大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和元年10月18日(金) 9:15~9:45  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 今回の台風第19号の被害によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りしまして、御遺族の皆さまに哀悼の意を表したいと思います。また、すべての被災者の皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。環境省では、発災直後の13日から環境省の職員延べ100名を11都県、69市区町村に派遣し、被害状況の確認と被災自治体の支援を実施しています。また、中部および関東の災害廃棄物対策行動計画に基づいて、16日から中部地方の7自治体が延べ17名を長野県長野市に、そして17日から関東地方の1自治体が延べ2名を埼玉県東松山市に応援職員を派遣し、支援態勢を強化しています。停止していたごみ処理施設について、電源車の確保等により復旧が進んでいますが、今なお今回の豪雨により、全国3カ所におきまして浸水等でごみ焼却施設が停止をしている状況であります。特に課題の大きい福島県郡山市について、福島県内外の自治体の協力を得ていますが、さらに今般、南相馬市長、そして浪江町長から応援の申し出をいただきまして、環境省が両市町に設置している東日本大震災の災害廃棄物用の仮設焼却炉における焼却処理を早急に進めるということになりました。南相馬市そして浪江町におかれましては、仮設焼却炉の活用についての申し出をいただいたことに、心から感謝を申し上げたいと思います。週末には災害廃棄物の排出がピークを迎えて、仮置場へのごみ搬入支援をするため、応援車両を全国から70台規模で確保を完了したところであります。さらに、宮城県角田市をはじめ、岩手県、栃木県において防衛省・自衛隊の協力を得て既に人員1400名、重機および大型車両90両の態勢で災害廃棄物の撤去を実施しており、更に被災地のニーズを踏まえて今後態勢を強化していきたいと考えております。福島県内の除去土壌等仮置場のうち、国管理の仮置場は全236カ所を確認済みであります。飯舘村の1カ所で大型土のう袋の流出を確認し、既にこれは回収済みであります。自治体管理の方の仮置場につきましては全部で716カ所ありますが、そのうちの711カ所を確認済みであります。確認できていないところにつきましては、通行止めなどの理由により未確認の南相馬市と相馬市の仮置場、これにつきましては今後立入りが可能となり次第、順次確認をするということになります。田村市の1カ所で大型土のう袋の流出を確認し、回収作業中であります。二本松市の1カ所で大型土のう袋の一部が所在不明であることを確認していますので、これも調査中であります。川内村の1カ所においては大型土のう袋の流出を確認し、今後、回収予定ということになります。環境省では、周辺の空間線量率や水質の測定等を実施しておりまして、現時点では環境への影響は確認されておらず、引き続き各自治体と連携して対応していきます。福島県内の特定廃棄物関連施設等の全77カ所、福島県内外の指定廃棄物全1801件、この保管状況等についても点検を完了しまして、特段の問題がないことを確認済みであります。今後も適正な保管、着実な処理に努めてまいります。
 水俣病の犠牲者慰霊式への出席等についてでありますが、明日10月19日、熊本県水俣市において開催される水俣病犠牲者慰霊式に私が参列をします。水俣病によって亡くなられた方の御冥福を心を込めてお祈りしたいと思いますし、何度も今までの会見でも申し上げておりますが、この環境省の創設、環境庁ですけれども、そのときのきっかけは水俣病がそのときのきっかけであったと。このことを忘れずに、明日一日、関係の皆さん方としっかり現場で声を聞きたいと思っております。語り部の方々、関係団体の皆さんとの懇談も予定されております。
 次は、日中韓三カ国環境大臣会合、いわゆるTEMMと言われるものですが、この第21回会合を北九州市で11月23日土曜日、24日日曜日、この2日間で開催することが決まりました。この日中韓三カ国環境大臣会合におきましては、気候変動対策や海洋プラスチックごみ対策、大気汚染対策など日中韓に共通する環境問題について、日中韓協力の今後の方向性を議論する予定です。私としては日中韓の三カ国にとどまらず、直後の12月に開かれるCOP25、これはチリで開催されますが、このことをはじめ、ASEAN+3やG20など三カ国間を超えたより大きな枠組みへの貢献を見据えて議論を進めていきたいと考えております。
 最後になりますけども、ヒアリについてであります。東京港青海埠頭におきましてヒアリが確認された事例について、先日10月10日に発表したところでありますが、その後の追跡調査も含め、女王アリが総計で50個体以上発見されたことから、繁殖可能な女王アリが飛び立った可能性があると認識をしています。現在、詳細な調査を実施しておりまして、並行して現状分析を専門家と共に迅速に行っているところであります。ヒアリが定着している国々では生態系、農林水産業、人体への被害、こういったことが報告されておりまして、例えばアメリカでは健康被害、電気設備への営巣、家畜への被害等で6000億円から7000億円の被害が生じていると報告があります。仮に日本に定着した場合には、社会的にも大きな影響が生じる恐れがあります。国内での定着を食い止めるため、速やかに徹底した周辺調査と防除を行うよう指示を出しました。さらに、関係省庁の連携協力を強化して対策を進めていくよう、関係閣僚会議の開催について調整を行っているところであります。また、国民の皆さまのヒアリに関する不安感を解消することも重要な課題でありますので、こちら「ヒアリ相談ダイヤル」による相談も受け付けております。もしヒアリと疑わしいアリを発見した場合には、こちらに御相談いただきたい。ちなみに、私も先ほどヒアリのサンプルというか、そういったものを見させていただきましたが、恐らく難しいと思います。ただ、日本の普段見ている黒いアリとは違う、そしてサイズも小さいということは分かると思いますが、何かありましたらこちらにかけていただきたい。ちなみに、ヒアリはこれですと言われても、分かりませんよね。ヒアリはこれです。それで、似ている在来種はこれという、これは違うのか。いいでしょう。関係者も分からないぐらいあれですけど、こういう状況ですが、いずれにしても本当に心配していることですので、関係閣僚会議の開催について調整を行っているなど、フェーズは変わってきているという認識で取り組みたいと思います。冒頭、私からの発言は以上です。

