中川大臣就任記者会見録(平成29年8月3日(木)22:17~23:09  於:環境省第一会議室)

1.発言要旨

 環境大臣と原子力防災担当大臣を拝命いたしました参議院議員の中川雅治でございます。人類のあらゆる社会経済活動から生じうる、多様で複雑な環境問題に全力で最大限取り組んでまいる所存でございます。先ほど、官邸での会見で申し上げたところでございますが、総理からは、復興の更なる加速化、地球温暖化対策の推進、ヒアリをはじめとする特定外来生物への対処、原子力規制委員会のサポート、原子力防災体制の強化などに取り組むよう、御指示をいただいたところでございます。この総理からの御指示に対しまして、全力で取り組むとともに、廃棄物リサイクル対策、生物多様性の保全、国民の健康と良好な環境の確保などにも真摯に取り組んでまいります。また、環境問題に取り組むことによって、社会経済上の諸問題をも同時に解決し、将来にわたって質の高い生活をもたらす持続可能な社会を実現できるよう、環境政策を新たな成長の牽引力としていきたいと思います。従来から、環境と経済の統合された社会、という言葉がございますが、更にそうした社会を一歩進めて、環境政策が新たな成長の牽引力になると、そういう社会を目指してまいりたいと思っております。さらに、原子力防災につきましても、国民の生命、身体、財産を守ることは国の責務であるということを胸に刻み、関係の自治体と一体となって、継続的に取り組んでまいります。私自身、この環境省で、かつて局長、事務次官を務めた経験がございます。また、参議院議員になりましてからも、環境問題を活動の大きな柱としてやってまいりました。そういう経験をいかしながら、知識をいかしながら、環境問題にこれから全力で取り組む所存でございます。大変大きな任務をいただきまして、責任の重さを痛感しているところでございます。今後とも、御指導、御鞭撻のほどお願いを申し上げまして、私から冒頭の発言にさせていただきます。

2.質疑応答

(問)毎日新聞の五十嵐と申します。1点お尋ねいたします。先ほどの官邸の会見でも御発言ありましたが、明日、福島県を御訪問されて、福島県知事と意見交換されるということを伺いました。この点に関連しまして、東日本大震災から6年が経過したということですが、現状の被災地、特に福島県はどういう段階にあるかというところについて1点お尋ねするのと、もう一つは、環境省の機構改革で、この7月から放射性物質の汚染対策と廃棄物・リサイクルの部門を一元化したという点がございますが、これまで被災地復興に対して、この機構改革をする以前と、その以後とでどのような違いがあって、今後どういった点で改善が期待されるか、大臣のお考えを伺いたいと思います。
(答)今、お話がありましたとおり、東日本大震災の発生から6年が経過したところでございますが、まだまだ復興は道半ばだというふうに思います。被災地の復興というのは最重要課題であると認識をいたしております。福島を始め、被災地の住民の方々が安心して暮らせるようになると、そのために環境省といたしましては、大きな任務として除染という仕事があったわけでございますが、これはおおむね完了をしているところであります。ただ、フォローアップをしていかなければなりません。また、線量が高くなったところ、あるいはまだ十分でなかったところが出てくれば、引き続き除染をしていくということでございます。それと、中間貯蔵施設の整備というものを推進していかなければなりません。まずは、土地の取得をこれからも順調に進めていかなければならない。そして、そこに施設を整備して搬入をしていく、完了していくと、こういう大きな仕事がございます。また、放射性物質に汚染された廃棄物の処理、放射線に係る住民の健康管理、健康不安対策等々ございまして、こういったものに全力で取り組んでまいります。今、お話がございました環境再生・資源循環局という局を、環境省の中の機構を再編することによりまして、福島の復興に向けた様々な関係業務を、本省においてまず一元化をすると。そして、福島事務所と一体となって復興に取り組んでまいりたいと思っております。本省の中にいろいろございました関係業務を、この環境再生・資源循環局の下に一元化をして、そして局長の下に、今までばらばらだった業務を統一的に推進をする。それは人的にも予算的にもですね、そういう体制ができたということは非常に大きいと思います。その一元化された局と福島の環境事務所とがしっかりと連携をしていく、そういう体制が整ったと思います。あとは、職員の皆様方がそういう意識を持って、そしてまた機構が一元化したということをいかして、職務に精励をしてもらいたいということでございます。

