中川大臣記者会見録(平成30年6月26日(火)9:37~10:01 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日、環境教育等促進法に基づく「環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育並びに協働取組の推進に関する基本的な方針」の変更について閣議決定いたしました。変更された基本方針では、今年4月に閣議決定された第5次環境基本計画に定める地域循環共生圏の実現に向けて、人々の主体的な参加の意欲を育むために、「体験活動」をこれまで以上に重視することとしています。このため、法に基づく「体験の機会の場」の認定制度を積極的に活用していきたいと考えています。この制度は、地域の企業や民間団体が体験活動の場として提供する土地、建物等を都道府県知事等が認定し、国民の皆様に広く周知するものです。環境省といたしましては、今後とも、関係省庁や地域の団体等と連携しながら、このような「体験の機会の場」の認定の促進を図るなど、体験活動を含む環境教育等の充実に向けて取り組んでまいります。
 次に、第20回TEMM出席の報告を申し上げたいと思います。6月23日土曜日と24日日曜日、第20回日中韓三カ国環境大臣会合、いわゆるTEMM20に出席いたしました。私自身、このTEMMは昨年の8月に引き続き2回目の出席で、中国の李生態環境部長、韓国の金環境部長官と2回目の会談でございましたので、より率直に意見交換ができたのではないかと思っております。初日は、中国、韓国とのバイ会談を行いました。中国とのバイ会談では、ヒアリ対策について協力が深まったことを評価するとともに、港湾対策の徹底と、ベイト剤の使用も含めた二国間の輸出入時の効果的な対策への協力を申し入れいたしました。ベイト剤の使用に関する中国の国内法令との関係等は担当である農業農村部に確認中でありますが、李部長からは、ベイト剤の問題についても農業農村部に働きかけてくださるということで、ヒアリ対策にかなり積極的に協力すると、こういう強い意向が表明されました。引き続き、共同して取り組んでまいります。韓国とのバイ会談では、廃ポリタンクの問題につきまして、実際に日本海に漂着したポリタンク、そのほかのプラスチック製品の漂着物を写真に撮って、それを金長官にお見せをして、対策を求めました。金長官からは、この問題を喫緊の課題として認識しており、廃プラスチックの回収とともに不法投棄の防止のため海洋警察庁に取締りの強化も要請している旨の御発言がありまして、海洋ごみ問題として広く日韓で協力したいとの姿勢を示していただきました。TEMMの本会合では、中国の環境保護部が生態環境部に変わりまして、気候変動分野も所管になったことから、私からは、TEMMの新たな協力分野として脱炭素都市構築のための共同研究を開始することを提案し、両大臣に御賛同いただきました。パリ協定の達成に向けて三カ国で脱炭素化を牽引するよう協力していきたいと考えております。また、海洋ごみ対策につきましては、我が国の取組を紹介するとともに、G20においてマイクロプラスチックを含めた海洋ごみ問題について議論したいと提案いたしました。両大臣からは、海洋プラスチック対策がグローバルな共通課題であるとの認識が示されまして、国際的なモニタリング、廃棄物の適正処理体制の構築、情報共有、技術開発の重要性やG20日本開催に向けた連携等について認識を共有いたしました。これを受けて、環境省といたしましては、海洋プラスチック問題について、今般、グローバルスケールでの実効性のある取組の必要性を国際社会に発信するため、関係省庁とも連携しつつ、更なる国際連携・協力等の対応策について取りまとめるべく、事務方で早速検討を始めることといたしております。今後とも、中国、韓国の両国と、環境に関する各種協力に一層取り組んでまいります。

