小泉大臣記者会見録(令和3年2月19日(金)8:55~9:18於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 今日は閣議案件は1件久々にありましたけど、グリーン購入法に基づく基本方針の変更、これが閣議決定がありましたので御報告をしたいと思います。
 その前に一言、最近の時事ネタじゃないんですけど、今日はアメリカがパリ協定に正式に復帰をすると。日本時間で言うともう今、今日でありますけど、アメリカにとってはもう少し日が遅れています。とうとうアメリカがパリ協定に復帰をする。昨日ケリー気候特使と会談をしましたけど、私の場合、安倍政権の環境大臣として大臣職が始まっていますから、特にその当時なかなかアメリカと今のように毎月会談をするなどの連携がなかった、こういう気候変動においての取組は難しい、そういう時代だったので余計その違いというものを今感じています。ありがたいことに、非常に前向きな議論を重ねることができていて、ケリー氏も早速昨日の会談のことをツイートでやっていただいて、「Enjoyed speaking with Minister Koizumi」というふうに書いていただきましたが、私も非常に有意義で、4月のサミット、COP26、今後の外交スケジュールの中に日米の連携というものが重要だという思い、認識を深めることができていると思います。改めてこのパリ協定への復帰を歓迎し、そして世界全体の気候変動対策を強化していく、そういう役割を日米で共に進めていければというふうに思っています。そういった観点からすると、日米だけではなくて、インド太平洋地域、ASEAN、こういった地域で何をやるかということも非常に大事です。昨日夜はインドネシアのルフット大臣、それとシティ大臣も参加をしまして、先方は2名の大臣が参加をしてくれました。廃棄物発電も、今回インドネシアで成立する案件というものは、官民連携という形で環境省とJICA、これが連携をして成立させた第1号案件になります。今までもシンガポールとか他の国で廃棄物発電というものはあったんですけど、それはあくまでも民間のビジネスベースで導入をされている。今回インドネシアの件は環境省とJICA、こういった官のプレーヤーも入って官民連携で、今までだったら化石燃料ベースでたかれていた発電をごみという形で発電をしてよりCO削減に寄与する形で発電ができるようにしていく。そして、インドネシアは皆さん御存じのとおり海洋プラスチックごみも排出国として非常に大きい国でもありますので、海洋プラスチック対策においてもこの廃棄物発電というものは寄与できるというふうに考えています。こういった協力をしっかり進めて、今年の外交目標は、以前もお話ししたとおり二つのCOPの成功、日米の連携、そしてアジア、インド太平洋地域、この地域全体の脱炭素化、昨日は象徴的に、朝はアメリカ、夜はインドネシア、今日はパリ協定の復帰と、こういう形になりましたが、あとサミットまで約2カ月、しっかりと連携をアメリカとも深めていきたいと思います。
 そして、さっきグリーン購入法の話がありましたけど、グリーン購入法も今回新たに調達の中身を変えています。20年前に制定された法律で、22分野、282品目調達基準を定めています。今回の主な変更点として分かりやすいものは乗用車などになります。まず結論から申し上げると、これまでは認められていたガソリン車や窒素酸化物などの排出量の多いディーゼル車は調達対象から除外となります。可能な限り電動車など、そして最低でも次世代自動車、こういった形に調達の基準を変更しますので、今、国を挙げて2035年以降は100%新車販売は電動車、東京は2030という形で進んでいますが、このグリーン購入法に基づく官の世界の調達基準も改めていく大きなメッセージだと思います。また、庁舎内の小売店舗、この5号館で言うと下のコンビニとか商店なんかになりますね。こういったところで使用する場合のレジ袋、そしてプラスチック製ごみ袋などについて、植物由来プラスチック配合率は今まで10%だったんですが、これも変更して25%に引き上げを行います。引き続き環境物品などの普及に向けて全力で取り組んでいきます。なお、例年実施している調達担当者向けの説明会は、今年度はYouTubeの環境省動画チャンネルでの講義を予定しているということです。
