大臣談話・大臣記者会見要旨

とかしき副大臣記者会見録(平成30年9月6日(木)11:16~11:31 於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

始めに、本日3時過ぎに発生しました胆振地方の中東部を震源とする地震につきましてお話をさせていただきます。依然として被害状況の全貌が明らかになっておりませんけれども、まずは被災なさった皆様にお見舞い申し上げるとともに、余震も続いているようでございますので、しっかりと安全を確保していただけるようにお願いしたいと思います。また、一昨日は関西エリアで台風21号が上陸いたしまして、日本列島を横断していったということで、全国あちこちで被害が出ました。亡くなられた方々に対しまして、お悔やみを申し上げるとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。環境省といたしましても、今日の明け方の地震の発生直後に、各部局に情報収集を3時20分に指示させていただきまして、その後、官房長をトップとしました環境省災害対策チームを設置させていただきました。そして、災害廃棄物の処理施設や国立公園など当省に関わる施設がどんな被災状況になっているのかということを今取り急ぎ確認しながら情報収集に努めているところであります。また、現地を所管する北海道地方環境事務所におきまして、現地の災害対策本部を立ち上げ、地方自治体と連携して情報収集の対応に当たらせていただいております。また、交通手段の確保をして、環境省の職員や専門家を北海道に派遣し、災害廃棄物の発生状況を確認する予定でございます。今回の地震におきまして、原発については各施設とも異常があるという情報は入ってきておりません。あと、台風21号につきましても、現地の近畿地方環境事務所を中心に引き続き被害状況を確認するとともに、昨日、災害廃棄物の処理等に係る事務連絡を全国の自治体に発出させていただいております。これも現地からの情報収集を進めるとともに、特に自治体からの動きをしっかりと捕まえてほしい、自治体が現場で困っているのは一体何なのかということを職員がなるべく現地に赴いて、積極的にニーズをすくい上げていく、そしてそれで対応を先回りして打てるようにという体制をつくっていこうということで、なるべく職員に現地に赴くように指示を出しました。地震と台風に関しては以上でございます。
 続きまして、今度は私が出張していた報告を少しだけさせていただきます。8月の下旬に出張させていただきました2件について御報告させていただきます。8月20日から23日にかけまして、フィリピンとタイの2カ国を訪問してまいりました。この出張では、フィリピン、タイの政府の要人と海洋プラスチックのごみ、そして気候変動、廃棄物処理、様々な分野における意見交換をさせていただきました。特にタイでは、バンコク市内を流れる水路を実際ボートに乗って1時間ぐらい上ってみました。プラスチックのごみがどうなっているのかということで行きましたけれども、大量のプラスチックごみが流れていて、かなり深刻な状況であるということがわかりました。この出張を通じまして、海洋プラスチックのごみの問題を真剣に考えないと大変なことになるという危機感を持ったわけであります。アジア地域における対策、特にエリアでどうしていくのかということへの対策が急がれるということがわかりました。プラスチックごみの6割ぐらいはアジアのほうから出ておりますので、私たちアジア地域の人たちが、このプラスチック、海洋プラスチックの問題にしっかりと前向きに取り組む必要性を感じました。
 次に8月27日、28日にアルゼンチンで開催されましたG20の準備会合に出席させていただきました。27日はG20の資源効率性対話で、冒頭私のほうから挨拶をさせていただきました。資源効率性をいかに高めて、それをビジネスにいかにつなげるかが重要であるということをお話しさせていただきました。我が国が本年6月に循環型社会形成推進基本計画を見直したということも報告をさせていただきました。あと、翌日の28日はG20の気候持続可能性作業部会が行われまして、この作業部会では、我が国がこの間の国会で制定させていただきました気候変動適応法のポイントとか、ESG投資とか、グリーンボンドの拡大など、日本の取組を紹介させていただきました。これらの成果は11月末のアルゼンチンでのG20サミットの議論や成果にインプットされていくこととなります。我が国が来年いよいよG20の議長国になりますので、今回、環境省と経産省が合同で、来年の6月に世界で初めて、G20の持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合を軽井沢でやります。この会議の中で多分テーマになってくるのが、環境保全対策のビジネスをどうしていくのかということと、先ほどからお話ししております海洋プラスチックの対策、この2点について積極的に議論することになるかと思います。
 あと、もう一つ最後の御報告なのですが、一昨日9月4日、本年7月に発足いたしました脱炭素社会実現に向けた非政府主体のネットワークであります気候変動イニシアティブ(JCI)の皆様と意見交換をさせていただきました。この意見交換の中で、私は非政府主体の活動が非常に重要になってきているということをお話しさせていただきまして、あとは政府が非政府主体のこういう活動といかに連携をしていくのが大切か、ウイングを広げていくことが大切であるかということをお話しさせていただきました。そして、テーマとして主に掲げさせていただきましたのは、JCIというこれまでにないネットワークを駆使して気候変動のビジネスモデルをどうつくっていくのかということが話題の一つ、あと、もう一つは年末のCOP24に向けて、国際会議の中でJCIがどういう発信をしていただけるのか、私たちとどう連携していけるのか、そういったお話について、意見を交わしました。JCIのほうからは、自治体や企業、NGOがパリ協定の実施の実行部隊として非政府主体同士の協力や、更に政府とか日本社会、そして世界と、そうした観点から協力体制をいかにつくっていくことが大切かということを訴えていただきました。このほかには、脱炭素化への取組が意欲的だけれども、多くの人たちに気候変動問題、今年の夏も大変でしたけれども、そういった基本的な理解をやはり進めていくことがまだまだ必要であるとか、あと非政府主体が安心して長期的に戦略を持って活動がとれるように、政府としてもバックアップしてほしいとか、タラノア対話も含めて、我が国の野心的な目標の引き上げをもっと検討するべきではないかというような発言がございました。最後私から、環境省として、企業や自治体といったあらゆる主体が気候変動問題に理解を深めてもらうことが大切であり、COP24の前の2週間に気候ウィークという形でイベントを開催していきたいということで、ここにもJCIの皆様にも登録、協力をお願いしたいというふうに要望させていただきました。この意見交換を皮切りに、今後、非政府主体の皆様と積極的に交流を持たせていただいて、脱炭素化社会の流れをしっかりつくって、これを加速させていきたいと考えております。

