中川大臣記者会見録(平成30年8月28日(火)10:46 ~11:21 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 まず、平成30年度原子力総合防災訓練の実施結果について御報告いたします。8月25日土曜日及び26日日曜日の2日間、関西電力株式会社・大飯発電所及び高浜発電所を対象として、平成30年度原子力総合防災訓練を実施いたしました。官邸、原子力規制庁緊急時対応センター・ERC、現地のオフサイトセンター、福井県、京都府、滋賀県等の各拠点において、1日目は、中央と現地組織の連携による避難計画等の意思決定訓練、2日目は、現地を中心とした住民避難等の実動訓練を主に実施いたしました。特に、今回の訓練は、初めて二つの発電所を対象としたものであり、訓練を通じて、大飯、高浜各地域の「緊急時対応」に基づく住民避難等、それから両発電所の事態進展に応じた、現地対策本部の統合や一元的な対応といった点について、その実効性を確認いたしました。今後、訓練結果から教訓事項を抽出し、両地域の原子力防災体制の更なる充実・強化に取り組んでまいります。
 次に、平成30年7月豪雨による被害についての関連で御報告いたします。平成30年7月豪雨に係る環境省の対応状況でございます。先週の広島訪問の中で、広島県知事から要望のありました、ごみ処理施設や、し尿処理施設等の復旧に資する「廃棄物処理施設災害復旧事業」の補助率の嵩上げにつきまして、1/2から8/10に補助率を引き上げることを決定いたしました。また、災害廃棄物につきましては、周辺住民の皆様方の御要望等を踏まえて継続使用する仮置場を除き、概ね8月中には身近な仮置場から搬出できる見込みでございまして、引き続き、総力を挙げて、円滑かつ迅速な処理を進めてまいります。
 次に、「いぶき2号」の打ち上げ予定日についてでございます。環境省が、国立環境研究所及び宇宙航空研究開発機構と共同で開発した温室効果ガス観測技術衛星2号、いわゆる「いぶき2号」につきまして、10月29日月曜日に打ち上げられることが決定いたしましたので、お知らせいたします。詳細は、午後に発表させていただきます。環境省としては、「いぶき2号」により、世界各国が「パリ協定」に基づき実施する気候変動対策に貢献してまいります。
 次に、本日開催されました「公務部門における障害者雇用に関する関係閣僚会議」に出席してまいりましたので、その報告をいたします。閣僚会議におきましては、厚生労働大臣より、国の行政機関における障害者雇用の状況に関する再点検の結果について報告がありました。また、閣僚会議の下に、厚生労働大臣を議長とする「公務部門における障害者雇用に関する関係府省連絡会議」を設置し、今後の対応について検討することになりました。環境省でも、障害者の雇用者数を誤って過大に報告していたという再点検結果を重く受け止めております。平成29年6月1日時点の報告で「職員数1,974人、障害者数46人、実雇用率2.33%」としていたものが、再点検の結果、「職員数2,775人、障害者数15人、実雇用率0.54%」になりました。当省が障害者雇用の責任を果たしていなかったことにつきまして、この場をお借りいたしまして、深くお詫び申し上げます。今後は、法定雇用率を早急かつ確実に達成することができるよう、業務の見直しを進める中で、省内の各部署において、障害者が活躍することができる場を積極的に見いだし、計画的な採用を進めてまいります。このため、雇用計画の策定や、受入体制の整備などを進めるべく、事務方に対し、早急に検討・行動するよう指示したところでございます。また、予算等について必要な事項が生じれば、関係府省とも協議していきたいと考えております。

2.質疑応答

(問)TBSの梶川と申します。まず一つ目なのですけれども、大飯原発と高浜原発は今回が初めての大規模な防災訓練ということで、今回参加して、課題や教訓などありましたら教えてください。
(答)今回の訓練を通じてどのような課題があったのか、どういう教訓事項が得られたのかにつきましては、今後、今回の訓練に参加をされた方々には、実際に、今回の訓練を主導した方、そういった方々、関係者の方からいろいろな意見、また問題意識をしっかりとお聞きしながら、今後、評価・分析を行ってまいります。ですから、今後の問題ということになるわけでございますが、その上で、現時点で申し上げますと、例えば、まずは、大飯、高浜、それぞれの「緊急時対応」に基づく住民避難等を、現地対策本部の統合を含め、一元的に混乱なく進めることができたというように思います。また、中央と現地組織が連携し、災害対応の一連の手順や動作を確認することができたと。そういった成果があったと思いますが、一方で、事態に応じた避難行動や、屋内退避の重要性に係る住民理解を更に一層促進していく必要があるといった課題も実感いたしたところでございます。訓練をやって初めて、「ああ、そういうことか」ということを認識していただいた方が多いと思います。そういう意味では、更なる理解の促進というものが重要だというふうに思います。いずれにいたしましても、今後、外部の専門家等の評価も得つつ、訓練からの教訓事項等を抽出し、大飯、高浜、両地域の原子力防災体制の充実・強化に取り組んでまいりたいと考えております。
(問)もう1点なのですけれども、先ほどもありました今回の障害者の雇用率の、法定雇用率を達成できなかったこの状況に対して、原因など環境省としての見解があれば教えていただけますか。
(答)これは厚生労働省への報告に当たり、障害者手帳の有無を確認する必要性を認識していなかったことが大きな原因であるというように認識しております。今後はこのような事態が生じることのないよう、厚生労働省の各種通知の内容をよく確認しつつ、同省の指導を受けるなどして、適切に対応してまいりたいと考えております。

