小泉大臣記者会見録(令和3年3月12日(金)8:52~9:31於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 まず、昨日は東日本大震災から10年ということで、私も緊急事態でなければ現地にも行きたいと思っていたんですが、延長になったので、東京で政府主催の追悼式に出席をしました。改めて私が感じたことを少しお話しさせていただくと、昨日、特に遺族代表の方の中で、最初に岩手県の方がお言葉を述べられたんですけど、「行ってくるよ」、「行ってらっしゃい」、このやりとりが母親との最後のやりとりだったというところから始まって、そしてあれ以降、全国いろんな被災地が生まれる中で、それを見るたびに負けるな、負けるなというふうに思っている、そういうことをお話しされた上で、これからも強く生きていきますという、あのお言葉を聞きながら、日本ってすごい国だな、強い国だなと。被災地が増えることは本当に悲しいことですけど、その被災地同士が思い合ってつないでいるんだなということと、改めて、日常の中でいつ何が起こるか分からない、今朝のあいさつが最後になるかもしれないという、こういったことも忘れてはならないなと強く感じましたね。その次、宮城の当時幼稚園の年長の年だった男の子が昨日お話しされて、その次に福島の方が、5歳のお子さんを亡くされたと。まさに宮城の若者が5歳だったとき、年長だったときが、その福島県の御遺族の方のお子さんが亡くなったあの東日本大震災のときだったのかなということを思いながら、改めてこれからの復興、福島は特に長い道のりがありますけども、しっかりやらなければいけないという思いを新たにしましたね。そんな中、課題の中の一つがやはり風評被害があって、昨日私は大熊町の町長と朝、ウェブ会議でつないでお話しさせていただきましたし、今日はこの後、双葉町の町長ともウェブで会談させていただく予定です。週末はシンポジウムもありますから、あした、あさってとオンラインで、これも福島のシンポジウムに出ます。この風評被害を何とか払拭しなければいけないということを考えている中で、最近のニュースの中で、台湾のパイナップルを中国が非科学的な理由で禁輸措置をすると、こういったことがあって、日本でも大変な人気で台湾のパイナップルが買われているという、そういった報道も一部見ました。そして、中国の非科学的な措置に対する国際的な批判、こういったことにも接していますが、私はこの報道を見ながら改めて感じたことは、非科学的な理由で拒否をされているのは、福島県をはじめ東北の食品も同じなんだと。それは台湾、中国を含めて世界中の中でまだそういった措置をしている国はある。私は青年局長時代から台湾へ何度も行って交流を深めていますし、そして、東日本大震災をはじめ日本との特別な縁には心から感謝をしています。なので、私はこういった非科学的な措置によって苦しんでいる台湾の農家さんの少しでも力になれればと思って、パイナップルを買うこと、私もそれはしたいと思いますけど、併せて東北のものも一緒に買いたいですね。そして、こういった非科学的な措置が一日も早く国際社会において解除されるように、これからしっかりと対策を取っていかなければいけないと思います。また、国民の皆さんにもぜひ今回、台湾のパイナップルだけではなくて、併せて東北のものも買ってもらいたい。一緒になってこの風評を払拭させていきたいと思いますね。
 今日は2点あります。来週17日、18日、「脱炭素都市国際フォーラム」を開催するので、それについて。そして2点目が、コロナ対策の観点で環境省の予算でやっている高機能換気設備の事業が公募開始になりますので、これにちょっと触れたいと思います。
