小泉大臣記者会見録(令和2年12月21日(月)12:01~12:25於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。官邸で今日午前中、いっぱい会議があったので、その最後は梶山大臣と一緒に総理のところに呼ばれまして、カーボンプライシングについて両省でしっかりと連携しながら議論をするようにと、そういった指示がありました。梶山大臣と官邸を出るときに一緒に総理からの話を、一言、説明を2人でやりましたので、それについてはお話をしたとおりです。私としては非常に大きな一歩だなと。特に環境省にとっては歴史的な一歩だとも思いますので、今後はしっかりと経産省、そして産業サイド、様々な方の声を聞きながら丁寧に進めたいと思っています。梶山大臣にもこういった中での様々な連携をいただいたことを心から感謝しています。そして、今日の閣議では令和3年度当初予算、そして税制改正大綱が閣議決定されました。今日の冒頭発言は、そのことについての1点だけです。
 その前に、温対法見直しに関する報道についてありましたので、一言触れたいと思います。幾つかの報道にも出ていましたが、地球温暖化対策推進法の見直しについては、今日の午後の3時半から地球温暖化対策の推進に関する制度検討会において、今後の制度的対応の方向性の取りまとめについて議論される予定です。この検討会では、次の三つの重要な論点が議論されます。一つ目が、パリ協定や2050年カーボンニュートラル宣言を踏まえた長期的な視点、二つ目が、地域の脱炭素化に向けた地方公共団体実行計画制度などの見直し、そして三つ目が、事業者の脱炭素化に向けた温室効果ガス算定・報告・公表制度などの見直し、以上の三つが重要な論点になりますので、活発で建設的な議論を期待したいと思っています。
 そして、今日の冒頭発言の1点と言った、令和3年度当初予算案について御報告をします。環境省の当初予算案は、先に閣議決定された3次補正予算と併せて、2050年までのカーボンニュートラル実現を目指す予算です。ゼロカーボンシティが200自治体に迫り、人口規模では9000万人を超えました。補正予算と当初予算でそれぞれ約200億円、合わせて約400億円の支援パッケージを確保し、地域の脱炭素化を強力に後押ししていきます。また、デジタル分野、住宅や移動など、脱炭素型ライフスタイルへの転換を強力に進めていきます。もう一つの思いは、福島の復興と再生です。来年は震災から10年を迎える節目の年となります。環境再生に向けた取組の着実な実施に加えて、「再生可能エネルギー先駆けの地」、「ワーケーションの聖地」を目指す福島県の未来志向の復興を強力に支援していきます。さらに内閣府原子力防災については、原子力災害時における避難の円滑化対策などの充実を図っていきます。原子力規制委員会については、規制を支える安全研究の推進などのための予算を計上しており、引き続き委員会をしっかりとサポートしてまいります。今日は冒頭、以上ですので、あとは幹事社さんからあればお願いします。

2.質疑応答

(記者)毎日新聞の鈴木です。冒頭にあった総理との面会についてお聞きします。総理の指示の趣旨なのですけれども、政府としてカーボンプライシングの導入に向けた検討を指示したという理解でよろしいのかということと、今後、経産省としっかり連携してやっていくという趣旨なのですけれども、具体的に今、環境省に設置する有識者会議の方でも経産省はメンバーに入って議論していたと思うのですけれども、この場での連携を指すのか、それとも別の会議の場を設けるのか、その辺のお考えがあれば教えてください。
(大臣)まず、環境省も経産省も政府の一員ですから、そこに総理から、両省でしっかりと連携して議論をするようにと。これは間違いなく政府としての動きになるということです。そして、環境省の小委員会、これは変わらずに、私がこの前言ったように年明けに再開をする方向で調整を進めます。一方で、こうやって総理から、環境省と経産省が連携し、議論をするようにという中で、今後どのようにお互い意思疎通をして連携を進めていくのか、そこは併せてしっかりと経産省とうちとで、よく連携を、議論をしたいと思います。
(記者)では、別の会議の場を設ける選択肢もあるということなのでしょうか。現状としては。
(大臣)そこはもう胸襟を開いて、まさに今までだったらカーボンプライシングを表でこうやって総理からの指示で議論をするということはなかったわけですから、私は完全にフェーズが変わっているという理解でいます。そういった中で、経産省と一緒になって、どういった形であればカーボンプライシングが成長に資する形で描けるのか、そこはしっかりと議論すべきだと思っていますので、その連携の進め方としてどういった形が一番いいのか、しっかりとそこも議論をしたいと思います。

