中川大臣記者会見録(平成29年12月12日(火)10:47~11:04 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令等について御報告いたします。本日、第193回通常国会で可決・成立した「原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律」に関係する政令二つを閣議決定いたしました。一つは、同法の規定の一部について施行期日を定めるもの、もう一つは、放射性同位元素によって汚染された放射性廃棄物の廃棄に係る同法の規定の一部について制度の適用範囲を定める等の所要の規定の整備を行うものでございます。詳しくは、御手元の紙を御覧いただきたいと思います。
 次に、2016年度の温室効果ガス排出量(速報値)について御報告いたします。2016年度の温室効果ガス排出量の速報値を取りまとめましたので御報告いたします。我が国の2016年度の温室効果ガス排出量は13億2,200万トンで、前年度比0.2%減、2013年度比で6.2%減となりました。これは、冷媒として使用される代替フロンであるハイドロフルオロカーボン類等の排出量が増加した一方で、再生可能エネルギーの導入拡大等の各種対策により、エネルギー起源のCO2排出量が減少した結果と考えられます。削減量は前年度より縮小していることを受け、2030年度26%削減の達成に向けて楽観視できず、一層の取組努力が求められる状況にあるとの認識を持ちました。今後、徹底した省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの最大限の導入、代替フロン等の廃棄時回収率向上対策など、温暖化対策を一層推進してまいります。

2.質疑応答

(問)幹事社の時事通信の市原です。温室効果ガス排出量について伺いますけども、少しあったかもしれませんけれども、3年連続で削減できたということの一方で、前年度比でいうと0.2%減という非常にわずかな減少になったと。代替フロンの回収などに課題があるかと思うのですけれども、重点的に今後取り組まなければいけないところがあれば教えていただきたいというのが1点。2005年度比でいうと4.6%減ということで、2020年度までに3.8%減という政府の目標からすると、現時点では達成できていることになりますけれども、COP23でプレ2020年問題というのもあって、20年までの目標とはいえ、更に上積みが必要だという、各国の、途上国中心に見解がありましたけれども、これを更に上積みするお考えがあるかどうかというのもあわせてお聞かせ願います。
(答)今回の結果を受けまして、楽観視せず、一層の取組努力が求められる状況にあるとの認識を持ったところでございます。この2015年度の削減量と比較して、2016年度の削減量が縮小している要因を、大体の大どころで今、分析をいたしますと、減少しているのはいわゆる商業・サービス・事務所などの業務その他部門、それから家庭部門、運輸部門、こういったところは減少しているわけでございます。しかし、産業部門、ここが増えているということがございますし、発電所等のエネルギー転換部門も増えているということであります。2016年度は電力の排出原単位は改善した一方で、電力の消費量が増加をしたということがございます。加えて、ハイドロフルオロカーボン類の排出量は近年一貫して増加しているわけですけれども、2016年度の増加量は、より大きくなったということでございまして、これによって全体の排出量の減少鈍化に影響を及ぼしたというふうに考えられます。この代替フロンでありますハイドロフルオロカーボンは、冷凍・冷蔵・空調機器の冷媒について、特定フロンからの代替が進んでいることから、今後も引き続き排出量の増加が見込まれております。代替フロンを含むフロン類の排出抑制のため、平成25年6月にフロン排出抑制法が改正されまして、機器のユーザーに使用時の漏えい対策を中心に新たな義務が課せられるとともに、フロン類を廃棄する際の適切な処理に関する認識も高まっているところでございます。その一方で、廃棄時回収率が10年以上、3割程度にとどまっているという課題がございます。現在、中央環境審議会及び産業構造審議会の合同会議において、廃棄時回収率の向上対策を始めとするフロン類対策のフォローアップを進めているところでございまして、この検討を踏まえて、必要な対策を講じてまいりたいというように考えております。もちろん、再生可能エネルギーの導入の最大化、加速化ということはもう最大の課題でございますので、これからも努力をしていきたいと思います。2020年度3.8%という目標は、2030年度26%削減と、こういう目標が既に定められておりますので、3.8%減というこの目標が、今やもう途中経過の目標というふうになって、2030年度26%削減という目標によって、もちろん3.8%削減という目標は生きてはいますけれども、実質的に上書きされたというふうに考えております。3.8%減という目標は、一応現在のところは既に達成しているわけですけれども、これもまずは2020年度の目標としてしっかり達成をして、さらに、もっと大きな削減を実現するように努力していかなければならないというふうに考えております。2030年度26%削減、これに向かって着実に歩みを進めていかなければならない。これも、その次の2050年80%削減という長期目標に向けて、更なる努力を上積みしていかなければならないという状況の中で、この達成も必ず守らなければならない、あるいはもっと、更に大きな削減を達成していきたい。こういうことで力を尽くしていきたいと思っております。

