大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年5月1日(金)9:01 ~ 9:34 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日5月1日は、水俣病公式確認から64年を迎えた日であり、例年、熊本県水俣市において水俣病犠牲者慰霊式が行われています。本来であれば、私も出席をした上で水俣病慰霊の碑を前にお祈りをささげ、患者の皆さまと再びお会いしたいと思っていましたが、式が今回延期となりまして大変残念に思っています。環境省としては、式の延期にかかわらず、引き続き水俣病問題の解決に向けてできることを一つ一つ、着実に積み重ねていきたいと思っています。水俣病が発見された当時、原因も分からず患者発生が相次ぎ、地元では奇病と呼ばれ、伝染病として恐れられました。そして、水俣病に対する無理解が、差別や偏見を生みました。現在、水俣病の原因は、メチル水銀が原因であるということが分かっており、環境省では、地域社会の絆の再生に取り組んでいるところです。水俣病に対する差別、偏見は今もなお続いており、いったん社会に生まれた差別、偏見はなかなか解消できるものではないことを痛感しています。こうした歴史を踏まえた水俣病における教訓の一つが、病気のことを正しく理解し、患者の立場に立って考え、行動することが大切であるということです。今回、式の延期は新型コロナウイルス感染症によるものでありますが、国民が一丸となって立ち向かうべき中で、感染した患者本人やその御家族、医療従事者などに対し心ない言葉が浴びせられる事案が報じられています。こうした報道を耳にして、新型コロナウイルスをきっかけとする差別や偏見が社会全体にまん延することを危惧しています。このような不当な差別を行うことは、決して許されるものではありません。今回の新型コロナウイルス感染症について、国民の皆さま方におかれましても、この病気に対する正しい知識と理解を深めるとともに、感染に見舞われた方やその御家族、そして昼夜問わず最前線で闘っている医療従事者の方々などの立場に立って行動していただくことをお願いします。我が国が経験した水俣の教訓をもとにした、こうした一人一人の行動や日々の心掛けが、自分自身と自分の大切な人たち、そして、社会全体を守っていくことにつながるものであると確信をしています。
 2件目は、本日、初となるテレビ閣議の開催についてであります。今日、この記者会見の前には閣議を史上初めてテレビ会議形式で開催しました。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、4月10日以降の閣議は持ち回り形式で開催してきましたが、今日はテレビ会議形式で開催をして、滞りなく終了しました。私は、かねがねこういった機会に、閣議も含めてオンラインなど柔軟な形での対応もあっていいのではないかと、そういったこともお話をしてきたところ、様々な関係者の皆さんの御協力のおかげで、今日、史上初のテレビ閣議という形に実現をしていただいて、そして参加をできたこと、これを大変感謝しております。先日、官房長官ともお話をしましたが、一回やるぞ、というふうに声を掛けていただいて、今日の実現に至ったことは、今後いつ、実際に会えない環境で閣議をやらなければいけないということも想定し得るわけですから、この一歩を通じてより危機管理が実際なされるような形につながればいいと思います。2点目は、閣議の件でした。
 3点目は、今日、私の目の前にも置いてあります、福島県飯舘村の長泥のお花についてであります。環境省の再生利用実証事業の状況について御紹介をさせていただきます。今年2月、実証事業を進めている飯舘村長泥地区を訪問した際には、住民の皆さまからトルコギキョウ、ストックをいただき、閣議後の会見の場で紹介をしました。また、その際は、法務省、復興庁、農林水産省、経済産業省にもお花をお渡しをして、会見の場での紹介などといった形で活用していただいたところです。今回、長泥地区のビニールハウスにおいて、これまでと同様、住民の皆さまに大切に育てていただいたカンパニュラという花が届きました。こちらですね。環境省で活用させていただくとともに、今回、経産省の方からもぜひ使いたいと、そういったお話がありましたので、梶山経産大臣にも今回お花をお届けをして、恐らく今、梶山大臣の方でも記者会見をされると思いますが、同じように、今日、お花を梶山大臣からも御紹介をいただけるというふうに聞いています。引き続き長泥の取組を広く、全国の方々に知っていただけるように、様々な場での活用を図っていきたいと思います。先日の会見でも申し上げたとおり、長泥地区では、本年度はこれまで行ってきた花や資源作物の栽培に加えて、震災前に住民が栽培していた食用作物の試験栽培も実施する予定であります。引き続きこうした地元の皆さんの声にしっかりと耳を傾けつつ、政府一体となって被災地の復興に向けて全力で取り組んでまいります。
