大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和3年6月11日(金) 8:52 ~ 9:18 於:環境省第一会議室)

1.発言要旨

 今日も暑くなりましたね、ということで、環境省からはまずは熱中症リスクが高まっていますので、ぜひこの機会に環境省の熱中症警戒アラート、これはLINE登録もしていただければというふうにも思います。それと、子どもたちのことを考えても、最近もニュースで一部ありますけど、運動中のマスク、この着用についても、苦しいときは外してもらったり、基本的に環境省も外では外してくださいということを言っていますので、学校現場の方でも、またスポーツのクラブとか活動においても、そういったことにぜひ配慮いただきたいと思います。高齢者の皆さんが熱中症で亡くなられる方が非常に多いという昨年のことを考えても、適切にエアコンを、寝ているときも活用するなども重要なことだと思います。ぜひ今年、もう既に暑いですから、このような情報も活用いただきながら、共に命と健康を守っていきたいと思います。それと、閣議の案件は、今日は1件あります。内閣府原子力防災の関係で、国会事故調フォローアップ報告書の閣議決定がありました。内容についてはお手元にお配りした資料を御覧いただければと思います。今日は冒頭、以上です。

2.質疑応答

(記者)幹事社産経新聞の奥原です。先日、QTがありましたけれども、受け止めなどお願いできればなと思っております。
(大臣)まず、私はずっと国会改革にも取り組んでいたこともありますので、党首討論の必要性もずっと訴えてまいりました。そこから考えると、2年ぶりとはいえ、開催をされたということ自体はよかったと思っています。ただ、改めてこの、極めて短時間のやり取りを見る中で、改めて国会改革は必要だなと。というのも、日本の総理大臣ほど国会に出席している総理は世界にいません。委員会にこれだけ出席をしなければいけない総理が党首討論も加わるという負荷は、私はやはり変えるべきだと思うんです。党首討論をより頻繁にすること。そしてその分、総理の委員会出席の負担は下げること。これがやはりセットでなければ、私は実りある国会の議論、そしてまた総理御自身の国民の皆さんに対する説明というのが、私は今回、総理自らの言葉で語ろうという努力をされていたと思いますから、やはりもっとそういった場が使われるようにするためにも、総理、そして財務大臣や外務大臣の出席も世界と比べてみれば、こんなに国会に出席をする総理を含めた主要閣僚は世界にありませんから、やはり改めてその必要性が浮き彫りになったなというふうに感じています。また、総理については、総理には批判も届いています。例えば、「説明をもっと丁寧にやるべきだ」とか。国民の皆さんにいかにコロナ対策やワクチンの重要性や、そういったことを訴えるかということを悩みながら総理はやられている中で、いかに自分の言葉で国民の皆さんに説明責任を果たすかということを党首討論の場で特に重視をされていたなと、そういうふうに感じています。

(記者)テレビ朝日の藤原です。冒頭の熱中症のことを伺いたいんですけれども、この夏、電気代が上がるのではないかという見通しが立っている中で、エアコンの重要性を環境省は特に熱中症について訴えてきているのかなと思うんですけれども、そこら辺の兼ね合いで、熱中症とエアコンについて改めてお考えを教えてください。
(大臣)まず、熱中症は、命が関わっている問題ですから、ぜひ夜、寝ている間に、いろんな理由はあると思うんですけど、エアコンがありながらエアコンをつけていないことで亡くなっている高齢者の方が非常に多かった、これが去年のデータでも見えています。ですから、命を守るためには適切に使っていただきたい。そして今、省エネの関係でも環境省は省エネの様々なツールを用意しています。買い替えの促進などもデータを示しながら、より省エネに資するものも、我々は情報提供ツールもあります。そして、エアコンだけで家計の懐に優しいというところだけではなくて、例えばLEDとかも含めて、実は取り組みやすいところから、より家計にもプラスで、そして健康も守れて、省エネにもつながるということは、全体としてできることはありますので、我々としてはそこをしっかり伝えていくことも大事だなと。ただ、やはり何よりも命に関わっていますから、この夏、暑い中で、ぜひ最優先は命を守ること、そこにしっかりと重きを置いて、我々としてもできる対策や支援をやっていきたいと思います。

