中川大臣記者会見録(平成30年4月24日(火)9:32 ~9:50 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 今年のクールビズの実施について、お知らせいたします。本日の閣僚懇談会におきまして、地球温暖化対策と節電の観点から、今年も5月1日から9月末をクールビズの期間として、夏期の室温設定の適正化とその温度に適した軽装を広く呼び掛けるとともに、率先して実行していただき、取組の輪を広げていただくよう御協力をお願いいたしました。クールビズにつきましては、皆様の御協力のお陰で、気温に合わせて柔軟な服装で過ごし、室温の適正化を図るライフスタイルも定着してまいりました。日本は南北に長く地域によって状況も異なりますので、10月においても、暑い日には室温設定の適正な管理と、各自の判断による軽装を引き続き呼び掛けてまいります。
 次に、2016年度の温室効果ガス排出量の確報値を取りまとめましたので、御報告いたします。我が国の2016年度の温室効果ガス排出量は13億700万トンで、前年度比で1.2%減、2013年度比で7.3%減となりました。これは、冷媒として使用される代替フロンであるハイドロフルオロカーボン類等の排出量が増加した一方で、省エネによるエネルギー消費量の減少や太陽光発電の導入拡大によりエネルギー起源のCO2排出量が減少したことなどの結果と考えられます。また、部門別に見ますと、家庭部門におけるCO2排出量などが前年度から増加いたしました。このように、排出量の削減には一定の進捗は見られるものの、削減量は前年度より縮小していることや増加している部門もあることから、2030年度26%削減の達成に向けて楽観視はできないと考えているところでございます。5月1日からクールビズを開始いたしますが、今後も徹底した省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの最大限の導入、代替フロン等の廃棄時回収率向上対策など、温暖化対策を一層推進してまいります。

2.質疑応答

(問)毎日新聞の五十嵐です。温室効果ガスの排出量の観点で1点お尋ねします。ただ今も大臣から言及ございましたが、一定の進捗は見られるものの楽観視できないというところでありますけれども、パリ協定に向けての日本の国別目標、2030年に26%減だったと思いますけれども、これに比べて、現状認識として足りているのか、もしくは一層の努力が必要なのかというところの現状認識を伺えればと思います。
(答)排出量の削減には、今申し上げましたが、一定の進捗は見られるわけでございますが、削減量は前年度より縮小していると、こういう状況がございます。家庭部門におきましては、増加をしているというような状況等々を見てまいりますと、2030年度26%削減の達成に向けて楽観視はできないと考えております。今後とも徹底した省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの最大限の導入、それからハイドロフルオロカーボン類の更なる削減対策などの取組を着実に進めることにより、2030年度26%削減の中期目標達成に向けて全力で取り組んでまいります。いずれにしても、楽観視はできないと申し上げましたけれども、この2030年度26%削減、これはもうどうしても達成しなければならない目標でございますし、その次の2050年80%削減、更にはその次の社会というものを考えれば、この26%削減の目標というのは必ず達成しなければならない。したがって、そこに向けていろいろな更なる取組を着実に進めていかなければならないというふうに考えております。
(問)追加でもう1点お尋ねします。この温室効果ガスの排出量の話のたびに出てくるところですが、代替フロン、HFCの回収率の向上に向けての取組、改めてですが、現状と今後の考え方を教えてください。
(答)今申し上げましたが、排出量増加の要因として、冷媒分野におけるハイドロフルオロカーボンの排出量の増加が挙げられているわけでございます。このハイドロフルオロカーボンは、冷凍冷蔵空調機器の冷媒について特定フロンからの代替が進んでいることから、今後も引き続き排出量の増加が見込まれております。このハイドロフルオロカーボンを含むフロン類の排出抑制のため、平成27年4月にフロン排出抑制法が施行されまして、機器のユーザーに使用時漏えい対策を中心とする新たな義務が課せられ、機器の適切な管理に関する認識も高まっているところでございます。その一方で、廃棄時回収率が10年以上、3割程度にとどまっているなどの課題がございます。現在、中央環境審議会と産業構造審議会の合同会議において進めておりますフロン類対策のフォローアップの中で、フロン類の廃棄時回収率低迷の要因と対策について調査・分析しているところでございまして、その結果を踏まえて、経済産業省など関係省庁と協力して必要な措置を講じてまいりたいというように考えております。

