とかしき副大臣記者会見録(平成30年6月28日(木)11:16~11:32  於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

私のほうから御報告で、先週の6月20日と21日、ベルギーのブリュッセルで開催されました気候変動に関する閣僚会合、MOCAと言いますけれども、これの日本団長として参加をしてまいりました。この会合は、COP24で採択予定のパリ協定実施指針について建設的な議論を行おうということで、これは昨年の9月にカナダで第1回目が行われましたが、今回は2回目ということでした。EUと中国とカナダの共催で開催されました。COP21の議長国のフランスのファビウス元首相やCOP23の議長国のフィジーのバイニマラマ首相など35カ国・機関から閣僚等が参加をいたしました。今年12月に開催されるCOP24では、パリ協定の実施指針、これをいよいよ採択しなくてはいけないということで、これが最重要課題となっています。現在、事務方で交渉を進められておりますけれども、まだまだ先進国と途上国の間では主張に大きな隔たりがある状況であります。会合では、参加した各国の閣僚と、その実施指針や、そしてCOP23で提示されましたタラノア対話を含む幅広い課題について、忌憚のない意見交換が行われました。ポイントとしましては、まず1つ目は、パリ協定の決定を尊重しようということと、COP24において実施指針、これを必ず採択すべく交渉を促進させていきましょうということ。2つ目は、気候変動対策を加速する必要があるという話。COP24におけるタラノア対話は野心の向上に向けた建設的な議論を行う重要な機会であるので、積極的に活用していこうという話がありました。そして、3点目は資金援助について、2020年の目標である官民合わせて年間1,000億ドルの達成に、先進国はコミットしておりますけれども、これについてちゃんと実施していこうということで、各国のハイレベルの共通の理解が進んで、非常に意義があったというふうに思います。
私のほうから、日本として、次の3点を申し上げました。まず1点目が、COP24において実施指針を採択するとの政治的な意志をまずきちんと示すこと、これが大切であるということ。2点目は、我が国の資金のコミットメントを着実に実行しているということを申し上げました。そして、資金を提供した後、それを実際にどういうふうにお使いになって、どういう効果を上げているのかと、ここの透明性も大切であって、お互いちゃんと信頼感が循環できるような関係をつくってほしいということを申し上げました。そして、3点目は、タラノア対話の理解、そして国内の様々な主体間の対話や先進国の取組の共有を促進するために、日本版のタラノア対話の特設ポータルサイトを今月に立ち上げたということを発信させていただきました。ぜひ、ホームページも御覧になっていただきたいのですが、これは日本語と英語版、両方あります。現地の会議でもその話が話題になっておりまして、皆さん携帯等をいじりながら、どこのアドレスかを全部チェックされて、日本が積極的にこういう日本版のタラノア対話のポータルサイトをつくってくれたということで、会議の中でもほかの国も話題にしてくれました。
我が国としましては、実施指針の策定に向けた議論を着実に進めて、そしてCOP24を成功に導けるように、引き続き積極的に国際関係の中で交渉に貢献していきたいと、このように思っております。

2.質疑応答

(問)NHKの金澤と申します。ちょっと話題が変わってしまうのですけれども、昨日処分の案件が1件ありまして、これは福島の出先機関の事務所の職員にはなるのですけれども、昨日付で辞められていますが、前回も福島の浜通りの北支所というところで、復興業務に関連しているところですけれども。前は逮捕事案になりましたけれども、今回はそこまで、立件はされずに終わっていますけれど、全く同じ支所で2件目が発生したということで、前回と事案の内容は変わるのですけれども、職員がそういうことで懲戒処分が下って辞めざるを得なかったということが同じ支所で2回続いたということについて、今後も含めてどう環境省として対応していくのか、一言いただければと思います。
(答)これは極めて問題であるというのは認識しておりますし、再発防止に向けた改善策と、信頼回復にきちんと努めていかなくてはいけないということであります。同じ事務所でということについては、今回の事案も昨年の事案と同じ時期に発生しているということで、事実関係の確認に時間を要したということで報告を受けております。環境省としては、昨年の事件以降、様々な防止のための措置を講じておりますけれども、今般の処分を契機に、やはりしっかりと再発防止をしていかなくてはいけないということと、福島の地方事務所でこういう問題が何度も起こっているというのはちゃんと注意して、その辺の対策を講じていかなくてはいけないなというふうに思っております。具体的な再発防止策ということなのですが、監督員への個別面談、これを強化していこうということと、研修の強化をしていくこと。所長から職員への訓示も行いましたけれども、こういったことを積極的にやっていこうということで、信頼回復にしっかりと努めていくということと、しっかりコミュニケーションをとるということを努めていこうということにしております。

(問)読売新聞の中根です。懲戒処分の発表の件なのですけれども、今回職員の匿名での発表をされていますけれども、そうした理由について教えていただけますか。あと、基本的に人事院の指針に従って匿名発表にされていると思うのですけれども、ただ、今回の事案というのは、環境省職員である立場を利用して、業務への関わりのあることでの事案であり、停職3カ月と重い内容でもあるので、実名発表すべきではないかと思うのですけれども、その点について教えていただけますか。
(事務方)事実関係だけ申しますと、今、御質問の中にありましたように、人事院のほうで公表については指針がありまして、拘束力があるものではございませんが、各省基本的にはそれに倣ってやっておるということですので、処分のほうはしっかりとさせていただきますが、公表についてはその標準的な手続に従って、個人が特定されることのないような形で今回も対応させていただきました。
(答)あと、御本人は停職3カ月の処分ということなのですが、一応御自分のほうから辞職するということ、自分でお辞めになったということなので、今回、ルールに従って名前を公表しないという決断にさせていただきました。

