中川大臣記者会見録(平成29年11月17日(金)10:04 ~10:27 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 まずはCOP23出席をいたしました、その御報告です。11月14日と15日の二日間、COP23に参加してまいりました。本会合では、パリ協定において、2020年以降、すべての国が同じ枠組みの下、気候変動対策を実施していくための実施指針の交渉が行われております。これまでのところ、我が国が重視する透明性や市場メカニズムを含め、来年のCOP24の合意に向け一定の進捗が得られているものの、依然としてまだ合意に至っていない部分もございまして、最終的な調整が現在も続いているところでございます。私は、米国を含む9カ国・機関の代表とバイ会談を行いまして、交渉における我が国の方針を伝えるとともに、今後の協力について意見交換を行いました。閣僚級セッションでは、私から、国内対策を着実に実施することに加え、途上国への資金支援、排出量等の見える化のためのパートナーシップの創設、2019年のIPCC総会の日本への誘致等を発信いたしまして、日本が世界の気候変動対策に貢献していく姿勢を示してまいりました。現地出張者は、現在も交渉を続けております。本会合の成功に向け、最後までしっかり交渉に取り組むよう、先ほども激励したところでございます。来年の実施指針の合意につながるよう、引き続きリーダーシップを発揮してまいります。
 次に国立公園満喫プロジェクトについて、お知らせいたします。同プロジェクトについては、昨年7月に選定した8つの公園で、先行的かつ集中的に取組を進めているところであります。一方で、2020年に国立公園の訪日外国人利用者数を1000万人にする目標は、全国の国立公園で達成していく必要がございます。このため、先行8公園の成果を地域やテーマを限定した形で他の公園に広げる展開事業を実施することといたしまして、今般、公募の結果、先行している8つの公園とは別の8つの公園の10団体を採択いたしました。展開事業の推進により、その地域ならではの魅力を求める多くの外国人の国立公園への誘客と当該地域の活性化につながることを強く期待いたしております。詳細については、お手元の資料をご覧いただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の戸田です。COP関連でよろしくお願いします。アメリカとのバイ会談をされたとありましたが、パリ協定に残るようにどのように引き留められたかとアメリカの反応を教えて下さい。
(答)ガーバー国務次官補代理、バンクス大統領特別補佐官と、それぞれ会談を行いました。会談の詳細については差し控えさせていただきますが、私からは米国のパリ協定からの離脱方針が残念である旨を表明をいたしまして、米国のパリ協定のスタンスを確認いたしました。米国にとって望ましい条件が整わない限りパリ協定には関与しないという従来通りの方針が示されました。一方で、日米両国は気候変動対策を実施していくことが重要であるということも確認いたしました。米国からは気候変動対策と経済成長との両立が重要であるという点、また、パリ協定を透明性の高い強固な枠組みにして、途上国の取組の透明性向上を図ることが重要だといったようなお話がございまして、これらにつきましては、日本としても同じ認識をもっておりますのでその点は共有できたというように考えております。
(問)ありがとうございます。もう一点なのですけれども、今回のCOPでですね、脱石炭の動きがより加速したのかなと思っておりまして、カナダやイギリスなど中心とした脱石炭のイニシアティブのようなものが発足したと聞いていますが、それに対する日本の参加の可能性とかですね、日本は石炭火力が多いので厳しいかとは思うのですけれども、そういった動きに対する受け止めをお願いします。
(答)はい。現地時間16日、カナダと英国のイニシアティブによりまして、効率の悪い石炭火力発電所を廃止する「Powering Past Coal Alliance」の設立イベントが行われたということであります。このアライアンスは、各国の政府、自治体、企業が、効率の悪い石炭火力発電所の早期廃止を目指すため連携して取り組むために設立されたと聞いております。詳細については承知しておりませんので、今後も情報収集をいたしまして、参加の是非については、その上で、改めて検討したいと思います。長期大幅削減を目指し、世界の潮流をしっかり注視しつつ、我が国としては、2030年度の削減目標を着実に達成しなければならないわけでありまして、石炭火力を含む電気事業分野からのCO2排出量を低減させていくことはどうしても必要なことであります。石炭火力の発電所の新増設計画が40基も出ているというような状態でありまして、このCO2の排出量というのは天然ガスに比べて2倍以上あるわけでありますので、経営の効率化というような、経済性という観点からのみ、その新増設を考えるということはもう許されない、絶対許されないことだというふうに考えておりまして、石炭火力については厳しい姿勢で臨んでいきたいというふうに考えております。
(問)復興関連で、本日から指定廃棄物の搬入が始まりますが、復興が進むという一方で、一部の行政区とまだ安全協定が結べていないということもありまして、その受け止めと、今後の進め方についてお願いします。
(答)先日13日、月曜日でありますが、環境省の伊藤副大臣が鈴木福島県副知事、宮本富岡町長、松本楢葉町長と面談いたしまして、まさに本日17日、金曜日より廃棄物の搬入を開始したい旨、お伝えをいたしました。県も両町もこの搬入については既に容認をいただいているところでございますが、伊藤副大臣との面談に際しまして、副知事、及び両町長からは搬入開始後も安全確保を大前提として事業を進めること、地元住民の方々が安心できるよう引き続き地元に丁寧な説明を行うことなどのコメントをいただきました。環境省といたしましては、県、そして富岡町、楢葉町の思いを真摯に受け止め、今後も安全確保を大前提として適切に事業を進めるとともに、地元住民の皆様との信頼関係の構築に全力で取り組んでまいります。楢葉町の繁岡行政区とは安全協定を締結していないという御指摘でありますが、同行政区に対しては、今後も引き続き事業の必要性や安全対策・環境対策、進捗状況等について説明を行ってまいります。その上で、協定の締結について機会をいただけるのであれば、適切に対応させていただきたいと考えております。

