境価値と、間接的な環境価値の両方があるということを、記載を少し詳しくしていただいたほうが、よりこの環境価値とは何かということについて理解が深まるのではないかというふうに思っています。
 3点目は、前回指摘させていただいたことも踏まえていただいていると思いますけども、共進化の実現は容易ではないということを追記していただいていて、これは非常にいいなというふうに思っています。但し、現時点の資料では、共進化の実現は国民全体でのビジョン共有、創意工夫、努力と、やや国民視点が強調され過ぎていますね。ちょっと国民任せみたいな書き方になっているような気がしますので、政府がこれを具体的に実現にするためにどうしようとしているのかという点、即ち、政府も主体的に関与するという姿勢がもう少し見えるような書きぶりがあるとよいのではと思います。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、石田委員、お願いいたします。
○石田委員 ありがとうございます。
 まず、またしても危機感のお話になりますが、現状と課題認識について、例えば資料2-1のp.4のライン17行目に、CO排出は1.5℃のカーボンバジェットを超えると予想されると記載されていますが、1.5℃のカーボンバジェットを超えるとどうなるのか、超えないためにはどうしたらいいのか、どうしなくてはいけないのかという記載が必要だと思います。p.5の黄色いマーカーの部分で追記される予定なのかもしれませんが、異常気象の現状と将来予測される被害を明確にすることで、危機感とか気候変動対策の必要性がより明らかになると思います。特に、被害総額などが記載されていると、明快になるのではないかなと思います。
 あとは、現状分析の要因を明確にした方が良いと思います。例えばp.6の5行目に、我が国の国際関連の特許出願件数は依然として世界トップクラスだが、製品は高いシェアを取得できていないとあります。官民連携によって国際競争力を一層強化し、付加価値創出につなげるということが重要であると結論づけられていますが、何が悪かったのかという原因分析が必要だと思います。例えばPVの導入設定目標が低くて市場形成ができなかったとか、補助金や、例えば住宅やビルの屋根のPV設置義務化等の規制が必要だったのではないかなど、原因を分析して示すことが次の成功につながるのではないかと考えます。
 次に、p.17の7行目に日本の電源構成を例に具体的な説明を追記していただいて非常によかったと思います。日本の主要の電源構成に占める再エネ比率に加えて、電源別の新規設備容量とか、投資額の増減とか、新車販売数に占める電気自動車の比率なども、本計画が確定する頃の国別数値を比較するとリアルな企業の危機感が伝わるのではないかと思います。
 以上です。よろしくお願いします。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、井田委員、お願いいたします。
○井田委員 ありがとうございます。いろいろ言いたいことがあるんですが、一つは原子力リスクのコミュニケーションのことなんですが、僕この表現はちょっと気に入らなくて、放射線に関する健康上の不安といわれのない偏見差別って、これ、同時に書いて、それの解消というのは、僕、間違いだと思うんです。健康不安って、これはなくならないですよね。健康不安といわれのない偏見差別というのだったら、解消というのは当然なんですけど、健康不安なんていうのは、言葉を消すか、あるいは、健康不安のケアといわれのない差別の解消。これ、よく言われていることなんですが、相変わらず、こういう書き方をすると、欠如モデルに関してと、欠如モデルに立って上から説明してリスコミという刷り込みをやりますというような今の形にどうしても見えるので、こういう表現は私、よくないのではないかと思いますので、やるんだったら、情報の発信というのはいいですけども、双方向のリスクコミュニケーションを通じて、全ての主体が対等の場で政策を議論できるような場をつくるというような、まず場をつくるんだというようなことを書いたほうがというか、書くべきだというふうに思っていまして、新たに書き加えられたことはいいんですけども、ちょっとこの表現に私は大きな問題があるというふうに思っております。
 それを申し上げた上で、残り時間、少なくなっているんですが、危機感がまだまだ、石田さんがおっしゃったように不十分だと思います。それで、武内先生がおっしゃるように、エネルギー政策への踏み込みが足りないというのもご指摘どおりで、棚橋さんのご意見にあったと思うんですけど、火力とか石炭のことが全然書いていないじゃないかというのは、私、大きな問題だと思っていまして、G7の中でも火力、特に石炭というのは廃絶が急務だと言われているようなことを言われ始めているということをここに書かないでいいのかなというのが二つ目の意見であります。
 それで、何ページだかちょっと失念してしまったのですが、環境を軸に自然資本を充実させていって、新たな成長の形、豊かになるんだという、これは非常に重要な考え方なので、計画がまとまったときのアピールのポイントになるかと思います。あと、トランスフォーマティブチェンジのことを指摘したんですが、それが明確にされたというのはいいことだったなというふうに思います。
 32ページのいろいろな記述、私はここが非常に重要だと思っておりまして、例えば、現状認識はいいんですけども、これ度々申し上げているように、こういう現状認識があるんだから、それに関する政策展開が必要だよというようなことを、ここで書くべきではないかというふうに思っております。
 あとSDGsのこと、これは申し上げまして、活用という言葉が消えたというのは非常にいいことだと思うんですが、第2ラウンドの議論があると期待して、そこら辺のことは次回、もし機会がいただけるのだったら、次回に述べさせていただきたいと思います。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、髙橋委員、お願いいたします。
○髙橋(清)委員 髙橋でございます。ありがとうございます。
 多様な専門の先生のご意見を的確に取りまとめられているなというのが第一印象です。まだまだ足りないところがあるかもしれませんけど、まずは事務局に敬意を表したいと思います。特に、私は初めて環境省系の部会に出て、共進化という言葉は共に進むと単純に捉えていたのですが、実は生物系の専門用語だったという気付きもあり、そのような表現が、これからどのようにつながっていくのか興味あるところです。
 幾つかお話しさせていただきたいと思いますが、二つほどお話しさせてください。まず一つは、29ページから始まる、新たな成長の基盤としてという箇所です。ここのところは、Well-beingを掲げて国民が在るべき、在りたい将来像を想定してということが書かれています。ここのところは大変重要な箇所だと思っています。まさに、あるべき姿、バックキャスティングの考え方と現状の課題を認識した上で将来を見据えているという、両者を融合させた表現であると理解しましたし、大変重要かと思います。しかし、これを実現するに当たっては、やはり将来像をいかに国民と関係者も含めて共有できるかというのが一つのポイントだと思います。さらに、先ほどからご意見が出ているように、各省庁間でも共有していく必要があるだろうなと思います。
 もう一つ、コーディネートをするという表現です。これは誰がコーディネートするのか、組織としてどこがコーディネートするのかというところも問題かと思っております。そこのところは、やはり環境省さんがリーダーシップを取るということを期待しておりますけれども、コーディネート人材の育成も必要かと考えております。
 あと、Well-beingについて、もう一点。この考え方自体は、中心に据えて今回の計画を策定するということは重要で、すばらしいことだと思います。これは、Well-beingを掲げるということで、住民をはじめとした多様なステークホルダーを政策のその場に引き出すことができるのだと思っています。しかし、そのWell-beingが考え方ではなく単に指標として捉えられてしまうと問題で、環境政策を実現する上での最前線の自治体が困惑するようなことにならないようなことを考えなければなりません。
 もう一点だけ短くお話しさせていただきたいと思いますけど、国土のストックとしての価値評価の向上、これはすごく重要だというふうに思っています。前々回の安宅先生のプレゼンテーションでも、国土のストックの価値の創造に関して言えば、地方が担っているというところがあって、今回の文章の中にも、都市だけではなく地方においてもそれが重要だというような認識で書かれているというのは重要だと思います。ある意味、地方の、地域のオーナーシップを育成するためにも、価値創造、関係人口の拡大というような政策も重要だというようなことが書かれているのは大変いいことだというふうに思います。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、竹ケ原委員、お願いいたします。
○竹ケ原委員 どうもありがとうございます。
 まず取りまとめ、本当にありがとうございました。いろいろご指摘のあった危機感の話も、「気候危機」も含めて、いろいろとワーディング上も反映いただいていると思いますし、また、Well-beingがキーワードになるということで、経済的な豊かさが一つの制約になるという伏線も張られており、ストーリーが明快になったような気がします。
 私が申し上げたいのは1点だけでして、全体のつながりの部分です。第1章から第2章への転換のところですが、先ほど大倉さんからも、次なるステップの必要性を示すのがこの取りまとめだというお話がありましたが、まさにその点、つまり、次なるステップとなる第六次は、第五次までとどう違うのかについて、これまで再三ご議論されていたと思います。具体的には、25ページの最初のポツ(〇)にある、転換という言葉が使われています。今までは、両立とか調和と表現されていた経済・成長と環境保全の関係性を、完全に同期化させる、共進化させるというのがこの第六次計画のポイントでしょうから、もう少しその点を強調してもいいのかなと思います。また、「同期」「共進化」がポイントなのだなと思って読み進んでいくと、例えば最後のポツ(〇)のところで、「環境を軸として、環境・経済・社会の統合的向上の「高度化」を図り」という記載に行き着き、何となく、また若干視点がぼやけるような印象があります。「統合的向上を高度化する」という表現が回りくどい感じがしますし、同期化と言い切っている部分と少しズレが生じているようにも感じます。その上で、第2章でいよいよキーワードとしてのWell-beingが出てきます。28ページです。このWell-beingは、新たな成長によってもたらされる、より高次の目標として提示することになっています。ただ、この新たな成長は、第五次基本計画の中で打ち出されたコンセプトとあります。そうすると第五次とは違った世界観をつくるという第六次におけるWell-beingは、第五次のキーコンセプトである新たな成長の上位目標という位置づけになるように見えます。この辺が入れ子のようになっていて、「変え方を変え」て新たに提示する第六次の位置づけ、性格が第1章、第2章の接続のところで分かりにくくなっている印象が個人的にはあります。要は、この第六次のキーコンセプトをWell-being一本でいくのか、共進化で全体を貫くのか、あるいは新たな成長をより具体化していくのか、という書きぶりの問題かもしれません。目指している方向は多分みんな同じだと思うのですが、どこを軸に語るかによって、少しこう、せっかくのいいコンセプトがばらばら出てきてしまう印象が、読んでいて感じられたところがあります。