2.質疑応答

(問)NHK金澤と申します。1点お伺いしたいのは、ヒアリについてなのですけれども、中国とのバイ会談で、中国でのベイト剤の設置の可能性は非常に高まったのかという受け止めが1点と、もう一つは国内での対応になるのですけれど、中国での対策を踏まえて、国内ではこれまでどおりの対策なのか、それ以上のことをまた日本国内で対応されようとしているのか、その2点についてお願いします。
(答)ベイト剤をコンテナの中に入れさせてくださいということは、もう昨年から、中国の農業農村部が所管ということでございますので、そちらの方へ様々なレベルでお願いをしております。農業農村部は、中国の国内法に照らしてどうなのかということを検討中だと、こういう返事でありまして、現時点においても国内法との関係でどうだということが、まだ回答はございませんが、李部長は、まずは日本の方で中国の農業農村部と更なる接触をしてください、そして自分もその仲介をしますと。そして、具体的なこれからの対応を検討していきましょうと、こういう前向きな御発言をいただきました。そういう意味では、李生態環境部長の対応は非常に心強いものだというふうに私自身が感じたところでございます。ただ、ベイト剤の法的解釈は中国の農業農村部でありますので、引き続き、我が国としても農業農村部にしっかりと見解を出していただいて、何とか実現をしていきたいということで臨んでまいりたいと思っております。中国の方も、ヒアリ対策について、中国の国内におきましても様々な対策をとっているということでございまして、日本ももちろん水際でしっかり防除をするということが大事でありますので、日本におきましても、6月12日にヒアリ対策関係省庁連絡会議を開催いたしまして、改めて関係省庁が連携し、気を引き締めてヒアリ対策を推進することを確認いたしました。引き続き全国の港湾における調査やヒアリ確認地点周辺の調査などを実施しながら、徹底した水際防除を進めてまいります。国民の皆様に対しましては、必要以上に危機感を喚起することのないよう留意しつつも、ヒアリが定着することの社会的損失等について的確に発信し、理解と協力を得ることが重要と考えております。港湾における調査につきましては、港湾管理者との調整を進めているところでございますけれども、しっかりと水際で防除するという方針の下、これからも国内の対策も引き続きしっかりやっていきたいというふうに考えております。

(問)NHKの松田です。今のTEMMの関係のこと、海洋ごみ、マイクロプラスチックの関係でお伺いをしたいのですけれども、大臣おっしゃられましたように日中韓で、連携、情報共有、モニタリングが必要だというような課題について共有されたと。G20に向けても課題を共有されたということなのですけれども、G20である一定の成果を出そうと思うと、やはり各国の取組を求めるような、そういった形がある、具体性のあるものが必要だと思うのですけれども、それにはやはり、中国、韓国、日本もそうですけれども、具体的な国内での対策、取組が必要になってくると思うのですが、その辺り、中国や韓国から具体的な対策に向けての前向きな意志、発言みたいなものはあったのでしょうか。
(答)今回のTEMMの本会合、それからバイ会談を通じまして、韓国も中国もマイクロプラスチックを含む海洋ごみの問題については大変深刻に受け止めて、そして積極的な対応をとる必要があると、こういう認識が示されました。現実に韓国も、私の方から写真をお示しして対策の強化を申し入れしたわけでありますが、大変前向きにこの問題を取り上げておられるというふうに私自身も受け止めました。中国につきましても、韓国及び日本側と協力して海洋ごみの削減、特にマイクロプラスチックの削減を進めたいと、こういう強い意志が示されたところでございます。このG20に向けて、先進国だけではなくて途上国も含めて、むしろ途上国の方から海洋に流されている廃プラスチックが非常に多い状況でありますし、それが海中でマイクロプラスチック化すると、こういう状況もございますので、G20の枠組みで世界が協力して海洋プラスチック、海洋ごみ問題を解決していくように、G20に向けてこれからいろいろ協議をして、G20で成功させるように努力をしていきたいというふうに考えております。
(問)あと1点。最後におっしゃられた、国内での対応を、各省庁に取りまとめるように事務方の方に指示をされたということなのですけれども、これについてもう少し詳しく、どういったことをされるのかというのを教えていただけますか。
(答)一つはプラスチック資源循環戦略、これを取りまとめるということで、環境省が中心になって関係各省、また関係業界とこれから調整をして、しっかりとした数値目標も含めた戦略を打ち立てたいと思っております。まず、隗より始めよということでございますが、G20に向けて各国との協調というものが必要になりますので、日本がリーダーシップをとって、各国とマイクロプラスチックを含む海洋ごみ問題の解決に向けたG20での成果を目指して、働きかけて調整をしていくと、そういう作業にこれから入るということで、私自身も事務方に指示をいたしましたし、事務方も早速そういう作業に取りかかると、こういうことでございます。

