伊藤副大臣記者会見録(平成29年7月27日(木)16:01~ 16:25 於:合同庁舎5号館25階会見室

1.発言要旨

(副大臣)7月21日、22日と北海道苫小牧市にある苫小牧実証センターの視察と幌延町におきまして「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」のPRを行ってまいりましたので御報告申し上げたいと存じます。苫小牧実証センターでは、日本初となる海底下への二酸化炭素回収貯留・CCS技術の実証試験が行われている現場を見学させていただきました。CCS技術の現状と課題や今後の方向性について関係者の皆様と意見交換させていただいたところでございます。また、幌延町では、幌延町主催のイベントに参加させていただきまして、使用済みの携帯電話を回収するツールである小型回収ボックスを町長さんに手渡しさせていただきまして、町長さんとともに、北海道宗谷地域の皆様に「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」のPRを行いました。今回の出張を通じまして、CCS技術の実用化に向け着実に取り組むことの重要性を改めて認識いたしましたとともに、日本全体でメダルプロジェクトに取り組むことの必要性を発信することができたと考えております。特にメダルの件でございますけれども、リサイクルで回収するということは意外に難しいことでございまして、自ら送ってくださいということをお願いして集めさせていただくことは非常に大変なこともいろいろあるのです。ところが、私はこのプロジェクトを始めたときから一つ心に置いておりましたのは、日本国が発信する行政上の様々な制度や仕組みについてなのですけれども、いかなる障害があってもその制度や仕組みなどに全国の人に参加していただく方法というのはないのだろうかと、そのことを常々実はこのプロジェクトを進めながら感じていたところでございまして、役所の人たちの英知を結集して、(事務方からリサイクルメダルボックスを手渡されて)今この箱がございますけれども、これは実はこの中に当日も私のなけなしのたった一個の自宅にございました携帯電話を入れましたけれども、運送については役所としても様々な方法を駆使して、出す側に負担がかからない形でやれる仕組みを考えてもらいました。それによって、幌延町というのは今2,400名の人口の町なのですけれども、そういったところからも参加をしてもらうことができるようになりました。本当は私の希望は、北は北海道から南は沖縄まで、北と南の端っこの方を両方回って皆と一緒に共有できたということを、やっている皆さんとやりたかったのですが、時間的に北だけ伺うだけになってしまいましたけれども、私が一つ政策を実行する役所という立場で、その政策は全国の人たちに津々浦々に影響していくことがどんなに大変なことなのかということも分かりましたし、そしてまたそれを進めていくことの意義もお互いに感じ合って帰ってくることができたということなのです。ただこのプロジェクトをやるだけではなくて、このプロジェクトの中身も極めて重要なんですけれども、政策というものが国民の皆さんに等しくその影響を及ぶことができるだろうかということへの配慮とは何かということを少し考えてみた、経験することができたということでございます。

