大臣談話・大臣記者会見要旨

伊藤副大臣記者会見録(平成30年7月5日(木)10:27~10:41 於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

今日は私のほうから、先般開催をしてまいりましたアフリカのきれいな街プラットフォーム(ACCP)の第1回年次会合の結果につきまして、御報告をさせていただきたいと思います。6月26日火曜日から6月28日の木曜日にかけまして、モロッコ王国の首都ラバト市で、アフリカのきれいな街プラットフォームの第1回年次会合をJICAの皆さんとともに開催をいたしてまいりました。今回の会合では、アフリカの32カ国の国々から参加者を得て、そして、UNEP、UN-HABITAT等の国際機関からも参加者をいただきまして、約250人以上の参加をいただいて開催をすることができました。会合では、持続可能な開発目標SDGsの達成に向けたデータ収集や官民の連携、アフリカにおけるファイナンス、そして、第7回アフリカ開発会議、来年開催されると予定されておりますTICAD7に向けた行動計画などにつきまして議論を行い、その結果、ラバト宣言が採択をされたところでございます。今後、今回の会合の議論を踏まえまして、来年に横浜で開催される第7回アフリカ開発会議、TICAD7に向けて、積極的に取り組んでいく所存でございます。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の川村と申します。今も発表されましたACCPのお話で、以前のリリースを見ていると、いろいろとバイ会談などもされているようなのですけれども、廃棄物管理の関係で、アフリカにおいて注目される動きだったりとか、逆にバイ会談の会談相手から日本側に要請されたことなど、何か印象に残っていることがあればちょっと教えてください。
(答)まず、今回現地でのバイで会談もさせていただいたり、あるいは会場の質疑の中で出てまいりました言葉の中で、少しずつですが固形廃棄物の処理、あるいは汚水の対応、こうした生活衛生に欠くべからざるところの改善を自分の国でもしてまいりたいという気持ちは、非常にアフリカの各国で強まってきて、だから、自分のためにもあるACCPというものの認知が少し上がってきたのではないかなということを、肌身で感じさせていただいてまいりました。よくアジア太平洋地域で3Rの大会などもやりますけれども、アジア地域ですと、焼却をしたらどうかという話がすぐ出てきますけれども、なかなか財政力が整わないところで、にわかに大きな焼却場をつくって、そして電力も発電して売電をしてと、それがいいことずくめのように見えるのですが、なかなか公共のサービスとしてごみの取扱いという価値観もなかなかない中で、こうしたことは非常に難しくて、もう一つ前の段階です。つまりは、今、ほとんど埋め立てておられるわけです。だからこそ、汚水の対策も必要になってくるわけなのですけれども、こうした現下の情勢のごみの捨てておられる場所にどう対応していくか。ここで出てくるのが、例えば福岡県福岡市のケースなのですが、福岡市さんは非常に積極的にアフリカですとか発展途上の国々でのごみ処理場の対応を上手にやっておられまして、今、福岡方式という名前でこれを呼ぶほどに各国でやっております。ケニアにも福岡方式による処理場というのがついにでき上がりまして、供用開始に至っているところです。こういう埋め立ての段階から我々の実行できる、協力のできることを今度は具体的に提示することができないものかということを、今、アフリカの各国から問われております。TICAD5、6、7と来るのですけれども、中国などがやっておられるアフリカへの、おびただしいお金で開発をしていくということもあるかもしれませんけれども、私たちはやはり、なぜごみを捨てなければいけないかとか、どうして分別をしなければいけないかとか、こういうところから教えて差し上げながらやっていくことを、無論、もう例えばモロッコ王国みたいなところはかなりの経済力がありますので、カサブランカでもラバトでも、分別するというところまではわかるのですけれども、本当に具体的に分別するというところに至っていない、こういうところも環境教育などの分野として私たちが手伝ってあげなければいけないことなのかなということで、少しその国の生活に、今の水準にも合わせて、それを引き上げていくことができるようなことができれば、我々としても一つ一つの成果を上げていくことができるかなというふうに思って帰ってきたところでございます。
(問)廃棄物というかリサイクル関連になるのですけれども、今、廃プラスチックのことがものすごく話題になっており、先月末、東京都の小池都知事などもG7のプラスチック憲章について支持を打ち出すというようなことを表明されたわけなのですけれども、一方で環境省では、取り組まれているプラスチック循環資源戦略のほうなのですけれども、こちらの進捗状況とかはいかがでしょうか。そのあたりを教えてください。
(答)プラスチックの資源循環戦略の策定について盛り込まれている第四次循環基本計画が、この6月19日にもう閣議決定がされましたので、でき得る限り速やかに有識者や産業界、自治体も参画する検討の場を設置すべく、今、鋭意準備を進めさせていただいております。それから、海洋プラスチック憲章に上げられた数値目標等も含めてしっかりと検討を行って、来年6月のG20までにプラスチック資源循環戦略を策定をしてまいりたいと考えております。今、申し上げられることの一つは、できる限り私たちも速やかに議論を開始できるようにしっかりと準備をしてまいりたいと、こう思っております。
(問)まだ具体的に、例えば今月中、来月中とか、そういうふうなその検討の場の、例えば第1回会合とかのスケジュールはまだですか。
(答)そうですね、できればもう、とにもかくにも速やかに、早くやっていかなければいけないという思いで対応しております。

