大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和元年12月11日(水)18:05 ~ 18:17 於:COP25Press Conference room前)

1.質疑応答

(記者)フジテレビの加藤です。まず、二日目、ステートメント、内外会見と、国際的に発信をする日となりましたけれども、いかがでしょうか。
(大臣)そうですね。午前中政府代表のステートメント、これがありました。その後、5つのイベントへの出席、ブラジルとのバイ会談及び経団連との面会を行いました。最後にいま内外記者会見が終わりましたけれども、ぶら下がりやります? まず、今回出張中でも特に重要視していた、日本政府代表としてのステートメント、このステートメントでは、石炭政策への批判等の逆風の中で、世界に正しく評価されていない日本の前向きな行動をアピールしたいとの思いの丈を込めました。私の込めた思いは、今内外記者会見で申し上げたとおりです。私は率直な正直な思いは国際社会に間違いなく伝わったと思っています。これを石炭火力の批判で、いい取組がかき消され、覆われてしまっている今の日本の現状を変える一歩になると確信をしています。午後には様々なイベントに出席しました。「気候変動とSDGsのシナジー」、「気候変動と防災」のイベントでは、気候変動と防災、更には生物多様性など様々な社会的な課題対応への相乗効果を高めることがSDGsの達成につながるという観点から日本の取組を紹介しました。特に来年、水鳥真美さんがトップを務めている国連防災機関と連携して、国際会議を東京で開催すること、更に2021年2年後には、気候変動とSDGsのシナジーに関する国連の会合を日本で開催したいというそういった意向を私から表明しました。そして、私が就任直後に参加表明をした炭素中立性連合のイベントは、私が参加を表明した9月から、初めての関連会合で、ニュージーランドやマーシャル諸島といった脱炭素化をけん引する野心の高い閣僚とともに参加できたことはよかったし、コスタリカ、そして、先日毎日新聞の方にも、元アイルランドの大統領のロビンソン氏と共同寄稿してくれたトゥビアナさんともお話しすることができて、彼女から日本が参加してくれたことに対する感謝、そして日本の呼びかけによって韓国が炭素中立性連合に参加したこと、そして周りの国々に呼びかけるという取組に対する評価、今後の更なる連携をしたい。日本の脱炭素化に向けた取組をお手伝いしたい。そういったことを言っていただきました。なお、私が退席をした後でありますが、韓国のチョ・ミンレ長官も登壇されておりましたが、北九州での三カ国環境大臣会合でも御一緒しましたが、チョ・ミンレ長官からは私への感謝の言葉も述べられていたとお聞きしました。交渉に関しましても、アンブレラグループの閣僚と今後の交渉の進め方について意見交換するとともに、市場メカニズム6条の交渉の鍵を握るブラジルとのバイ会談を実施しました。まだまだ意見の隔たりが大きいわけですが、主要なカウンターパートと閣僚同士で議論できるいい関係を築けたことは、今後の交渉を進める上でも有意義であったと思います。最後に、いま内外記者会見を開催しました。非常に濃密な1日であったと。明日以降はイベントというよりも、閣僚級の交渉が本格化をしますが、交渉団、これは環境省にとどまらず、経産省、外務省、農水省、まさにワンチームですか、全員一丸となって前向きな交渉が進むように全力を尽くしていきたいと思います。
(記者)環境団体のNGOが、先ほど期間中2回目の化石賞、受賞しました。受賞理由といたしましては、大臣のステートメントに脱炭素に向けた具体的な対策、目標の引上げが含まれなかったことがあげられています。これについてはいかがでしょうか。
(大臣)まあ、おどろきはないですが、私が言ったとおり、もう初日にもらっているし、更にもらう可能性があると思っていました。受賞理由として今おっしゃった、新たな削減目標や石炭輸出への公的信用付与の取りやめを宣言しなかった、それに加えてまだあります。「ゼロカーボンシティズの自治体の取組は素晴らしい。が、中央政府も取り組むべき。」そういった受賞理由がまさに私の発信の効果だと思います。ここまで私が言ったポイントを受賞理由に挙げていただいて、的確に国際社会に発信できているなと。そして、更に申し上げさせていただければ、化石賞、日本は是非フルオロカーボンのイニシアティブを立ち上げましたから、フルオロカーボンオブザデイみたいなものを、世界に受賞してほしいくらいですね。なぜなら、我々日本、この分野は大変先進的な取組を行っていますが、このフルオロカーボンこれからどんどん増えていく中で、1秒間にエアコンが10台これから30年間売れ続けていく。そしてそれに伴って、日本でいうフロン。これがどんどん大気に放出されることがずっと続けば、結果的に脱炭素化できません。だけど現実はなんと世界で100カ国以上が結果的に脱炭素はできません。このフルオロカーボンに関する目標を設定すらしていません。そういった国には、是非、化石賞は fossil of the dayといいますが、フルオロカーボンオブザデイ日本から差し上げたい。それくらいの思いです。なのでCO2ばかり見ないで、こういうところも大事だと。日本はそういったところで、先進的な取組をやっているということを、これから伝えていくスタートだというのも、石炭の批判から真っ正面から向き合うという意味です。