(記者)日経新聞の竹内です。これまでカーボンプライシングの議論については、産業界や経産省などの慎重な姿勢もあり、浮かんでは消えてきた歴史もあると思います。その点、今回、総理が経産大臣、環境大臣に同時に指示をした意義と、経産省や産業界の理解という観点でお願いします。
(大臣)まず大前提は、このコロナの危機の中にあるということだと思います。そういった中で、産業界、業界によってもちろんばらつきはありますが、経済状況を含めて、今、大変な御苦労が多いと思います。そういった中だからこそ、環境省としても成長に資する形のカーボンプライシングの議論をしなければいけないと思っています。ですので、ここは梶山大臣がこの前の記者会見で言われたとおり、成長に資する形の設計図を共に掲げること、こういったところで両省しっかりと連携をしていきたいと、そういうことです。

(記者)共同通信の深谷です。カーボンプライシングについてなのですけれども、制度としては排出量取引、もしくは炭素税があると思うのですが、どういった形を念頭に置いていらっしゃるのかということと、議論のスケジュールについてはどのようにお考えでしょうか。
(大臣)まず、出口の決め打ちはしていません。今御指摘があったような様々な制度、選択肢というのが国際的にもあります。そういった中で、日本の成長に資するカーボンプライシングというものを描いていかなければいけないと思いますので、そこは間口を広げて、そして今の産業界の皆さんの状況や、総理のカーボンニュートラルの宣言以降、急激に民間の動きも出ていますから、頭はもう完全に脱炭素化の方向で、いかにこれから日本の成長のためにマーケットを取っていくのか、技術を取っていくのかというところに私は切り替わっていると思います。そういった最新の状況や見通しなどもしっかり聞きながら進めたい、そういう思いです。そして、スケジュールについては、来年のうちに一定の取りまとめを目指して、環境省と経産省と議論を進めたいと思います。そこもしっかり梶山大臣と連携をしていきたいと思います。

(記者)テレビ朝日の藤原です。ごみの件についてお伺いしたいのですけれども、年末にかけて大掃除などでごみの排出量が増えてくるのかなと思うのですけれども、自治体からリチウムイオン電池の混入についてよく話があると思いますが、大臣として今後、家庭でごみを出される方とかにどういったリチウムイオン電池に関して呼び掛けとかあれば教えていただきたいということと、環境省として何かリチウムイオン電池の混入を防ぐために取り組んでいることがあれば教えてください。
(大臣)リチウムイオン電池を使用した製品がごみの中に紛れ込んでいると、衝撃が加わった際に発火して、ごみ収集車やごみ処理施設の火災などの原因となります。こうしたトラブルを防ぐためには、何より分別の徹底をお願いしたいと思います。リチウムイオン電池を使用した製品を捨てる際は、いま一度お住まいの市区町村のごみの分別方法について御確認をいただいて、それに沿った形で適切に分別して廃棄するように御協力をいただきたいと思います。環境省としては、特に近年急速に普及しているリチウムイオン電池を含む加熱式たばこについて、メーカーなどを主体とした自主回収、リサイクルの枠組みの確立が必要と考えています。このことから、廃棄物処理法に基づく広域認定制度の対象品目に加熱式たばこを追加するべく、先週15日からパブリックコメントを実施して、国民の皆さまの御意見を広く募集しているところです。また、今後も排出の増加が見込まれるリチウムイオン電池などについて、高度なリサイクル設備の導入を支援するとともに、破砕・選別工程の高度化などに向けた実証事業を実施します。加えて、リチウムイオン電池の発火の危険性を理解いただくための動画を作成するなど、適正な処理に向けた普及啓発にも取り組んでいきます。私としてはぜひ、環境省のサステナビリティ広報大使に任命をさせていただいたマシンガンズの滝沢さん、非常に分かりやすい発信をツイッターなどでもしてくれていますので、まさに滝沢さんというお笑い芸人と、そしてごみの収集員、こういったお仕事を兼ねている、その現場を知っている立場からの発信というのは、私も拝見しましたが、非常に分かりやすかったです。まさにこういった方に環境省として広報大使をお願いしている意味は、この年末年始、多くの皆さんが家の掃除とかをされると思いますので、参考にしていただきたいなと思います。

(記者)時事通信の武司です。カーボンプライシングについて、先ほど大臣が来年のうちに一定の取りまとめを目指すというふうにおっしゃっていたのですけれども、しつこいようですが、来年末の要求に入れるという可能性も排除せずに、検討を目指すということなのでしょうか。
(大臣)言ったとおりです。来年のうちに一定の取りまとめを目指して、経産省とも議論の連携をしていきたい。その中で議論の中身が詰まり、そしてどういうスケジュールになるのか、まさにそれは今後の話だと思います。ただ、思いとしては、来年のうちに一定の取りまとめを目指してやる、その思いです。

