放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成29年度版、 HTML形式)

第2章 放射線による被ばく
2.5 身の回りの放射線

時間当たりの被ばく線量の比較

時間当たりの被ばく線量の比較
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宇宙空間や航空機内では、銀河や太陽からの宇宙線により、空間線量率が高くなります。また富士山のような標高が高い所でも、標高の低い所に比べると宇宙線の影響を強く受けるので、空間線量率が高くなります。標高の低い所では、大気に含まれる酸素原子や窒素原子と宇宙線(放射線)が相互作用を起こしてエネルギーを失い、地表に到達する放射線の量が少なくなるため、空間線量率は低くなります。
人間の生活空間のほとんどの場所の空間線量率は、1時間に0.01から1マイクロシーベルトの範囲ですが、中には、土壌にラジウムやトリウムといった放射性物質を多く含むため、自然放射線レベルが高い地域があります。こうした地域を高自然放射線地域と呼びます(上巻P65「大地の放射線(世界)」)。
日本には高自然放射線地域と呼ばれる場所はありませんが、ラドン温泉で有名な三朝温泉のように、土壌にラジウムを多く含んでいる場所では、若干空間線量率が高くなっています。逆に、関東ローム層で覆われた関東平野では、大地からの放射線が遮へいされ、空間線量率は低い傾向にあります(上巻P66「大地の放射線(日本)」)。

本資料への収録日:平成25年3月31日

改訂日:平成27年3月31日

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