(問)朝日新聞の川村といいます。話題変わって、先ほど御報告のあったMOCAの件なのですけれども、副大臣が出席されて、先進国と途上国でルールづくりなどの隔たりを感じられたとおっしゃっていましたが、具体的にどういう面でとかがあればちょっと教えてください。
(答)とにかくCOP24を成功させなければいけないので、みんなで顔を合わせて、なるべく少しずつ意見を寄せていこうという趣旨でMOCAが行われているのだなというのを感じました。マーシャル諸島とか、やはり自分たちの国土がこの気候変動の影響を受けることによって海面が上がってきて、どんどん領土が狭くなる、そういう国から、もうとにかく早く対応してくださいという切実なる訴えがあって、これに皆さん賛同して、全くそのとおりであるということで、これは先進国であれ途上国であれ、取り組まなければいけない問題なので、頑張っていこうということで、そういう意味では共通認識を持てたというのは、すごくよかったかなというふうに思います。多分これは人類始まって以来の挑戦だと思うのですが、もう、世界中どの国も例外なく、みんなで協力して一つのイシューに向かって努力していかなければいけないというのは、ある意味人類が突きつけられた挑戦だと私は思いますし、これは人間だけではなくて、いろいろな生物、植物や、地球上で生きている生物みんなに人間が責任をちゃんと果たしていけるかどうか、それが問われているのだと思いますので、ここに向かって、やはり人間として果敢に挑戦していかなければいけないのではないかなというふうに思いました。あと、やはり先進国と途上国で一番対立点があったのは、先ほどもちょっと申し上げましたが資金面のことでありまして、2020年までの1,000億ドルを出してほしいし、その後も、もっときちっと先進国側から金額を決めてコミットメントしてほしいという要望が途上国側から結構出ました。最終的には多分何兆ドルの資金が必要になってくるだろうと。それは、もう当然、民間の資金も活用していかなくてはいけないので、そういった多くの資金を今後どうやって途上国側が手にしていくのか、回るようにしていくのか、そこもちゃんと考えなければいけないと。先進国側からすれば、提供したお金が実際どう使われているのか、どんな効果を上げているのか、そこの報告をきちんとしていただかないと、自国民に対してしっかりと報告もできないということで、やはりお互いの信頼関係の循環ができるような環境をつくらないと、なかなかそこは前に進まないよねということと、一方で、2020年の年間1,000億ドル、これにコミットメントをちゃんとしてほしい、実施をしてほしいということについて、今回の会議でみんなで共通認識として持てたということでありました。COP24が決裂しないように、とにかく顔を合わせて、多分最終的には人間関係で、まあ、まあと言いながら少しずつ寄せていく形をとるのだろうなということで、私もこの1年弱で何回か会議に出させていただきますと、何度も何度も顔を合わせますので、だんだんどういうお人柄かとかがわかってきて、多分各国もそうだと思うのですね。どこの会議に行っても、同じようなメンバーが、同じような閣僚が出てくるということで。そうやって、いろいろな課題を人間関係で乗り越えていくためのこういう会議なのだなというのがだんだんわかってまいりまして、非常に勉強になりました。あとちょっと思ったのが、日本は大変評価が高いなというのは肌で感じました。先進国と、さっき言いました途上国のこの行き違いというのは、信頼関係の循環も大切なのですが、そこをつなぐのが環境技術でお互いにやっていけるのではないかということで。技術力といえば日本が非常に強いので、日本はそういうところで貢献していきたいということをお話しすると、非常に期待感もあったりですとか、また、今までの日本の立ち振る舞いが非常に各国から信頼感を持ってもらえているのだなというのは、発言や、会場の間の会話や、さらにはバイ会談もさせていただきましたけれども、そこでもどの国からも日本は大変評価を受けているなというのは肌で感じました。

(問)環境新聞の小峰です。今のMOCAで、最近中国の存在感がいろいろな面で強まっていますけれども、今回の会議で中国の例えば1,000億ドルの協力だとか、そういうふうな対途上国への協力だとか、そういうことで何か副大臣のほうで印象的なことはございますでしょうか。
(答)(MOCAでは中国の解振華さんとお話しましたが、)1,000億ドルのコミットメントについては、話はしませんでした。中国の解振華さんと話をしたときは、COP15が今度2020年に中国で行われるということで、これは生物多様性のテーマで行われるということなので、ぜひ今、日本も愛知目標とか、生物多様性の中でメッセージを出しているのに成功しているので、日本としても協力していきたいということをお話しさせていただきました。そのときにもう一つ申し上げたのが、ヒアリの話でありまして、やはり生物多様性をしっかりと会議で訴えていくわけですから、各国の生物多様性もちゃんと保全するように努力をしてほしいということで、ヒアリに関しては中国も被害者だというコメントも出されておりますけれども、とは言いながら、いろいろな周りの国にヒアリを出してしまうことによって、やはり生態系を崩すというのも事実としてあるので、生物多様性のCOP15を開催する国としては、その会議が開催されるまでの間にきちんと対策を打ってほしいということはお願いさせていただきました。また、中国に関しては、これは私が聞いた話なのですが、(MOCAの前に開催された)ドイツでの会議がの時にメルケル首相が中国はもう技術移転を受けるような途上国ではなく競争相手の一つだと、そういうふうに立ち振る舞いをちゃんとしてほしいということをその環境の会議で明確におっしゃったということを聞いております。中国は時と場所によって立場を結構使い分けられるところがあるので、これからはやはり先進国の一員ということできちんと責任を果たしていただきたいということを、多分メルケルさんはおっしゃったのだというふうに思います。

(以上)

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