(記者)産経新聞の奥原です。先ほど大臣は、会見の前に担当課長が(大臣室に)入っていたと思うのですが、カーボンプライシングに関して、何か指示はされたのでしょうか。
(大臣)担当課長、しょっちゅう入っていました。特にこのカーボンプライシングについては、まさに思いを持って取り組んできたのが、担当課長をはじめ、このカーボンプライシングに関わっている環境省の職員も多くいます。私としては、そういった職員の思いをいかに実現の段階に向けて、政治レベルのコミュニケーションも梶山大臣や総理も含めてしっかりとやりながら、環境省を挙げて形になるように努力をしたいと。そのためには、やはり職員とのコミュニケーション、そして様々な今までの議論の蓄積がありますので、そういったことを踏まえて政治家としての行動をしなければいけないと思いますので、今後も密に連携をしながら、省内の意思疎通をしっかりとすることは大前提ですから、その上で経産省ともしっかりと議論をしたいと思っています。今後も、今日とか明日とかにかかわらず、常に意思疎通はしっかりとやっていきたいと思います。もちろん今日の梶山大臣と総理とこういった話をしたということは、担当課長にも報告したのは当然のことです。共有するのは当然です。
(記者)本日の日経新聞さんに、再エネの2050年の比率、50~60%を参考値としてアクションプランに盛り込まれるというふうにありましたけれども、裏取りをさせていただければと思います。
(大臣)これはまさに裏を取る相手はこちらじゃないと思うんですけど、まず、報道で出たことは承知をしています。そして、報道によれば、これは参考値だというふうに書いてあると、これが報道だと思います。ただ、今、環境省は2030年に再エネ倍増、これを目指してやっているわけですから、この報道は2050年の50から60ですよね。我々が目指すところは2030年の倍増なので、残り20年なわけですから、私は、こういう報道はいろいろありますから、時々、観測気球みたいなのもあるし、こうじゃないだろうなと思いますけどね、50から60。我々は2030年に倍増を目指していますから、できる限り高く上げていく、そういった方向性に持っていかなければいけないと思います。

(記者)朝日新聞の戸田です。先週の話で恐縮なのですけれども、全国フォーラムがありまして、CYJの若者の方から機運を高める一つとしてCOPの誘致の話がありました。大臣としてはそれをどのように受け止めたのか、やりたい意向のようなものがあるのか、その辺りを教えてください。
(大臣)思いはものすごく分かります。そして、それがCOPを日本に誘致するということが実現できたら、間違いなく日本の中での国際的な議論を、日本の中でも共有する機会になり得るだろうし、日本の中での気候変動に対する思いを高めることにつながる、そういった発想からすれば、この若者のCOPを誘致してくれという思いは、私はものすごくよく分かります。一方で、今、若者たちが言っているCOP28ですかね、だから、来年が26ですから3年後ということになります。そういった時点になると、日本は今度、G7の議長国、こういったところにも当たるので、まさに国際的なG7というものを日本として仕切るという、こういった部分の大仕事と、一方でCOPをどうするかという中では、運営体制を含めて環境省だけで決められるかというと、これは本当に政府全体の話、そして様々な国際情勢の中での判断、これが加わると思います。なので、現時点では若者の思い、とにかく気候変動の問題意識を国内でも高めていくために、そのアイデアもあるのではないかというボールだと思います。そのボールを受け止めて、今回のこのCOPの誘致ということに限らず、あらゆる施策を通じて、そのことを求めている若い世代と環境省の施策の強化が同じ方向に行くように、私としてはしっかり努めていきたい。まさに国と地方の今週に始まる官邸での会議、そしてカーボンプライシングでとうとう経産省と環境省が共に議論をするとなった方向は、若者が求めている気候変動政策の強化という方向と私は全く軌を一にしていると思うので、そういったことも若者へも伝えたいなと思っています。

(記者)読売新聞の山下です。カーボンプライシングの関連で、ファッションロス等々では、省内でプロジェクトチームのような、いわゆる本業とは別でいろんな人が集まって、その課題に対して取り組むようなアプローチを既にされていらっしゃるのですけれど、カーボンプライシングという重大施策に関して、今後、課を横断したり、専門の部門というか新しいセクションをつくるとか、何か組織的に強化するというような、考えていることがあれば教えてください。
(大臣)次官には、これは大仕事になりますから、しっかり体制を考えるようにという指示を出しています。