 以上、そこだけです。どうもありがとうございました。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、続きまして、棚橋委員、お願いいたします。
○棚橋委員 ありがとうございます。二、三点ちょっとお話ししたいと思いますが、まず一つは、私が小・中学校にずっと関わってきたという教育のところでお話をすると、18ページの7行目、若い世代の環境意識の形成に環境教育の成果も確認できる。多分インターネットを使って取ったアンケートだと思いますが、実際、学校の中にいると、学校全体で環境教育をやっている学校は10%も満たないという感覚です。ただ、教科書に環境のこととか持続可能性のこととか、それからSDGsとか、たくさん今もう載っていますので、その意味では、授業の中ではやっているけども、探求的に深くESDをやっている学校というのはまだまだ足りないです。もしこう書くのであれば、文科省と相談をして、全ての学校でESDをきちっとやってくれと、探求的にやってくれということを話す必要があるかなと思います。
 それから、お話を伺って、武内先生のお話の中で、エネルギーについての言及をこれまで避けてきたと。あ、そういうことだったんだなと思ったんですね。今回の取りまとめをいただいて文字数の検索をかけました。再生可能エネルギーはちょっとありましたけども、石炭火力も当然、火力発電もゼロと。その意味では、現状分析というものをきちんとした上でこういうふうにするんだということが必要だと思うんですね。
 その意味では、37ページからの具体的な展開という中に、大きな考え方としてのWell-beingがどーんと入っているというのも、これはいかがなものかと思います。むしろ、ここにはIPCCで言っている緩和と適応という考え方を入れていく必要があるなと思います。緩和と適応について文字検索したら、全体を通して5か所です。具体的なところについて見ると2か所です。これで具体的と言えるんだろうかというところが、大変心もとない感じがいたします。国民感情として6割が、環境対策は生活の質を下げると考えている。まずそこを変えるべきですよね。そのためには具体的にこういう状況だから、こうしていくんだよということを、やはり、第2部の具体的な展開というところには書いていく必要があるかな。読んでいて、漏れなく広く書かれているというところはよく分かるんです。でも、今の時代に何を求められているのかということに、立ち返っていただけたらなと思います。ありがとうございました。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、諸富委員、お願いいたします。
○諸富委員 先ほど船越委員がおっしゃっていた点が私の関心とも重なりますので、船越委員が上げられていた論点について少し触れながら、お話をさせていただければと思います。
 ご心配な点というのは、鉄鋼生産に際して脱炭素のコストが上がっていく、これを誰がどう負担してくれるのかと。そうでなければ、競争力を失ってしまう、市場からはじかれてしまうという、この問題ですよね。これは恐らく、経済全体でこういった価格上昇を受容してほしいというメッセージを、今回のみならずご発言されてきております。これは非常によく分かります。また、日鉄さんはじめ、日本の鉄鋼メーカーは非常に、ここのところ、意欲的な脱炭素に向けた製法転換、電炉の活用等、非常に積極的な展開をされていまして、本当にすばらしい取組だなと思って、報道等、拝見をしているところでございます。こういった取組が価値を生み、コスト負担がうまくいき、そして製品として競争力を持つ必要があると、全く私もそのように思います。
 マクロ経済として、やはり全般的にデフレからインフレに、インフレ経済に転換していく中で、やはり製品価格を、しっかり価格転嫁をしていくということがまず必要で、それが経済全般の生産性上昇や高付加価値化、さらには賃金上昇、こういった、これまではとにかくコスト削減、人件費削減で生き残っていくというスタイルだったわけですけども、付加価値を高め、ここの中で何度も議論されてきているところですけれども、生産性を上昇しながら賃金を上げていくといった好循環に経済を持っていく必要があると。これはもうまさに、現在の白書の議論の中での、白書といいますか、この基本計画の中での議論がまさにこういったラインで行われてきているわけですけれども、そういった中で、国民経済の中で、脱炭素に伴うコスト上昇をのみ込んでいく、そういった経済環境をつくり出す必要があるというふうに思います。その中で、水素還元等のさらなるコスト上昇もあるので、これをどうするかという点については、GX推進法等で研究開発、設備投資等に対する、国家が全面的に支援をしていく姿勢、そして、そのための政策体系をつくり出す必要があるというふうに思います。できる限り、こうしたコスト上昇を国家が支援していく。これはもう、アメリカのインフレ抑制法をはじめ、各国、各地域とも全般的にそういった産業支援をやっていく事実上の国際競争にも入ってきているわけなんですね。
 最後に、時間になりましたので、1点。鉄の価値はどうしてくれるのかと。せっかく脱炭素しても鉄は鉄じゃないかと。ここは、やはり国民はともかく、企業はもはや価値を見ていると思いますよ。脱炭素化された鉄を選んでいかないと、最終的には鉄を利用した製品をつくっている企業さんも、もはや競争力を持ち得ない世界にこれから入っていきますので、それは日鉄さんなり日本のメーカーが脱炭素製鉄をやられると、それは、企業としては買わざるを得ない、積極的に選んでいきたいというふうになると思います。ただ、それを、きちんと情報基盤を整備して、この鉄は製造過程でCOを出していないということを証明する何らかの、カーボンフットプリントとも呼ばれますが、そういった情報基盤をやはりつくる必要があり、環境省もそこは支援をしていく必要があるんじゃないかなというふうに思います。
 これは全般的に他の分野でも言えることで、循環型社会の基本計画で波戸本さんがお話になっていた領域でも、欧州ではデジタルプロダクトパスポートという形で、これから循環型社会の中で脱炭素に資する物質の、ある種の情報基盤を形成していきますよね。こういったことで、環境政策の言わばデジタル化とも言えることも、実は柱を立てて、実はちゃんと議論し、政策化していく必要があるんじゃないかと。それは非常に産業政策として重要だというふうに思います。
 以上でございます。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、崎田委員、お願いいたします。
○崎田委員 ありがとうございます。
 それでは、崎田は事前に意見を出させていただいたので、細かいことはここに書かせていただきました。それ以外の視点も含めて、ちょっと3点ほど、今、発言をさせていただきたいというふうに思います。
 実は最近、私自身は、都市型の温暖化対策をどういうふうに効果的にしていったらいいのかということを、区とか、私のホームベースは東京ですので、23区とかそういうところと話し合うという機会が多いんですけれども、そういう意味で35ページの辺りの地域循環共生圏というところも、普段は割に自然豊かなところのイメージが多いわけですけれども、ここにちゃんと地方都市、大都市というような、いろいろな、具体的にきちんと書いて、こういうそれぞれの地域の特性に合った場づくりをしていくということが明確に書かれたのは大変重要なことだというふうに思っています。
 なお、この中に、地域金融等のパートナーシップとありますけれども、今、大規模のメガバンクとか、そういうところも、地域に根差すことの重要性は皆さん分かってきておられると思いますので、地域金融や金融機関とか、何かあんまり地域金融だけに限定しなくてもいいのかなというような印象も持ちました。
 2番目なんですけれども、前回、連携とパートナーシップのところをかなり発言させていただき、環境政策として参加を大事にして取り組んできたというようなことを書いていただいています。そういうことも踏まえて、やはり今、これからの時代、新しい次世代の人たちがこの環境分野を仕事にする、あるいは新しいSNSを活用した環境ビジネスを起業するとか、新しい生き方がすごく増えてきていますので、次世代の新しいそういう生き方とかビジネスをどういうふうに支援していくのかというような視点も、今後のところに何か一つ章立てをしてはどうかという印象が、章立てというか項目立てをしてはどうかというふうな印象を持ちました。
 最後に、放射線のリスクコミュニケーションにも取り組んでおる立場からいって、今回リスコミのことを記載していただいたのは大変重要なことだというふうに思っています。
 なお、現在の放射線リスクコミュニケーションは、それだけではなく、戻ってきた方々が、自分たちが地域でやっと主体的な活動ができるような状況になりつつあるという時期ですので、何かそういう新しい動きに対しての支援とか、そういうような視点も入れていただければありがたい。
 そして、それとは別に、井田委員が先ほど発信された、放射線の影響する環境施策に関する対話とか、そういう場は別の意味で大変重要なことですので、また別項目としてきちんとコメントを入れていただくことも必要ではないかというふうに感じました。
 ありがとうございます。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、大塚委員、お願いいたします。
 この後、オンラインでご発言希望の委員に移ってまいりますけれども、有村委員、小屋委員が少し早くご退席と聞いておりますので、まず有村委員、小屋委員に、大塚委員の後にお願いをしたいと思います。
 それでは、大塚委員、お願いします。
○大塚委員 ありがとうございます。4点ほど、手短に話をしていきたいと思います。
 一つは、環境基本計画は何を定めるかという話が多分、共通理解は必ずしもないのかなというふうに聞いていて思いましたが、それは多分いろんな考え方があるとは思うんですけども、具体的な施策との関係は、温暖化だと温対計画とか生物多様性の国家戦略とか、先ほどご説明いただいた循環基本計画がありますので、それの上にさらに立つものとして環境基本計画を考えていったときに、環境政策全体のビジョンを出すというのを結構重視しているということなんだろうと思います。それが、それでいいかどうかという問題は議論していただいたほうがいいと思いますけども、ほかの計画との関係を踏まえて、そういうことにしているのだろうと思いますし、先ほど髙橋委員がおっしゃったように、国民との関係で、ここ20年、30年が失われた20年、30年になってしまっているという中で、国民に対して環境問題についてどういうふうに意識を共有していくかという観点とか、先ほど、これも髙橋委員がおっしゃいましたけど、省庁間での認識の共有とかを考えてビジョンを出そうというのが、最初のほうの第1章とか第2章辺りの考え方を示したものなんだろうと思います。
 竹ケ原委員がおっしゃった点も非常に、厳密に見ていただいて、とてもいいと思いますけど、第五次環境基本計画はもう既に、共進化とは言わなかったですけど、調和だけではなく、同時解決というようなことは、環境政策をやって、ほかの経済社会の問題を同時解決していくというのは、まさに第五次環境基本計画で打ち出したところなので、今回それにWell-beingが入って、追加していますけれども、基本的なコンセプトは第五次環境基本計画を更に延長したものだというのが今回のビジョンだと思います。
 あと、石炭火力の話は、出ていないのは、私もちょっと見落としましたけど、多分どこかに書いていただくことぐらいは可能だと思いますので、ご検討いただければありがたいと思いました。
