中川大臣記者会見録(平成30年7月13日(金)9:01~9:31 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 平成30年7月豪雨において亡くなられた方に、改めて、心よりお悔やみ申し上げます。また、被災された方々に心より御見舞いを申し上げます。
 この平成30年7月豪雨に係る環境省の対応状況を御報告いたします。具体的・技術的な支援のため、本日13日までに、福岡県・岡山県・広島県・愛媛県・京都府・岐阜県に、環境省職員及びD.Waste-Netの専門家で構成される現地支援チームを派遣いたしております。加えて、本日より、本省の環境再生・資源循環局等担当の松澤大臣官房審議官を広島県の政府現地連絡調整室に派遣いたしまして、被災地における災害廃棄物処理に関する現地支援体制を強化いたします。片付けごみの収集運搬に支障が生じている市町村につきましては、環境省及び全国都市清掃会議の調整等により、収集運搬車両を派遣いたします。具体的には、本日13日から、大阪府大阪市が岡山県倉敷市に、福岡県福岡市が福岡県久留米市に派遣することを決定いたしました。まだ調整中のところもございますので、順次増えていくと思います。さらに、岡山県倉敷市につきましては、昨日12日から防衛省とも協力し、がれきの撤去等を行っております。環境省としては、災害廃棄物の処理や被災した処理施設の復旧に対する財政支援を行うほか、被災自治体の状況に応じ、全国各地の自治体の協力を得ながら、収集運搬車両の投入や、広域処理の調整など、政府の総力を挙げて速やかな廃棄物の回収と処理に取り組んでまいります。
 次に、本日付けで、中央環境審議会に対し、プラスチック資源循環戦略の在り方について諮問をしましたので、お知らせいたします。来年6月に我が国で開催予定のG20に向けて、海洋プラスチック問題の解決のため、世界のプラスチック対策をリードしていくことが重要であります。このため、第四次循環基本計画を踏まえ、かつ、G7海洋プラスチック憲章に掲げられた数値目標等も含め、プラスチック資源循環戦略の在り方について、平成30年度中に中央環境審議会の意見を求めるべく、本日付けで諮問をしたところでございます。
 次に、昨年の気候変動枠組条約締約国会議COP23において、2019年5月に開催予定のIPCC第49回総会を日本に誘致する意向を表明し、今年1月に、日本からの開催候補地として京都市をIPCCに推薦する旨をお知らせさせていだいたところでございます。その後、IPCC事務局と調整を進め、今般、同総会及び関連会合の開催地を京都市とし、2019年5月6日から13日の期間で開催することを、IPCC事務局と日本政府の間で正式に合意しましたので、お知らせいたします。本総会では、パリ協定の実施に不可欠であり、我が国が作成を支援している、各国の温室効果ガス排出量の算定方法の改良に関する報告書が承認される予定でございます。本総会をホストすることにより、我が国のIPCCへの長年の貢献をアピールするとともに、国民に気候変動の問題について改めて関心を高めていただくことができると考えております。今後、地元自治体及び関係省庁と連携し、総会の準備をしっかりとすすめてまいります。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の川村といいます。大臣から冒頭御発言ありました平成30年7月豪雨に関してなのですけれども、今週末は3連休で一般家庭からの、そういう災害廃棄物なども多く出てくると思われます。その中で先ほどおっしゃった財政支援の枠組みだったり規模だったりというのをもう少し詳しく教えていただけないでしょうか。
(答)災害廃棄物の処理につきましては、被災した住民の皆様に一日も早く日常生活を取り戻していただけるよう、「災害等廃棄物処理事業費補助金」による財政的支援などを行ってまいります。この補助制度は、国庫補助が1/2、交付税措置を含めると最大90%の財政支援が可能となります。激甚災害に指定され、災害対策債により起債を行った場合は、交付税措置を含めますと最大95.7%の財政支援が可能でございます。また、被災した廃棄物処理施設につきましては、「廃棄物処理施設災害復旧事業費補助金」による財政的支援を行ってまいります。この補助制度は国庫補助が1/2、交付税措置を含めますと最大92.75%の財政支援が可能となります。こうした制度を利用していただいて、各自治体において災害廃棄物の処理を速やかに進めていただけるように、環境省といたしまして努力をしてまいりたいと考えております。
(問)あともう一つ、今週半ばも新たな浸水が発生するなど、被災地でも状況は動いている中で恐縮なのですけれども、廃棄物の発生量について、例えば過去の災害と比べてどれぐらいになりそうだとか、多い少ないとか、あともし、まだなかなか算定が難しいようでしたら、どれぐらいのスパンで算定できそうかとか、その辺りの見通しを教えてください。
(答)今の御質問でございますけれども、現在、被災状況や災害廃棄物の発生状況について、鋭意確認をしているところでございます。発生見込み量を申し上げられる段階にはないことを御理解いただきたいと思います。また災害廃棄物の発生量や性状によって処理期間は異なることから、これも正に、もう今、本当にスピードを上げて、鋭意、防衛省の協力や広域的に、周辺の自治体の御協力、またこの3連休はボランティアの方も大勢参加していただけるということになると思います。そういったことで鋭意進めておりますけれども、今の段階で処理期間についても申し上げられる段階にはございませんので、もう少し状況が進展をして、お知らせできる段階になりましたら発表させていただきたいと思います。

