中川大臣記者会見録(平成30年5月15日(火)9:03 ~9:28 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私からは特にございません。

2.質疑応答

(問)読売新聞の中根です。まず1点目は、地球環境局の課長補佐級職員がセクハラ行為をしたとして停職一月の懲戒処分となりましたけれども、大臣としての受け止めを教えていただけますか。
(答)当省におきましてこのような事案が起きたことは大変遺憾に思います。今後は、職員を対象とする各種研修において、セクハラ防止に関する内容を充実・強化するなど、再発防止に努めてまいります。
(問)もう1点なのですけれども、先日、UNFCCCの補助会合とパリ協定の特別作業部会が開かれまして、そこでパリ協定の遵守に向けて議論されましたけれども、日本の取組ですとか、そこでどのようなことを発信したのか、またどのような議論が期待されるのかというところを教えていただけますでしょうか。
(答)気候変動枠組条約第48回補助機関会合におきましては、引き続き先進国と途上国の意見の相違はあるものの、パリ協定の実施指針の具体的な要素につきまして、技術的な検討が進展をいたしました。本年のCOP24におけるパリ協定の実施指針の採択に向けた作業が着実に進展をしたというふうに考えます。他方、COP24におけるパリ協定の実施指針の採択に向けた作業は山積しておりまして、交渉を更に加速化させるため、9月にタイのバンコクにおいて追加会合を開催することが決定いたしました。パリ協定に係る実施指針の策定交渉の状況でございますけれども、例えば各国の削減計画で明確にする情報やアカウンティングの制度について、先進国と途上国で義務の度合いを分けるべきだとか、透明性枠組みの指針は先進国と途上国について別々に作成すべきだ、先進国からの資金支援の情報の提供方法を決めるべきだというような主張が途上国から繰り返されまして、途上国と先進国との対立というのは継続しております。しかし一方で、これは技術的な進展というように言えると思いますけれども、昨年11月のCOP23において作成されました非公式ノートを基に、内容について議論を行い、議題ごとにCOP23の非公式ノートの改訂版を作成するなど、実質的な内容に関する議論に着実な進展が見られました。そういう意味では、このバンコクでの追加実務者会合を経て、COP24でこうした実施指針が取りまとめられることを期待いたしておりますし、我が国もこれからもしっかりとリーダーシップを発揮してまいりたいというふうに考えております。

(問)朝日新聞の川村と申します。第5次エネルギー基本計画、今策定中のものですけれども、こちらについてお伺いしたいのですが、先日、経産省の会合の方で骨子が示されて、明日16日には原案が示されるという手はずになっているのですけれども、原子力については電力量の割合の20%から22%とか、あと重大なベースロード電源というふうに、そういう記載があるというふうな一部報道もありましたけれども、一方で原子力に対しては、外務省の有識者会合などは、高リスクで競争力のない電源だとか、これに固執すると再生可能エネルギーの拡充というか、そういう拡大を阻む要素もあるというふうな指摘もあります。一方で大臣として、この原子力に対して改めてお考えを伺えればと思います。

(答)原子力発電に関しましては、私は、環境省の外局として独立性の高い3条委員会である原子力規制委員会を所管し、また、原子力防災担当大臣も兼務している立場にございます。その上で申し上げますと、原発につきましては、いかなる事情よりも安全性を優先し、原子力規制委員会が、科学的・技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発について、その判断を尊重するというのが一貫した政府の方針でございます。ただ、原発への依存度につきましては、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入などにより、可能な限り低減させるというのが政府の方針であります。この方針に沿って、環境省としても再生可能エネルギーの最大限の導入を進めてまいりたいと考えております。エネルギー基本計画の見直しの議論に当たりましても、このような環境省としての立場に変わりはございません。