(問)共同通信の藤井です。訓練について2点お伺いしたいと思います。大飯と高浜の、挟まれた地域の住民の方などのお話を聞くと、同時事故の際の避難が不安だという声も一部ありました。政府としては大飯、高浜のそれぞれの避難計画で避難場所がかぶっていないとか、そういった点で基本的には対応できるという見解かと思うのですけれども、この訓練終了後もその考えについてお変わりがないかということを教えていただけますでしょうか。
 もう1点は、首相官邸で行われた原子力災害対策本部会議を取材したのですけれども、その中で大臣始め総理、職員の方、例年着ているはずの防災服を着ていなかったという点について、ちょっと違和感を感じました。例年着ている防災服を着ていなかったというところで意識の変化が何かあったのか、理由について教えていただけますでしょうか。
(答)まず、1点目のことでございますけれども、大飯、高浜それぞれの地域の緊急時対応に基づく住民避難等、それからその住民避難等について両発電所の事態進展に応じ、現地対策本部を統合し、一元的に対応するといった点について、その実効性を確認したわけでございますが、全体として混乱なくおおむね適切に対応できたというように、現時点では評価をしております。ただ、これから、訓練に参加をされた方、訓練を指揮された現地の責任者の方等々から個別具体的な課題をこれからお聞きして、今後の訓練の教訓事項を抽出していく、そういった中でいろいろな御意見をしっかり確認していきたいと思っております。
 それから、2点目の防災服を着用していなかったということでありますが、これは実際の原子力災害時に防災服に着替えるいとまがない場合もあり得るということから、今回の訓練は、そうした場合を想定して実施をしたということでございます。
(問)1点だけ短く追加でお伺いしたいのですけれど、訓練の成果報告書というのは、教訓事項などをまとめた報告書は、年度内にまとめるということでよろしいのでしょうか。
(答)はい。

(問)テレビ朝日・吉野です。いくつかお伺いしたいのですけれども、まず障害者の雇用未達についてなのですけれども、これは大きく未達していると言っていいと思うのですけれども、今後、原因の分析及び再発防止対策が必要になってくると思うのですが、その辺についてはどのようにされるのでしょうか
(答)ここはやはり、障害者手帳の有無を確認する必要性を認識していなかったということが原因であります。認識が不十分なまま、集計を行っていたと。これはずっと、長年にわたって十分な認識のないまま、そういったやり方が続いていたということでございます。したがいまして、これは今、冒頭申し上げましたが、内閣全体の問題ということで、関係府省連絡会議で今般の事態の検証等をいたします。その検証結果を踏まえて、環境省としてもしっかりと対応していかなければならないと考えております。
(問)例えば、自転車を運転するのに免許証の有無を確認していないのに等しいような話だと思うのですけれども。イロハのイだと思うのですよね。大臣、これは意図的だったのか、どう思われますか、この点については。
(答)意図的というふうには考えておりません。前任からずっと長い間、いつからというのもちょっと検証できないぐらいでありまして、長い間のやり方を踏襲してきたと。手帳を確認するということについて、個人情報というようなこともあって、なかなか確認しづらかったという面もあると思います。各省の方の話を伺っても、そういったこともあって、ずっとそういったやり方を踏襲してきたということで、今の担当が意図的ということはないと思いますが、認識が不十分だったということは、これは大いに反省しなければならないことだと考えております。
(問)この件については最後にしますけれども、問題が持ち上がってから、秘書課であるとか、広報室であるとか、こちらの官房とか、いろいろなところにこの件について問い合わせましたが、調査中、調査中で突っぱねるばかりか、逃げ回っていたわけですよね。人数については調査中だし、厚生労働省と平仄をあわせる部分があるかもしれないけど、そういう、今、大臣がおっしゃったようなバックグラウンドぐらいは、きちんと記者に説明する義務があったのではないでしょうか。官房長いかがですか。
(事務方)本件につきましては、厚生労働省の調査に対しての報告ということでございまして、厚生労働省と内容を精査して、固めていったということでございますので、その過程の段階で先ほど言われたような対応をしてきたということでございます。
(問)最後にしますけど、バックグラウンドも調査する前から、悪気はなかった、悪気はなかったというようなことを、いろいろなことを吹聴する職員がたくさんいました。あれはちょっと本末転倒だと思いますので、それを一言、苦言を呈しておきます。
(答)しっかりと今のお話を受け止めさせていただき、今後の対応にいかしていきたいと思っております。

