小泉大臣記者会見録(令和3年2月2日(火)9:30~9:54於:オンライン(Webex))

1.発言要旨

 今日は環境省関連の閣議の案件はありません。昨日はカーボンプライシングの小委員会も始まりまして、今日閣議で梶山大臣ともお会いをしたので、梶山大臣には「昨日経産省からオブザーバー参加いただいてありがとうございます。」というお話をさせていただきました。今度は環境省の方もオブザーバーで経産省の会合に入りますから、今後もしっかりと連携を深めて前進の年にしたいと思います。冒頭今日は1件、自然公園法に関する中央環境審議会の答申が出ましたので、それをお知らせしたいと思います。先週火曜日、中央環境審議会の自然公園等小委員会において「自然公園法の施行状況等を踏まえた今後講ずべき必要な措置について」が取りまとめられ、先週金曜に答申されましたのでお知らせしたいと思います。今回の答申は一言で言えば、今まで国立公園が保護一辺倒、そういった要素も人からは見られることもありましたけど、そうではなくて、保護と利用の両立、これを提言いただきました。具体的なポイントは三つです。一つ目が、従来型の公共施設整備だけではなくて、地域の自治体などが主体となった魅力的な自然体験アクティビティを開発、提供をしていくこと、そして二つ目が、温泉街などの公園利用拠点において廃屋の撤去、街並みの改善などによって滞在環境を上質化していくこと、そして三つ目が、環境省だけでなく、民間の協力も得た現地管理体制の充実や野生動物への餌付け対応など必要な管理の強化を行うこと、こういった3点について提言を頂きました。地方の過疎化が進む一方で、コロナ禍で自然や健康への関心はむしろ高まっていると思います。そういった中、日本の自然を代表する国立公園の美しい自然が地域にとってますます重要な観光資源となっています。保護に加えて利用面での施策を強化することで地域を活性化して、国内外の多くの人々が将来にわたって日本の自然の素晴らしさを体感できるようにしたいと思います。環境省としては、この答申を踏まえて、国立公園の保護と利用の両立を目指した自然公園法の改正案を今国会に提出すべく検討を進めていく予定です。今日は冒頭この1件です。私からは以上ですので、幹事社の読売新聞山下さん、よろしくお願いします。

2.質疑応答

(記者)読売新聞の山下です。先日、大臣の地元である横須賀市がゼロカーボンシティ宣言をしました。ゼロカーボンシティが小泉大臣就任後増えている一方、その宣言をした自治体との連携が見えにくい印象もあります。ゼロカーボンシティの今後の支援の方針についてお聞かせください。
(大臣)今までも私の地元の選挙区で言うと三浦市が既にゼロカーボンシティの宣言をしていますが、中核市という大きい横須賀がついにゼロカーボンシティを宣言していただきました。改めて、リーダーシップを発揮していただいた関係者の皆さん、そして上地市長、心から感謝をしたいと思います。そして、今回ゼロカーボンシティを表明するに至った過程の中には、やはり石炭政策の見直しというものが進んだ、こういった背景がやはり不可欠だったと思います。こういったことを受けて、上地市長も言っていましたけど、これから事業者とも連携をして脱炭素の政策、取組を進めていく、そして、横須賀市の方でも新たに計画作り、そしてまた条例作りなども考えていきたいという話もありましたので、今後の動きに期待をしています。そして、後段の山下さんの質問にあったとおり、じゃあそういった宣言をして前向きに取り組む自治体に対してどのように支援をするのか、恩恵はという話ですけど、再エネ支援の強化パッケージを既に環境省は発表していますし、予算も今計上しています。こういった中で、例えば再エネの導入が進むような人の支援とか様々な情報提供、そして再エネを導入するときの補助を含めて、一つ一つ見れば相当な規模でパッケージを組んでいますので、これから国会の中では来年度予算の本予算の審議も始まります。そういった中でもしっかりとこういった政策を伝えていって、意欲ある自治体がそれをしっかりと活用していただけるように支援をしていきたいと。そして、同時に、環境省が官邸の会議で事務を担っている国・地方脱炭素実現会議の中では、まさに自治体と一緒になって今後の脱炭素の取組を進めるべく政策の立案を今やっています。こういったことも取りまとめて、予算、そして様々な制度、今後のことも連携しながら、ゼロカーボンシティの宣言をしていただいたところがより早くカーボンニュートラルの地域になって、5年間でカーボンニュートラルの地域を生んでいく、そこから脱炭素ドミノを起こしていくというのが環境省の考え方ですから、ゼロカーボンシティの中で5年以内に脱炭素の地域になっていく、それを優先的に先行的に集中的にやっていくようにしっかりと政策を共有していきたいと思います。