(問)日本テレビの中村と申します。今のエネ基にちょっと関わるのですけれども、ちょうど半年前のこちらでの記者会見で、大臣が経産省と環境省などを併せて、国としての長期戦略を検討する会議を来年度のできるだけ早い時期に立ち上げるというふうに言われました。それから半年がたって、今年もかなり時間がたってきているのですけれども、まだ開催されるという気運が見られないのですけれども、今それについてはどのような状況なのか、あるいは何が問題でそれが立ち上げられないのかということもあれば教えていただきたいと思います。
(答)長期戦略をこれから策定していかなければならないわけで、これは政府全体としての長期戦略策定のための、検討する場を立ち上げるということで、今、経済産業省を始め内閣官房と、どのような場で議論を進めていくのかということについて、今、検討している最中ということでございます。今までは環境省は環境省で、経産省は経産省でという形で、それぞれの審議会やいろいろな勉強会で議論を進めてまいりましたけれども、これからは政府全体として2050年80%、さらにはその先の社会というものを目指してしっかりとした長期戦略を打ち立てていかなければならない、そういう、今、状況にございます。特に今何か支障があるということではございませんで、今、どういう場で検討を始めるのかということを調整している段階というふうに御理解をいただきたいと思います。
(問)いろいろなところを取材すると、やはり同じような、どういう場で議論をするのかという場づくり、場選びに時間がかかっているというような言葉は聞くものの、場を選ぶにしては随分時間がかかるなというのが印象でありまして、正に大臣がおっしゃったように、経産省の方では経産省独自のエネ基というのが間もなく出て、これが国の戦略であるがごとく報じられる時期がこの夏に来るのだろうと思うのですけれども、そこには環境省が言っているカーボンプライシングの話とかは一切入っておりませんので、国としての戦略ではないのではないかと思うのですけれども、結局二度手間になってしまうという意味では、やはり国の会議が遅れていることは否めないのではないかと思うのですけれども、そこはいかがお考えですか。
(答)今、御指摘のとおり、経産省は経産省としての考え方を打ち出すというふうに思います。今のカーボンプライシング等の議論につきましては、環境省としては前向きに進めていかなければならないという考えを、もう既にお示ししておりまして、そういった各省の考え方を政府全体としての検討の場に持ち寄って、それで政府全体としての立場に立って議論をしていただき、内閣として長期戦略を決めると、こういうことになりますので、経産省の考え方が国の考え方だというようなことは全くございません。正にこれから、環境省としての考え方もそのような場でしっかりと主張して、政府全体としての調整をしていただくということになると考えております。

(問)鹿児島の南日本新聞の重吉といいます。世界遺産候補地の奄美・沖縄4島についてなのですけれども、この夏に審査を受けるのか、それともIUCNの勧告を踏まえてもう一回練り直して再提出するか、そちらの方向性というのはいつぐらいに決めるかというのはあるでしょうか。
(答)いずれにしても、この4島の世界遺産登録の問題につきましては、まず事務方の方で昨日までにIUCNの考えを聴取できたというふうに報告を受けております。その中で、4島が世界遺産登録の可能性を有していることが明確に確認できたというふうに聞いておりまして、これは早期の登録につながる情報だと考えます。一方で、推薦地の連続性の観点から北部訓練場の返還地を推薦地に含める必要があること、返還地の追加は推薦地の境界の大規模な変更に当たるため、改めて事前の現地調査が必要であることについてIUCNが強い意見を持っていることも確認できました。そこで、こういった情報を踏まえまして、確実かつ可能な限り早期の世界遺産登録を実現するにはどのような対応が最善なのか、速やかに判断をしていきたいと考えております。いずれにいたしましても、もちろん、この本審査が6月末から7月初めにかけて行われるわけでございますので、それまでには、あるいはもっと早期に対応を判断しなければなりません。そこで、今後の手順といたしましては、評価書の内容を地元の自治体に説明をいたしまして、それに対する地元の考え方を丁寧に聞いて、その上で今後の対応を判断をしてまいりたいと考えております。

