大臣談話・大臣記者会見要旨

山口大臣閣議後記者会見録(令和4年5月20日(金)10:00~10:17 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。本日、私から発言させていただくのは、一点。第26回宇宙開発戦略本部会合についてです。
 本日、宇宙開発戦略本部会合が開催され、宇宙基本計画の工程表改訂に向けた重点事項を取りまとめました。会合では、私から、温室効果ガス観測技術衛星GOSATシリーズを活用した世界の気候変動対策への貢献について発言しました。衛星の観測データから、国単位のCO2排出量を推定する技術について、モンゴルでの実証に成功したところであり、今後中央アジアを始めとした他国への展開を予定しています。こうした取組を広げることで、世界各国における気候変動対策の透明性の向上に貢献してまいります。以上です。

2.質疑応答

(記者)おはようございます。フジテレビの秀と申します。よろしくお願いいたします。 脱マスクの議論が今進んでいると思いますが、環境省は、熱中症予防行動を呼びかける中で、屋外での人との距離が取れている場合はマスクを外しましょうというようなことが以前から呼びかけられています。改めてマスクの着用についての大臣のお考えをお聞かせください。お願いいたします。
(大臣)マスクは新型コロナの予防策として非常に重要な役割を果たしてきているとは思います。他方、テレビを見ていても、いろんなゴルフの試合とか、テニスの試合とかを見ていても、余り着けている人は、ヨーロッパ、アメリカ、いないですね。向こうと大分違うのかもしれないけれども、日本もそういう意味では、いろんな意味でマスクの着用について考えてもいいのかなというふうに思います。これまでも、特に気温や湿度の高いときには、熱中症のリスクが高くなることから、屋外で人との距離が十分ある場合、例えば2メートル以上の距離を確保できている場合には、マスクを外すことを推奨してきました。これからの季節に向けて、感染リスクの低い場面では、マスクを外すという点を改めて意識をしていただきたいと思います。こうした周知・広報も含め、熱中症対策についてしっかりと取り組んでまいります。

(記者)テレビ朝日の川﨑です。よろしくお願いいたします。来週に迫っているG7エネルギー・環境大臣会合について、どなたが行かれるのか教えてください。
(大臣)国会の日程上、私の出張が難しくなりました。国会のお許しがいただければ、大岡副大臣に出席してもらう方向で調整しています。
(記者)世界のトップが集う中で、来年、日本で開催ということもありまして、ドイツから是非来てほしいというところもあったかと思いますが、この辺りの受け止めお願いします。
(大臣)チームで仕事していますからね。そういう意味では、大岡さんに頑張っていただきたいと思います。
(記者)ご自身としては、行けなくなったのは残念という思いはありますか。
(大臣)それは残念ですね。