 まず1点目の脱炭素都市フォーラムについては、今年1年、国際的な対応方針、先日申し上げましたが、一つ目が「二つのCOPの成功」、二つ目が「アメリカとの連携」、三つ目が「脱炭素で持続可能なインド太平洋の移行支援」、こういった三つの中で、特に今回この脱炭素都市国際フォーラムは、こういった三つの点についても推進につながる非常に大切な機会だと思っています。今回のフォーラムの開会のセッションでは、私と一緒に国連の気候変動枠組条約の事務局長であるエスピノーザ事務局長に御参加いただきますし、アメリカのジョン・ケリー気候変動特使から今回ビデオメッセージをいただいています。こういったこともその場で共有したいと思います。また、その後のセッションでは、日本からは東京都の小池知事、そして横浜市の林市長、アジアからはクアラルンプール市、ジャカルタ、アメリカからはカリフォルニア州、ハワイ州、そしてヨーロッパからはCOP26開催地のグラスゴー市、そしてボン市など、気候変動対策に先進的な国内外の自治体に御参加いただく予定で、現在調整中のところもありますが、2日間の全体で約30の自治体が参加をする予定です。国内ではゼロカーボンシティがとうとう1億人超え、300自治体超えということでありますし、今、「国・地方脱炭素実現会議」の場で脱炭素ドミノを巻き起こすべく様々な議論、昨夜もヒアリングをやらせていただきましたが、行っているように、今回のフォーラムではこういう日本の取組と、そして世界の各都市が取組を共有して、国際社会にこの「脱炭素ドミノ」が広がっていくうねりを起こしていく一つにしたいなと思っています。
 2点目は、高機能換気設備の公募開始ということで、この高機能換気設備は環境省でやっている補正予算で措置したものです。これは、飲食サービス業をはじめ医療関係者、理容室、美容室、生活関連サービス関係、高齢者施設、宿泊施設、スポーツジムなど、幅広い業種の多くの施設において順次高機能換気設備の導入が今進んでいます。3月5日の金曜日に西村コロナ担当大臣から感染防止対策の一つとしてこの事業が紹介をされましたが、第1次補正予算に引き続いて、第3次補正予算による高機能換気設備などへの導入支援を来週の16日の火曜日から公募を開始するのでお知らせしたいと思います。1次公募の締め切りは4月27日、そして6月ごろには2次公募も予定していますので、併せてお知らせしたいと思います。この事業は、中小企業や自治体が高機能換気設備と空調設備を導入する際にかかる費用の半分、2分の1を補助するものです。また、今回は特例的に緊急事態宣言が発出された今年1月8日以降に発注、契約した事業も補助金申請が可能という運用とします。ただし、応募後の審査の結果、不採択となった場合には補助金は支払われませんので、御注意いただかなければなりませんが、公募開始後に公募要領でしっかりと御確認をいただきたいと思います。できるだけこの事業をコロナ禍において様々御苦労されている事業者の皆さんに活用いただければというふうに思っています。今日は冒頭、私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)朝日新聞の戸田です。先日9日に経団連と意見交換をされていましたが、カーボンプライシングについても話題が上がりまして、経団連から、環境省の小委員会で検討している現状についてどんな意見があったのかというのと、何か具体的に先方からの提案や要望は寄せられたのか、その辺りをお願いしたい。
(大臣)9日、開催した後にプレスリリースはさせていただいたと思うんですが、胸襟を開いて、腹を割った議論をしなければいけないという観点から、いい時間を持つことができました。環境省からは、カーボンプライシング小委員会における議論の状況と、国・地方脱炭素実現会議を踏まえた検討状況を説明させていただいて、経団連からはカーボンプライシングについて石油業界、鉄鋼業界、化学業界、電力業界といった各業界の実情についてそれぞれお話がありまして、また、経団連としても地域の脱炭素化に向けた取組について協力すると、そういう表明をいただきました。今、各産業は大変御苦労もされていますし、ブレーンストーミングとしても率直な意見交換ができましたから、詳細は私からは控えたいと思いますが、成長に資するカーボンプライシングの検討に当たって産業界の皆さんからの声を聞いていくこと、これは非常に大事なことです。特に昨日のヒアリングをもし見ていただいた方がいたらお感じいただけたかもしれませんが、昨日は、あえて大変御苦労されている業界の皆さんにお集まりをいただいて、地域のガソリンスタンド経営をされている方とか、そしてガス業界、そういった方を含めて、本当に化石燃料から再生可能エネルギーというシフトの中で、化石燃料しか扱っていないからどうするんだという、こういう方々の声を踏まえた上で進めなければ、いくら国、地方自治体だけが連携をしていても、そこに民間の動きというのがついてこなければ足並みがそろいませんので、そういった観点からも特にこの動向に対して非常に悩まれている、そういった業界の方にも経団連の中でも出てきていただいて、今、国際社会の動きを含めて共有させていただいた。そして、先方からも何が今、動いている世界の状況の中での日本の産業の状況があるのか聞かせていただいたのは、非常に有意義だったと思います。こういった場は更に積み重ねていきたいと思いますので、継続的にやりましょうということでも一致できています。

