中川大臣記者会見録(平成29年11月24日(金)9:02~9:24 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 まず、長期戦略の策定について御報告いたします。COP23において、パリ協定の長期目標に向けた世界全体の温室効果ガス削減に関する進捗状況を把握するためのタラノア対話の進め方が決定され、地球温暖化対策において長期的な目標を見据えた戦略的な取組の重要性を改めて強く感じました。今般、こうした問題意識を背景に、長期戦略策定に向けて政府部内で必要な調整を進めていくことについて、経済産業省と合意いたしましたので、御報告申し上げます。パリ協定では、いわゆる「2℃目標」や、今世紀後半に世界全体の排出量を実質ゼロにすること等を目標として掲げておりまして、我が国としても、長期的目標として2050年80%削減を目指した取組を進めていくことが必要であります。このため、気候変動対策を契機として、我が国が抱える経済、地域、国際などの諸課題の同時解決を図り、中長期的な成長につなげていく未来への発展戦略として、長期戦略を策定したいと考えております。こうした考えの下、環境省においては、本年3月にとりまとめた長期低炭素ビジョンを踏まえ、中央環境審議会の場で長期大幅削減に向けた道筋の議論を進めております。また、経済産業省は本年4月に長期地球温暖化対策プラットフォームで報告書をまとめた上で、現在、エネルギー情勢懇談会において、長期的なエネルギー政策の方向性について今年度末を目途に議論が行われておりまして、環境省、外務省もオブザーバーとして議論に参画しております。両省それぞれが検討をしているわけでございますが、こうした検討を更に進めつつ、またこれらの環境・エネルギー政策の検討状況も踏まえながら、来年度の早い段階で、長期戦略の策定に向けた政府としての検討、政府全体としての検討を開始できるよう、政府部内で必要な調整を進めることといたします。国民各界各層の意見を幅広く聴きながら、我が国としての力強いメッセージを国際社会に発信できるよう、関係省庁と連携協力して検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、私の大飯地域への出張について御報告いたします。明日25日から明後日26日まで、内閣府の原子力防災担当大臣として、福井県、滋賀県、京都府に出張する予定でございます。大飯地域における現地の原子力防災対策の状況を視察するとともに、福井県知事、滋賀県知事、京都府知事等と面会し、意見交換を行う予定でございます。詳細はお手元の資料のとおりでございます。

2.質疑応答

(問)TBS樫田です。明日からの出張に関してなのですけれども、大飯原発に関しては、何を重点的に見たいのか。知事とも、どういったことを重点的にお話しされたいのか、考えをお聞かせください。
(答)大飯地域につきましては、「大飯地域の緊急時対応」、大飯原発の万々が一の事故があった場合の緊急時対応について、先月25日に「福井エリア地域原子力防災協議会」でこの緊急時対応につきまして、具体的かつ合理的なものであるということを確認いたしました。そして先月27日に、「原子力防災会議」で報告・了承されております。こうした状況を踏まえて、原子力防災担当大臣として、大飯地域の原子力防災対策の現地視察をして、また福井県、滋賀県、京都府の各知事等と意見交換をいたしまして、しっかり現場の状況を把握したいということです。そして、継続的な原子力防災対策の充実・強化にいかしていきたいというように考えております。

(問)朝日新聞の小坪です。私は2点お願いいたします。1点目は長期戦略の策定のことについてですが、この2050年80%というのは、特に環境省が国内で目指すと。経産省については、必ずしも国内だけの努力にはとらわれないというような表現ぶりだったかと思いますが、あくまでも大臣のお考えとしては、2050年80%というのは日本国内での達成するべき目標だというふうにお考えでしょうか。
(答)これは、基本は当然国内で達成すべきでございますが、一方、市場メカニズムということについても我が国は主張しておりますし、そのことについてCOP23でも関係国で議論されておりますので、そういったことも含めて、達成をしていくものだというふうに考えてりますが、やはり当然国内で削減をするということが中心であるというふうに思っております。
(問)今一点は、週明けから始まりますワシントン条約締約国の常設委員会についてなのですけれども、環境省でも力を入れておられると思います象牙の取引に関して、アフリカの複数の国から、取引は本当にやめるべきだというような決議案が上がっております。こういったものに対する受け止めをお聞かせいただけないでしょうか。
(答)ワシントン条約の常設委員会として、我が国の市場が、例えば密猟などに関係する可能性があるということで非難をしているわけではないんですね。4カ国からそういった発言といいますか、非難が出ているということは承知しておりますが、これは委員会としてのものではございません。ケニア等、アフリカゾウ生息国4カ国から別の勧告案が提出されているということでございます。我が国の象牙市場につきましては、先の通常国会で種の保存法を改正いたしまして、国内象牙事業を届出制から登録制へと象牙の管理強化を行っております。この点については、これからも国際的に非難されないように厳しく管理をしていかなければならないというふうに考えております。ただ、これからも日本の市場についての問題というものをしっかりと把握をして、国際的な流れというものも十分に勘案して、さらにしっかりと対応しなければならないということがあれば検討すべきであるというふうに考えております。

