中川大臣記者会見録(平成29年12月8日(金)10:18~10:35 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私からは、ESG金融懇談会の開催について御報告いたします。先月、ドイツ・ボンで開催されましたCOP23へ出席した際、パリ協定の採択以降、世界各国・地域において、いわゆる2度目標の達成に向けた様々な変化のうねりが、金融や経済といった分野においても一段と強く生じてきていることを、改めて強く実感いたしました。そのような中、今般、機関投資家・金融機関の垣根を超えて金融市場の主要なプレーヤーにお集まりいただく「ESG金融懇談会」を、第1回目として来年1月10日に開催することとなりました。懇談会では、我が国における環境金融の取組を一段と広げるため、金融や経済の大きな変化の背景にある地球が置かれた危機的状況等について、広く認識を共有するとともに、ESG投融資の更なる拡大に向けて、長期的視点から我が国金融市場の向かうべき方向性、関係者の役割等について、自由闊達に御議論いただきたいと考えております。詳細につきましては、担当の方にお尋ねいただければと思います。

2.質疑応答

(問)TBSの菅原です。福島県内の除染土の再生利用実証実験が避難区域ではない二本松市で行われることが決まりましたけれども、今後は、区域とか更に広げていくのかなど、今後の取組についてお聞かせください。
(答)環境省では、除染作業に伴う除去土壌等の最終処分量低減のためにも、除去土壌の再生利用量を可能な限り増やすことが重要と考えております。そのため、除去土壌等に関する減容処理技術の開発、再生利用の推進等の中長期的な方針として、昨年4月、中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略、それと工程表を取りまとめたところでございます。これに基づいて、実証事業を通じて技術開発の推進、それからこうした実証事業から得られたノウハウを基に、再生利用の手引きの作成に取り組んでいきたいと思っております。こういったことを通じて、全国民的な理解醸成のために、コミュニケーションの在り方を検討してまいります。引き続き、除去土壌等の処理技術の開発、再生利用の推進などの取組を着実に進めてまいりたいと考えております。ですから、もっと広げて、多くの方に御理解いただけるように努力をしていきたいと思っております。

(問)テレビ朝日の古賀です。漂流船について1点お伺いします。昨今、漂流船が日本海側の地域にたどり着いていることが問題になっていますけれども、一方で、撤去費用は各自治体が負担しているという現状がありまして、自治体によっては財政的に困っているというような話もあります。こういった一部の自治体から国への財政的な支援を求める声もありますけれども、環境省としてこの問題をどのように対応していくのか、また支援するような考えとかがあればお聞かせください。
(答)各地の海岸には、国外由来のものも含めて、現実に様々なごみが漂着しておりまして、沿岸自治体ではその対応に苦慮している状況にございます。それで、日本海の沿岸に北朝鮮籍と見られる木造船が漂着する事案が発生しているわけでございますけれども、この場合に、相当の努力を払っても所有者が特定できず、廃棄物と判断されるような木造船等を撤去・処理する場合には、現在でも、地方自治体が行う海岸漂着物等の回収・処理等に対しまして、「海岸漂着物等地域対策推進事業」により財政支援を行っておりますので、その補助金を活用できるということにしております。この補助制度は、海岸の環境保全等の観点から地方自治体が行う海岸漂着物等の回収・処理等に対する支援を目的としておりまして、今般の事案のように廃棄物と判断されるような木造船等をやむを得ず撤去・処理する場合にもこの補助金が活用できるということにしているところでございます。環境省としては、今般の事案も含め、地域における海岸漂着物等の回収・処理が適切かつ円滑に行われ、海洋環境の保全が図れるよう、地方自治体への支援を行ってまいりたいと考えております。

(問)日経新聞の草塩です。昨日ですが、北陸電力さんが、2018年度に廃止を予定されていた富山新港の石炭火力発電所1号機の廃止を6年延ばして24年度に延期しますと発表されておりまして、COPのお話もありましたけれども、世界の流れの中で、あれだけ日本が石炭に積極的だと批判されている中での延期ということなのですが、これに関する大臣の受け止めと、もし御存じでしたらという範囲で、なんでこんな延期になってしまったのかという事情について伺えればと思います。
(答)この火力発電所の当初の計画は、石炭火力を廃止し、LNG火力を新設するということだったわけなんですね。ですから、地球温暖化対策の観点からは望ましいものだというふうに考えておりましたが、今般の発表は、CO2排出削減が当初の予定どおりには実行されず、現状よりも若干減少する程度にとどまるということを意味するものでございます。特に石炭火力発電所の新増設計画が多数存在する状況において、今回の発表によりますと、地球温暖化対策上極めて遺憾だと、非常に残念だと、こういうふうに思います。北陸電力には、事業者全体としてCO2の追加的な排出を始めとする環境負荷が増えないよう、最大限努力をしていただく必要がございます。石炭1号機稼働中は環境負荷に関するモニタリングを実施し、定期的に公表していただきたいと考えておりまして、環境省としても事業者の取組をフォローしていきたいというように考えております。いずれにしても、北陸電力には、事業者全体として石炭1号機の廃止時期の変更に伴うCO2の追加的な排出を始めとする環境負荷が増えないように、最大限努力していただく必要があるというふうに考えております。