(問)NHKの松田です。今の温室効果ガスの排出量の件についてなのですけれども、2030年度の26%削減目標について、楽観視はできないということなのですけれども、楽観視ができないというのは、このままでいくと、このままのスピードでは達成できないというようなことなのでしょうか。
(答)そこはこれからの状況、直線で排出量を結んで計算して毎年どうだということでもないと思うのですね。ですから、それぞれの年度のいろいろな事情もございますので、これからの見通しというのは、今、確たることは申し上げられないと思いますけれども、一方で削減の量が減ってきている、一方で家庭部門などにおいて増加をしていると。これはもちろん、夏は暑く冬は寒いとか、世帯数が増加したとか、そういった諸事情はあるにせよ、結果として増加をしたという事実もございまして、いろいろな要素がこれから絡んでくると思いますけれども、今の状況で26%削減が実現できるというふうに見通すこともできない。やはりいろいろな努力を、またいろいろな施策を積み上げて、そして26%削減という目標を達成していくことになるというふうに思います。そういう意味で、楽観視はできないと、こういうふうに申し上げました。
(問)いろいろな要因があるので一概には言えないと思いますけれども、やはりこれまでの対策より、やはり更なる対策が必要だというような御見解でしょうか。
(答)もちろんこれは、これからも更なる対策、そして更なる努力というものが必要だというふうに思います。

(問)朝日新聞の川村です。今の温室効果ガスの件でですけれども、家庭部門、微増ではあるのですけれども、若干排出量が増えている現状で、このクールビズについてもそうかもしれないのですけれども、どういうふうに呼び掛けだったりとか、家庭部門に対してはどんな施策を考えていらっしゃるでしょうか。もう少し教えてください。
(答)家庭部門は、2030年度26%削減目標の達成に向けて、2013年度比約40%削減という高い目標を掲げております。この目標の実現に向けて、環境省では既にLEDや省エネ家電の利用などCO2の削減につながる行動を促す国民運動COOL CHOICEの推進を進めております。また、省エネ性能の高い住宅の新築や改修への支援といった施策をとっておりまして、財布に優しく健康で快適な暮らしにつながることのアピールを含め、このような政策、施策を引き続き取り組んでいきたいと考えております。このように、一方では財政支援も必要になっておりますが、普及啓発ということ、これも極めて大事でございまして、財政支援、普及啓発などの様々な政策により、引き続き家庭部門における脱炭素化に向けて全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。

(問)日本テレビの中村と申します。温室効果ガスの件なのですけれども、普及啓発、クールビズ、それからウォームビズ、COOL CHOICEと懸命にされているのではあるのですけれども、家庭部門の状況というのがあって、見方によればコスト削減とかそういう企業のインセンティブのない、一番国民の意識の素が表れる部分ではないかと思うのですけれども、なかなか減っていかずに、特に今回、3.11以降、1人当たりのエネルギー消費量というのは5年連続で減ってきていたのですけれども、それは節電の意識だったと思うのですよ。今年増加に転じてまして、国民の意識というのはそっちの方向にどんどん進んでいるのか、それともむしろ緩んできているような危機的な状況があるのではないかと思うのですけれども、家庭部門における国民の意識について大臣はどのようにお考えですか。
(答)私は、家庭部門において国民の意識が緩んでいるというふうには思わないのですね。しっかりと環境意識を高める方向に向かっているというように考えております。2016年度の家庭部門におけるCO2排出量の増加の理由というのは、やはり前年度より夏季の気温が高い、冬季の、冬の気温が低かったということによりまして、冷暖房の需要が増加をしたということと、また世帯数が増加した、これはずっと今までもそういう傾向があるわけですけれども、こういったことによりまして、エネルギー消費量が増加したことなどが理由として挙げられております。そういう事情によって、結果として増加をしたというふうに考えておりますけれども、COOL CHOICEの推進やクールビズの運動もありますし、省エネ性能の高い住宅の新築や改修への支援という財政支援も含めて、これは環境省だけではなくて、経済産業省や国土交通省とも連携をして進めておりまして、そういった効果というものも一方ではしっかりと上がっているというように考えております。

(問)読売新聞の中根です。温室効果ガスの削減の件なのですけれども、削減するには社会システムの変革というのが必要であろうと思うのですけれども、価格シグナルですとか、あるいはカーボンプライシングの導入というのが必要になってくるかと思うのですが、この点については、大臣どのように考えてらっしゃいますか。
(答)これは環境省にとりまして大変大きな課題でございます。やはり、今おっしゃった価格シグナルというものをしっかりと導入していく。カーボンプライシングといわれております環境税や排出量取引を、諸外国の例もあるわけでございますので、日本も導入をして、そしてやはり価格によって、炭素をたくさん出すものについては不利になるということで、社会全体としてまず技術のイノベーションも進む、またそれを受け入れていく社会・経済・システムのイノベーション、社会全体がそういった脱炭素化という方向に向かって進んでいく、そういう政策をしっかり打ち出すべきときだというふうに考えております。この点につきましては、これからの長期戦略を定める中で、環境省としては主張していきたいというように考えているところでございます。

(以上)

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