中川大臣記者会見録(平成29年11月10日(金)10:42~11:03 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 まず、COP23の出席について御報告いたします。11月13日より、ドイツ・ボンに出張いたしまして、COP23閣僚級セッションに、日本政府代表団の代表として参加いたします。日程は国会の関係がございまして、13日に出発をいたしまして、17日の早朝に戻ってくるという日程になります。今回のCOP23は、米国がパリ協定の脱退を表明してから初めて開催されるものでございまして、この協定の着実な実施に向け、世界的な気運を高めるとともに、実効性を確保していくことが重要になります。我が国としては、COP23の成功に向け、政府一丸となって議論に貢献してまいります。また、会合では、先日発表いたしました「日本の気候変動対策支援イニシアティブ2017」を始め、我が国の取組について積極的に発信してまいります。
 次に、野鳥における高病原性鳥インフルエンザの検出について御報告いたします。野鳥における高病原性鳥インフルエンザが、今シーズン初めて検出されましたので、お知らせいたします。11月5日に島根県松江市において回収されたコブハクチョウの死亡個体1体について、鳥取大学がA型インフルエンザウイルスの確定検査を行ったところ、高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N6亜型が検出された旨、11月9日に環境省に連絡がありました。環境省では、野鳥緊急調査チームを13日月曜日から15日水曜日にかけて派遣し、緊急調査を実施する予定であります。また、環境省としては、野鳥のサーベイランス調査における全国レベルを国内単一箇所発生時の「対応レベル2」に引き上げ、監視を強化しております。関係府省庁連絡会議幹事会において、関係府省庁間で連携を取りつつ、適切に対応してまいります。なお、11月7日及び9日に、島根県松江市において新たに回収された簡易検査で陽性がでましたキンクロハジロの死亡個体2体は、現在、確定検査を行っているところありまして、確定検査の結果が判明次第、お知らせいたします。鳥インフルエンザは、通常の生活では鳥からヒトに感染するものではないため、周辺の住民の方々におかれましては、過剰に心配することのないよう、冷静な行動をお願いいたします。また、野鳥、家畜、ペット等への感染を防止するという防疫上の観点から、現地への立入や取材については自粛されるようお願いいたします。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の戸田といいます。COP関連でお伺いします。現地ではバイ会談もいくつか予定されていると聞いていますが、パリ協定の離脱を表明したアメリカについては、どういうお話をするとか、どういう呼び掛けをしていきたいというものがありましたらお願いします。
(答)アメリカに対しましては、対話の機会を持つことができましたならば、気候変動問題に取り組むことの重要性や、気候変動対策と経済成長を両立させる上でイノベーションの促進が重要なことについて、しっかりとお伝えをしてまいりたいと思います。その上で、パリ協定離脱ということを改めていただいて、パリ協定の中にしっかりと入っていただくようにお願いをしたいと思っております。アメリカの方とお話できれば、そういったことをお伝えしてまいりたいと思いますが、アメリカ以外の先進国の代表の方と対話をすることができましたならば、そういった先進国の方々からも、アメリカに対してパリ協定離脱を思いとどまっていただくようにお願いをしていただけないかということで、先進国で連携をしていきたいと思っております。
(問)もう1点なのですけれども、現地では日本の石炭火力に対する厳しい声などが上がっているようですけれども、例えばバイ会談などで、他国から石炭火力についての考えを問われたときに、どのように説明するのかであったりとか、大臣の改めて石炭火力への認識をお願いします。
(答)石炭火力につきましては、最新鋭技術でもCO2排出係数が天然ガス火力の約2倍ということになっております。我が国においては、石炭火力の多数の新増設計画がございまして、仮にこれらの計画が全て実行されますと、我が国の削減目標は達成困難になるということであります。経済性の観点のみで新増設を進めるということは許されないことだというように考えております。我が国としては、地球温暖化対策計画に基づき、2030年度の削減目標の達成及びそれ以降の削減に向けて、引き続きしっかりと取り組んでいく必要があります。ですから私としては、毎年度、対策の進捗をレビューして、目標が達成できないと判断される場合には施策の見直し等について検討するとともに、石炭火力発電所計画の環境アセスメントにおける大臣意見の機会などを通じまして、石炭火力の問題に対して、厳しい姿勢で臨んでいきたいと考えております。いずれにしても、石炭火力については極めてネガティブに厳しい姿勢で臨んでいくという考え方を申し上げたいと、こういうふうに思っております。