 次が、補正予算の成立についてです。昨日、令和2年度補正予算が成立しましたのでお知らせをします。この補正予算の環境省からの施策、その一つとして、日ごろから国立公園などでツアーや宿泊などのサービスを御提供いただいている事業者が大打撃を受けている点があります。これを踏まえて、収束後の反転攻勢に向けたツアー実施などの準備に支援を行うことによって、事態収束までの間において約1000人規模の雇用の維持・確保に貢献することとしています。また、感染拡大防止に向けた長期戦への対応として、飲食店等における高機能換気設備などの導入支援を行います。担当部局には既に多くの問い合わせが来ていると聞いており、本事業を通じて、3密のうち密閉空間を防ぎ、感染拡大リスクを低減しつつ、経済活動の回復を脱炭素化と併せてしっかりと後押しをしていきたいと思います。このほか、サプライチェーンの再編や生産拠点の国内回帰に当たっての再エネ導入支援なども含めて、いずれも当面の雇用創出と反転攻勢に必要な設備の迅速な導入に資する、緊急性の高い施策を補正予算に計上しました。引き続き事態収束と収束後の持続可能な社会の発展を実現すべく、全力を尽くしてまいります。この件につきましては、昨日の予算委員会、おとといの予算委員会でも野党の方から私の方に質問もありましたが、今回、まさに記者の方の中にはオンラインでの国立公園の周りの観光事業者と私の意見交換、ヒアリングに参加していただいた方もいると思いますが、現場の方から、反転攻勢までもつかどうか分からないという声も受けて、今、環境省ができる仕事を創出すること、雇用を創出することが何かないかと。これは環境省として大変異例な雇用政策でありますが、こういう形を打ち出して、いざ事態収束のモードに入って、段階的になるとは思いますが、経済活動が再開される、そこまでの間に一人でも多くの事業者の方に、この危機を一緒になって乗り越えていけるように、今回、積算をすれば大体1000人規模の雇用をこれで確保できるのではないかという見立てをしていますが、ぜひそういった声を受けて考えたものですから、御活用いただいて、今の苦境を一緒になって乗り越えていければと、そういうふうに思っております。
 次もコロナ関係であります。先日、加藤厚労大臣との共同記者会見でもお伝えしましたが、新型コロナウイルス感染対策の最前線に立たれている厚生労働省に対する支援として、困ったときはお互いさまという思いを持って今般、環境省から計20名の職員を派遣をしました。今週火曜日には、加藤大臣に直接お目にかかって、この旨をお伝えをして、厚労省がやっているコロナ対策の業務と無関係な、純粋な支援を役所として厚労省に対してするのは初めてのことであると、加藤大臣からは、特に環境省のように霞が関の中では小さな規模の役所で、それが20名規模で人を派遣していただけるということは、最大規模であり、かつ初めての支援ということで大変感謝をしていただきました。加藤大臣には直接、環境省から派遣された職員にも激励をいただきました。そして、今、この我々がいる建物は厚労省と一緒の建物です。厚生労働省の執務室のスペースが逼迫をしているということから、環境省の19階、第2、第3会議室を厚生労働省新型コロナ対策本部に貸与することにしまして、対策本部の執務室スペースとして使用してもらうことにしました。この環境省の19階の第2、第3会議室は、マスクなどを購入している部門が利用する予定だというふうに聞いています。厚生労働省への協力については、霞が関各省庁でできる限りのことを行うことが重要であると考えていますが、まずはこの同じ5号館に入っているよしみもありますし、厚生省と環境省はもともとは一体だったという、そういう歴史的な経緯も含めて、できる限りの協力は全力でやっていきたいと思います。また、厚労省は、いくらでも人がいればありがたいというふうに言っていますから、こういった環境省の一歩が、他省庁のより強力な支援につながることを私としては期待をしています。