(問)環境新聞の小峰です。今、中川大臣がおっしゃった、災害廃棄物に対する防衛省の協力なのですけれども、もう少し具体的に詳しくある程度教えてほしいのと、それから今回の防衛省の協力というのは、環境省と防衛省が共同でやるということは、これは初めてのことなのでしょうか、そこをお聞かせください。
(答)自衛隊の方に倉敷市の真備町に入っていただだいておりまして、公道にあふれている災害廃棄物を撤去するという作業を鋭意していただいております。これは環境省と防衛省で、既に打合せをしておりまして、小野寺防衛大臣また、総理からの御指示もあって、防衛大臣のリーダーシップの下に自衛隊の皆さんが派遣をされて、環境省と役割分担しながら進めております。自衛隊のこうした協力は今までも、熊本地震のときなど含めても、既に自衛隊の方の御協力はいただいているところでございます。

(問)フジテレビの加藤です。プラスチックの問題についてお伺いしたいのですけれども、プラスチックは今年度中に諮問して、答えを中央環境審議会からという話ですけれども、正直、リーダーシップといっても、大臣も御存じのとおり様々な企業がもう既にプラスチック製品をやめるとかいう話の中で、正直、リーダーシップがとれると思えないというのが、こちらから見ている感想なのですよね。ちょっと対応が後手後手になっている、既に企業の方が先にやっているという形だと思うのですけれども、それについて何らかもうちょっと早めの対応をしないのか。環境省は海洋のプラスチック問題は随分前から問題として捉えていたと思うのですよね。なぜこのタイミングで諮問してというのが、何か対応が全て遅いような気がするのですが、それについていかがですか。
(答)今の現状は、我が国においては特定の企業が、例えばストローを廃止するとか、そういったいろいろな取組を発表しております。しかし、我が国全体として見た場合には、一つは、プラスチックの3Rというものは、もちろん諸外国に比べて進んではおりますけれども、例えばコンビニのレジ袋等、また様々なプラスチック用品というものを、これからはリサイクルということはもちろんですけれども、リデュースをしていく必要があるというふうに思います。これは政府部内の調整も必要ですし、産業界の御理解、御協力というものが必要でありますし、何よりも国民の皆様方にそういった問題意識を高めていただくということが必要であります。G7のプラスチック憲章というものがございまして、これについて署名はしなかったということでありますが、G20という場で、海洋ごみをより多く出しているのは、途上国も含めて、我が国も出してしまっているという実態はございますけれども、やはり途上国を含めてG20の場で国際的な合意をしていくということが大事だということで、来年、日本で開かれるG20の場で、日本がリーダーシップをとって、世界の海洋プラスチックごみ対策をしっかりと取りまとめて合意に持っていきたいということであります。そのために、まず隗より始めよということで、プラスチック循環戦略を策定をするということが必要であります。我が国の場合には、手順をしっかり踏んで各界の御理解をいただくということが重要でありますので、まず中央環境審議会で議論をいただいて、そこに学識経験者はもちろんですが、産業界や自治体やNGOの方の参画を得て、恐らく循環型社会部会にプラスチック資源循環戦略小委員会というものを設置して、関係者がそこにみんな入っていただいて議論をして、そして合意をしていただくと。こういう手順を踏むことによって、しっかりと実効性のある戦略を立てて、国際的に世界の中でリーダーシップをとっていきたいと、こういうことでございます。