(記者)読売新聞の服部です。3月9日に原子放射線の影響に関する国連科学委員会というところが福島第1原発事故の影響について報告書をまとめました。住民などに対して健康に悪影響は確認されていないし、将来にわたっても起こらないだろうという見解を出しているのですけれども、その見解について大臣はどのように受け止められているのか、というところをお伺いしたいのと、また、先日国会で細野豪志元環境相とのやりとりでもあったと思うのですけれども、甲状腺検査の問題についてどのような対応ができるのかというところを教えてください。
(大臣)まず、両方関わりがあるところなので、最初1点目からお答えさせていただきますが、今御指摘のあった3月9日のUNSCEAR(国連科学委員会)が公表した報告書において、被ばく線量の推計と健康リスクの評価を行った結果として、推定された公衆の被ばく線量は前回のUNSCEAR報告書、これは2014年4月に公表されているものですが、この前回の報告書と比較して減少、又は同程度、そして放射線被ばくによる住民への健康影響が観察される可能性は低いということが報告をされています。福島の住民の健康管理については、医学などの専門家のコンセンサスが得られた科学的知見に基づいて進めることが重要でありますので、この報告書もその科学的知見の一つと認識をしています。福島の住民の適切な健康管理、そして健康不安の解消のために、環境省としては福島県が実施している県民健康調査への財政的、技術的な支援を進めていきます。また、放射線リスクコミュニケーション相談員支援センターが行っている放射線リスクについて分かりやすくお伝えするための活動を通じて、福島の住民に寄り添って、長期にわたって健康不安対策にしっかり取り組んでいきたいと思います。また、私も法定協議会などにいつも出席をしていますが、その場で先日も福島県相馬市の立谷市長が、この日本の中でもはびこる風評被害、特にこの原発事故によって福島の子どもたちなど、人々に放射線の影響が相当あるのではないかと思っている方が、確か都内で4割程度、これぐらいのことを言われていました。こういうことを、誤った認識を正すために立谷市長は、高校入試の試験などに放射線のことをしっかりと入れてもらいたいと、そういう御要望もされていました。この問題は、私は非常に重要なことだと思っていますので、国連の科学的な根拠に基づく報告書でも、あの原発事故による公衆の、要は県民の皆さんを含めて放射線の影響が低い、そして今後もそうだと、こういったことが科学的に示されているということを正しく伝えていくことは、福島の復興においても極めて重要なことだと思っていますので、この事実を、科学的なデータに基づいたものをしっかり世の中に、まず日本の中でも誤解されている方が多いので、これを知らせていくべくしっかりと広報をやろうと、こういったことを省内でも指示を出したところです。そして、細野先生から先日の質疑で甲状腺検査、このことについて特に、やはり望まない方が、子どもたちが学校の授業中にやっているということで、結果として同調圧力のような形で、受けたくないのに受けざるを得ないような状況、仮にそれがあるとしたら正していかなければいけないんじゃないかと。そして、この甲状腺ということを考えたときに過剰診断ですよね、こういったことのリスク、そして、それが仮にあって発見をされて、手術などをして、その後に長期にわたって薬をずっと飲み続けなければいけないような生活が待っていること、このデメリットを全然知らされていないじゃないかという、これに対しては、私も改善すべきは改善する必要があるだろうというふうに思いますので、早速省内でも議論をしまして、甲状腺検査を実施している福島県に対して、希望する方が円滑に受診できる環境と、希望しない方が受診するように誘導されない環境、これを確保するための具体的な取組について助言できるように、今、省内でも検討を進めています。前向きな検討が進んでいますので、この御指摘、また御提言を受けたことを私なりに少しでも、受診を望まない福島県の子どもたちがその思いをちゃんと果たすことができるように、同調圧力の中で受けたくないのに受けなきゃいけないということにならないように、これはちょっと動かしたいと思います。