 それから二つ目ですけども、諸富委員がおっしゃった、情報基盤をつくることは極めて重要だというのは、私も本当にそのとおりだと思いまして、先ほど船越委員がおっしゃった、同じ鉄だと扱われてしまうというのは、確かにその可能性はあるので、どういう経緯でできた鉄かということがまさに重要になり、その情報が重要になるということなので、そこに虚偽が入るとまずいということはもちろんありますので、この情報基盤をつくっていく。そして、虚偽に対しては、きっちり対処していくという姿勢は極めて重要だと思いますし、それは多分どこかに書いていただいたほうがいいんじゃないかと私は思いました。
 さらに、第3に、船越委員がおっしゃった共進化のところで、国民を入れるということをおっしゃっていただいて、今回入ったと思いますけど、さっき大倉課長がご説明いただいた参考資料のほうにも出ているかと思いますけども、共進化の中に国民も入れる、さらにその国民の中に入ってくるんだと思いますが、この中にも委員でいらっしゃるマスコミの役割は極めて重要だと思いますので、そういうものが全体となって共進化していくということだと思います。マスコミ自体が、プラットフォーマーとの関係で、今までよりも勢いが少し弱くなっていらっしゃることは非常に危惧すべきことだというふうに私自身は思っております。
 それから、第4点目として、私自身の意見として一言申し上げておきたいのは、特にこれは気候変動との関係ではありますけれども、公正な移行について非常に重要だと思いますし、それは大分出ていますけども、EUとかでも公正な移行は極めて重要な議論としてなされているわけですが、私がちょっと気になるのは、日本の場合、もちろん公正な移行は大事なんだけども、同時に、いかに国全体として効率的、効果的な移行をしていくかということは、かなり大事だと思っていまして、賢明な移行といってもいいかなと思っていますけども、これは、EUとかでは、もちろん各国ではやることが当然の前提になっていると思うんですけど、我が国の場合、公正な移行はもちろん大事なんですけども、さらに効率的、効果的な移行ができるかどうか、若干心配があるかなと。つまり、我が国は、他国の状況にキャッチアップするのは割と得意ですが、自分でビジョンをつくって、それに向かって進んでいくというのは必ずしも得意ではないということが、この20年、30年、出てきてしまっているので、ちょっとそこは心配です。
 まず、三つほどありますけど、一つは国民の意識啓発が大事です。国民は移行することに対して必ずしも認識をしていないと思います。温暖化について、環境問題として意識しているかという問題だけではなく、さらにそれに伴って移行していかなくちゃいけないという、場合によっては痛みが伴うようなこともしなくちゃいけないわけですが、それについての認識がまず乏しいこと。
 それから二つ目に、これはなかなか申し上げにくいところですが、国益と一部の企業の利益は必ずしも一致しない、ずれることがあるということは、これはむしろ産業政策をしていただく方に申し上げなきゃいけないことだと思いますけども、この問題はあるわけですね。
 それから三つ目ですけど、これは私なんか、法律家が考えなくちゃいけないことかもしれませんけど、かなり特殊な、特別な状況が発生すると思われます。例えば、企業の間で協力するようなことも必要になってくると思いますし、これだと今までの競争法をそのまま維持していいかどうかということが場合によっては出てくると。これはもう、経済産業省ではそういうご議論もなさっていると思いますけれども、まだストップがかかっているような状況だと思いますが、こういう公正な移行だけじゃなくて、移行について極めて多様な問題が発生すると思いますので、私は賢明な移行ということを言ったらいいかと思いますけど、表現はご議論いただければと思いますが、これは結構大事な問題で、石炭から石油に変わったときに、通産省が昔やられたことの多分何倍もの作業が必要になってきますが、問題状況はそのときよりも多分難しくなっているんじゃないかと思います。
 ということで、一言申し上げさせていただきました。すみません。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、これから、オンラインでご出席の委員にご発言をいただきます。繰り返しで大変恐縮ですけれども、3分の時間を守っていただけるとありがたく思います。
 それでは、すみません、お待たせいたしました。有村委員、お願いいたします。その後、小屋委員、馬奈木委員とお願いいたします。
 では、有村委員、よろしくお願いします。
○有村委員 ご配慮いただきましてありがとうございます。早稲田の有村です。私のほうからは3点申し上げたいと思います。
 一つ目は、新たな成長というところですね、この考え方という、38ページに載っているかと思いますけど、成長の要素に環境の質を含めるというのは非常に、当然ながら重要だと。ここでは、環境保全をしながら新たな成長ができるというメッセージになって、とても重要ではないかなと思っています。環境政策を進めるに当たっては、国民の賛同というのはとても重要だと思うんですよね。その国民の賛同を得るには、伝統的な生活、質に加えて、GDPも向上するということがやっぱり必要なんだろうなと思います。以前、国際比較調査で日本人の環境意識が高くないというようなお話をさせていただきましたけれども、背景には、もしかすると長い間続いてきた日本の経済の停滞もあるのではないかなと考えています。
 ヨーロッパ、フランス、今、私フランスにいるんですけれども、もうかなり国民の環境意識が高いというか、サステナビリティをアピールしたような商品とかがたくさん出ていますが、そういった中で見ていると、何か国民の生活を犠牲にして環境を守るというような感じではなくて、両方ともWin-Winの関係を築いて、そういった動きになっているというような印象があります。これが1点目です。
 2点目は、39ページ目の14行目辺りに関わってくる話で、カーボンプライシングと環境価値についてです。これは諸富先生が先ほどおっしゃられましたけれども、GX推進法の下でカーボンプライシングが決まっていくと、そうすると企業の生産も脱炭素のほうに変わっていくというか、しっかりとカーボンプライシングを受け止めていただきたいんです。同時に、消費者のほうもそこのカーボンプライシングを受け止めて、環境価値として支払っていかなければならないと思います。そして、そういったものがサプライチェーンの中でしっかりと反映されていくというような社会構造に変わっていくことが必要だということだと思います。消費者にも一定の負担は生じるということを理解していただくということが必要だと思いました。
 それから、3点目です。40ページの14行目の辺りで書いていただいたことに関して、国の消費者としての役割というところです。国、地方自治体というのは、行政を行うという組織であると同時に、非常に巨大な消費者です。そこで、環境省、自治体と国に関してグリーン調達を進めているわけですけども、そういった中で、先ほどから出てくるような、水素還元で出てくるような鉄鋼製品というのは必ずしも安くはないでしょうけれども、そういったものを、国、地方自治体が消費者として積極的に購入して事業創出していくということも今後重要になってくるだろうなというふうに思いました。この点、書き込んでいただきましてありがとうございました。
 私からは以上です。
○高村部会長 どうもありがとうございます。
 それでは、続いて、小屋委員、お願いいたします。
○小屋委員 ありがとうございます。本日、途中退席させていただくため、4点、コメントさせていただきます。
 1点目、前回意見を申し上げましたが、見え消し版の4ページの現下の危機について、社会的・経済的な記載がまだ不足している印象です。本計画を、国民も産業界も自分自身の課題として捉えて、より身近なものとして受け止められるよう、少子化や都市一極集中といった国内の課題、以前の論点整理の資料にも記載されていた、格差拡大や新型コロナ感染症、ウクライナ侵攻で浮き彫りになったサプライチェーンの脆弱性等の課題、危機感等についての記載もお願いします。
 2点目、31ページ8行目でトランジションに触れていただき、前回の意見を反映していただきありがとうございます。トランジションにおいては、多様な移行パスの許容や不測の危機に対するレジリエンスの確保、また、インフラを含む既存資本の有効活用による社会コストの抑制などが重要になります。トランジションの視点については、より具体的な記載の検討をお願いします。
 また、既存の資本活用に関して、30ページ15行目、自然資本の維持・回復・充実に寄与するものとして「ストックとしての人工の資本、システム」が挙げられ、人工の資本については、注釈70にあります。低炭素、脱炭素エネルギーを供給する既存の電力、ガスのインフラも重要な人工資本ですので、ぜひとも追記をお願いします。
 3点目、41ページの6行目、国土のストックとしての価値向上の中で、災害時の地域エネルギー等のレジリエンスを高める方法として、地域と共生した再エネの拡大とありますが、バックアップとして多様なエネルギー源の確保も重要です。地域の自立の視点と併せて、既存の電力、ガスインフラの活用をした地域間での支え合いの視点についての記載も検討をお願いします。
 最後に、中小企業への支援についてです。これまでも繰り返し申し上げていますが、中小企業においては、人手不足や、原材料・エネルギー価格の高騰等、厳しい経営環境の中、環境に配慮した取組を進める必要性を理解しているものの、なかなか始められないのが現状です。今後、議論されることと思いますが、中小企業の企業価値向上につながる仕組みづくりや支援につきまして、丁寧な議論をお願いします。
 以上4点、よろしくお願いします。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、続きまして、馬奈木委員、お願いいたします。
 馬奈木委員の後、三好委員、山戸委員とお願いしたいと思います。
 それでは、馬奈木委員、よろしくお願いいたします。
○馬奈木委員 ありがとうございます。私からは、1点のみコメントさせてください。
 主に24ページ、セクション4の新しい基本計画における変更、変化です。大事な点だと思うんですけども、今回ストックの価値を上げながら、自然にしっかり取り組もうというので、自然資本を取り上げていただいています。その際にほかの、人の価値とか物の価値も上げるということで、そこは公的機関であれ、民間企業である取組の成果であると思います。ここは自然資本ということで、非常に大事な点で既に入れられています。
 もう一つ、それを供給する主体であります企業としてのESG、またはサステナブル投資という用語が出ております。最後に、国民目線でありますWell-beingという三つが今、入っているんですね。コメント内容は、その三つをつなぐような文章があったらいいのかなと思っています。日本学術会議のほうで、高村先生、大塚先生と一緒に、サステナブルな投資における産業界の役割ということで、報告を今月出しております。そこの視点は、今回の基本計画の案を支えるものでありますので、そこを使っていただきながら、自然資本などのストックを上げていき、その成果として最終的には国民に反映されるというのは、Well-beingにつながるんですね。
 何のWell-beingにつながるかといいますと、短期的には費用はかかりますけども、自然資本など、他の資本を上げていくということは、孫以上の世代に対して、将来世代に対する価値を提供するものでありますので、持続可能な社会などの概念と一致します。なので、自然資本やWell-beingはつながります。
 もう一つは、そういうようなサステナブルな投資、またはESGに関係する投資というものも、そういうストックを上げるという取組を使いますので、そういう意味で産業界における投資、または公的機関におけるお金の使い方というのがWell-being、自然資本に連携するというところで、そのリンクがあればよいのかなと思いました。