(問)毎日新聞の五十嵐です。ちょっと話題が替わりますが、来週の12日に予定しておりますフランスのマクロン大統領主催の気候変動サミットについてお尋ねします。現時点で、どなたが出席するのかというところなのですけれども、今の時点で中川大臣は出席されないということなのか、その辺りの状況についてまずお伺いしたいと思います。
(答)この12日にフランス・パリで開催されます気候変動サミットにつきましては、河野外務大臣が出席をされるというように聞いております。そして環境省からは、とかしき副大臣が、この気候変動サミットや関連するハイレベル会合に出席をいたします。
(問)河野大臣は閣僚級ということで御出席されますが、環境省からは中川大臣御自身が出席されないことについては、何らかの御判断、各国との出席者のバランス等々を考えたところがあるのでしょうか。
(答)日本の代表として河野外務大臣が出席をされますので、環境省は副大臣ということで役割分担をさせていただきたいと思っております。
(問)このサミットについてもう1点なのですけれども、COP23も終わったところですけれども、改めてこういう形で各国の閣僚級が集まって気候変動について話し合うということについての意義について、大臣の御認識を伺えればと思います。
(答)この気候変動サミットは、パリ協定の採択2周年を記念して、パリ協定への支持拡大の気運を維持すること、それから全ての主体による対話と協力、それから気候資金の動員を図ること、こういったことを目的に今回初めて開催されるものと聞いております。気候変動サミットは、全ての主体による取組の重要性が確認されるとともに、各国から気候変動対策に対する積極的な姿勢が示され、パリ協定の目標の達成に向けた世界的な気運が維持されることを期待いたしております。そういった今回の気候変動サミットにつきまして、資金だけでなく民間の取組の促進など、COP23の主要なテーマが取り上げられておりますので、環境省としても、また日本政府としても、外務大臣、とかしき副大臣が出席をいたします。気候サミットと関連するハイレベル会合にも出席をし、気候変動分野における我が国の積極的な貢献について発信をしていきたいというように考えております。
(問)最後にもう1点なのですけれども、先ほど御発言がありましたESG金融懇談会についてお伺いします。ESG投資は昨今非常に話題になっている部分もあろうかと思いますが、その一方で、いわゆる石炭火力発電を念頭に置いた化石燃料のダイベストという動きが民間などで進んでいるかと思います。この懇談会では、そうしたいわゆるダイベストについても話題にされるお考えなのでしょうか。
(答)この懇談会はこれからつくるわけでありまして、まだどういう議論を展開していくのか、そこのところはまだ現時点において決まっているわけではございませんし、まだ方向性が見えているわけでもございません。やはり、ESG投資を含む環境金融の普及啓発ということに、環境省としても従来から取り組んでおりますけれども、環境の取組に資金を供給していく流れというのは、国内においてまだまだ太くしていかなければならない。日本はまだかなり遅れているという認識でございますので、そのような中、更なる充実等を図る出発点として関係者に一堂に会していただく、そういう懇談会でございますので、まだ中身について今申し上げるという状況ではございません。

(問)共同通信の藤原です。話が替わりますけれども、天皇陛下の退位日を2019年4月30日と定める政令が、今日、閣議決定されました。翌5月1日には皇太子様が即位され、改元されます。閣議決定されたことについて、大臣の感想をお願いします。
(答)天皇陛下の御退位というのは200年ぶりのことであります。そして翌日、皇太子殿下が即位をされるということで、この一連の行事の準備というのはなかなか大変だと思いますが、国民の皆様方の最も高い関心のあることだと思いますし、即位というお祝い事であります。この準備がしっかりと進むように政府挙げてやっていかなければならないということでございます。私も閣僚の一人として、この準備にしっかりと、携わっていくべきことがあればやっていきたいと、こういうように思っております。

(以上)

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