(記者)テレビ朝日の藤原です。昨日の国・地方の会議の中で、石油の位置付けをちゃんと示してほしいとか、地域ごとの状況をちゃんと見て考えてほしいという声があったと思いますが、いわゆる化石燃料について、今後、政府として示そうとしているロードマップの中でどのように示していくお考えなのか、ということが一つと、もう一つは夫婦別姓についてなんですけれども、自民党でも検討チームが立ち上がるという話がありますが、男性だけがメンバーになっているんじゃないかといった一部報道もありますが、この検討チームについてどのような姿があるべき姿だと大臣はお考えなのか、お聞かせください。
(大臣)1点目の国・地方ヒアリングでいただいたそういう御意見は大事だと思っています。特に昨日参加いただいた皆さんの業界の所管は経産省でもありますから、昨日のヒアリング内容を経産省は事務方も傍聴して聞いていると思いますから、国・地方会議のメンバーも経産省は入っていますし、しっかりと情報共有をした上で、この化石燃料から再生可能エネルギーへのシフトはもう止まりませんから。ただ、一方で化石燃料でしか商売をしていない方が今、世の中の過半数ですから、そこをどうやって移行支援をしていくのかは非常に大事なところだと思います。それを全くやらずに、いや、もう世界は変わりましたからこっちですという、そんな単純な割り切りじゃないと思います。それは私はそう思っています。しっかりそこも考えた上で、この国・地方会議の出口でロードマップを作って、ロードマップだけで完結するものではありませんし、環境省だけでできることは限られていますけど、気候変動担当大臣としても、政府全体としてこういった移行に苦労される業界に対してどのような後押しができるかということはしっかり目を配っていきたい、そういうふうに思っています。ただ一方で、昨日ものすごく、これも日本ってすごいな、方向が決まった後は、前に向かって動く人もこうやって出てくるなと思ったのは、九州ガスの栗林さんですよね。非常に唐突で、壮大過ぎるというふうに厳しい御意見をいただきながらも、最後に言われたことは、笑顔で「10年後は会社名が変わっているかもしれません。いずれにしても頑張りますから」という、この変化に対する対応力、こういった地方で頑張っている方々がいるというのは、私は勇気づけられました。もちろん、なかなかこの動きについてこられていない方が多くいらっしゃるのも事実ですから。ただ最後、昨日私、御挨拶で申し上げたとおり、今この動きが早いと思っている方がいるとしたら、これからはもっと早くなりますから、それを言うのは心苦しいですけど、ここで緩めたら、その後に被る日本の経済社会全体の損失は計り知れないということはちゃんとお伝えして、一緒に前を向いていけるように、引き続きコミュニケーションを取っていきたいと思います。
 2点目につきましては、最近、党の動きを十分フォローできていないので、私から特に会の構成とかコメントすることはありませんが、私の選択的夫婦別姓に対する考え方というのは、先日も予算委員会で問われたときにお答えをしたとおりです。

(記者)産経新聞の奥原です。甲状腺がんを省内で議論されているということなんですけれども、これはいつごろまでに結果を出されるのかということと、また、決定権者というか、これは福島県が主体となって決める話なのかという確認と、あとプラスチック新法について伺いたいのですけれども、原田さんのときにレジ袋を有料化をなされましたけれども、レジ袋有料化によって具体的にどれぐらい量のレジ袋の出荷量が減ったのか、専門書を見つけることができなかったので、もし分かれば教えていただければと思います。あと、プラスチック新法によって、どれぐらいのプラスチック削減が期待できるとお考えになっているのか伺えればと思います。