(記者)朝日新聞の関根です。今の質問に関連しますが、長年、国会改革の一環で、大臣が海外の重要な会議に、国会の日程で出席できないのは如何なものかということで、例えば、今の立憲民主党の国対委員長の馬淵さんは、河野太郎さんとかと、2008年頃ですかね、超党派で提言を、そのような趣旨の提言を出しておられたりして、今まさにその関係の重職にあるわけですけど。そういったことも踏まえて、まさにその、温暖化対策とか、国益とか、そういった部分で重要な会議に、大臣が2人とも出られないということに対して、国会改革との関係性から、大臣の、元々民主党にもいらっしゃったと思いますけど、与野党の立場を経験された中で、所感があればお願いいたします。
(大臣)国会は国権の最高機関ですから、そういう意味では、私たちもその辺は十分意識しているところです。また、国会の在り方もいろいろな意味で進化してきていますからね。先ほど関根さんがおっしゃられた、国会日程と国際会議との調整、場合によっては、今までは、国会日程最優先だったところ、国際会議出席というのを認めていいのではないかという、そのような議論、あるとは思いますが、これから、補正予算という大事な場面を迎えて、環境問題、あるいはエネルギー問題、非常に重要だということの裏返しで、国会のほうで、どうしても出席と、そういう意味もありますから、今回、私は大岡さんに頑張っていただきたいということでお願いしました。
(記者)G7の会合自体で、日本として、大事なポイントと言いましょうか、大臣の考えがあればお願いします。
(大臣)今、新しい秩序を世界で求められていると思います。戦後、3つの柱があったと私的には思っています。平和を守るために武力の行使を禁止する国連憲章、それから、保護貿易だから戦争になったのではないかという反省から、自由貿易を推奨するためのGATT、それからその後のWTO。それから、お金を一緒にしたほうが、いいのではないかということで、ドルを基軸通貨体制としてやってきたと。3つとも今、ものすごく大きなチャレンジを受けていますね。国連の、いわゆる武力行使の禁止。これについては、ロシアはあからさまに。常任理事国の一国が、あからさまにああいうことやっちゃいけないなと、相当非難が高まっていますね。ロシアの味方する人って本当いるのかなとも思いますけれども。2つ目の自由貿易についても、結局、GATTとかWTO、全会一致ですから。今の190以上ある国が、全会一致でということが非常に難しくなって、その中で、各国集まって、例えば二国間ずつのFTA、あるいは何か国か集まったTPP、今度はインドパシフィックエコノミックフォーラムというのかな、IPEF、そういう中でジグソーパズルみたいにやっているわけですね。でも、なかなかそのジグソーパズルが完成しない。2番目の自由貿易についても、まだまだ道半ばですね。それから、ドル基軸通貨体制はとっくに変容を遂げています。そういう戦後、経済秩序あるいは政治秩序が大きな段階に来ているということだと思います。その中でG7の心合わせというのが大事だと思うし、その中で環境問題というのは、世界をつないでいく大事なイシューだと思いますから、そういう意味では、日本政府として、この問題、G7で、というのは本来非常に大事に思っています。チームとして仕事していますから、今回、大岡さんにがんばってもらおうということです。世界の秩序は新しい秩序を求めていて、環境問題非常に重要だというところ、その辺もあることですけれども、ここは、大岡さんに頑張っていただきたいと思います。

(記者)電気新聞の湯川です。よろしくお願いいたします。昨日の「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会の雑感めいたものでいいのですが、有識者の皆さんの資料を見ていると、公正なエネルギー移行とかいろいろな注文がありますけれども、改めて、何か指摘の中で印象に残ることとか、何かちゃんと向き合わなきゃいけないこととか、何かあれば教えてください。
(大臣)一番大きなキーワードはグランドデザインですね。そのグランドデザインを我々は意識して、今回、環境省、それから経済産業省、非常に心を1つに合わせてやってきました。そのことに対しては、カーボンプライシングのことも含めてのグランドデザインで、その中でのGX経済移行債ですから、そういうグランドデザイン的な方向性を出せたことに対して、非常に高い評価をいただきました。はっきりそういうふうにおっしゃっていただく方も多かったと思います。そういう意味では、これから実行の段階に移していくわけですから、夏にGX実行会議ということも設置するわけですね。ですから、移行債、トランジションボンド、「これから行こうか」という気持ちも込めて移行債、大事だと思います。新しい国債になるかもしれないし、それであれば法律も必要かもしれないし、それは私自身が言っていたイノベーション国債に非常に近いものになる可能性も高いし、環境省と経済産業省がコラボして心合わせしてきた大きな結果だと思います。額的には最初ですから20兆円ですけど、十分大きいですね。十分大きい。ですから、これから「グリーンを制する者は世界を制する」と言ってきた、そのことの一つの大きな始まりが昨日だったと言えるかもしれません。総理は相当はっきり言われましたね。

(記者)共同通信の水内です。G7の会合への出席に戻ってしまうのですが、出席できないという理由は、補正審議が25日に始まり、予算委全閣僚出席ということが理由だと思うのですが、今回の補正予算、直接的に環境省が関わっているものだと、恐らくゼロ円になると思います。その点を踏まえて、予算委員会のほうに副大臣出席を認めてくれないかというふうに与野党に働きかけということは、環境省の方からしたのでしょうか。
(大臣)細部のいろいろな打合せというのは、ちょっと私も承知していませんけれども、総合的に考えて、予算委員会ですから、全てのことを議論しますのでね。その意味では、個別の予算項目が上がっていても上がっていなくても、いろいろな意味で全般的なことを議論する、その中で環境、あるいは今回の脱炭素、非常に大事な項目だから、私自身もいなきゃいけないだろうなと思います。

