中川大臣記者会見録(平成30年8月10日(金)10:51~11:09 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日、株式会社JERAの横須賀石炭火力発電所建設計画について、環境影響評価法に基づく環境大臣意見を経済産業大臣に提出いたしました。意見の概要は御手元の資料を御覧いただければと思います。昨今の脱炭素社会、そこに向かっていく世界の潮流の中で、それに逆行するような石炭火力発電所は将来的には是認できなくなるおそれもございまして、事業者におかれては、事業リスクが極めて高いことを改めて強く自覚していただきたいと思います。その上でなお、石炭火力発電所を建設・稼働するということであれば、事業者として、それ相応の覚悟を持って、所有する低効率の火力発電所の休廃止・稼働抑制などにより、更なるCO2排出削減を実施していただく必要があります。こうした状況を踏まえ、2030年度及びそれ以降に向けた本事業に係るCO2排出削減の取組への対応の道筋が描けない場合には、事業実施を再検討することを含め、あらゆる選択肢を勘案して検討することが重要であると申し上げました。環境省といたしましては、本意見を受けた事業者の計画的な取組について、今後継続的にフォローしてまいります。

2.質疑応答

(問)幹事社・時事通信です。横須賀火力発電所は計画通り進んでいくというか、今のところ変更はないようですけども、一方で仙台ですとか、今日一部で報道があった千葉ですとかみたいに、石炭火力から別のものに転換するという検討をされているところもあるようで、こうした動きも踏まえて、脱炭素化の流れというのをどのように感じておられるのか、改めてお聞かせいただけますか。
(答)一昨年のパリ協定発効以降、脱炭素社会へ向かう国内外の潮流が明確となっていると考えます。石炭火力発電が置かれている状況は非常に厳しいものがございます。世界におきましては、イギリス、フランス、カナダ等の主要国が石炭火力の廃止方針を明言しておりますし、民間でも石炭への投資を引き上げる「ダイベストメント」の動きが顕著となっております。石炭への投資、融資はしないというだけではなくて、引き揚げると、こういう動きが顕著になっております。そういう状況の中で、今回、事業者が袖ケ浦の案件につきましても石炭火力発電を中止し、LNG火力による発電への変更を決断されるということであれば、正にそうした石炭火力発電に対する厳しい流れを受けて、石炭火力発電所は事業リスクが高いという、そういうように今判断をされたのではないかというように考えられます。そうであれば、その決断を評価したいというふうに思います。

(問)NHKの杉田と申します。プラスチックごみの輸入についてなのですけれども、中国や東南アジアの国々が規制したことで、その影響が国内にも及んでいるかどうかについて、環境省が全国の自治体を対象にアンケート調査を始めて、今月中に取りまとめるということですが、処理やリサイクルの体制をどう具体的に整備していこうと考えていらっしゃるのかというのと、あと、また近くプラスチックの資源循環戦略の小委員会が始まると思うのですけれども、今回の調査をどういかそうと思っていらっしゃるのかお聞かせいただけますか。
(答)昨年12月末から、中国で生活由来の廃プラスチックの輸入を禁止する措置が実施されております。また、東南アジアの一部の国でも廃プラスチックの輸入制限が実施されていると聞いております。現実に財務省の貿易統計によりますと、日本から海外へのプラスチックのくずの輸出量は、平成29年6月の14.3万トンに対し、ちょうど1年後の平成30年6月では9.1万トンと減少しております。環境省では、これまで海外に輸出されていましたプラスチックを国内でリサイクルする体制を確保していかなければならないということでございまして、昨年末からプラスチックリサイクル設備の導入に対する国庫補助制度を実施しているところでございます。昨年度は4億円、今年度は15億円の、公募を行いました。この廃プラスチックの処理を円滑に進めるために、今お話がありました都道府県や政令市向けにアンケートを実施しておりまして、全国的な実態把握を行っているところでございます。基本的には、今までは中国等にかなりの部分が輸出されていましたので、国内のそういうプラスチックのリサイクル設備においては、稼働率がまだ余力があるところが多かったのですが、今、もう既に中国への輸出ができなくなったということで、国内のプラスチックのリサイクルを手掛けている事業者は、既にかなり稼働率は上がっている状態であると思います。ですから、これからも稼働率を上げていただく、そして、さらに設備を新増設していただく、あるいは効率のよいものに変えていくようなことで、まずは国内でしっかりとプラスチックリサイクルができる体制を整えていく必要があると思います。また、例えばセメント工場などで燃料にプラスチックを使うというようなことも可能でありますので、廃プラスチックが国内にあふれるような状態にはならないようにしていけると思っておりますし、そうしていかなければならないというように考えております。そのための財政支援、そしてまた、全国的な実態調査の結果を踏まえて、きめ細かな対応を考えていく、こういう必要があるというように思っております。それから、来年6月までにプラスチック資源循環戦略を策定するわけでございますけれども、そこで使い捨てのプラスチックのリデュース、使用済みプラスチックの徹底的かつ効果的、効率的な回収、リサイクル等を一層強化し、我が国におけるプラスチックの資源循環を総合的に推進していく、そういう戦略をしっかりと打ち立てて、そしてG20の場で世界の海洋プラスチック対策、海洋ごみですね、マイクロプラスチック対策等にも貢献できるように、リーダーシップを発揮していきたいというように考えております。