(大臣)まず、甲状腺の関係については、一つ目はおっしゃるとおりです。これは先ほどお答えを読売新聞さんからあったときにしたとおり、福島県に対して希望する方が円滑に受診できる環境と、希望しない方が受診するように誘導されない環境を確保するための具体的な取組について助言ができるように、今、省内での検討を前向きに進めていると、そのようなことです。ですので、福島県との関係はそうなります。
(記者)お尻は。
(大臣)お尻というか、スタートですね、これが少しでもこういった環境を変えていく。来月から始まりますから、この来年度の中で進められるものは、福島県とのもちろんやりとりの中ですけど、できる限り早くということで、また詳細の方は今後の話になりますけども、今後、政省令の中でも検討、これはまたプラスチックの方ですね。甲状腺の方はそういったことになります。来年度、できる限り進められるものは早くということです。
 そして、プラスチックですね。全体として、昨年の7月から日本全体のデータというのはまだ私の方には上がってきていません。ただ、例えば最近ドラッグストア、この業界とお話をさせていただきました。日本の中でレジ袋を大量に使っている業界の一つであります。確か33億枚と言っていましたかね、このレジ袋有料化の前。そして、そのときに業界団体の会長さんが私に対して言った表現が、このドラッグストア業界全体で使っているレジ袋を平積みして見てみると、年間で富士山の18個分の数なんだそうです。それで、今じゃそれがどこまで減ったんですかというふうに聞いたときのお答えは、恐らく高尾山17個分ぐらいだと。つまり激減。富士山18個から高尾山17個ですから。そういう表現をされて、私はすごく分かりやすい表現をされたなと思ったんですけど、1事例を挙げると、まずそういう状況です。なので、今奥原さんが言われたとおり、特にコンビニ、そしてスーパー、こういった世の中で大きなレジ袋の使用がされていた業界の動向というのは今後しっかり把握して、今後プラスチック法案に対する世の中、国民の皆さんの御理解を得るためにも、じゃ、レジ袋の有料化によってどのような変化と社会に対する前向きな効果が起きたのかということをしっかり説明をしなければ、納得感というのはなかなか得られないと思うので、そこをしっかり説明できるためのデータ収集をするように、省内にはもう既に指示を出してあります。今、世の中、このプラスチック法案について様々な御議論が盛り上がっているというふうに聞いています。スプーン有料化というのがやたら盛り上がっているそうですが、これは決定事項ではないですし、選択肢の一つではありますけど、それはむしろ法律が成立した暁にどのように具体的な運用をするかという話です。このスプーンの話だけではなくて、プラスチック法案全体を御理解いただくと、その他、世の中にこれから環境版特保のような商品が棚に並んでくる。国の認定がつく環境配慮設計に基づいたプラスチック商品、製品、これが出ていくことも含めて、前向きな変化が相当幅広く出てくるので、今後、若者の団体を含めて、この国会で環境省が出す4本の法律について理解してもらうための説明会なども、この前、記者懇をやらせていただきましたけど、あの記者懇のようなものを若者団体にもやっていきたいなというふうに思っているんですね。そういったことをしっかりやって、御理解を得られるようにしたいと考えています。

(記者)共同通信の田井です。先ほどパイナップルの発言があったので確認ですが、言わずもがなですけど、在庫が少し膨らむということで、こうしたものの積極的な購入を呼び掛けていく段階ではなくて、個人として購入していきたいという思いでいらっしゃるという理解でよいでしょうか。
(大臣)これはパイナップルを応援するという、そういった報道が出ていて、実際に結構人気があるそうです。ただ、この問題がなぜ、このパイナップル熱が高まっているかというと、中国が非科学的な理由で台湾のパイナップルを禁輸している。そして、中国と台湾の中でパイナップルの取引というのはほぼ9割が中国向けだと。それだけ台湾のパイナップル農家さんというのはダメージを受けているわけですよね。それをこのままじゃいけないということで、世界の皆さん買ってください、皆さん買いましょうということで動きが広がっている。日本の中でも台湾にものすごく親近感を覚えている、私も含めて、多くの国民がいますから、もうこれは台湾が困っているときは支えよう、支え合いだ、助け合いだと。