(問)読売新聞の小林と申します。災害廃棄物の関係で2点お願いします。とりあえず収集車を2か所に派遣すると、2市に派遣するというお話だったかと思うのですが、これは順次、被災自治体の要望を受けてまた増えていく方向にあるのか、というのが1点と、処理施設の被災状況は、現状ではどのように把握されているのでしょうか。この2点です。
(事務方)先ほど大臣からも申し上げましたとおり、被災された自治体に対するパッカー車など収集車両の派遣につきましては、今後、順次マッチングができた段階で発表していきたいというふうに思っております。これからまだ規模を拡大して取り組んでまいります。それから廃棄物処理施設の稼働状況でございます。焼却処理施設について申し上げますと、岡山・広島・愛媛・福岡、この4県、非常に災害、ひどかった所、具体的には床上浸水以上の住宅被害が500件以上発生しておりますけれども、こちらには全体で、私どもの統計ですと128廃棄物焼却処理施設がございます。このうち停止をしているのは2施設のみでございます。ただ、この2施設に関しましても復旧の作業中。もしこれが長期化するようでございましたら、今日大臣からも申し上げましたけども、広域処理という方向で私ども調整を進めてまいります。

(問)NHKの松田です。プラスチックの関係なのですけれども、先ほどから大臣も、プラスチックの処理で世界をリードしていくということをおっしゃられるのですけれども、プラスチック憲章に合意をせずに、それでも世界をリードしていくなんていうのは、やはりちょっと矛盾に聞こえて、実態が伴ってないというような印象を受けるのですね。今度のプラスチックの循環戦略の中で、プラスチック憲章に掲げられた目標も含めて検討していきたいということなのですけれども、プラスチック憲章の中で幾つかの具体的な数値目標があったかと思うのですけど、その同程度の目標を立てていくのか、それとももっとそれを上回るものを出せるのか、その辺り環境省として目指すところというのはどの辺りになりますか。
(答)プラスチック憲章に掲げられた事項や、期限を含めた数値目標を精力的にこの小委員会で御議論いただいて、その同程度のものか、それを上回るものなのか、今ここで申し上げる状況にはございませんけれども、いずれにしても、まず隗より始めよということで、日本がG20でしっかりとリーダーシップを発揮できるような、そういう戦略を立てていきたいということでございます。
(問)プラスチック憲章を下回るような目標であると、世界をリードできるというような状況ではないかと思うのですけれど、その辺りのお考えはいかがでしょうか。
(答)下回る目標というふうには考えておりません。同等あるいはそれを上回るということについて今申し上げられないということでありまして、いずれにしても、プラスチック憲章の期限や目標について、十分に調整がまだできなかったということで署名はしておりませんけれども、それともう一つは、G20という場で、今申し上げましたけれども、途上国も含めたより多くの国の合意を、その場でしっかり得られるような、そういう合意をつくっていきたい。そのためにはやはり時間が必要だと思うのです。ですから、G20に向けての合意を目指して、G20の各国と事前にしっかり調整をしていくというプロセスが必要だというふうに思います。

