大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年2月4日(火)8:40 ~ 8:46 於:衆議院本会議場正玄関側廊下))

1.発言要旨

今日1点目は、昨日、原子力災害時に服用する安定ヨウ素剤の配布につきまして、関係の道府県に御連絡・御説明を行いましたので報告をしたいと思います。安定ヨウ素剤については、住民の健康を第一に考えて、十分な効果が得られるタイミングで服用できるように、確実に住民の手に渡ることが不可欠です。事前配布方式については、私も1回生の時に福島で原発事故が起きて、そして問題意識をずっと更なる体制の充実を含めて、万が一の時に備えて、できることがあるのではないか、そういう問題意識を持っていました。今年度11月の原子力総合防災訓練なども経て、周辺住民の皆様の健康と安全確保のために更に何かできないかということで、私の思い、そして自治体の皆さんから、事前配布する住民の範囲の拡大や配布手続きの簡略化等の御要望も頂いていました。こうした声も踏まえて、想定を上回るような複合災害の際にも住民の健康をしっかり守れることができるように、事前配布の一層の推進等配布方法のあり方を検討してきました。この度、住民の健康を第一に考えて、5km~30km圏内、いわゆるUPZにおいて、緊急配布の負担を考慮した場合、事前配布によって避難等が一層円滑になると想定される住民等に対して、既に一部の自治体では実施されていますが、安定ヨウ素剤の事前配布の取組を推進することにしました。また、従来の事前配布方式に加えて、町村役場や保健所などの公共施設における保健師等による事前配布、これも推進していきます。この件につきましては、金曜日にまた改めて説明をしたいと思います。1点目は以上です。
 もう1点目は、この予算委員会について一言触れたいと思いますが、連日気候変動のこと、環境のこと、これだけ取り上げられるようになったことを、気候変動の意識の高まりだと私もうれしく思っています。特に昨日は、私にとってはうれしい想定外だったのは、総理の前向きな、更に階段を上がる御発言があったなと思いました。今まで私はパリ協定、また日本の気候変動の長期目標、今世紀後半のできる限り早い時期に脱炭素社会を実現するというのは2051年を含むということを言ってきましたが、この前、公明党の斉藤幹事長からも質問の中で2050年を視野に実質排出ゼロを目指すべきと御発言があり、昨日の国会で公明党の岡本先生からの質疑の中で、安倍総理からも、目標についてはまさに今世紀後半のできるだけ早期、すなわち2050年も視野に、2051年に実現できれば一番いいと思っているという御発言がありました。これは間違いなく気候変動の高まりを受けて階段を上がってきたなと。総理の口から「2050年を視野に」「2051年」、このワードが出てきたというのは、今まで2051年という、この閣議決定の中で、どのように、より野心的なということを考えてきた立場としては大変うれしく思いました。これからもこういった問題がより多くの人たちに広がって、環境政策が前に進んでいくことに全力で取り組んでいきたいと思います。以上です。

2.質疑応答

(記者)安定ヨウ素剤について、今後どのように進めていく方針でしょうか。
(大臣)まず昨日は、自治体の皆さんがこれは主に担うことになりますので、丁寧な連絡、そして情報共有、様々なサポートも必要だと思います。安定ヨウ素剤というのは、万が一のときに飲むタイミングが重要です。しかし、あの福島の複合災害のときのことを思い返せば、果たしてそういう万が一のときに、本当にタイミングを、ここだというときに飲んでいただけるような提供体制が果たして整っているんだろうかということも含めて問題意識を持っていたので、今回事前配布ということで、万が一のときに自ら飲んでいただけるような、そういうことに向けての前向きな一歩が進んだというのは、私はよかったと思いますし、関係の方々、厚生労働省とかとの調整もありましたから、そういったことも前に進んだことは関係者の皆さんに私からも感謝したいと思います。あとはもちろん、使わないことが一番ですから、決して安全神話に陥ることなく、二度と福島の教訓を決して忘れることなく取り組み、また、避難計画作りなども自治体と共にやっていきたいと思います。

(以上)