(問)読売新聞の中根です。TEMMに関連してなのですけれども、中国が廃プラスチックなどの資源ごみの輸入規制を昨年末から始めてますけれども、この件で日本でも産業廃棄物の処理業者の間では結構混乱が広がっていますけれども、この件で中国にまた輸入を再開してもらうとか、何らかの協議なり、働きかけなりを今回の会合ではされたのでしょうか。
(答)中国が昨年12月に廃プラスチック等の廃棄物の輸入禁止措置をとりました。そして、本年以降も廃棄物の輸入規制の強化を行うと、こういうことでございます。中国の李部長から、この措置の背景、そして狙い、これについての説明がございました。これは中国の正に環境を良くしていく、環境の保全のためということで、こうした措置がとられるという御説明がありまして、それについては日本としても、中国の環境がそれによって向上するということであれば、これは賛同すると、そういうことを申し上げました。ですから、輸入を再開してくださいというようなスタンスではなくて、ただ問題は、その規制が、どういうものについて規制されるのかというところが、十分情報を、我が国の業界と共有されていない面がございますので、日本の事業者への影響も大きいわけですし、それから、不法な輸出入を防止するということは重要なことでございますので、中国と日本の間で密な情報共有をお願いしたいということを申し上げました。李生態環境部長からは前向きな御回答をいただきましたので、今後、具体的な進め方について中国側と相談していきたいと考えております。

(問)共同通信の深谷です。先ほど、来年のG20に向けて、各国、国際連携に向けて取りまとめるべく調整をしていくということなのですけれども、来年のG20では、先日のG7サミットで日本が署名しなかった海洋プラスチック憲章のような、年限を区切った数値目標というのを、何らかの成果文書として出していきたいというようなお考えなのでしょうか。
(答)その辺は、まだ現時点においてお答えすることは難しいと思います。ただ、いずれにしてもG7の枠組みを超えて、G20という、より広い国の参加の下での対応というものが、この海洋ごみ問題の解決には重要でございますから、そういう意味で、G20の場でしっかりとした成果が出せるように努力をしていくということでございます。
(問)G20というのは、G20サミットに向けてという意味合いなのでしょうか。
(答)もちろんG20サミットに向けて。環境・エネルギー大臣会合もございますので、もちろんそこで議論するということは必要でありますし、重要なことだと思いますが、最終的にはサミットの方でしっかりと首脳同士で確認をしていただく、そういうことになるように頑張っていきたいと思います。

(問)共同通信の藤井です。除染の地域指定基準の見直しについて伺います。先週の金曜日に放射線審議会が、指定基準の毎時0.23マイクロシーベルトの数値の見直しには踏み込まない結論をまとめる方針を示しました。事故から7年たっての基準の変更というのは混乱を招くとの理由もあると聞いておりますけれども、環境省として、指定基準を今から見直す必要性があるのか否かについて、大臣のお考えをお伺いします。
(答)6月22日の放射線審議会で、今般の福島第一原発事故の教訓を整理するため、各種事故対応の基準のフォローアップについての議論がなされたということでございます。環境省の関係では、今御指摘がございました空間線量率と実効線量の関係の整理について取り上げられましたが、毎時0.23マイクロシーベルトという除染の地域指定の基準の見直しを求めるような議論は出なかったと聞いております。この数値は、除染を含めた総合的な放射線防護策により達成すべき長期の目標として設定している「個人の年間追加被ばく線量1ミリシーベルト」という数値を、安全側に立った特定の生活パターンの条件下で、便宜上、空間線量率に置き換えたものでございます。環境省としては、このような安全側に立った一定の基準を設けて、適切に除染を行ってきたものと考えております。そういう環境省の見解でございますが、引き続き、放射線審議会の検討を注視してまいりたいと思います。

(以上)

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