小泉大臣記者会見録(令和3年1月12日(火)10:28 ~ 10:47 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 今日は閣議では環境省関係の案件はありませんので、冒頭2点触れたいと思います。1点目がワンプラネットサミット、そして2点目がインドネシアとの環境ウィークについて触れたいと思います。まず、スライドでも今お示しをしてありますが、このワンプラネットサミット及び「自然と人々のための高い野心連合」について御報告をしたいと思います。まず、これはこのペーパーにも書いてあるとおり、フランスの大統領府が国連、世銀と共催で第1回ワンプラネットサミットを2017年に開催して、その後、毎年開催されているものです。コロナの影響で生物多様性COP15の開催が延期される中で、フランスが国連、世銀とこのサミットを共催して、日本からは私がビデオメッセージで参加をしました。議論を前に進めていくという各国の意思を国際レベルで確認し、COP15に向けた機運の醸成につなげる重要な機会となりました。また、このサミットで「ポスト2020生物多様性枠組」に、「2030年までに、地球上の陸と海の少なくとも30%を保護する」という目標の位置付けを求める「自然と人々のための高い野心連合」が発足をして、日本もこれに参加をしたということになります。今日はその動画を、こういうものですというものを皆さんに御紹介をしたいと思います。それでは、ちょっと御覧ください。これはマクロン大統領をはじめ各国の首脳です。この人がコスタリカの大統領ですね。という形で各国の首脳、そして大臣、これがメッセージをつないで、キーポイントのメッセージは今言ったように2030年までに海と陸、これの30%を保護する、これに日本が参加をしたということになります。そして、併せて、今回、閣僚会合でのビデオメッセージというのもありまして、それは流しませんが、今回このビデオメッセージのポイントは、日本が2050年までにカーボンニュートラルを目指すこと、そしてSATOYAMAイニシアティブで貢献をしていくこと、そしてコロナの危機に対して国際社会が協調して経済社会全体をリデザイン、環境省が言っているリデザインですね、このリデザインにする必要があるということの3点を発信しました。今回、この野心連合に参加することによって、野心的かつ現実的な「ポスト2020生物多様性枠組」の目標設定に向けて世界の議論に積極的に貢献していきたいと思います。
 そして、今日2点目になりますが、2点目はインドネシアのことです。今日から1月29日まで環境省とインドネシア環境林業省はオンラインで「日本・インドネシア環境ウィークイベント」を開催します。このイベントはASEANで最大の人口を有するインドネシアにおける脱炭素、海洋プラスチックごみ、水銀対策などの実施を支援することが目的であります。あした13日は私が出席して、インドネシア環境林業省と政策対話を行います。14日、15日には環境オンラインセミナーを実施して、両国の政府、地方自治体、民間企業などの参加の下で最新技術や政策動向を共有するとともに、環境分野のビジネスマッチングを行います。今回のイベントは昨年末に決定された「インフラシステム海外展開戦略2025」、これを実行に移す第一歩であり、両国間の政府の政策合意の下で地方自治体間の連携、民間のビジネスマッチングを通じて具体的な取組を進めていくものです。新興国の都市で2030年までに約30兆ドルの気候変動の投資ポテンシャルがあるとも言われている中で、巨大な脱炭素インフラ市場をめぐる大競争時代を勝ち抜けるように、引き続き、官民連携で日本の環境インフラ技術の海外展開を進めていきたいと思います。冒頭、今日は以上です。

2.質疑応答

(記者)NHKの岡本です。前回、先週金曜日の会見で、カーボンプライシングの制度検討チームを省内に立ち上げて協議を開始するというお話がありましたけれども、実際に最初の会合でどのような話が出て、定まった方向性がありましたら教えてください。また、中環審の小委員会の開催見通しについても併せてお願いします。
(大臣)まず、1月8日の閣議後の会見の後に、今回13名で構成されるカーボンプライシング制度検討チームの職員と打合せを行いました。私からは、まずカーボンプライシングというものを、環境省は相当議論の蓄積がありますから、まだまだ国民の皆さんとともにこのカーボンプライシングの土台となるような前提とか様々な世界の事情とか、こういったことを共有する必要があると思いますので、メディアの皆さん、そして国民の皆さんに分かりやすく説明ができるような、そんな共通理解、土台を築けるような資料やツール、こういったものを併せて必要なのではないかと、そんなお話もさせていただきましたし、検討チームの職員からは、それぞれチームの中での役割分担がありますので、役割分担、そしてそれぞれのこのカーボンプライシングに対する思い、こういったものも率直に話をしてもらいました。今後は経産省と連携して、産業界などの幅広いステークホルダーともしっかりと対話をしながら、国民の皆さんの理解が得られるようにしていきたいというふうに思います。小委員会、この日程については、今、事務方で調整の上決定しようということですから、決定したらメディアの皆さんにもお知らせをしたいと思います。私から検討チームの皆さんには、このカーボンプライシング制度検討チームというふうに名前はなっているけど、思いは実現チームだからと、そういうことをお伝えしました。