(記者)環境新聞の小峰です。大臣、冒頭おっしゃった宇宙基本計画の見直しで、温暖化の観測衛星GOSATのことについて会見では述べられましたけれども、今、宇宙の話で、宇宙ごみ、スペースデブリというのが大変な問題になっていて、環境省も、私の記憶では、2021年度予算から、デブリ対策の予算を計上しているんですよね。関係する防衛省だとか、そういうところと連携しながらですね、今日は、そういうふうなスペースデブリ対策はなかったのでしょうか。
(大臣)私の記憶している限りは、その言葉は留まっていないですけれども、でも、普通に考えてね、ものすごくたくさんの衛星が、今うろうろしているだろうなと思います。一発目、スプートニク打ち上げてからもう何十年かの間に大小合わせてものすごくたくさんの衛星が今うろうろしていると思いますから。それがスペースデブリということで、対策が必要だという点では、政府全体の取組として、内閣府のタスクフォースで検討が進められているようです。環境省ではGOSATシリーズについて、運用終了後のデブリ化を回避するための取組を実施しています。例えば、2023年度に打ち上げを予定しているGOSAT-GWについては、運用終了後に衛星が宇宙空間を滞留する期間を短くするための設計検討を実施したところです。そういう意味で、GOSATについてはデブリになることをできるだけ防ぐということでやっていると。全体についてはちょっとこれ相当大きな話ですね。今回、そこまで、その議論というのは申し訳ないですが、なかったと思いますけれども。
(記者)環境や公害の歴史を見ると、NOxやSOxや水質汚染、地球の話からですね。今度は地球規模の二酸化炭素、フロンの話まで出て、今はですね、宇宙のごみ、これは、世界経済を大混乱させてしまうのではないかという、地球環境問題と同等ぐらいの大変なところで、大臣、自分のところで打ち上げたGOSAT衛星の、ちょこちょことした対策だけでいいのでしょうか。地球規模の環境問題だけじゃなくて、山口大臣、宇宙環境についても、積極的な御発言が欲しかったのに残念です。
(大臣)すみません。宇宙については、なかなか我々、身近に見るということでもないから、なかなかそこまで手が回ってないというのが実情だと思うんです。まずは、足元も危うい中で地球環境の問題を取り上げているわけですけれども、小峰さんおっしゃるように、気がつかない間に宇宙にごみがたくさん増えているということもありますから、そこは意を用いたいと思います。

(記者)テレビ朝日の川﨑です。ニュースで、千葉のドーベルマンが逃げて、実は、動物愛護団体、動物保護団体のメンバーが盗んでいたというようなニュースがあったのですが、今、動物愛護に関連する省庁の大臣として、このニュースに関して思うところとかあれば、伺いたいんですけれども。
(大臣)バランスが難しいところですよね、ドーベルマンって割と勢いのいいワンちゃんみたいだから、そういう意味では付き合い方が難しい部分もあるでしょうけれども。動物愛護団体の見方、そういうところと、それから、ほかの人に危害を加えないようにというところと、バランスがいろいろあると思います。この6月から新しく法律も施行されて、我々も、ワンちゃん猫ちゃんに関わる意識というのもだんだん変わってきていると思うんです。昔はね、ペットショップ行って、ワンちゃんたくさんいるというのは、ごく当たり前だったというふうに思いますけれども、それがだんだん、いろいろ諸外国の動きも含めて、見方が大分、変わってきているということを含めて、ちょうど今、移行期にあると思います。だから、そういう意味で、人に危害を加えないようにというところを第一に考えながら、他方、ワンちゃん、猫ちゃん、それぞれにこれまた生き物ですから、どういうふうに付き合っていくか、その辺、バランスをとっていきたいと思います。

 

 

会見動画は以下にございます。

https://www.youtube.com/watch?v=G0ErhVDG4Ws

 

(以上)