(記者)環境新聞の小峰です。先の日米首脳会談や先進各国との一連の会合で、自由で開かれたインド太平洋の維持強化ということが合意されておりますが、この自由で開かれたインド太平洋において小泉大臣は気候変動対応へのですね、協力をどのように進めていくのか、ということです。これに関連して、一方、岸防衛大臣も環境新聞の先のインタビューで、「ASEAN諸国やインド太平洋の島しょ国の安全保障及び環境保全にも役立つ環境省との連携を推進していきたい」と語っている。インド太平洋地域での防衛省との連携についても、併せてお聞きしたいと思います。
(大臣)インド太平洋地域での防衛省と環境省との連携というものは現時点で具体化しているものはありませんが、先日、私がベトナムの環境大臣とバイ会談をしたときに、私からは日本の中で防衛省と環境省が連携を深めている事例を紹介させていただきました。特に離島における再生可能エネルギーの導入によって、部隊の自己完結能力を高めている、エネルギー自給率を高めている、そういうことを日本は今、環境省と防衛省でやっているんだと。ベトナムも島が多いですから。こういったことなども我々がやっていることは知ってもらいたいという話をしたときに、非常に先方は関心を持たれていました。「政府部内で共有する」という話もありました。ですから今後、日本が取り組んでいる先進的な取組が、結果としてインド太平洋地域の中でも取組につながっていくことが期待をされると思います。そして、特に日米の気候パートナーシップにおいては、東南アジアを含めてインド太平洋地域でも連携をして再生可能エネルギーの導入支援などをやっていく。そしてまた、総理が今、G7に向かいましたけれども、その中でも途上国をいかに、同じ思いを持っている民主主義国同士でしっかりと支援をして支えていくか、こういったことの重要性は話されると思いますから、その中で日本ができる貢献をしっかりやっていきたいと思います。
(記者)それに関連して、また環境新聞で申し訳ありませんけれども、ところでですね、このところですね、半導体だ、蓄電池だ、鉄鋼だ、日本、豪州、さらにですね、二階幹事長の自由で開かれたインド太平洋議員連盟などが矢継ぎ早に立ち上がっています。「3Avs2F」などとですね、政局構造もはやされておりますが、小泉大臣の今おっしゃったインド太平洋での環境インフラ協力は、これら一連の政局絡めた動きと関係があるんでしょうか。
(大臣)ないです。
(記者)ないですか。
(大臣)ないです。

(記者)共同通信の水内です。最近、先週に入って、2回ほど、小此木大臣と官邸へ一緒に行かれたと思うんですが、案件はどういったことだったんでしょうか。
(大臣)あれは政務です。
(記者)防災などではなくて、政務で。
(大臣)あくまでも総理を閣僚の一員としてお支えするという観点から、我々として緊密な意見交換をしっかりやって、そして総理に対して、私は小此木大臣と共に同じ県内の議員で、前々から様々な交流をさせていただいていますので、その中で総理に御意見を申し上げたり、そしてまた総理のお話を聞いたり、こういったことは非常に大切だなと思いますので、何か公務の案件ということではなくて、総理をお支えする一員、閣僚と、そういう立場でお話を伺ったり、そういう時間を持たせていただいているということです。

(記者)朝日新聞の川田です。先日、英国の駐日大使と会談があったと思うんですけれども、G7絡みで石炭とかそういった話だったのかお聞かせいただければと思います。
(大臣)まず本来だったら、もっと早く会談をする予定だったんですが、私が入院をしてしまいまして、リスケをされたというのがそのタイミングになったということもあります。ただ先日、5月ですか、英国のCOP26の議長のシャルマ議長が来日をされたときに、その面でも大使に大変お世話になりました、大使には。ですので、このCOP26の成功、そしてG7の成功、今後の日英の関係強化、こういったことについて非常に有意義な意見交換をする時間になりました。
(記者)それで、石炭などについて具体的な要請というか、そういったものはあったんでしょうか。
(大臣)詳細な中身というのは控えますが、いずれにしてもイギリスというG7とCOP26の主催国、そして私は環境大臣であり気候変動担当である。そういった中で必要な議論はさせていただきました。

