大臣談話・大臣記者会見要旨

伊藤副大臣記者会見録(平成30年1月25日(木)11:31~11:47 於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

 今年初めての会見となりますので、記者の皆様方、改めまして、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いを申し上げます。まず、今年初めてでございますので、自分の思うところの抱負を申し述べた後、少しリポートを申し上げたいことについて、お伝えをさせていただきたいと思います。
 まず、復興についてでございます。昨年は、3月で面的除染が概ね完了いたしまして、中間貯蔵施設については、10月末から除去土壌の貯蔵を開始することができ、11月中旬には、福島県の特定廃棄物埋立処分施設、旧フクシマエコテッククリーンセンターへの廃棄物の搬入も始まりました。帰還困難区域における特定復興再生拠点区域については、認定された計画に基づきまして、これから順次整備が進んでいく状況に相なりました。中間貯蔵施設の整備の加速化と施設への継続的な搬入、放射性物質に汚染された廃棄物の着実な処理、除去土壌の再生利用、また帰還困難区域における特定復興再生拠点区域についても、しっかりと役割を果たして、復興の更なる加速化に向けて、本年も引き続き、被災された皆様方に寄り添いながら、安全・安心にも十分配慮をしながら、様々な取組を進めていきたいという気持ちでいっぱいでございます。
 また、昨年も多くの国を伺って、環境インフラの海外展開を進めてまいりました。後ほど詳しくお話を申し上げますが、今年も早々、先日ミャンマーで開催をされた日本・ミャンマー環境ウィークに参加をし、オン・ウィン天然資源・環境保全大臣と環境政策対話を行ってまいったところでございます。これからもなるべく多くの国で環境インフラの海外展開を進められるように努めてまいりたいと考えております。
 今年は循環型社会形成推進基本計画の第四次改定も行われる年でございます。もったいないという気持ちを込めて3R運動を進めていきたいと考えております。この循環経済の象徴として、小型家電リサイクルによります2020年オリパラのメダルプロジェクト、後ほど秋田での車座ふるさとトークの開催について、お話をいたしますが、地域また全国の皆さんに改めて御協力をしっかりと呼びかけてまいりたいと考えております。今般、商工会、商工会議所、あるいは今朝ほどの新聞にも出たようでございますが、郵便局、こうした様々な分野で大勢の人にお力添えをいただきながら、全国的に展開をしていく所存でございます。また、本年10月に、横浜市において、これも後ほど報告しますが、世界循環経済フォーラム2018を、フィンランドと共催をいたすことになっております。我が国の経験や技術を世界に発信をし、循環型社会を深化させてまいりたいと考えております。
 原子力防災につきましては、福島の原発事故を教訓に、二度と同様の事故を起こしてはならないのはもちろんのことでありますが、万が一のときに備えまして、防災対策も極めて重要であります。原子力防災には、終わりや完璧はございません。引き続き国民の安全・安心のため、関係自治体と一層の協力、緊密な協力をし、連携をし、原子力防災体制の充実・強化にも取り組んでまいりたいと考えております。
 そこで、幾つか今、御報告を申し上げたいと思いましたことについて報告します。先週、日本・ミャンマー環境ウィークで、現地に出張いたしましたので、御報告を申し上げます。これは昨年7月に策定した環境インフラ海外展開基本戦略に基づきまして、環境省政務のトップセールスの第1号の取組でございます。現地では、私とオン・ウィン天然資源・環境保全大臣との政策対話、我が国の政策と技術を紹介する廃棄物管理ワークショップ、我が国の企業の優れた技術を紹介するセミナー及びビジネスマッチングを開催をいたしました。また、我が国の企業がミャンマーの企業と一緒になって現地で籾殻発電に取り組む姿勢を視察をし、アジアにおける循環型社会形成に向けた我が国の技術の高さと現地の期待を実感をいたしたところでございます。これを具体に申しますと、ミャンマーは、今、1年で1人200キロぐらいの米を食べておられます。我が国と比較しますと、大体4倍のお米の消費です。したがって5,700万人の人口でございますので、恐らくは我が国の倍ぐらいのお米を召し上がっている国です。それで、長粒子のお米が主流でございまして、籾殻を出しておられる会社というのは、最もたくさんのお米を売っておられる会社でございます。したがって、脱穀をいたしますと籾殻が出るわけなのですが、この籾殻を使って、実は日本企業のヤンマーディーゼルさんの技術を使いまして、圧縮して発電をするという技術の現場に行きました。そこで今度は、籾殻がついに殻として出てくるわけなのですが、その最後のものにつきましても、これを今度は新たな籾殻をつくるために肥料として使うということをしていただいておりまして、まさに全部が循環するという社会になっておりました。こういうことが日本の技術と相手方の技術ででき上がっていく社会を一つずつつくっていくことがとても大事なことだなというふうに痛感した次第でございます。以上を踏まえまして、私とオン・ウィン大臣は、今後の両国の具体的な協力の方向性を示す共同声明を発表し、両国間の覚書の早期署名を目指すことといたした次第でございます。今後は、早期に覚書に署名をいたしまして、次回の政策対話を開催するとともに、廃棄物管理ワークショップについては、年内に次回を開催し、具体的なプロジェクトの形成を目指しながら、協力をますます深めてまいりたいと考えているところでございます。
