中川大臣記者会見録(平成30年7月17日(火)9:43 ~10:08 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 冒頭に、昨日は岡山県に参りまして、倉敷市の真備町を中心とする災害廃棄物の処理の状況を見てまいりました。改めて、この豪雨で亡くなられた方にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様方に御見舞いを申し上げたいと思います。
 まず、本日の閣議におきまして、「気候変動適応法の施行期日を定める政令」が閣議決定されました。この政令は、先月に成立いたしました「気候変動適応法」の施行期日を本年12月1日とすることを定めるものでございます。法の施行期日となる12月1日までに、環境省として、2点行います。まず、現行の適応計画を見直し、環境大臣のリーダーシップの下、実効性の高い法定の適応計画を策定します。早速事務方に指示をいたしておりまして、関係府省庁の協力を得て、計画案の作成作業に着手したところでございます。2番目に、環境省職員が自ら足を運び、地方公共団体への法律説明会を開催します。既に地域ブロック単位での説明会を開催しているところでございますが、引き続き積極的に足を運びます。また、地方公共団体が地域計画の策定を円滑に行えるよう、計画策定マニュアルを作成し、提供いたします。こうした取組を通じて、気候変動の脅威や適応策の重要性について国民の皆様と認識を共有し、気候変動適応法に基づく実効性の高い適応策を推進してまいります。
 次に、平成30年7月豪雨にかかる環境省の対応状況を御報告いたします。冒頭申し上げましたように、昨日、被災地の災害廃棄物処理の状況について現地調査を行うため、岡山県に出張してまいりました。倉敷市真備町における災害廃棄物の仮置場や自衛隊の皆さんによるがれき撤去現場などを確認いたしました。岡山県及び倉敷市を始めとする関係者の皆様の不眠不休の御尽力に対して、敬意を表させていただいたところでございます。その後、伊原木岡山県知事と面会いたしまして、災害廃棄物の処理に関する意見交換を行いました。知事からは、災害廃棄物処理や廃棄物処理施設復旧への支援に関する御要望をいただき、私からは、県内に残された膨大な災害廃棄物の速やかな撤去に向け、最大限支援する旨を申し上げました。いずれにいたしましても、広域処理というのが必要になってまいりますので、環境省がその間に入って、調整役、仲介役を果たしてまいりたいと考えております。そして、真備町の災害廃棄物の現場、道路沿いに積まれている、いわゆる片付けごみの状況でございますけれども、この炎天下で自衛隊の皆さんが本当に必死になってそれを撤去する作業をしておられます。一方で、日中、御自分の住居において片付けをされる住民の方が道路脇の、これは集積所というふうに指定しているわけではございませんけれども、事実上集積所として住民の皆様が片付けごみをまた更に出されるということで、現状、もうきれいになっている部分もございますけれども、まだ撤去したごみよりもっと多くの片付けごみがまた加わると、こういう状況になっている場所もございます。それで、昨日は水島の処分場を視察いたしました。この水島の処分場は、埋立地の上に二次仮置場を整備しております。10万平米の二次仮置場を確保いたしました。そのうち1万平米につきましては、もう完全に即搬入していただいて結構だと、こういう状況になっておりまして、恐らくもう今日からどんどん運び込まれるというふうに思います。既に一次仮置場を飛ばして直接二次仮置場に持っていっている、そういう作業も始まっております。二次仮置場も幾つかもう既に確保しております。水島の二次仮置場は10万平米でございますので、これは広大な土地でございまして、相当の量の廃棄物が入りましても、これは対応できる状況になっておりまして、恐らくもう既に今日から一次仮置場を飛ばして水島の方にも運ぶ、そういう段取りで作業が進むものと考えております。そうした状況をしっかりと把握して、現地の支援態勢を強化するために、昨日、本省の環境再生・資源循環局の総務課長、また本日17日からは、大臣官房審議官を岡山県倉敷市に派遣いたします。また、自衛隊が新たに1,000名、真備町に派遣されることが決まりました。そしてまた、ダンプも増強をするということでございます。同市への収集運搬車両の追加派遣といたしまして、環境省及び全国都市清掃会議の調整などによりまして、大阪府大阪市及び岡山県赤磐市に加え、14日から兵庫県神戸市、また本日から京都府の京都市に派遣をいただくということになります。こうした態勢を組んで、さらに、がれきの撤去等を加速すべく防衛省と連携・協力してまいります。災害廃棄物の処理に全力を挙げてまいります。環境省としては、災害廃棄物の処理や被災した処理施設の復旧に対する財政措置を行うほか、被災自治体の状況に応じ、全国各地の自治体の協力を得ながら、収集運搬車両の投入や、広域処理の調整など、総力を挙げて速やかな廃棄物の回収と処理に取り組んでまいります。このことを重ねて申し上げさせていただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の川村です。大臣、冒頭御発言ありました平成30年7月豪雨について、昨日も大臣、現地を視察されてきたということなのですけれども、岡山県の伊原木知事の方からは、今、特に倉敷市真備町だと思うのですが、県が緊急的に実施している災害ごみの撤去、それが、市町村が交付の対象になりますけれども、県の方の災害ごみ撤去費用を国の方でも財政的に支援してもらえないかというような緊急要望があったというふうに伺っているのですけれども、そちらについて環境省の考え方をお聞かせください。
(答)この点につきましては、現在の制度が、市が撤去作業を行うということでございまして、その費用に対しましては災害等廃棄物処理事業費補助金による財政措置を行うことが可能でございます。これは国庫補助が2分の1で、交付税措置を含めますと最大90%の財政措置が可能となります。また激甚災害に指定され、災害対策債により起債を行った場合は、交付税措置を含めると最大95.7%の財政措置が可能になるわけでございます。ただ、現行の制度では、これは市の責任で行うということになっておりますので、県が行った場合にこの補助制度が適用にならないという問題がございまして、昨日も岡山県知事から、県に対しても財政支援ができるようにしてくださいという御要望を頂きました。この点につきましては財務省、総務省と協議をしなければなりません。既にこの点について、環境省としては協議を始めております。状況は十分に認識しておりますので、全力でこの御要望に応えることができるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。