(問)環境新聞の小峰です。先ほど幹事社の方からも質問がありましたけれども、改めてもう少し具体的にお聞きしたいのですけれども、今日の日経新聞の朝刊の1面に、東京ガス、九州電力、出光興産が計画していた千葉県内の石炭火力計画をLNG化するということを検討しているという報道が出ておりますが、大臣はこのことについては、どう受け止めていますでしょうか。また、これに関連して、大臣が主催しましたESG金融懇談会が先ほど提言をまとめましたけれども、こうしたESG金融懇談会が今回の東京ガス、九州電力の計画にボディーブローのように効いているのではないでしょうか。その辺の見解も併せてお聞かせください。
(答)この東京ガスと九州電力の袖ケ浦で新設を計画している火力発電所の燃料につきまして、石炭からLNGに転換する検討がなされているとすれば、これは先ほども申し上げましたけれども、世界の潮流に沿った判断だというように思います。そして、2050年80%削減、これは我が国も明言しておりますし、また、その先の世界というのは実質排出ゼロという社会を目指すということになりますと、今この段階で石炭火力発電所を新設する、増設するということになりますと、そういった長期の見通しに立てば、極めて事業リスクが高いものだというように私は思います。したがって、そういった世界の流れ、また、我が国の2050年80%削減、その先の社会を見通して石炭火力発電を中止し、LNG火力による発電への変更を決断されたのだとすれば、これはそういった事業リスクも勘案した上での判断だと思いますので、そこは大変評価をしたいというふうに思っております。それと、ESG金融というのは、そういった長期を見据えた投資、金融をしていくということだと思います。ですから、ESG金融の世界での流れ、また我が国でこれからESG金融を更に拡大していかなければならない、そして、投資家もそういう企業というものを投資の対象から、あるいは融資の対象から選別していくという、そういう流れが強まっていくと思いますので、そういったことを先取りした動きだというようにも思われます。今回の決断が実際に行われるということであれば、大変、そういった面からも評価をしていきたいというように思っております。

(問)共同通信の藤井です。環境行政とは直接関係ないのですけれども、今月15日の終戦記念日に靖国神社を参拝される御予定があるのかどうかお伺いします。
(答)予定はございません。

(問)再び環境新聞の小峰でございます。9月の自民党総裁選が近づいて、あれこれ報道されておりますけれども、中川大臣、政治家個人として、言われている候補のどなたを支持し、また、その理由もできたらお聞かせ願いたいということです。
(答)安倍総裁を支持いたします。「継続は力なり」というふうにいわれておりますが、やはり安倍政権の経済政策、外交、安全保障、この間の実績、そしてまたこれからの政策、そういったものを考えますと、安倍総理に引き続きリーダーシップをとっていただきたいというように考えております。

(以上)

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