(問)読売新聞の中根と申します。2点お伺いします。冒頭お話がありましたけれども、現地では大臣も発言されるというふうに、ステートメントですね、伺いまして、先日発表されたイニシアティブ2017を始め、我が国の取組について発信するということなのですけれども、もう少し具体的にどのような発言をされる御予定なのか教えてください。
(答)COP23におけるステートメントについては、最終的に検討中ということでございますが、いずれにしても、世界の気候変動対策の着実な実施に向けた我が国の明確な立場、これをしっかりと、リーダーシップを発揮していきたいということを申し上げたい。そして、「日本の気候変動対策支援イニシアティブ2017」を始めとする我が国の先進的な取組や途上国に対する支援、国際協力に関する取組について積極的に発信してまいりたいというように考えております。
(問)朝日新聞さんの質問に関連してなのですけれども、日本時間の今日の未明に、環境NGO等が気候変動の解決に逆行する国だとして、日本に本日の化石賞というのを与えたようなのですけれども、大変不名誉な賞だと思われるのですけれども、大臣の所感を教えていただけますか。
(答)本件についてコメントすることは控えたいと思います。その上で、今申し上げましたように、石炭火力の問題につきましては、今、我が国において、いろいろな新増設計画が出ておりますけれども、繰り返しになりますけれども、経済性の観点のみで新増設を進めることは許されないということ、そして、その目標達成が難しいというような状況になりましたならば、石炭火力に対する対応も含めて政策の見直しを検討していかなければならないということ、それから環境アセスメントにおける大臣意見の機会を通じまして、石炭火力発電所計画については厳しい姿勢で臨んでいきたい。いずれにしても、石炭火力についてはネガティブに厳しい対応で臨むということを申し上げたいと思います。
(問)関連でもう1点なのですけれども、石炭火力の件はそうなのですけれど、あと今回の化石賞の選定理由として、日米首脳会談で日米戦略エネルギーパートナーシップで再生可能エネルギーの支援については一言もかかれていないという点が指摘されているようなのですけれども、日米のエネルギーパートナーシップの中身についてはどのようにお考えですか。
(答)これは公表されたこと以外に私の立場でコメントすべきではないと思います。しかし、再生可能エネルギーの問題につきましては、これは世界各国協調して、また途上国に対しても、しっかりと支援をして再生可能エネルギーの方向に向かっていくように努力をしていきたいと思っています。

(問)共同通信の藤井です。話変わりまして、中間貯蔵施設の関係なのですが、中間貯蔵施設の用地取得の状況で、そろそろ10月末現在の進捗が取りまとまると思うのですけれど、これまでの傾向からして、地権者数が登記簿上の地権者数の半分、面積での民有地の半分ぐらいに達すると思うのですが、その進捗の受け止めと、一方でまだ連絡先が不明な方が500人以上いるという課題もありますけれども、今後の用地取得の取組について一言いただければと思います。
(答)今お話がございましたように、中間貯蔵施設用地の取得につきましては、10月末までに、人数でも、また民有地面積でも、それぞれ半数を超える地権者の皆様から御契約を頂くことができました。先祖伝来の大切な土地を御提供くださった地権者の皆様方の御協力に、そしてまた、両町の皆様の御理解に対して、心より感謝を申し上げたいと思います。そして、これからも引き続き、地権者の皆様方との信頼関係を第一に用地取得に努めてまいります。また、まとまった用地が確保できてきておりますので、そこで施設の整備を進め、輸送を拡大し、安全かつ確実に事業を進めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、これからも地権者の皆様方お一人お一人に、信頼関係を構築した上で、丁寧に御説明をして御理解を頂く努力を更に続けていかなければならないというように考えております。

(問)環境新聞の小峰でございます。今、大臣がCOP23に関連して、石炭火力に非常に否定的な御発言をなさいました。そのときに、大臣、アセスの厳しい意見を述べたいというふうにおっしゃっていました。そしてもう一つは、石炭火力が進むようであれば「施策の見直し」とおっしゃってましたけれども、この「施策の見直し」は、現在、環境省のカーボンプライシング検討会の議論中の排出量取引だとか炭素税、これを念頭においての御発言でしょうか。
(答)石炭火力の割合をどうするのかということは、政府全体としてエネルギーミックスでもってエネルギー基本計画で大体このくらいにしていくということが既に決まっておりまして、それに関係する「施策の見直し」ということでございますが、いろいろな事情があって、ある程度の数字というものが出ております。ただ、それを実現するということは、もう大前提でありまして、それを実現するためにも、石炭火力を、現状からすれば相当抑えていかなければならない。あるいは、更に高効率な石炭火力の発電所に替えていかなければならないということは当然だと思うのですね。そこで、その見通しが上手くいかない、実現できない、こういうような状況になったならば、そこはもうしっかりフォローした上で、その数字を最低限そこまでは落とさなければなりませんから、その場合に、いろいろな政策を更に検討していかなければならないということを申し上げたわけであります。その政策の中にカーボンプライシングが入っているのかどうかということは、今ここで、それと直結した形で申し上げる段階ではないと思います。カーボンプライシングはカーボンプライシングとして石炭火力の問題とは別に、やはりもっと広い立場で検討していかなければならない、そういう課題だというふうに思っております。

(問)NHKの金澤と申します。1点だけお伺いしたいのですけれども、今日の午前中、福島県の大熊町について、特定復興再生拠点区域について指定して除染を進めるということで、政府の方から発表があったと思うのですけれど、この件に関して、環境省として、前の双葉町に続いて2例目になるとは思うのですけれど、改めて環境省としての取組の考えについてお願いします。
(答)環境省といたしましては、本日、大熊町の特定復興再生拠点区域復興再生計画について、内閣総理大臣による認定がなされましたので、当該計画に基づき、関係省庁一体となって特定復興再生拠点区域における除染や解体、廃棄物処理を実施してまいります。今回の特定復興再生拠点区域復興再生計画の認定は福島の復興・再生の更なる前進に向けた大きな一歩となりますので、環境省としても、しっかりと役割を果たしていきたいというように考えております。

(以上)

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