(問)NHKの杉田です。「いぶき2号」の打ち上げのことでお伺いしたいのですけれども、各国の気候変動対策に貢献していきたいというふうに、さっきおっしゃっていたと思うのですけれども、もう少し具体的に、どういうふうに貢献していきたいのかとか、御期待されることについて、もう少し具体的に教えていただければと思います。
(問)「いぶき2号」の新しい機能といたしまして、インテリジェントポインティングという、雲を自動的に避けて晴れた地点を観測する機能、あるいは二酸化炭素と一酸化炭素の同時観測、さらにPM2.5、ブラックカーボン等の大気汚染物質の推定といったような機能が新たに加わります。また、この「いぶき2号」で特に強化される点といたしまして、観測精度の向上ということが挙げられます。二酸化炭素、メタンの濃度の推定が1桁向上をするということであります。そして、大都市単位・大規模排出源単位での人間活動による温室効果ガスの排出量の特定ができるということでございます。そういった形で、観測精度の向上が見込まれるわけでありまして、都市単位や大規模な排出源単位での温室効果ガスの観測が可能となるなどの進展が期待されるということでございまして、環境省としてはこの「いぶき2号」による観測データを、「パリ協定」に基づき世界各国が把握、報告する温室効果ガス排出量の検証に活用していただくということによって、世界の気候変動対策への貢献を目指していきたいというふうに考えております。

(問)読売新聞の小林です。障害者雇用の関係なのですが、環境省の不足分が、48人という数字が出ているかと思うのですが、今後何らかの形で雇用を進めていくことになるかと思うのですが、現状、環境省を含めて霞が関という職場があまり障害者の方が働きやすいような職場環境にはないように拝見するのですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)障害者の雇用を促進していくために、これは霞が関全体に通じることでございますけれども、まずはできるだけ早期に雇用計画をしっかり立てるということ。そして、ハード面やソフト面で配慮すべき点について、整理・対応を進めるということで、雇用推進のための体制整備を図ることが重要だと思っております。環境省におきましても、ハード面で申し上げれば、各職場における出入口の段差やドア、手すり、トイレ等の状況を把握した上で、可能なものから順次改善をしていきたいと思っておりますし、机の配置の工夫や床置きファイルの撤去等、執務室の改善を図るということも重要だと思います。それから、ソフト面といたしましては、障害者に関するいろいろな障害の基礎知識や、一緒に働くために必要な配慮等の知識を身につけたサポーターの方を配置をしていくということも必要ではないかと。そういったようなハード、ソフト両面にわたる対応を進めて、障害者雇用を促進していきたいと考えております。

(問)朝日新聞の川村です。障害者雇用の問題です。そもそも環境省の場合、法廷雇用障害者数の算定基礎職員数が、何か大幅に違っていたみたいなのですけれど、ちょっとこの辺の原因について、事務方でも結構なので。
(事務方)職員数が増加しておりますのは、これまで非常勤職員を対象外と認識して誤っておりましたが、翌年度以降も継続雇用の可能性がある非常勤職員の方はその数に含まれるということが厚生労働省の方針でございまして、それに沿って増やしたということでございます。
(問)もう1件、全然別件で、先ほどの「いぶき2号」に関してなのですけれども、「パリ協定」に基づいて各国が報告を義務付けられている、温室効果ガスをどれだけ排出量を削減できたかということの検証に使えるということなのですけれども、こういう「いぶき2号」でこういう検証をあえて日本がすることによって、日本にとってのメリットだったり、世界全体にどのように貢献していきたいと思うかという部分を、もう少し具体的に教えてください。
(答)これは、特に途上国におきましては、排出をどのくらいしているのかという算定をすることについて、まだ十分な体制が整っていないところもあると思います。もちろん、我が国のそういった算定のより一層の精度を高めていくということもありますが、途上国を始め各国にそういうデータを提供するということで、国際貢献という役割を果たす。我が国といたしましても、こういった気候変動対策の国際的な、世界的なリーダーシップをとっていきたいと、そういう中でこの「いぶき2号」に対する期待が各国で非常に高まっておりますので、その責務を果たしていきたいと思います。昨年、COP23の国際会議に私自身出席をして、この「いぶき2号」の打ち上げについてお話をいたしました。大変、各国から大きな期待が寄せられたということもございます。
(問)太陽光パネルの設置に関して、環境アセスメントを義務付けるかどうかということの検討を明日から始めるということなのですけれども、改めまして大臣から、このバックグラウンドと意義についてお伺いしたいのですけれども。
(答)太陽光発電施設につきましては、今年7月に武部政務官の下に設置した「太陽光発電のリサイクル・適正処理等に関する検討チーム」におきまして、「環境影響評価法の対象事業とすることも含めて、導入に当たっての環境配慮を推進するための適切な制度の検討を早急に行うべき」という結果を取りまとめました。これを踏まえ、「太陽光発電施設等に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会」を今週30日に開催をし、検討を開始する予定でございます。その議論を経た上で、今年度末には方針を固めたいと考えているところでございます。そのバックグラウンドといたしましては、現状、大規模な森林伐採等により環境への影響が懸念される事案が発生しているということが挙げられます。森林伐採等に伴う土砂の流出や濁水、生態系への影響や景観への影響を回避・低減するための仕組みが未整備であるという課題が指摘されておりまして、そういうバックグラウンドに基づいて、大規模な太陽光発電事業につきまして、環境影響評価法の対象事業とすることも含め、導入に当たっての環境配慮を推進するための適切な制度の検討を早急に行うべきだと、そういう考えの下に検討を開始しているということでございます。
(問)関連してですけど、西日本の豪雨で太陽光の造成地でも土砂災害が起きるということがありまして、やはりこういう点も加味して、含めて検討されるということでよろしいでしょうか。
(答)はい。そのように考えております。