 以上です。ありがとうございます。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、三好委員、お願いいたします。
○三好委員 ありがとうございます。私のほうからは、3点コメントさせていただきます。
 まず、2部の第2章以下のところにあるのですけれども、初めに武内先生も言っていただいたんですが、私も食料システムについての文章が入ってもらいたいなという、抜けているのか、言及をちょっとためらったのか分からないんですけれども。
 やっぱりWell-being、安心・安全で幸せな質の高い暮らしという面においては、衣食住が非常に重要になってきて、暮らしを高める衣食住の在り方ということが戦略の一つというか、ドライバーの一つになっていくと思います。生産のための調達から生産の方法、それから流通、作り方、買い方、食べ方、その後も含めて循環をしていって、よりグリーンになっていって、そのことが質の高い食生活につながる、それは衣も、エネルギーも含めた住もそうなのですけれども、本当に、第一次産業が、脱炭素にせよ、水、それから土、そういうものがきれいになるという役割を果たしている側面もありますので、ちょっとその件について、食料システム、食システム、それから食べるということに関して記載があってほしいなというふうに思いました。
 もう一つが、またWell-being、暮らしという視点からなんですけれども、災害時について、非常事態といいますか、防災・減災も含めて、何か起こった後のレジリエンスといいますか、復元力というか、それについての記載が見受けられませんでしたので、普通の暮らしもそうですが、昨今とても気候危機で、非常に暑い状態も、もう非常事態になっていると私は思っておりまして、そのような記載はないのかなと、若干疑問に思ったところです。
 最後に、イノベーションについてなんですけれども、最新の技術だけではなくて、古くからの技術や知恵がよりグリーンな手法に変わっていく、現在ある仕事も、よりグリーンに変わることでアップグレードされてイノベーションが起こるということがあり得ると思いますので、そのような記載もあればいいのかなというふうに思いました。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、山戸委員、お願いいたします。
 山戸委員の後に、淡路委員、奥委員とご発言をお願いいたします。
 山戸委員、よろしくお願いいたします。
○山戸委員 ありがとうございます。
 先回から、各委員の皆様からも環境の危機感についてご指摘があり、今回充実させていただきありがとうございました。
 私も、環境悪化の度合いが高まっているというのは日々感じており、環境をサステナブルにするために、従来の考え方を変えていかなければならないと思っております。その際、最新の科学的知見に基づく環境政策の実施、運用が重要となると考えております。詳細は、第1部第3章にて記述予定と認識しておりますが、前回申し上げたとおり、政策判断等に当たっては、データの収集・分析を一層充実させ、適切に反映することが欠かせない点を改めて指摘させていただきたいと思います。
 また、見え消し版の44ページ、26行目にも、予防的アプローチについての記載がございますが、今申し上げた観点から、ほかの部分と同様、科学的知見を最大限活用することの重要性について追記いただきたい。
 グローバルバリューチェーン全体での環境負荷低減の重要性や取組が企業価値を左右するリスクについて記述していただいておりますが、個々の企業の取組はもちろんであるものの、それだけでは限界がございます。委員の方からもコメントがございましたが、国民の環境意識を高めることに加え、グローバルバリューチェーン全体で環境負荷低減に取り組んでいる企業の努力が適切に評価される仕組みについての記載も改めてご検討いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、淡路委員、お願いできますでしょうか。
 淡路委員、聞こえますでしょうか。お声が届かないようですけれども、淡路委員、お声は出ますでしょうか。
○淡路委員 聞こえなくなってしまいました。
○高村部会長 今、聞こえますでしょうか。
○淡路委員 聞こえました。
○高村部会長 よろしくお願いいたします、淡路委員。
○淡路委員 ありがとうございます。
 淡路でございます。2点、この第六次環境基本計画の中間取りまとめ(案)の42ページのところなんですけれども、環境・経済・社会の統合的向上の実践・実装の場としての地域づくりというところの18行目、「事業の利益を、社会福祉、伝統文化の保存、農業インフラの維持などの地域課題の解決に向けて再投資することにより、地域の経済循環を好循環構造に転換し」というところがありますが、この事業の利益というのが民間企業の事業の利益を指しているのであれば、まず、企業としては、事業で得た利益を自分の事業の再投資に向ける、あるいは自分の事業を継続できることに対する、例えば人的投資ですとか、そういうところに向けるのがまず第一義的なのかなとちょっと感じまして、ですので、利益をこういったところに再投資という表現の仕方に少し違和感を感じます。当然、地域のために貢献するという意味では、いろいろな形で各企業は関わっているとは思いますけども、利益を再投資するというような直接的な表現が、少し違和感があるので、違った表現にならないかなというふうに感じています。
 また、再投資という言い方がなじまないような気もいたします。投資というのは、自分の事業に対してするのが投資のような感じがしますので、地域に対して違う言葉、還元は少し違うのかもしれませんが、そのところをご検討いただけないかなと思います。それが1点です。
 それから、もう一つは、最初にご説明いただきました第五次循環基本計画のことについて少し意見を申し上げたいんですけれども、循環に関して詳しい計画の中身になっていると思います。特に、中小企業でリサイクルですとか産業廃棄物の処理、あるいはリサイクルというのに携わっておられる事業者が多くいると思います。千葉県にも、地域性もありますでしょうから複数いらっしゃいますけれども、皆さんが、環境意識が世の中でだんだん高まるにつれて、自分たちの事業に対して誇りを持って取り組んでおられる、また、廃棄物の中から新しいエネルギーを抽出してくるとかリサイクルをさらに高度化するというようなことにも意欲的に取り組んでおられて、その延長線上で、COの削減ということに対しても率先して取り組んでおられる事業者さんがいらっしゃるなという感じを特に持っております。ですので、リサイクルに関係する事業、それがどれだけ重要性があるのか、そういったことについても十分この計画の中で触れていただきたい、どこも人を確保することに苦心しています。そのために、COの削減に率先して取り組んで自分の企業の価値を高めたいというふうにおっしゃっておられますので、そういった事業の重要性、循環に関わる事業の重要性についても触れていただけないかなというふうに思います。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、この後、奥委員にお願いしたいと思います。
 今、私の手計算でいくとセカンドラウンドに入れそうな時間が確保できそうですので、ぜひ3分の時間、ご協力いただければと思います。
 奥委員の後、堅達委員、山口委員とお願いいたします。
 では、奥委員、よろしくお願いします。
○奥委員 ありがとうございます。
 大きく2点ございます。1点目は、23ページの20行目、21行目に追記していただいている部分なんですけれども、このパラグラフは、この30年間での国民の意識の変化、その傾向について記述されているところかと思いますが、また、その調査についての出典も、その前のところでは脚注でつけていただいているのですが、追記していただいている部分は、急に、世界的にエコ不安が指摘されているということで、じゃあ日本国民の意識はどうなのかというところについては、これでは全く分かりませんし、また、出典もついていないので、やはり、先ほど国民の意識は必ずしも高くないというようなご指摘もありましたけれども、ここはむしろそうではないというような、むしろ不安を抱いている方が多いんだというようなことを書くのであれば、出典も併せて明確に日本国民の傾向をちゃんと示していただくということで記述していただきたいというふうに考えました。それが1点目です。
 それから2点目は、32ページ以降なんですけれども、32ページのところのタイトルが、自分の画面で、32ページの(2)にしていただいているところ、以前は(3)でしたが、ここで「環境施策の原則・理念を前提とした」というふうにあるんですけれども、いかなる原則・理念を前提とするのかということについては、ここまでのところでは記述されておらず、第3章のほうで明確に示されるということになっているわけですね。
 それで、(2)の最後の丸(〇)、次のページ、33ページのほうになりますけれども、ここで、このような流れも盛り込んだ云々というところですけれども、その2行目、このページで9行目ですか、「これまでの累次の環境基本計画において提示されてきた原則や理念を土台に」というふうにありまして、なので、ここで言っている理念・原則というのは、従来の基本計画が示してきたものだけを前提にしているかのように、これですと読めるわけです。ただ、32ページのほうの最後の丸(〇)のところのパラグラフですけれども、第五次環境基本計画制定後のところには、新たな世界的な潮流として、人権や環境デューデリジェンスに関しての配慮やルール形成も求められているというような、従来の環境基本計画ではしっかりと踏まえられていなかったような要請だとか価値、もしくは理念というようなものが出てきていて、それにも対応していく必要があるんだということをここでは言っているわけなので、過去の環境基本計画で示されてきたものを土台にというよりは、むしろ、こういった新たな潮流も踏まえた上で、明確に、この環境基本計画で基本原則であるとか理念を打ち出すということを前提にしているような書きぶりに、ぜひしていただきたいというふうに考えております。
 それと関連してなんですけれども、先ほど、予防的アプローチについて言及されていた方がいらっしゃいましたけれども、44ページに予防的アプローチという言葉が1か所だけ、今のところ出てきているのですが、恐らく第3章のところでは、予防的アプローチというのか予防的取組方法というのか分かりませんけれども、一つの原則としてしっかり、そこではぜひ落とし込んでいただきたいというのが私の希望ですが、いずれにしても、ここの書きぶりも、「環境リスクの適切な評価・管理に加えて」というよりは、むしろ、適切な評価を踏まえた管理を、それが可能な場合はしますけれども、必ずしもリスク評価を待つまでもなく、リスクが懸念される場合には予防的アプローチをしっかりと取っていくんだということを明確に書いていただきたいというふうに考えております。
 すみません、時間オーバーいたしまして。以上でございます。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、堅達委員、お願いいたします。
○堅達委員 私のほうからは、今後、多分、この夏の危機感のことは書いてくださるんだと信じているんですけれども、ちょっと本当に今年の夏がやっぱりやばくて、海水温が日本近海でも10度以上高いところが現れていたり、新しいネイチャーコミュニケーションズ……。
○高村部会長 堅達委員、すみません、音がちょっと途切れて。
(音声トラブル 17:37~17:42)
(メイン音声カウンター表示 1:37:18~1:42:48)
○高村部会長 申し訳ありません、会場の高村の声、聞こえていますでしょうか。
○堅達委員 はい、きれいに聞こえています。
○高村部会長 ありがとうございます。