(問)環境新聞の小峰と申します。大臣がボンに行っていらっしゃる最中に、昨日付の産経新聞1面に、沖縄県が施設建設に関する環境アセス条例を改正する方針を固めたことが15日分かったと、これで沖縄県は米軍施設について、改正したアセス条例の適用を考えているという報道でしたけれども、これについての中川大臣の対応方針をお聞かせ願いたいというのが第一点。そしてそれに関連して、もっと大きい視点で、今後も環境問題と、国家の存立基盤であり、国民の生命、財産、日本人の誇りを守る国防とが対立した場合、中川大臣はどういうふうな基本的な判断をなされるのか、具体面そして基本面から両方の問題についてお聞きしたいと思います。
(答)現在沖縄県において環境アセスメント条例の改正が検討されておりまして、その中で、業種によらない一定規模、20ヘクタール以上の土地改変を伴う工事を条例アセス対象とすることも検討されていると承知しております。この条例につきましては、現時点においては環境省として特にコメントすることはございません。
そして今、後半の御質問でありますが、国の安全保障・国防、これはもう、まさに国の存立に関わる極めて重要なことでございます。そしてまた環境を保全していくということも、極めて重要な課題でありまして、この両者を、両方とも両立させていく、そのためのぎりぎりの努力をいままでもしてきたわけであります。事業者である防衛省において、そこのところの調整というものをしていただいて、環境にも十分配慮しながらしっかりと国の安全保障の体制も整えていく。こういった努力を防衛省のほうでしていただいているというふうに認識しております。環境省も、求められれば、環境省の所管に関するアドバイス、サポートはしていきたいと思っております。