2.質疑応答

(問)幹事社の共同通信の深谷です。よろしくお願いします。冒頭に御発言のありました北海道の地震の件なのですけれども、まだ被害状況を確認中ということなのですけれども、今後の対応で副大臣が注目しているというか、力を入れてやっていきたいというふうに思っていらっしゃることを教えていただきたいのです。
(答)そうですね。先ほどもちょっとお話しさせていただきました自治体との連携が結構重要になってくると思います。実は、これは大雨のときの対応で、例えばペットの話ですけれども、環境省が連絡しても、自治体は問題ありません、きちんと対応できていますというふうにおっしゃられるのですが、実態は、ペットを連れた方が避難所に行くとなかなか受け付けてもらえていなかったりとか、迷ってしまわれたりとか、結局自宅に籠もる結果になってしまったりとか、現場ではまた違う状況が起こっていたりしました。やはり私たちが問合せしただけではなかなか実態がつかめないところもあるので、その実態が一体どうなっているのか、情報に差がないように、そこをしっかり見てほしいと。あの大雨のとき、ごみが国道のところに山積みになってしまうようなこともありましたけれども、ああいった事態が、多分現場に行ってよく見ておけば想定ができたのではないかなと思います。私たち環境省の職員がやはり想像力を豊かにして、現場に出向いていって、次にどういった事態が起こるのかということをちゃんと想定して対策が打てるように、そういう準備をしておくのが環境省の仕事ではないかなというふうに思います。今、北海道は特に被災した直後ですから、多分インフラを復旧させることや被害者の方々を救出したりとか、そういう命と生活に関わるところが最優先で対応されているというのは想像できます。私たち環境省は、実は次のステージ、その対策がある程度見えてきた後に、ごみをどうするのかとか、結構長期にわたる対応を担っていかなければいけません。その初期対応をしている間に、私たち環境省としてどういうサポートをしてあげたらいいのかということをしっかりと見て、それをきちんと情報として蓄積できるように、そして、これだけ災害が多くなってきますので、マニュアルがちゃんとできるぐらいの情報量を収集してほしいということで、昨日も台風21号の対応について話をしました。今回の北海道の件もそういったことは同じことでありますが、災害の種類によって対応の仕方が微妙にまた違ってきますので、そこもしっかりウオッチングするようにということで指示を出しました。

(問)毎日新聞の五十嵐です。質問というより、ちょっとお願いを込めてなのですけれども、先ほど気候ウィークの言及がございましたけれども、そういった形で毎年気候ウィークという形で積極的にその問題を周知したりとかということでされていると思うのですが、何分ちょっと私たちもアンテナのはり方が足りないのかもしれませんが、毎年直前になって、こういう形で、行事をやりますというのもなかなかちょっと対応し切れない部分もあったりとか、そういったところをできるだけ早目に周知していただければなというふうに思っております。
(答)はい。今度は11月19日の月曜日から12月2日の日曜日までということで一応進めさせていただく予定になっております。今回は内容のほうは、まだこれからなのですけれども、企業へCO2削減のアクションを呼びかけるということで「COOL CHOICE チャレンジ~地球温暖会対策を実践する1週間~」といったイベントを開催する予定であります。まだ詳細についてはこれからでありますので、ちゃんと10月には御案内できるようにしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
(問)関連でもう一つなのですけれども、先ほどJCIとの意見交換について言及がございましたが、来週サンフランシスコのサミットもありますし、彼らは当然現地でも様々な説明等あったり発表されると思うのですけれども、ああいう形で日本の非国家アクターが国際社会の場でどういった動きといいますか、どういった振る舞いをしてくれることに期待をされるかなのですけれども。
(答)そうですね。私も国際会議に出ていて、やはりこの気候変動対策が政府だけの対応ではだめだということで、なるべく多くの人を巻き込んでいくことが重要ではないかというのが必ず話題になります。特に、先ほどからお話ししているビジネスとか、要するに企業の取組とか、あと市民の取組とか、そういったことが、ウイングを広げていくことが重要であると言っています。特に気候変動も世界中みんなが困っているイシューでありますから、逆を言えば、これだけ困っていることがあるわけですからビジネスチャンスにも結びつくわけであります。ですから、ごく一部の心ある企業だけが気候変動対策をするのではなくて、みんなで取り組んで、ビジネスチャンスを活かし、多くの人が取り組めばそれだけこの問題は早く乗り越えることができるということで、やはりその機運をどれだけつくっていくのかというのが重要であると思います。そういう意味では、政府だけではなくてこういう非政府の団体がそういうのろしを上げてくださって、実際にその賛同者を募って、成功事例をつくって、それを共有していくという、こういう流れをつくってくださるのは非常にありがたいことでありますし、今までにない活動の仕方になってくるので、すごく期待しているところでもあります。環境省としても、しっかりとそれはサポートしていきたいなと思います。