 今、多分、インターネットの負荷なり技術的な問題だと思うんですけれども、オンラインの先生方が同時にお話しになったものが、こちら混線して聞こえておりました。したがって、堅達委員のご発言から改めてお願いをしたいと思います。
 堅達委員、申し訳ありませんけれども、発言をもう一度お願いできますでしょうか。
○堅達委員 はい。では、始めます。
 危機感の件なんですが、多分、この夏の異常なことは、この後、書き込んでくださると思いますけれども、十何年、取材をしてきましたけれども、今年は非常に危機的な状況がより増しています。ハワイ、マウイ島の山火事もそうですけれども、ある研究によりますと、2025年といったらもう2年後ですけど、リスクとしては大西洋の熱塩循環が止まってしまうような、これまで想像もつかなかったような、ちょっと悪い循環に入る可能性すら指摘されているくらいだと。それで、海水温が10度以上高い海域が日本近海にもあるとか、そんな中で、今回の環境基本計画を読ませていただいて、大変網羅的に、丁寧にいろんなことが書いてあるんですけれども、不思議なくらい、じゃあこの勝負の10年に本当にしなければならないことは何なのかということがストレートには伝わってこないような気がちょっとするんですね。私はやっぱり、この危機感の中では絶対にしなきゃいけないというのは、食料とエネルギーの地産地消を目指す、そういう、何というか新しい方向性をきっちり目指していくということがとても大事で、現状、今年の先ほどの熱波によって、米も新潟辺りでは今、塩害が出ていたり、魚もさっき言ったとおり非常にピンチにあったりする。だから、まず命を守る食料、そして先ほど冒頭からもおっしゃっているとおり、再生可能エネルギーを増やさないと、輸入に頼るエネルギーではやっぱり駄目なんだと、その辺りがストレートに伝わるようには聞こえないというところが、ちょっと工夫が要るのではないかなと思います。
 それは、一言で言うと、我々マスコミも、今日もちょうど「1.5℃の約束」というキャンペーンでテレビ局が連携して、今キャンペーンをやろうとしているんですけど、もはやライフスタイルチェンジだけではこの問題を解決できなくて、1.5℃目標に整合するシステムチェンジが必要なんだという、そういう強いメッセージが、冒頭辺りでやっぱりもうちょっと明確に分かるとありがたいなというふうに感じています。そのとき絶対キーワードになってくる循環経済のサーキュラーエコノミーとネイチャーポジティブということ、これは、書かれてはいると思うんですけれども、循環経済の冒頭示していただいたものが本当にEUのサーキュラーエコノミーのパッケージに匹敵するようなものにちゃんとなっていくのかどうか、これは本当、この勝負の10年で大きな関わりがあることなので、この辺りもきっちりと改めてお示しいただければと思いますし、私どもが一番大事と思っている脱炭素についても、COの見える化とか炭素の価格をつけるということがいかに大事なのかということが、もう少しちゃんと、紛れ込んでいるというよりは、きちんと伝わる書きぶりであってほしいなと思っているというのが1点です。
 あと、全体の書きぶりの中で、この危機に対応するには、やはり省庁間のより一層の連携が必要だという視点をもう少し強調していただければと思います。教育も、それからもちろんエネルギーとしての経産省、健康問題での厚生労働省、そしてさっきの食料等での農水省、そして防災等での国土交通省との連携、これによって環境というものが、やっぱり5年前、6年前よりは主流化してくるということが、もっと強く打ち出されているといいなと思います。
 あと、最後に、何度か申し上げていますけれども、気候正義とかは言っていただいたのはありがたいのですが、若者世代の参画という、新しい将来世代の参画がもう少し強調されればなというふうに思います。
 ありがとうございます。
○高村部会長 ありがとうございました。すみません、インターネットのトラブルで申し訳ありませんでした。
 それでは、続きまして山口委員、お願いいたします。
 山口委員の後、河口委員、それから稲城市長の髙橋委員、お願いをしたいと思います。
 それでは、山口委員、よろしくお願いします。
○山口委員 高村先生、ありがとうございます。
 私、前々回、ちょっとしゃべり過ぎてしまいまして、今日は本当にもう、尺厳守でいきたいと思っております。よろしくお願いします。
 この内容を拝見しまして、私はすごく、第1章の1で環境危機、気候危機、これを正面から捉えていらっしゃるのは本当すばらしいと思いました。勝負の10年というところも、しっかり触れてらっしゃいます。
 それから、5ページのところで、太陽光パネルとか蓄電池のシェアが低下したというところで、官民連携で国際競争力を強化するというところにも触れたのはすばらしいというふうに思いました。
 それから、21ページで、化石燃料の輸入額が、これは円安もありますよね、33.5兆円にも上っていると、ここも大きな問題になっていることを指摘しているのもすばらしいと思いました。
 その後なんですけれども、循環とか共生とか、非常にそのとおり、すばらしい文章が並べられていると思いますが、あえて言わせていただきますと、やっぱり今、堅達委員からもありましたけれども、何かこう、きれいなメッセージにはなっているのですが、心を動かされるような強いメッセージになっているかどうかというと、やや疑問が残るのかなというふうにも思いました。
 私、冒頭のほうで武内先生からお話があったような、再生可能エネルギーについて、もっとストレートに触れたほうがいいのではないかと、私はそういうふうに受け取ったんですけれども、その論点もあってもいいんじゃないかなと思ったんですね。というのは、再エネについて、この基本計画の中で、あちこちちりばめられていて、いろんなところに出てくるんですけれども、一つの固まりになっていないんですよね。私がずっと取材している中で、再エネは四つ効力があります。一つは、地域や自然と共生することで地域を元気にしますね。それから、新しい成長分野になります。これは、ペロブスカイト太陽電池、浮体式洋上風力、それから蓄電池もそうですよね。それから、国産エネルギーとして、経済安全保障にも資するということですね。それから、もちろん気候危機対策になります。ここの、四つ目の気候危機対策のところが、この夏、これだけ暑いんですけれども、多くの方が、気候危機対策を諦めちゃっている方も多いんじゃないかと思うんですね。やっぱり緩和できるんだという前向きなメッセージをもっと強く打ち出す必要があるんじゃないかなと。それが心に届くような書きぶりを、再生可能エネルギーというところでまとめて一つ書くことはできないのかなというふうに、率直に思いました。
 以上です。どうもありがとうございました。
○高村部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、河口委員、お願いいたします。
○河口委員 ありがとうございます。
 手短にということで、3点ほど申し上げたいんですけれども、今回、かなり委員の皆さんの無理難題をしっかり入れ込んでいただくという努力がされているなというのは非常に感じた一方で、それを入れ込み過ぎたがために混乱してしまったのではないかなという気がいたしました。
 最初のページから、危機感をということであれば、非常に危機感が出るような書きぶりになってきているんですけれども、環境問題として何が重要なのかなという視点で考えますと、気候変動、わあっとデータが、最初の1ページ目ですね、結構データがあって、書いてあって、あ、生物多様性もあった、資源循環もあったみたいな、ちょっと何というのか、書き方のウエイトが違うんじゃないかなと。まず、最初のページで人の気持ちをつかむのであれば、最初のところで、IPCCでいろいろ数字が出ているのであれば、生物多様性に関しても抽象的な言い方ではなくて、WWFのデータなんかによると7割豊かさ指標が減っているだとか、資源循環で1人当たりの資源消費量、UNEPの資料をちょうど見ていたんですけれども、1人当たりで1.5倍に1970年から2010年の間で増えていて、これからまだまだ増えるとか、もうちょっと数字を入れ込んで、ここのバランスを取っていただきたい。環境問題の中で、気候変動と生物多様性と資源循環と、あと有害化学物質とあると思うんですけれども、それをどのようにバランスを取っているのかなというのが見えづらいんですね。アドホックにわあっと気候変動のことを書いたり、こっちでは別な生物多様性について、わあっと書いたりと。そこの全体像とウエイトが分かるような書き方をしていただきたいというのが1点目。
 それから、6ページ目なんですけれども、環境先進国についての記載があるんですが、環境先進国じゃなくなってしまったということは事実としてある中で、環境先進国の意味というのが、太陽光パネルのシェアが下がったみたいな話で、それは環境ビジネスにおける日本のビジネスの状況ということでしかなく、環境先進国と言うのであれば、1人当たりのCOの排出量がほかの先進国と比べてどうであるとか、それから家電リサイクル率なんていうのは、日本は高いほうだと思うんですけれども、そういったところでどのような感じであるとか、要するに、国民生活全体で環境に関してどうであるかというようなことがエビデンスとしてあるべきではないかと。単にビジネスの話しか書いていないので、それを見た人は、環境先進国って環境ビジネスで成長することだとかと思い込まれがちなので、そこをちょっと修正していただいたほうがいいのではないかなというところが2点目。
 それから、あと3点目なんですけれども、これも前の委員の方がおっしゃっていましたが、23ページ目にエコ不安とかいうのがいきなり出てくるんですが、これだけ異常気象が激しいことになると、当然エコ不安というのは多くの人が持っていると思うんですが、非常にさらっと書いてあって、抽象的で、これは一体何が言いたいのかよく分からないということですので、こういった、漠然とした環境に対する不安ということについても、危機意識というところで書いていただくといいのではないかなと思いました。でも、全体的には非常に危機意識が感じられるものになっているということは評価したいと思います。
 気候変動、生物多様性、資源循環、これのバランスをちゃんと、書いている人が、編集している人がきちっとしっかり理解して、いろいろなデータを入れ込んでいただくと非常に読みやすくなるかなと思いました。
 ありがとうございます。以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、稲城市長の髙橋委員、お願いしたいと思います。
 その後、男澤委員、お願いいたします。
 それでは、髙橋市長、よろしくお願いいたします。
○髙橋(勝)委員 稲城市長の髙橋です。よろしくお願いします。
 環境問題の解決に対する大きな取組目標としては、地域循環共生圏の取組というのは非常に大切だと思います。前回、意見を言わせていただきましたが、各ステークホルダーの役割分担とコスト負担の明確化まだ十分ではないと思いますので、ぜひご配慮をお願いしたいなと思います。
 そして、地域循環共生圏を実現していく中での今後の政策、取組ということがありますが、大都市への一極集中を是正する、非常に大切な視点だと思います。都市部に住んでいると、遷都は嫌だ、分散化は困るなど、色々な意見もあると思いますが、極端に東京から遷都するのは、様々な経済的問題もあり、また、環境面で完全な解決策になるわけではないと思います。遷都のような極論ではなく、自立・分散型社会、分散化をすることが、現実論としては必要だと思っております。
 その中で、ヒートアイランド現象、地球温暖化については、地球規模での温室効果ガスの影響もあると思いますが、一方で、昨今の高温化というのはヒートアイランドの影響もあると思います。地球規模での温暖化対策と、都市に一極集中することによるヒートアイランド現象の解決は、若干違う次元での対策が必要だと思いますので、分けてお考えになっていただければと思っております。
