伊藤副大臣記者会見録(平成29年3月2日(木)10:31~10:50  於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)私の方から1点御報告いたします。もうすぐ、東日本大震災から7年目を迎えようとしております。東京電力福島第一原子力発電所事故は、当時環境中への放射性物質の放出に関する法制度もなかった中で発生して、その環境汚染への対処につき急遽法律が制定され、環境省がその施行に主たる役割を担ってまいりました。急ごしらえで福島環境再生事務所を立ち上げ、生活圏での大規模な除染、放射性物質に汚染された大量の廃棄物の処理など、世界的に見ても前例のない取組を、手探りながら愚直に、大勢の職員とともに進めてまいりました。事業ごとに見ますと、除染はあと少しで完了か、というところまで来ていますし、中間貯蔵施設の用地取得も着実に進捗をしています。廃棄物についても、各県それぞれの事情に応じた取組を丁寧に進めているところでございます。放射線による健康不安への対応も、自治体職員等への研修、住民向けセミナーの開催といった形で引き続き進めてまいります。明日3月3日(金)に、除染・中間貯蔵施設、そして廃棄物処理の現状、成果及び見通しを公表する予定となっております。今月末までに国が除染を実施する除染特別地域のうち、帰還困難区域を除く地域で除染作業が完了する見込みとなっております。先ほど申したとおりですが、市町村が除染を実施する汚染状況重点調査地域のうち、住宅や公共施設等、日々の生活の場における除染作業がおおむね完了する見込みとなった状況でございます。今後は除染の効果が出ているかモニタリングをしっかりと行い、必要に応じた対策を行うとともに、引き続き中間貯蔵施設に関わる用地取得でございますとか、施設の整備でございますとか、除去土壌等の輸送、そして放射性物質汚染された廃棄物の処理を着々と進めてまいりたいと考えております。いずれにおきましても、大規模な公共事業について経験がない環境省がここまで進められたことは、地元の御理解をいただき、賢明なる省職員全員の努力そしてまた大勢の皆様の理解、こうしたことがあってのことでございまして、改めて私の方から感謝を申し上げます。

2.質疑応答

(問)時事通信の今泉です。先ほど御紹介のありました、明日、除染や中間貯蔵の現段階での状況について速報値を出されるということですけれども、福島の市町村主体の除染においては、既に福島県の方で10市町村ほど年度内に除染が終わらない可能性があるということだったのですけれども、ぎりぎりまで作業を現場の方でされると思うのですけれども、環境省としては今どういった場所において完了に至らないのかということと、環境省はどのように支援をされるのか教えて下さい。
(副大臣)改めて申すまでもないですが、除染は、今回の事故の中で申しますと初動でございます。福島を始めとする被災地の復興にとって極めて重要と認識しております。環境省では、除染特別地域の除染とともに、汚染状況重点調査地域の除染についても、市町村と共にこれまでも全力で取り組んでまいりました。国が直轄で除染を行う除染特別地域については、現在、対象11市町村中9市町村で除染が完了しており、残りの2市町についても、今月末に除染を完了する見込みとなっております。詳しく申しますと、1月31日時点の数字ですが、南相馬市の宅地が96%、農地が94%、森林が92%、道路が94%という状況でございます。それから浪江町は宅地が95%、農地が95%、森林が99.8%、道路が91%という状況になっております。福島県内の汚染状況重点調査地域については、一部の市町村において、やむを得ない事情等で、今年度中に完了しきれない可能性があると聞いています。ただ、各市町村では精一杯の努力を続けていただいており、汚染状況重点調査地域についても、面的除染の完了にかなり近づいてきた状況と認識しています。12月31日時点の福島県内における市町村除染の進捗状況の数字ですが、住宅が97.6%、公共施設等については93.2%、道路は73.3%、農地・牧草地が89.0%、森林、特に生活圏でございますが73.5%という状況になっております。福島県外の汚染状況重点調査地域については、計画されていた全ての除染が今年度中に終了する見込みとなっております。残る部分につきましても、我々としては全力を尽くしてまいりたいと思っております。