2.質疑応答

(記者)NHKの杉田です。災害の関連でおたずねしたいのですが、災害廃棄物が西日本豪雨を超えるのではないかという推定をされていると思いますが、今後どのように処理を進めていきたいか教えていただければと思います。
(大臣)まず、災害廃棄物の発生量、これが全体としてどれぐらいの規模になるのかというのは、まだ全体の把握ができていない状況の中で、具体的な数字を挙げてというのはなかなか難しい状況にはあると思いますし、今週末また雨が予想されている中だと、更なる廃棄物の発生というのも可能性はありますので、今、具体的な数字というのはなかなか言うことはできませんが、昨年、平成30(2018)年の7月豪雨、これは約200万トンのがれき、廃棄物が発生していると。今回、今の被害状況が広範にわたることを見れば、これを上回る可能性も相当高いような膨大な発生量が見込まれるのではないかなと。それぐらいの認識を持って環境省、災害廃棄物等を担当する所管として危機感と、そしてしっかりと役割を果たせるように臨んでまいりたいと考えています。

(記者)フジテレビの加藤です。ヒアリの関連で、周辺の調査ということを言われていますけれども、ヒアリの定着はお子さんを持っている方など心配される方がかなりいらっしゃいます。今まで港湾内の調査が中心だったと思いますが、どの辺まで調査を広げていくお考えでしょうか。
(大臣)今この追跡調査を含めると、女王アリが50個体以上、繁殖可能な女王アリが飛び立った可能性があるということですから、引き続き専門家の方々の意見も伺いながら周辺での入念な調査を実施して、定着防止に万全を期したいと。そして、この追跡調査の結果につきましては、専門家や関係機関と情報を取りまとめた上で、速やかにお知らせをしたいというふうに考えています。

(記者)追跡調査について、昨日国環研の五箇さんとかのお話を伺うと、都内の公園や周辺にも広げた方がいいと環境省には提案しているという話でありました。例えば、周辺の公園やそういうところまで広げるということはお考えでしょうか。
(事務方)現在、まず調査の状況につきましては、関係者と協議をいたしながら詳細を詰めているところでございまして、大臣から先ほどお話もありましたように、関係閣僚会議の開催について調整を行っておりまして、その際に追加的に講じる対策につきましても公表させていただきたいというふうに考えてございます。今まだ調整中でございますが、定着を防ぐために従前以上の調査、港湾地域につきましても対策を講じますし、その周辺部につきましても対策を講じてまいりたいと考えてございます。