(記者)朝日新聞の戸田です。今のカーボンプライシングの関連で一つ教えていただきたいのが、経産省との連携の仕方について今どういうことを想定されているでしょうか。
(大臣)経産省、このカーボンプライシングの連携というのは、まず非常に大きかったのは総理から両省で連携をするようにと、こういった指示があったものですから、今まで環境省だけがカーボンプライシングに強い思いを持っているということではなくて、政府全体としてこの検討を進めていく。その中で経産省と密にコミュニケーションを取りながら、環境省が今まで小委員会などで蓄積したことも共有をしながら、そして経産省の観点もしっかりと聞きながら、これがどのように産業界の理解、国民の皆さんの理解、これが得られるものなのか、非常にこの連携を様々な形でやっていくことは大事だなと思いますので、今後、総理のところで梶山大臣と私と共に検討の指示を受けたのですから、折を見て、また梶山大臣と私で総理の方にその検討の進捗などもお伝えに一緒に行きたいなと、そんなことも考えています。
(記者)先週、再エネの規制点検のタスクフォースがあったのですけれども、その中で河野大臣が容量市場の見直しについて議論をするときに、経産省だけじゃなくて環境省ときちんと議論をした上でやっていただきたいという発言がありましたが、環境省としてどういうふうに関わっていくのか、いけるのか、関わり方など大臣の考えを教えてください。
(大臣)まず、容量市場の問題は、私が昨年、閣議後の会見でも何度か問題意識を触れたところです。それを受けて、今回、河野大臣の方からもこの再エネタスクフォースの議題に容量市場が上がって、そして河野大臣の方から、今後、経産省だけではなくて環境省もということは、私はエネルギー政策の所管は一義的に経産省、ただ脱炭素、気候変動対策全体をまとめる、こういった立場としての環境省として、日本国内のあらゆる政策の中で脱炭素と逆行しかねない、そういったことに対して環境省として意見を述べていくものは当然のことだろうというふうに思っています。ですので、環境省、今、国際社会でもこの容量市場、各国、ヨーロッパとかを含めて採用しているところもありますので、そういった世界の情勢などをしっかりと省としても、まず職員などを含めて共有をした上で、どのような方向性に行くことがこの容量市場というものが脱炭素と逆行しない制度設計になるのか、環境省としても経産省に必要な意見などは言っていくべきだろうと思いますので、そういったことの連携を経産省とも深めていきたいと。梶山大臣の方でもこの容量市場見直しに向けてという、そういった発信もされていますので、そこに貢献できるような形にできればと思いますね。

(記者)読売新聞の山下です。昨日、小泉環境相は総理面会があったと思うのですけれども、お答えいただける範囲で内容と総理のお話を伺えればと思います。
(大臣)まず、コロナというものは政府を挙げて、そして関係大臣が一致団結してそれぞれできることを全力でやらなければこの難局を乗り越えることはできないという思いから、総理はこの未知のウイルスに向かって様々な決断の背景には悩みもあると思いますし、そしていろんな賛否両論に対して幅広く声を聞きたいと、常に総理は今まで様々な決断の背景にそういう思いを持たれている方です。私としてはその総理が、これからコロナで様々な決断の連続が続く中で、現場を知っている医療関係者の方、私の縁のある方もいましたので、昨日は神奈川県の医療危機対策統括官の方、そしてECMOといわれる人工心肺装置、このネットワークを頑張っておられるECMOnetの小倉先生、厚労省とも連携されていますが、そういった方も含めて、もし総理の方でじかに直接情報を入れたいというようなことがあれば言っていただければということで、それで総理から週末ぜひということがあったので、御紹介をさせていただいたということです。私の思いとしては、少しでもこの難しい、今、緊急事態宣言が1都3県に出たような中で、更にエリアが拡大するかもしれない、こういったことも言われる中、環境大臣として廃棄物、感染性廃棄物のことをしっかり見るということと同時に、政府の一員として総理の力になりたいと、そういった思いを私は強く持っています。特にカーボンニュートラル、この方向性を政治家としての決断で示していただいたことで、今、環境省の政策は大きく前に進んでいます。こういった日本の今後にとって極めて重要な方向性を総理に決断していただいたこと、それがなければ今このような社会が、脱炭素の方向に向かう歯車が加速して回ることはなかったと思います。その総理に対してできる限り力を、微力ではありますが、私ができることがあればお支えしたい、そういう思いです。

