中川大臣記者会見録(平成30年6月8日(金)8:45 ~8:56於:衆議院分館1階ロビー)

1.発言要旨

 昨日、公表いたしましたインフラシステム輸出の「海外展開戦略(環境分野及びリサイクル分野)」について御報告いたします。この戦略は、政府のインフラシステム輸出戦略に基づき策定したものでございます。環境分野の戦略は、3段階の構成で取りまとめております。一つ目は、国際動向と環境インフラの重要性でございます。パリ協定を契機とした世界の脱炭素化の動き、気候変動への適応市場の拡大、公害被害と対策の必要性を取りまとめております。二つ目は、再エネ・省エネ、廃棄物、水環境、大気汚染等の各技術分野での課題と具体的な対応策でございます。三つ目は、各技術分野の取組を支える、政務によるトップセールス、制度整備・人材育成等のソフトインフラ支援、公的資金の活用などの横断的な対応策でございます。また、リサイクル分野につきましては、更に詳細の戦略を策定し、海外市場動向、我が国企業の強み、課題等を整理し、今後の政策の方向性を示しております。この戦略を基に、環境インフラの海外展開を進め、途上国の環境改善、我が国の経済成長にも貢献してまいります。詳しくは御手元の資料を御覧いただければと存じます。

2.質疑応答

(問)TBSの阿部です。マイクロプラスチック対策についてお伺いします。今日、議員立法の海岸漂着物処理推進法の改正案が審議入りしますけれども、環境省としては今後どのような対策を進めていくお考えかお願いします。
(答)本日、これから始まります衆議院環境委員会で、議員立法により海岸漂着物処理推進法の改正案が審議されます。この法案は、マイクロプラスチックを含む海洋ごみ対策を推進していく上で重要な法律であると考えております。マイクロプラスチックは、生態系などへの影響も懸念されておりまして、環境省としても重要な課題であると認識いたしております。このため環境省では、マイクロプラスチックの実態を把握するための調査をしておりますし、今後も継続いたします。まずは発生抑制が大事でありまして、そのために、マイクロプラスチックになる前の海洋ごみの回収・処理、その原因となるプラスチックごみ等の発生抑制、リユース、リサイクルや、適正処理の推進などにより、海洋に流出するごみを減らすための取組を進めております。これを更に進めていきたいと考えております。また、マイクロプラスチックを含めた海洋ごみ対策を国際的に進めていくためには、世界的な海洋ごみの実態把握が重要であるため、我が国は、日本近海の実態把握を進めるとともに、マイクロプラスチックのモニタリング手法の国際的な調和を主導しております。つまり、各国のマイクロプラスチックの調査結果が比較可能となるよう、調査手法、データの取扱いについて調整をするということが大事でありまして、この点、我が国として、主導をしていきたいというふうに考えております。引き続き、この解決に向け、関係省庁と連携しながら、マイクロプラスチックを含めた海洋ごみ対策を総合的に推進してまいりたいと考えております。

(問)NHKの松田です。海外インフラ輸出戦略なのですけれども、この中ではやはり石炭火力についても、必要とする国に限ってOECDルールにのっとって輸出するというようなことが載っていますけれども、大臣かねがね、石炭火力は卒業していくべき技術だというふうにおっしゃっられておりますけれども、こういった卒業していく技術を、日本の経済の成長戦略の一つに位置づけられていることに関してどのようにお考えになりますか。
(答)昨日改訂されました「インフラシステム輸出戦略」では、まず、パリ協定を踏まえ、世界の脱炭素化をリードしていくため、相手国のニーズに応じ、再生可能エネルギーや水素なども含め、「低炭素型インフラ輸出」を積極的に推進することとなっております。まずはそういうことですね。その中で、エネルギー安全保障及び経済性の観点から石炭をエネルギー源として選択せざるを得ないような国に限り、相手国から、我が国の高効率石炭火力発電への要請があった場合には、OECDルールも踏まえつつ、相手国のエネルギー政策や気候変動対策と整合的な形で、原則、世界最新鋭である超々臨界圧以上の発電設備について導入を支援するということになっております。これは、政府として決定したことでございます。
(問)そうしますと、今の高効率な石炭火力の輸出というのは、相手国の長期的な温暖化対策にも資する、そして日本の経済、産業の発展にも資するというふうにお考えですか。
(答)これはもちろんそういうことだと。日本の技術を、今申し上げたように、エネルギー安全保障、それから経済性の観点から石炭をエネルギー源として選択せざるを得ないような国に限って、相手国からの要請があった場合に、OECDルールを踏まえて、相手国のエネルギー政策や気候変動対策と整合的な形でと、いろいろなそういった条件の下で、そこのところは厳しくいろいろな条件をつけておりまして、そういう場合に、相手国に超々臨界圧以上の発電設備の導入を支援するということで、相手国の支援もしますし、日本の企業にとってもそういった形で最新鋭の技術を使っていただけると、こういうことで世界全体の排出削減にも貢献できると、こういうことだと思っております。

(問)毎日新聞です。今の関連なのですけれども、石炭火力に関していうと、基本的には相手国の要望を受けてというふうなことが前提となっていると思いますが、こういった石炭火力の技術を、基本的には日本自らが積極的に売り込むのではなく、相手国からの要望に応じてというような、ある種受け身の姿勢で売っていくというのは、全体的な施策の流れからいうとちょっと消極的にも感じるところがあるのですけれども、そこまでして石炭火力の技術というのを日本が売る姿勢というのを見せる意味というのはどこにあるのでしょうか。
(答)これは今申し上げましたが、まずは、世界の脱炭素化をリードしていくため、相手国のニーズに応じ、再生可能エネルギーや水素なども含め、「低炭素型インフラ輸出」を積極的に推進すると。これがまず前段にあるわけですね。その中でということで、相手国からの要請があった場合に、その場合も、もう繰り返しになりますが、エネルギー安全保障あるいは経済性の観点から石炭をエネルギー源として選択せざるを得ないような国に限りと。しかも、OECDルールを踏まえ、相手国のエネルギー政策や気候変動対策と整合的な形で。これは途上国も気候変動対策をパリ協定の下で立てておりますから、それと整合的な形でと。こういったいろいろな条件をつけて、そういった限定的な場合に支援するということで、原則といいますか、まずは再生可能エネルギーや水素なども含め、「低炭素型インフラ輸出」を積極的に推進すると。ここをしっかりと押さえていただければと思います。

(以上)

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