 最後になりますが、都市のコンパクト化も大切な観点であります。コンパクト化によって都市の維持管理コストが減るということもありますが、一方で、高度成長期に整備をしたインフラの老朽化が非常に課題になっておりまして、非常に老朽化したインフラのどれを残していくのか、取捨選択をしながら、しっかりと取り組んでいかなければいけないと思っております。その辺りの観点でも、ご検討いただければと思っております。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、男澤委員、お願いいたします。
 その後、亀山委員、よろしくお願いいたします。
 それでは、男澤委員、お願いいたします。
○男澤委員 ありがとうございます。
 私からは1点コメントさせていただきます。44ページですけれども、サステナビリティの情報開示について触れていただいております。サステナビリティについては、社会のサステナビリティに貢献すると同時に、企業価値を創造する経営を実現することが求められていると思います。そして、それを適切に情報開示していくことは、企業価値を左右するテーマかと考えております。それは、グローバルに展開する大企業はもちろんのこと、サプライチェーン全体を想定したScope3等を挙げるまでもなく、中堅・中小企業においても同様かと思います。
 しかしながら、監査の現場等でも、特に中堅・中小企業においてはまだまだ対応が模索中であり、特に大きく3点課題があると感じております。
 1点目は、戦略の問題です。サステナビリティ戦略、計画を有していない、また、有しているものの、それをビジネス戦略と関連づけられていないといった辺りです。
 2点目は、定量的なKPIや目標設定、目標値の設定まで至っていないという点。
 そして3点目は、サステナビリティを管理するためのガバナンス体制の構築がされていないということでございます。こういった辺りにつきまして、具体的な支援の必要性も含めて今回書き込んでいただいたことに感謝申し上げます。
 ありがとうございます。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、恐らく今、手が挙がっている、発言ご希望の委員、最後だと思いますけれども、亀山委員、よろしくお願いいたします。
○亀山委員 どうもありがとうございます。
 2点、意見を申し上げたいと思います。正直申し上げて、今回の資料、前回と比べて非常に完成度が上がっていて、私はこれに対して、もう意見はないなと思いながら拝見していたんです。その前提の上で、さらにあと、こういった点も配慮していただければという点での意見でございます。
 まず1点目は、先ほど堅達委員がおっしゃられた中で、時間軸を考慮する必要があるということをおっしゃられて、私もその点に非常に同感いたします。トランジションの言及が31ページ目にあって、トランジションを含めることは私も重要だと思うんですけれども、これはきちんと説明しないと、2050年が長期的な目標なのだから2050年まで何もしなくていいというように誤解する方が出てこられるおそれがあるんですよね。トランジションというのは、長期的に目標を踏まえた上で、だから、じゃあ今から始めないと間に合わないよねと、今から行動を取ることの重要性を訴えるのがこのトランジションの考え方だと私は理解しております。
 ですので、これは多分年度後半の、48ページにある第3章でより具体的な施策を書き込むときに配慮していただきたいというお願いになるんですけれども、そのときには、短期的にこういう政策を取りますということだけではなくて、可能な限り、やっぱり最終、究極的に目指すべき方向というものを環境省さんのほうで見せていただいて、それで2050年、あるいは何年でもいいんですけども、最終的な目標にその何年に至るためには、じゃあ直近で今からこういう施策を取らないと間に合わないからやるんですというような書きぶりで書いていただくことが重要かなというふうに思います。これが1点目です。
 あと、二つ目は、共進化に関する部分です。前回、国民の意識が高いことが、企業にとっても、あるいは政府にとってもより高次な環境施策、あるいは企業行動を取りやすくなるというような発言をしまして、それを入れ込んでいただいたことに感謝申し上げます。
 私が申し上げたいのは、これ、必要なのは、国民の意識が高くなることだけがそれにつながることではないということです。環境の意識がもちろん高い方が、最初に率先して変えていくんだとは思いますけれども、相対的にあんまり関心を高く持っていただけない方であっても、そちらの商品を選んだほうが、より便利であったり、より格好よかったりとか、より安かったりすれば、その方々もその企業の製品を選んでいくわけですよね。カーボンプライシングのご意見が何人かの委員の方から出ましたけれども、カーボンプライシングは、より環境によいものがより安くなるための重要な施策の一つであります。だけれども、多分それに限らないのではないかなというふうに思いまして、そういった工夫を施策で入れ込んでいくということを期待いたします。
 以上でございます。
○高村部会長 ありがとうございます。
 本日ご出席の委員の中で、中村委員、まだご発言でないと思いまして、もしよろしければいかがでしょうか。
○中村委員 ありがとうございます。
 皆さんの意見をお聞きして、いろんな多方面の議論があるなと思っていました。
 私は自分の専門から、40ページから41ページに書いてある国土のストックとしての価値の向上ということで、全般的にネイチャーポジティブがいろんなところに書かれてはいるんですね。ただ、これ、例えば国土形成計画とか国土強靱化基本計画とか、そういうところで参画していても、書いてはもらっているんですけど、どちらかというと、環境省の政策として書かれているような感じなんですね。つまり、全省庁が国土を考える上で常にネイチャーポジティブであるといったメッセージがきちっと伝わっていないんじゃないかなというふうに思っています。例えば、最近、災害、多いですよね。そうすると、激甚事業と言われる、5年間で莫大な予算がついて防災工事が実施されるケースが多いと思うんですけど、残念ながらネイチャーポジティブになっていないなと思います。例えば北海道の厚真の胆振東部地震の後を見ていてもそう感じます。
 もう一つ、例えば環境省の施策であっても、再生可能エネルギーは確かに大事なので、今後進めていかなくちゃいけない一つの柱ではあると思うんですが、それが本当にネイチャーポジティブにうまくいっているかというとそうではありません。そこまでやっぱりきちんとやっていただきたいんですね。ここの部分には、共生したとか調和したということが書かれてはいますが、現実には、国土の中でやろうとすると、いろんなところであつれきがもう既に発生しています。北海道の場合も、釧路湿原の多くの市街化調整区域で太陽光パネルがたくさん作られていて、既に新聞紙上でもそういうのが取り上げられています。
 ということで、ネイチャーポジティブは、全ての施策においての基本なんだということが、環境省、頑張っていただいて、国土交通省も含めて、あらゆる省庁がそれを共有できる方向にしていただきたい。できれば、将来的には、その価値を見える化しないと、本当にポジティブなのか、ひょっとしたらネガティブじゃないのかということが判断できないで、単なるスローガンに終わる可能性がある。そういう意味では、科学的な知見はもう整っていると思うし、地図化できる様々な自然環境情報は環境省持っておられると思うので、このネイチャーポジティブを実現するためにも、環境の見える化、さらに、それをちゃんとポジティブかどうか判断できる評価手法をやっぱり将来に向かってつくっていただきたいなというふうに思いました。
 それから、森林に関しては書いてありますが、林分蓄積が上がっているということをどう評価されているか、書かれていないんですね。ちょっとページは忘れちゃいましたけど。それ自体、実は人工林の蓄積が上がっているだけなんですね、1,000万haの。これについても、本当にそれがポジティブの議論として受け入れられるのか。実は管理を放棄された林が増えていて、いざ災害となってしまうと流木がたくさん流れてくるといった、そういう連鎖につながっているのかを、よく吟味していただかないといけないんじゃないかなと思います。森林は、炭素のストックとして重要ではあるんですが、健全性の観点も持たないといけないと思います。もう一つ、グリーンインフラとかEco-DRRも書いてあります。例えば流域治水におけるグリーンインフラはほぼ遊水地的な環境、つまり湿地環境なんですね。温暖化対策として、掘削することによって川の断面積を増やすといった、そういうプロセスがどうしても入ってくるので、そういう意味では、湿地の機能みたいなものもきちんと書いていただきたい。日本は非常に遅れていると思うし、メタンの問題もあって、なかなかそれを、炭素隔離とかストックとして評価していないところがあるとは思うんですが、先ほど言ったように、適応策としてのグリーンインフラとかと非常に調和的なのは湿地だと思うので、その辺も書き込んでいっていただけるとありがたいなと思いました。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 申し訳ありません、私のほうで見落としておりまして、オンラインでご出席の白石委員、ご発言をお願いできますでしょうか。
○白石委員 ありがとうございます。
 私、簡単に、どなたもコメントされていないので、新たな成長を支える科学技術・イノベーションのところなんですけども、43から44ページにかけてです。43ページから44ページの前半、何ですかね、背景情報、第1章にあってもいいようなものが書いてあると思うんですが、その後に、29行目ですかね、具体的な例が挙がっているんですけども、この例の整理をもう少ししたほうがいいのかなというふうに感じました。今、例えば脱炭素で、技術とか、CCUSとか、水素の利用とか電池とか、いろいろお話がありますけども、風力、地熱、太陽、再生可能エネルギー適用技術もそうですね、そういったものを例示してもいいのかなというふうに思いました。ただ、ここには気候変動対策技術というような、この文字だけでそれが含まれているように思うんですけども、それを入れることを、もう少し整理したほうがいいかなと。例えば、36行目には少し特殊な例も書いてありますし、その辺の取捨選択について、もう少し見たほうがいいなと思いました。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 恐らくこれで本日ご出席の委員全てにご発言をいただいたと思います。
 事務局に対して非常に具体的なご質問はなかったと思うんですけれども、そういう理解でよろしければですけれども、第2ラウンドでぜひ、やはりほかの委員のお話を聞いて、追加的にご発言をご希望の委員の先生方にご発言をいただきたいと思います。
 今日、かなり具体的な問題といいましょうか、記載ぶりについてもご指摘いただいているのですが、取り分けやはり、これは中間の取りまとめで、より多くの方の意見を聞いていこうという段階だと思いますので、特にやっぱり大きな、書きぶりについては後で場合によっては事務局のほうにいただくとして、大きな点で、これだけはやっぱりちょっと伝えておかないといけないと、言っておかないといけないという点を、ぜひお願いしたいと思います。
 いかがでしょうか。
 もう予告をしていただいていた井田委員、お願いいたします。
○井田委員 すみません、予告してしまって。