(問)千葉日報の石井です。除染の方は今お話がありましたけれども、指定廃棄物の特に千葉県について今若干動きがないのですけれども現状どのようになっているのでしょうか。
(副大臣)指定廃棄物のことですが、各県事情がございまして、それぞれ努力をしていただいているところでございます。私どもも努力をさせていただいております。千葉県のことについて質問がありましたので、千葉県につきましてお答えしたいと思います。昨年11月に柏市等の保管自治体から早期の長期管理施設の確保について改めて要望を受けました。引き続き長期管理施設の詳細調査の実施に向けて、千葉市の御理解をいただきたいと考えています。
(問)重ねて質問いたしますが、そうしますと熊谷市長は千葉市内に保管されている指定廃棄物が指定解除になったと、つまり千葉市にはもう指定廃棄物はないと主張して、県内千葉市の保管を拒否しています。また、分散保管を求めているのですけれども、それに対しては環境省として応じる考えはないと、変わらないということでよろしいでしょうか。
(副大臣)千葉県の指定廃棄物については、一昨年の4月に千葉市内の土地を長期管理施設の詳細調査候補地として選定・提示し、千葉市の皆様への御説明を行ってきたのですけれども、残念ながら詳細調査の実施について御理解をいただくまでに至っておりません。千葉県においては、濃度が減衰するのに長期間を要する廃棄物の量が他県と比較しても多い状況です。国として、長期管理施設を整備し、指定廃棄物を1か所に集約して管理するという方針に変更はありません。千葉県内の大部分の保管自治体も分散保管には反対をしています。震災からまもなく6年が経過するにも関わらず、指定廃棄物の保管者の方々の御負担が続いています。私どもとしては詳細調査の実施に向けて引き続き、千葉市等の関係者との対話の努力を続けてまいります。
(問)千葉市の熊谷市長はこうも言っています。「茨城、群馬の方は分散保管ですが、量は多いけれども保管されている状況は千葉と茨城と群馬は似通った状況にある。だから分散保管にならない理由はないのではないか。」と、それに県の役割、茨城にしろ群馬にしろ県が仲介した。今回千葉に関しては県の動きは正直に言えないところですけれど、これについて県に期待するところは何かございますでしょうか。
(答)まず、あちらの県はこうだった、こちらの県はこうだったという関係者の皆様がそれぞれに我慢をし、努力をし、積み上げた結果が出てきているところもございます。そしてその結果の形というのはおっしゃるとおり、それぞれ違うこともよく承知をしております。従って、この問題の解決の行方は、少なくともそれぞれの県で、それぞれの結果が出てくるものだと承知をしている中で、私どもが申し上げたいことは指定廃棄物の処理については、無論、国が責任を持って対応していくことだという理解は十分しているがゆえに我々も努力をするのですけれども、千葉県の御協力もいただきながら連携を密にしてしっかりと取り組んでいきたいというのが今の私たちの立場です。
(問)前副大臣の井上副大臣はよく千葉市ないしは千葉県に来られたのですけれども、伊藤副大臣になられてから熊谷市長に公式の場でお会いになっているのでしょうか。
(答)公式の場ではお目にかかっておりません。非公式には会ったことはございます。
(問)今後やりとりする場面というのはあるのでしょうか。
(答)あるのかないのかというのは今の段階では申すわけにはまいりませんが、話をしなければならないときにはきちんとお話し申し上げたいと思います。やっぱりそこまで積み上げていく努力というのもございましょうから、そうしたことを経て、できれば御理解をいただけるようにしてまいりたいと思っております。

(問)毎日新聞の久野です。先ほどのやりとりの中で福島県内の市町村の除染に関して、やむを得ず完了をする見込みがないというふうに聞いているところもあるけれども努力を続けるような御説明があったと思うのですけれども、やむを得ない理由というのはどういうところにあると聞いていらっしゃいますか。努力してなんとか今月中に終わるという、解決できる見込みがあるのかどうか教えていただけますか。
(副大臣)やむを得ない理由というのは、土地の持ち主の方ですとか、いろいろな調整の中で、少し遅れてしまったということもございます。しかし、先ほど申し上げましたとおり、除染は復興のスタートでございます。スタートがきちんとできるようにすることは私どもの使命でございますので、その使命をきちんと果たしていけるように精一杯の努力をし、遅れている分を取り戻せるようにしてまいりたいということでございます。

(問)環境新聞の小峰です。経産省は今週の月曜日から、全執務室を施錠して情報管理を強化している庁舎管理になりました。取材に関しては、執務室ではなく会議室で面談という形で行うそうです。また管理職以上が取材を受けるというルールを作ったわけですけれども、そのときに同伴者を入れてメモをとらせて、逐一報告しています。今経済産業省の記者クラブだけではなくて、国民から遊離するものではないかとあらゆる省庁の報道機関の批判が高まっているのですけれども、これに対して副大臣は、副大臣としての立場でいいづらいようでしたら、一政治家として御見解をお聞かせ下さい。
(副大臣)執務室の管理については、それぞれの省庁においてそれぞれの状況で御判断されているのだろうと思います。環境省本省といたしましては、現段階でそうしたことは一切予定しておりません。執務室の管理については、それぞれが考えて判断されていると思いますが、国民の皆様に理解をしていただける環境省であるようにしてまいりたいと思っております。
(問)執務室の施錠だけでなく取材の対応管理についても問題となっております。経済産業省はこのままでいくと、戦前の大本営発表しかなくなるという懸念さえもあります。自分の都合のいいことしか発表しないと。これは非常に国民に寄り添わない官庁になりまして。経済産業省の先行きも危ぶまれるのではないかと思いますけれども、副大臣はこの取材の管理ということに関して、行き過ぎた管理に関してどう思われますか。
(答)役所として記者の取材に対してどう対応するかということですけれども、丁寧に対応していくということは重要なことだと思っております。先ほど私が申し上げましたとおり、国民の皆様にとって、私ども環境省がよりよい役所であるということに尽きると思いますので、私どもの役所はそうした役所になっていけるように努力をしてまいりたいと思っております。
(問)それに関連して、世耕大臣の指示で経産省はやったということになっているのですけれども、世耕大臣のこの指示に対して、世耕大臣自身に対してはどうお考えでしょうか。
(答)私は世耕さんがどうされたかということを詳しく承知をしておりませんので、そのことについて私からのコメントは控えさせていただきたいと思います。

(以上)

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