(問)読売新聞の野崎と申します。先ほど、官邸の記者会見でも質問があった石炭火力の件でお尋ねしたいのですけれども、国内で新増設の計画が約40進んでおりまして、その現状についてどのようにお考えかということと、それと先日、山本前大臣が愛知県の武豊火力発電所の石油発電施設を石炭に置き換えるというリプレース計画に対して、再検討も含めて検討するようにという厳しい意見を出されましたが、中川大臣はこの意見書の方針というか方向を継続、受け継ぐような形になるかどうか、その2点をまずお願いします。
(答)この意見書の武豊火力への意見、山本前大臣の御指摘というものは、全く私も同感でありまして、その方向を大事に引き継いでまいりたいと思っております。原子力発電が休止しているということで、火力発電所を設置をするという動きが出ておりますが、これがどんどん設置されるということになれば、国の目標でありますCO2の削減は実現できなくなります。そういう意味では、私も従来から大変な危機意識を持っておりまして、火力発電、石炭火力の発電所を正に経済性というようなことで増設していくということは許されないことだという意識を持っております。ですから、事業者においても、また経済産業省においても火力発電所というものの新増設に当たっては、CO2というものをいかに削減するか、国が目標としているところにしっかりと収めてもらう、そのためにはどうすればよいのかということをしっかりと考えていただきたいということでございまして、山本大臣の路線というものを私も引き継いでまいりたいと思っております。

(問)NHKの松田です。今の石炭火力の質問に関連してなのですけれども、大臣、以前に磯子の石炭火力発電所を視察されたことがあるかと思います。そして、先ほどの官邸での会見のときに、全ての石炭火力発電所がノーというわけではないというようなお話もありましたが、こういった効率の良い石炭火力であれば認めるというようなことなのかなと思ったのですけれども、今の発言だと、そういった高効率のものでも認められないというようなお考えなのでしょうか。 
(答)そこは全体として火力発電所をどういうふうにしていくのかということだと思います。ですから、まだ実用化の段階には至っていないかもしれませんけれども、例えばCCSといったような形で、CO2が排出されないような石炭火力発電所ができるとすれば、それは石炭火力だから頭ごなしにだめだということではないと思いますが、今、建設が計画されている、そういう状態ができたら、全部実現してしまったら、これは大変なことになるので、全体として石炭火力には大きな事業リスクがあるということであります。これは、地球温暖化対策の観点から大変大きな事業リスクがあるわけですから、例えば事業者全体として所有する低効率の火力発電所を休止するとか廃止するとか、稼働を抑制するといったようなCO2の削減を実現して、全体として、しっかりと国の目標に収まるようにしてもらいということです。これが山本大臣の御指摘だと思います。その指摘を私も引き継いでいきたいと思います。

(問)熊本日日新聞社の内田と申します。水俣病問題で大きく2点質問させてください。水俣病は公式確認から60年以上は経過しているのですが、未だに解決したとは言い難い状況が続いています。この水俣病問題に対する現状の認識と、今後どのように取り組まれるのかお聞かせください。それともう1点関連してなのですけれども、水銀に関する水俣条約が16日に発効して、9月にはCOP1もジュネーブで開催されると思います。水俣病を経験した日本として、この水銀汚染の問題にどのように取り組まれるのか、こちらもあわせて抱負をお願いします。
(答)御承知のとおり水俣病というのは、環境が破壊され大変多くの方が健康被害に苦しまれた、我が国の、正に、公害、環境問題の原点になると。そういう極めて大きな問題であると認識しております。現在でもまだ苦しんでおられる方が大勢おられるわけでございまして、私も、地域の人々が安心して暮らせる社会を実現するために真摯に取り組んでいかなければならないと決意をしているところでございます。具体的には、公健法の丁寧な運用を積み重ねるということはもとより、地域の医療福祉の充実や地域の再生、融和、振興にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。また、水俣条約は本年8月16日に発効することが決定したところでございまして、我が国では水銀汚染防止法等が施行されます。環境省としては、関係府省庁とも連携しつつ、水銀使用製品にかかる規制等、水銀汚染の防止に総合的かつ計画的に取り組む所存でございます。また、我が国は世界の水銀対策をリードしていくという大切な役目があると考えておりまして、途上国が水俣条約を適切に実施していくことが可能となるよう引き続き支援をしてまいりたいと考えております。