(記者)マラソンが札幌にほぼ替わるのではないかという、今、状況になっていますが、環境省としてもマラソンの暑さ対策でもかなり入念に対策を整えていた状況での突然の札幌開催、移転のみたいなことになっていますが、それに関して所感をお願いします。
(大臣)まだ最終的に東京なのか札幌なのか、その決定は至っていないというふうには思いますが、今、現時点で聞いてみると、16日に、IOCから札幌に移すように提案があって、今月末から開催されるIOCの調整委員会で議論されるものだというふうには承知しています。環境省としましては、熱中症の対策を取りまとめる立場です。ですので、いずれにしましても、どこで開催があっても熱中症対策をしっかりやると、そういったことが環境省としてはすごく大事なことだと思います。ちなみに、今までもオリンピック・パラリンピックの会場周辺の暑さ指数の測定、そして夏のイベントにおける熱中症対策ガイドライン、そして熱中症環境保健マニュアルの策定による情報提供などを通じて組織委員会に協力をしているところでありますので、例えばこちら、これは今、環境省が公表している暑さ指数を基にして、これはNHKさんが今、天気予報等で活用していただいているものでありますが、熱中症予防情報、こういったものなどもしっかり提供して活用いただきたいと思っています。ちなみに、環境省はこの危険度を危険・厳重警戒・警戒・注意・ほぼ安全という、こういったことは出していて、このイラストを含めたものはNHKさん独自のものだというふうに認識をしています。ただ、私なりに一言申し上げれば、チケットに当たった方は複雑ですよね。だから、状況は具体的なことは分かりませんが、今回のIOCの側からの発言に至るまでにどういったやりとりがあったのかなと、そういったことは個人的には気になるところではありますね。ただ、環境省としては夏の開催ということに変わりはないわけですから、しっかりと熱中症対策も実行されるものになるように進めていきたいと思います。

(記者)朝日新聞菊地です。冒頭でも触れられた明日の水俣出張の件についてお伺いしたいのですが、水俣病対策については、水俣病被害者救済法に基づく不知火海沿岸住民の健康調査が一つ焦点になっています。特措法成立から10年になりますが、環境省では以前、調査手法の開発を加速化させるとしておりますが、その調査の実施に至ってはいません。熊本県知事や被害者団体からは速やかな調査を求める声が上がっていますけれども、調査実施についての現状でのお考え、認識をお願いします。
(大臣)水俣病特措法では、メチル水銀が人の健康に与える影響を把握するための調査等の手法の開発を図ることとされています。現在、着実にその取組を推進しているところです。メチル水銀の健康影響を客観的に明らかにする手法は慎重かつ確実に開発しなければならないと考えていますので、関係する皆さまの御理解、御協力が必要だと思います。時間を要しているのはその通りでありますが、引き続き着実に進めていきたいと考えています。

(記者)ウォールストリートジャーナルのデイビスと申します。前の記者会見で横須賀石炭火力発電所について質問を受けられ、日本の政府の方針として石炭は減らしていきたいと述べられましたが、横須賀発電所など、現在、計画または建設中の石炭火力発電所の廃止についてどのようにお考えでしょうか。
(大臣)この機会ですから、基本的な環境省としての立場、方針というのを少しお話をしたいと思いますが、イギリス、カナダをはじめ脱石炭、これをうたっている国があることはもちろん承知をしていますし、国際社会の中でそこに大きな関心を持たれていることもその通りでありますし、私も感じます。ただ、こうした国々は天然ガスや水力など、自分の国での国産のエネルギー源に恵まれているという状況もあります。一方で、日本は天然資源に恵まれていない。そういった中で、原発の依存度を低下させつつ、経済大国として多量の電源を必要とする、こういった事情を抱えていることも御理解をいただきたいと思います。こうした各国の事情を踏まえつつ、方法論、これに違いはあるかもしれませんが、脱炭素化をできるだけ早く実現したいという思いは日本も同じです。
 そして、その上で環境省としての基本的な考え方、こちらを申し上げれば、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略にある通り、石炭火力を含む火力についてその依存度を可能な限り引き下げること、これにより温室効果ガスの排出総量の削減を図り、究極的にはカーボンニュートラル、すなわち脱炭素化、脱炭素社会を実現しようとするのが我々の立場です。この実現に向けて、環境省による足元での対応としては、2030年度の温室効果ガスの削減目標、これは2013年度比で26%削減というのが目標ですが、この達成に向けて電気事業分野の取組状況を毎年厳格に評価した上で、必要であればエネルギー政策を所管する経産大臣と取り得る手段の検討について密接な意思疎通を取っていくことによって、2030年度の削減目標の達成を確実なものにしていきたいと考えています。ちなみに、新設の石炭火力に対する基本的な考え方としては、2030年の目標と整合した道筋が描けない事業は是認し難いという立場です。これまでも環境アセスメントにおいて環境大臣から経産大臣に対して、2030年の目標と整合した道筋が描けない場合の事業実施の再検討などを含む厳しい意見を提出してきたところでありますので、当面アセス法に基づく審査が予定されている案件は今のところありませんが、引き続きしっかり対処してまいりたいと、そういうふうに考えています。