 次は、気候変動関係についてもお知らせをしたいと思います。4月28日の夜にウェブ会議で開催された気候変動に関する閣僚級会合、ペータースベルク気候対話に参加をして、約30カ国の環境大臣、さらにはドイツのメルケル首相、グテーレス国連事務総長と、新型コロナウイルスからの復興における気候変動対策の在り方などについて議論しました。会合では、私から、新型コロナウイルスと気候変動、この世界共通の敵との戦いに打ち勝つためには、一人一人の行動と国際協調が不可欠であることを述べました。その上で、COP26に向けて、COPのようにすべての希望する国が参加可能な形で、新型コロナウイルスからの復興と気候変動対策に関する取組について共有をして、互いに連携をするオンライン・プラットフォームをできれば今年の夏ごろに開催することを提案をしました。この提案については、その場でメルケル首相からも、おもしろいと、インタレスティングだという反応もあり、そして、国連のグテーレス事務総長からは、全力でサポートする、全面的にサポートする、そういう御発言もあり、翌日に公表されたこの会合の共同議長総括の中でも明記をされています。また、参加者、そして視聴者から関心が寄せられているところでもあります。今回、共同議長を務めたドイツ、イギリスなど各国や、UNFCCC、国連の気候変動枠組条約事務局とも調整しつつ、日本として貢献をしていきたいと考えています。
 最後になりますが、今日から気候変動対策と節電の観点からクールビズを開始します。といっても、環境省は1年中それぞれに考えていただければいいので、環境省としてはもう既に始まっているというふうに言ってもいいと思いますが、政府としては5月から9月末までをクールビズの期間として、夏季の室温の適正化とその温度に適した軽装を広く呼び掛けるとともに、10月でも暑い日には、室温の適正な管理と各自の判断による軽装を呼び掛けるということにしています。私はかねがね通年、1年中一人一人が考えるべきことだというふうに言っていますので、11月以降も一人一人考えていただければいいのではないかということは促していきたいと思います。今年は緊急事態宣言が行われた中、これまでと異なる状況の下での開始となります。今日地球環境局に取材が入ると聞いていますが、ぜひクールビズの状況だけでなく、7割以上出勤回避をしているこのオフィスの状況も記者の皆さんには御覧をいただきたいというふうに思います。こうした中、自宅でも適正な室温の下、業務に臨んでいただけるように御協力をお願いしたいと思います。冒頭、長くなりましたが、私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)NHKの杉田です。先ほどお話がありましたクールビズに関して、本日から始まると思うのですけれども、今年は新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、例えば一つの場所に集まり、冷房を使うクールシェアであったり、なかなか呼び掛けにくい状況もあると思います。そういう状況の中で、具体的にどんな取組を大臣として呼び掛けたいかお伺いできればと思います。
(大臣)まず一番重要なことは、新型コロナウイルス感染症対策として、在宅勤務をはじめとした外出自粛にまずは御協力をいただきたい。その上で、自宅においても体感温度を下げるために、冷房だけではなくてうちわとか冷感グッズ、冷却シートとか様々あります。こういったことも使用したり、カーテンなどの利用で窓からの日光が入ってくる日射の侵入を防ぐ、そういったことの工夫で室温の適正化を図って過ごしやすい環境をつくり出すこともできると思います。こういうふうに3密を確実に避けて、外出自粛を行いながらも各自の工夫でクールビズを実施していただいて、室内での過ごしやすさを確保していただきたいと思います。今、こうやってテレワークがだいぶ進んでいくと、恐らく今まで以上にカジュアル化という方向に進むのではないかなというふうに私は思いますが、その快適な形でテレワークや自宅での過ごし方、これを個人個人、自分に合った形で見つけていただくことが、結果として自粛しやすい、快適に自粛が、少しでも過ごしていただけるようなことにつながるのではないかなというふうに思っていますので、ぜひそこは新たな環境の中で動きが出てくることもまた期待をしたいなと、知恵が様々出てくるんではないかなと思っています。