(問)毎日新聞の五十嵐です。先週、中環審の遺伝子組換え生物等専門委員会で議論が始まった、いわゆるゲノム編集技術について1点お尋ねします。この委員会では遺伝子組換え生物が生物多様性に悪影響を与えないように規制するというカルタヘナ法に基づいて、ゲノム編集の様々な技術によってつくられた生物が法規制の対象になるかならないかということで、環境省としての原案が初めて示されたと理解しております。内容としては、外来の遺伝子が生体内に残らないとされる一部の技術については法規制の対象としないという内容だと承知しています。この案に基づいて、委員会の下に設けた検討会が、今年の秋頃をめどに結論を出すと伺っております。このゲノム編集をめぐっては、6月に政府がまとめた統合イノベーション戦略の中で、ゲノム編集技術を積極的に活用すると掲げている一方で、カルタヘナ法と食品衛生法に基づくゲノム編集生物の位置付けを年内に整理するように明文化しています。一方で、先週の委員会の中では、生物多様性を維持するという観点での国際条約であるカルタヘナ議定書と、その議定書に基づく国内法であるカルタヘナ法の趣旨を尊重する形で、生物多様性へ悪影響を与える可能性があるかどうか、科学的に議論をするよう求める意見がありました。ゲノム編集技術が急速に進んでいるとはいいながらも、今年秋までに委員会で議論を進めるというスケジュール感については拙速感が感じられるところがあります。その上で、生物多様性を予防的に守るという観点で、今回の結論を得る過程において十分な科学的議論が必要なのではないかと考えておるのですが、大臣の御見解を伺います。
(答)カルタヘナ法に規定される「遺伝子組換え生物等」というのは、簡単に申し上げますと、新たな形質を持たせるために、他の生物の遺伝子を導入された生物ということでございます。ゲノム編集技術の利用により得られた生物は、カルタヘナ法に規定される「遺伝子組換え生物等」に該当する生物もありますが、該当しない生物も含まれる可能性があるということで、ゲノム編集技術等検討会を新たに立ち上げまして、そこのところを専門的見地から整理していただきたいというふうに考えたところでございます。環境省の原案というか、環境省の説明資料としてお示ししたものが、今言われたことだと思いますけれども、このカルタヘナ法の遺伝子組換え生物等にどういうものが該当して、どういうものは該当しないのか、そこのところを専門的に整理してほしいと、こういう趣旨で立ち上げました検討会ということでございまして、その結果につきましては、年内に中央環境審議会自然環境部会遺伝子組換え生物等専門委員会に報告をして、委員会においても御議論をいただきたいと考えております。これを年度内に自然環境部会に御報告していただくと、こういうスケジュールを考えております。検討会、専門委員会におきましては、カルタヘナ法の対象外と整理された技術について、生物多様性への影響等の観点からも御議論をいただきまして、その結果を踏まえて、必要な取扱いについて検討してまいりたいというふうに考えております。

(問)TBSの梶川と申します。今回の豪雨の災害ごみなのですけれども、自治体の方でそれぞれ処理計画など、なされているということですが、まだ24%にとどまっているという報道などもありまして、各自治体の初動の遅れで今回これだけたくさんのごみが出たのではないかということに関しては、大臣、どのように思われますでしょうか。
(答)それぞれの自治体でいろいろな事情が異なっていると思います。まずは人命救助が最優先ということで、捜索活動にまずは重点を置いている、そういう地域もございますし、また、そこのところはもう大体見通しがついたということで、そこの住民の方が、例えば避難所から御自宅に戻って、日中、片付けごみをどんどん出される、そういう地域もございます。いろいろな地域の実情が違いまして、それぞれの市町村、また県、また政府も必死で最大限の努力をしているということでございまして、その地域の実情によって、それぞれの、どこをまず最優先で、どういう作業を最優先でやったのかという、あるいはやっているのかというところの違いはあると思いますけれども、国も県も市町村も、また自衛隊の御協力もいただき、関係民間団体、民間企業の方、ボランティアの御協力もいただいて、懸命に、必死に、全力でやっているというふうに私自身は認識いたしております。

(問)共同通信の藤井です。除染の関連でお伺いします。先週の金曜日に法務省が、外国人技能実習生の除染作業の従事の実態調査の結果を公表しまして、4社で従事させていたという中間結果を公表しました。環境省が発注した国直轄の除染事業で、外国人技能実習生が従事していたケースがあるのか、あと、特殊勤務手当の不払などの違反行為があったのか、その辺、把握している状況を教えてください。
(答)法務省等が、技能実習生による除染等業務への従事の有無について実態調査を行いまして、13日に、その調査状況を公表したということは承知いたしております。これまでの調査の結果、1社について、5年間の受入停止措置がとられたということでございまして、このような法令違反が生じたことは遺憾であるというふうに思います。環境省といたしましては、13日付けで、本調査状況について業界団体及び関係自治体に対して情報提供を行ったところでございます。今後とも必要に応じ、法務省等が実施する実態調査に協力するとともに、法令遵守の徹底を図っていきたいと思っております。環境省といたしましては、今後とも、引き続き、必要に応じて適切に対応してまいりたいと思っておりまして、現在のところ、更に調査が継続中の社の詳細が判明次第、対応を検討してまいりたいと考えております。

(以上)

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