中川大臣記者会見録(平成30年7月24日(火)10:57~11:20 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 平成30年7月豪雨について、改めて亡くなられた方々にお悔やみと被災された方々にお見舞いを申し上げます。環境省の対応状況を御報告いたします。岡山県倉敷市及び広島県呉市におきましては、道路上にあふれているがれきについて、自衛隊の協力をいただきまして、速やかな撤去等の作業が進捗中でございます。特に倉敷市真備町の国道486号線沿いのがれきについては、相当程度といいますか、かなりといいますか、あるいはほとんどと言っていいと思いますが、そういうところまで撤去が進んでおります。また、中四国ブロックの「災害廃棄物対策行動計画」に基づき、鳥取県から岡山県に、島根県から広島県に、高知県から愛媛県に、それぞれ連絡員を派遣していただくよう要請いたしました。この連絡員の方が、それぞれの地域の災害廃棄物処理についての課題を把握していただきまして、災害廃棄物処理の本格化に備えて、県を越えた広域的な連携を強化してまいります。引き続き、各被災地全体について、関係各省との連携の下、総力を挙げて災害廃棄物の円滑かつ迅速な処理を進めてまいります。

2.質疑応答

(問)幹事社・時事通信です。連日非常に暑くて、昨日、埼玉県の熊谷市では史上最高の41.1度という気温を記録しました。環境省としては暑さ指数などを所管していると思うのですけれども、この暑さ指数の知名度アップに向けた対策ですとか、熱中症対策についての全般的なお考えをお聞かせください。
(答)今言われましたように、昨日は、日本の観測史上最高の41.1℃を観測した埼玉県熊谷市、また、東京都で観測史上初めて40℃を上回った青梅市を始めとして、日本各地で記録的な猛暑となりました。今後も全国で猛暑が続き、熱中症が心配されます。環境省におきましては、水分をこまめに補給するなど熱中症予防に十分留意いただくよう、ホームページやリーフレットにより、自治体や国民に対して、熱中症予防の注意喚起を行っております。連日の猛暑を受けて、7月19日、全国の都道府県・政令指定都市の熱中症予防対策担当部局に向けて、改めて、熱中症対策について注意喚起の周知を依頼する事務連絡を発出いたしました。今後も猛暑の日々が予想される中、高齢者や子供、障害者の皆さんは特に注意が必要であり、環境省としては、引き続き、こうした熱中症対策の周知徹底を図ってまいります。環境省では「熱中症環境保健マニュアル2018」というものを作っておりますし、また「イベントにおける熱中症対策ガイドライン」というものも作っております。こういったパンフレットを使って、自治体や関係者の方にPRをしているところでございます。これは余部がたくさんございますので、もし必要ということであれば、担当の方にお申し付けをいただければと思います。今後、地球温暖化が進行すれば、こうした猛暑に見舞われるリスクが高まることは間違いないわけでありまして、環境省としては、地球温暖化対策、緩和策がまず大事であると。そして、先日成立いたしました気候変動適応法に基づき、こうした熱中症対策を含む気候変動適応の周知徹底や充実・強化を図ってまいりたいというように考えております。また、御指摘のありました熱中症予防情報サイトにおきまして、熱中症の暑さ指数・WBGTというものを示しております。環境省の熱中症予防情報サイトのトップページにおきまして、被災地域の暑さ指数がすぐに確認できるように、リンク先を表示する改修を行いました。また、こうした各地の暑さ指数というものも表示しておりますので、御活用いただければというふうに考えております。
(問)今、地球温暖化の話も触れられましたけども、昔と比べても体感的に非常に暑くなっているのではないかなと思うのですけども、この暑さと地球温暖化との関連の成立って、大臣はかなり密接に関係しているとお考えでしょうか。
(答)現時点での猛暑が、もちろん地球温暖化という現象がベースにあって、その上にどういった特殊事情があるのかということは十分に解明されているとは思いませんけれども、やはり地球温暖化というものが、こうした猛暑、これは全世界的に起こっている現象でありますので、関連もしているというように感じている方は多いと思いますし、私もきちんとどこまでがどういうふうにという分析結果を基にして申し上げているわけではございませんけれども、地球温暖化の影響だと、こういうふうに認識をして、その対策、緩和策、適応策をしっかりとっていくという決意を新たにしておりますし、また当面の熱中症対策につきましては、今申し上げましたようなマニュアルを作っておりますので、御活用いただければというふうに思っております。

