中川大臣記者会見録(平成30年4月13日(金)9:03 ~ 9:25 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日の閣議におきまして、「希少野生動植物種保存基本方針」の変更について閣議決定されました。これは、種の保存法に基づく基本方針について、昨年の通常国会で成立した改正種の保存法に基づく内容及び環境省が平成26年に作成した「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」に記載されていた基本的な考え方などの記述を追加したものでございます。変更内容の詳細については、御手元の資料を御覧いただきたいと思います。本方針を踏まえ、本年6月に施行される改正法をしっかり運用してまいります。
 次に、環境省が発注した福島県川俣町での解体工事におけるベトナム人技能実習生への特殊勤務手当の不適正支給事案について御報告いたします。前回10日火曜日の会見で申し上げました詳細調査の結果及びそれを踏まえた対応につきまして、この度取りまとめ、昨日午後に公表を行いました。その詳細については、公表資料を御確認いただきたいと思いますが、環境省工事において特殊勤務手当が適正に支給されていなかったことや、それを隠すために文書が偽造され虚偽の報告が行われていたことは、誠に遺憾であると改めて申し上げたいと思います。本件を受けまして、福島地方環境事務所において、当該工事の元請事業者、一次下請事業者及び二次下請事業者に対して、本日より1カ月間の指名停止措置を行うとともに、関連業界団体に対して特殊勤務手当の適正な支給の徹底を改めて要請する通知を、昨日発出いたしました。環境省としては、今後も、関係行政機関や業界団体等との連携を図りながら、事業の適切な管理・実施に努めてまいります。
 次に、熱中症を未然に防止するため、今年度は4月20日金曜日から、環境省熱中症予防情報サイトにおいて、熱中症の発生しやすさを示す「暑さ指数」の予測値・実況値の情報提供を開始いたします。また、熱中症に関する正しい知識を知っていただき、適切な予防及び処置に役立てていただくための、「熱中症環境保健マニュアル」につきまして、最新の情報を踏まえて改訂いたしました。さらに、6月3日日曜日、6月4日月曜日の2日間、東京で「熱中症対策シンポジウム」を開催いたしまして、その様子を全国5カ所で中継いたします。医学やスポーツ、暮らしに関する専門家から、熱中症の基礎的な知識、夏の快適な暮らし方などの熱中症予防に役立つ情報を提供していただきます。詳しくは、御手元の資料を御覧いただきたいと思います。環境省は、熱中症予防の声かけを行う官民連携プロジェクト「熱中症予防声かけプロジェクト」に取り組んでいます。国民の皆様には、情報を活用し、本格的な夏を迎える前から熱中症の予防を心がけ、お互いに声をかけあっていただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)毎日新聞の五十嵐です。石炭火力発電について幾つかお尋ねいたします。先日ですが、四国電力が仙台市で計画をしていた石炭火力発電所の計画から撤退する旨発表されました。今後は、共同で計画している住友商事が単独で計画を進めるものと思われますが、この件について大臣の受け止め、コメントをお願いいたします。
(答)四国電力の発表によれば、この取りやめは十分な事業性が見込めないとの判断に至ったためとされております。私は、常々申し上げていることでございますが、石炭火力発電を取り巻く国内外の状況は非常に厳しく、事業者は環境保全面からの事業リスクが極めて高いことを改めて自覚し、事業実施の再検討を含むあらゆる選択肢を検討することが極めて重要であります。今回の取りやめは、正にこうした事業リスクも勘案した決断ではないかと考えておりまして、その決断を評価したいと思います。四国電力及び共同事業者である住友商事に限らず、全ての発電事業者には、地球温暖化対策に係る国内外の状況をしっかりと認識した事業経営と、CO2排出削減の確実な実行をお願いしたいと考えております。
(問)関連でもう1点なのですけれども、一方で、大臣の就任後に、これまでに意見書を出されました三隅発電所の計画では、環境アセスメントの手続きが終了して着工するという見通しになっておるようです。神戸製鉄所の計画についても、今のところ計画を見直すという話は特に聞こえておりません。石炭火力の環境アセスメントをめぐっては、経済産業省と環境省の合意に基づいて、電力事業者の自主的な取組を進めるという話があると思いますが、これまでの動きを見ていますと、自主的取組というのもうまく軌道に乗っているというふうにはなかなか見受けられません。その一方で、計画が着実に進んでいくということを見ていますと、大臣のメッセージがどれだけ適切に事業者に伝わっているかというところで、ちょっと疑問を感じるところもあります。そういったところで、お考えがあればもう一言お願いいたします。
(答)これもまた繰り返しになりますけれども、石炭火力発電は地球温暖化対策の観点から大いに懸念があり、CO2排出削減の具体的な道筋が示されないまま容認されるべきものではないというふうに申し上げているわけであります。この三隅火力発電所の2号機建設計画につきましては、本年1月に、準備書に対する厳しい環境大臣意見を述べました。2月には、それを受けた経済産業大臣勧告が中国電力に出されております。中国電力におかれましては、環境大臣意見及び経済産業大臣勧告を踏まえて、本事業の実施について改めてよく考えていただきたいというふうに思います。特に中国電力は、単独では2030年度のベンチマーク指標目標の達成の蓋然性が低い状況にあるため、この計画が容認されるためには、目標達成に向けた具体的な道筋を明確化することが不可欠でございます。環境省としましても、事業者が明確にする道筋を確認するなど、継続的にフォローしてまいります。中国電力による取組状況につきましては、定期的に聴取し、フォローしていく方針でございます。しっかりと対応していきたいというふうに考えております。