(記者)産経新聞の奥原です。総理は緊急事態宣言と同時に、ビジネストラックの一時停止は見送る結果になりましたけれども、閣僚であったりとか、党であったりとか、かなり懐疑的な意見も聞かれます。御自身のお考えについて伺えれば。ビジネストラックの全面停止に関するお考えについても伺えればと思います。
(大臣)総理は今回、そういった党からの声、そして様々な御批判、こういったことについても耳にしていますし、そこも含めてどうするのかを考える決断の連続だと思います。今回、コロナという、命か経済かとよく言われますが、私は総理の中で今真っ先に、とにかく医療機関を逼迫させない、これ以上の限界を来さないようにすることがまず第一で、一方でコロナ以外で亡くなる方が増えるというような、そういった事態を今起こしてはいけない。そして、経済が今なかなか厳しい状況の中で、経済が悪化すれば自殺者も含めて増えていくということは、これもまたエビデンスがある話でもあります。なので、総理の中では大きく見たときに、いかにこのコロナの難局の中でコロナによる死者、重症者を出さないようにするかに加えて、総合的に経済全体を見た上で、社会全体を見た上で、コロナによって多くの命が失われるようなことを防がなければいけない、そういった判断だからだと思います。なので、この状況の中でテレビを見ていれば、100かゼロかみたいな議論はよく分かりやすいですからあると思いますが、私はそんなに単純な話だけでもないと思うので、大事なことは、総理がなぜそういう決断をされたのか、こういったことを政府全体としてもその決断の背景にある賛否両論も含めた意見なども耳にしながら、政府として決めていることなんだということを国民の皆さんに対してもより説明を丁寧にしていくことがこれからも重要なんだろうと、そういうふうに思います。必要な対策は次々に講じていく、今回こう決めたから、これでもう動かさないということでもないと思いますから、世界全体、各国のリーダー、一時に決めたことを絶対何があっても変えないということではなくて、コロナの状況は変わりますから。まさに今、変異株の話もありますけど、コロナ自身が変化をしているわけで、その部分に対して臨機応変に変えていくことを、今、後手後手とかいろんなことを言われますが、私はむしろ一時の政策にずっとこだわり続けてコロナの変異に対応できないようになるよりも、その変異に対して、変化に対して、状況変化に対して、スピード感を持ってその時々に必要な政策を機動的に打っていく、そういった姿勢として、今、菅政権の評価が高まっていくように全力で努力をしたいと閣僚の一員として思っています。

(記者)NHKの岡本です。水俣病についてお尋ねします。今年は公式確認から65年、更に環境庁設立50年という節目の年で、先週の会見では原点だという発言が改めてございました。今年の環境省としての水俣病への対応はどのように考えられていますでしょうか。また、先月には国水研の方で患者団体さんに対して、客観的評価手法の精度は現状で74%という説明がありました。この手法の開発と健康調査の今後の在り方について、どういうふうに考えられていますでしょうか。
(大臣)水俣病については、昭和31年の公式確認から数えて今年は65年目を迎えます。私自身も一昨年の10月19日に水俣を訪問して、水俣病の被害に遭われた方々などから直接お話をお伺いしましたが、一度失われた環境や健康、地域社会の回復がいかに困難であるかを痛感しています。メチル水銀の健康影響を客観的に明らかにする手法の開発については、昨年12月11日に今御指摘のあった国水研、ここが最新の研究状況を報告したところであります。今回の成果を踏まえて、引き続き専門家の意見を聞きながら研究の推進に努めていきたいと考えています。御指摘のように今年2021年は環境庁発足から50年、環境省となってから20年を迎えますが、水俣病は今日まで続く環境行政の原点であります。そのことを忘れることなく、この環境再生に対する思い、そして公害行政に対する思い、そういったことの不変の思いを環境省として大切にしながら、一つ一つ着実に積み重ねてまいりたいというふうに思います。御出席いただいた方から様々な御意見、御質問もあったと聞いています。今後の参考としても、現地の貴重な声の一つとして受け止めさせていただいておりますし、そういった声も踏まえて、環境省としてできることを積み重ねていきたいと思います。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/Wh_DqiY_-Gw

(以上)

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