 あとは、質疑の前に、カーボンプライシングがとうとう経産省の方でも始まりました。先ほど梶山大臣とも少しお話をして、今後、これで環境省と経産省で1回ずつやりましたので総理のところに情報の共有をお話しに行きましょうと、そういうお話もさせていただきました。世の中いろいろ動いています。このカーボンプライシングにも経済界の関心も高く、そしてまた一方で、コロナによってもまた産業の構造がかなり転換が進んでいるところもあって苦労する業界もあると思います。そういった産業界の状況と声をしっかりと聞きながら、経産省と成長に資する形で描くということで頭が一致していますから、そういったことで立場を同じくして産業界としっかりと声を聞きながら前に進めていければと思います。今日は冒頭私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)フジテレビの三上です。冒頭でおっしゃいました、おとといの経産省のカーボンプライシングの議論に関して、経済界からは多少慎重な意見も出されましたが、今後どういった対応をするのかというのをお願いします。もう1点、五輪組織委員会に橋本さんが会長に就任されました。受け止めと期待などがあればお願いします。
(大臣)まず、カーボンプライシングについては、私は間違いなく今までとは状況は一変していると思います。今、産業界の声とありましたが、まず議論をする前に反対という声ではなくて、議論の中で産業界の声を心配事も含めてお話をいただいている、まさにこのように同じテーブルに着いてその産業界の立場の声を聞いていくことができるというのは非常に大きな前進だというふうに思っています。ですが、一方で、今日のニュースで出ていますけど、例えば鉄鋼業界の不況とか、自動車業界もまさに100年に1度と言われるような大きな移動革命と言われる、それぐらいの変化を今経験している中で、この移行期間をどのように後押しできるのか、そういったこともしっかり頭に置きながらやっていかなければいけないと思います。それと、もう一つしっかりと認識を共有したいと思うものは、もしもこの移行に乗り遅れて、この移行を加速せずにできる限り変化をすることなくコロナの前に戻りたいということでこのまま走ろうとしたら、その行き先はガラパゴスにまっしぐらだと。むしろそっちの道に行ってしまうことの方が中長期で見たときに日本の産業競争力と雇用、そして長期的な国家の繁栄、こういったことについて大きな損失になる、私はそういう認識ですし、菅総理がこのコロナのさなかでカーボンニュートラル宣言をしたこと、そして併せてデジタル庁の設置などについても全力を尽くしていくことは、コロナの後に国際社会は間違いなく産業構造を一変させる方向に動いていきますから、そこに決して乗り遅れてはいけない、そういった考え方を政府全体で持っていると思いますから、そういったことも産業界の皆さんと共有していく緊密な意見交換の場が私は不可欠だと思います。環境省としても経団連の皆さんとは定期的な意見交換をやっていますから、このカーボンプライシングについても新たにそういった場を設けてしっかりと声を伺っていきたいと、そういうふうに思っています。
 2点目は、橋本大臣が今度組織委員会の会長になられたということで、まずは大臣時代も気候変動とスポーツということで連携をさせていただきました。そして、オリンピックで採用されるオリンピックの調達基準、今日はグリーン購入法の話をしましたけど、オリンピックの調達基準はこれからカーボンニュートラル時代の新たな基準となるようなものが採用されています。そういったことも含めて、様々御自身のオリンピアンとしての経験と大臣として行政の長を率いたそういった経験と政治家としての経験を遺憾なく発揮していただけると、そういうふうに思っています。後任の丸川大臣とも今日大臣として閣議の場でもお会いをしていますから、元環境大臣ですから、そういった環境大臣の経験も生かしていただいて、新たに丸川大臣とも連携をしてオリンピック・パラリンピックの成功、そして併せて環境の政策でも連携できればと期待をしています。

(記者)産経新聞の奥原です。先ほどカーボンプライシングに関して産業界と緊密な意見交換の場が必要で、CPについてもそういう場を設けたいというお話がありましたけれども、具体的に経団連と別個協議体みたいなものをお作りになるお考えはおありでしょうか。