(問)朝日新聞の戸田と申します。以前、事務次官をされていて約15年経ちますが、その中で、気候変動とか環境問題をめぐる状況は大きく変わったと思いますが、その辺りの認識をまず聞かせていただきたいのが一つと、事務次官をされて、今、大臣になられて、どの辺が事務次官をしたことがいかせるとか、事務方を知っていることがいかせると思っているのか教えてください。
(答)気候変動問題というのは、私が事務次官をしておりましたときは、正に京都議定書を批准するということで、国会でそのための審議をしていただく、そういう大変重要な局面に私も立ち会って仕事をさせていただいたわけでござまして、この地球温暖化対策、また気候変動問題というものは正に人類の生存に関わる問題だと。持続可能な社会をつくっていくためには、これは全世界でお互いに協力して、先進国も途上国もそれぞれの立場で協力して進めていかなければならない課題だという認識を持っておりました。その後もずっと参議院議員として、自民党の環境部会長をしたり、温暖化調査会の副会長をしたり、参議院の環境委員会の理事をしたり、委員をしたり、そういった形で、この問題につきましてもずっとフォローをして、発言もしてきたところでございます。ただ、なかなかこの問題、解決に向かうどころか非常に深刻な状態というものは続いております。ただ、日本は省エネの技術、そしてまた再生可能エネルギーの導入にも、もちろん真剣に取り組んでいるところでありまして、環境技術の面では世界に誇るべきものがあると思いますが、ただ全世界で見れば御承知のとおり、パリ協定からトランプ大統領、アメリカが脱退をするというような動きがございまして、思うように全世界の中で進んでいないということも事実だと思います。ただ、世界の流れは、これはもう確実に、危機意識を共有して、気候変動対策を全世界がとっていかなければならないという流れはできてると思います。ですからまず日本としては、そうした世界の中でしっかりとリーダーシップを発揮して、また更なる省エネ、再生可能エネルギーの推進に努力をしていくということで模範を示していかなければならない、そういう立場にあるのではないかと思っております。
(問)事務次官の経験をどのようにいかせるかというのは。
(答)事務次官のとき、その前は局長も務めましたが、役人としての立場で携わったわけでありまして、環境省の、今の事務次官以下、一緒に仕事をした仲間でありますので、私もそのとき以来おつきあいが続いている方も大勢いますので、そういう意味では本音で議論できる、そういう関係にあると思います。ですから、十四、五年前のことでありますので状況が大分変わっておりますけれども、そのときの仲間と、同僚と一緒に議論したことを思い出して、そしてその後、福島の復興という大きな任務が環境省には加わったわけであります。原子力規制委員会、原子力規制庁、これは環境省の3条委員会ですが、外局という形で設けられましたし、原子力防災の担当も、私、今回命じられました。そういった大きな任務が加わっておりますので、環境省の仕事ももちろん変容しているわけでありますが、昔のそういった知識や経験や、仲間と議論したということは、今回の大臣に就任させていただいたときの仕事にもいかしていけるのではないかと思っております。

(問)時事通信の市原と申します。パリ協定の関連で伺いますけれども、今、トランプ政権がパリ協定からの離脱を表明して、今、翻意させることはなかなか難しそうな状況になっていますけれども、日本政府の交渉姿勢として、ドイツなど欧米諸国と比べると、若干態度として弱いのではないかとか感じるところがあるのですけれども、大臣として、今の日本政府の交渉姿勢をどうお感じになっているのかということと、欧米諸国の連携を今後どうしていくべきとお考えでしょうか。
(答)私が次官をしていたときから、その後も環境問題に携わる中で、やはりアメリカの対応というのは非常に大きな位置付けを占めるわけであります。オバマ政権のときの対応と、トランプ政権になって大分変わってきたとういうことは言えると思いますけれども、ただ、アメリカも州によって、またいろいろな事業者によって、地球温暖化対策、気候変動対策をしっかりとっていかなければならないという、そういう認識は変わっていない、あるいはもっと深い状況になっているという部分もあるわけであります。ですから、全体として失望ばかりしているわけではない。やはりもっと、トランプ政権に対しては、我が国としては、気候変動対策の重要性、パリ協定の必要性というものを訴えていかなければならない、説明をしていきたいとは思いますけれども、アメリカの対応というものは、やはりまだ具体的には一つ一つ取ってみると、どういうふうな状況なのかということは、私もまだよく分からない部分がございますが、全体として、そういう認識というものは、アメリカの中でもいろいろなところで共有されていると思っております。そしてまた、ドイツ等の環境先進国と、日本は連携をしていくということも非常に重要だと思っておりまして、実際にドイツに学ぶということは多いと思います。私も議員をしているときに、ドイツ政府の招待なのですけれども、環境関係のいろいろな施設を見たり、関係者と意見交換をさせていただきまして、ドイツの環境問題に対する取組の先進性というものには、本当に私自身も学ぶところが多かったわけでありまして、もっともっとそういったことを学びながら連携できるところは連携をしていかなければならないと思っております。

