中川大臣記者会見録(平成30年6月5日(火)9:01 ~9:14 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 まず、本日、「平成30年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」を閣議決定いたしました。今回の白書は、「地域循環共生圏の創出による持続可能な地域づくり」をテーマとして、本年4月に閣議決定した第五次環境基本計画で提唱した「地域循環共生圏」の創造に向けて、地域資源を持続的に活用することで地域の活力を最大限に発揮する取組や、ライフスタイルの転換に向けた取組等について、我が国で既に始まっている先進的な取組事例等を紹介しております。この白書が、我が国における持続可能な社会の構築に向けた一助となることを期待しております。
 次に、昨日開催されました第17回未来投資会議における総理指示を踏まえた、パリ協定に基づく長期戦略の検討作業の加速化についてお知らせいたします。未来投資会議におきまして、成長戦略の素案とともに、「エネルギー・環境投資を通じた成長の実現について」が議題となりました。私からは、パリ協定以降、脱炭素化がグローバルで有望市場となり、ビジネスチャンスとなっていることや、民間活力を最大限にいかし、イノベーションを創出することで、脱炭素化を通じた「新たな成長」を実現することの重要性について発言いたしました。また、安倍総理の締め括りの御発言におきまして、長期戦略について、総理から「これまでの常識にとらわれない新たなビジョン策定のため、有識者会議を設置するとともに、関係省庁は連携して検討作業を加速化せよ」との御指示が出されました。これまで、環境省が3月に公表いたしました「長期大幅削減に向けた基本的考え方」を始め、各省がそれぞれの政策の観点から検討を進めてまいりました。今回の総理の強い御指示を踏まえ、有識者会議の設置など、関係省庁と連携しながら、長期戦略の検討作業を速やかに進めてまいります。

2.質疑応答

(問)幹事社のNHKの松田です。先ほど大臣のおっしゃられた長期戦略の策定についてなのですけれども、昨日、総理から指示があったということなのですが、具体的にどこの省庁などと主に調整していくのかというところと、あとは、大臣これまで、今年度の早い段階で検討の場を設けて議論を始めたいというふうにおっしゃっられていましたけれども、具体的にいつ頃の開始を目指すのか、具体的なスケジュールなどについて教えてください。
(答)総理の御指示にありますように、金融界、経済界、学界など各界の有識者にお集まりいただくこととしております。これまでの常識にとらわれない「新たなビジョン」策定に向け、できるだけ速やかに有識者会議を立ち上げたいと考えております。いつまでにということは現段階では申し上げられませんが、できるだけ速やかに立ち上げたいというように考えております。長期戦略につきましては、一昨年のG7伊勢志摩サミットで、2020年の期限に十分先立って策定するということにコミットしております。来年は、我が国がG20の議長国を務める重要な年であることも踏まえつつ、世界の脱炭素化を牽引するとの決意の下、骨太な戦略をしっかりと創りあげてまいりたいと考えております。政府部内、経済産業省や外務省やその他の様々な省庁と調整をして、政府全体としての長期戦略を早い段階で創りあげていきたいと考えておりますが、現時点においてスケジュールをお示しするというわけにはまいりません。
(問)長期戦略でもう1点なのですけれども、やはり環境省としては、長期的に脱炭素化というところを目指すに当たっては、カーボンプライシングの導入というのが、一つ大きな重要な鍵となってくると思うのですけれども、カーボンプライシングについて、この長期戦略の中でどの程度盛り込んでいきたいのか、その辺りの大臣のお考えをお聞かせください。
(答)カーボンプライシングにつきましては、既に環境省の考え方はいろいろな機会に申し上げておりますが、非常に有効な政策手段ということで、脱炭素化に向けて国民の皆様方に、カーボン、炭素には価格が付いているということで、価格シグナルを国民の皆様方にしっかりとお示しをする。そのことによって各企業も脱炭素という方向に向けてのイノベーションを起こして脱炭素社会の実現に資する。そういう意味では大変有効な政策手段、経済的な手段だというふうに考えておりまして、前向きにこれを長期戦略の中に盛り込んでいきたいと、こういうことで調整を進めたいと考えております。

(問)朝日新聞の神田です。長期戦略についてお尋ねします。日本は石炭火力発電所がこれからもエネルギーの中で重要な位置を占めるということなのですけれども、長期戦略では今世紀後半なるべく早い時期に、パリ協定の中では収支ゼロということを目指す、また日本としては2050年80%削減ということで、今世紀後半になって、日本では石炭火力発電所が数十基稼働しているのではないかと思うのですが、そこら辺は中川大臣としては、どのようにこの長期戦略の中で、石炭火力発電所については臨んでいきたいかというお考えをお願いします。
(答)長期戦略は2050年80%削減、そしてその先の脱炭素社会を目指しての長期戦略でございます。そういうことを考えますと、今世紀後半には排出と吸収がイコールになる。実質排出ゼロと、こういう社会をつくっていくということになりますと、石炭火力発電所のようにCO2の排出が非常に大きいものというものは卒業していかなければならないと、こういうことになると思います。したがいまして、この長期戦略の中で石炭火力発電所をどのように扱っていくのかということはもちろん大きな課題になると思いますが、環境省としては、この石炭火力発電所につきましては、長期戦略の中では卒業していくべきものと、こういうことで主張をしていきたいと考えております。

(問)日本経済新聞の安倍です。仙台港の火力発電が木質バイオマス専燃になったということについてお伺いしたいのですけれども、事業者の住友商事は温暖化ガスだの環境負荷の観点から計画を変えたということですけれども、この方針変更に関する大臣の御見解なり、伺えればと思います。
(答)一昨年のパリ協定発効以降、脱炭素社会へ向かう国内外の潮流が明確になりました。石炭火力発電所が置かれている状況は非常に厳しいものがございます。世界においては、イギリス、フランス、カナダ等の主要国が石炭火力の廃止方針を明言しておりますし、民間でも石炭への投資を引き上げる「ダイベストメント」の動きが顕著になっております。そして今申し上げました2050年、更にはその先の脱炭素社会というものを見通した場合には、石炭火力発電所については卒業していくべきものだというふうに考えております。そういう意味では、今回、事業者が石炭火力発電を中止し、バイオマス専焼による発電への変更を決断したということは、正にこうした石炭火力発電に対する厳しい流れを受けたものではないかというふうに考えておりまして、その決断を評価したいと思います。我が国において、こうした動きが更に広がっていくことを期待したいと思います。なお、報道によれば、海外から輸入バイオマスを調達する計画のようでございますが、事業者には、国内バイオマスの最大限の利用、調達段階におけるCO2排出量等、バイオマス発電による総合的なCO2排出削減効果の把握・評価、それから国際的な森林認証を得た材料の調達等による違法伐採の回避などを行い、バイオマス発電によるCO2排出削減効果の確実な確保をお願いしたいと考えております。

(問)IWJの八重樫と申します。環境省は6月1日、福島原発事故の除染土を園芸作物などの農地造成にも再利用する方針を決めました。食用作物は栽培しないとおっしゃってますが、今後なし崩し的に転用されるおそれとかはありますでしょうか
(答)そのようなことは考えておりません。

(以上)

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