2.質疑応答

(問)毎日新聞の五十嵐です。1点お尋ねいたします。巷で内閣改造がささやかれている時期ではございますが、伊藤さんがこれまで副大臣として福島でのお仕事もそうですし、今おっしゃっていただいたメダルのプロジェクトを始め、海外を飛び回るなど様々なお仕事をされてきたかと思いますが、これまでの仕事ぶりを振り返りまして印象に残った点や、これだけは伝えておきたいことなどありましたら、ざっくばらんにお話しいただければと思います。
(副大臣)ありがとうございます。昨年8月5日に、環境副大臣兼内閣府副大臣を拝命してから、本当に一日一日を大切に遮二無二、課題に取り組んできた毎日だったと思います。東日本の復興というテーマについて申せば、面的除染を概ね完了させていただくことができました。その後、中間貯蔵施設事業につきましても、「当面の5年間の見通し」に沿って進めてまいりました。特にゼロから作り始めまして、おびただしいフレコンバックをこれから運び入れなければなりませんので、是非安全に注意をして、そしてそこに住んでおられる方々が安心していただける作業が続けられるように願って止みませんし、それから南相馬の市町さんの御高配をいただきまして再生利用についての実証についてもスタートさせていただきました。これも大勢の人たちが英知を結集して、より良い結果が出てまいりますように願っているところでございます。また、指定廃棄物につきましても、各県の事情に応じて地元とよく相談させていただきながら取り組むなど、復興に向けた取組をさせていただきました。宮城県では知事のリーダーシップの下に、一つ一つこつこつと片付けていく方向性が見えてまいりました。一方でまだまだ御理解をいただかなければならない、自分たちの努力が足らないところもございますので、これは引き続きこうした努力を役所としても続けさせていただくことが大事かなというふうに思っております。新しく誕生した環境再生・資源循環局と福島地方環境事務所が一体となりまして、更にまた地域の皆様に寄り添って、一層の復興・創生を皆さんが進めるられるよう、私も今後ともどこかで努力をしていかなきゃいけないんだなということを深く思っているところでございます。それから廃棄物の分野でございますけれども、ただ今もお話をいただけましたけれども、本年5月に改訂されましたインフラシステム輸出戦略に新たに廃棄物分野が位置付けられたところでございます。また、これを踏まえまして、今週25日には環境省といたしまして環境インフラ海外展開基本戦略を取りまとめることができたところでございます。本戦略策定を踏まえまして、今後一層、日本の廃棄物関連技術・ノウハウ・制度を海外展開することで国際的な環境改善に貢献しつつ、我が国の廃棄物関連インフラの海外展開に寄与をしてまいれるようになったと思います。また新たに、こうした延長線でございますけれども、アフリカのきれいな街プラットフォームというものを設立をし、これを活用しながら途上国の環境改善に貢献していくことを、特にアフリカ大陸でございますが、貢献していくことを期待をしているところでございます。国内では、我が国ならではのリサイクル技術やもったいないの精神を活用した、先ほど申し上げた「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」を支援しております。東京オリンピック・パラリンピックを契機に、日本全国に資源循環がより一層広がり、レガシーとして定着することを期待をいたしているところでございます。循環型のこの経済社会の更なる発展・推進を、私たちは努力をしていかなければならないんだなということを今考えているところでございます。また、原子力防災については、福島の原発事故を教訓に、二度と同様の事故を起こしてはならないのはもちろんのことでございますが、万が一の際に備えた防災対策も極めて重要という思いで取り組んでまいった次第でございます。現地対策本部長として、昨年11月と本年2月に行われました北海道・泊地域での原子力総合防災訓練にも参加をさせていただいたところでございます。原子力防災に「終わり」や「完璧」はございません。訓練等を通じ継続的に改善を図り、国民の皆様の安全・安心を確保する努力は不断のものとなっていくわけでございますので、こうした努力を重ねることが必要なんだということを実感し、とどめることなく皆さんと一緒に精進を積んでまいりたい。主役は国民の皆様でございますので、その国民の皆様に理解の広がることも含めて、私たちはしっかりやらなきゃならないんだなということを痛感したところでございます。最後に、私はちょうど8月の5日に着任をして、臨時国会が始まって、パリ協定を批准するということについて外務委員会でやっていただいて、本会議でやって、そしてそれが終わって翌193回の国会で、これからは環境の課題を解決していくことが日本の経済の成長につながるんだということが一番大事なことだということを役所の皆さんと共有をしながらやってまいったところでございます。まずパリ協定のことについて申しますと、実は私の選挙区は大木浩先生が、たった一回でしたけれど衆議院で当選をされ、当選をされて直ちに環境庁の大臣となられ、COP3すなわち京都議定書の取りまとめにあたられた。そしてそのとき政務次官を務めておられたのが山本公一先生でして、その山本公一先生が今度のパリ協定の批准、そしてモロッコでの会議に出席をされたわけでございます。私は大木浩先生の選挙区でその後当選をさせていただいた者として不思議な縁を感じながらこの仕事に突入をしてまいりました。ここ2週間から3週間のお天気をご覧になればお分かりのとおり、あちらこちらで豪雨が降っております、そして北極圏では氷が溶けておるわけでございまして、正に気候変動による豪雨災害の結果が国土強靱化につながっていくことになるわけでございます。私は、二階俊博先生の元で政治家として学びをさせていただいておりますので、国土強靱化ということは極めて重要なんだけれども、この国土強靱化を起こさないようにしていく、できることならこうしたことにならないようにしていくためには、やはりこれから気候変動、温暖化の適応策の法制化ということは極めて重要な課題になってくるのではないのかと思っております。無論、我々には経済がございますので、この経済をいかに成長させていくかということと、そして気候変動によるリスクをどう減らしていくのかということと、更には私たちが目指す美しい地球とは何かということが一体となる政策を展開していくことによって、我々の環境省こそが日本の、これから立てるべき政策のど真ん中になければならないということを確信したところでございます。一年間にわたって私が経験することができたことを、これからもこうした思いを持って更に私として頑張ってまいりたいなということを感じているところでございます。環境に関わる機会を私自身が頂けたことには深く感謝を申し上げて、私からの話とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