(問)NHKの金澤と申します。大臣、1点だけお伺いしたいのですけれども、福島の中間貯蔵施設の整備に関して、土地の取得と、そこの設備への廃棄物の搬入に関してなのですけれども、大臣として今、現状をどのように認識されていて、それを前に進めるために大臣のお考えがあれば、一言お願いします。
(答)現在、福島県内の中間貯蔵施設につきましては、用地の取得を進めているところでございます。平成29年、本年の7月末の速報値では1,026人、約553ヘクタールの用地取得ができているということでございます。この用地取得につきましては、権利者がどなたなのかということの調査をして、また、相続人まで追いかけた調査をして、大体それは完了というわけにはいっておりませんけれども、かなり進んでいると思います。そして、それぞれの地権者と丁寧に接触をして、御理解をいただく、そういう作業を福島環境事務所の職員、大勢一丸となって、本当に大変な苦労を重ねながら進めているところでございます。しかしそれは一つ一つ実を結んでいるとういことも確かだと思っておりまして、更に加速をしていかなければならないことは当然ですけれども、現状、それなりの成果はあるし、また進捗はしていると私は評価をしているところでございます。これからも、中間貯蔵施設に係る「当面5年間の見通し」というのがあるわけですけれども、それに沿って全力で取り組んでまいりたいと考えております。

(問)日本農業新聞の隅内と申します。農業の関係ですと、気候変動とか鳥獣害の問題が大変課題になっているのですけれども、国内での現状ですとか、今後の対策についてお考えを聞かせていただければと思います。
(答)気候変動が進みますと、いままで採れていた農産物が採れにくくなったり、また非常に悪い品質のものになったりすると。もちろんそういう問題がございますから、まずは気候変動対策にしっかり取り組むということが大事だというふうに思います。この気候変動の影響というのは、おっしゃるように農業だけでなく水産業にも現れていると思いますし、自然災害などの幅広い分野にわたって現れ始めておりまして、もちろん根っこの気候変動の影響を断つという試み、そういう取組が大事であるということはもちろんですけれども、こうした影響に対処して被害を回避、軽減する、これを適応策と呼んでおりますけれども、適応策も重要でございます。一昨年11月に閣議決定されました「気候変動の影響への適応計画」というものがございますが、これに基づいて、関係省庁において対策を進めているところでございます。また、こういった適応策につきまして、いろいろな提言や御要望もございますので、そういったものもしっかりと受け止めて、検討してまいりたいと考えております。
(問)大変恐縮ですが、野生鳥獣の関係は。
(答)野生鳥獣の関係は、これは鳥獣被害というのはかなり深刻な問題でありまして、ニホンジカとかイノシシですね、その増加によって鳥獣被害が拡大していると。これは全体の生態系とか、農林水産業、あるいは生活環境への被害というものが深刻化しております。これは農水省と共にやらなければいけないことでございますけれども、ニホンジカとかイノシシの個体数を10年後、平成35年度までに半減するという目標を平成25年に定めたところでございますが、この目標の達成に向けて、鳥獣保護管理法に基づく仕組みの下で、計画的な捕獲を行う都道府県を交付金により支援をしているところでございます。加えて、狩猟免許の取得を促すフォーラム等を全国で開催するなど、捕獲の担い手、これも不足していますので、それを育成し、確保していく、そういう取組も大事だと思います。これは環境省だけではできません。都道府県や農水省を始め、関係省庁と連携を図りながら鳥獣対策に積極的に取り組んでまいりたいと思っています。

