大臣談話・大臣記者会見要旨

伊藤大臣閣議後記者会見録 (令和6年2月13日(火)09:15~09:27 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。本日の閣議において、二酸化炭素の貯留事業に関する法律案、いわゆるCCS事業法案について決定しました。経済産業省と一部共管の法案となります。本法案は、2050年ネットゼロに向けて、民間事業者がCCS事業を開始するために必要な貯留事業の許可制度創設など、事業環境の整備を行うものでございます。環境省としては、これまでの知見を生かしつつ、経済産業省と連携して、海洋環境の保全と調和したCCS事業が適切かつ迅速に実施されるよう貢献してまいります。
 次に、脱炭素都市づくり大賞の決定についてでございます。優れた脱炭素型の都市の開発事業を表彰する脱炭素都市づくり大賞については、昨年10月に募集を開始し、多くの申請をいただきました。学識経験者などから成る審査委員会において、厳正な審査を行い、本日、環境大臣賞をはじめとした受賞事業を決定しました。環境大臣表彰にはイオンモール豊川の事業が選定されました。このほか、国土交通大臣表彰1件、特別賞4件が選定されています。環境省としては、今回受賞された事業について、様々な機会を捉えて、広報・発信してまいります。本表彰制度をきっかけに、日本全国において、脱炭素型の都市開発が一層加速していくことを期待しています。
 次に、能登半島地震に関してでございます。令和6年能登半島地震に伴う浄化槽被害の復旧に向けた取組について御報告します。環境省では、上水道の復旧スケジュールを踏まえ、住民の生活排水処理に支障を来すことのないよう、被災地の浄化槽の復旧支援に取り組んでいます。その取組の一環として、石川県内の住民からの浄化槽復旧の相談を一元的に受け付けるコールセンターを、今週16日金曜日に開設します。コールセンターでは、被害状況の調査や復旧工事の実施に向けたサポート等を一体的に行い、浄化槽の早期復旧を図ってまいります。
 次に、被災ペットの対応です。被災地では、避難の際にペットが逃げたという相談や、迷い犬、猫がいるという相談が入ってきており、こうした犬、猫について、石川県や民間団体が保護を行っています。こうした中、環境省は、石川県や民間団体が保護した迷い犬、猫の情報を一括して掲載するサイトを、民間企業の協力を得て、先週9日金曜日に開設しました。また、仮設住宅でのペットの同居について、これまで被災市町への助言等を行ってきましたが、今般、仮設住宅にペットを受け入れる方針であることを確認しました。早速、輪島市や珠洲市の仮設住宅には、ペットとともに入居した方がいらっしゃると聞いております。引き続き、被災地の状況に応じて、ペットを飼っている被災者の支援に取り組んでまいります。以上でございます。
 

2.質疑応答

(記者)産経新聞、織田と申します。よろしくお願いします。先ほどお話のあったCCS事業法案に関してですけれども、これに環境省がどう関わっていくかということを伺いたいと思います。特に、これまで海洋汚染防止法に基づいて行っていた海洋環境の監視について、この法案がどう影響してくるか、規制、監視体制に変化があるかといったところを伺いたいと思います。
(大臣)少しお答えが長くなりますけれども、大事な質問でございますので。CCSは、2050年ネットゼロの実現に当たり、重要な技術の1つだと考えております。海底下でのCCSは、これまで、海洋汚染等防止法に基づく許可制度を環境省が運用してきましたが、本法案においては、この許可制度を新法であるCCS事業法案に一元化し、引き続き、環境省が海洋環境の保全の観点から必要な対応を担当することとしております。
 本法案においては、海域に係る貯留事業について、事業の開始前、実施中、終了時といったライフサイクル全般にわたり、環境大臣の同意や、経済産業大臣との共同認可など、海洋環境の保全の観点から必要な措置を講じることとしております。このため、従前に比べ、CCSにおいて環境省の関与が弱まることはなく、適切に規制や監視が行われることとなります。環境省としては、経済産業省と連携し、海底下でのCCSが海洋環境保全と調和する形で、適切かつ迅速に実施されるように確認してまいりたいと思います。
 さらに、従来、このCCS、海底もありますけれども、地中というのもあって、でも大体海底のほうが多いですけれども、海底からひょっとして漏れて、海洋環境に悪い影響があるのではないかという懸念から、従来は前の法律でやっていたわけですけども、これからはCCS事業法案として一元化したということで、むしろ環境省が総合的に、環境保全の観点からCCS事業が適切に行えるかという関与には、私は、しっかり資するというふうに考えております。
 
(記者)時事通信の鴨川です。水素の利用に関して、お伺いします。本日、水素社会推進法案が閣議決定されたかと思います。化石燃料に比べて割高な水素の価格差を交付金で支援して、水素の利用拡大を図ろうとしているものです。所管は経済産業省ですけれども、脱炭素を推進する環境省にとっても、化石燃料からの脱却のためには必要な、重要な法案だと思います。環境省はこの法案にどのように関係していくのでしょうか。
(大臣)これも少し長くなりますけど、御説明申し上げます。水素は利用時にCO2を排出しません。かつ、製造段階で再エネを活用することによって、さらに脱炭素化に大きく貢献することができるエネルギーだと思います。
 水素社会推進法案は、低炭素水素等の供給及び利用に関する基本方針の策定など、水素社会の実現に向けた基盤を整える内容が規定されております。2050年ネットゼロを目指す上で、大きな意義があると考えております。脱炭素を推進する観点から、環境省としても当然関わっていく必要があります。法案においては、経済産業省と環境省が緊密に連携・協力していくことが規定されております。
 このような法案の趣旨も踏まえて、環境省としては、経済産業省をはじめとする関係省庁と連携し、地産地消型の地域水素サプライチェーンモデルの構築や拡大、またトラック、バス等のモビリティ分野での水素の需要創出などに取り組んで、地域共生型の水素導入を推し進めることで、水素社会の実現に引き続き貢献してまいりたいと、そういうふうに考えます。
 
(記者)NHKの林と申します。冒頭に能登半島地震の関係で発言いただいたペットの対応で、保護サイトというのを開設したということなのですけれども、こういった事例というのは、過去の災害等であったのかというのと、例えば珍しいことでしたら今回こういったものを開設された意義というのを伺ってよろしいでしょうか。
(大臣)東日本大震災、熊本地震で事例がどのようにあったか、ちょっと今つまびらかに承知しておりませんので、事務方から後でお聞きいただきたいと思いますけれども、今回やっぱり私の印象では、ペットを飼っている被災者の比率が高いような印象を受けております。特に独居老人の方が多く飼われているという、そういう状況でありますので、やっぱりペットの保護というのが過去の東日本大震災、あるいは熊本地震よりも、比率としては多いのではないかなという、そういう印象を私は受けております。
(記者)その中で、国としてできることというのを、こうしたことを始められたという。
(大臣)はい。ですから、1つはペットと今、現時点で住めない方に対して、獣医師協会などの協力も得て、一時預かり所をつくるとか、それから、仮設住宅に一緒に入れるようにするとか、それから初期においては避難所でも受け入れてくれるところは一緒に入るということをしたわけですけれども、今度は迷い犬、猫という問題も出てきますので、はぐれちゃったと。ですから、そのはぐれちゃった情報というのは、なかなか被災者の方もつかみづらいということもあるので、その情報をネットで見られるようにしたということだと思います。ネットあるいは電話等で聞ける、なかなか、遠くまで動いた可能性もありますので、犬なんかは割合遠くまで行く可能性もありますので、そういう意味で今回の取扱いは大事だと思います。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=b2hxlqkaHpU
 
 
(以上)