(問)熊本日日新聞の内田といいます。昨日チッソの決算が発表されました。厳しい内容だったわけですが、その中で事業会社JNCの経常利益が56億円でして、政府が行っている抜本支援策が前提としている53億円に迫る内容でした。仮に下回ると、この支援の枠組みが崩れるような事態も考えられるわけですが、この数字について大臣の受け止めをお聞かせください。
(答)チッソ株式会社の事業子会社でありますJCN株式会社を中心として、平成29年度連結決算は、主力の液晶事業において、液晶材料の販売が低調に推移したこと等を背景に減益決算となったものと承知しております。大変厳しい状況だというふうに私も認識をいたしておりますけれども、その上で、チッソからは引き続き水俣病患者への補償金支払い等を確実に実施していくことを確認いたしておりまして、環境省としても、企業業績の変化を注視するとともに、厳しい経営環境の中での御努力を期待いたしております。これは民間の事業会社の決算ということでございますので、環境省としてはしっかりと注視をして、また企業経営の努力を期待したいというふうに考えております。

(問)共同通信の深谷です。長期戦略の話に戻って恐縮なのですけれども、ボンでの補助機関会合に合わせて、世界の研究機関でつくるクライメート・アクション・トラッカーという団体が、日本が石炭火力を推進しているという批判のほか、長期戦略がまだできていないということについて問題だとするような指摘をしておりまして、確かにG7の中で、今、温暖化対策の長期戦略を提出していない国というのは、今もう、イタリアと日本という状況なのですけれども、このような現状について大臣、どのようにお考えでしょうか。
(答)まず長期戦略につきましては、これから政府全体としての議論を進めて、極力早い時期に取りまとめをして公表していかなければならないというふうに考えております。その議論の過程で、環境省としては、石炭火力発電につきましては、従来から私が申し上げておりますように、厳しい姿勢で臨んでまいりたいと考えております。特に2050年80%削減、その先の実質排出ゼロという社会を目指して考えますと、石炭火力発電については相当厳しい状況が出てくると思いますので、しっかりとそうした状況に対して対応できるように、環境省としては厳しい意見を、厳しい対応をしていきたいというふうに考えております。

(問)沖縄タイムスの上地と申します。先ほどの自然遺産の話に戻るのですが、IUCNが現地調査をしたいという強い意向を持っていることが確認できたということなのですけれども、その上で、取り下げなくても対応は可能というお考えなのでしょうか。それとも、本審査に、何か、かけるメリットというのがあるのでしょうか。
(答)今年の本審査で登録が認められるということはかなり厳しい状況だと考えます。そして、その次の情報照会ということに、仮にそういう決議を得られたといたしましても、来年のIUCNの勧告で再度、延期が適当とされますと、世界遺産登録が更に遅れる可能性もございますので、推薦の申請といいますか、正確には推薦と、こういうことですが、通常、申請というふうにお考えいただいていいと思いますが、一旦これを取り下げてIUCNの勧告の内容に沿った推薦をもう一度し直すということが近道なのか、今年の本審査で登録とかという状況は難しいとしましても、推薦をそのままにしてIUCNの勧告に沿った内容に修正をすると、推薦の内容を修正をするということで対応できるのかどうかということも含めて、地元の自治体の皆様方の御意見を伺いながら、そこを早急に判断していかなければならないというふうに考えておりますが、現時点におきましては、対応は検討中ということでございます。

(問)毎日新聞の五十嵐です。今の関連なのですけれども、環境省としてどのように今後対処していくかという方向性を固めない状態で地元自治体の意見を聞くのか、それともある程度環境省として方向性を見いだした上で、地元自治体に説明した上で理解を求めていくのか、考え方としてはどちらの方がより近いのでしょうか。
(答)地元自治体の大変熱意ある世界遺産登録に向けてのお気持ちをしっかりと実現していくためには、どのような形をとれば近道なのかということを、このIUCNの勧告内容を地元の自治体の方、関係者の方にご御説明した上で、それで地元自治体の方の御意見をまずは丁寧に伺って、その上で環境省としての判断をしっかりと固めて、それをまた地元の自治体の方に御説明をして御理解をいただくと、こういう丁寧な手順が必要ではないかというふうに考えております。

( 以  上 )

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