(記者)毎日新聞の鈴木です。前回の閣議後会見の中で、大臣から、家庭から出るごみ袋に清掃員への感謝のメッセージを書くこともいいのではないかという御提案がありました。それを受けて、特にインターネット上では善意の押し付けではないかとか、そんなことよりも清掃員への支援の方が大事じゃないかという意見が相次いでいて、大臣の御発言に対する肯定的な意見を見つけるのが難しいような状況です。今回のこういう状況をどう受け止めていらっしゃるか、お聞かせください。
(大臣)今、何か言えばいろいろ言われるということは覚悟しながら、発信すべきは発信したらいいと思っていますし、ごみ袋に「ありがとうございます」と書くこと自体は何ら否定をされることではないですよね。ですので、そういう批判のことも含めて、批判の方はその代わりに、ありがとうという言葉に代えてごみ袋に書いていただければと。そして、環境省としては廃棄物を担当していますから、現場の皆さんに、日ごろからなかなかごみを回収していただくということが当たり前だと思われていて、これだけ今、日々のリスクがある中で活動していただいていることに感謝を申し上げる機会って社会全体でなかなかなかったと思います。まさに今こそ、そういう声を、現場でリスクを覚悟しながら働いている皆さんに伝える機会ではないでしょうか。そして、そのときにしっかり縛っていただくこと、また分別を適切にやっていただくこと、そういったことを通じて、現場の方が少しでも感染リスクが下がるように御協力をいただきたいと思います。そして、環境省としても、この廃棄物処理業の皆さんに適切にマスクや防護服の確保、そして今後様々経営状況も、産業の活動がこれだけ停滞していますから、一般廃棄物、産業廃棄物、それぞれいろんな動きが出てくると思います。そこにきめ細かく目を配って、できる限りの支援をしていきたいと思います。なお、批判だけではなくて、私もやろうというふうに参加をしてくれている方も出てきているのも事実です。あれ以降、私も、ごみ出しをするときは毎回書いています。いいんじゃないでしょうか、いろんな反応が出るのは。それも受け止めて、できることはやります。

(記者)フジテレビの鈴木です。家庭ごみの関係なんですけど、今、外出自粛の影響で家庭ごみが増えていることが問題になっていまして、中でもデリバリーやテークアウトの増加でプラスチック容器の使用が増えてまして、これがごみの増加の要因になっているのではないかと思うのですが、こうした飲食店がプラスチック容器を使用していることに関して、環境省としての考えと、もし対策等があればお聞かせいただけますか。
(大臣)今回、相当デリバリー、テイクアウトが増えて、また自宅で多く過ごすことで、家庭からの容器包装などのプラスチックごみが増加傾向にあることが、これは日本だけではなくて、海外でもそういった状況にあるということが指摘をされています。新型コロナウイルス感染症対策の様々な場面でプラスチックが利用されていることの表れだというふうにも理解をしています。そうした中でも、国民の皆さんにはテイクアウトの際にプラごみを少しでも抑えていただくように、マイバッグなどを積極的に利用したり、使用した容器などのプラごみはリサイクルのために適正に分別、排出する、こういったことなど資源循環型のライフスタイルを実践いただくようにお願いをしたいと思います。そして、今お話があったようなデリバリーに伴うプラスチックごみの増加、この課題というのは、このコロナが発生する前から、私も海外との意見交換もしますから、海外からは既に相当デリバリーの中でのプラスチックごみが増えてきている、こういったことは私も耳にしていました。ですので、この機会に改めて、今後このプラスチックごみの世界規模での取組をより高めていかなければいけない事実は、コロナによって何ら変わることではありません。ですので、これを機会に、今後、恐らくコロナがある程度落ち着いていく段階の中で、経済活動が増えていった中でもデリバリーやテイクアウトというのはより根付いてくると思います。そして、仮に飲食店がもっと全面的に再開をされた後も、飲食店に食べに行って、食べ残したものをそのままお店でフードロスとして廃棄されてしまうのではなくて、それを持ち帰ってまた家で食べようとか、まさに今、環境省が進めているフードロス対策の一つでもあるドギーバッグを、持ち帰りをもっと根付かせられないかということに対しても、今、その持ち帰るための箱、容器、これをプラスチックではない形で作っている福島県の取組とかいろいろ出てきています。我々としてはそういったことを後押しする形で、結果、テイクアウト、デリバリー、持ち帰り、こういったところでの使用される容器が、こういったプラスチックではないような形がより出てくる、そういった後押しをやっていきたいと考えています。