(問)環境新聞の小峰と申します。まず、中川大臣の就任及び今回の内閣改造の布陣を見て、記者クラブ、一般紙、専門紙の専らの話の話題から紹介した上で質問させていただきます。今回の内閣の布陣を見ますと、環境大臣が中川雅治大臣、厚生労働大臣が加藤勝信さん、ともに財務省の方です。中川さんは理財局長まで経験して、こちらに、総合政策局長、次官とやられていると。加藤さんも財務省の出身の方で、財務省の仕組みをよく知っているということで、ここで今、専ら記者クラブで話題になっているのは、これは安倍総理と麻生財務相は消費税増税19年10月を断念したなと。そしてその代わりに、代替措置として大型炭素税を導入し、歳入面は指揮を執るのが中川大臣、歳出面は社会保障は加藤勝信さんと。一方で、ここの官僚人事もつい3週間前にありましたけれども、新たな総合環境政策統括官といってますけれども、要するに局長ですよね。1番のそこの局長の中井徳太郎さん、彼も財務省からエースとしてこちらに来たということなので。そして、これは1番やらなければならないのは、大型炭素税へ向けての布石の官僚人事だと。もう全部そろっているわけなんですね。これが記者クラブでの専らの話なのです。これは消費税増税の見送り、そして大型炭素税の導入ということで中川大臣が来たというふうな我々の見方でよろしいんでしょうか。
(答)全くそのようなことを意識したことはございません。今、初めて伺いまして、そういううがった見方もあるのかなと思った次第でございます。消費税の増税の問題は、これは既定方針というものが既にあるわけでありまして、最終的には総理が判断されることでありますが、環境省とか厚生労働省の所管ではもちろんないわけでありまして、そのようなことを意識した布陣だという御指摘は、私は当たらないのではないかなというふうに思っております。それから、炭素税あるいは排出量取引制度といったカーボンプライシングにつきましては、これはやはり炭素の排出に対して価格をつけるという、温室効果ガスのコストを意識して行動するようにしていただくということによって、全体のCO2を削減していくという、いわば経済的手法といわれるものでありまして、これは東京都でも排出量取引が実施されておりますし、諸外国でもいろいろ実施している国はあるわけであります。環境省でもこの6月にカーボンプライシングのあり方に関する検討会というものを立ち上げまして、今後の中長期の大幅削減に向け、我が国にとって実効的な施策の在り方は何かということを検討を始めているわけであります。まずは、学問的にこういったカーボンプライシングというものが、どの程度実効的なものなのかということをまずは検討していただくということが大事だと思っておりまして、その検討結果に私は大変感心を持っております。この問題と、消費税の問題とか社会保障の問題とは直接は関係がないというふうに思っております。
(問)そうお答えすると思いました。その上で質問させていただきます。中川大臣が総合政策局長に来られたのは2001年の1月6日、次官になられたのは2002年の1月8日、2003年4月1日までやられていましたけれど、そのときに中川大臣は、今の地球温暖化対策税の最初の契機となりました石炭課税をきっかけとしたエネルギー特別会計の大見直しをされた鈴木俊一大臣の、その下の事務次官でした。そのとき経産省との合意が、平沼赳夫経産大臣と鈴木俊一環境大臣との間の文書が自筆のサインであります。これは実質的に、中川、当時の事務次官と村田成二事務次官との合意だということだと思います。ここにおいて初めて石炭に課税し、環境省に100億円くらいのお金が来ましたけれども、それが今、地球温暖化対策税として、あなたが生んだエネルギー特会の環境省分が、今、1,500億円くらいになっているんです。経産省も含めて約3,000億円、年間の税収でなっています。そして今度、財政の危機だとか社会保障財源のないことを、あなたの来た使命、ミッションは大型炭素税以外にありえないはずなんです。先ほど、カーボンプライシング検討会で学問的なことをやっているなんて言っているけど、あなたもう既に2011年にこれ検討してやっているじゃないですか。大型炭素税以外に考えられません。大型炭素税で5兆円になるのか、3兆円になるのか、1兆円になるのか分かりませんけれども、こういうふうに状況証拠はそろっているんですよね。
(答)当時、炭素税、環境税というものが議論されまして、そのときのことを思い出しますと、いわゆる価格効果、炭素税や環境税を課すことによって、CO2をより多く出す、そういった石油とか石炭とか、そういったものに課税することによって価格が上昇する、そうしますとその消費を抑制する、その効果と、それからそれによって得られる税収を効果的な地球温暖化対策に充当することによる削減効果とどちらが大きいのかという検討が当時なされまして、そのときはやはり歳出の効果の方が相当大きいという報告が出されたのを思い出します。一方で、もちろん価格効果も大事でありますけれども、それによって得られた税収を効果的な地球温暖化対策に使っていくということが非常に重要なことだと思っておりまして、あくまでこの炭素税というものをこれから更に拡充していくという議論が出ましても、それはあくまで温室効果ガスの削減をする、そのコストを意識していただく価格効果と、それから税収による歳出によって地球温暖化対策を効果的に実施していくこととあいまって、あくまで地球温暖化対策、CO2削減の効果をねらうというものでありまして、それが社会保障財源になるとか、そういうことを考えたことはないと思います。これからもないと思います。
(問)今のお話とは全くちょっと別の話なんですけれども、中川さんが事務次官のときの上司である鈴木俊一、当時環境大臣、彼が今回の内閣改造で、オリンピック・パラリンピックの担当大臣になりましたけれども、当時の上司が五輪担当相ということで、それであなたが環境大臣、鈴木俊一さんが今度、五輪担当相ですから、五輪と環境省との関係をお聞かせ願いたいと思います
(答)これはオリンピック・パラリンピックというものを契機に環境配慮をしていくと。もちろん競技自体、大変暑い夏に行われるわけですから、暑さ対策とか環境配慮をしていくために、いろいろな施策をしていかなければならないというふうに思いますが、それと同時に、やはり世界から来られるお客様に、我が国の環境先進国としての状況を見ていただきたい。そしてそれを世界に広める、そういう大きな機会にしていきたいというように思っております。その意味で、いろいろな施策を、オリンピック・パラリンピックという一つの目標に向けて進めて、その成果を、環境にやさしい大会ということを実現すると同時に、それを契機に日本の環境問題がここまで進んでますよ、環境対策がここまで進んでいるということもPRできる、そういう場にできればという思いであります。