(問)NHKの松田です。今の暑さに関連してなのですけれども、環境省は熱中症の予防というのを呼び掛けている一方で、熱中症の予防ということはクーラーを使ったりだとか、涼しい場所にということがあるかと思うのですけれども、それと一方で、温暖化につながる、電力をたくさん使わないようにということで節電の呼び掛けとかしていると思うのですけれども、熱中症を予防するにはクーラーをやはり使わなければいけないと思うのですが、節電と熱中症予防の兼ね合いというのは大臣はどのようにお考えですか。
(答)もちろん健康第一でありますから、節電するということで、例えばクーラーを切ってしまうというようなことで熱中症にかかるというようなことがないように、これはまず御自身の健康を考えて、適切にクーラーを使っていただきたいというように思います。ただ、クーラーをかけるといいましても、例えば設定温度を適切にするということによって、今進めておりますクールビズということもございますが、温度の設定というものも適切に調整をすることによって、一方で省エネ、節電という要請も満たしていただくようにお願いをしたいというように思います。
(問)追加でなのですけれども、今結構、日中、クーラーを使っていると、あとビジネスだったり、社会活動も昼に行われることが多くて、お昼の電力需要というのが増えると思うのですけれども、これから暑くなるにつれて、そういった暑い時間帯に一斉に働いたり、クーラーを使ったりという、こういう社会の時間帯の配分というか、こういうことについて今後変えていくべきというふうにお考えでしょうか。
(答)これは、社会全体でどういう調整を進めていくのかということは、なかなか難しい問題だと思います。環境省の立場からいえば、いろいろな形で調整をしていただいて、節電をしながら、しかし熱中症にならないように適切にクーラーなどを使って健康管理に気を付けていただきたいというように思っております。
(問)原発避難の関連なのですけれども、原発の事故が起きたときに屋内退避をする場所として放射線防護施設というのが指定されているかと思うのですけども、これの3割近くの施設が、全国の3割に当たる施設が、土砂災害の警戒区域ですとか、浸水想定区域などという場所に建てられているというような事実があるようですけれども、これについてどのようにお考えなのか、今何か対策や調査なり、動きをとっているものがあれば教えてください。
(答)放射線防護施設は既存の、例えば特別養護老人ホームとか、あるいは病院といったような、そういう施設に放射線防護対策を施して、そして放射線防護施設にしていくと、こういうケースが多いかと思います。もちろん、放射線防護施設として認めていく施設について、場所を安全区域に移していただくということができれば、もちろんそれは大変望ましいと思いますが、現実問題として、やむを得ず安全区域外に立地している施設について、放射線防護対策をしっかりやって放射線防護施設とする場合もあると思うのですね。その場合には、一般災害リスクが高まった際に、近隣の安全な施設に避難する計画をあらかじめ立てておくといったような対策を行うことを要件としております。したがいまして、そういった施設については、さらに、こういった近隣の安全な施設にいざという場合には避難する計画をしっかり立てて、それを実際に、いざというときには実行していただくように要請をしておりますし、こういった状況でございますので、更にしっかりと要請をしていきたいというふうに思っております。既存の放射線防護対策という事業の性質上、これまでも耐震性とか津波による被害、又は施設の上層階など浸水被害を受ける可能性が低いと、こういうことを要件としてきたところでありますが、その立地自体がやむを得ず安全区域の外にあって、それを直ちに移転することがいろいろな事情でできない場合に、今申し上げたわけでありまして、あくまで理想は、きちんと安全区域に立地を移していただけるということが理想だと思いますが、その理想がまだ実現できない場合の対応として今申し上げたところであります。いずれにいたしましても、土砂災害等の自然災害との複合災害が発生した場合には、住民の生命を最優先に対応していかなければならないということで、これからもそういう方針で対応してまいりたいと考えております。
(問)改めて要請をしていくということなのでしょうか。あと、施設の把握はされているのですか。
(答)この放射線防護施設というのは、原子力防災の方で予算も出してやっておりますので、当然全て把握しております。その場所が安全区域外に立地している場合には、今申し上げましたように、一般災害のリスクが高まった際に近隣の安全な施設に避難する計画をあらかじめ立てておくということを要件にしておりまして、それは守られているわけですけれども、実際に災害が起こったときに、その計画に基づいてしっかりと避難が実行できるようにしていかなければならない。そういったことをしっかりとフォローアップしていきたいと思っております。そういう意味でもう一度点検をして、不十分な場合にはしっかりと計画を立てていくように要請をしていきたいと、こういうことであります。