(問)NHKの松田です。苫小牧のCCSの視察をされたということで、それについてなのですけれども、やはり日本だと地震が多い不安定な地盤に貯留することの実現性だとか、あとコストの面でも今かなり採算がとれるのかというところがあるかと思うのですけれど、その辺の将来の可能性だとか、実現の可能性について伊藤副大臣はどういうふうに見られているのでしょうか。
(副大臣)どちらにしてもCO2の後始末をしなければならないということの中の一つの技術ですね。これは大体海の方向へ斜めに出していくんですが、おっしゃたとおり、これ地震が起きたらどうなるのかというリスクもまだまだございますので、実用化に向けて少し時間がかかってるなと思いますが、世界全体で見てみますと、こういう技術を使った対応を既にやっているところもございます。とはいえ、私としては今回、苫小牧の現場を見ることができてよかったなという気がしております。二酸化炭素の海底下貯留に適した地点の抽出を少し進めないといけないというふうに思っています。石炭火力発電からのCO2の分離回収プロセスの実証事業でございますとか、CCSの円滑な導入のための施策の検討は、今後とも当役所としても考えていかなければいけない。経済産業省と連携をいたしまして、2020年頃のCCS技術の実用化を目指した技術開発を行っていけるようにしたい。それから貯留適地調査等についても早期に結果が得られるように取り組んでまいりたい。早くどこが本当に適しているのかということを見定めていかないと、そこへ持って行く人たちがどれだけ居るだろうかということも含めて分からないわけですから前に進みませんので、やはり適地がどこかということを早く見つけていきたい。それから貯留適地調査等についての、それができた段階で商用化を前提に2030年までに石炭火力にCCSを導入することを検討していけるようにしたいものだと。当方としては、こうした方針の下に経済産業省と連携をいたしまして、CCS技術の実用化に向けて着実に取り組んでいこうということを考えているところでございます。とはいえ、先ほどの地震というのが一番の鍵なのですけれども、なかなか難しいところもあるなということでございます。

(問)環境新聞の小峰です。先ほど伊藤副大臣は、自分の選挙区は大臣の大木浩さんのところで、そのときに山本公一現大臣が政務次官だった、そして何か縁を感じるということですけれども、この言葉はいずれ環境大臣として戻ってきたいということでしょうか。
(副大臣)決してそんなことを夢にも思っていたわけではないのですが、ただ自分は、ここで前に話したかどうか分かりませんが、環境省というカテゴリーに、実は来ると思いもよらないで8月5日の人事を受けて着任をいたしたのです。しかし、よくよく考えてみたらこんなに沢山いろいろな磁石があったんだなということなのですが、しかしこの磁石は、私に何を与えてくれたかというと、間違いなくこれから世界の中でも日本の中でも環境の課題というのが最も重要な課題だということを気付けよ、これをやらなければ我々の将来は見渡せないんだぞ、ということを私に気付かせてくれた。だから極めて大切な重大な使命ある仕事をする一年であったというふうに思っておりまして、本当にありがたい機会をいただきました、ということでございます。決してそんなことではありませんので御理解をいただければありがたいなと思います。

(問)北海道新聞の金です。内閣府関連の話で恐縮なのですけれども、原子力防災ということで、2月の古い話で恐縮なのですが、副大臣は2月に現地に行かれたということで、改めて副大臣の目から見て、雪の中、氷の中での避難という観点で、どういったところに課題があるなというふうにお感じになられたか改めて教えていただけますか。
(副大臣)やっぱりですね、そりゃあ人は動きにくいんですよね。やっぱり動きにくい中で、時間ともいろいろな闘いはあるのでしょうけれども、いかに住んでおられる人の安心と安全をきちっと確保しながら、更にそれを拡充していくかということに尽きるかなと。ヨウ素剤一つをとりましても、お渡しをするのに、やはり雪のあるときとないときでは格段の差があるわけでございますので、それでも現地で御一緒させていただいている限り、一生懸命努力して、それほど変わらないスピード感でお渡しをする風情を見せていただいておりますと、ああよく考えてあるんだなと。それから外に出なくてもしばらく建物の中でお過ごしをいただく様々な工夫もございます。そうしたことも含めて、それぞれの場所で特徴のあるマイナスの部分をいかに、プラスにはできませんけれども、減らすことができるかという努力は随分、泊にございましてもしてありますねということは感じた次第です。でも、人の不安というのはなかなか取り除くことはできませんので、もっともっと努力をしていく必要があるものというふうにも理解をいたしております。

(以上)

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