(記者)産経新聞の奥原です。先週の話になるのですけれども、米国のケリー特使が27日に中国の知的財産権の侵害、南シナ海の軍事拠点化について、温暖化対策の協力とこうした問題はディールしませんということをおっしゃいました。これについての受け止めをお聞かせ願いたいのと、大臣はかねてから気候変動は安全保障政策だと位置付けられていますけれども、それについて改めて御説明をいただければと思います。
(大臣)まず、ケリー特使が気候変動政策と安全保障をトレードにはしないと、こういったことを明確に発信したことは同盟国日本としても非常に心強い発言だというふうに捉えています。もちろん気候変動対策は世界が一致して取り組まなければパリ協定の目標達成はできませんが、その一方で安全保障の問題とか外交的な課題をディールするようなことがあってはならない、そういった懸念を、今後どのようにアメリカと中国が進めていくのかという思いを私だけではなくて各国が持っていた中で、早い段階で明確なメッセージを発信されたと思います。そして、ケリー特使がNSCのメンバーになったという、この大統領令がすぐに発表をされて、その中でNSCに気候特使を参画させるということが書いてあります。そして、バイデン政権が、もはや気候変動対策は外交・安保の柱にもなる、この位置付けでやっていることは、今まで私が防衛省を気候変動適応推進会議、このメンバーに参画をさせていたように、この国家の安全保障と気候変動対策という認識がこれから間違いなく世界で広がっていくと思います。ですので、日本が気候変動適応という観点からいち早く防衛省という国防を担う組織を参画させていたことは、2019年のCOP25、マドリードでも私が発表したところ、非常に興味深いというふうに言われました。これは日本が先導してやっていたことですから、今後こういった取組を各国とも共有した上で、日本の中でも気候変動の安全保障に対する脅威というものがどのようなものかというのをしっかりと掘り下げて評価をしていけるような、そんな働き掛けも政府内の中でもやっていきたいと思います。実際、アメリカは大統領令で国家情報長官に対して、気候変動の安全保障に対する脅威を調査するように、そういった指示が出ていますから、日本においても気候変動と安全保障、こういった観点からの議論というものは不可欠だと思います。環境省はしっかりとそこも取り組んでいきたいと思います。
(記者)昨日、自民党で同じ神奈川県の松本純さんら3名の方が緊急事態宣言下で銀座のクラブに通っていたということで離党の決断をされました。これに対する受け止めをお願いします。
(大臣)非常に残念です。松本先生におかれましては私の選挙区、横須賀の隣ですし、そして田野瀬先生におかれましても世代も近いということもあっていろんな親交があります。そういった中でこの緊急事態において国民の皆さんに自粛の行動を求めている中でそれとは反する行動を取ってしまった、そういったことの責任を今回離党、そして副大臣の更迭、こういった形になったことを政府全体としてしっかりと受け止めて、今日総理からは今後の緊急事態の話もまた改めて記者会見があると思いますが、更に国民の皆さんに制限、制約を求めるわけですから、より一層の緊張感を持って取り組んでいきたいと。そして、このコロナが今感染が少し収まっている状況の中で、前向きな収束の方向に向けて国民の皆さん、医療関係者の皆さん、そして国と自治体が一体感を持って対策が進んでいくように全力を尽くしていきたいと思います。
(記者)今年は恵方巻きの日に当たりますけれども、食品ロスでかなりコンビニエンスストアーとかから廃棄ごみが出されるのがあるかと思います。改めて国民の皆さんに呼び掛けることがあればお願いできればと思います。
(大臣)私、食ロスは気候変動対策の観点からも一つの柱に位置付けていきたいというふうに考えています。それは環境省として再生可能エネルギーの導入などはもちろんやりますが、一方でライフスタイルを変えていく、こういった取組をする中で、食というものが非常に身近で、国民の皆さんにも取り組んでいただきやすいテーマだと思います。ですので、国・地方脱炭素実現会議の中でも、今、地域の中で食ロスの対策を非常に頑張っている地域があります。例えば京都とか帯広とか、そういった地域も含めて、気候変動対策、COを減らすということと食ロスを減らすということは同じ方向性ですし、この食ロスの中で特に井上信治担当大臣とは連携を深めて、共に食ロス推進会議のメンバーでもありますので、環境省と井上大臣と連携をして食ロスについてももう一歩進んだ、踏み込んだ対策を進めることができないか、今コミュニケーションを深めているところです。今後、この食品ロスについてしっかりと政策的にも前進させるべく検討を進めていきたいと思います。またしかるべきときに発表できればと思います。あと、恵方巻きの、今日は節分ということもありましたけど、だいぶ予約販売なども進んで、そして、最近コンビニではおにぎりの賞味期限を倍に延ばすという、こういった商品も出てきました。前向きな動きなのは間違いありません。ただ、3分の1ルールを、どのように商慣習に基づいて食ロスが出てしまっていることを変えていくために業界の理解を求めるか、そしてこのお願いベースで本当にこれ以上食ロスの課題が進むのかということも含めたときに、経産省、そして農水省、厚労省、こういった皆さんとより全体の絵姿を考えていく必要もあるなと思います。フードバンクとかフードドライブ、今コロナで困窮している方々が食べるものにも困っているという一方で、そういったところにちゃんと食べ物が届くような支援も相当足腰を鍛えなければいけない部分もありますから、この食ロスについては今後しっかりと取り組んでいきたいと思います。