(大臣)経団連とは今、定期的な意見交換の合意をもうしていますので、その中で、次回、カーボンプライシングというテーマでも意見交換を行うということで今調整中です。また、日時が決まったら発表したいと思います。
(記者)パリ協定復帰によって日本や中国に対する影響とか、今の時点であれば、どのような認識があるか、伺えればと思います。
(大臣)アメリカは第2位の排出国ですから、そのアメリカがパリ協定に復帰をしたことは間違いなくパリ協定の目標の達成に向けて前向きなニュースになるのは間違いないです。そして、4月にアメリカが主催で気候サミットが開催されることが確定をしているように、COP26に向けて世界全体の気候変動対策の機運を高める役割、これをアメリカが果たす新たな段階にもなっている。その中で、今これだけ私の方とマッカーシー氏、ケリー氏と情報共有をさせていただいていますから、こういった中で新たな日米の協力の新領域を今つくることができているんじゃないかなと、そういうふうに感じています。今後しっかりとその連携を深めて、日米同盟の中にもこの脱炭素、そういったところがしっかりと共有されていくような連携を深めていきたいと思います。
(記者)パリ協定の復帰が第1位の排出国である中国に対する影響というものはいかがですか。
(大臣)間違いなくアメリカは、早速バイデン大統領と米中首脳会談が先日もあったところですし、その議題の一つは気候変動でした。そして、今アメリカは大統領令で化石燃料補助金をやめる、こういった方向も大統領令で出ています。世界全体で、例えば石炭火力の海外での展開、これは大部分は中国のものなので、こういったことに対して世界全体として気候変動対策を進める上ではこういったことをどうするのか。かつて私がCOP25のときに問われたようなこの石炭火力、排出が多い電源ですので、こういったところについても間違いなく関心を持っているでしょう。日本として、安倍政権の後、石炭政策の見直しに動いていて、カーボンニュートラルの宣言ができて、カーボンプライシングの議論が始まっている中で日米の連携が今緊密に行っているものは、今までその基盤を固めるというか、しっかりと政策の強化に動いていたことが、スムーズなこのバイデン政権とのスタートができているところだと思います。今後もしっかりとそこもコミュニケーションを深めていきたいと思います。

(記者)共同通信の服部です。海外との連携の話がありましたけれども、改めて国内外から日本の削減目標の引き上げを求める声も強くなってくると思うのですけれども、国内の取組をどのように強化させていくか改めてお聞かせください。
(大臣)まず、総理が2050年のカーボンニュートラルを宣言しているわけですから、この2030年目標はそれと整合的なものにしなければいけない。総理もCOP26までに野心的な数値を新たに提出していく、そういった方向を示していますから、環境大臣の立場で今後このNDC、そして温対計画の見直し、エネルギー基本計画の見直し、こういったところに、COP26や今年一連の気候サミットが4月、そしてG7、G20、COP26、こういった中で日本がしっかりと前に対策を進めていることが発信できるように私として全力で汗をかいていきたい。そして、2030年と2050年が整合性あるものとして国際社会に、今回、環境省が国会に提出をする温対法の中でカーボンニュートラルを法律の中にしっかりと位置付けるということも併せて、長期的な政策の信頼性と投資予見性を高めていきたいと、そういうふうに思います。

(記者)日刊工業新聞の松木です。日米で連携を深めていくという話がありましたけれども、最近の会談の中で生物多様性条約へのアメリカの参加というのを話し合われていることはあるのでしょうか。
(大臣)生物多様性は、議題は今のところありません。気候変動、そして4月のサミット、COP26の成功に向けて、そういったところで今議論を深めています。
(記者)二つのCOPの成功と日米の連携が課題、今年取り組みたいことだという話があったかと思いますけれども、アメリカにも生物多様性条約への参加を働き掛けてほしいと考えているのですけれども。
(大臣)今後、まず今ケリー氏、マッカーシー氏とは、やはり目の前に迫っている4月、この気候サミットに向けてという中での意見交換がメインになっていますが、様々な機会でこの生物多様性と気候変動というのも、そしてこのコロナというのもすべて横につながっている話でありますので、必要な場でこちら側からも、アメリカの存在が様々な国際協力の場でも不可欠だと、こういった話はしていきたいと思います。