(記者)関連で、今、福島の話が出たんですけど、家具大手のイケアがフードの販売もやっているのですが、今、日本のメーカーさんが作った木の容器でテイクアウトをやっているのですが、こういう取組についてどう思われますか。
(大臣)素晴らしいと思いますね。ぜひそれも一度拝見させていただきたいと思いますし、福島県自身が作っているテイクアウトボックスというのがあります。それも、木ではないですけど、紙を活用して、東京ガールズコレクションとも連携をしながら、今周知をしていますので、今のイケアさんの取組なども含めて、これが社会的にもっと広がっていくような後押しも環境省はやっていきたいと考えています。

(記者)朝日新聞の水戸部です。2点あります。先ほど福島の長泥地区で、食用作物の栽培も地元の声をきちんと聞いていくということだったんですが、一方でパブコメで3000通近く、時期尚早ではないかとか、汚染を広げるのではないかという意見もあったと思うのですが、そちらの方にはどう答えていくかというお考えがあるかということが1点と、あと、気候対話だったんですが、オンラインプラットフォームのことでメルケル首相からもインタレスティングアイデアということでやっていたんですが、具体的に夏に開くっていうのは、35カ国以上国はあるわけで、ウェブサイトみたいなものを作るイメージなのか、それともオンラインの会議をもうちょっと大規模に開くというイメージなのか、どういうことかもう少し教えてください。
(大臣)まず、ペータースベルクでのオンラインの話からいきたいと思いますが、これは今回、ペータースベルクはCOPとは違って30カ国ぐらいの参加です。COPは約200カ国の参加です。全く規模が参加国数も違います。その中で、COP25を経験した立場から言えば、このパリ協定、気候変動の枠組、取組を成功させる鍵はインクルーシブにやること、つまり包括性を持ってやること、一部の地域や国を排除するとか、そういったことでは絶対に合意には至れない、それがCOP25の教訓の一つです。それを考えたら、今回ペータースベルクはペータースベルクでいいと思います、いろんな方の意見を。しかし、そこに参加していない国の方が多いわけです。だとしたら、自分が参加したいという国はすべて参加できる形でプラットフォームをつくる。それは今、現実的に世界中の国が集うということは無理ですから。だとしたら、残された選択肢はオンラインではないかというのが私の思いで、かつそれはどういう形でやるべきかという私なりの思いというのは、実際今回もドイツが共催の一つですから、我々も夜の9時から11時すぎまでこの会議がありました。各国地域によっては時差で大変な対応があると思いますから、2、3日かけてそれぞれ各国がその国の時差、地域の時差、これに配慮しながらの形で、それぞれのコロナ対策をどういうふうに今やっているか、また気候変動対策をどのように併せて進めているか、こういったことを共有するような機会になればいいんじゃないかと。COP25を経験していただいた方は想像できると思いますけど、COPというのは、各国に3分間ずつステートメントの時間が与えられます。3分ずつバーッとすべての国が数日かけてやります。仮にそのオンラインプラットフォームがそういった形で、実際の交渉の細部までそのオンラインですべては無理だと思いますよ。だけども、今COP26が来年のいつになるのか全く読めないと。こういった中で、じゃあそこまで何もやらないんですかと。私はそれは、気候変動というコロナに加えてもう一つの危機、しかもコロナの前から存在しているこの気候危機に対してそこまで何もやらないというのは、私は全くいいことはないと思っていますので、今回提案をしようと。そういった形で提案をしたところ、大変前向きなお答えがあったので、日本からも技術的な協力は申し出ましたから、今後しっかりと調整をして、いい形で開催に至ればいいなと、そういうふうに思っています。