(記者)読売新聞の山下です。昨日、カーボンプライシングに関する中環審の議論が1年半ぶりに再開したわけなのですけれども、小泉大臣も出席されていたかと思うのですけれども、実際に委員の方の御意見は結構活発だったと思うのですけれども、会議の内容を踏まえて何か印象等があれば教えてください。
(大臣)3時間というかなり長い会議だったんですけど、私もその議論がどのようなものだったかは報告を受けました。その報告に基づいた私の感想を申し上げると、待ちに待っていたという感じがしますね、この委員の皆さんは。しばらく休止が続いたじゃないですか、このカーボンプライシング小委が。それがようやく再開をされて、しかもその再開をされた環境というのが今までとは全く違って、総理の指示の下で環境省、経産省が連携して議論を進めるようにと。更に、今までとは違い、経産省がオブザーバーとして入ってくれた。環境省もこれから経産省にオブザーバーに入る。こういった中で、私は冒頭の発言でオンラインで皆さんの参加者、委員の皆さんのお顔を拝見しましたけど、何か今までとは違うなという、この議論が何か両論併記でまとめるのが目的ではなく、本当に両論をしっかりと議論した上で一致点を見いだしていかなければいけないフェーズなんだという緊張感とそして期待と、こういったものがミックスされているような、そんな議論が交わされたというふうに捉えています。ですので、今後特に苦労する業界というのがあります。例えて言うなら鉄鋼、そして自動車、脱炭素の移行に非常に御苦労されると思います。だからこそ、そういった方々の思い、こういったこともしっかり聞いた上でどのように前進を見ることができるかを間口を広げて議論を進めていきたいと、そんなふうに考えています。非常にいい1回目だったと思います。

(記者)電気新聞の匂坂です。昨日のカーボンプライシングの小委員会についてお伺いしたいと思うのですけれども、大臣が冒頭の御挨拶でカーボンプライシングはカーボンニュートラルの実現において成長につながるカーボンプライシングが不可欠だとおっしゃいましたけれども、まだ制度の議論はこれからという状況においてカーボンプライシングは不可欠と考える理由は何でしょうか。
(大臣)私がカーボンプライシングがカーボンニュートラルの実現に不可欠だと考えるのは、脱炭素に向けて排出抑制に頑張っている企業が報われるようにすること、そして価格インセンティブをしっかりと社会の中に位置付けることによって脱炭素に向けた新たな産業、そして雇用の創出につなげていく、こういったためには、やはり一社一社の企業の、今、自主的な2050年目標とか非常に前向きな動きが出ていますが、それだけで民間の皆さんの自主的な行動だけを我々が期待をして2050年カーボンニュートラルを実現するのは不可能だと私は思っています。なので、このカーボンプライシングというものが炭素税、そして取引、クレジット、いろんな選択肢があります。ただ、そういった中で成長につながる形はこれだというものを、今後経産省ともよく連携をして、そしてなかなか難しいなと感じている産業界の皆さんとも意見交換をした上で、日本にとって成長につながる新たな産業、新たな雇用につながる形を描いていきたい。むしろそういった価格インセンティブ、値付けがされない中での2050年カーボンニュートラルの実現を描く方が私は難しい、そういうふうに思っています。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/iEUulfKvupo

(以上)

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