(問)西日本新聞の川口と申します。原子力防災も担当されるということで、原発のある周辺地域では、原発のある自治体だけじゃなく、その周辺地域も含めて、例えば大型船が着岸できる岸壁の整備だとか、非常にお金のかかるハード整備を求めている部分があるのですけれども、そういったハード整備については、大臣はどうお考えかということと、ヒアリ対策を大臣として何か新しく始めたいということがあれば教えてください。
(答)原子力防災対策の充実というのは、これは住民の安全、安心の観点から極めて重要なことでございます。したがいまして、いろいろな知見を取り入れて、また、いろいろな御提言もございますので、そういったものをしっかりと踏まえて、原子力防災の充実強化に責任を持って今後とも取り組んでまいりたいと思います。原子力防災に、これで十分だとかいうことはありませんし、終わりもないわけであります。いろいろな対策、もちろんお金もかかると思います。しかし、これはいざというときに、国民の生命、安全を守るために必要なことでありますから、訓練等も含めて十分な対策を採っていきたいという思いでございます。
 それからヒアリにつきましては、これはやはり、まずは水際対策が必要だというように思います。実際に、この6月初めにヒアリが確認されて以降、これまでに10事例が報告されております。いずれも自治体や港湾管理者、事業者等との協力の下、発見個体を速やかに駆除しております。そういう意味で、水際対策というものは、現在のところ機能していると思います。同時に、殺虫餌による防除や、トラップの設置による確認調査も行っているところでございます。これからはやはり、発見された地点の周辺の確認調査というものが大事になりますし、また、中国等のヒアリの生息地域からの定期コンテナ航路を有する全ての港湾を対象とした、現在、68港における調査、殺虫餌の配備を実施しているところでありますが、引き続き、徹底した水際防除に努めるということが大事だと思っております。7月20日にはヒアリ対策関係閣僚会議が開催をされました。引き続き、関係省庁が一体となって、まずは早期発見、早期防除、同時に国民への正確な情報の提供に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。

(以上)

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