 最初、5ページ、6ページなんですが、30年の振り返りをきちんと書いていただいたのはいいと思うのですが、これ、有村先生もご紹介になったように、参考資料のほうでいうと54ページにある、我々日本だけが成長もせずに1人当たりCOが増えてきたというのは、これは政策の失敗でもあるし、データも示しているので、それを書いてもいいんじゃないかなというふうに思います。
 あと、これもお話ししたのですが、やっぱり日本のkWh当たりの炭素排出量というような、日本の電気、きちんと全然きれいになっていないというのも書いたほうがいいのではないかというふうに思いました。
 それで、その上で、石田委員ご指摘のように、なぜそうなったのかという分析をここで書かないとよくないんじゃないかというふうに思っておりまして、これは最初に申し上げたように、予防原則とかPPPとかEPRとかいう原則が必ずしもこれまでの環境政策の中できちんと位置づけられていなかったと。そのために、企業がきちんとした責任を果たさず、こういうことになってしまったと。それが、先ほど原則でいきなり出てきたという32ページのところにもつながると思うので、ちょっと前のほうでそれを明確にしておいたほうがいいというのが提案でございます。
 あと、環境と経済の両立とかいって環境がおろそかにされたということへの反省があっていいというふうに思います。
 あと、27ページなんですが、ここ、一番最初の丸(〇)に出てくるところの記述というのは、繰り返しになりますけども、非常に重要だと思っておりまして、これが今回の基本計画の大きなメッセージになるかなというふうに思います。
 あと、32ページ、ちょっとさっき言いかけたんですが、これは非常に重要だと思っておりまして、まず、頭のところにプラネタリー・バウンダリーの話があるのですが、ここも、さっきも言いましたけども、「示している」と言うだけじゃなくて、やっぱりこれが、こういう考え方を今後の環境政策の基礎にしていくのだということをここで明確にしてはどうかというふうに思います。
 あと、その次にSDGsが出てきて、私、活用するものじゃないと言って、これを消していただいたのはおっしゃるとおりだと思うんですけど、ちょっとまだ表現的には足りないかなというのがありまして、トレードオフとか書いてあるんですけども、個別のターゲットへの紐づけに終わるものではなくて、目標間のトレードオフを克服して、社会と経済のトランスフォーマティブなチェンジを目指すものだというSDGsの考え方をここできちんと書いたほうが、もうちょっと分かりやすく、SDGsとはそういうものだということを書いたほうがいいと。ちょっと長くなって恐縮なんですが、結構SDGsに関する社会の信頼感って最近落ちているんですよね。それは、明らかに紐づけに終わってしまっているというところだと思うので、その意義というのをもう一回、根本精神というのをきちんと書いたほうがいいと。その次に、環境基盤というのが出てくるので、ここでもう一回ウエディングケーキの話を、ちょっと目立たない、前のところに出てくるのは目立たないので、書いたほうがいいかなというふうに思います。
 その次、すみません、長くなって恐縮なんですが、(2)のところなんですが、これはタイムスケジュールの話、今、幾つか出ましたけども、丸括弧の中に「スピードとスケール」等と書いてあるの、ちょっと私、これはあまり生かせないなと思っておりまして、外に出して、「スケールアップ、スピードアップを実現することで取組の十全性を確保する」というふうにしたほうがいいのではないかなというふうに思います。これは、本当は、科学の知見というよりも科学の要請ではないかなというふうにも思います。
 イノベーションのところ、武内先生がおっしゃったとおり、新技術だとかSMRだとか核融合だとかCCSだとかというのがどうしてもイノベーションというと頭に上って、我々メディアもそういう議論をするんですけども、武内先生がおっしゃったように、ソーシャルなイノベーションであるとか制度的なイノベーションというのが非常に重要であると。それはここに書いてあるんですけども、もうちょっとその重要性というのを強調して書いたほうがいいかなというふうに思います。三好さんからは、伝統技術をもう一回、今の社会の中で使うのもイノベーションだというようなことがあったと思うので、イノベーションとは単なる目新しい、最新の科学技術のことだけじゃないんだよというのを、もうちょっとここで明確にそれが分かるような記述にしたほうがいいかなというふうに思います。すみません、全然大づかみじゃなくて、個別の話に終わって申し訳ないんですが。
○高村部会長 ありがとうございます。
 今、井田委員から言っていただきましたけど、できましたら具体的な修文のところはこの後のところで事務局のほうにお寄せいただけるとありがたくて、今、事務局、一生懸命メモしていらっしゃいますけれども、正確さを期す上でもそのほうが多分いいかなというふうに思っております。いずれにしても、非常に貴重なご指摘をいただいていると思います。
 すみません、時間ばかり言って恐縮なんですけれども、そういう意味で、大きなところをぜひフォーカスしてご発言をいただきたいというふうに思います。お一人1分半ぐらいで言っていただかないと、多分、回らないかなと思います。
 申し訳ありません、ちょっと順番、順不同かもしれませんが、豊岡委員、それで田中委員、お願いできますでしょうか。
○豊岡委員 では、1分半でお願いします。
 大きなところです。28ページも書いてあるように、新たな成長、Well-being、共進化、トランジションというのが、これの魂かと思います。けれども、現場で農家の方々、漁協の方々、金融機関の方々、自治体職員の方々と日々話していて、非常に乖離があります。というのは、やりたいという意欲はある、けれども、この28ページに書いてある、国民の多様な創意工夫と努力が必要であると言われても、投資の機会を与えられていない、全然それが政策誘導されていないわけです。洋上風力なんかも、ドイツなんかは、地域には入札の参加の免除要件とかがあって、機会が与えられていて、非常にそういう仕事がしやすい、事例がつくりやすいようなリードがあります。そこを、ぜひ環境省で、地域でそういう機会をやる意欲のある方々のために、そういう政策誘導をしていただきたいし、国民にこれを、努力を押しつけるかのような書きぶりではなくて、もう少ししっかりと、そういうリードしていくのだというようなところを書いていただけるとありがたいです。
○高村部会長 ありがとうございました。
 それでは、田中里沙委員、お願いいたします。
○田中委員 田中です。ありがとうございます。
 23ページの5の、国民が将来に希望を持てるかというところについて、他の先生もご指摘のように、いきなりエコ不安というところに収まるわけなのですけども、ここのところをもう少し国民目線で、危機感を問題意識として共有して捉えて、この項目は次に至る、25ページに続くところまで全部、ストーリー性を持たせると良いのではないかと思います。参考資料の54ページ、55ページ辺りも、この参考資料だけですと、なかなか国民の意識や、皆さんが気づきを得てどんなふうにありたい未来に向かおうとするのか、意識の兆し的なトピックが見えないと、メッセージが出しにくいのかと想像します。ですので、参考資料も、もしほかの適切なデータがあれば付加したく、大きな危機感の認識から、生活環境の向上に向かうステップが描かれるようになると良いと考えます。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、崎田委員、お願いいたします。
 その後、竹ケ原委員、石田委員とお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○崎田委員 ありがとうございます。じゃあ簡単に。
 先ほど来、エネルギーと食料をもう少し明確にというお話がありました。食料に関して、みどりの食料システム戦略の話なども出てきたんですけれども、先日、循環型社会の検討のほうで、この戦略の説明を受けたりというような日があったんですけれども、そのときにじっくりと拝見をして、少し驚いたのは、やはり食料全体のものプラス、それのための有機栽培であるとか化学肥料の削減とか、農薬の徹底的な削減とか、かなり明確に入ってきているんですね。そういう意味で、環境政策とかなり近いところのことも、明確な将来方向なんかで出して取り組もうとされているので、化学物質の分野のところで、かなり今後どうするというところの書き込みが増えてくるんだと思いますけれども、そういう意味ではいろいろな、ほかの省庁の計画などと連携しながら、ちょっと強いメッセージを出していくというのもできるんじゃないかというふうに感じます。ぜひ検討していただければと思います。
 よろしくお願いします。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、竹ケ原委員、お願いいたします。
○竹ケ原委員 ありがとうございます。
 参考資料の111ページにポンチ絵を一つ入れていただいていますが、これが今回の基本計画のコンセプトを説明するのにすごく良いのではないかと思いましたので、そこだけコメントしたいと思います。
 先ほど武内先生のお話にもありましたが、大体こういう話をやると、環境問題は、市場の失敗が原因であり、したがって政府が介入するが、その政府も限界排出費用が正確に分からないので失敗するといった議論に終始しちゃうところがありますが、ここにあえて主権者であり、従業員であり、あるいは顧客でもある国民という存在を位置づけて、この三者の共進化を進めることが重要なんだという、ある意味でパラダイムの転換を示しているような気がします。このフレームワークの中で、例えばカーボンプライシングの水準は、市場だけで決まるのか、政府が規制で定めるのか、といった議論を落とし込むと見え方が変わってきます。先ほどから議論されている、トランジションの時間軸は何年で見るのかという話も同様です。ライフサイクル、あるいはバリューチェーン全体での環境負荷を考えるみたいな話も、ちゃんとこのフレームワークの中で共有できるかどうか、多分、こういう感じで整理すれば、すごく分かりやすいのではないかと思います。
 ただ、1点だけ指摘させて頂ければ、ここでは、新たな成長の実現のためにはこれが目的だと書いてあるのですが、先程も申し上げたとおり、新たな成長のより高次のゴールとしてWell-beingが位置づけられているので、このポンチ絵とWell-beingの関係性を示せると、全体を貫くコンセプトになるんじゃないかなという気がしました。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、石田委員、お願いいたします。
○石田委員 ありがとうございます。
 どこに記載するのがいいのか分かりませんが、目標や政策の重要性について言及いただけると良いと思います。日本政府のカーボンニュートラル宣言以降、多くの企業が2050年ネット・ゼロの目標を掲げるようになり、2050年カーボンニュートラルというのが日本の企業の標準になりました。ここから言えることは、日本政府の高い目標設定が企業の行動を後押しするということです。世界的に見ても、脱炭素経営に対する日本企業の意欲は高まっていると思います。その証拠に、日本のTCFD賛同機関は1,389で世界一ですし、日本のSBT認定企業も515社で世界1位、日本のRE100参画企業は81社で、世界2位で、アジアで1位です。自治体の意欲も高まっていて、973の自治体がゼロカーボンシティを表明しています。
 しかしながら、宣言や表明を実行に移す際には政策による後押しが不可欠です。宣言を宣言で終わらせてはグリーンウォッシュだと批判されるリスクに直面しかねないと危惧しています。そうさせないために、環境政策には、前に進もうとする企業や自治体の道筋を照らすガイドラインの役目を果たしていただきたいと思います。その意味で、高い目標を設定するとともに、それを確実にサポートする政策をセットで導入する必要があると思います。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。