(問)テレビ朝日・吉野です。東海第二原発の5キロ圏の話ですが、前回も申し上げたのですけども、施設内にいる要支援者は、茨城県は基本的に逃がさないというようなことを言い始めていて、大体1万人から1万5,000人ぐらいいる施設の要支援者は、その施設に放射線防護施設としての工事を施すことによって何とかすると。ただその一方で、見通しは全く立たないわけです。もう一ついえば、在宅の要支援者も5,000人以上いるといわれていて、この人たちに対する対応は全く考えられてもいません。そうすると、茨城県の5キロ圏の要支援者対策というのは破綻しているように見えるのですが、国として今後どのようなアドバイスをしていかれるのでしょうか。
(答)原子力規制委員会が示しております原子力災害時の防護措置の考え方として、おおむね5キロメートル圏内の住民は放射性物質が放出する前から予防的に避難することが基本でございますけれども、避難行動に伴う健康影響を勘案し、特に高齢者や傷病者等の要支援者につきましては、近傍の遮蔽効果や気密性が高いコンクリート建屋の中で屋内退避を行うことも有効であると、このようにされております。東海第二地域につきましても、こうした考え方の下で、原子力防災の担当といたしましては、おおむね5キロメートル圏内の要支援者への対応について、屋内退避できる放射線防護施設の整備や福祉車両の確保等を含めて、今お話もございました、そういったかなり多くの方がそのような形で住んでおられる、また施設におられると、こういう実態がございますので、そのような地域の実態等も踏まえながら、茨城県を始めとする関係自治体等と現在も検討を進めているところでございますけれども、今後ともしっかりと検討を進めていきたいというように考えております。
(問)最後にしますけども、東海第二原発というのは、おそらく稼働率が70%ぐらいだったとしても、12、3年ぐらいしか動かなくて、投資に対して見合うかどうか分からないぎりぎりの原発というか、基本的に破綻した原発と言われているのですが、その原発を生かすために放射線防護施設をたくさんつくっていくのは、これは税金でつくっていくわけですが、その必要性について大臣はどのようにお考えになられますか。
(答)いわゆる原子力防災というのは、原子力発電所が稼働しているかしていないかにかかわらず、そこに原子力発電所が存在する限りは、しっかりとした原子力防災の計画を立てて、そういう発電所があれば、再稼働していなくても事故が起こる可能性はあるわけですから、いざという場合の避難計画をつくっていく。しっかりそれを立てて、住民の皆様方の安心・安全を確保していくということが必要だというように考えております。ですから、東海第二地域につきましても、再稼働の有無とは関係なく、しっかりとした原子力防災の計画をつくっていくと、こういう方針で臨んでいるところであります。

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