 続きまして、車座ふるさとトークの開催のため、1月27日土曜日、秋田県大館市を訪問いたします。今回の車座ふるさとトークは、オリンピック・パラリンピックリサイクルメダルを活用したこれからのまちづくりをテーマといたしております。メダルプロジェクトは大館市が他の自治体と共同で提案したことがきっかけでスタートいたしました。秋田県北部エコタウン地域として、小型家電リサイクル制度、リサイクルメダルプロジェクトを活用し、資源リサイクル産業の振興による雇用確保等、これからのまちづくりに期待をすること等について、地域の皆さんと活発な意見交換を行ってまいりたいと考えております。そして、ここで得た話をまた全国の皆さんにもお伝えをしながら、意識を持ってこの運動に参画をしていただけるようにさせていただきたいものと思っております。世界で唯一の多種類のリサイクル原料を受け入れる複合リサイクル製錬所がこの小坂というところにございまして、メダルプロジェクトにかかわる予定のリサイクル製錬施設である小坂製錬所を視察をしてまいります。地域の声をしっかりとお聞きし、見させていただき、メダルプロジェクトの推進と循環型社会づくりに活かしてまいりたいと思っております。
 最後に、環境省は、平成30年10月22日、23日の2日間にわたりまして、世界循環経済フォーラム2018を横浜で開催をいたす所存でございます。このフォーラムはフィンランド政府イノベーション基金、通称Sitraと申しておりますが、Sitraと共同で開催するもので、世界各国から民間企業、金融機関、NGO、政府関係者など、ステークホルダーの皆様方約1,000名に我が国にお集まりをいただき、循環経済をキーワードとするノウハウやグッドプラクティスなどの世界への発信を行う予定でございます。昨今、循環経済というキーコンセプトが、世界的な潮流となりつつある中で、こうした場を通じ、引き続き循環型社会の構築、持続可能な開発目標の達成に向け、国際社会の取組をリードするきっかけにしたいと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)共同通信の藤井です。よろしくお願いします。幹事社から1点お伺いします。除染の関連で、空間放射線量と被ばく線量の相関関係に関する議論で、放射線審議会がこのことを議論するということを決めました。昨日の更田委員長の記者会見でもいろいろ発言がありましたが、その後の動きも踏まえて、中川大臣は規制庁から話があれば対応を考えるというお話でしたが、その後、規制庁からどのような話があったかも含めて、環境省としてどう対応されているかというのをお伺いします。
(答)御指摘の点については、お話のとおり、19日の放射線審議会において議論がございまして、空間線量率と年間の実効線量との関係について、同審議会で検討の対象とすることになったと承知をいたしております。これは、来ておりますか。
(事務方)放射線審議会の内容については、事務局に連絡が来ておりまして、今、副大臣から御発言があったように、空間線量率と実効線量との関係について、審議会で検討の対象とすることとなったと、そういう通告というかお知らせがあったということでございます。
(答)いずれにいたしましても、現時点においては環境省としてどのような対応が必要になるかも含めまして、極めて重要なことでございますので、放射線審議会での検討をしっかりと注視してまいりたいと考えております。
(問)追加で、更田委員長、昨日の記者会見では、除染の基準を見直そうという意図はないという発言もしているのですけれども、これに関しては、環境省として、今、指定基準で定めている0.23という数値を見直す必要性があるかどうかということに関しては、どういうお考えでしょうか。
(答)まだ更田さんからも詳しくお話を伺っておりませんので、いただいた上で検討してまいりたいと思いますが、基本的には安心・安全に関わる大切なことでございますので、慎重に事を検討してまいりたいと思っております。

(問)朝日新聞の小坪です。環境省の行政直接ではないのですけれども、福島の南相馬市で、市長が、市長選挙で桜井さんが破れて、門馬さんが新しく市長になられるということで、汚染土壌の再生利用などでかなり環境省に理解を示されていた市長が今回落選されたということで、その辺りの影響とか、今後の環境省の再生利用の実証試験の進め方への影響などをどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
(答)ただいまの話で、選挙結果について私どもから申し述べることはいささかもないのですけれども、再生利用等につきましては、ぜひ引き続き御協力をいただきまして、どのような結果が出てくるかということについては、地元の方とも共有をしながら、しっかりと進めさせていただきたいというふうに考えております。
(問)例えば、必要があれば、副大臣みずから南相馬の方に足を運ばれるとか、そういったこともあるのでしょうか。
(答)それは否定することはございません。見に行かなければいけないなというときには、必ず見せていただきにまいりたいと思いますし、実際にどうなっているかということについても、いろいろな話を伺いに行くのは当然だと思います。