(問)共同通信の佐々木と申します。大臣、出張からお帰りになったばかりのところ、COPとはちょっと違うことで大変に恐縮なんですけれども、象牙管理についてお尋ねいたします。今月9日付けでスマートフォン上でフリーマーケットのように個人間で売買するメルカリというアプリを運営している会社が、自社サービス内で、象牙製品の取扱を禁止するということを決めました。私が把握している範囲でですけれども、今年に入って楽天ですとか、イオングループが同じように象牙の取扱をやめるということを決めていて、理由としていずれも国際的な世論に配慮したと言っていて、より具体的には、昨年のCITESの決議、国内市場閉鎖決議ですとか、あるいは実際に、前後に、各国が国内市場を閉鎖する措置などを取り始めていることなどをあげています。一方ですね、日本は、種の保存法を改正して強化されましたけれど、取引自体はまだ認めるというお考えだと思うのですけど、改めまして、国際的には国内市場閉鎖に向かう中で日本として今後も認めていくという理由はどんなところかお聞かせいただきたい。
(答)はい。ご指摘のように株式会社メルカリ、そして既に楽天やイオンが象牙の取扱を中止したことは承知しておりますが、この取扱い中止は同社が自主的に判断したものであると認識しています。近年、我が国では象牙の大規模な違法輸入は報告されておりません。ワシントン条約ゾウ取引情報システムの最新の2016年の報告におきましても、我が国の市場は、密猟や違法取引に関与していないと評価されております。したがって昨年秋のワシントン条約締約国会議における象牙に関する決議によって、我が国が国内象牙市場の閉鎖を求められるようなことは無いというふうに認識しております。しかしながら、象牙の流通管理の強化に対する国際的な要請を踏まえまして、これまで行ってきた国内市場の適正管理を継続することを基本としつつ、先の通常国会で改正された種の保存法に基づき象牙事業について管理の強化を図っていきたいと考えております。現実に、既に管理の強化を図っておりまして、そういった対応で、我が国の象牙市場が批判されないよう、しっかりと適正なものにしてまいりたいというふうに考えております。
(問)続けてすみません、今ETIS(イーティス)のことを仰ったと思うんですけども、ETIS上でも、日本から中国に向けて象牙が輸出されたケースというのは報告されていると思いますし、それから、実際にアフリカゾウが生息している国々から日本が取引を続けることについても批判が出ているかと思うのですけれども、そういった声に対してはどう受け取っていらっしゃるでしょうか。
(答)そういう批判が起きないよう、象牙事業の管理の強化をこれからもしっかりと図っていきたいというふうに考えております。
(問)最後に念のため確認ですが、今後とも市場を維持するという考えにお変わりはないということでよろしいでしょうか。
(答)今の市場を維持するという、そういう意味で申し上げているわけではなくて、しっかりと管理の適正化を図った市場にしていきたいということでございます。

(問)また環境新聞の小峰です。また米軍基地に関連してのお話ですけれども、東京新聞が今日17日の一面トップの記事で、全国の在日米軍基地内で、環境省が1978年度から毎年行っていた環境保全調査は2014年度以降中止されていることがわかったと、環境省は中止を公表せず、本紙の取材で米側からの要請は明らかにしない、同省は基地の外で周辺を調べた方が広範な影響を把握できると判断したと説明するが、専門家や自治体は疑問視しているという記事を掲載しております。これについての事実関係、また、事実関係に基づいた対応をお話しください。お聞かせください。
(答)在日米軍施設区域の周辺地域における環境調査は、米軍施設区域に起因する環境問題の未然防止を図ることを目的して毎年環境省において実施をしているところでございます。それで、この調査結果は、毎回公表しておりまして、要するに環境モニタリング調査をしているわけですけれども、これは毎年公表しております。その公表したモニタリング調査を見ていただければ、どこの部分を調査をしているのかということも明らかにしておりますので、そういう意味では、すべて公表しているということで、公表していないということではございません。どういう調査をすれば、効果的な調査になるのかということで、現在は、その周辺区域を調査しております。それは、基地の直近の周辺部分の調査をすれば、その基地のより広範囲な調査ができますので、基地の中の部分はそこから推計されるわけなので周辺部分を調査するということで適切に実施ができているというふうに認識をしております。現在のところは、特に異常な状況はないということであります。

(以上)

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