(記者)毎日新聞の鈴木です。追加質問で恐縮なのですけれども、カーボンプライシングで、従来から大臣はカーボンプライシングについては環境省が主導すると何度も言及されてきました。その気持ちは、連携・協力ということになっても変わらないのでしょうか。
(大臣)まさに主導する思いがあったから、今日の日を迎えることができたんじゃないかと。このカーボンプライシングというのが環境省だけが言っている、そして言うのは毎年の恒例行事だという、こういったところで終わっていたら、いつまでたっても実現しないと思います。それを実現の運びに持っていくには、私は、連携をしなければいけない、そういった中で成長に資する形で描けなければ実現しないというその思いは、私は梶山大臣と共有している思いですので、環境省が主導とか、そういったことだけにこだわるよりも、私は実現にこだわりたい。そういったことに向けた第一歩が始まるということなので、まさに今まで主導してきたわけで、その中で多くの蓄積があるわけです。それを最大限に発揮して、そして経産省ともそういった蓄積を共有して、実現に向けて前を向いて話を進めていきたい。その中では、丁寧にやるべきだと思います。

(記者)産経新聞の奥原です。カーボンプライシングに関して、これまで経産省側としましては排出量取引などは歯牙にも掛けないというようなスタンスだったかと思いますけれども、今、伺っている話では、梶山さんがかなり環境省に寄り添ってくるような感じがするのですけれども、梶山さんに対しては何か働き掛けなどはされたのでしょうか。
(大臣)いろんな形でコミュニケーションを取っていただいていますので、そういったこと抜きに今日の日はないと思います。そして、梶山大臣の方でも、この総理のカーボンニュートラルの宣言以降、産業界の動き、そして変化、これを受け止められている立場です。経産省は産業サイドの役割ですから。その中では、我々とは違って産業界の中の様々な不安だったり、そして一部の抵抗だったり、こういったものを受け止める立場が梶山大臣の立場でもあります。そういった立場にある梶山大臣が、成長に資する形であればカーボンプライシングは検討になり得ると、そういったことを発信してくれているということを私としても感謝をしていますし、今後大事なことは、その産業界の声を主に受け止める立場でもある経産大臣、経産省を我々がカーボンプライシングの今までの議論で蓄積したことで支えていくこと、貢献をしていくこと、こういったこともすごく大事なことだと思います。年明けには、環境省と経団連の合意に基づく意見交換、これの第2回目、こういったことも調整をしていますから、そういったことも含めて、我々ができる産業界との丁寧なコミュニケーションも同時並行で走らせていきたい、そういうふうに思います。

(記者)日刊工業新聞の松木です。今のカーボンプライシングに絡んで、成長に資するという話がありましたけれども、どのような成長を見せるかによって、経済界の不安も払拭できるかと思うのですけれども、大臣が考えている成長とはどのようなものなのか、お考えをお聞かせください。
(大臣)まず、この時点で言えることは、今コロナで経済界、そして産業の状況はどういうことにあるのかということを、環境省も思いをしっかり致す必要があるなと。そこを抜きにカーボンプライシングを語れないと思います。だから、先ほど御指摘があったとおり、今から出口を決めた議論ではなくて、しっかりと声を聞いた上での成長に資する形の設計図を描いていく作業、これを丁寧にやる必要があると思います。

(記者)フジテレビの三上です。カーボンプライシングの件で、先ほど経団連の方と意見交換をするとおっしゃっていましたけれども、中小企業とかを抱える日商とかは、なにか議論とか今後の検討対象になるのか教えてください。
(大臣)日商さんとも、今、環境省は連携を取りながら意見交換をやっていますし、私の方でも日商と近いうちに会う予定があります。そして、その中では特に日商さんは地域での中小企業を含めて、例えば、今後ガソリンスタンドを経営されている方が脱炭素社会という中で脱ガソリン車という動きが進む中で、これから地域のガソリンスタンドはどういうビジネスに変えていければいいんだろうかとか、我々にできることは何だろうかという議論は間違いなくあると思います。環境省としては、今週から始まる国と地域の脱炭素会議、こういった場でも、その地域の暮らしという面での脱炭素化を前向きな方向にするための知恵やアイデア、そして中小企業の現状なども日商さんからしっかりと受け止めたいと、そんなふうに思います。

会見動画は以下にございます。

https://www.youtube.com/watch?v=Xt2TGM8moxA

(以上)

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