(記者)熊本日日新聞並松です。慰霊式の関係で、今回新たな取組として、地元の産業界と大臣との意見交換というプログラムがあります。これは大臣の御希望でということで理解してよろしいでしょうか。また、どういった思いを持って今回、新しい取組を始められるのかお聞かせいただきたい。
(大臣)これにつきましては、私も全国で様々今まで交流が重ねられてきて、熊本の皆さんともいろんな縁をいただいています。そして、もちろん自民党の仲間の皆さんもいます。そういった中で、私が聞いた声として、水俣という、このまちづくり、今どういうまちづくりを考えているのか。そして今回は、水俣というのは恵まれた海の資源、そういったものもあります。実際に、水俣の魚を食べてくれないかなと、そういう声もありました。ですので、お昼御飯のときには、水俣の漁業者の方もいますから、おいしい水俣の魚も一緒に食べながら、そして語り部の皆さんの声も聞き、そして一方で、水俣の町をこれからより発展させていきたいと考えている経済界、産業界の皆さん、そして若手の方も来られるというふうに聞いていますが、そういった方々とも幅広く意見を伺い、環境省として水俣というのは特別な町ですから、そういった町が、今、あの水俣病という経験を踏まえて、どういうまちづくりをされようと頑張っている方々がいるのかというのも、私は、十分把握するには、ものすごく有意義なことになるだろうという思いで、今回そういったことも実施しようと、そういったことに至りました。

(記者)環境省としてはこれまでも水俣の地域づくりにも関わってきたところですが、大臣として、意見交換の中から今後の方向性についてヒントを得たいという思いがあるということでしょうか。
(大臣)そうですね。私も熊本は今まで、本当に各地、もちろん選挙のときにも行っていますし、それ以外のときでも足を運んでいますし、熊本の地震のときも、被災地の訪問もしました。ただ、私にとって水俣は、明日が初めてになります。そういった意味において、一日様々な日程が組まれていますが、できる限り幅広く、いろいろな立場の方から声を聞くというのは、私は常に大切なことだと思っているので、その一貫だと御理解いただければと思います。

(記者)TBSの報道特集の金平です。田村市のいわゆるフレコンバッグの流出についての御報告がありましたけれども、田村市と飯舘村以外に二本松、川内村でも見つかったということで、フレコンバッグ流出が増えていることが分かったということでよろしいでしょうか。
(大臣)先ほど申し上げた通りなんですが、田村、二本松、川内村、このそれぞれの自治体におきまして、例えば、今御指摘のあった二本松におきましては、仮置場1カ所、ここにおいて大型土のう袋15袋の所在が不明となっているほか、川内村管理の仮置場1カ所においては、大型土のう袋18袋の流出が確認されたということについて、昨日、それぞれの管理をしている自治体からの公表があったところであります。環境省としても、これは自治体の管理ではありますが、しっかりと協力をして、連携をして、その他の大型土のう袋の流出があるかないか、この確認、そして環境影響の有無、こういったことを確認するためのモニタリング等を実施するなど、引き続き全面的に協力をしていきたいと考えています。

(記者)実は、私は田村市の現場を見てきたんですが、国会での答弁で大臣は、容器の破損はなく環境への影響はないと、15日の参議院予算委員会でおっしゃっていましたが、現場を見ますと、フレコンバッグはひしゃげちゃって、流れたものは中身が全部流出してしまっている状況を現認しました。15日の参議院予算委員会の段階で、環境に対して影響はないとおっしゃっていたのは、むしろ撤回すべきではないですか?
(大臣)現状については、日々、更新された情報というのが入ってきますので、その都度、丁寧な発表も含めてお伝えをしたいと考えています。ちなみに、今御指摘があった田村市につきましては、田村市が管理する除去土壌と仮置場近辺の河川下流において、現時点で大型土のう袋21袋が発見されておりまして、昨日までに、内容物の流出がない、大型土のう袋7袋と空袋11袋を回収済みということであります。それで、回収した空袋については、ほかの工事現場等で使用されていたものである可能性もあるということから、この仮置場で、除去土壌等の保管に使用していたものであるかどうかを含めて、今、詳細に調査中ということを御理解いただきたいと思います。

