中川大臣記者会見録(平成30年7月3日(火)9:35~9:44 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日、第5次エネルギー基本計画が閣議決定されました。今回の見直しは、パリ協定の発効後初めてのものでございます。2050年に向けて脱炭素化への挑戦を打ち出したことは、パリ協定を受けた脱炭素化の方向性が、エネルギー政策の観点からも位置付けられたものと評価しております。エネルギー政策は、温暖化対策と密接に関連していることから、今回の見直しにおいて、「脱炭素化」に向けたこれらの方向性が共有できたことは、大きな前進であると思います。この見直し結果や、3月に公表した「長期大幅削減に向けた基本的考え方」を踏まえ、これまでの常識にとらわれない新たなビジョンとしての長期戦略について、今後の政府全体での議論をしっかりと進めてまいります。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の川村です。今大臣、冒頭御発言あったエネルギー基本計画の各論についてなのですけれども、繰り返しになるかもしれないのですけれども、石炭火力については、この計画では重要なベースロード電源と位置付けて活用していくという方針です。大臣は常々、高効率といえども環境負荷が大きいという観点から、石炭火力からの卒業ということを御発言されています。また、RE100アンバサダーにも先日就任されたという御立場からすれば、この石炭火力についての記述というのは、大臣の御立場からはかけ離れたようにも見えるのですけれども、この点、閣議で大臣から御発言があればちょっとお聞かせください。
(答)石炭火力発電を含む化石燃料については、長期を展望して、CCSや水素を日本が主導し、脱炭素化を実現する、としております。今世紀後半の世界全体での脱炭素社会の構築に向けて、CCS付き以外の石炭火力発電は卒業していくための道筋を、日本が主導する方向性を示せたというように考えております。また、現状におきましても、関連資産からの投資を引き上げる、いわゆる「ダイベストメント」など、石炭火力発電及びそれからのCO2排出を抑制する動きがございます。このようなパリ協定を踏まえた動きが、今回初めて記載されておりまして、世界の潮流が示されています。こうした潮流を背景に、老朽火力の休廃止や稼働抑制等を含めた「非効率な石炭火力発電のフェードアウト」が明記されました。さらに、石炭火力発電の輸出につきましては、相手国に、CO2排出削減に資するあらゆる選択肢を提示して、再生可能エネルギーや水素の促進に積極的に取り組み、その上で、対象国や設備について限定的に考える方針が明記されました。このように、私が申し上げてきた環境省の考え方が政府全体として明確になったと考えております。これも踏まえまして、脱炭素社会の構築に向けて、引き続き、石炭火力発電につきましては厳しい姿勢で臨んでいきたいと考えております。
(問)もう1点、また各論で恐縮なのですけれども、原子力発電も同様に重要なベースロード電源との位置付けで再稼働を進める方針を明記していますが、パブリックコメントなどでも、コスト増加で原発は経済的な競争力を失ったというような批判も出ていますけれども、この辺り、大臣の御見解あればお聞かせください。
(答)原子力発電に対しましては、環境省の外局として原子力規制委員会が位置付けられておりますけれども、独立性の高い3条委員会でありますので、環境大臣として、コメントを差し控えさせていただきたいと思います。その上で、原発につきましては、いかなる事情よりも安全性を優先し、原子力規制委員会が、科学的・技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発について、その判断を尊重するというのが一貫した政府の方針でございます。原発への依存度につきましては、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入などにより、可能な限り低減させるという政府の方針が、今回の見直しでも維持されました。この方針に沿って、環境省としても再生可能エネルギーの最大限の導入を進めてまいりたいと考えております。

(問)読売新聞の蒔田です。今、冒頭の発言でもありましたけれども、新たなビジョンの長期戦略策定に向けて、これでエネ基も閣議決定もあって政府全体での議論を進めていくということでしたが、具体的にはいつ頃政府全体の議論というのを始められるのでしょうか。元々、大臣からは今年度の早いうちにというお考えも示されていたとは思うのですが、状況を教えていただければと思います。
(答)長期戦略につきましては、一昨年のG7伊勢志摩サミットで、2020年の期限に十分先立って策定するということにコミットしております。来年は、我が国がG20の議長国を務める重要な年であることも踏まえつつ、世界の脱炭素化を牽引するとの決意の下で、骨太な戦略をしっかりと創ってまいりたいと思っております。総理の御指示を踏まえて、政府全体としての検討を加速していくことになるわけでございますけども、まずは有識者会議を設置するということで、総理の御指示を踏まえて、関係省庁と調整をしているところでございます。恐らくそう遠くない時期に有識者会議が立ち上がって、そこから議論を進め、今申し上げました来年のG20の議長国を務めるという、そういう時期がございますし、2020年の期限に十分先立って策定するというコミット、これを踏まえて議論を加速化していくということになると考えております。

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