(問)NHKの松田です。今の海ごみのプラスチックに関連してなのですけれども、そのプラスチック憲章に掲げられた数値目標なども見ながら、今回のプラスチック循環戦略をつくっていくということなのですけれども、そのプラスチック憲章にある数値目標に沿う形で、それと同じような目標を立てていくというような、目指すところとしてはそういうところになっていくのですか。
(答)これから議論をいたしますので、我々の側から先に何かを言うというのは、私の立場として控えておきたいと思います。関係者の皆さんが、世界との間合いといいましょうか、世界が今求めていることをしっかりと熟慮しながら、どういう議論をされるかということについて、私どもとしては、見守らせていただきたいと思います。ただ、大変大事な問題で、世界に対してどう貢献していくのかということは見詰められているのだということは、よく胸に刻んでいかなければなりません。松田さん、風力発電、いろいろアシストしてもらいましたけれども、風力発電だって、本当は我々非常に進んでいたのに、しばらく足踏みをしましたよね。これからは、環境省の目指さなければならないことは、ハイスピードで今地球に対してみんながかかわろうとしているわけですから、そこには乗りおくれたくないという気持ちで我々も頑張らなければいけないという気持ちで臨んでまいります。
(問)プラスチック憲章に掲げられていることというのは、世界の求め、アメリカもまだ合意できなかったという現状もあります。日本もできない。でも、やはり世界の求めとしては、プラスチック憲章に掲げられているようなことが求められているというような、日本にも求められているというような理解ですか。
(答)それは認識しています。

(問)読売新聞の蒔田です。ESG金融懇談会の議論が大分大詰めを迎えていらっしゃると思いますが、これまでの議論を踏まえて、まだ提言は出ていませんけれども、これまでの議論の所感と、どういった御提言になることを期待するかを改めてお聞かせください。
(答)経済というのは、やはりお金がどうめぐっていくかということは非常に重要で、そのお金のめぐり方についての責任を、ちゃんと環境に優しいということを一つの基準として考えてほしいということでしたが、あれはESGなので、ほかにガバナンスですとか、いろいろなほかの問題も含めてなんですけれども、特に我々環境省としてEの部分でもしっかりとそこを基準にした金融をやるぞということが確立されてくることは、非常に望ましいことだと思いますので、しっかりと本気で金融機関の皆さんに、そうしたルールを自分たちでも考えながら、経済を回していく一人として、プレイヤーとして行動していただければ大変ありがたいなと思います。思えば、イギリスの中央銀行のカーニー総裁が、CO2をどんどん出す様々な産業に対して我々はもうお金を使ってもらいたくないのだということを言ったことが大きな一つの一歩だったと思いますけれども、そうした発言の趣旨をしっかりと踏まえて、社会全体が、国の中でも国の外でも、このCO2の削減をテーマとした経済活動に移りかわっていくということが、すなわち成長する新しい種を見つけるということにもなるわけですから、ESGというのは決して後ろへ向いているのではなくて、ただきれいにするだけではなくて、新しい時代に入っていこうとする今努力をしている一番手に金融機関、頑張ってもらって、いいまとめをしていただきたいものだというふうに思います。