 1件目、長泥のお花のこともありました。これはまず食用作物のお話が今ありましたが、現場の思いです。この現場に何よりも寄り添っていきたい。もともと長泥で生活をされていた方々、その前の暮らしを考えたときにもともとやっていた作物をやりたい、その気持ちにどうやったら、我々環境省が力になれるだろうかと。反対の声があることもしっかり受け止めて、その声はその声でしっかり受け止めながらも、現場の御地元の御意見を受けて、一歩、少しの小さな一歩であっても前に進めていきたいということもまた同時に御理解をいただけるように、丁寧にこれから説明をしていきたいなというふうに思います。こういった御地元の御意見もありましたので、改正省令案の内容と今後の進め方について検討した結果、まずは様々な作物に対しての実証事業などを引き続き行って、その結果も踏まえて制度化の検討を行うことが最もいいのではないかなというふうに判断した次第ですので、今後キュウリとかトマトとか、御地元の方の今までやられていたことを一緒になって環境省は歩んでいきたい、そう思っていますから、今回お花をこうやって届けていただいていますが、食用作物の栽培が始まって収穫になって、キュウリやトマトが出来上がりましたら、これも私はぜひ食べにいきたいし、また送っていただきたい。生トマトは苦手ですけど、食べますよ。そういう思いです。

(記者)産経新聞の奥原です。本日、テレビ会議形式で開かれた閣議について、大臣が感じられた利便さ、不便さ。あと他の閣僚の反応であったり、やることにつながった菅長官と小泉大臣が話をされて1回やるぞという、その経緯について伺いたいのと、あと、コロナに関係して、アメリカやイギリスなど8カ国の政府が中国側に対して、初期対応を誤ったということで損害賠償を求めている動きについて、主権免除という法則もあるが、実際こういう動きについて御所感があれば教えてください。
(大臣)まず、今日、歴史上初めての閣議をテレビ会議でやるということで私も経験をしましたが、全く問題はありません。ぜひこういった形、今回は試行的ということでありますが、日本というのはいろんなところで前例踏襲主義、1回やったことは前例として次につながることになるけど、一度もやっていないことは前例がないことで動かないというのがよくありますから、今回、試行的であったとしても、この伝統と格式を重んじる、そういった、特にその中でもコアな部分の一つであるこの閣議というものにおいて、テレビ会議方式でやられたということは、私はものすごく大きな一歩だと捉えていますし、今回そのことを、以前から私はこのウェブ会議などで実際に会わずに、総理とかに対しても感染リスクを下げるということに対しても、よりこういった在り方が望ましいのではないか、柔軟性を持って在り方も考えていただけないかということを訴えてきた立場としては、先日、あれは官邸で開催されたときのコロナ本部に出席をした後だったと思いますが、官房長官から呼び止められて、「一回やるぞ」ということを言っていただいて、ああ、とうとう来たかと。ですので、実際に今日実現するまでの間には、いろんな多分セキュリティーの問題だとか懸念事項だとか、そんなことはやったことがないとか、いろんなことがあったと思いますが、官房長官をはじめ、もちろん総理の理解、そして内閣総務官室の準備に当たられた皆さん、こういった方々の御理解、御協力の上で実現されたことを本当にうれしく思っています。今後こういった一回試行でやったことが、何か次あったときも、必ず危機管理をより高めていく形につながると思いますので、私としては大変よかったなというふうに思っています。
 また、2点目の中国に対する各国の動きということがありますが、間違いなく言えることというのは、やはりこれは、もしも今まで誰も見たことがないような感染症、ウイルス、そういったもので患者が出たとか、そういったときにいち早く世界で共有をする、情報共有、これを隠すことなくやるというのは、これは当然のことですよね。そういったことに対しても、様々いろんな思いが今あるのも事実だと思いますので、今後、もちろん世界の中で協調してコロナウイルスに取り組んでいかなければ収束には至りませんが、また事態が改善をした後に、今後のこのコロナウイルスの次だって、またどんな未知なる感染症が世界中を襲うか分からないわけでありますから、今回の教訓をしっかりと検証して次に生かすということは不可欠ではないかと私は思います。