(記者)神奈川新聞の石川です。所管外で恐縮なんですけれども、LGBT法案についてお伺いします。自民党内で様々な意見があって、今国会への提出というのは見送られる方向ですけれども、経済界や支援組織などからも法整備の重要性、特にオリンピックを前にして、やはりその、法整備の必要性に対する声が上がっているんですけれども。大臣は国会の審議の中で性的少数者についての答弁とかもあったかと思うんですけれども、改めて、その、LGBTとかですね、性的少数者の理解増進を図る法案についての重要性だったり、御見解をお願いします。
(大臣)まず、私の立場はこの国会でも明らかにしているとおりです。やはり1人1人の生きやすい多様な選択が叶う社会を作りたい。そのための環境整備を日本としてもやっていくべきだという思いに全く変わりはありません。今回、これは議員立法という形で様々各党の協議もやられていると思いますので、閣法ではありませんので、私からコメントというのは非常に難しい立場でもありますけど、やはり多くの方に日本というのは多様な選択肢がある国だと。そして今後、世界の中で日本がどのような国かというメッセージを出していく上でも、少数者側の立場の方が決して虐げられるような立場にあってはならない。こういうメッセージが国内、国外にも明確に発信されるような環境を作らなければいけないと思っていますので、引き続き、そのような方向に向けて、多くの方の理解が得られるような努力を重ねていかなければいけないなと思っております。私としても、そういった方向性に1歩でも、1日でも早く近づけるように努力を重ねていきたいと思います。

(記者)エネルギージャーナルの清水です。2点ほど伺いたい。先日、脱炭素のロードマップが上がりました。再生エネの重要性、特にその、太陽光なんかの屋根置きやなんかを今後推進していくということで、こういう施策を展開するということだろうと思います。これに関して2点ほど伺いたいんですけれども、1つは、やはりその、再生エネを拡大推進していくためには、担い手の問題がですね、非常にあると思います。従来のエネルギーの対応というのは、ビジネスは、大手電力とか大手ガスとかがきっちりやっていたわけです。しかし、その、再生エネ、太陽光なんかの場合は、相当の少数のですね、少数というか、小基盤の財政力が乏しいような企業が多い。ということは、不安定な企業規模で太陽光をどれだけ推進していけるかという不安があると思います。1つは、先日、これは耳障りな質問で恐縮ですが、小泉元総理が、日経新聞で宣伝塔を務めた、多少は、被害者的な要素もあるとは思いますけれども、そういう、太陽光発電を展開する事業者が詐欺事件を起こした。まだ容疑の段階ですけれども。これについての認識とですね、それからもう1点は、これと関連するんですけれども、推進する事業者をどうやって強固にしていくか。それをですね、環境省も条件整備として考える必要があるんじゃないかと。そこら辺をどうお考えになっているか、その2点を伺いたい。
(大臣)まず、法律を守るのは当然のことですから、そこはもう言うまでもありません。ただ、一部の事業者の国民の皆さんの信頼を失墜させるようなこと1つを取って、再生可能エネルギー全体に対するネガティブキャンペーンをするのは全くお門違いだと思います。ですので、再生可能エネルギーをより地域の皆さんからも国民の皆さんからも歓迎されるような環境を作らなければいけないという思いで、この国会も再エネ促進区域を設定できるような新たな法改正もやりました。そして今回、地域脱炭素ロードマップという、職員も非常に力を込めて、思いを持って作り上げた各省との1つの結晶ができました。その中の最大のポイントの1つが、複数年度にわたる自治体に対する支援を抜本的に見直して新たなスキームを作る、これは私のイメージは「再エネ立地交付金」みたいなものですから。本当に冷静に考えてみてほしいんですよね。昭和の時代は国策民営で原発、造るのも動かすのもあれだけお金が出る。そして今、令和の時代になってエネルギーの国策は何ですかと。再エネですよ、主力電源化へ向けて。なのに、その支援の在り方を見てください。私は桁違いだと思うんですよ。そういった中で、まさに今、清水さんが言った財政基盤が脆弱な事業者が多いんじゃないかということは、それだけこの業界に日本は支援してこなかったんですよ。徹底的にお金をつぎ込んだのは再エネじゃないじゃないですか。私が今回変えていこうと言っているのは、これから再エネを最優先の原則で最大限の導入をということをもう骨太に書き込んだんです。その方向に支援をしっかりとやっていく。そういった中で、国民の皆さんや地域の皆さんから歓迎されるようにしているので、今後、具体的にこの「再エネ立地交付金」なるものがどういう制度設計をするか、その中で各電源に対してどれだけお金がつぎ込まれていくのか、こういったことも明らかにする中で、御理解をいただけるように大きな議論すればいいんじゃないでしょうか。私はこのポイントは、国・地方脱炭素ロードマップのものすごく大きな成果だと思うんですね。これはかなり大きな議論になると思います。
(記者)あの、大変なチャレンジだと思って評価しております。ただ、その、例えば、テクノシステムのような事件はね、中小事業者、再エネ、太陽光の、やっぱり金融のですね、与信や何かに影響を与えてしまう。ああいう事件は、1つが全てとは考えていませんけれども、やっぱり金融機関の、分別、選別、与信が厳しくなるということにもなりますので、その辺は、中小企業の対応を厳しくしてしまうということもあるので、お分かりいただきたいと思います。
(大臣)ただ、最近、金融機関も随分変わってきて、私が意見交換をした中の1つの地銀は北都銀行ですけど、北都銀行は地銀の中で唯一再生可能エネルギーを100%にしていく、この方針を掲げています。そういった地銀、金融機関からすれば、1つの事案を再エネ全体をくじくような見方をすることはなく、むしろ自らが融資をしている企業に対しても地銀自らが再生可能エネルギーの導入を働き掛けていく。そして、そういった場合には、例えば金融的な様々な優遇措置をやっていくとか、こういった動きに間違いなく今なっていますので、私は清水さんの御懸念のようなことが今までだったらあったかもしれないけど、もう世界の中で再エネでなければビジネスの基盤が成り立たなくなっている中で、これはだいぶ変わってきたと思いますね。特に今までAppleの例を私は挙げていましたけど、Appleが各社に対して、サプライヤーに対して再エネを求める。私、日本の中ではそれと匹敵するようなインパクトを今トヨタがやっていると思います。トヨタの系列にある国内外の企業に対して毎年3%のCO2削減を求めるわけですよね。これは大きなインパクトだと思いますよ。結果、CO2削減を求めたら、間違いなく行き着く先の一つの選択肢は再エネ導入になります。これはトヨタが動いたということが同業他社、そしてまた他の様々な産業の中で多くの系列を抱えているような企業に、いい影響を与えると思います。最近、豊田章男社長も、ぜひ脱炭素の移行については自動車業界を当てにしてもらいたいというメッセージを、豊田社長はおっしゃってくれていますから、私は当てにして連携を深めたいと考えております。