(問)フジテレビ・加藤です。雇用の件について1点だけ。民間企業にも、かなりこのことはきちんと指示・指導を国としてはしていて、今回の見直し、大規模な数値不足に関して、大臣から認識の不足だと、ちょっと軽いように聞こえるのですよね。ちょっとそのことについて、もうちょっときちんと、何か出てからの話なのかも知れないですけど、ただ認識の不足といって民間企業は多分ゆるされないことだとは思うので、大臣として、何かこういうことがいけなかった、長年続いていていつからかわからない、何かちょっと軽く聞こえるので、もうちょっと何か考えをお伺いできますでしょうか。
(答)冒頭申し上げたところでございますけれども、環境省でも、これは政府のほかの役所におきましてもそういった事例があったということが今日報告されたわけですけれども、環境省におきまして、障害者の雇用者数を誤って過大に報告していたという再点検結果、これは本当に重く受け止めなければならないと思っております。当省が障害者雇用の責任を果たしていなかったということにつきまして、深くお詫びを申し上げたいと思います。今後は法定雇用率を早急かつ確実に達成できるように、既に色々申し上げたところでございますけれども、障害者が活躍することができる場を積極的に見いだし、計画的な採用を進めていきたいということを改めて決意いたしまして、お詫びと決意ということにさせていただきたいと思います。
(問)それがお詫びされているような感じがしないので聞いたのですけれど、同じことなのでもう結構です。

(問)日経新聞の安倍と申します。障害者雇用について関連してなのですけれども、先ほどから質問でありました元々の必要な基礎となる職員数、環境省は大きくずれている。どれぐらいずれてるかというと、4割ずれています。省庁によってはきちんとそこの部分は出しているところもあると思いますけれども、4割は先ほどの御説明では非常勤職員の数が足りていなかったというお話ですが、全員この4割の人はみんな非常勤職員という認識でよろしいのですか。
(事務方)全員、非常勤職員ということです。
(問)できている省庁もありますけれども、環境省は随分と御認識がルーズなところがあるように思いますけれども、その理由はどういうことだと考えられますか。
(事務方)環境省は非常勤職員も多いというのが元々あると思いますけれども、その理由も含めて、今後の検証の中でやっていきたいと思います。
(問)必要な人数が不足していたという問題とはまたこれ別の話だと思うのですけれども、そもそもの御認識が随分緩いように私は見受けられますけれども、これはマネージメントの何か責任でも随分あるように思いますけれども、その辺、大臣であるとか官房長はどのように受け止められますか。
(事務方)非常勤職員をカウントしていなかったということについては、常時雇用するというようなルールだということですが、それについて誤解の下に非常勤を完全除外してしまったということがございます。こういったことはやはり、しっかりと調査の趣旨なり、調査の対応について確認をしていなかったということだと思います。この点については私どもに誤りがあったと、こういうふうに思っておりますので今後しっかりと対応したいと思います。
(問)民間企業だと、やはりかなり問題だとされると思いますが、御担当の職員の方の何かペナルティーとか、そういうことも考える必要もあるのではないかなと思いますけれども、この辺りはどのようにお考えでしょうか
(答)これは今後の関係府省の連絡会議の検証結果を踏まえて、環境省としても適切に対応していきたいと思っております。

(以上)

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