 ご発言をご希望の方は、ほかにはいらっしゃいませんでしょうか。よろしいでしょうか。オンラインで、失礼しました。
 オンラインでご出席の髙村委員、お願いできますでしょうか。
○髙村委員 ありがとうございます。発言をしていないので、少し発言させてください。
 前回、地域循環共生圏の中に生物多様性の保全をもうちょっと入れ込んでいただきたいと申し上げましたが、言葉として入れていただいて、どうもありがとうございます。
 資源を持続可能な形で使うということに加えて、シカや外来動物、アライグマとかハクビシンとか、そういう動物が、現在、地域で増加し、それが人畜共通感染症等を引き起こす危険も多いですし、シカの食害をなくすことで草花が回復してくると地域の自然資源の魅力を大きく増すことになる。そういう野生動物の管理を含めた形で地域循環共生圏を発展させていただければと思います。
 以上です。
○高村部会長 ありがとうございます。すみません、髙村委員、申し訳ありませんでした。見落としておりまして、失礼いたしました。
 ほかに、もしご発言のご希望がなければですけれども、一度、今日、非常に多彩なご意見をいただいたと思います。
 申し訳ない、見落としておりました。堅達委員、お願いいたします。
○堅達委員 すみません、短く。聞こえますか、今度は。
○高村部会長 はい、聞こえております。短く、申し訳ない、お願いできればと思います。
○堅達委員 適応の視点がやっぱりちょっと弱いかなというのを、全体を通じて改めて感じています。それは、今年の夏の様々な、さっきも言った米とか魚とか、そういったことも含めた、どうもこれから先、日本は残念ながら、かなりまだ温暖化に適応して生きていかなきゃいけないというのは、これはもう必須の取組になってまいりますので、ぜひそこはもう少し強調して立てて書く必要があるのではないかと。防災面もそうだし、食料ももちろんそうですけれども、これから恐らく、本当に野菜とか、そういったものにも影響が出たりしてくる可能性があります。あと、今年の夏、熱中症で子どもが、中学生が死んでるわけですよね、学校とかの現場で。これはもう、あってはならないことで、学校の断熱とかも今、喫緊の課題として取り上げられていますけれども、本当にそういう今すぐできること、そこを、環境は命を守るという観点から強めていく書きぶりもどこかにあって、もう少し強調していただけたらうれしいなと思っております。ありがとうございます。
○高村部会長 ありがとうございます。
 ほかによろしいでしょうか。ほかの委員、よろしいでしょうか。
(なし)
○高村部会長 ありがとうございます。
 それでは、今日、非常に多彩なご議論をいただきました。危機感をはじめ、前回の部会の議論を事務局がうまく、できるだけ反映していただいているというお声をいただいていますけれども、同時にもう少し書き込んだほうがよいのではないかという点について、特にご指摘をいただいたように思います。
 事務局から、今日いただいた意見について、お答えがもしございましたらお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○大倉環境影響評価課長 会議時間、残り3分なので、本当に手短にご回答します。
 本日は本当に真摯なご議論、多彩なご意見をありがとうございました。今回もちょっと頑張らせていただきましたけども、個別具体のご意見については、しっかりともう一回、議事録を読み直して、反映作業をしていきたいと思います。
 私から1点だけ申し上げるとすると、冒頭でも申し上げましたし、大塚委員のほうからも申し上げられましたけども、環境基本計画としての記述というところがどうしても多分あるのかなと思っていまして、個別の、先ほどの温対計画である中で、どうしても抽象度が上がってしまいますし、端的に言うと、今回、地上資源主体の循環型の社会みたいなところが、それで、1点で多分、再生エネルギーが大事だとか、そういうところも含まれてくるんですけど、そういったものをどうブレークダウンしていくかというのは、個別の計画もそうですし、今回、ちょっと全体像をお示しできていないので、どうしても誤解みたいなところもあるかなと思っていますが、最初に問題意識があって、ビジョンがあって、そのビジョンに基づいて、重点戦略の方向性が六つ並んでいるんですけど、それに基づく、まず個別の政策が次に出てきて、かつ、それは横断的施策なんですけど、それかつ気候変動なり、他の個別行政分野の記述もこの計画には入ってきますので、今日いただいたご意見、今提示している中で書き込むべきものなのか、それとも計画の後半に書き込むべきものなのか、はたまた個別計画分野の中に書き込んでいくものなのかというところは、我々のほうでも頭の整理をさせていただいて、なるべく委員の皆さんのご意見の趣旨に沿うように編集もしていきたいと思いますけども、そういった視点があるということはご留意いただけたらと思います。
 あと、長くなって恐縮ですけども、今回、第五次環境基本計画と比べて、中間取りまとめ段階の文章の分量、30年の振り返りなんかもあるせいもありますけど、倍以上になっています。文章の、長くなればそれだけ詳しく書けますけども、その分、国民の皆さんにとっては取っつきにくい文章になってしまうので、分量的な制約というところも我々としては気になるところでありますので、いろんな意味でのバランスを取りながら、ご趣旨を踏まえて作業していきたいと思います。いずれにしても、今日いただいたご意見、哲学的なところから個別具体のところまで非常に幅広く、我々としても非常に勉強になった点が多いですので、しっかりとそしゃくをして反映作業に生かしたいと思います。
 ありがとうございます。
○高村部会長 ありがとうございます。
 波戸本課長、何かございますか。
○波戸本総務課長 ありがとうございます。
 本日、何点かご意見をいただいたと思っております。
 諸富委員から、環境価値を経済あるいは価格にしっかり乗せていくためには、その可視化が必要であろうと。脱炭素について言うとカーボンフットプリントというのはありますが、循環についても同じような取組が必要ではないかなと思っております。例えば、廃棄物の再資源化、こういったものをどうやって可視化していくのか、もちろん部会のほうでも、循環について、データ化であるとか情報化の形でどう可視化していくかという議論もあると思いますし、そういったことも、さらに議論を深める材料とさせていただきたいと思っております。
 淡路委員からは、まさにリサイクル、廃棄物の再資源化ということにつきましては、中小の事業者の皆さんの役割が非常に重要であるというご指摘がありまして、我々も当然そういうふうに思っております。循環部会のほうの議論にしっかりと反映させていくような方向で取り組みたいと思いますので、非常にいいご指摘をいただいたと思っています。
 どうもありがとうございました。
○高村部会長 ありがとうございます。
 大変やはりこの環境基本計画の重要性、反映していると思いますけれども、委員の皆様から本当に重要なご指摘をいただいていて、すみません、私のほうの采配が悪くて少し時間を過ぎておりますけれども、こちらの2回にわたって中間取りまとめの案についてご意見をいただきました。先ほど大倉課長からご指摘があった点というのは、全く実は同じでして、一つは環境基本計画、6年間、2030年に向けた一定の、一般性を持った内容でないといけないというふうに私個人的に思っております。具体的に、個別の分野の計画や政策文書とどう折り合いをつけていくか。特に、そうはいっても、やはり、ここで書いていくことが重要な事項というのは間違いなくあると思っていまして、その辺りのバランスを一つ考えないといけないなと思っております。
 もう一つは、これも事務局は悩まれていると思うんですけども、先生方の意見をできるだけ反映しようとすると分量が増える。そうすると、ご指摘がありましたけれども、本当に伝えたいことがなかなか伝わらないという、このジレンマを私自身も感じております。ただ、多分、ここ2回ご議論をいただいた内容をもう一度改めて、先ほど事務局からおっしゃっていただきましたけれども、できるだけ盛り込む努力をしたいと思います。同時に、やはり、この場だけでない、広く社会にこの環境基本計画の方向性、内容についてご意見をいただくタイミングだというふうに思っていまして、この2回の議論、私自身、聞いておりますと、大きな方向性、取り分け重要な概念については、考え方については盛り込まれているということは、この委員の皆さんの中では一致していると思います。それをどう、うまく表現するか、どこに重点をもっと置くべきかというところについて、あると思いますけれども、やはり、今この部屋の中で、オンラインの中で参加をされている先生も含めて、この場を越えたところの意見を広く聞く段階ではないかというふうに思います。
 ご提案ですけれども、従いまして、今日いただきました意見を踏まえて、そしてまだ、細かな書きぶりのところ、時間がなくて今日ご発言をおやめになった先生方、出していただくというのを前提にですけれども、修正を事務局のところで、事務局と相談をして行っていきたいというふうに思います。その上で、今申し上げましたこの中間取りまとめの案を広く社会に問う形で、社会の皆様のご意見を伺っていきたいと思います。
 お諮りしたいのは、従って、このような形で事務局と相談をして、この修正については私のほうに一任をいただくことができるかどうかという点でございます。お許しいただけますでしょうか。
(了承)
○高村部会長 ありがとうございます。
 さっきも言いました、チャレンジを事務局も考えていますので、修正案、できるだけいいものにしたいと思いますけれども、いずれにしても、中間の取りまとめについて広く社会の意見を伺った後で、改めてこの部会で議論いただくということになりますので、そのようなものとして、今ご了承いただいたというふうに思います。どうもありがとうございます。
 それでは、今日の議論を踏まえて、今申し上げました修正をしたものについては、修正版を事務局から送付させていただきますけれども、さらに、やはり具体的な内容について意見を聞きながら、その具体的な内容についての議論にこれから移ってまいりたいと思います。
 それでは、今日予定していた議題は以上になるかと思いますけれども、不足のところがあれば、あるいは連絡事項がございましたら、事務局からお願いできればと思います。
○東岡計画官 皆様、長時間にわたりまして、ご審議いただきまして、大変ありがとうございました。
 本日の議事録につきましては、事務局で取りまとめを行いまして、委員の皆様にご確認をいただきました後、環境省ホームページで掲載をさせていただきます。
 また、先ほど座長からご説明いただいたとおり、今後、国民の皆様に広く意見を募集した上で、各種団体との意見交換、また、計画の原案作成に向けた検討を、関係省庁と連携して進めてまいりたいと思っております。
 次回につきましては12月20日を予定しておりますが、今後の意見交換会の開催につきましては、正式な日程等が決まりましたら、随時ご連絡をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○高村部会長 ありがとうございます。
 意見交換会はじめ、また委員の先生方にご協力をお願いしないといけないと思います。12月の総合政策部会についても、もちろんよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、以上をもちまして、本日の議事は終了したというふうに考えております。
 本日の総合政策部会については、以上で終了としたいと思います。
 本日、本当にどうもありがとうございました。
午後 6時37分 閉会