(問)読売新聞の蒔田です。今の質問に関連してなのですけれど、ちょっと分かりにくいのが、日本がつくるプラスチック資源循環戦略と、G20での合意というのの関連性がよく分からないのですけれど、日本がつくったプラスチック資源循環戦略でもG7のプラ憲章の目標をまず入れるというお話で、その数値目標がG20の合意になっていくと、そういう理解でよろしいのでしょうか。
(答)その辺は、今まだ道筋を申し上げられる状況にはございません。いずれにしても、プラスチック資源循環戦略というものは、相当、日本が世界でリーダーシップを発揮する、その礎となる、そういうしっかりとしたものをつくっていきたい。そのためには、今申し上げましたように、産業界や自治体やNGOの方、国民の代表という方も含めて議論に参加をしていただくことによって合意をつくっていくと、そういうプロセスが大事だと思います。ですから、内容はまだこれから議論していただくわけですから、もちろんしっかりとしたものを、G20で日本がリーダーシップをふるえるような、そういう礎を頂く、そういうものにしていきたいということでありますが、その中身はこれから正に諮問して、小委員会をつくっていただいて、関係者で御議論いただくと、こういうことでございますので、今の段階で予断を持ってこうだという結論めいたことは申し上げられないし、適当ではないというふうに思っております。

(問)環境新聞の小峰です。先ほどから出ているプラスチック問題ですけれども、大臣はこの会見で度々、政府部内での調整、産業界の御協力が必要で時間がかかるとおっしゃってますけれども、政府部内の調整、そして産業界の協力が必要ということは、政府部内で誰かが反対していたわけじゃないですか。名指しでいえば経済産業省、それで産業界といえば経団連の環境安全委員会が再三、何年も前からこのプラスチック問題は分かっていて、環境省も当然分かっているのでしょうけれども、経産省に要請し、経団連に要請したけれども、向こうがサボタージュしていたということではないのでしょうか。
(答)今おっしゃったような、そういった言葉で表せるような状況だというふうには、私自身は認識しておりません。ただこの問題は、正に政府部内の調整が必要ですし、産業界や国民の皆様方の御理解が必要だと。それでこのG7のプラスチック憲章の流れ、それからまた国際的な大企業がいろいろプラスチックのストローとか容器とかも廃止していくとか、あるいは代替製品に変えていくとか、そういった動きが出ておりますし、またマイクロプラスチックの被害というものが、ここのところ本当にいろいろな各方面で取り上げられて、いろいろな写真も公開されて、非常に強い流れができてきていると思います。そういう流れをしっかりと関係者の方に理解をしていただいて、しっかりとしたプラスチック資源循環戦略を打ち立てていきたい。そういう流れというものが私は大事だと思っておりまして、これからの小委員会での御議論に期待をしたいというふうに思っております。

(問)気候変動の長期戦略なのですが、エネルギー基本計画も策定されて閣議決定されましたし、環境省、経産省とも人事はもうおおむね終わりそうなところなのですが、これもやはりG20に向けてまとめるのかなと思っているのですけれども、それの立ち上げとその終点、ゴールを教えていただければと思います。
(答)まず、総理の御指示がありまして、長期戦略の検討につきましては、有識者会議を立ち上げて政府部内の検討を加速するようにということでございました。現在、有識者会議の人選を急いでいるところでありまして、遠からず有識者会議が立ち上がって、審議といいますか議論が開始されるというふうに考えております。このG20より当然先立つ、そういうタイミングでこの長期戦略の取りまとめをしていくことが必要だというふうに考えておりまして、環境省といたしましては、今まで積み上げた議論を有識者会議の場でも引き続いて御議論いただいて、しっかりとした長期戦略をまとめていきたいというように考えております。
(問)今月中に立ち上げられるというのは難しいのですか。やはり人選に悩んでいるということなのでしょうか。
(答)これは最終的には官邸で御判断いただくことでございますので、そのタイミング等について、私からは申し上げる状況にはございませんが、遠からずというふうに思っております。

(以上)

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