(記者)共同通信の井田と申します。石井さんの質問にもありましたが、やっぱりNDC、数字が大事だと思うのですけれども、そこら辺の考えを改めて、これからどう議論していくのか、引上げを模索していくのか、お伺いしたいです。
(大臣)数字も大事だと思いますし、アクションも大事だと思います。数字をあげると言うことの話になると、数字だけでアクションはどうしたという批判になり、具体的なアクションに行くと数字はどうしたという批判もある。そういった中でやるべきことをやる。それにつきると思います。いずれにしても、提出をより強固な形でする、そういう方向で、COPから戻って政府の中でしっかり検討を加速させていきたいと思います。

(記者)毎日新聞の鈴木です。よろしくお願いいたします。先ほどの会見の中で石炭の輸出の部分で、そこについて今回改善の余地があると思ったので、取り組んだと発言がありましたけれども、改善の余地というのは、具体的にどんな改善の余地があると大臣自身思ったのでしょうか。
(大臣)いわゆる4要件というものがありますが、そういったことの中身についても、私は前向きなことができうると思いましたし、それは今でも思っています。ですので、今後もそういったことの働きかけ、調整については継続していきたいと思っています。

(記者)朝日新聞の松尾です。今、井田さん並びに毎日さんの質問と関連なんですけれども、いま大臣がお話になっていること、正論である部分も大いにあると思いますが、同時にひとつのルールの中で、この中でだったらできることをしているという風に受け止められます。このある種の足かせという状態は、環境省としての限界なのか、足かせというのはどういったものなのか、そのルールというのは外部にはわかりにくいと思うのですがいかがでしょうか。
(大臣)これは最終的にはエネルギー計画と結びつきますから、そういった中で政府間の調整は不可欠だということです。環境省だけで決められる問題ではありませんが、環境省が何を考えているのかということをしっかり持っていない中で、調整なんてできるわけがありません。ですので、私からは今回はっきり申し上げて、そういった調整に汗をかいた、そしてこれからも汗をかき続けます。
(記者)政府内での他省庁との調整という。
(大臣)もちろん今回のステートメントも、政府の代表としてステートメントをやっているわけですし、政府の代表としての対外的な発信を含めて、政府の中で関係の省庁とやりとりをするのは、当然のことだと思います。

(記者)NHKの杉田です。Climate Ambition Allianceについてお聞きしたいのですけれども、今日まさにAmbition Day、で議長国が呼びかけるイベントが行われていますけれども、日本としてこれはまだできていないというのはなぜなのか、
(取組)いろんな取組、Alliance そしてコアディション、グループ、イニシアティブありますから、どれかに入ったら評価されるというものでもなく、日本はまさにイニシアティブを今回、フルオロカーボンについてイニシアティブを自分たち立ち上げた。そして、いまこのアライアンスに入っていない、とおっしゃいましたが、フルオロカーボンについて何ら対策をとっていないという国々が世界で100カ国以上あるわけです。そこに、放置していていいのかということは、やっぱりもっと報じてほしいと思いますし、日本が強みとしてもっていることは、これからその強みは年々いきていくと思います。そして私自身が環境大臣になってから炭素中立性連合に入るという決断をして、今回その会合にも参加したことが、トゥビアナさんも含め、大変前向きに歓迎されて、そのことが国際社会のこのコミュニティー中で前向きな具体的なアクションとして伝わっているということは、このコアディションの参加も前向きなステップとしてとらえていただいていると思っています。

(記者)化石賞を現段階で受賞する、自分の主張が入っているから受賞することは納得、といいますか、そういう風に考えていらっしゃいますでしょうか
(大臣)化石賞が誰にどの国にあげると言うことは、NGOの皆さんが決めることですからNGOの皆さん聞いてほしいですけれども、私としてうれしいのは、受賞理由に私のステートメントや内外記者会見の発信も含めて、的確に聞いてくれているんだなと。これこそまさに、ちゃんと国際社会に声が届いていると、そういうことでもあるし、化石賞の受賞をやっているNGOのみなさんたちには、今後Fossil of the dayだけでなくフルオロカーボンオブザデイというのも作られたらいかがか、そういう風に投げかけてみたいですね、是非。

(以上)