(問)フジテレビの加藤と申します。除染の問題をお伺いしたいのですですけれども。除染問題で、清水建設の下請け会社の元執行役員が、下請けの除染会社に草むしりや雪かきなどをさせていたと。その上で、基本的に独占的に除染事業を請け負っていたという事実が判明したと思うのですが、それについての所感と、今、環境省としてどのような対応を考えているかをお聞かせいください。

(答)本事案のような除染工事に疑義を持たれるような行為は、誠に遺憾であるというように思います。除染工事の受注者であります清水建設株式会社に確認したところ、同社の元執行役員の実家の草むしりや雪かきの費用については、作業を行った下請け企業から同社に対して除染工事として請求されておらず、除染工事の範囲外というふうに聞いております。環境省としても、除染工事として請求された事実は確認しておりません。さらに、草むしりで出た草について、清水建設によりますと、除染の仮置場には保管されておらず、下請け作業員の畑で堆肥として利用したというように聞いております。環境省としては、引き続き事実関係の詳細を確認してまいります。何か問題があれば、適切に対応してまいりたいと考えております。

(問)郵便局の郵の字を使った郵湧新報の園田です。ちょっと唐突なのですけれども、かんぽ生命が国連責任投資原則に署名したり、ゆうちょ銀行がエコ貯金を推奨するなど、全国に郵便局ネットワークの拠点を持つ日本郵政グループも、環境やCSRに取り組んでいるのですけれども、それに対する御見解を一言お願いいたします。
(答)世界有数の機関投資家であります「かんぽ生命」、また郵便貯金の事業をやっております「ゆうちょ銀行」、これは非常に大きな影響力を持っているというふうに認識しております。特に、かんぽ生命が本年10月、いわゆるESG投資への取組に関する原則でありますPRIに署名をしたというふうに聞いております。環境省としては、かんぽ生命がPRIへの署名を機に、今後ESG投資に一層積極的に取り組まれることを期待いたします。引き続き、このESG投資を含む環境金融の普及啓発等に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。世界の中でも非常に影響力を持つかんぽ生命やゆうちょ銀行が、こうした環境金融という面で役割を果たしていただけるということを大変歓迎したいと思っております。

(問)日本テレビの中村と申します。先ほどの温室効果ガスの排出量について、改めて、ちょっと重なるのですけれど、伺いたいと思います。目標は、2030年に実質上、上書きされていて、26%を目指すというような中で、大臣も先ほどおっしゃったように、2013年以降、減ってはいるものの、今回の減り方は極めて少なくなっていて、見方によっては早くも減り幅が鈍化してきているのではないかという中で、さらに最もシェアの大きい工場の部門がこの段階で増えているという状況がありますので、改めて、2030年に向けて26%というのは、今このペースで達成できるとお考えかどうかというのをお聞かせいただけますか。
(答)今、御指摘のような状況にございますので、大変、私としては楽観視はできないなと。一層の取組努力が求められる状況にあると。こういう認識を持っております。2030年度26%削減、これはもう、ある意味では国際的にも約束していると言っていい目標でございますので。しかも、国内的にもしっかりと定着した目標というふうに考えておりますので、これは必ず実現しなければならない。そのためにこれからいろいろな方策、政策をしっかりと実現をして、これはもう危機意識とかそういうことでなしに、もう必ず達成しなければいけない、そういう目標だというふうに認識をしております。

(以上)

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