震災のときも大変な御支援をしていただきました。それは全く否定するものではありません。私もぜひ協力したいと思います。一方で、非科学的な措置によって不合理な取扱いの影響を受けているのは台湾だけではありません。この日本の中でも東北、福島の皆さんは、非科学的な理由でいまだに数十カ国の国から様々な規制を受けています。これは台湾、中国、韓国を含めて、このアジアの中でもそうです。なので、今回のことで、私は困っているからパイナップルを買って応援しようと、そんな問題じゃないと思うんですね。東北の食品、特に福島、このことに対して併せて応援してもらいたいし、私は政府の一員として、こういった非科学的な措置をされ続けていることに対するおかしさというものをしっかり国際社会にも伝えて、政府全体として一日も早く、茂木大臣も言っていますが、風評が払拭されるように全力を尽くしていきたい、これを契機にそのことを知ってもらいたいと思いますね。
(記者)第2回ヒアリングで、井出さんから各地の生ごみの分別回収の議論があって、食品ロス削減やごみの減容化に向けて大きな課題であると理解しているのですけれども、都市部では生ごみ分別回収はまだ普及、拡大しているとは言い難い状況なので、環境省としてこういった問題について、悪臭の発生や回収の手間といった問題を乗り越えていって、どのように取組を拡大していくべきか、また普及に向けての課題は何であると捉えていらっしゃるかお考えを伺います。
(大臣)結局この生ごみというものはやっぱり水分量も多いですし、いかに分別と、またできるだけ出ないようにするかという、このリデュースが大事ですね。私も最近コンポストを買いまして、コンポストで新たな生活が始まったんですけど、実際やってみて驚きました。こんなに生ごみが減るものかと。ほとんど出ないんですよ。そして、私も買う前は虫とか臭いとか、そういうものが心配だったんですけど、買ってみたら全くそんなことはないですね。しかも出来上がりが、出来上がりと言っていいのかな、このコンポストで生ごみを入れて出来上がったものが、もっと湿り気のある、そういう形かと思ったら、結構からっからなんですよね。だから、全然そういった様々な不安はないですし、これはやっぱり何でもイメージだけではいけないなと。そして、改めて感じたのは、自治体がものすごくコンポスト支援をやっていますよね。補助金も出ています。かなり出しているところは6万円上限ぐらいで出しています。そういったことも活用されていない自治体が結構あると思うので、自治体の住民の皆さんも、今、集合住宅なんかでも活用できると思いますので、ぜひ活用していただきたい。そうすれば必ずごみは減ります。ごみが減るとCOも減ります。こういったことも一人一人の個人の行動変容を促していくのは環境省も大事なんですけど、例えば自治体で、九州の柳川市などはごみ袋の値段をものによって変えて、いわゆる燃えるごみ、柳川市は「燃やすしかないごみ」という名前を使っているんですけど、それを一番ごみ袋を高くしてあるんです。それ以外のものは安くということで、ごみの量を減らせば安いごみ袋で出せるようになるわけで、私の中ではこれはカーボンプライシングのごみ版、ごみプライシングのようなものだと思っているんですけど、残念ながら東京23区はこういうことがないんですよ。ほかの自治体は全国でやっているのに。なので、私としては、東京23区こそこういったことに取り組んでいただきたいと思うし、環境省としてこの課題を前に進めるために使える政策的な手法があれば、それはぜひ活用させていただきたいなと思っているので、今、省内でもそういったところの議論を進めています。

(記者)エネルギージャーナルの清水です。東日本大震災から10年ということで、環境省も特に太平洋側沿岸の防波堤、防潮堤の建設と自然環境との調和をどうするかということが大きな問題だと思います。防潮堤もだいぶできてきていますし、一度、環境省として防潮堤と緑の回廊とか緑の堤防という提案もありましたけれども、自然保護行政、あるいは環境保全と防潮堤の関係をどうするのか整理しておく必要があるのではないか。もし御所見があれば伺いたい。30年に一度、50年に一度と、そのためだけで10メートル、20メートルの防潮堤ができるということの難しさ、それが1点。