(問)共同通信の深谷です。長期戦略についてお伺いしたいのですけれども、来年度の早い段階で政府部内での検討を開始するということなのですが、どのような場を設けて検討していくのかということと、あと、長期戦略の提出は2020年より前にという方針だったかと思うのですけれども、いつまでに取りまとめることになるのでしょうか。
(答)これは、これからどういう場で検討を進めていくのかということも含めて、この検討の仕方を、これから官邸や経済産業省と調整をしてまいります。ですから、現在のところはまだ何も決まっておりません。それで、この長期戦略につきましては、COP21の決定では、全ての締約国が長期戦略を作成するよう努力すべきだということが決まっておりまして、2020年までに提出するように求められております。2016年のG7伊勢志摩サミットにおきまして、2020年の期限に十分先立っての策定にコミットがございまして、そういう意味では2020年の期限に十分先立って策定をしなければならないというふうに思っております。現実に、今G7で未提出の国は日本とイギリスとイタリアの3カ国という状況でございますから、急ピッチで長期戦略の検討をいたしまして、極力早い時期に策定をしていきたいというふうに思っております。

(問)日本テレビの中村と申します。長期戦略について伺いたいのですけれども、環境省と経産省の間で、まずは調整を始めてということですけれども、それに当たっては、今、経産省で行われているエネルギー情勢懇談会の今年度中の結果を踏まえてということになりますが、この懇談会は、今進んでますけれども、2050年の、将来の発電方法をどうするかということが議題の中心になってきていて、更に言えば、原発をどうするかというのが最大の焦点になっている状況があります。今後、経産省と顔を突き合わせて調整していく中で、環境省は市場メカニズムなどの減らし方だけの議論で、発電方法は経産省という形ではなくて、やはり原発をどうするかということに直面していくと思うのですけれども、大臣は原子力防災大臣でもございますけれども、原発についてなかなか言いにくいところもあると思ういますけれども、どのようにお考えかというところをお聞かせください。
(答)原発への依存度については、省エネルギー、再生可能エネルギーなどの導入により可能な限り低減させるということが政府の方針でございます。環境省としては、この方針に沿って、再生可能エネルギーの最大限の導入を進めていきたいということでございます。ですから、原発の比率をどうするかということは、エネルギーミックスの姿、ここにつきましては、いろいろな議論があると思いますので、原発自身はCO2は出さないクリーンなエネルギーであるということもございますし、ただ一方、いろいろな制約は当然ありますので、原発のエネルギーミックスの比率をどうするかということについての議論は、環境省としても、もちろん参画していかなければならないことでありますが、ここはもう政府全体として考えるべき課題だというように考えております。環境省は、これは政府全体としての、もう既に方針になっておりますけれども、原発への依存度については可能な限り低減をさせる、再生可能エネルギーの最大限の導入を進めていくと。こういう方針の下に、言うべきことは言っていきたいと考えておりますが、全体のエネルギーミックスをどうするかということは、これは、いろいろなことを総合判断して、政府全体として決めることになるというふうに思っております。

(問)環境新聞の小峰です。来年の税制改正で、森林環境税の創設が2020年以降、本決まりとなっているとの報道が多数出ておりますが、中川大臣としては、かつて大臣なられる前は税制のプロ中のプロでしたので、この森林環境税は、2019年度なのか2020年度なのか、はたまた2024年度なのか、その辺のところも含めまして、森林環境税についての御見解をお聞かせください。
(答)森林環境税は非常に長い検討の経緯がある問題でございまして、一方で森林についてはしっかりと整理をして、吸収源としての役割も果たしてもらいたいという要請がある一方で、特に財源の在り方を巡って、非常に、関係者の間でいろいろな意見があったという問題でございます。そこを昨年の税調で、平成29年度税制改正大綱を作る際に、市町村が主体となって実施する森林整備等に必要な財源に充てるため、森林環境税の創設に向けて検討を行うということが明記されました。これはもう本当に画期的なことでございまして、関係者の間の大変な調整を経て、取りまとめがなされたと思っております。現在、総務省の森林吸収源対策税制に関する検討会において、具体的な仕組み等についての総合的な検討を行っているところだと聞いております。環境省といたしましては、この森林環境税といった新たな仕組みの創設は、森・里・川・海のつながりや、森林吸収源対策という視点で重要であると考えておりますけれども、環境省は、この検討には特に参画はしてないのですね。そこのところは注視しておりますし、この税自体については、もちろん賛成という立場でございますので、その目的がしっかりと達成されるような税にしてもらいたいという気持ちでございます。具体的な仕組みをどうするのか、住民税との関係をどうするのかとか、あるいは実際にいつから森林環境税を徴収することを開始するのかといったような、あるいは金額ですね。新聞等にはいろいろな報道が出ておりますけれども、環境省としては、特にこの検討に関与しておりませんので、私としては党税調に今まで参画していた経緯からして、本当にせっかくできる税制ですから、良いものものにしてもらいたいという気持ちはございますけれども、環境省としては注視をしているという状況でございます。

(以上)

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