(記者)今回、想定外のことが起きたことはやむを得ない面もあるかもしれませんが、フレコンバッグの仮置場以外にも汚染土の仮置場が、私見てきましたけれども、丸森町にありました。1回水没しています。汚染土に上にがれき等が集積している状況がありますけれども、現在の仮置場というシステムが、自然災害に対して有効かどうかということについて、見直すような考えはないですか?
(大臣)まず、除去土壌等の流出不明が続いていること、そして、住民の方々に不安を与えかねないというものでありますから、私としても大変遺憾な事態であると考えています。市町村管理の仮置場については、市町村の責任の下で適切に管理していただくというものではありますが、環境省としても除染事業全体を所管する立場から、大型土のう袋の流出状況の確認や、環境影響の有無の確認等を速やかに実施するため、環境省の職員を現場に派遣して全面的に協力しているところであります。また、再発防止これも極めて重要であることから、今後環境省として、今回の流出にかかる原因を検証し、更なる効果的な対策を検討した上で、福島県や市町村と連携して、仮置場の現場まで再発防止対策の実施を徹底してまいりたいと考えています。

(記者)毎日新聞の鈴木です。先週開かれたG20の海洋プラごみのフォローアップ会議等の関係で伺います。まず、会議が開かれたこと自体は大変意義深いことだと思います。ですが、その一方で、各国に提出を求めていたレポートについては、排出量が多いとされる中国やインドなどから提出がなかったという事情もあります。今後、データ集積という点では課題が残った部分もあろうかと思います。今後TEMMも控える中で、韓国などの流出国に対して何か働き掛けをするのか。今回の会議で提出されない国が多かったということへの受け止めについてもお聞かせください。
(大臣)今おっしゃった通り、これから予定されている、いわゆるTEMMと言われる日中韓、3カ国で開催する環境大臣会合においては、御指摘のあった海洋プラスチックごみ対策、このことについても取り上げたいというふうに考えています。特に私としても、この大阪ブルー・オーシャン・ビジョン、これを実現する上では、排出量が世界一と見込まれる中国の貢献、これは非常に大きな意義があると思っていますので、この問題解決についても中国が動けば世界は変わる。そしてそれを実現に向けて、あらゆる関係国、プレーヤーを巻き込んでいくというのが、まさにこれから実現に向けてはすごく大切なことになりますので、今回のこのTEMMという場を生かして、そういった前向きな機運が醸成できるようにコミュニケーションをとっていきたいというふうに考えています。ちなみに、この前のフォローアップ会合ですが、サウジアラビア、これは来年のG20の議長国でありますが、サウジアラビアから来年も海洋プラスチックごみや資源効率性について重視していくということが表明されました。これは大きい成果だと思います。ぜひ今回の成果を来年の取組につなげるために、今年の議長国としての日本の役割を果たしていきたいと思いますし、G20にとどまらず、アジア、そして世界全体に広げていくようなことをしていきたいと思います。

(記者)未提出の国があったことについての受け止めも聞かせてください。
(大臣)20カ国集まり、全部の国々からレポートが提出されるというのが一番望ましいというのは、それは間違いないことであります。しかし、今回あの大阪のブルー・オーシャン・ビジョンが策定されて、そう時期もたっていない中で、多くの国々が参加され、そして間違いなくレポートを作成した国の方が多かった、ほとんどが作成されたわけです。そういったことを前向きに捉え、まだレポート作成に至っていない国々に対しては、引き続き協力、貢献を促して、そして来年の議長国のサウジアラビアにつなげていくような機運は、今回のフォローアップ会合において、サウジアラビアの前向きな表明もあったわけですから、そういったところをしっかり見て、更に機運の醸成を高めていきたいと思います。

(以上)

会見動画は以下にございます

https://www.youtube.com/watch?v=2IKJfS_upC4