 もう1点は、先ほど触れられましたけれども、化石燃料に対して温対計画、温対法の改正では、再生エネが主流になると施策の目標でもつまはじきになって、事業が困難になってくるというのはそのとおりだと思います。温対計画で地方の市町村の計画を作るといったときに、例えばLP業者とかがいっぱいいるんです。そういうところの移行措置が非常に大事だと思います。プラス、自治体は石炭火力の発電所とか石油基地など抱えているんですね。特に発電所には経産省が立地交付金、補助をかなり出している。一方で温対計画で再エネ中心にしなければならない。これは経産省所管の話ですけれども、経産省は石炭火力、石油火力、LNG火力に立地交付金的な地域おこし、地域対策のためのお金を出している。国全体として整合性が取れていない事態になってきていると思う。この2点についてお願いします。
(大臣)まず1点目については、私もこの10年関わり続けてきた東北の現場の声を当時から思い返すと、被災後の中でも住民の皆さんの気持ちの変化というものと、方針を決める行政の関係の難しさ、これを感じましたね。例えば防潮堤を高く造って、あの被災の直後にもう海すら見たくないという声も結構あったんです。しかし、だんだん時間の経過とともに、今まで見ていた海が見えなくなることに対する逆の声が出てくるようになった。当時、合意形成の中では、あんな津波が来たんだから、高いものを建てなきゃ駄目じゃないかとか、100年に一度のものが来たら、もう一回堪えられるようにしなきゃいけないじゃないかという相当な声があったと思うんですね。だけど、建った揚げ句海が見えなくなって、何かそのことに対するいわれようのない、悩ましい気持ち、こういったものを持っている地域があることも事実だと思うんです。なので、私たち環境省として大事だなと思うのは、日本は常に災害に襲われる国ですから、いかに日本全体がどこでも被災地になり得るという前提の認識の中で環境の大切さ、そして生態系や自然との共生、こういったことの重要性を広く理解していただくことが、結果として、何か災害があったときに、長い目で見たときに環境との調和が保たれる防災対策、まちづくり、これが住民の皆さんからも望まれるような、そんな国をつくっていかなければいけないなと改めて感じています。この10年間の教訓、学びをしっかり生かして、環境省として政府の一員として、またいずれ来るであろう大きな災害に備えていきたいというふうに思います。
(記者)安倍前総理の奥方さんも随分熱心にやっている、緑の保全について。
(大臣)やられていましたね、宮脇先生とかと。私も東松島で宮脇先生と一緒に植樹をさせていただくことを願っていますし、ああいったことも含めて自然を活用した防災をやると。私は気候変動×防災だと。その中で「適応復興」という言葉を使いましたが、この気候変動の中の適応策と防災がちゃんと組むような形で進んでいくように、私も政府内でしっかり理解を広めたいと思っています。
 そして2点目については、経産省との連携をしっかりやるということは重要なことです。化石燃料に対しても、これは完全にゼロになるかというと、我々が目指しているところは何かというとネットゼロです。つまり、仮に使うとしたらその分の吸収をすることによってネットでゼロにする。なので、今後まさに使わざるを得ない地域、そして国民の生命や地域の暮らしを守っている、ライフラインを守っている皆さんの中で、そういった代替できないような役割を担っている方に対する措置というのをどうするかというのは、私は間違いなくあると思います。そして、昨日も様々な、ガソリンスタンド経営者の方などからも声がありましたけど、もう向かう方向は分かっていると。だけど、前に向かって頑張ろうと思うような、呼び水となるような政策が必要じゃないかということはそのとおりだと思いますので、そういった政策的な手法を我々としても生み出していかなければ、国、地方、民間三位一体での脱炭素のドミノというのは起きないと思うので、これは出口に向けてロードマップ作りの中でも生かしていきたいと思います。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/_BUkkOn9bHc

(以上)

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