(記者)エネルギージャーナルの清水です。カーボンプライシングについて、経産省の研究会も始まり、環境省と1回分ずつ初会合がありました。産業界などの話を聞くと、石油や電力は既存の税制をどうしてくれるんだと、これに対する単なる上乗せ的な税の方法というものはあり得ないだろうという声が結構聞こえてきています。そのことへの是非を今伺ってもお答えは難しいでしょうから、カーボンプライシングは一体カーボンニュートラルを達成するために、大臣はいろんな方策があると思います、再エネの最大限導入とか、あるいはイノベーション等あると思いますが、一体何%ぐらいが不可欠なカーボンニュートラルを達成するために手段、対応だと思っておられるか伺いたい。
(大臣)まず、何%かというと、清水さんの頭の中には炭素税、そういうことが前提の今のお言葉なのかなと思いますけど、環境省としてはまずは間口を広げて様々な手法を経産省とともに議論し認識を合わせていきたいというふうに思っていますので、今、環境省としては様々な選択肢を議論しています。経産省の方は国境調整措置、クレジット、そういったことも含めて議論をされている。その中で頭が合っていることは、成長に資するカーボンプライシングはカーボンニュートラルの実現に向けて必要だ、そういうことですよね。総理はだから検討の指示を出している。あとは産業界の皆さんの税全体に対する思いというのは私も共有します。一つを変えるだけではなくて、最終的にはやはり全体の中での脱炭素型の、今まではそういうものは一言でグリーン税制とよく言われてますよね。それが要は脱炭素税制のような形で税全体のそういった議論というものは間違いなく出てくるはずです。何せ、これから例えば2030年、35年を見たら、もうガソリン税というものはほとんどこれから入ってこなくなるということですから、新しいものはですね。既存のものは走りますけどね。そうしたらそういったことをどうするのか。これは誰が考えたって世の中一変するわけです。社会の一つの基盤にもなる税の在り方、これは間違いなく所管は財務省になりますけど、財務省は恐らく霞が関の中で最もこの気候変動による金融界の変化、世界の変化に最前線に立っている省庁だと思っています。必ずこの議論になれば、いかに脱炭素の方にESGとかTCFDとか、こういった議論の最前線が今の財務大臣とか財務省ですので、こういった認識も政府全体の中で共有をして、木を見て森を見ずにならないように、こういった頭を持ちながら一つ一つの制度改正なども挑んでいくと。政府全体の連携協力が不可欠だと思っていますので、このカーボンプライシングの議論も経産省とも総理とも政府全体ともしっかりと協力したいと思います。まず決め打ちはしたくないということです。
(記者)一般財源か特定財源かという議論もそのうち出てくるだろうと思うんですね。一般財源的な感じは、私、今受けたのですけれども、一番影響を受けるのは中高年といいます。担税能力というか、そこは中高年だろうと思います。そこで注文なんですけれども、カーボンプライシングも、カーボンニュートラルも字数で数えると10字あるんです。本当に横文字がひど過ぎる。若い人にはいいですけれども、中高年や一般の人たちに刺さる日本語をちゃんと使ってもらいたい。素晴らしい日本語がいっぱいあると思いますので。一般の人たちがこれにどれだけ関心を持ってくれるかというのは非常に大きな要素だと思いますので、そこは工夫してもらいたいと思うんです。
(大臣)何か清水さんにとってカーボンプライシングを片仮名ではない形だと何が刺さりますか。
(記者)炭素の価格付けでいいんじゃないですか。あるいは炭素税導入等でいいんじゃないですか。
(大臣)出口はまだ決めていませんので。でも、そういう片仮名が多過ぎる世界だというのはよく分かります。しっかり気を付けて。
(記者)総理大臣も言っていたんじゃないかと思いますよ。
(大臣)分かりました。ありがとうございます。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/wk2xugGNfmw

(以上)

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