(記者)環境新聞の小峰です。今、小泉大臣は大変重要な発言をなさったと思いました。「再エネ交付金」。「再エネ交付金」ができますとですね、田中元総理以来のですね、電源立地交付金のですね、大改革になります。昭和48年に田中総理が主に原発を推進するためにですね、エネルギー特会の今の電源多様化勘定にですね、電源立地交付金制度というのを作りましたけれども、再生エネは対象になっていません。これは大変なことだと思います。これはもう梶山大臣の方と話はつけたんでしょうか。いかがでしょうか。
(大臣)これから省内、また政府内でしっかり話をしたいと思いますが、田中角栄元総理が、今、小峰さんが言ったようなルーツにおられる。これは承知をしていますが、今、電源立地交付金の中に再エネが全く入っていないわけではないんです。例えば地熱、そして水力、これは電源立地交付金の中にも入ってはいるんですね。ただ太陽光や風力、こういったものは入っていません。それに電源立地交付金の例えば使い道、こういった使い道については一部からは批判もありますよね。「本当にそれは電力と関係があるんですか」という。そういったことを考えれば、私が言っている「再エネ立地交付金」はよりよいものにしたい。そして、明確に「国が全面的に資金も支援をします」という形で国策民営のものをこの電源立地交付金なども通じて作り上げてきて、その結果、先ほどの清水さんの御質問のように大資本、業界が一緒になってきたわけですよね。それを考えれば、これから日本から再生可能エネルギーメジャーが生まれていくような、こういったことにしなければ再エネ主力電源化はできないわけですから、この国・地方ロードマップを一つの基盤に、そして総理も最後出席をしてくださって、複数年代にわたる支援のスキームをということを総理自身も発言してくれました。そして今回骨太に入れた「再エネ最優先」というのも、総理の言葉です。ですから、この裏付けとなる、私のイメージは「再エネ立地交付金」ですけど、今までだったら電源立地交付金、これからは「再エネ立地交付金」、そういった議論を私としては真っ正面からやっていきたいと思います。
(記者)そうすると、8月末の概算要求にですね、エネルギー特会を原資としたですね、「再生エネルギー交付金」がですね、盛り込まれることを期待してもよろしいんでしょうか。
(大臣)概算要求に向けて、どんな弾をやるかというのは省内で今議論を始めたところです。ただ新たな制度となると、概算要求というよりも場合によっては法整備、こういったことだって選択肢は出てくるわけです。大きな議論になりますので、今回このロードマップを作り上げてくれた非常に熱意のある職員などとも一緒に、「再エネ立地交付金」のようなイメージでしっかりと、実現に向けて歩めるように議論を積み重ねていきたいと思います。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/SB0Xn9eM18k

(以上)