(問)環境新聞の小峰です。今の幹事社の石炭火力の質問に引き続きまして、四国電力が仙台市における石炭バイオマス混焼発電計画の検討撤回ということでしたけれども、四国電力は愛媛県西条市に50万キロワットの西条発電所1号機のリプレイス計画を持っていまして、平成28年、2016年6月10日には、当時の環境大臣から、確か、このままでは是認できないというような厳しい環境大臣意見が出されております。これも、西条発電所1号機のリプレイス計画も、今度、準備書の段階に入ってくると思うのです。そして、先ほど申し上げました仙台市の小型火力ですか、11.2万キロワット、これを撤回したのですから、この西条発電所1号機も、50万キロワットですけれども、撤退する可能性はあるのではないかとも思われるのですけれども、この辺についての中川大臣の希望なりコメントは何かありませんでしょうか。
(答)石炭火力発電を取り巻く国内外の状況は非常に厳しいわけでありまして、電力事業者は、今ここで石炭火力発電所を新設するということは、耐用年数などを考えますと、後々、大変、環境保全面からの事業リスクが高くなるということを是非自覚していただいて、事業実施の再検討を含むあらゆる選択肢を検討していただきたいというように思います。この四国電力の仙台市の火力発電所建設計画の検討取りやめというのも、こうした事業リスクを勘案した決断ではないかというように考えておりまして、是非このような環境保全面からの事業リスクというものを、今ここで発電所を新設したり、あるいはリプレイスするというようなことで、今後、耐用年数の期間を考えていったときのいろいろなリスクというものをしっかりと考えて、勘案して判断をしていただくことを期待いたします。

(問)日本経済新聞の安倍でございます。原子力防災の関連で一つお伺いさせてください。東海第二原発は今、原子力規制委員会の審査が進んでいますけれども、先週、御承知のとおり、懸案だった経理的基礎の部分が一応クリアされて、これから審査は終盤に向かうようになると思います。ただやはり、再稼働にはいろいろな課題があると思いますが、その一つが原子力防災の部分だと思います。30キロ圏内の100万人の方々を迅速に避難させるというのは非常に難しいことでありますし、また課題もいろいろあると思います。そこでですけれども、この東二の防災計画の策定に向けて、現在どのような課題がまだ残っているのか、そしてそれに対してどのように御対応されていかれるお考えなのかということをお聞かせいただければと思います。
(答)御指摘のように、東海第二地域につきましては、原子力災害対策重点区域内に約96万人の方がおられるわけです。そのうちPAZ内でも約8万人と、人口が非常に多いことが特徴でありまして、避難計画の策定に当たっての最大の課題であると認識しております。県外避難をしていただく方の数も多いため、県外避難を予定する市町村においては、周辺5県の避難先市町村との間で、避難所の割り振り、避難所までの経路設定など、具体的な協議を実施しておりまして、受入れの了解が着実に進んでいるという状況でございます。また、多くの市町村で、避難先市町村と広域避難についての協定を締結するなどの取組も進めていただいておりまして、原子力防災担当大臣といたしましては、こうした動きが進んでいるということは大変心強く思います。さらに、避難に必要な車両の確保ということが重要な課題でございます。現在、茨城県において、バス協会などの交通事業者と緊急時の協力体制の構築に向けて調整を進めていただいているところでございます。そのほかにも、避難の際に支援が必要な方々への対応も、これも大きな課題でございます。これらの方々が円滑に避難できるよう、各市町村において、支援が必要な方々の把握や、避難に必要な福祉車両の数の把握など、具体的な検討を実施していただいているところでございます。加えまして、安全に一時的な屋内退避をするための施設としての放射線防護対策施設の一層の整備の推進についても課題であるというふうに認識しておりまして、この点につきましては、茨城県とともに検討しているところでございます。このように、いろいろな課題がございますが、様々な点について調整を進めているところでございますし、調整が進んでいるという状況もございます。東海第二地域の緊急時対応の具体的な策定時期については、まだ申し上げられる段階ではございませんけれども、いずれにいたしましても、引き続き、地域防災計画・避難計画の策定・充実化に向けて、「東海第二地域原子力防災協議会」という枠組みがございますので、この枠組みの下で、関係自治体と一体となって検討を進めてまいりたいと考えております。

(問)NHK金澤と申します。明日で熊本地震から丸2年を迎えることになりますけれど、環境省として関わってきた災害廃棄物の処理の現状について、おおむね県の方ではもう処理が終わりつつあるという見解なのですけれど、大臣として受け止めを一言お願いします。
(答)平成28年熊本地震の発生から4月14日で2年を迎えるわけでございます。災害廃棄物の処理につきましては、その進捗が99%を超え、2年間での完了という目標をほぼ達成することができたというふうに聞いております。熊本県、それから被災地市町村を始め、関係者の皆様の御尽力に敬意を表させていただきたいと思います。なお、熊本県の方からは、マンション等大型物件や、山腹崩壊で現場に立ち入れない物件などの解体や処理がまだ残されていると聞いております。環境省としては引き続き、災害廃棄物の適正処理に向けて、関係自治体に寄り添って支援をしてまいりたいと考えております。近年、熊本地震を始め、全国各地で災害が発生しております。その経験をいかして、本年3月に自治体向けの災害廃棄物対策指針の改定を行っております。また、全国8ブロックで、地方環境事務所を中心に広域連携に関する行動計画を策定いたしました。引き続き、災害廃棄物処理体制の構築を進めてまいりたいと考えております。

(以上)

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